JP2015048402A - 遮光性導電樹脂組成物及び硬化物 - Google Patents
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Abstract
Description
以上のような市場からの技術的要求に対し、光硬化に加えて、液晶モニター製造工程におけるアニール処理、すなわち熱硬化を利用することで、遮光性、導電性及び硬化深度を同時に可能にできるとの考えに至った。
即ち、本発明は、以下の遮光性導電樹脂組成物及びその硬化物に関する。
(a) 下記一般式(1)で表される基を分子内に2個以上有するチオール化合物
(b) 導電性炭素材料
(c) 分子内に2つ以上のエチレン性不飽和基を有する重合性化合物
(d) 分子内に1つ以上のエポキシ基を有する熱硬化性化合物
(e) 硬化促進剤
(f)光重合開始剤
[3]前記チオール化合物(a)が、下記一般式(2)で示されるメルカプト含有カルボン酸と、多価アルコールのエステル化合物である前記[1]又は[2]に記載の遮光性導電樹脂組成物。
[4]前記多価アルコールが、分岐していてもよい炭素数2〜10のアルキレン基を持つアルキレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ノルボルネンジメタノール、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエチルオキシ)フェニル]プロパン、水素化ビスフェノールA、4,4'−(9−フルオレニリデン)ビス(2−フェノキシエタノール)、及びトリス−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートからなる群から選ばれる少なくとも一種である前記[3]に記載の遮光性導電樹脂組成物。
[5]前記導電性炭素材料(b)が、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、炭素繊維、カーボンナノチューブ、金属被覆した炭素繊維から選ばれる一種以上である前記[1]〜[4]のいずれか一つに記載の遮光性導電樹脂組成物。
[6]前記導電性炭素材料(b)が、炭素繊維である前記[1]〜[5]のいずれか一つに記載の遮光性導電樹脂組成物。
[7]前記重合性化合物(c)におけるエチレン性不飽和基が、アリル基である前記[6]に記載の遮光性導電樹脂組成物。
[8]前記重合性化合物(c)の分子量が、500以下である前記[1]〜[7]のいずれか一つに記載の遮光性導電樹脂組成物。
[9]前記重合化合物(c)が、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテレフタレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールビスアリルカーボネート、ジアリルナフタレート、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ビスフェノールAジアリルエーテル、ビスフェノールFジアリルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテルからなる群から選ばれるいずれか一種以上である前記[1]〜[7]のいずれか一つに記載の遮光性導電樹脂組成物。
[11]前記熱硬化性化合物(d)が、分子内に2つ以上のエポキシ基を有する前記[1]〜[10]のいずれか一つに記載の遮光性導電樹脂組成物。
[12]前記硬化促進剤(e)が、分子内にイミダゾール又はアミノ基を含む前記[1]〜[11]のいずれか一つに記載の遮光性導電樹脂組成物。
[13]前記重合性化合物(c)のエチレン性不飽和基の官能基数100に対し、前記チオール化合物(a)の官能基数が、30〜200である前記[1]〜[12]のいずれか一つに記載の遮光性導電樹脂組成物。
[14]組成物中に、有機溶剤が含まれる量が1質量%以下である前記[1]〜[13]のいずれか一つに記載の遮光性導電樹脂組成物。
[16]前記[1]〜[15]のいずれか一つに記載の遮光性導電樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする硬化物。
[17]硬化の工程において以下の2工程を少なくともむことを特徴とする、前記[16]に記載の硬化物の製造方法。
1)LED露光による光硬化の工程
2)60℃以下の条件において熱硬化させる工程
[18]膜厚1mmに塗布し、LEDランプにて総露光量2000mJ/cm2にて光硬化したのち、50℃・30分間の条件下で熱硬化を行った場合の表面電気抵抗値が105Ω/□以下である前記[17]に記載の硬化物の製造方法。
[19]硬化の工程における硬化収縮率が10%未満である前記[17]又は[18]に記載の硬化物の製造方法。
また、従来の、銀ペーストなどによる導通と遮光性保護コーティングの2段階工程が、本発明の遮光性導電樹脂組成物によると1段階で達成することができ、低コストかつ少ない環境負荷の下で製造することができる。
本発明の遮光性導電樹脂組成物は、少なくとも下記(a)〜(f)成分を含有する。
(a)下記一般式(1)で表される基を分子内に2個以上有するチオール化合物
(b)導電性炭素材料
(c)分子内に2つ以上のエチレン性不飽和基を有する重合性化合物
