本発明の一実施形態による画像読取装置を備えた画像形成装置について、画像読取ジョブ(スキャンジョブ)やコピージョブなど複数種のジョブの実行が可能な複合機を例にとって説明する。
(画像形成装置の全体構成)
図1に示すように、画像形成装置100は、本体上方に装着された画像読取装置200を備える。画像読取装置200は、原稿Dを読み取って画像データを生成する。なお、画像読取装置200の構成については、後に詳細に説明する。
また、画像形成装置100は、給紙部3、用紙搬送部4、画像形成部5および定着部6で構成されるエンジン部7を備える。そして、エンジン部7は、用紙搬送路70に沿って用紙Pを搬送し、画像データ(たとえば、画像読取装置200による原稿Dの読み取りによって得られた画像データなど)に基づく画像を用紙Pに印刷して出力する。
給紙部3は、ピックアップローラー31および給紙ローラー対32を含み、用紙カセット33に収容された用紙Pを用紙搬送路70に供給する。用紙搬送部4は、複数の搬送ローラー対41を含み、用紙搬送路70に沿って用紙Pを搬送し、印刷済みの用紙Pを排出トレイ42に排出する。
画像形成部5は、感光体ドラム51、帯電装置52、露光装置53、現像装置54、転写ローラー55およびクリーニング装置56を含む。そして、画像形成部5は、画像データに基づきトナー像を形成し、そのトナー像を用紙Pに転写する。定着部6は、加熱ローラー61および加圧ローラー62を含み、用紙Pに転写されたトナー像を加熱および加圧して定着させる。
(画像読取装置の構成)
図2に示すように、画像読取装置200は、搬送読取用のコンタクトガラス20aおよび載置読取用のコンタクトガラス20bを有する。そして、画像読取装置200は、コンタクトガラス20a上を通過する原稿Dを読み取る搬送読取およびコンタクトガラス20b上に載置された原稿Dを読み取る載置読取の実行が可能に構成されている。
具体的な構成としては、画像読取装置200は、コンタクトガラス20aおよび20bが嵌め込まれる読取台20を有し、その読取台20に対して開閉可能(回動可能)に取り付けられた原稿搬送ユニット1を備える。コンタクトガラス20aおよび20bは、原稿搬送ユニット1が閉じられると、原稿搬送ユニット1によって覆われる。そして、搬送読取ジョブは、原稿搬送ユニット1が閉じた状態で実行される。また、載置読取ジョブの実行に際して、原稿搬送ユニット1を閉じることにより、コンタクトガラス20b上に載置した原稿Dを押え付けることができる。
原稿搬送ユニット1は、原稿セットトレイ11、原稿排出トレイ12、給紙部13および原稿搬送部14を備える。また、原稿搬送ユニット1には、原稿Dを搬送するための原稿搬送路10が設けられている。
原稿セットトレイ11は、読取対象の原稿Dがセットされるトレイであり、原稿搬送路10の一端側に配置される。原稿排出トレイ12は、読み取りの終わった原稿Dが排出されるトレイであり、原稿搬送路10の他端側に配置される。搬送読取時には、原稿セットトレイ11にセットされた原稿Dが原稿搬送路10に供給されるとともに、原稿搬送路10に沿って搬送され、最終的に原稿排出トレイ12に排出される。ここで、搬送読取時の読取位置(コンタクトガラス20a上の位置)は、原稿搬送路10に沿って搬送される原稿Dの搬送経路の途中の位置とされている。これにより、原稿搬送路10に沿って原稿Dが搬送されると、原稿Dがコンタクトガラス20a上を通過する。なお、原稿Dがコンタクトガラス20a上を通過するとき、原稿Dの表面(原稿セットトレイ11への原稿Dのセット時に上方に向けられた面)がコンタクトガラス20aと対向する。
給紙部13は、原稿搬送路10の上流側に設けられている。この給紙部13は、ピックアップローラー13a、給紙ベルト13bおよび分離ローラー13cを含む。ピックアップローラー13aは、原稿セットトレイ11にセットされた原稿Dと当接した状態で回転する。これにより、原稿セットトレイ11から原稿Dが引き出され、給紙ニップに進入する。給紙ベルト13bは、駆動ローラー13dと従動ローラー13eとによって張架され、分離ローラー13cとの間で給紙ニップを形成する。そして、給紙ベルト13bは、駆動ローラー13dが回転することで周回し、給紙ニップに進入した原稿Dを原稿搬送路10に供給する。分離ローラー13cは、原稿搬送方向と逆方向に原稿Dが進行するよう回転する。このため、原稿セットトレイ11から原稿Dが複数枚重なって引き出されたとしても、複数枚重なった原稿Dが1枚ずつに分離される。
原稿搬送部14は、原稿搬送路10に沿って配置された複数の搬送ローラー対14a〜14e(本発明の「搬送ローラー」に相当)を複数含み、原稿搬送路10に沿って原稿Dを搬送する。なお、搬送ローラー対14a〜14eは、この順番で原稿搬送路10の上流側から配置されている。搬送ローラー対14a〜14eのうち給紙部13に最も近い搬送ローラー対14aは、レジストローラー対14aである。レジストローラー対14aは、原稿Dの進行を一旦停止させ、原稿Dを撓ませて原稿Dの斜行を補正する。
また、原稿搬送ユニット1には、原稿搬送路10の複数の検知位置DP1〜DP4において原稿Dの有無(先端到達および後端通過)を検知するための複数の原稿検知センサーDS1〜DS4が設けられている。これら原稿検知センサーDS1〜DS4は、本発明の「ジャム発生検知部材」に相当する。原稿検知センサーDS1〜DS4は、たとえば、検知対象に向けて光を発光する発光部および検知対象からの反射光を受光する受光部を有する反射型の光センサーである。そして、原稿検知センサーDS1〜DS4の各出力は、対応する検知位置DPに原稿Dが有るときと無いときとで変動する。
