JP2015051520A - ガスバリア性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】水蒸気などの種々のガスに対する高いガスバリア性と、高温高湿下や耐候試験後における高い層間密着性とを有するガスバリア性フィルムを提供する。【解決手段】本発明に係るガスバリア性フィルム5は、高分子フィルム基材1の少なくとも一方の面に、アンカーコート層2と無機酸化物層3とオーバーコート層4とをこの順序で配置し、アンカーコート層2をアクリル樹脂とイソシアネート樹脂とからなるウレタン樹脂とし、アクリル樹脂をアクリル酸エステルモノマーとメタクリル酸エステルモノマーの少なくともいずれか一方を2種以上用いてブロック共重合させたものとしている。【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリア性及び密着性に優れたフィルムに関する。
ガスバリア性フィルムは、例えば、ハードディスクや半導体モジュールなどの精密電子部品類、太陽電池のバックシート、食品や医薬品等の包装分野、あるいは非包装分野で酸素や水蒸気を遮断する必要がある部材の分野に広く用いられている。
精密電子部品類の包装においては、金属部分の腐食や絶縁不良などを防止するために包装材料を透過する酸素や水蒸気、その他内容物を変質させる気体を遮断するガスバリア性を備える包装体が求められている。また、食品包装においては、蛋白質や油脂などの酸化や変質を抑制し、味や鮮度を保持することが必要である。また、無菌状態での取り扱いが必要とされる医薬品類の包装においては、有効成分の変質を抑制し、効能を維持することが必要である。
そのため、従来から温度や湿度などに影響されないアルミニウムなどの金属箔やアルミニウム蒸着フィルムあるいは、例えばポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)などの樹脂フィルムやこれらの樹脂をラミネートまたはコーティングしたプラスチックフィルムなどが好んで用いられてきた。
しかし、ガスバリア性を有する樹脂フィルムやガスバリア性を有する樹脂をコーティングしたフィルムは、温度依存性が大きく、高いガスバリア性を維持できない。さらに、PVDCやPANなどは、使用後の廃棄、焼却の際に有害物質が発生する原因となる可能性を有していた。
また、アルミニウムなどの金属箔やアルミニウム蒸着フィルムを用いた包装材料は、ガスバリア性には優れるが、レトルト耐性がなく、不透明であるため、包装材料を透過して内容物を識別することが難しいといった欠点を有していた。また、上記包装材料は、使用後の廃棄の際に不燃物として処理しなければならない点や金属探知機による異物検査や、電子レンジでの加熱処理ができないなどの欠点を有していた。
これらの欠点を克服した包装用材料として、最近では例えば酸化珪素(以下、「SiO」とも表記する。)、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどの無機酸化物を透明な基材フィルム上に蒸着したガスバリア性フィルムが上市されている。また、上記の欠点を解決する技術としては、例えば、特許文献1に記載の技術がある。
これらのガスバリア性蒸着フィルムは、金属蒸着フィルムほどではないが、酸素や水蒸気などのガス遮断性を有していることが知られている。しかし、これらのフィルムは、高いガスバリア性と高温高湿下(85℃85%RH)や耐候試験後における層間の密着強度については未だ不十分である。
特許第5103184号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、高いガスバリア性と、高温高湿下や耐候試験後における高い層間密着性とを有するガスバリア性フィルムを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、基材の少なくとも一方の面に、アンカーコート層と、無機酸化物層と、オーバーコート層とをこの順序で配置し、前記アンカーコート層を、アクリル樹脂とイソシアネート樹脂とからなるウレタン樹脂とし、前記アクリル樹脂を、アクリル酸エステルモノマーとメタクリル酸エステルモノマーの少なくともいずれか一方を2種以上用いてブロック共重合させたものとしたことを特徴とするガスバリア性フィルムである。ここで、「アクリル酸エステルモノマーとメタクリル酸エステルモノマーの少なくともいずれか一方を2種以上用いて」とは、アクリル酸エステルモノマーを2種以上用いてもよいし、メタクリル酸エステルモノマーを2種以上用いてもよいし、アクリル酸エステルモノマーとメタクリル酸エステルモノマーとをそれぞれ1種以上用いてもよいことを意味する。