(d)分子内に1つ以上のエポキシ基を有する熱硬化性化合物
(e)硬化促進剤
(f)光重合開始剤
本発明において、チオール化合物(a)とは、分子内に下記一般式(1)で表される基を分子内に2個以上有するチオール化合物である。硬化反応により皮膜強度を向上させるという観点から、メルカプト基を2〜4個有するものが好ましく、メルカプト基を4個有するものがより好ましい。
前記一般式(2)で示されるメルカプト基含有カルボン酸の具体例としては、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト酪酸、2−メルカプトイソ酪酸、3−メルカプトイソ酪酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト−3−フェニルプロピオン酸、3−メルカプト−3−メチル酪酸等が挙げられる。
中でも、多価アルコールとしては、分岐していてもよい炭素数2〜10のアルキレン基を持つアルキレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ノルボルネンジメタノール、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエチルオキシ)フェニル]プロパン、水素化ビスフェノールA、4,4'−(9−フルオレニリデン)ビス(2−フェノキシエタノール)、及びトリス−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートからなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
中でも、エチレングリコール、1,2−プロピレンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、2,2−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピルオキシフェニル)プロパン、グリセリン、トリメチロールエタン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールであることが、原料入手が容易である点で好ましく、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートが、官能基数、蒸気圧の点でさらに好ましい。これらはそれぞれ1種を単独で用いることも、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いることもできる。
遮光性保護コーティングに導電性と遮光性を与えるために、本発明では導電性炭素材料を用いる。導電性炭素材料としては、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、炭素繊維、カーボンナノチューブ、金属被覆した炭素繊維から選ばれる一種以上が挙げられ、中でも炭素繊維が好ましい。導電性粒子が繊維状であるほうが、導電性粒子同士が接触して導電するパス部位を確保しやすいというメリットがある。
炭素材料以外の導電性粒子としては、銀、銅、金、パラジウム、白金、カーボンブラック、アルミニウム、インジウム、錫酸化物、銀被膜銅、銀被膜アルミニウム、ビスマス、錫、ビスマス・錫合金、金属被膜ガラス球、銀被膜繊維、銀被膜球、アンチモンドープ錫酸化物及びアンチモンドープ酸化チタン等が挙げられるが、金属の導電性粒子はバインダーである樹脂成分との馴染みが悪いため、界面には微小なクラック、すなわち、絶縁である空気層が存在し、圧着の工程を含まない本発明の分野では導電性を発現することが困難となる場合がある。またアルミニウム、銀被膜アルミニウム、金属被膜ガラス球、銀被覆繊維、銀被膜球は、黒味が不足しているので白ボケしてしまい、映像の鮮明性を阻害する恐れがある。
導電性炭素材料の添加量は、粒子の比重によって異なるため限定されないが、遮光性導電樹脂組成物中の占める割合は好ましくは1〜60質量%、より好ましくは3〜40質量%、更に好ましくは10〜25質量%である。導電性粒子である炭素素材が1質量%以上の場合、適度な導電性が得られ、60質量%以下の場合は遮光性導電樹脂組成物の流動性が適度に保持され、保護コーティング剤として塗布することが困難にならず、外観の悪化を引き起こす原因とならない。
本願発明では重合性化合物として、分子内に2つ以上、好ましくは2〜4のエチレン性不飽和基を有する化合物を用いる。これにより、樹脂が光硬化した場合に2次元又は3次元網目構造を形成され、硬化物の強度が向上するものである。
前記エチレン性不飽和基は、(メタ)アクリロイル基、アリル基より選択されるものであるいずれかであることが好ましい。(メタ)アクリロイル基含有化合物はアリル基含有化合物に比べて反応性が高い傾向があるため、チオールと反応させようとする際に同時に(メタ)アクリロイル基のホモポリマー化が進行してしまい、遮光性導電樹脂組成物の系時安定性が悪くなってしまう場合がある。そのため、中でもアリル基が好ましい。
重合性化合物(c)はモノマーであってもオリゴマーであってもポリマーであっても良いが、分子量500以下の化合物であることが好ましく、分子量500以下のモノマーであることがより好ましい。
