JP2015051448A - フェライト系ステンレス鋼製缶体の溶接構造 - Google Patents

フェライト系ステンレス鋼製缶体の溶接構造 Download PDF

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Abstract

【課題】バックガスシールを行わないTIG溶接により温水缶体を構築し且つ溶接したままの状態で上水の温水環境下で使用しても、溶接隙間部で十分な耐食性を呈するとともに、Moなどのレアメタルの低減が図れるようにした、ステンレス鋼製温水缶体の溶接構造を提供する。【解決手段】筒状の胴体2と椀状の鏡板3を溶接接合してなるステンレス鋼製缶体において、胴体2もしくは鏡板3の端部に形成されて外方に突出した山形曲部の中腹に、山形曲部を形成していない胴体2もしくは鏡板3の端部を当合させ、外方から溶加材を用いて形成された溶接隙間部を有するステンレス鋼製缶体の溶接構造であって、溶接トーチ側で溶接隙間9,10を構成する鏡板3もしくは胴体2の端部寄りの金属組織が溶接金属8となるように形成されたステンレス鋼製缶体の溶接構造とし、缶体材はフェライト系ステンレス鋼であり、溶加材にオーステナイト系ステンレス鋼を用いる。【選択図】図3

Description

本発明は、TIG溶接により施工されるフェライト系ステンレス鋼製温水缶体の溶接構造に関する。
温水缶体は、ステンレス鋼製の鏡板と胴体をTIG溶接により接合した溶接構造のもが主流であるが、溶接構造の温水缶体には、上水の温水環境で使用すると、溶接接合部で腐食が生じ易いと云う問題を有している。
また、缶体材としては、温水環境で応力腐食割れを起こさないフェライト系ステンレス鋼が一般に用いられており、SUS304やSUS316の耐食性が要求される用途で多用されるオーステナイト系ステンレス鋼が缶体材として使用されることは殆ど無い。SUS304やSUS316のオーステナイト系ステンレス鋼は、60℃を超える高温の上水環境で、溶接接合部で孔食や隙間腐食を起点に応力腐食割れを生じることがあるからである。
更に、缶体材として多用されているフェライト系ステンレス鋼であるSUS444は、耐食性向上のために高価なMoを2%添加したフェライト系ステンレス鋼種であり、腐食形態が孔食であるときには優れた耐食性を示すものである。しかし、腐食形態が隙間腐食であるときには、再不動態化がし難いので腐食が成長し、板厚を貫通して漏水に至ることもあると云う問題がある。
そのため、温水缶体では隙間の形成を避けた構造とすることが望ましいが、鏡板と胴体の溶接接合部のように、缶体の内部側に於ける隙間の形成を回避することが難しい部位があり、缶体内部側の溶接隙間部に於ける隙間腐食が避けることの出来ない問題となっている。
一方、温水缶体をTIG溶接で製造する際には、溶接部の耐食性低下を小さくするため、Arバックガスシールを行って裏ビード側の隙間を構成する部位の酸化を抑制する対策が採られている。
ところが、電気温水器では追い焚き用蛇管を装入した缶体が増えつつあり、この場合には、Arバックガスシールのノズルを缶体内部に挿入することが難しくなる。その結果、必然的にバックガスシールなしのTIG溶接施工となり、耐食性低下に対する不安要因となっている。
また、缶体材であるフェライト系ステンレス鋼に付いても、省資源ならびにコスト低減の観点から、レアメタルであるMo添加量のより少ない鋼種の適用のニーズが、近年特に高まってきている。
上記缶体の溶接接合部に於ける隙間腐食等を防止してその耐食性を高める方策として、従前から各種の技術が開発、公開されている。
