JP2015047584A - チェン及びそれを用いたチェン構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】チェンのチェン本体が軽量の合成樹脂材料により形成されていても、大きな波の力によりチェンのチェン本体がスプロケットホイールの歯から脱落し難くすることができるチェン及びそれを用いたチェン構造を提供する。
【解決手段】互いに対向して配置された一対の側板部18a,18b、44a,44bを有する複数のチェン本体18,20,44,46が、その長さ方向の端部同士を連結されて無端状に構成されたチェン42であって、複数のチェン本体18,20,44,46のうちの少なくとも一部のチェン本体44,46は、一対の側板部44a,44bそれぞれの長さ方向に対して垂直の幅方向で、チェン42がスプロケットホイール6の外周部に巻き掛けられたときにスプロケットホイール6の中心側に向って突出し、側板部44a,44bの長さ方向の一端部から他端部寄りの長さ途中部までにわたって形成された突出板部44jが、一対の側板部44a,44bそれぞれに一体的に形成された。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、下水処理設備の沈殿池に設けられる汚泥掻寄機に用いられるチェン及びそれを用いたチェン構造に関するものである。
汚泥掻寄機は、下水処理設備の沈殿池などの汚水処理槽内に設けられ、汚水処理槽の底に溜まった各種成分からなる汚泥を、汚泥掻寄板により汚水処理槽の底の一方に掻き寄せるものである。そして、汚泥掻寄機により掻き寄せられた汚泥はポンプで吸い出されて、汚水処理槽外部の次工程処理施設へ搬出されていた。
図7から図12は、汚水処理槽3内に設置される汚泥掻寄機に用いられる、従来のチェン4及びそれを用いたチェン構造2を説明するために参照する図である。
従来のチェン構造2は、図7に示すように、駆動用のスプロケットホイール6と、従動用のスプロケットホイール8,10,12と、これらのスプロケットホイール6,8,10,12に巻き掛けられた無端状のチェン4と、チェン4の長さ方向に所定間隔毎に設けられた複数のフライト板14(汚泥掻寄板)などを有して構成されていた(特許文献1参照)。
図7には、チェン4及びスプロケットホイール6,8,10,12が各々1個からなる1組だけが示されているが、同図中紙面垂直方向に互いに離れた位置に、これらと同様の、もう1組のチェン4及びスプロケットホイール6,8,10,12が、汚水処理槽3(液槽)の互いに対向する両側面の内側において、個々の部品が互いに対向して設けられていた。
フライト板14は、その長さ方向(図7中紙面垂直方向)の両端部が一対のチェン4それぞれの外周側に固定されて、駆動用のスプロケットホイール6が回転した場合には、チェン4が長さ方向(同図中時計回り方向)に循環移動するのに合わせて、チェン4と一体となってその外側を循環移動する。
そして、フライト板14は、図7中下側部分を移動する際に、汚水処理槽3の底面3aに沿って同図中左方に移動して、底面3a上に堆積した汚泥を同図中左端部側の汚泥貯留部3bに掻き集める。
したがって、従来のチェン構造2は、チェン4に固定されたフライト板14を循環移動させることにより、底面3a上に堆積した汚泥を汚泥貯留部3bに掻き集めていた。
このような従来のチェン構造2のスプロケットホイール6は、図8(b)に示すように、軸孔6aを有する円筒状のボス部6bと、このボス部6bの軸線方向(同図中左右方向)中央部より半径方向外側に突出する円板状の歯形成部6cにより構成されていた。
図8(a)に示すように、スプロケットホイール6の歯形成部6cの外周部には、歯先部6d(凸部)と歯底部6e(凹部)とが、これらの段差部である係合部6fを介して、歯形成部6cの円周方向に交互に繰り返し形成されていた。
スプロケットホイール6は、図10に示すように、その軸孔6aにキー17を介して回転軸16がスプロケットホイール6に対し相対回転不能に固定されており、この回転軸16が不図示のモータなどの駆動装置により駆動されることにより、その軸線を中心にして回転する。