分子内に脂環又は芳香環、及び2つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物(c−1)としては、具体的にはベンゼンジカルボン酸ジアリル、ベンゼンジカルボン酸ジビニル、シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、シクロヘキサンジカルボン酸ジビニルなどが挙げられる。中でもベンゼンカルボン酸ジアリル又はシクロヘキサンジカルボン酸ジアリルが好ましく、中でもテレフタル酸又は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルがより好ましい。
多価アルコール(c−2)とは、分子内に2以上のヒドロキシル基を有する化合物のことを指し、好ましくは分子内に2〜4のヒドロキシル基を有する化合物である。具体的には、エタンジオール、プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの2〜4価アルコールが挙げられる。
重合性化合物(c)がオリゴマーである場合、具体例としては下記の(3)〜(5)で表される構造のオリゴマーなどが挙げられる。
Xは、炭素数1〜4のアルキル基を置換基として有してもよいフェニレン基又はシクロヘキシレン基であり、好ましくは置換基を有さないフェニレン基又はシクロヘキシレン基である。
前記炭素数1〜4のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
前記フェニレン基又はシクロヘキシレン基が隣接するカルボニル炭素に結合する位置は1,2位、1,3位、1,4位のいずれでも良いが、1,4位であることが好ましい。
nは0〜20の整数であり、好ましくは0〜18であり、より好ましくは0〜15である。
mは3〜70の整数であり、好ましくは4〜60であり、より好ましくは4〜50である。化合物(4)の分子量は500〜20,000程度であることが好ましく、800〜18,000であることが好ましく、1000〜16,000であることが最も好ましい。
上記一般式(5)で表される化合物の分子量は、500〜20,000程度であることが好ましく、より好ましくは500〜19,000であり、最も好ましくは8000〜18,000である。
硬化性化合物(c)としては、ポリマー骨格に重合性基が導入されたものであれば特に制限はなく、公知のものが使用できる。
ポリマー骨格としては、ポリエチレン骨格、ポリウレタン骨格、ポリエステル骨格、ポリアミド骨格、ポリイミド骨格、ポリオキシアルキレン骨格、ポリフェニレン骨格が挙げられる。光重合性基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基、シンナモイル基、シンナミリデンアセチル基、ベンザルアセトフェノン基、スチリルピリジン基、α―フェニルマレイミド、フェニルアジド、スルフェニルアジド、カルボニルアジド、ジアゾ、o−キノンジアジド、フリルアクリロイル、クマリン、ピロン、アントラセン、ベンゾフェノン、ベンゾイン、ジチオカルバメート、キサンテート、1,2,3−チアジアゾール、シクロプロペン、アザジオキサビシクロ基、アリル化でんぷん等が挙げられる。
重合性化合物(c)がモノマーである場合、具体的な化合物の例としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテレフタレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールビスアリルカーボネート、ジアリルナフタレート、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ビスフェノールAジアリルエーテル、ビスフェノールFジアリルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、トリアリルトリメリテート、含フッ素トリアリルイソシアヌレート、CH2=CH(CF2)nCH=CH2(n=2〜6)で示されるビスオレフィン等の含フッ素多官能オレフィン化合物、テトラアリルオキシエタン、アリル化セルロース、テトラアリロキシエタン、等が挙げられ、これらから選ばれる一種以上が好ましい。
導電性粒子を高濃度に充填した硬化性樹脂は、機械的強度が弱くなる傾向がある。本発明の遮光性導電樹脂組成物は、重合性化合物(c)に加え、さらに熱硬化性化合物(d)を含むことによって、それを防ぎ、硬化物の力学的、熱的、化学的、経時的な安定性を向上させるものである。
本願における熱硬化性化合物(d)としては、分子内にエポキシ基を1つ以上、好ましくは2つ以上有する化合物を用いる。
前記分子内にエポキシ基を有する化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、N−グリシジル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、キレート型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等の1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物が挙げられる。具体的な製品としては、三菱化学社製jER(登録商標)シリーズなどがある。