例えば、特許文献1には、胴体内への鏡板の挿入深さを20mmまでとし、隙間腐食の発生を避けた構造の温水器用ステンレス鋼製缶体が記載されている。鋼種にはSUS444が採用されているが、溶接隙間構造での検討から導かれたものではないため、上記構造では安定した耐食性向上効果が得られない場合がある。また、このSUS444を、Arバックガスシールを行わないTIG溶接に供すると、裏ビード部での酸化スケールの生成部分では著しい耐食性低下が生じることが予想される。
また、特許文献2には、第1鏡板の端部を外方にテーパ―状に拡径し、そこに胴体を挿入し、内面からTIG溶接することで溶接品質の向上と隙間構造を回避した缶体構造が開示されている。しかし、第2鏡板と胴体の溶接は外方からの溶接となり、近年増加してきた複数台の温水缶体を繋いで用いる場合には、第2鏡板と胴体の溶接隙間部は高温の温水に曝されることになる。
更に、特許文献3には、溶接隙間部の腐食と溶接品質を考慮した溶接継ぎ手構造および胴体が開示されている。すなわち、鏡板と胴体の溶接で生じる隙間を広くとることで隙間腐食を回避し、胴体にTIG溶接で溶加材となるフランジを設けて溶接部の肉厚減少を防ぐものである。本文献には材質のコスト低減に関する記述はない。また、蒸発残留物の多い水が使われた場合、隙間が埋められ、残留物との間での隙間腐食発生が懸念される。
特開昭54−72711号公報 特開昭62−296969号公報 特開2009−183963号公報
上述のように、SUS444を用いた温水缶体においては、TIG溶接で製造する際にArバックガスシールの実施は不可欠である。一方で、製造コスト低減等の要請から、溶接接合部に隙間を形成しないような構造の温水缶体を設計することも難しい状況にあり、更に、SUS444に添加されているレアメタルのMo低減も困難である。
本発明は、このような現状に鑑み、バックガスシールを行わないTIG溶接により温水缶体を構築し且つ溶接接合部を無手入れ状態のままで使用に供しても、高温上水を使用する温水環境において優れた耐食性を呈すると共に、缶体材のレアメタル含有率の低減を図ることを可能とした温水缶体の溶接構造を提供することを目的とする。
本願発明者らは、上記目的を達成すべく詳細な検討を行った結果、以下の事象を見出した。
(イ)鏡板と胴体との溶接隙間構造において、腐食による漏水を防ぐ観点からは、水側の胴体若しくは鏡板で腐食が進行しても、漏水には至らないため、大気側となる鏡板若しくは胴板で腐食の進行を抑制すればよい。これに関して、ステンレス鋼成分のうちNiは板厚方向での腐食の進行を強力に抑制する。したがって、Niを含むオーステナイト系ステンレス鋼の溶加材を用いてTIG溶接を行い、大気側で溶接隙間を構成する鏡板もしくは胴体を、Niを含む溶接金属とすることが有効である。
(ロ)オーステナイト系ステンレス鋼の溶加材の選定では、溶加材のC,N量を缶体に用いるフェライト系ステンレス鋼のそれと合わせることで、溶接金属の粒界腐食は回避できる。同様に、Mo量についても、缶体材料の耐食性レベルに合わせる。
(ハ)溶接隙間構造で以って隙間腐食の進行を抑制することにより、TIG溶接でArバックガスシールは必ずしも必要でない。したがって、缶体の溶接施工での制約は少ない。
(ニ)缶体に用いるフェライト系ステンレス鋼についても、必ずしもSUS444である必要はない。
本発明はこのような知見に基づいて創案されたもので、溶接接合部の内側に、耐食性に優れた溶接隙間部を有するステンレス鋼製缶体の溶接構造を提供するものである。
即ち、本発明は、筒状の胴体と椀状の鏡板を溶接接合してなるステンレス鋼製缶体において、胴体もしくは鏡板の端部に形成されて外方に突出した山形曲部の中腹に、山形曲部を形成していない胴体もしくは鏡板の端部を当合させ、外方から溶加材を用いて形成された溶接隙間部を有するステンレス鋼製缶体の溶接構造であって、溶接トーチ側で溶接隙間を構成する鏡板もしくは胴体の端部寄りの金属組織が溶接金属となるように形成されたステンレス鋼製缶体の溶接構造である。なお、前記鏡板もしくは胴体の溶接金属部は、隙間のクリアランスが密着隙間と見做せる箇所を含むものである。