また、従来のチェン構造2のチェン4は、図9(a)に示すように、互いに対向する一対の側板部18a,18bを有する複数の合成樹脂製のチェン本体18が、それらの長さ方向(図中左右方向)に直列に連結されていた。
チェン本体18の側板部18a,18bは、図9(b)に示すように、図中左右方向に長さを有する板状に形成されており、その同図中下端部には、その長さ方向の両端部から中央部に向かって図中上方に緩く弧状に凹んでいる凹底部18fが形成されていた。
図9(a)に示すように、チェン本体18は、同図中左端部においてその一対の側板部18a,18b間の間隔が小さく形成され、同図中右端部においてその一対の側板部18a,18b間の間隔が大きく形成されていた。
そして、チェン本体18の図9(a)中左端部には、互いに対向して配置された一対の側板部18a,18b同士を連結する円筒状の連結部18c(係合部)が形成されていた。
チェン本体18は、一対の側板部18a,18bの互いの間隔が小さい図9(a)中左端部の外側が、別のチェン本体18の、一対の側板部18a,18bの互いの間隔が大きい同図中右端部の内側に挟み込まれた状態、すなわち、互いの端部同士が重ね合わされた状態で連結されていた。
これら2つのチェン本体18,18は、各々の側板部18a,18bの端部に形成された貫通孔18e,18d,18eを共に挿通する1本の連結ピン22により、互いの端部同士が連結ピン22の軸回りに相対回転可能に連結されていた。
そして、チェン4は、2つのチェン本体18,18が互いに連結されることにより、一対の側板部18a,18bと、互いに隣り合う連結部18c,18cにより構成された空隙部Sが設けられていた。
チェン4は、図10に示すように、スプロケットホイール6の歯形成部6cの外周部に巻き掛けられていた。そして、チェン4は、その巻き掛けられた部分において、その空隙部Sにスプロケットホイール6の歯先部6dが挿通されると共に、その連結部18cがスプロケットホイール6の歯底部6eと係合部6fに係合されていた。
チェン4は、図7に示す、スプロケットホイール6以外の他のスプロケットホイール8,10,12の外周部にも、スプロケットホイール6と同様にして巻き掛けられていた。
図10に示すように、チェン4は、その長さ方向に連結された所定の数のチェン本体18の端部に、1つの合成樹脂材料により形成されたアタッチメント20(チェン本体)が連結され、長さ方向にこの連結状態を繰り返して配置されていた。
すなわち、このアタッチメント20は、チェン本体18とフライト板取付部24とが一体的に形成されて、チェン本体18と共にチェン4を構成するものであるから、説明の便宜上、以下においてはチェン本体20という名称及び符号を代わりに用いることがある。
アタッチメント20は、その外側面に一体的に設けられたフライト板取付部24に、スペーサ26を介して、その側面から見た外形形状が略コの字状に形成されたフライト板14が、ボルトとナットを用いたネジ締結手段によって固定されていた。
そして、従来のチェン構造2は、図11に示すように、図中左右方向に互いに離れた位置に互いに対向して配置された一対のスプロケットホイール6に、一対のチェン4のそれぞれが巻き掛けられていた。また、図7にその一方を示す一対のスプロケットホイール8,10,12にも、一対のチェン4のそれぞれが巻き掛けられていた。
図11に示すように、互いに対向して配置された一対のスプロケットホイール6,6には、図10に示すように各々の軸孔6aにキー17を介して相対回転不能に固定された単一の回転軸16が挿入されている。この回転軸16は、不図示のモータなどの駆動装置により駆動されて、一対のスプロケットホイール6を互いに同期させて回転させる。
特開2002−273105号公報
しかしながら、従来のチェン構造2におけるチェン4は、そのチェン本体18及び20がプラスチックなどの合成樹脂材料により形成されているため、腐食に強いという利点を有していたが、スチールなどの金属から形成されたリンクプレートを用いたチェンに比べて、軽量であり、汚水処理槽3内の水による浮力の影響を受けやすいという問題があった。