また、難燃性付与のために、塩素、臭素等のハロゲンやリン等の原子がその構造に導入されたエポキシ化合物を用いても良い。これらのエポキシ樹脂の好ましい分子量は、GPCで測定した質量平均分子量で300〜100,000の範囲であることが好ましい。分子量が300以上の場合、皮膜強度が適度に維持され、分子量が100,000以下の場合、樹脂中の金属粉末の分散が適度に維持される。
熱硬化性化合物の使用量は、好ましくは樹脂組成物全固形分の10〜70質量%、より好ましくは20〜60質量%、更に好ましくは、30〜50質量%である。本発明の遮光性導電樹脂組成物は高い遮光性があるため、光による硬化は光が届く距離までの硬化に留まり、深部は熱による硬化に依らざるをえない。熱硬化性化合物(d)の使用量が樹脂全体のうちに占める割合が10質量%以上の場合は、未硬化の成分が絶縁油のような作用を示さず、導電性が劣る傾向がない。また、熱硬化性化合物が70質量%以下の場合は、光による硬化性成分が不足せず、製造工程中の不良率が増さず、導電性素材の充填量が不足しないため、適度な導電性が発現される。
本発明に用いる硬化促進剤としては、リン含有化合物、又はアミン類やイミダゾール類等の塩基性化合物等が好ましく用いられる。中でもアミン類又はイミダゾール類が好ましい。即ち、硬化促進剤(e)は、分子内にイミダゾール又はアミノ基を含むことが好ましい。
リン原子含有化合物の具体例としては、エチルホスフィン、フェニルホスフィン、ジメチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(p−トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、りん酸トリメチル、りん酸トリエチル、りん酸トリフェニル、りん酸トリアルキル、テトラフェニルホスホニウム、テトラフェニルボレート、及び1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
市販されている硬化促進剤として、例えば、三菱化学(株)製エピキュア(登録商標)3010、IBMI12、四国化成工業(株)製のイミダゾール化合物PZ、2PHZ、2P4MHZ、C17Z、2E4MZ、TBZ、味の素ファインテクノ(株)製アミキュア(登録商標)PN23、PN31、PN40J、MY24、MY−H、(株)ADEKA製EH−3293S、EH−3366S、EH−3615S、EH−4070S、EH−4342S、EH−3731S、旭化成ケミカルズ(株)製ノバキュア(登録商標)HX−3742、HX−3721、富士化成工業(株)製FXE−1000、FXR−1030、FXR−1080、FXR−1110等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
硬化促進剤(e)の配合量は特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜決定できる。
重合性化合物(c)とチオール化合物(a)の最適な配合は、用いる重合性化合物(c)のエチレン性不飽和基と、チオール化合物(a)のメルカプト基の官能基数の比に依存する。重合性化合物(c)の官能基数を100とした場合、好ましいチオール化合物の官能基数は20〜220になる量であり、さらに好ましくは、80〜170である。重合性化合物(c)の官能基数100に対するメルカプト基含有化合物の官能基数が20以上の場合、導電性粒子の保持力、基材密着性などの機械的強度が不足する場合がない。220以下の場合、表面にベタツキがなく、周辺部材を汚染する恐れがない。
ここで、重合性化合物(c)の官能基数を100とした場合のチオール化合物(a)の官能基数の比(以下、官能基数比と記す。)は、下記の式で求めた。
重合性化合物(c)のエチレン性不飽和基当量 : Ag/eq
重合性化合物(c)の配合量 : Xg
チオール化合物のメルカプト基当量 : Bg/eq
チオール化合物の配合量 : Y g
官能基数比 = 100 ×(A × Y)/(B × X)
光重合開始剤は、近赤外線、可視光線、紫外線等の光の照射により、ラジカル重合の開始に寄与するラジカルを発生する化合物であれば、特に制限はない。
光重合開始剤としては、具体的には、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1,2−ヒドロオキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−イソプロピルフェニル)プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−ドデシルフェニル)プロパノン、及び、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパノン、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、2−エトキシカルボニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルスルフィド、ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