なお、原稿検知センサーDS1は、レジストローラー対14aの原稿搬送方向上流側の検知位置DP1において原稿Dの有無を検知するためのセンサーである。原稿検知センサーDS2は、搬送ローラー対14bと搬送ローラー対14cとの間のうち搬送ローラー対14bの近傍の検知位置DP2(後述する第1読取位置RP1よりも原稿搬送方向上流側の位置)において原稿Dの有無を検知するためのセンサーである。原稿検知センサーDS3は、搬送ローラー対14bと搬送ローラー対14cとの間のうち搬送ローラー対14cの近傍の検知位置DP3(後述する第1読取位置RP1よりも原稿搬送方向下流側の位置)において原稿Dの有無を検知するためのセンサーである。原稿検知センサーDS4は、搬送ローラー対14dと搬送ローラー対14eとの間のうち搬送ローラー対14eの近傍の検知位置DP4において原稿Dの有無を検知するためのセンサーである。
原稿搬送ユニット1には、原稿セットトレイ11における原稿Dの有無を検知するための原稿セットセンサーSSも設けられている。この原稿セットセンサーSSは、本発明の「原稿セット検知部材」に相当する。原稿セットセンサーSSは、たとえば、発光部、受光部、および、発光部と受光部との間を上下方向に移動するとともに原稿セットトレイ11上の領域(原稿Dがセットされる領域)に突出するアクチュエーターを有する光センサーである。原稿セットセンサーSSのアクチュエーターは、原稿セットトレイ11に原稿Dが有ると、原稿Dに押圧されて下方に移動し、発光部と受光部との間の光路を遮断(または、開放)する。一方で、原稿セットセンサーSSのアクチュエーターは、原稿セットトレイ11から原稿Dが無くなると、原稿Dによる押圧が解除されることで上方に移動し、発光部と受光部との間の光路を開放(または、遮断する)する。これにより、原稿セットトレイ11に原稿Dが有るときと無いときとで原稿セットセンサーSSの出力が変動する。
また、画像読取装置200は、原稿台20上の原稿Dを光学的に読み取る画像読取ユニット2を備える。画像読取ユニット2は、ランプ21、ミラー22、レンズ23およびイメージセンサー24で構成される画像読取部材25を含む。
ランプ21は、複数のLED素子を有し、原稿Dに照射する光を生成する。複数のLED素子は、図示しないが、読取ライン方向である主走査方向(図2の紙面に対して垂直な方向)にライン状に配列されている。なお、冷陰極管などをランプ21として用いてもよい。そして、ランプ21は、コンタクトガラス20a上を通過する原稿Dを読み取るときには、コンタクトガラス20aに向けて光を照射する(コンタクトガラス20aを透過した光が原稿Dの一方面を照射する)。一方で、ランプ21は、コンタクトガラス20b上に載置された原稿Dを読み取るときには、コンタクトガラス20bに向けて光を照射する(コンタクトガラス20bを透過した光が原稿Dの一方面を照射する)。原稿Dで反射された反射光は、ミラー22で反射され、レンズ23に導かれる。レンズ23は、反射光を集光する。
イメージセンサー24は、原稿Dで反射された反射光(レンズ23で集光された光)を受光することにより原稿Dをライン単位で読み取る。このイメージセンサー24は、主走査方向にライン状に並ぶ複数の光電変換素子を有するCCDからなり、反射光を受光すると、ライン単位で画素毎に光電変換して電荷を蓄積する。そして、イメージセンサー24は、蓄積電荷に応じたアナログ信号を出力する。すなわち、イメージセンサー24の画素毎のアナログ出力は、反射光の光量に応じて変動する。
ランプ21およびミラー22は、主走査方向と直交する副走査方向に移動可能な保持部材26によって保持される。保持部材26は、ワイヤー27の一端と連結される。ワイヤー27の他端は、回転することでワイヤー27を巻き取る巻取ドラム28に連結される。これにより、巻取ドラム28が回転することによって保持部材26が副走査方向に移動し、ランプ21およびミラー22が保持部材26と共に副走査方向に移動する。なお、保持部材26には複数本のワイヤー27が連結されており、複数本のワイヤー27が架けまわされる。ただし、図2では、便宜上、ワイヤー27を1本のみ図示している。
搬送読取時には、保持部材26がコンタクトガラス20aの下方に移動して静止する。その後、原稿搬送ユニット1がコンタクトガラス20a上に原稿Dを搬送する。このとき、コンタクトガラス20a上を通過する原稿Dに対してランプ21が光を照射し、原稿Dで反射された反射光の光電変換をイメージセンサー24が連続して繰り返し行う。これにより、原稿Dの表面(原稿セットトレイ11への原稿Dのセット時に上方に向けられた面)の読み取りがライン単位で行われる。
一方で、載置読取時には、保持部材26が副走査方向(正面から見て左から右に向かう方向)に移動する。そして、保持部材26が副走査方向に移動している最中に、コンタクトガラス20b上に載置された原稿Dに対してランプ21が光を照射し、原稿Dで反射された反射光の光電変換をイメージセンサー24が連続して繰り返し行う。これにより、原稿Dのコンタクトガラス20bと対向する面の読み取りがライン単位で行われる。