また、上記ガスバリア性フィルムにおいて、前記アクリル酸エステルモノマーまたは前記メタクリル酸エステルモノマーを、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートの群から選択される1種以上のモノマーとし、前記アクリル酸エステルモノマーと前記メタクリル酸エステルモノマーの少なくともいずれか一方を3種以上用いて構成された前記アクリル樹脂では、1種のモノマー組成比を5mol%以上50mol%以下の範囲内としたこととしてもよい。ここで、「アクリル酸エステルモノマーとメタクリル酸エステルモノマーの少なくともいずれか一方を3種以上用いて」とは、アクリル酸エステルモノマーを3種以上用いてもよいし、メタクリル酸エステルモノマーを3種以上用いてもよいことを意味する。また、2種以上のアクリル酸エステルモノマーと1種以上のメタクリル酸エステルモノマーとを用いてもよいし、1種以上のアクリル酸エステルモノマーと2種以上のメタクリル酸エステルモノマーとを用いてもよいことを意味する。
また、上記ガスバリア性フィルムにおいて、前記アクリル樹脂の分子量を、1,000以上1,000,000以下の範囲内としたこととしてもよい。
また、上記ガスバリア性フィルムにおいて、前記アンカーコート層の厚みを、1nm以上10,000nm以下の範囲内としたこととしてもよい。
また、上記ガスバリア性フィルムにおいて、前記無機酸化物層を、O/Si比が1.5以上1.8以下の範囲内であるSiOとしたこととしてもよい。
また、上記ガスバリア性フィルムにおいて、前記無機酸化物層の厚みを、5nm以上300nm以下の範囲内としたこととしてもよい。
また、上記ガスバリア性フィルムにおいて、前記オーバーコート層を、水溶性高分子と、アルコキシシランまたはその加水分解生成物とを含有するものとしたこととしてもよい。
また、上記ガスバリア性フィルムにおいて、前記オーバーコート層の厚みを、5nm以上300nm以下の範囲内としたこととしてもよい。
本発明の一態様に係るガスバリア性フィルムによれば、基材の少なくとも一方の面に、アンカーコート層と無機酸化物層とオーバーコート層とをこの順序で配置している。また、アンカーコート層をアクリル樹脂とイソシアネート樹脂とからなるウレタン樹脂としている。また、アクリル樹脂をアクリル酸エステルモノマーとメタクリル酸エステルモノマーの少なくともいずれか一方を2種以上用いてブロック共重合させたものとしている。
この構成によれば、アンカーコート層を、アクリル酸エステルモノマーとメタクリル酸エステルモノマーの少なくともいずれか一方を2種以上用いてブロック共重合させてなるアクリル樹脂と、イソシアネート樹脂とからなるウレタン樹脂とすることができる。このため、この構成であれば、高いガスバリア性と、高温高湿下や耐候試験後における高い層間密着性とを有することができる。
本発明の一実施形態に係るガスバリア性フィルムの断面図である。 本発明の一実施形態に係るラミネートガスバリア性フィルムの断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るガスバリア性フィルムの構造を説明する断面図である。ガスバリア性フィルム5は、高分子フィルム基材1の上にアンカーコート層2、無機酸化物層3、オーバーコート層4がこの順序で配置されたフィルムである。図2は、本発明の一実施形態に係るラミネートガスバリア性フィルムの構造を説明する断面図である。以下、ガスバリア性フィルム5及びラミネートガスバリア性フィルム8を構成する各層の詳細について説明する。
(高分子フィルム基材1)
高分子フィルム基材1は、特に制限を受けるものではなく、公知のものを使用することができる。高分子フィルム基材1としては、例えば、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)ポリエステル系(ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等)、ポリアミド系、(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリスチレン、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、アクリル、セルロース系(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等)などの高分子のフィルム基材が挙げられるが、特に限定されない。
高分子フィルム基材1として、透明フィルムを用いることは、大量生産に適するため好ましい。また、高分子フィルム基材1の厚みに関しては、特に制限を受けるものではなく、ガスバリア性フィルム5を形成する際の蒸着加工などの加工性を考慮すると、実用的には6μm以上188μm以下の範囲内が好ましい。
(アンカーコート層2)
アンカーコート層2はウレタン樹脂で形成されたものであり、そのウレタン樹脂はアクリル樹脂とイソシアネート樹脂とから形成されたものである。