はそのテトラメチルエステル、4,4′−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン類(例えば4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジシクロヘキシルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジヒドロキシエチルアミノ)ベンゾフェノン)、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、フルオレノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類(例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール)、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジ−(2,6−ジメチルフェニル)ホスホネート、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン−2−(O−ベンゾイルオキシム)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン−1−(O−アセチルオキシム)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパノン−1−(O−アセチルオキシム)、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−3−シクロペンチルプロパン−1,2−ジオン−2−(O−ベンゾイルオキシム)などが挙げられる。ビスアシルフォスフィンオキサイド類としては、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、(2,5,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
また、光硬化促進剤として、メタロセン化合物を使用することもできる。メタロセン化合物としては、中心金属がFe、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Mo、Ru、Rh、Lu、Ta、W、Os、Irなどに代表される遷移元素を用いることができ、例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(ピロール−1−イル)フェニル]チタニウムを挙げることができる。
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
光重合開始剤の使用量は、重合性組成物100質量部に対して、10〜45質量部含有することが好ましく、更に好ましくは、15〜35質量部の範囲である。
ここで重合性組成物100質量部とは、エチレン性不飽和基を有する化合物と、エチレン性不飽和基と等しい官能基濃度分のチオール化合物の合計をいう。透明性がある樹脂組成物の場合、全重合性組成物100質量部に対する光重合開始剤の使用量は、0.1〜10質量部であることが通例であるが、本発明の場合は遮光性が高いため、光重合開始剤の適切な使用量は、通例から外れた範囲にある。光重合開始剤の使用量が、重合性組成物100質量部に対して、10質量部以上の場合には、深部硬化性が発現されやすく好ましい。また、光重合開始剤の使用量が、全重合性組成物100質量部に対して、45質量部以下の場合、硬化物の物性に悪影響を与える可能性がなく、好ましい。
本発明の遮光性導電樹脂組成物は、必要に応じて重合性化合物(c)や熱硬化し化合物(b)以外の光または熱硬化性モノマーを用いても良い。
またその他にも添加剤として、熱可塑性樹脂、脱臭剤、ヒンダードアミン類、ハイドロキノン類、ヒンダードフェノール類等の酸化防止剤、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、サリチル酸エステル類、金属錯塩類等の紫外線吸収剤、フタル酸エステル、りん酸エステル、脂肪酸エステル等の可塑剤、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、重合ワックス等のワックス類、低分子脂肪族グリシジルエーテル、芳香族モノグリシジルエーテル等の反応性希釈剤、発泡剤、カルボジイミド化合物などの脱水剤、帯電防止剤、抗菌剤、防かび剤、粘度調製剤、難燃剤、分散剤、香料等を含有することができる。これらは1種単独で用いても、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いることができる。
本発明の遮光性導電樹脂組成物の使用方法は、光と熱の影響を受けやすいので、−20℃〜5℃の冷所で保管し、5℃〜常温でパネル等に注入することが望ましい。硬化温度は高い方が硬化速度を早くでき、また、密着性も高くなるため好ましいが、液晶パネルの保護コーティングの目的で使用する場合、液晶パネルが熱に弱いために60℃以上の高温に晒すことができない。本発明の遮光性導電樹脂組成物の場合、60℃以下の熱硬化条件であっても充分硬化することができる。