また、缶体材は、質量%で、C:0.015%以下、Si:0.1〜0.5%、Mn:1%以下、Cr:16〜25%、Mo:0.3〜2%、N:0.015%以下、Al:0.02〜0.3% を含有するほか、 Nb:0.2〜0.5%およびTi:0.1〜0.3%の中から選ばれる1種もしくは2種の元素、さらに、Ni:2%以下およびCu:1%以下の中から選ばれる1種もしくは2種の元素を含む、残部Feおよび不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス鋼であり、
更に、溶加材は、質量%で、C:0.015%以下、Si:0.3〜0.8%、Mn:2%以下、Cr:16〜20%、Ni:11〜15%、Mo:1〜3%、N:0.020%以下、残部Feおよび不可避的不純物からなるオーステナイト系ステンレス鋼である。
本発明の溶接構造を使用すると、温水環境における溶接接合部の耐食性が顕著に改善される。特に、ArバックガスシールなしのTIG溶接によって形成された裏ビード側溶接部を無手入れのまま高温の上水に曝して使用した場合でも、長期間優れた耐食性が維持され、高い信頼性が得られる。すなわち、高耐食性が要求される上水環境での温水缶体において、現在多用されているSUS444の省Mo化が図れ、さらに、バックガスシールのためのフランジが不要になり、レアメタルの低減と併せてコストの大幅な低減が可能になる。
本発明の実施形態に係る缶体の構造を模式的に示した正面図である。 (a)は図1のA部の拡大縦断面図であり、(b)は図1のB部の拡大縦断面図である。 図2(b)の(c)部の拡大縦断面図である。 (a)は、図1のA部の第2実施形態に係る拡大縦断面図であり、(b)は、図1のB部の第2実施形態に係る拡大縦断面図である。 実機による耐食性試験方法の説明図である。
以下、図面に基づいて本発明の溶接構造の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る缶体の構造を模式的に示した正面図であり、当該缶体は、鏡板1(上方)、胴体2、鏡板3(下方)、溶接接合部4及び5、口金7等の主要部から構成されている。
図2(a)及び(b)は、図1のA部及びB部の拡大縦断面図であり、溶接接合部5は、山形曲部6を形成した鏡板1及び鏡板3と胴体2の上端及び下端を当合させ、外方から溶加材を用いて溶接することにより形成されている。
即ち、溶接接合部5は、図3にその溶接隙間部の縦断面の一例を示すように、鏡板3の上端と胴体2の下端との溶接により、溶接隙間9と密着隙間10とを構成する胴体2側に溶接金属8を形成するようにした溶接構造とされている。
具体的には、上記溶接接合部5は、図2に示すように、山形曲部6の中腹とこれに当合される鏡板2の端部とが外方から溶接されたものであり、TIG溶接ではオーステナイト系ステンレス鋼の溶加材が用いられる。また、溶接接合部5の内側(即ち、缶体の内側)には、図3に示すように、隙間9と密着隙間10が形成される。
次に、本発明の溶接接合部に係る溶接隙間構造が有する耐食性の向上作用について説明する。
上水などの塩化物イオンを含む水を昇温して貯湯するステンレス鋼製の温水缶体では、一般に孔食や隙間腐食を生ずることがある。特に、溶融溶接で隙間が形成される場合には、隙間部に酸化スケールが生じてステンレス鋼の耐食性が低下し、所謂隙間腐食が発生しやすくなる。
また、上記隙間腐食の発生は隙間の幾何学的条件とも関連し、密着した隙間は隙間腐食が発生しやすい。そのため、缶体には、SUS444(19Cr-2Mo-Nb,Ti)もしくは同等以上の耐食性を有するSUS445J1(22Cr-1Mo-Nb,Ti)などが用いられている。