アンカーコート層2の(メタ)アクリル樹脂は、2種以上の(メタ)アクリル酸エステルモノマーをブロック共重合したものである。ここで、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸とメタクリル酸との総称である。つまり、アンカーコート層2を形成するアクリル樹脂は、アクリル酸エステルモノマーとメタクリル酸エステルモノマーの少なくともいずれか一方を2種以上用いてブロック共重合させたものである。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、特に制限を受けるものではなく、公知のものを使用することができる。(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、メチルアクリレート(MA)、エチルアクリレート(EA)、プロピルアクリレート(PA)、ブチルアクリレート(BA)、シクロヘキシルアクリレート(CHA)、メチルメタクリレート(MMA)、エチルメタクリレート(EMA)、プロピルメタクリレート(PMA)、ブチルメタクリレート(BMA)、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、ヒドロキシブチルアクリレート(HBA)、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、ヒドロキシブチルメタクリレート(HBMA)、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)などが挙げられるが、特に限定されない。層間(具体的には、アンカーコート層2と無機酸化物層3との間やアンカーコート層2と高分子フィルム基材1との間)における高い密着性(つまり、高い層間密着性)を維持するためには、(メタ)アクリル酸エステルモノマーとして、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートの群から1種以上選択することが好ましい。また、ヒドロキシル基やカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、イソシアネートと反応し、層間密着力が向上するため、導入したほうが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーを2種組み合わせてブロック共重合させる場合には、モノマー組成比は特に限定されないが、3種以上を組み合わせてブロック共重合させる場合には、1種のモノマー組成比を5mol%以上50mol%以下の範囲内にすることが好ましい。1種のモノマー組成比が5mol%未満の場合や50mol%を超える場合には、アンカーコート層2を備えるガスバリア性フィルム5は、高いバリア性と高い層間密着性の少なくともいずれか一方が得られない可能性がある。
上述のようにしてブロック共重合させたアクリル樹脂の分子量は、1,000以上1,000,000以下の範囲内であることが好ましい。アクリル樹脂の分子量が、1,000未満の場合や1,000,000を超える場合には、アンカーコート層2を備えるガスバリア性フィルム5は、高いバリア性と高い層間密着性の少なくともいずれか一方が得られない可能性がある。
アンカーコート層2のイソシアネート基含有樹脂(以下、単に「イソシアネート樹脂」ともいう。)としては、例えば、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソサネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ノルボルネンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート等の各種ジイソシアネート、及びそれらの各種変性物、及びそれらを多官能化したダイマー体、アダクト体、アロファネート体、トリマー体、カルボジイミドアダクト体、ビウレット体、またそれらの重合物、及び多価アルコールを付加した重合物が挙げられる。
アンカーコート層2の厚みは、通常1nm以上10,000nm以下の範囲内、好ましくは50nm以上100nm以下の範囲内である。アンカーコート層2の厚みが10,000nmを超える場合には、アンカーコート層2の内部応力により高分子フィルム基材1から剥離し易くなり、1nm未満の場合には、厚みが均一にならない可能性がある。また、高分子フィルム基材1への塗膜(つまり、アンカーコート層2)の接着性を向上させるため、アンカーコート層2を塗工する前に高分子フィルム基材1の表面に化学処理や放電処理などを施してもよい。アンカーコート層2の塗工方法(コーティング方式)は、例えば、バーコーター、ナイフコート、ダイコート、グラビアコート、マイクログラビアコート、スプレーコート、ディップコート、スクリーン印刷などが挙げられるが特に限定されない。また、塗工されたアンカーコート層2を乾燥させる乾燥方法は、例えば、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、UV照射など熱をかける方法を1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
(無機酸化物層3)
無機酸化物層3の成膜手段としては、真空蒸着方式のうち、例えば電子ビームやレーザービーム等による加熱蒸着法が好ましく用いられる。特に、電子ビーム加熱蒸着法は、成膜速度や蒸着用材料の昇温降温が短時間で行える点で有効である。