本発明の遮光性導電樹脂組成物及びその硬化物は、液晶パネルの保護コーティングのほか、塗り床用コ−ティング剤、外装用塗料、自動車用塗料、プライマー等の塗料・コーティング剤、構造用接着剤、弾性接着剤、粘接着剤、積層物用マトリックス樹脂、補修用パテ、エレクトロニクス用材料等に用いることができる。
本発明の遮光性導電樹脂組成物の調製方法としては、用いられる材料を混合、分散できる方法であれば特に限定されず、例えば以下の方法が挙げられる。
(イ)ガラスビーカー、缶、カップ等の適当な容器中にて、撹拌棒やへら等により混合する。
(ロ)ダブルヘリカルリボン翼、ゲート翼等により混練する。
(ハ)プラネタリーミキサーにより混練する。
(ニ)ビーズミルにより混練する。
(ホ)3本ロールにて混練する。
(ヘ)エクストルーダー型混練押し出し機により混練する。
(ト)自転公転型撹拌装置を用いて撹拌する。
硬化物に十分な導電性を与えるためには、導電性炭素材料(b)を遮光性導電樹脂組成物中によく分散させる必要がある。そのための攪拌方法としては、上記(ホ)の3本ロールによる混練が最適である。
本発明の遮光性導電樹脂組成物は、組成物中に有機溶剤を含む量が1質量%以下であることが好ましく、全く含まないことがより好ましい。特に前記有機溶剤が、組成物の硬化温度において蒸発しうる有機溶剤であった場合、硬化の際に組成物が硬化収縮を起こしやすくなる。硬化物の製造において、硬化収縮は少ない方が好ましく、具体的には硬化収縮率は10%以下程度であることが好ましい。
前記有機溶剤としては具体的には、一般的に用いられる有機溶剤としては、例えば、ジイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ブチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル(n、sec、tert)、酢酸アミル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル等のグリコール類等、及びこれらの混合物等が挙げられる。
本発明の硬化物は、上述した本発明の遮光性導電樹脂組成物を硬化させてなる。
本発明の本発明の硬化物の製造方法において、遮光性導電樹脂組成物を硬化する方法としては、光硬化と熱硬化が挙げられる。
光硬化の具体的な方法としては活性エネルギー線を用いた方法が挙げられ、中でも300〜500nmの波長を有する紫外線ないし可視光線が経済的に好ましい。活性エネルギー線の光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、半導体レーザー、LEDなどが挙げられ、LED露光が好ましい。
熱硬化の具体的な方法としては、熱風循環式乾燥炉、IR(赤外線)炉、ホットプレート、コンベクションオーブン、蒸気による空気加熱方式の熱源を備えたものを用いて乾燥機内の熱風を向流接触させる方法やノズルにより吹き付ける方法が挙げられる。
上記の事情を鑑みると、本発明の遮光性導電樹脂組成物を硬化させる際には、光硬化と熱硬化の両方で硬化を行うことが好ましい。さらには、光硬化によって組成物を仮硬化させたのち、低温での熱硬化(アニール処理)によって組成物を完全に硬化せしめるという2段階によって、硬化を行うことがより好ましい。
前記低温での熱硬化(アニール処理)における温度は、好ましくは0℃〜100℃、より好ましくは0℃〜60℃である。
即ち、本発明の硬化物の製造方法は、硬化の工程において以下の2工程を少なくとも含んでなることが好ましい。
1)LED露光による光硬化の工程
2)0℃以上60℃以下の条件において硬化させる工程
また、本発明の硬化物の製造方法により得られた硬化物は、熱硬化および光の工程における総硬化収縮率が10%未満であることが好ましい。
電気抵抗とは、材料の導電性の尺度のことであり、単位としてはΩが用いられる。この抵抗を、単位面積あたりで示した値を表面抵抗という。本発明の硬化物の製造方法により得られた硬化物の電気抵抗は、105Ω/□以下であることが好ましく、104Ω/□以下であることがより好ましく、103Ω/□程度であることが最も好ましい。
より具体的には、膜厚1mmに塗布し、LEDランプにて総露光量2000mJ/cm2にて光硬化したのち、50℃・30分間の条件下で熱硬化を行った場合の表面電気抵抗値が105Ω/□以下であることが好ましい。
電気抵抗が大きい場合、例えば該硬化物を液晶パネル用途に用いた場合、表面で生じる静電気の影響でご操作が起こる可能性があるため好ましくない。
表面抵抗の測定方法としては、四端子法や二端子法などが挙げられる。
本実施例、比較例で得られた遮光性導電樹脂組成物の特性を以下のとおり評価した。
表1〜2に示したとおりの成分及び、分散剤として共栄社化学(株)製「フローレンG−900」0.8gと「フローレンnc−500」0.8g、光重合開始剤としてIrgacure184 6.4g(BASFジヤパン社製)、Lecirin TPO 1.7g(BASFジヤパン社製、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)を、表中に記載の方法で混合・分散し、樹脂組成物を得た。得られた各組成物について、下記6項目の評価を行った。