ここで、画像読取装置200は、両面読取ジョブの実行が可能となっており、搬送読取時に原稿Dの表面(原稿セットトレイ11への原稿Dのセット時に上方に向けられた面)を読み取る画像読取部材25とは別に、搬送読取時に原稿Dの裏面(原稿セットトレイ11への原稿Dのセット時に下方に向けられた面)を読み取るための画像読取部材15を備える。なお、搬送読取時に原稿Dの裏面(一方面)を読み取るための画像読取部材15は、本発明の「第1読取部材」に相当する。一方で、搬送読取時に原稿Dの表面(他方面)を読み取るための画像読取部材25は、本発明の「第2読取部材」に相当する。以下の説明では、画像読取部材15を第1読取部材15と称し、画像読取部材25を第2読取部材25と称する。また、第1読取部材15の読取位置を第1読取位置RP1と称し、第2読取部材25の搬送読取時の読取位置(コンタクトガラス20a上の位置)を第2読取位置RP2と称する。
この第1読取部材15は、原稿搬送ユニット1に設けられている。そして、原稿搬送路10は、第1読取位置RP1を経由して第2読取位置RP2に至るように形成されている。すなわち、原稿搬送路10のうち第2読取位置RP2よりも上流側の位置が第1読取位置RP1とされている。これにより、両面読取ジョブの実行時には、まず、第1読取位置RP1を原稿Dが通過し、そのときに原稿Dの裏面が第1読取部材15によって読み取られる。その後、第2読取位置RP2を原稿Dが通過し、そのときに原稿Dの表面が第2読取部材25によって読み取られる。
第1読取部材15は、図3に示すように、LEDランプ16、コンタクトガラス17、結像レンズ18およびイメージセンサー19で構成され、これら各部材が一体化されたCISユニットである。LEDランプ16は、赤色LED、緑色LEDおよび青色LEDを含む。そして、LEDランプ16から発せられた光は、導光体16aによって線状光に変換され、コンタクトガラス17に照射される。すなわち、第1読取位置RP1に原稿Dが有れば、コンタクトガラス17を透過した光によって原稿Dの裏面が照射される。
結像レンズ18は、ロッドレンズアレイであり、原稿Dで反射された反射光を受ける。イメージセンサー19は、RGB各色のラインセンサーを含み、結像レンズ18を介して原稿Dで反射された反射光を受光する。イメージセンサー19は、原稿Dからの反射光を受光すると、ライン単位で画素毎に光電変換して電荷を蓄積し、蓄積電荷に応じたアナログ信号を出力する。すなわち、イメージセンサー19の画素毎のアナログ信号は、反射光の光量に応じて変動する。
また、第1読取部材15と対向する位置には、原稿Dを搬送するための搬送ローラー15aが設けられている。搬送ローラー15aは、シェーディング補正で用いる白基準データを取得するため、その外周面が白色とされている。なお、シェーディング補正で用いる白基準データを取得する場合には、第1読取位置RP1に原稿Dが無い状態で、搬送ローラー15aの外周面を照射し、搬送ローラー15aの外周面を読み取る。
図1に戻って、画像読取装置200は、操作パネル8を備える。操作パネル8は、タッチパネル付きの液晶表示部81を含む。液晶表示部81は、ユーザーから各種設定などを受け付けるためのソフトキーやメッセージなどを表示する。さらに、操作パネル8には、テンキー82やスタートキー83などのハードキーも設けられている。
(画像形成装置(画像読取装置)のハードウェア構成)
図4に示すように、画像形成装置100(画像読取装置200)は、主制御部110を備える。この主制御部110は、メインCPU111、画像処理部112および記憶部113を含む。画像処理部112は、画像処理専用のASICなどからなり、画像データに対して画像処理(拡大/縮小、濃度変換およびデータ形式変換など)を施す。記憶部113は、ROMおよびRAMなどからなり、プログラムおよびデータを記憶する。そして、主制御部110は、記憶部113に記憶されたプログラムおよびデータに基づき、画像形成装置100の全体制御を行う。
また、図5および図6に示すように、主制御部110は、原稿搬送制御部120および画像読取制御部130と接続される。そして、原稿搬送制御部120は、主制御部110から指示を受け、原稿搬送ユニット1の動作を制御する。画像読取制御部130は、主制御部110から指示を受け、画像読取ユニット2の動作を制御する。
原稿搬送制御部120は、CPU121および記憶部122を含む。原稿搬送制御部120は、給紙部13や原稿搬送部14の各ローラーを回転させるための搬送モーターM1と接続される。そして、原稿搬送制御部120は、搬送モーターM1の駆動を制御し、給紙部13や原稿搬送部14の各ローラーを適切に回転させる。
また、原稿搬送制御部120は、原稿検知センサーDS1〜DS4と接続され、原稿検知センサーDS1〜DS4の各出力に基づき、原稿搬送路10の検知位置DP1〜DP4において原稿Dの有無(先端到達および後端通過)を検知する。そして、原稿搬送制御部120は、原稿搬送路10においてジャムが発生したか否かを検知したり、原稿Dの搬送タイミングを計ったりする。さらに、原稿搬送制御部120は、原稿セットセンサーSSと接続され、原稿セットセンサーSSの出力に基づき、原稿セットトレイ11における原稿Dの有無を検知する。
また、原稿搬送制御部120は、第1読取部材15と接続され、第1読取部材15による原稿Dの読取動作を制御する。さらに、原稿搬送制御部120は、第1読取部材15の出力(イメージセンサー19のアナログ出力)を処理するため、アナログ処理部201、補正部202および画像メモリー203と接続される。アナログ処理部201は、増幅回路やA/D変換回路などを含む。そして、アナログ処理部201は、イメージセンサー19のアナログ出力を増幅し、デジタルの画像データに変換して出力する。補正部202は、シェーディング補正などの補正を行う。画像メモリー203は、画像データを蓄積し、主制御部110(画像処理部112)に転送する。