無機酸化物層3に用いる材料(蒸着用材料)は、珪素、アルミニウム、チタン、スズ、亜鉛、インジウム、マグネシウムの群から1種類若しくは2種類以上から選択される。
蒸着用材料を蒸発させて、アンカーコート層2の表面上に形成した無機酸化物層3の厚さは、一般的には5nm以上300nm以下の範囲内が好ましく、さらに好ましくは10nm以上150nm以下の範囲内であり、その値は適宜選択される。
無機酸化物層3の厚みが5nm未満の場合には、均一な膜(無機酸化物層3)が得られない場合や、十分なバリア性能を発揮できない場合がある。また、無機酸化物層3の厚みが300nmを超える場合には、膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引張りなどの外的要因により、膜に亀裂が生じる恐れがある。
無機酸化物層3は、O/Si比が1.5以上1.8以下の範囲内である酸化珪素(以下、「SiO」とも表記する。)であってもよい。換言すると、SiOで形成された無機酸化物層3では、Xを1.5以上1.8以下の範囲内としてもよい。
SiOで形成された無機酸化物層3はO/Si比が1.5未満の場合は十分な透明性が得られず、1.8を超える場合には、十分なバリア性能を発揮できないことがある。
(オーバーコート層4)
オーバーコート層4は、硬く脆い無機酸化物膜3を保護し、擦れや屈曲によるクラックの発生を防止するために設けられたものであって、水溶性高分子とアルコキシシランまたはその加水分解生成物とを含有したものである。オーバーコート層4は、水溶性高分子とアルコキシシランまたはその加水分解生成物とを含有するコーティング液を無機酸化物層3の上に塗工し、乾燥させることにより形成される。
オーバーコート層4の厚みは、5nm以上300nm以下の範囲内であることが好ましい。オーバーコート層4の厚みが5nm未満の場合には、均一な膜(オーバーコート層4)が得られない場合がある。また、オーバーコート層4の厚みが300nmを超える場合には、膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引張りなどの外的要因により、膜に亀裂が生じる恐れがある。
オーバーコート層4の塗工方式としては、アンカーコート層2と同様に通常のコーティング方法を用いることができる。オーバーコート層4の塗工方式としては、例えば、バーコーター、ナイフコート、ダイコート、グラビアコート、マイクログラビアコート、スプレーコート、ディップコート、スクリーン印刷などが挙げられるが特に限定されない。塗工されたオーバーコート層4を乾燥させる乾燥方法は、例えば、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、UV照射など熱をかける方法を1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、ポリビニルピロリドン樹脂(PVP)などを用いることができ、これらを単独あるいは複数組み合わせて用いてもよい。
アルコキシシランとしては、例えば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランなどを用いることができる。また、アルコキシシランの加水分解生成物としては、例えばメタノールなどのアルコールにアルコキシシランを溶解し、その溶液に塩酸などの酸の水溶液を添加し、加水分解反応させることにより調製したものが挙げられる。
また、無機酸化物層3との密着性を上げるために、オーバーコート層4にシランカップリング剤を添加してもよい。シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有するもの、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基を有するもの、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基を有するもの、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基を有するものなどが挙げられ、これらのシランカップリング剤を1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
図2に示すラミネートガスバリア性フィルム8は、上述したガスバリア性フィルム5の両面に、接着剤層6を介してラミネート樹脂層7を設けたものである。接着剤層6の材料としては、例えば、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリエステルウレタン、ポリエステル、ポリカーボネートポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチレンイミン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリブタジエン、ワックス、カゼイン、又はそれらの混合物を主成分として含有した、無溶剤型、溶剤型、水性型、又は熱溶融型の接着剤を使用することができる。