配合した遮光性導電樹脂組成物を室温に静置し、塗布が不可能になるまで増粘するまでの時間を測定し、下記の基準にて判定した。
A : 1時間以上。
B : 15分〜1時間。
C : 混練中に増粘が始まり、混連後15分以内に固化する。
ガラス板に厚さ1mmのスペーサーを2辺設け、配合した遮光性導電樹脂組成物をスペーサー間にのせてガラス棒を用いて平らになるように塗布し、下記の基準にて判定した。
A:表面に凹凸がなく平滑である。色は艶のある黒色であり、遮光性がある。
B:表面に凹凸があり、平滑性がない。色は黒色であり、遮光性がある。
C:表面に凹凸はなく、平滑である。しかし、色が灰色であり遮光性がない。
前記《外観》の評価後の状態の試料を、LED―UV装置「UVLS180−365−800」(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600mW/cm2、コンベア速度12mm/sec、照射幅20mm、の条件で、2回照射した。なおこの際の露光量は2000mJ/cm2であり、露光量は下記式にて計算をした。
露光量(mJ/cm2)=照度(mW/cm2)×露光時間(sec)×露光した回数
露光時間(sec)=照射幅(mm)÷コンベア速度(mm/sec)。
試料の硬化性を下記の基準にて判定した。
A : 試料を塗布・硬化したガラス板をたてて置いても液垂れしない。
B : 試料を塗布・硬化したガラス板をたてて置くと、やや液垂れする。
C : 硬化しない。
前記《光硬化性》の評価後の状態の試料を、50℃で熱硬化し、下記の基準にて評価した。
A : 30分で硬化し、タックがない。
B : 1時間で硬化し、タックがない。
C : 1時間ではタックがあるが、室温で静置すると経時でタックがなくなる。
D : 硬化しない。
《表面電気抵抗》
前記《熱硬化性》の評価条件にて30分硬化を行った状態の試料の表面抵抗を、抵抗率計Laresta−EP MCP−T360(三菱化学(株)製)を用いて測定した。
《ブリード》
前記≪熱硬化性≫の評価条件に30分硬化を行った状態の試料の、表面にウエスをかるく押し当て、ウエスへの付着を観察し、下記の基準にて評価した。
A :付着がない。
B :付着がある。
≪チオール化合物≫
PE1:昭和電工株式会社、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)
NR1:昭和電工株式会社、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン
TPMB:淀化学社製、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)
PETP:淀化学社製、ペンタエリスリトール テトラキス(β−チオプロピオネート)
3MBA:東京化成工業株式会社製、3−メルカプトブタン酸
ケッチェンブラック:ライオン株式会社、EC600JD
カーボンブラック:クラリアント社、カーボンブラック、PRINTEX 45
グラファイト:昭和電工株式会社、人造黒鉛微粉末、UF−G5
黒鉛25%Niコーティング:日興リカ株式会社、25%ニッケルコーティッドグラファイト
グラフェン:XGScience社、xGnP−C−300
VGCF−H:昭和電工株式会社、多層カーボンナノチューブ、商品名「VGCF(登録商標)―H」
4SP−10:日興リカ株式会社、ニッケルパウダー、商品名「4SP−10」
TAIC:日本化成株式会社製、トリアリルイソシアヌレート
DATP:昭和電工株式会社、テレフタル酸ジアリル
BPE−100:新中村化学製(製品名:NKエステルBPE−100)、ビスフェノールA型メタクリレート
エンオリゴマーA:1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル(東京化成株式会社)300g、トリメチロールプロパン(和光純薬株式会社)80g、ジブチルスズオキシド(東京化成株式会社)0.3gを三口フラスコに仕込み、180℃に調節したオイルバスで加熱してエステル交換反応を行った。反応は常圧から1.4kPaまで徐々に圧力を下げ、理論量のアリルアルコールが留出した時点を終了とした。冷却後反応液を取り出し、下記式で表されるエンオリゴマーAを320g得た。
TMPTA:日本化薬社製、トリメチロールプロパントリアクリレート
jER828:三菱化学社製、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、商品名「jER828」
jER807:三菱化学社製、ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂、商品名「jER807」
jER152:三菱化学社製、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、商品名「jER152」
IBMI12(表1〜2中、IBMIと表記する。):三菱化学社製、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール
TPP:東京化成工業社製、トリフェニルホスフィン
TAP:東京化成工業社製、(2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール)