このため、地震などにより汚水処理槽3内の水が揺れて大きな波が発生して、この大きな波の力がチェン4やフライト板14に加えられた場合には、チェン4がスプロケットホイール6などに対して上下方向や水平方向に大きく変位する。
このとき、例えば図12に示すように、チェン4のアタッチメント20の凹底部18fが、スプロケットホイール6の歯先部6dより同図中上方に浮き上がってしまうと、チェン4とスプロケットホイール6や他のスプロケットホイールの歯との係合が外れるおそれがあった。
そして、チェン4がスプロケットホイールの歯から外れると、チェン4やフライト板14が脱落して破損したり、それらが脱落してぶつかることによりチェン構造2の他の部分が破損するおそれがあった。
また、チェン4やフライト板14などが破損しなかったとしても、脱落したチェン4をスプロケットホイールの歯に再び巻き掛けるには多大な労力や費用が掛かるという問題があった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、チェンのチェン本体が軽量の合成樹脂材料により形成されていても、大きな波の力によりチェンのチェン本体がスプロケットホイールの歯から脱落し難くすることができるチェン及びそれを用いたチェン構造を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、本発明によるチェンは、
互いに対向して配置された一対の側板部を有する複数のチェン本体が、その長さ方向の端部同士を連結されて無端状に構成されたチェンであって、
前記複数のチェン本体のうちの少なくとも一部のチェン本体は、前記一対の側板部それぞれの長さ方向に対して垂直の幅方向で、チェンがスプロケットホイールの外周部に巻き掛けられたときに前記スプロケットホイールの中心側に向って突出し、前記側板部の長さ方向の一端部から他端部寄りの長さ途中部までにわたって形成された突出板部が、前記一対の側板部それぞれに一体的に形成されたことを特徴とするものである。
また、本発明によるチェンは、
前記チェン本体は、長さ方向の一端部における前記一対の側板部同士の対向方向の間隔が、その長さ方向の他端部における前記一対の側板部同士の対向方向の間隔よりも大きく形成されており、
前記突出板部は前記一対の側板部同士の対向方向の間隔が小さい端部側に寄せて形成されたことを特徴とするものである。
また、本発明によるチェンは、
前記チェン本体を形成する材料には合成樹脂材料が用いられていることを特徴とするものである。
また、上記課題を解決するために、本発明によるチェン構造は、
外周部に複数の歯が形成されたスプロケットホイールと、
前記スプロケットホイールの外周部に巻き掛けられて、前記歯に係合する係合部を有するチェンを備えたチェン構造において、
前記チェンは、互いに対向して配置された一対の側板部を有する複数のチェン本体が、その長さ方向の端部同士を連結されて無端状に構成されて、
前記複数のチェン本体のうちの少なくとも一部のチェン本体は、前記一対の側板部それぞれの長さ方向に対して垂直の幅方向で、チェンが前記スプロケットホイールの外周部に巻き掛けられたときに前記スプロケットホイールの中心側に向って突出し、前記側板部の長さ方向の一端部から他端部寄りの長さ途中部までにわたって形成された突出板部が、前記一対の側板部それぞれに一体的に形成されたことを特徴とするものである。
このような本発明のチェンによれば、
互いに対向して配置された一対の側板部を有する複数のチェン本体が、その長さ方向の端部同士を連結されて無端状に構成されたチェンであって、
前記複数のチェン本体のうちの少なくとも一部のチェン本体は、前記一対の側板部それぞれの長さ方向に対して垂直の幅方向で、チェンがスプロケットホイールの外周部に巻き掛けられたときに前記スプロケットホイールの中心側に向って突出し、前記側板部の長さ方向の一端部から他端部寄りの長さ途中部までにわたって形成された突出板部が、前記一対の側板部それぞれに一体的に形成されたことにより、