接着剤層6の塗工方式としては、アンカーコート層2と同様に通常のコーティング方法を用いることができる。接着剤層6の塗工方式としては、例えば、バーコーター、ナイフコート、ダイコート、グラビアコート、マイクログラビアコート、スプレーコート、ディップコート、スクリーン印刷などが挙げられるが特に限定されない。塗工された接着剤層6を乾燥させる乾燥方法は、例えば、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、UV照射など熱をかける方法を1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。接着剤層6の厚さは、目的に応じて決められるが、一般的には15μm以上200μm以下の範囲である。なお、接着剤層6を介して設けられたラミネート樹脂層7は、図1に示したガスバリア性フィルム5の片面にのみ設けてもよい。
ラミネート樹脂層7の材料としては、その用途に応じて選択され、例えば精密電子部品の包装袋として使用される場合には、袋を密閉するためにヒートシール性を有する樹脂層が好適に使用される。ラミネート樹脂層7の材料としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及び直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、これらの金属架橋物、又はポリ乳酸樹脂などの生分解性樹脂を使用することができる。
また、産業資材の部材として使用される場合には、液晶表示素子、太陽電池、電磁波シールド、タッチパネル、真空断熱材、EL用基板、カラーフィルター等の用途特性に応じたラミネート樹脂層7が使用され、例えば、ポリエチレンテレフタテート、耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、セルローストリアセテート、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、など高温高湿の環境下で長期間使用可能な樹脂を使用することができる。ラミネート樹脂層7の厚さは、一般的には6μm以上500μm以下の範囲内である。
ラミネート樹脂層7とガスバリア性フィルム5との貼り合わせには、例えば、ドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法、又は押出しラミネート法を利用することができる。例えば、押出しラミネート法を利用した場合には、接着剤層6は省略することも可能である。
(実施例)
以下、本実施形態の実施例を具体的に説明する。
(実施例1)
<アンカーコート溶液>
HEMA/MMA/BMAの割合がモル比で15/65/20(つまり、HEMA:MMA:BMAがモル比で15:65:20)になるようにブロック共重合させたメタクリル樹脂に、イソシアネート樹脂としてタケネートD−110N(三井化学(株))を加え、NCO/OH比が1(つまり、NCO:OHが1:1)になるように調整した塗液をアンカーコート溶液とした。このアンカーコート溶液を、厚さ16μmのPET上にバーコーターにて塗工し、120℃で乾燥させて、厚さ0.2μmのウレタン膜を得た。得られたウレタン膜を60℃で2日間硬化させた。こうして、アンカーコート層を形成した。
<無機酸化物層の積層工程>
蒸着用材料として用いた無機酸化物は、金属珪素と二酸化珪素とを用いてO/Si比が1.5(つまり、O:Siが1.5:1)になるように混合したものである。金属珪素には50μm以下の径を有する粉末が95%以上のものを使用し、二酸化珪素には結晶構造を95%含み、50μm以下の径を有する粉末が95%以上のものを使用した。
上記蒸着用材料を電子ビーム加熱方式の真空蒸着装置内に配置し、電子銃から放出する電子ビームを上記蒸着用材料に照射して上記蒸着用材料を蒸発させることで、アンカーコート層上に厚み30nmの酸化珪素膜を形成した。こうして、無機酸化物層を形成した。
<オーバーコート溶液>
(1)テトラエトキシシランを0.02mol/Lの塩酸で加水分解した溶液を用意した。
(2)けん化度99%、重合度2400のPVAの5%水溶液を用意した。
(3)上記(2)の水溶液に上記(1)の溶液をSiO/PVA=60/40(つまり、SiO:PVAが60:40)となるように加えて、オーバーコート溶液とした。このオーバーコート溶液を無機酸化物層上にバーコーターにて塗工し、120℃で乾燥させて、厚さ0.4μmのオーバーコート層を形成した。
<ラミネート樹脂層の積層工程>
オーバーコート層を備えたガスバリア性フィルムの両面に、5g/mのポリウレタン系接着剤を介して厚さ50μmの耐加水分解PET(東レ製、X10S)をドライラミネート法により積層し、ラミネートガスバリア性フィルムを得た。
(実施例2)
NCO/OH比が1.5とした以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(実施例3)
HEMA/MMA/MAとした以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
以下、本実施形態の比較例について説明する。