画像読取制御部130は、CPU131および記憶部132を含む。画像読取制御部130は、巻取ドラム28を回転させるための巻取モーターM2と接続される。そして、画像読取制御部130は、巻取モーターM2の駆動を制御し、巻取ドラム28を適切に回転させる。すなわち、画像読取制御部130は、第2読取部材25を副走査方向の適切な位置に移動させる。
また、画像読取制御部130は、第2読取部材25と接続され、第2読取部材25による原稿Dの読取動作を制御する。さらに、画像読取制御部130は、第2読取部材25の出力(イメージセンサー24のアナログ出力)を処理するため、アナログ処理部301、補正部302および画像メモリー303と接続される。アナログ処理部301は、増幅回路やA/D変換回路などを含む。そして、アナログ処理部301は、イメージセンサー24のアナログ出力を増幅し、デジタルの画像データに変換して出力する。補正部302は、シェーディング補正などの補正を行う。画像メモリー303は、画像データを蓄積し、主制御部110(画像処理部112)に転送する。
また、主制御部110は、操作パネル8と接続され、操作パネル8の表示動作を制御したり、操作パネル8に対して行われた操作を検知したりする。たとえば、主制御部110は、ジョブに関する各種設定を受け付けるための設定画面(図示せず)を初期画面として液晶表示部81に表示させる。なお、画像読取ジョブに関する設定画面が初期画面として設定されていてもよいし、コピージョブなど他のジョブに関する設定画面が初期画面として設定されていてもよい。画像読取ジョブに関する設定画面では、原稿Dの片面を読み取るか両面を読み取るかの選択などを行える。そして、主制御部110は、画像読取ジョブに関する設定画面において両面読取が選択され、スタートキー83が押下されると、その押下操作を両面読取ジョブの実行指示として認識する。
(両面読取ジョブの実行時の動作)
主制御部110は、操作パネル8が両面読取ジョブの実行指示を受け付けると、原稿搬送制御部120および画像読取制御部130に両面読取ジョブの実行を指示する。これにより、両面読取ジョブが実行される。以下に、図2を参照して、両面読取ジョブの実行時の動作について説明する。
まず、原稿搬送制御部120は、給紙部13に給紙動作を行わせ、原稿搬送部14に搬送動作を行わせる。すなわち、給紙部13は、原稿セットトレイ11にセットされた原稿Dを原稿搬送路10に供給する。また、原稿搬送部14は、原稿搬送路10に沿って原稿Dを搬送する。
原稿セットトレイ11から原稿搬送路10に供給された原稿Dが原稿搬送路10に沿って搬送され、その原稿Dの先端が検知位置DP2に到達すると、原稿検知センサーDS2の出力が変動するので、原稿搬送制御部120が検知位置DP2において原稿Dの先端到達を検知する。そして、原稿搬送制御部120は、検知位置DP2に原稿Dの先端が到達してから所定時間が経過したとき、第1読取部材15に原稿Dの裏面の読み取りを開始させる。なお、第1読取部材15による読取開始タイミングを計るための所定時間は、検知位置DP2と第1読取位置RP1との間の距離を原稿Dが進行するのに要する予定時間であり、検知位置DP2と第1読取位置RP1との間の距離および原稿搬送速度に基づき予め算出することができる時間である。これにより、原稿Dの先端が第1読取位置RP1に到達したときに、第1読取部材15による原稿Dの裏面の読み取りが開始される。
続いて、第1読取位置RP1を通過した原稿Dの先端が検知位置DP3に到達すると、原稿検知センサーDS3の出力が変動するので、原稿搬送制御部120が検知位置DP3において原稿Dの先端到達を検知する。そして、原稿搬送制御部120は、検知位置DP3に原稿Dの先端が到達したことを画像読取制御部130に通知する。この通知を受けた画像読取制御部130は、検知位置DP3に原稿Dの先端が到達してから所定時間が経過したとき、第2読取部材25に原稿Dの表面の読み取りを開始させる。なお、第2読取部材25による読取開始タイミングを計るための所定時間は、検知位置DP3と第2読取位置RP2との間の距離を原稿Dが進行するのに要する予定時間であり、検知位置DP3と第1読取位置RP2との間の距離および原稿搬送速度に基づき予め算出することができる時間である。これにより、原稿Dの先端が第2読取位置RP2に到達したときに、第2読取部材25による原稿Dの表面の読み取りが開始される。
原稿Dの後端が第1読取位置RP1を通過すると、原稿Dの裏面の読み取りが終わり、原稿Dの後端が第2読取位置RP2を通過すると、原稿Dの表面の読み取りが終わる。両面の読み取りが終わった原稿Dは、原稿搬送路10に沿って搬送され、原稿排出トレイ12に排出される。これにより、1枚分の原稿Dの両面読取が終わる。
また、原稿搬送制御部120は、原稿セットセンサーSSの出力に基づき、原稿セットトレイ11における原稿Dの有無(原稿セットトレイ11に原稿D残っているか否か)を検知する。原稿セットトレイ11に原稿Dが残っていなければ、現在搬送中の原稿Dの両面の読み取りが終わり、その原稿Dが原稿排出トレイ12に排出されると、両面読取ジョブが終了する。一方で、原稿セットトレイ11に原稿Dが残っていれば、原稿Dが無くなるまで、両面読取ジョブが続く。