チェンのチェン本体が軽量の合成樹脂材料により形成されていても、大きな波の力によりチェンのチェン本体がスプロケットホイールの歯から脱落し難くすることができる。
また、本発明のチェン構造によれば、
外周部に複数の歯が形成されたスプロケットホイールと、
前記スプロケットホイールの外周部に巻き掛けられて、前記歯に係合する係合部を有するチェンを備えたチェン構造において、
前記チェンは、互いに対向して配置された一対の側板部を有する複数のチェン本体が、その長さ方向の端部同士を連結されて無端状に構成されて、
前記複数のチェン本体のうちの少なくとも一部のチェン本体は、前記一対の側板部それぞれの長さ方向に対して垂直の幅方向で、チェンが前記スプロケットホイールの外周部に巻き掛けられたときに前記スプロケットホイールの中心側に向って突出し、前記側板部の長さ方向の一端部から他端部寄りの長さ途中部までにわたって形成された突出板部が、前記一対の側板部それぞれに一体的に形成されたことにより、
チェンのチェン本体が軽量の合成樹脂材料により形成されていても、大きな波の力によりチェンのチェン本体がスプロケットホイールの歯から脱落し難くすることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るチェン構造40のチェン42とスプロケットホイール6をその一部を破断して示す部分拡大正面図である。 図1におけるチェン構造40のA−A線矢視の断面図である。 図1におけるチェン本体44を連結ピン22と共に示す図であって、図3(a)はその上面図、図3(b)はその正面図である。 図1におけるアタッチメント46を連結ピン22と共に示す図であって、図4(a)はその上面図、図4(b)はその正面図である。 チェン構造40におけるアタッチメント46の動作を説明するための図であって、図2におけるスプロケットホイール6の一方をその近傍と共に拡大して示す部分拡大断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るチェン構造60のチェン62とスプロケットホイール6を示す部分拡大正面図である。 汚水処理槽3内に設置される汚泥掻寄機に用いられる、チェン構造2,40の全体構造を示す概略断面図である。 図7におけるスプロケットホイール6を示す図であって、図8(a)はその正面図、図8(b)は図8(a)におけるスプロケットホイール6のB−B線矢視の断面図である。 図7における従来のチェン4を示す図であって、図9(a)はその一部破断上面図、図9(b)はその正面図である。 従来のチェン構造2のチェン4とスプロケットホイール6をその一部を破断して示す部分拡大正面図である。 図10におけるチェン構造2のC−C線矢視の断面図である。 従来のチェン4がスプロケットホイール6から外れる現象を説明するための図であって、図11におけるスプロケットホイール6の一方をその近傍と共に拡大して示す部分拡大断面図である。
以下、本発明に係るチェン及びそれを用いたチェン構造を実施するための形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1から図5、図7は、本発明の第1の実施の形態に係るチェン42及びそれを用いたチェン構造40について説明するために参照する図である。以下、前記従来のチェン構造2と同様の部分には同じ符号を付して説明し、従来と同様の構成についての重複する説明は、その一部を除き省略する。
本実施の形態に係るチェン構造40におけるチェン42は、前記従来のチェン構造2におけるチェン4のチェン本体18及び20の代わりに、図1に示すようなチェン本体44及びアタッチメント46をその一部に有している点において、従来のチェン構造2と著しく異なるものである。
すなわち、本実施の形態に係るチェン構造40は、図7に示すように、駆動用のスプロケットホイール6と、従動用のスプロケットホイール8,10,12と、これらのスプロケットホイール6,8,10,12に巻き掛けられた無端状のチェン42と、チェン42の長さ方向に所定間隔毎に外側に突出して設けられた、複数のフライト板14(汚泥掻寄板)などを有して構成されている。