本発明に係る溶接接合部5の溶接隙間構造は、溶接トーチ側で、溶接隙間を構成する鏡板もしくは胴体の隙間腐食の進行を抑制するものである。即ち、ステンレス鋼に添加されるNiは、隙間腐食の進行に関してはその板厚方向の進行を抑制し、再不動態化をもたらす有効な元素として知られていので、本発明では、密着隙間を構成する鏡板もしくは胴体を、Niを含む溶接金属とするものである。
これを実現するために、本発明ではオーステナイト系ステンレス鋼の溶加材を用い、外方からTIG溶接を行う。ただし、フェライト系ステンレス鋼の缶体との異材溶接となるため、溶加材の選定では、溶接金属の耐食性、耐粒界腐食性を十分に考慮する必要がある。
尚、TIG溶接条件として、耐食性の観点からのArバックガスシールは必ずしも必要としない。これは、ステンレス鋼は一旦腐食が生じても再不動態化する機能を有しており、本発明では、腐食が生じる部位でこの再不動態化能を高めていることによる。
本発明のフェライト系ステンレス鋼を構成する成分元素について説明する。
C、Nは、鋼中に不可避的に含まれる元素である。C、Nの含有量を低減すると、鋼は軟質になり加工性が向上するとともに溶接性や溶接部の低温靱性が向上する。このため本発明ではC、Nとも含有量は少ない方が良く、ともに0.015質量%まで含有が許容される。
Siは、フェライト系ステンレス鋼の硬質化に寄与する。水道に直結して使用する高圧タイプの温水容器などでは、Siの添加は有利となる。Siによる強度向上作用を享受するには、0.1質量%以上のSi含有量を確保する。本発明ではSi含有量を0.1〜0.5質量%の範囲にコントロールする。
Mnは、不動態皮膜中のCr濃度を低下させ、耐食性低下を招く要因となる。Mn含有量は低い方が好ましいが、スクラップを原料とするステンレス鋼ではある程度のMn混入は避けられないので、1質量%までの含有量を許容する。
Crは、不動態皮膜の主要構成元素であり、耐食性の向上をもたらす。また、TIG溶接した溶接部の耐食性はCr含有量に大きく依存する。溶接部に温水環境で要求される耐食性を付与するには16質量%以上のCr含有量を確保すべきである。耐食性向上効果はCr含有量が多くなるに伴って向上するが、Cr含有量が多くなると、ステンレス鋼の製造性が損なわれ、コストを増大させる。本発明ではCr含有量を16〜25質量%とする。
Moは、耐食性を向上させるための有効な元素であり、耐食性向上作用は添加量とともに大きくなる。しかし、本発明による温水缶体の溶接構造においては、溶接隙間部の耐食性は溶接金属によって改善されるので、TIG溶接部の耐孔食性が確保されればよい。本発明の主な用途である上水の温水環境に対しては0.3質量%以上のMo含有量で達成され、2質量%のMoを含有するSUS444レベルの耐食性は必ずしも必要としない。したがってレアメタルであるMoの削減を考慮し、Mo含有量は2質量%以下とする。
Alは、Tiとの複合添加によって溶接による耐食性低下を抑制する。その作用を十分に得るためには0.02質量%以上のAl含有量を確保することが望ましい。一方、過剰のAl含有は素材の表面品質の低下や、溶接性の低下を招くので、Al含有量は0.3質量%以下とする。
Nbは、C、Nとの親和力が強く、フェライト系ステンレス鋼で問題となる粒界腐食を防止する有効な元素である。その効果を十分発揮させるには0.2質量%以上のNb含有量を確保することが望ましい。しかし、過剰に添加すると溶接高温割れが生じるようになり、溶接部靭性も低下するので、Nb含有量の上限は0.5質量%とする。
Tiは、Nbと同様にC、Nを固定し粒界腐食を防止する。また、Alとの複合添加によって、TIG溶接部の耐食性低下を抑制する元素である。Tiの作用を十分に享受するには0.1質量%以上のTi含有量を確保することが望ましい。しかし、Ti含有量が多くなると素材の表面品質が低下するので、Ti含有量の上限は0.3質量%とする。なお、Tiのみの添加では粒界腐食の防止が不十分となる場合、Nbとの複合添加が好ましい。