ここで、原稿搬送制御部120は、両面読取ジョブの実行中に検知位置DP1〜DP4において原稿Dの先端到達および後端通過を検知し、ジャムが発生したか否かを検知する。たとえば、原稿搬送制御部120は、検知位置DP1〜DP4のうち或る検知位置(第1検知位置とする)において原稿Dの先端到達を検知してから計時を開始する。そして、原稿搬送制御部120は、第1検知位置において原稿Dの先端到達を検知してから所定時間が経過したときに、第1検知位置よりも原稿搬送方向下流側の検知位置(第2検知位置とする)において原稿Dの先端到達を検知できなければ、ジャムが発生したと判断する。この場合の所定時間というのは、第1検知位置と第2検知位置との間を原稿Dが進行するのに要する予定時間であり、第1検知位置と第2検知位置との間の距離および原稿搬送速度に基づき予め算出することができる時間である。
あるいは、原稿搬送制御部120は、検知位置DP1〜DP4のうち或る検知位置において原稿Dの先端到達を検知してから、所定時間が経過しても同じ検知位置において原稿Dの後端通過を検知できなければ、ジャムが発生したと判断する。この場合の所定時間というのは、或る検知位置に原稿Dの先端が到達してから同じ検知位置を原稿Dの後端が通過するのに要する予定時間であり、原稿Dの長さおよび原稿搬送速度に基づき予め算出することができる時間である。
原稿搬送制御部120は、両面読取ジョブの実行中にジャム発生を検知すると、何枚目の原稿Dの搬送中にジャムが発生したかを示す情報を記憶部122に記憶させる。
また、原稿搬送制御部120は、両面読取ジョブの実行中にジャム発生を検知すると、ジャム発生を検知した旨を主制御部110に通知する。そして、主制御部110は、原稿搬送制御部120および画像読取制御部130に指示し、両面読取ジョブを中断させる。さらに、主制御部110は、操作パネル8に指示し、ジャムが発生したことを報知させる。たとえば、操作パネル8は、ジャムが発生したことを示すメッセージや、両面読取ジョブの再スタートを促すメッセージを液晶表示部81に表示する。なお、本実施形態では、両面読取ジョブの実行中にジャムが発生した場合、両面の読み取りの終わった原稿D(原稿排出トレイ12に排出された原稿D)、原稿セットトレイ11に残っている原稿D、および、ジャム発生の検知対象となった原稿D(以下、ジャム原稿Dと称する)の全てを元の順番で原稿セットトレイ11に再セットしてから、両面読取ジョブを再スタートするよう定めている。
(両面読取ジョブの再実行時の動作)
主制御部110は、両面読取ジョブの実行中にジャムが発生した後(両面読取ジョブを中断した後)、操作パネル8が両面読取ジョブの実行指示を再び受け付けると、原稿搬送制御部120および画像読取制御部130に両面読取ジョブの再実行を指示する。これにより、両面読取ジョブが再実行される。
ただし、前回の両面読取ジョブ(ジャムが発生したために中断した両面読取ジョブ)においてジャム原稿Dの後端が第1読取位置RP1を通過していれば、第1読取部材15によるジャム原稿Dの裏面の読み取りは既に終わっている。このため、両面読取ジョブが再実行されても、第1読取部材15によるジャム原稿Dの裏面の読み取りを行う必要はない。そこで、原稿搬送制御部120は、両面読取ジョブの実行中にジャム発生を検知した場合、ジャム原稿Dの後端が第1読取位置RP1を通過していたか否かを判断する。
具体的には、原稿搬送制御部120は、原稿検知センサーDS3の出力に基づき、ジャム原稿Dの後端が検知位置DP3を通過していたか否かを検知する。ここで、検知位置DP3は、第1読取位置RP1よりも原稿搬送方向下流側の位置(第1読取位置RP1と第2読取位置RP2との間の位置)である。すなわち、ジャム原稿Dの後端が検知位置DP3を通過しているということは、ジャム原稿Dの後端が第1読取位置RP1を通過している(第1読取部材15によるジャム原稿Dの裏面の読み取りが既に終わっている)ということである。したがって、原稿搬送制御部120は、検知位置DP3に配置された原稿検知センサーDS3がジャム原稿Dの後端通過を検知していれば、ジャム原稿Dの後端が第1読取位置RP1を通過していたと判断する。この構成においては、検知位置DP3が本発明の「所定検知位置」に相当する。
そして、原稿搬送制御部120は、検知位置DP3に配置された原稿検知センサーDS3がジャム原稿Dの後端通過を検知していれば、原稿セットトレイ11にジャム原稿Dが再セットされて両面読取ジョブが再実行されても、ジャム原稿Dの搬送時に第1読取部材15を起動させない。すなわち、ジャム原稿Dの搬送時に、LEDランプ16は点灯せず、イメージセンサー19は光電変換を行わない。また、第1読取部材15の出力(イメージセンサー19のアナログ出力)を処理するためのアナログ処理部201や補正部202も動作しない。
ところで、両面読取ジョブの実行中に原稿搬送制御部120がジャム発生を検知したときに、原稿セットトレイ11に原稿Dが残っていない場合もあれば、残っている場合もある。たとえば、原稿セットトレイ11に1枚だけ原稿Dがセットされ、その原稿Dの搬送中にジャムが発生すれば、ジャム発生検知時に原稿セットトレイ11に原稿Dが残っていない状態となる。あるいは、原稿セットトレイ11に複数枚の原稿Dがセットされ、複数枚の原稿Dのうち最終頁の原稿Dの搬送中にジャムが発生すれば(最終項の原稿Dがジャム原稿Dであれば)、ジャム発生検知時に原稿セットトレイ11に原稿Dが残っていない状態となる。一方で、原稿セットトレイ11に複数枚の原稿Dがセットされ、最終頁の原稿Dよりも前の頁の原稿Dの搬送中にジャムが発生すれば、ジャム発生検知時に原稿セットトレイ11に原稿Dが残っている状態となる。