そして、図1に示すように、チェン42は、その長さ方向に連結された所定の数のチェン本体18の端部に、1つのチェン本体44又はアタッチメント46が連結され、長さ方向にこの連結状態を繰り返して配置されている。
チェン42のチェン本体44は、軽量の合成樹脂製であり、図3(a)及び(b)に示すように、互いに対向する一対の側板部44a,44bを備えており、これらの側板部44a,44bのそれぞれには突出板部44j(脱落防止手段)が図中下方に突出するように形成されている。
ここで、図3(b)においては、説明の便宜上、同図中一対の側板部44a,44bと一対の突出板部44jを二点鎖線により部分ごとに区切るように描いているが、これらは両者が一体的に連続して形成されていて、突出板部44jが無いチェン本体18の場合と容易に比較できるよう図示されている。
図3(a)に示すように、チェン本体44は、同図中左端部においてその一対の側板部44a,44b間の対向方向の間隔が小さく形成され、同図中右端部においてその一対の側板部44a,44b間の対向方向の間隔が大きく形成されている。
そして、チェン本体44の図3(a)中左端部には、互いに対向して配置された一対の側板部44a,44b同士を連結する、円筒状の連結部44c(係合部)が形成されている。
また、チェン本体44の図3(a)中右端部には、一対の側板部44a,44bそれぞれの、互いに対向する面と反対側の面(外側面)から垂直方向(外側方向)に突出する、高さが低い円筒状の補強部44gが形成されている。
そして、一対の側板部44a,44bのそれぞれには、その外側面から垂直に立設して、一端部が補強部44gの外周部に接合されて、他端部が側板部44a,44bの長さ方向に伸びる2本の板状のリブ44h,44iが形成されている。
チェン本体44は、その側板部44a,44bが補強部44gと2本の板状のリブ44h,44iにより補強されているため、それらにより補強されていない場合に比べて、側板部44a,44bの板厚を薄くすることができる。
また、一対の側板部44a,44bの長さ方向の両端部には、隣り合う他のチェン本体18と連結するための連結ピン22を緩く挿通させる、貫通孔44d,44eが形成されている。
チェン本体44の一対の側板部44a,44bのそれぞれには、図3(b)に示すように、その凹底部44fに相当する位置から図中下方に伸びる突出板部44j(脱落防止手段)が形成されている。
チェン本体44の一対の突出板部44jは、図3(b)に示すように、チェン本体44の一対の側板部44a,44bの、互いの対向方向の間隔が小さい図中左端部から図中右端部寄りの長さ方向の略中央部までの長さ寸法を有しており、一対の側板部44a,44bの幅方向(図3(b)中上下方向)における幅寸法が、前記長さ寸法の位置によっては大きくなるようにして、同図中下方に真直ぐ伸びている。
チェン本体44の一対の突出板部44jは、図3(b)における左下端部にテーパ部44kが形成されている。このテーパ部44kは、直列に連結された複数のチェン本体44が、スプロケットホイール6などに巻き掛けられた際に、互いの突出板部44j同士の接触を防止するために形成されている。
また、図3(a)に示すように、一対の突出板部44jは、互いの図中右端面がチェン本体44の長さ方向における同じ位置に配置されており、その厚さ寸法は一対の側板部44a,44bそれぞれの厚さ寸法と同一となっている。
図1に示すチェン42のアタッチメント46(チェン本体)は、図4(a),(b)に示すように、チェン本体44の一対の側板部44a,44b、一対の突出板部44jに加えて、その長さ中央部に、その長さ方向に直角となるように配置された、板状のフライト板取付部48を有して構成されている。
ここで、図4(b)においては、説明の便宜上、同図中一対の側板部44a,44bと一対の突出板部44jとフライト板取付部48を二点鎖線により部分ごとに区切るように描いているが、これらは三者が一体的に連続して形成されていて、突出板部44jやフライト板取付部48が無いチェン本体18の場合と容易に比較できるよう図示されている。