Niは、溶接部の耐食性に関して、腐食の進行を抑えて侵食を浅くする作用を有する。また、溶接性に関して、溶接金属の粘性を高めるので、フェライト系ステンレス鋼の適正溶接条件範囲が拡がり、溶接速度の向上を図る上で有利となる。このため本発明では必要に応じてNiを含有させることができる。ただし多量のNi含有は鋼を硬質にし、加工性を阻害するので、Niを添加する場合は2質量%以下の範囲で行う。
Cuは、適量の添加により、フェライト系ステンレス鋼の孔食電位を向上させ、局部腐食を抑える作用を有するので、必要に応じて添加することができる。しかし過剰のCu含有はむしろ耐食性を低下させるのでCuを添加する場合は1質量%以下の範囲で行う。
次に、本発明のオーステナイト系ステンレス鋼の溶加材を構成する成分元素について説明する。
C,Nは、オーステナイト系ステンレス鋼に固溶できるので、C,N固定のためのNbやTiの添加を必要としないが、本発明では、フェライト系ステンレス鋼との異材溶接であるから、溶接金属のフェライト組織部の耐粒界腐食性を損なう。このため本発明では、缶体のフェライト系ステンレス鋼と同じC,N量、すなわち0.015質量%以下とする。
Siは、オーステナイト系ステンレス鋼溶製時の脱酸材として有効な元素である。Siにより十分な脱酸を行うには、0.3質量%以上のSi含有量を確保する。本発明ではSi含有量を0.3〜0.8質量%の範囲にコントロールする。
Mnは、オーステナイト生成元素であり、オーステナイト系ステンレスに対して耐食性を阻害しない範囲で添加できる。本発明の溶加材では2質量%以下の含有量に規定される。
Crは、ステンレス鋼の耐食性を担う重要な元素である。本発明のオーステナイト系溶加材の役割は、いったん生じた腐食の進行を抑制することなので、確保すべきCr量は缶体素材のフェライト系ステンレス鋼のレベルでよい。Cr含有量が多くなると、オーステナイト相を維持するためのNi量の増加を招き、コストを増大させる。本発明ではCr含有量を16〜20質量%とする。
Moは、Crとともにステンレス鋼の耐食性を向上させる有効な元素であり、耐食性向上作用はMo添加量とともに大きくなる。本発明による缶体の溶接構造においては、溶接金属の耐食性が重要であるので、缶体の素材と同等もしくは多く含有させることが好ましく、Mo含有量は1〜3質量%とする。
Niは、腐食の板厚方向への進行を強力に抑えて、侵食を浅くする作用を有する。ただし、唯一有効なオーステナイト生成元素なので鋼の組織をオーステナイト相とするために一定量添加される。本発明では、オーステナイト生成元素でもあるC,Nを低減しているため、11〜15質量%の範囲で添加する。
以上のように、缶体を成分調整されたフェライト系ステンレス鋼とし、同じく成分調整されたオーステナイト系ステンレス鋼の溶加材を用いて、外方からTIG溶接を行い、大気側で溶接隙間を構成する鏡板もしくは胴体を、Niを含む溶接金属とするTIG溶接法で施工することにより、温水環境において優れた耐食性を呈する温水缶体を構築することができる。この温水缶体は、Arバックガスシールなしで形成された溶接接合部5の溶接隙間部(即ち、容器の内側)を、無手入れのまま温水に曝して使用することができる。
尚、上記図2及び図3に示した実施形態では、上鏡板1及び下鏡板2の端部に外方へ突出した山形曲部6を夫々形成し、胴体2の上端及び下端を各山形曲部6の中腹へ当合させて溶接する構成としているが、図4(a)及び(b)に示すように、胴体2の上端及び下端に外方へ突出した山形曲部15を夫々形成し、上鏡板1及び下鏡板2の端部を胴体2側の山形曲部15の中腹へ夫々当合させて溶接する構成としても良いことは勿論である。
先ず、表1に示す化学組成を有するステンレス鋼板ならびに溶加材を用い、溶接条件を変えて試験缶体を作成した。
また、図5に示すような耐食性試験装置を準備した。
Figure 2015051448