ジャム発生検知時に原稿セットトレイ11に原稿Dが残っておらず、ジャム原稿Dの後端が検知位置DP3を通過していれば、ジャム原稿D(原稿セットトレイ11に複数枚の原稿Dがセットされていた場合にはジャム原稿Dを含む全ての原稿D)の裏面の読み取りが終わっている。したがって、両面読取ジョブの再実行時に、第1読取部材15による読み取りを行う必要がない。一方で、ジャム発生検知時に原稿セットトレイ11に原稿Dが残っていれば、ジャム原稿Dの後端が検知位置DP3を通過していたとしても、ジャム原稿Dよりも後の頁の原稿Dについては裏面の読み取りが終わっていない。このため、両面読取ジョブの再実行時に、ジャム原稿Dの次以降に搬送される原稿Dについては第1読取部材15による読み取りを行う必要がある。
このため、原稿搬送制御部120は、両面読取ジョブの実行中にジャム発生を検知した場合に、原稿セットセンサーSSの出力に基づき、原稿セットトレイ11における原稿Dの有無を検知する。そして、原稿搬送制御部120は、検知位置DP3に配置された原稿検知センサーDS3がジャム原稿Dの後端通過を検知しており、原稿セットセンサーSSがジャム発生検知時に原稿セットトレイ11に原稿Dが無いことを検知していれば、両面読取ジョブが再実行されても、再実行された両面読取ジョブの開始から終了まで第1読取部材15を起動させない。
また、原稿搬送制御部120は、両面読取ジョブの実行中にジャム発生を検知した場合に、検知位置DP3に配置された原稿検知センサーDS3がジャム原稿Dの後端通過を検知しており、原稿セットセンサーSSが原稿セットトレイ11に原稿Dが有ることを検知していれば、両面読取ジョブが再実行されると、ジャム原稿Dよりも後の頁の原稿Dの搬送時から第1読取部材15を起動させる。
なお、両面読取ジョブの実行中にジャムが発生した場合、検知位置DP3に配置された原稿検知センサーDS3がジャム原稿Dの後端通過を検知していなかったとしても、ジャム原稿Dの後端が第1読取位置RP1を通過していることがある。具体的には、ジャム原稿Dの後端が第1読取位置RP1と検知位置DP3との間に有れば、検知位置DP3に配置された原稿検知センサーDS3は検知位置DP3においてジャム原稿Dの後端通過を検知しない。
このため、操作パネル8は、検知位置DP3に配置された原稿検知センサーDS3がジャム原稿Dの後端通過を検知していなければ、第1読取部材15によるジャム原稿Dの裏面の読み取りによって得られた画像データに基づく画像を液晶表示部81に表示する。これにより、ユーザーは、ジャム原稿Dの裏面が正常に読み取られているか否かの確認を行える。また、操作パネル8は、両面読取ジョブの再実行指示を受け付けるときに、第1読取部材15によるジャム原稿Dの裏面の読み取りを再度行うか否かの選択指示も受け付ける。この構成においては、操作パネル8が本発明の「受付部」に相当し、液晶表示部81が本発明の「表示部」に相当する。
そして、原稿搬送制御部120は、操作パネル8がジャム原稿Dの裏面の再読み取りが不要である旨を受け付ければ、両面読取ジョブが再実行されても、ジャム原稿Dの搬送時に第1読取部材15を起動させない。一方で、原稿搬送制御部120は、操作パネル8がジャム原稿Dの裏面の再読み取りが必要である旨を受け付ければ、両面読取ジョブが再実行されると、ジャム原稿Dの搬送時に第1読取部材15を起動させる。
別の例として、原稿搬送制御部120は、検知位置DP3に配置された原稿検知センサーDS3がジャム原稿Dの後端通過を検知していなければ、第1読取部材15の読み取りによって得られたジャム発生検知時の画像データと第1読取位置RP1に原稿Dが無いときの画像データとを比較して、ジャム原稿Dの後端が第1読取位置RP1を通過していたか否かを判断する。
そして、原稿搬送制御部120は、ジャム原稿Dの後端が第1読取位置RP1を通過していたと判断すれば、両面読取ジョブが再実行されても、ジャム原稿Dの搬送時に第1読取部材15を起動させない。一方で、原稿搬送制御部120は、ジャム原稿Dの後端が第1読取位置RP1を通過していないと判断すれば、両面読取ジョブが再実行されると、ジャム原稿Dの搬送時に第1読取部材15を起動させる。
さらに、別の例として、原稿搬送制御部120は、検知位置DP3に配置された原稿検知センサーDS3がジャム原稿Dの後端通過を検知していなければ、検知位置DP1〜DP4のうちいずれかの検知位置において原稿Dの先端到達または後端通過を検知した時点からジャム発生を検知した時点までの時間と原稿搬送速度とに基づいて、ジャム原稿Dの後端が第1読取位置RP1を通過していたか否かを判断する。たとえば、原稿搬送制御部120は、検知位置DP2に配置された原稿検知センサーDS2が原稿Dの後端通過を検知してから計時を開始する。この後、原稿搬送制御部120は、ジャム発生を検知すれば、検知位置DP2に配置された原稿検知センサーDS2が原稿Dの後端通過を検知した時点からジャム発生を検知した時点までの時間を求め、その求めた時間と原稿搬送速度とに基づき、ジャム原稿Dの後端が第1読取位置RP1を通過していたか否かを判断する。
以下に、図7に示すフローチャートを参照して、両面読取ジョブの実行中にジャムが発生したことで再実行される両面読取ジョブの再実行時の制御の流れについて説明する。