また、アタッチメント46は、チェン本体44の一対の側板部44a,44b、一対の突出板部44jとフライト板取付部48とが一体的に形成されて、チェン本体44などと共にチェン42を構成するものであるから、説明の便宜上、以下においてはチェン本体46という名称及び符号を代わりに用いることがある。
アタッチメント46の一対の側板部44a,44bは、図4(b)に示すように、その図中上端部が水平直線状に形成されており、その図中左側部分にはフライト板取付部48の立設部48aの下端部が一体的に連続して形成されている。
すなわちフライト板取付部48は、略三角形状に形成され、その下端部が側板部44a,44bの図4(b)中左側上端部に一体的に設けられた一対の立設部48aと、この一対の立設部48aの図中右端部に形成された板状の取付部48bを有して構成されている。
フライト板取付部48の取付部48bには、図1に示すように、この取付部48bの図中右側にスペーサ26を介して配置されて、その断面が略コの字状に形成されたフライト板14が、ボルトとナットのネジ締結手段によって固定されている。
アタッチメント46の一対の側板部44a,44bには、図4(b)に示すように、その側板部の長さ方向に沿って、その側板部の外側面から垂直の外側に突出した板状のリブ44iが形成され、このリブ44iに対して、略平行に伸びる2本のリブ46a,46aがリブ44iを両側から挟むように配置されて、この2本のリブ46a,46aもリブ44iと同様に、側板部の外側面から垂直の外側に突出した板状に形成されている。
アタッチメント46に1本のリブ44iと2本のリブ46a,46aを形成することにより、アタッチメント46の側板部44a,44bを補強することができると共に、フライト板取付部48の取付部48bの支持力を補強することができる。
図3,4に示すチェン42のチェン本体44,46は、チェン本体18と同様に、一対の側板部44a,44bの端部に形成された貫通孔44d又は44eを共に挿通する1本の連結ピン22により、隣の別のリンクプレートと互いの端部同士が重ね合わされた状態で連結されており、互いに連結された2つのリンクプレートの連結部44cや18cの相互間に、空隙部Sが設けられている。
そして、チェン構造40のチェン42は、図1に示すように、その長さ方向の一部がスプロケットホイール6の歯形成部6cの外周部に巻き掛けられる。
すなわち、チェン42は、その巻き掛けられた部分において、チェン本体44,46や18の相互間に形成された空隙部Sに、スプロケットホイール6の歯先部6dが挿通されると共に、スプロケットホイール6が図中時計回り方向に回転することにより、チェン本体44,46や18の連結部44c,18cがスプロケットホイール6の歯底部6eと係合部6fに係合される。
そして、例えば図2に示すように、チェン本体44,46の一対の突出板部44jは、スプロケットホイール6の歯先形成部6cの両面近傍において、歯先形成部6cとの間に隙間を設け、一対の側板部44a,44bから歯先形成部6cの半径方向内側に向かって垂れ下がっており、それぞれの先端面が歯先形成部6cの半径方向における同じ位置同士に配置されている。
このように、チェン本体44,46には、一対の突出板部44jが形成されているため、従来のチェン本体18,20に比べて、スプロケットホイール6に巻き掛けられた際の、スプロケットホイール6の表裏両面と対向する突出板部44jの内側面の面積が大きくなっている。
このため、本実施の形態に係るチェン42は、前記従来のチェン構造2におけるチェン4に比べて、それが巻き掛けられたスプロケットホイール6の歯から外れて脱落し難くなっている。
すなわち、図5に示すように、地震などにより発生した大きな波の力により、チェン42がスプロケットホイール6に巻き掛けられた状態から、同図中上下及び左右の方向に変位してチェン42がスプロケットホイール6の歯から外れるように運動しても、チェン42のチェン本体44,46に一対の突出板部44jが形成されているため、突出板部44jの下端部が、スプロケットホイール6の歯先部6dの半径内側に深く伸びていることにより、チェン42が同図中上方に浮き上がっても、突出板部44jの下端部が歯先部6dの外径より上方に変位して乗り越えることは起こり難くなっている。