実機温水缶体での溶接接合部の耐食性を調査するため、表1に示すステンレス鋼鈑と溶加材を用いて、図1に示した缶体を作成した。鏡板の板厚は0.9mm、胴体のそれは0.7mmとした。溶接接合部5のTIG溶接は、外方から行い、缶体内面の溶接裏面はArバックガスシールを施さずに溶接した。溶接条件は、溶接金属が鏡板の裏面まで到達し、裏ビードが形成される条件で、溶接隙間を形成する胴体の金属組織が溶接金属となるように溶加材を溶かし込んだ。ビードを断面からみると、下方は鏡板の内面に裏なみを形成し、上方は胴体のみの非対称形である。本溶接条件では、溶接トーチ側のビード幅は3〜5mmの範囲となる。表2に缶体素材としてのステンレス鋼鈑、溶加材および隙間を構成する部分の胴板の金属組織の組合せの一覧を示す。
Figure 2015051448
図5は、前記耐食試験装置による耐食性試験方法を模式的に示したものであり、試験液槽12で試験液をヒーター11により90℃に加温し、液送ポンプ13により試験液を試験缶体14の下部口金から常時10L/minの流量で送り込み、合計180日間循環させる試験を実施した。
試験液は、試験液槽12の気相部で曝気して酸素の溶けこみを図った。試験用缶体14の各溶接接合部は無手入れのままの状態にしてあり、前記溶接接合部5は、バックガスシールなしの溶接を行って形成された裏ビード側溶接部が試験液に曝されるようになっている。試験液は上水に塩化物イオンを加えて調整した1000ppmCl水溶液を用いた。試験液は14日毎に液を更新した。ただし、比較例3は試験開始後23日で、溶接部からの漏水が生じたため試験を終了した。
試験後の缶体を解体し、上方および下方の溶接接合部5の全周について、成長性の腐食の有無と金属断面組織を調べた。結果を表3に示す。ここで、成長性の腐食の有無は、長年の経験に基づいて侵食深さで判断した。すなわち、成長性の腐食ありは、侵食深さが0.1mmを超える腐食が生じた場合とし、侵食深さが0.1mm以下のときは成長性の腐食なしとした。
Figure 2015051448
表3から判るように、本発明例の試験缶体では180日の腐食試験において、最も腐食が問題とされる隙間構造を有する溶接接合部に、成長性の腐食は生じなかった。即ち、缶体にSUS444を用いず、Arバックガスシール無しのTIG溶接を行い、酸化スケールを無手入れのまま上水の温水環境に使用しても優れた耐食性を呈することが確認された。
一方、市場で実績のあるSUS444を用いた試験缶体ではあっても、溶加材にC量の多いSUS316を用いた比較例3では、本発明で示した溶接構造による耐食性向上作用が機能せず、短期間の腐食試験で溶接ラップ部に粒界腐食による漏水が生じた。
比較例4は、密着隙間を形成する胴板が溶接金属でなく、缶体材料のフェライト系ステンレス鋼であり本発明の構造と異なり、0.1mmを超える成長性の隙間腐食が胴体に生じた。比較例5では、密着隙間を形成する胴体は溶接金属であったが、Niを含有しないフェライト系ステンレス鋼の溶加材のため、0.1mmを超える成長性の隙間腐食が板厚方向に進行した。
本発明は、電気温水器や温水ボイラ等の高温上水を取り扱うフェライト系ステンレス鋼製缶体のみならず、機械産業分野や電気化学分野、理化学産業分野、医療産業分野、浄化処理産業分野等のあらゆる産業分野で使用するフェライト系ステンレス鋼製缶体の製造に利用できるものである。
1 上鏡板
2 胴体
3 下鏡板
4、5 溶接接合部
6、15 山形曲部
7 口金
8 溶接金属
9 溶接隙間
10 密着隙間
11 ヒーター
12 試験液槽
13 送液ポンプ
14 試験缶体