まず、図7のフローチャートのスタート時点では、ジャム原稿D(原稿セットトレイ11に複数枚の原稿Dがセットされていた場合にはジャム原稿Dを含む全ての原稿D)が原稿セットトレイ11に再セットされているとする。そして、操作パネル8が両面読取ジョブの実行指示を再び受け付けたとき、図7のフローチャートがスタートする。
ステップS1において、原稿搬送制御部120は、現時点の給紙(搬送)対象がジャム原稿Dであるか否かを判断する。なお、前回の両面読取ジョブにおいて何枚目の原稿Dの搬送中にジャムが発生したかを示す情報が記憶部122に記憶されているので、その記憶部122に記憶された情報に基づいて、現時点の給紙(搬送)対象がジャム原稿Dであるか否かを判断することができる。その結果、現時点の給紙(搬送)対象がジャム原稿Dであれば、ステップS2に移行する。
ステップS2に移行すると、原稿搬送制御部120は、ジャム原稿Dの後端が第1読取位置RP1を通過していたか否かを判断する。あるいは、原稿搬送制御部120は、両面読取ジョブの再実行指示の受け付け時に、第1読取部材15によるジャム原稿Dの裏面の再読み取りが不要である旨を操作パネル8が受け付けたか否かを判断する。その結果、ジャム原稿Dの後端が第1読取位置RP1を通過していなければ(第1読取部材15によるジャム原稿Dの裏面の再読み取りが必要である旨を操作パネル8が受け付けていれば)、ステップS3に移行する。
ステップS3において、原稿搬送制御部120は、第1読取部材15を起動させ、画像読取制御部130は、第2読取部材25を起動させる。続いて、ステップS4において、原稿搬送部120は、給紙部13および原稿搬送部14に指示し、給紙動作および搬送動作を実行させる。また、ステップS5において、原稿搬送制御部120は、原稿Dの裏面の読み取りを第1読取部材15に行わせ、画像読取制御部130は、原稿Dの表面の読み取りを第2読取部材25に行わせる。そして、原稿搬送制御部120は、原稿Dを原稿排出トレイ12に排出する。
その後、ステップS6において、原稿搬送制御部120は、原稿セットセンサーSSの出力に基づき、原稿セットトレイ11に原稿Dが残っているか否かを判断する。その結果、原稿セットトレイ11に原稿Dが残っていれば、ステップS4に移行する。一方で、原稿セットトレイ11に原稿Dが残っていなければ、現在搬送中の原稿Dの両面の読み取りが終わり、その原稿Dを原稿排出トレイ12に排出すると、両面読取ジョブを終了する。
ステップS2において、ジャム原稿Dの後端が第1読取位置RP1を通過していた場合には(第1読取部材15によるジャム原稿Dの裏面の再読み取りが不要である旨を操作パネル8が受け付けた場合には)、ステップS7に移行する。ステップS7に移行すると、原稿搬送制御部120は、第1読取部材15を起動させない。一方で、画像読取制御部130は、第2読取部材25を起動させる。続いて、ステップS8において、原稿搬送制御部120は、給紙部13および原稿搬送部14に指示し、給紙動作および搬送動作を実行させる。また、ステップS9において、原稿搬送制御部120は、原稿Dの裏面の読み取りを第1読取部材15に行わせず、画像読取制御部130は、原稿Dの表面の読み取りを第2読取部材25に行わせる。そして、原稿搬送制御部120は、原稿Dを原稿排出トレイ12に排出する。
その後、ステップS10において、原稿搬送制御部120は、原稿セットセンサーSSの出力に基づき、原稿セットトレイ11に原稿Dが残っているか否かを判断する。その結果、原稿セットトレイ11に原稿Dが残っていれば、ステップS11に移行する。ステップS11に移行すると、原稿搬送制御部120は、第1読取部材15を起動させる。なお、画像読取制御部130は、第2読取部材25を起動させたまま保持する。そして、ステップS4に移行する。一方で、原稿セットトレイ11に原稿Dが残っていなければ、現在搬送中の原稿Dの両面の読み取りが終わり、その原稿Dを原稿排出トレイ12に排出すると、両面読取ジョブを終了する。
ステップS1において、現時点の給紙(搬送)対象がジャム原稿Dでなければ、ステップS12に移行する。ステップS12に移行すると、稿搬送制御部120は、第1読取部材15を起動させない。また、画像読取制御部130は、第2読取部材25を起動させない。続いて、ステップS13において、原稿搬送制御部120は、給紙部13および原稿搬送部14に指示し、給紙動作および搬送動作を実行させる。そして、ステップS14において、原稿搬送制御部120は、原稿Dを原稿排出トレイ12に排出する。このとき、原稿搬送制御部120は、原稿Dの裏面の読み取りを第1読取部材15に行わせず、画像読取制御部130は、原稿Dの表面の読み取りを第2読取部材25に行わせない。この後、ステップS1に戻る。
本実施形態の画像読取装置200は、上記のように、第1読取位置RP1および第2読取位置RP2を有し、第1読取位置RP1で原稿Dの裏面(一方面)の読み取りを行うとともに第2読取位置RP2で原稿Dの表面(他方面)の読み取りを行う両面読取ジョブの実行が可能な画像読取装置であって、原稿Dがセットされる原稿セットトレイ11と、原稿セットトレイ11から第1読取位置RP1を経由して第2読取位置RP2に至る原稿搬送路10に沿って原稿Dを搬送する搬送ローラー対14a〜14e(搬送ローラー)と、第1読取位置RP1を通過する原稿Dの表面を読み取る第1読取部材15と、原稿搬送路10のうち第1読取位置RP1と第2読取位置RP2との間の検知位置DP3(所定検知位置)を含む複数の検知位置DP1〜DP4において原稿Dの先端到達および後端通過を検知し、原稿搬送路10でジャムが発生したか否かを検知する原稿検知センサーDS1〜DS4(ジャム発生検知部材)と、を含む原稿搬送ユニット1を備える。また、画像読取装置200は、第2読取位置RP2を通過する原稿Dの他方面を読み取る第2読取部材25を備える。そして、第1読取部材15は、検知位置DP3に配置された原稿検知センサーDS3がジャム発生の検知対象となったジャム原稿Dの後端通過を検知していれば、原稿セットトレイ11にジャム原稿Dが再セットされて両面読取ジョブが再実行されても、ジャム原稿Dの搬送時に起動しない。