また、チェン42がスプロケットホイール6の歯から外れるように運動した際に、チェン本体44,46の突出板部44jが、スプロケットホイール6の歯形成部6cの図中左右方向のいずれかの端面に接触することにより、チェン42が同図中上下及び左右の方向に変位することが制限されるので、チェン42がスプロケットホイール6の歯から外れ難くなっている。
そして、本実施の形態に係るチェン42は、そのチェン本体44,46が、スプロケットホイール6の歯形成部6cから外れそうになった部分は、上記接触により持ちこたえた後、再度そのチェン本体44,46がスプロケットホイール6の歯形成部6cの位置に復帰して、元通りに互いに係合する。
すなわち、本実施の形態に係るチェン42は、スプロケットホイール6に巻き掛けられる際に、チェン本体44,46の突出板部44jがスプロケットホイール6の歯形成部6cに接触しながら案内されることにより、チェン42の長さ方向に垂直なその幅方向(連結ピン22の軸線方向)の位置を修整されながら巻き掛けられる。
このため、チェン42の走行軌跡が正常な走行軌跡から少しくらい外れたとしても、スプロケットホイール6の歯形成部6cの両面又はそのいずれかと突出板部44jの接触を維持することにより、チェン42を正常な走行軌跡に戻すことができる。
このような本実施の形態に係るチェン42及びそれを用いたチェン構造40によれば、大きな波の力によりチェン42がスプロケットホイール6の歯形成部6cから外れてしまい、チェン42やフライト板14が脱落してこれらの部材やチェン構造40の他の部分が破損するのを防止することができる。
また、チェン42がスプロケットホイール6から脱落し難くすることができるので、脱落したチェン42をスプロケットホイールに再び巻き掛ける作業をしなくても良く、その作業に掛かる多大な労力や費用が発生することを防止することができる。
また、本実施の形態に係るチェン構造40は、チェン42はチェン本体44,46などと連結ピン22により構成されているため、部品点数が増えることはなく、その構造が複雑になることもなく、その製造作業や取付け作業が難しくなることもない。
また、本実施の形態に係るチェン構造40は、チェン42のチェン本体44,46が少し複雑な形状をしているが、合成樹脂製であるため一体成形することができるので、容易に量産することができ、1つ当りのコストを低いものにすることができる。
以上に説明したように、本実施の形態に係るチェン42及びそれを用いたチェン構造40によれば、チェン42のチェン本体44,46が軽量の合成樹脂材料により形成されていても、大きな波の力によりチェン42のチェン本体44,46がスプロケットホイール6の歯形成部6cから脱落し難くすることができる。
図6は、本発明の第2の実施の形態に係るチェン62及びそれを用いたチェン構造60について説明するために参照する図である。
前記第1の実施の形態に係るチェン42においては、その長さ方向に連結された所定の数のチェン本体18の端部に、1つのチェン本体44又はアタッチメント46(チェン本体)が連結され、長さ方向にこの連結状態を繰り返すように配置されていたが、図6に示す本実施の形態に係るチェン62においては、チェン本体44が複数長さ方向に直列に連結されており、その長さ方向に連結された所定の数のチェン本体44の端部に、1つのアタッチメント46が連結され、長さ方向にこの連結状態を繰り返して配置されている。
このような本実施の形態に係るチェン62及びそれを用いたチェン構造60によれば、前記第1の実施の形態と同様に、チェン42のチェン本体44,46が軽量の合成樹脂材料により形成されていても、大きな波の力によりチェン42のチェン本体44,46がスプロケットホイール6の歯形成部6cから脱落し難くすることができる。