(比較例)
(比較例1)
(メタ)アクリル樹脂をランダム共重合させた以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(比較例2)
(メタ)アクリル樹脂をランダム共重合させた以外は実施例3と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
上記実施例1〜3及び比較例1〜2のガスバリア性フィルムについて、以下の方法で水蒸気透過率及び層間密着力を測定評価した。
<水蒸気バリア性について>
実施例1〜3及び比較例1〜2のガスバリア性フィルムの水蒸気バリア性を、モダンコントロール社製の水蒸気透過度測定装置(MOCON PERMATRAN 3/21)を用いて40℃90%RHの雰囲気で測定した。
<層間密着力評価>
層間密着力の測定は、図2に示すラミネートガスバリア性フィルム8をダンプヒート:85℃85%RH下で1000時間処理と促進耐候性試験機(キセノンウェザーオメーター)で処理した後の層間密着力を評価した。試験片を10mm巾の短冊状に切り出し、その端部を一部剥離させ、引っ張り試験機(インストロン社製)により、300mm/min.の速度でT型剥離を行い、層間密着力が1N以上を「○」、1N未満を「×」とした。
上記測定結果を表1に示す。なお、耐候性試験の結果は、「XeWOM」の欄に示されている。
Figure 2015051520
<評価>
表1に示すように、実施例1〜3のガスバリア性フィルムの水蒸気透過度と、比較例1〜2のガスバリア性フィルムの水蒸気透過度とに差はなかったが、実施例1〜3のガスバリア性フィルムの層間密着力は、比較例1〜2のガスバリア性フィルムの層間密着力よりも優れる結果が得られた。
以上のように、本実施形態に係るガスバリア性フィルムであれば、少なくとも水蒸気に対する高いガスバリア性と、高温高湿下や耐候試験後における高い層間密着性とを有する。
本発明は、水蒸気などの種々のガスに対する高いガスバリア性と、高温高湿下や耐候性に対する高い層間密着性とを有し、バリア・封止が求められる分野に幅広く適応できる。
1 高分子フィルム基材
2 アンカーコート層
3 無機酸化物層
4 オーバーコート層
5 ガスバリア性フィルム
6 接着剤層
7 ラミネート樹脂層
8 ラミネートガスバリア性フィルム

Claims (8)

  1. 基材の少なくとも一方の面に、アンカーコート層と、無機酸化物層と、オーバーコート層とをこの順序で配置し、
    前記アンカーコート層を、アクリル樹脂とイソシアネート樹脂とからなるウレタン樹脂とし、
    前記アクリル樹脂を、アクリル酸エステルモノマーとメタクリル酸エステルモノマーの少なくともいずれか一方を2種以上用いてブロック共重合させたものとしたことを特徴とするガスバリア性フィルム。
  2. 前記アクリル酸エステルモノマーまたは前記メタクリル酸エステルモノマーを、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートの群から選択される1種以上のモノマーとし、
    前記アクリル酸エステルモノマーと前記メタクリル酸エステルモノマーの少なくともいずれか一方を3種以上用いて構成された前記アクリル樹脂では、1種のモノマー組成比を5mol%以上50mol%以下の範囲内としたことを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性フィルム。
  3. 前記アクリル樹脂の分子量を、1,000以上1,000,000以下の範囲内としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガスバリア性フィルム。
  4. 前記アンカーコート層の厚みを、1nm以上10,000nm以下の範囲内としたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のガスバリア性フィルム。
  5. 前記無機酸化物層を、O/Si比が1.5以上1.8以下の範囲内であるSiOとしたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のガスバリア性フィルム。
  6. 前記無機酸化物層の厚みを、5nm以上300nm以下の範囲内としたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のガスバリア性フィルム。
  7. 前記オーバーコート層を、水溶性高分子と、アルコキシシランまたはその加水分解生成物とを含有するものとしたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のガスバリア性フィルム。
  8. 前記オーバーコート層の厚みを、5nm以上300nm以下の範囲内としたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のガスバリア性フィルム。
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