即ち、本発明は、下記に示す化学成分の缶体材から成る筒状の胴体2と椀状の鏡板1、3とを当合させ、当該当合部を外方から下記に示す化学成分の溶加材を用いてTIG溶接によりバックガスシールなしで溶接接合すると共に、前記椀状の鏡板1、3と溶加材の溶接金属8や筒状の胴体2により形成された溶接隙間9及び密接隙間10から成る溶接隙間部を有するフェライト系ステンレス鋼製缶体であって、前記当合部を、胴体もしくは鏡板1、3の端部に形成されて外方に突出した山形曲部15の中腹に、山形曲部15を形成していない胴体もしくは鏡板1、3の端部を当合させた当合部とすると共に、前記溶接隙間部を構成する溶接金属8の幅を広く取り、当該溶接金属8と山形曲部15を形成していない鏡板1、3もしくは胴体2の端部並びに当該溶接金属8と山形曲部15を形成した胴体2もしくは鏡板1、3の端部の溶融接合に加えて、溶接トーチ側で溶接隙間部を構成する鏡板1、3もしくは胴体2の端部寄りの金属組織が溶接金属8となるようにした溶接隙間部を有するフェライト系ステンレス鋼製缶体の溶接構造である。
また,上記缶体材は、質量%で、C:0.015%以下、Si:0.1〜0.5%、Mn:1%以下、Cr:16〜20%、Mo:0.9〜2%、N:0.015%以下、Al:0.02〜0.3%を含有し、さらに、Nb:0.2〜0.5%およびTi:0.1〜0.3%の中から選ばれる1種もしくは2種の元素を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス鋼である。
更に、上記溶加材は、質量%で、C:0.015%以下、Si:0.3〜0.8%、Mn:2%以下、Cr:16〜20%、Ni:11〜15%、Mo:1〜3%、
N:0.020%以下、残部Feおよび不可避的不純物からなるオーステナイト系ステンレス鋼である。

Claims (4)

  1. 筒状の胴体と椀状の鏡板を溶接接合してなる下記(1)に示すステンレス鋼製缶体であって、胴体もしくは鏡板の端部に形成されて外方に突出した山形曲部の中腹に、山形曲部を形成していない胴体もしくは鏡板の端部を当合させ、外方から下記(2)に示す溶加材を用いて形成された溶接隙間部を有するフェライト系ステンレス鋼製缶体の溶接構造。
    (1)缶体材の化学成分
    質量%で、
    C:0.015%以下、
    Si:0.1〜0.5%、
    Mn:1%以下、
    Cr:16〜25%、
    Mo:0.3〜2%、
    N:0.015%以下、
    Al:0.02〜0.3%を含有し、さらに
    Nb:0.2〜0.5%およびTi:0.1〜0.3%の中から選ばれる1種もしくは2種の元素を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス鋼。
    (2)溶加材の化学成分
    質量%で、
    C:0.015%以下、
    Si:0.3〜0.8%、
    Mn:2%以下、
    Cr:16〜20%、
    Ni:11〜15%、
    Mo:1〜3%、
    N:0.020%以下、
    残部Feおよび不可避的不純物からなるオーステナイト系ステンレス鋼。
  2. 缶体材を、質量%で、Ni:2%以下およびCu:1%以下の中から選ばれる1種もしくは2種の元素を含むものとした請求項1に記載の溶接隙間部を有するフェライト系ステンレス鋼製缶体の溶接構造。
  3. 溶接隙間部において、溶接金属の幅を広く取り、山形曲部を形成していない鏡板もしくは胴体の端部と山形曲部を形成した胴体もしくは鏡板との溶融接合に加えて、溶接トーチ側で溶接隙間を構成する鏡板もしくは胴体の端部寄りの金属組織が溶接金属となるようにした請求項1又は請求項2に記載の溶接隙間部を有するフェライト系ステンレス鋼製缶体の溶接構造。
  4. 溶接トーチ側で溶接隙間を構成する鏡板もしくは胴体の溶接金属部が、隙間のクリアランスが密着隙間と見做せる箇所を含むように形成された請求項3に記載の溶接隙間部を有するフェライト系ステンレス鋼製缶体の溶接構造。
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