U−CAT831(表1〜2中、UCATと表記する。):サンアプロ社製、DBU−フェノールノボラック樹脂塩(濃度:42%)、商品名「U−CAT SA831」
三本ロール:導電性材料、光硬化性化合物、熱硬化性化合物、分散剤、光重合開始剤を3本ロール((株)小平製作所製 型式RIII−1PM−2)で10回混練し、さらにチオール化合物と硬化促進剤を加えて2回混練し、遮光性導電樹脂組成物を得る方法を示す。
遊星式:容器に全ての成分を入れ、遊星式撹拌機マゼルスター(登録商標)KK−400W((株)クラボウ製)を用いて撹拌する方法を示す。撹拌条件は、公転1340rpm、自転1179rpmとして4分間の撹拌を3回行った。
硬化方法が「熱硬化のみ」とは、「《光硬化性》の評価におけるUV照射による光硬化工程を除いたプロセスにて、硬化物を製造すること」を指す。
Claims (19)
- 前記チオール化合物(a)におけるR1及びR2の少なくともいずれか一方が、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜10の芳香族基である請求項1に記載の遮光性導電樹脂組成物。
- 前記多価アルコールが、分岐していてもよい炭素数2〜10のアルキレン基を持つアルキレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ノルボルネンジメタノール、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエチルオキシ)フェニル]プロパン、水素化ビスフェノールA、4,4'−(9−フルオレニリデン)ビス(2−フェノキシエタノール)、及びトリス−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項3に記載の遮光性導電樹脂組成物。
- 前記導電性炭素材料(b)が、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、炭素繊維、カーボンナノチューブ、金属被覆した炭素繊維から選ばれる一種以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の遮光性導電樹脂組成物。
- 前記導電性炭素材料(b)が、炭素繊維である請求項1〜5のいずれか一項に記載の遮光性導電樹脂組成物。
- 前記重合性化合物(c)におけるエチレン性不飽和基が、アリル基である請求項6に記載の遮光性導電樹脂組成物。
- 前記重合性化合物(c)の分子量が、500以下である請求項1〜7のいずれか一項に記載の遮光性導電樹脂組成物。
- 前記重合化合物(c)が、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテレフタレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールビスアリルカーボネート、ジアリルナフタレート、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ビスフェノールAジアリルエーテル、ビスフェノールFジアリルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテルからなる群から選ばれるいずれか一種以上である請求項1〜7のいずれか一項に記載の遮光性導電樹脂組成物。
- 前記重合性化合物(c)が、下記一般式(3)〜(5)で表されるいずれか一種以上の化合物である請求項1〜7のいずれか一項に記載の遮光性導電樹脂組成物。
- 前記熱硬化性化合物(d)が分子内に2つ以上のエポキシ基を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の遮光性導電樹脂組成物。
- 前記硬化促進剤(e)が、分子内にイミダゾール又はアミノ基を含む請求項1〜11のいずれか一項に記載の遮光性導電樹脂組成物。
- 前記重合性化合物(c)のエチレン性不飽和基の官能基数100に対し、前記チオール化合物(a)の官能基数が、30〜200である請求項1〜12のいずれか一項に記載の遮光性導電樹脂組成物。
- 組成物中に、有機溶剤が含まれる量が1質量%以下である請求項1〜13のいずれか一項に記載の遮光性導電樹脂組成物。
- 3本ロールによる攪拌を含む工程により調整されてなる請求項1〜14いずれか一項に記載の遮光性導電樹脂組成物。
- 請求項1〜15のいずれか一項に記載の遮光性導電樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする硬化物。
- 硬化の工程において以下の2工程を少なくとも含むことを特徴とする、請求項16に記載の硬化物の製造方法。
1)LED露光による光硬化の工程
2)0℃以上60℃以下の条件において硬化させる工程 - 膜厚1mmに塗布し、LEDランプにて総露光量2000mJ/cm2にて光硬化したのち、50℃・30分間の条件下で熱硬化を行った場合の表面電気抵抗値が105Ω/□以下である請求項17に記載の硬化物の製造方法。
- 熱硬化および光硬化後を行った際の総硬化収縮率が10%未満である請求項17又は18に記載の硬化物の製造方法。
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