また、本実施の形態に係るチェン62及びそれを用いたチェン構造60は、チェン62が一対の突出板部44jを有するチェン本体44,46が連続して連結されているため、これらのチェン本体44,46が断続的に連結されていた前記第1の実施の形態に係るチェン42及びそれを用いたチェン構造40よりも、チェン62をスプロケットホイール6の歯形成部6cからさらに脱落し難くすることができる。
なお、本発明は、前記実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の目的を達成することができる範囲内であれば、チェン及びそれを用いたチェン構造について種々の変更が可能である。
例えば、チェン本体44,46の一対の側板部44a,44bは、その図3(b)中下端部には、その長さ方向の両端部から中央部に向かって図中上方に緩く弧状に凹んでいる凹底部44fが形成されていたが、その図中下端部は水平直線状に形成されていてもよい。
また、チェン本体44の一対の突出板部44jは、一対の側板部44a,44bから下方に真直ぐ伸びていたが、一対の側板部44a,44bに対して傾きを有するようになっていてもよい。
2 チェン構造
3 汚水処理槽
3a 底面
3b 汚泥貯留部
4 チェン
6 スプロケットホイール
6a 軸孔
6b ボス部
6c 歯形成部
6d 歯先部
6e 歯底部
6f 係合部
8,10,12 スプロケットホイール
14 フライト板
16 回転軸
17 キー
18 チェン本体
18a,18b 側板部
18c 連結部
18d,18e 貫通孔
18f 凹底部
20 アタッチメント
22 連結ピン
24 フライト板取付部
26 スペーサ
40 チェン構造
42 チェン
44 チェン本体
44a,44b 側板部
44c 連結部
44d,44e 貫通孔
44f 凹底部
44g 補強部
44h,44i リブ
44j 突出板部
44k テーパ部
46 アタッチメント
46a リブ
48 フライト板取付部
48a 立設部
48b 取付部
60 チェン構造
62 チェン
S 空隙部

Claims (4)

  1. 互いに対向して配置された一対の側板部を有する複数のチェン本体が、その長さ方向の端部同士を連結されて無端状に構成されたチェンであって、
    前記複数のチェン本体のうちの少なくとも一部のチェン本体は、前記一対の側板部それぞれの長さ方向に対して垂直の幅方向で、チェンがスプロケットホイールの外周部に巻き掛けられたときに前記スプロケットホイールの中心側に向って突出し、前記側板部の長さ方向の一端部から他端部寄りの長さ途中部までにわたって形成された突出板部が、前記一対の側板部それぞれに一体的に形成された
    ことを特徴とするチェン。
  2. 前記チェン本体は、長さ方向の一端部における前記一対の側板部同士の対向方向の間隔が、その長さ方向の他端部における前記一対の側板部同士の対向方向の間隔よりも大きく形成されており、
    前記突出板部は前記一対の側板部同士の対向方向の間隔が小さい端部側に寄せて形成された
    ことを特徴とする請求項1に記載のチェン。
  3. 前記チェン本体を形成する材料には合成樹脂材料が用いられている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のチェン。
  4. 外周部に複数の歯が形成されたスプロケットホイールと、
    前記スプロケットホイールの外周部に巻き掛けられて、前記歯に係合する係合部を有するチェンを備えたチェン構造において、
    前記チェンは、互いに対向して配置された一対の側板部を有する複数のチェン本体が、その長さ方向の端部同士を連結されて無端状に構成されて、
    前記複数のチェン本体のうちの少なくとも一部のチェン本体は、前記一対の側板部それぞれの長さ方向に対して垂直の幅方向で、チェンが前記スプロケットホイールの外周部に巻き掛けられたときに前記スプロケットホイールの中心側に向って突出し、前記側板部の長さ方向の一端部から他端部寄りの長さ途中部までにわたって形成された突出板部が、前記一対の側板部それぞれに一体的に形成された
    ことを特徴とするチェン構造。
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