ここで、検知位置DP3は第1読取位置RP1と第2読取位置RP2との間の位置(第1読取位置RP1よりも原稿搬送方向下流側の位置)であるので、ジャム原稿Dの後端が検知位置DP3を通過しているということは、ジャム原稿Dの後端が第1読取位置RP1を通過している(第1読取部材15によるジャム原稿Dの裏面の読み取りが既に終わっている)ということである。したがって、前回の両面読読取ジョブ(ジャムが発生したために中断した両面読取ジョブ)においてジャム原稿Dの後端が検知位置DP3を通過してれば、両面読取ジョブの再実行時にジャム原稿の裏面を再度読み取る必要はない。
このため、第1読取部材15は、検知位置DP3に配置された原稿検知センサーDS3がジャム原稿Dの後端通過を検知していれば、両面読取ジョブが再実行されても、ジャム原稿Dの搬送時に起動しない。これにより、両面読取ジョブの再実行時における第1読取部材15での消費電力を低減することができるので、更なる省電力化が可能となる。
また、本実施形態では、上記のように、原稿セットトレイ11における原稿Dの有無を検知する原稿セットセンサーSS(原稿セット検知部材)を備える。そして、第1読取部材15は、検知位置DP3に配置された原稿検知センサーDS3がジャム原稿Dの後端通過を検知し、原稿セットセンサーSSがジャム発生検知時に原稿セットトレイ11に原稿Dが無いことを検知していれば、両面読取ジョブが再実行されても、再実行された両面読取ジョブの開始から終了まで起動しない。このように構成すれば、両面読取ジョブの再実行時における第1読取部材15での消費電力をより低減することができる。
一方で、第1読取部材15は、原稿セットセンサーSSがジャム発生検知時に原稿セットトレイ11に原稿Dが有ることを検知していれば、両面読取ジョブが再実行されると、ジャム原稿Dよりも後の頁の原稿Dの搬送時から起動する。このように構成すれば、前回の両面読取ジョブにおいて裏面の読み取りが終わっていない原稿Dが有ったとしても、両面読取ジョブの再実行時には裏面の読み取りが終わっていない原稿Dの搬送時から第1読取部材15が起動するので、第1読取部材15での消費電力を低減することができる。
また、本実施形態では、上記のように、検知位置DP3に配置された原稿検知センサーDS3がジャム原稿Dの後端通過を検知していなければ、液晶表示部81(表示部)は、第1読取部材15によるジャム原稿Dの裏面の読み取りによって得られた画像データに基づく画像を表示する。そして、操作パネル8(受付部)は、両面読取ジョブの再実行指示を受け付けるときに、第1読取部材15によるジャム原稿Dの裏面の読み取りを再度行うか否かの選択指示を受け付ける。このように構成すれば、前回の両面読取ジョブにおいてジャム原稿Dの裏面が正常に読み取られているにもかかわらず、両面読取ジョブの再実行時(ジャム原稿Dの搬送時)に第1読取部材15が起動して無駄に電力が消費される、という不都合が発生するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、原稿搬送制御部120は、検知位置DP3に配置された原稿検知センサーDS3がジャム原稿Dの後端通過を検知しなければ、第1読取部材15の読み取りによって得られたジャム発生検知時の画像データと第1読取位置RP1に原稿Dが無いときの画像データとを比較して、ジャム原稿Dの後端が第1読取位置RP1を通過していたか否かを判断する。そして、第1読取部材15は、ジャム原稿Dの後端が第1読取位置RP1を通過していたと原稿搬送制御部120が判断すれば、両面読取ジョブが再実行されても、ジャム原稿Dの搬送時に起動しない。このように構成した場合にも、前回の両面読取ジョブにおいてジャム原稿Dの裏面が正常に読み取られているにもかかわらず、両面読取ジョブの再実行時(ジャム原稿Dの搬送時)に第1読取部材15が起動して無駄に電力が消費される、という不都合が発生するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、原稿搬送制御部120は、検知位置DP3に配置された原稿検知センサーDS3がジャム原稿Dの後端通過を検知していなければ、検知位置DP1〜DP4のうちいずれかの検知位置において原稿Dの先端到達または後端通過を検知した時点からジャム発生を検知した時点までの時間と原稿搬送速度とに基づいて、ジャム原稿Dの後端が第1読取位置RP1を通過していたか否かを判断する。そして、第1読取部材15は、ジャム原稿Dの後端が第1読取位置RP1を通過していたと原稿搬送制御部120が判断すれば、両面読取ジョブが再実行されても、ジャム原稿Dの搬送時に起動しない。このように構成した場合にも、前回の両面読取ジョブにおいてジャム原稿Dの裏面が正常に読み取られているにもかかわらず、両面読取ジョブの再実行時(ジャム原稿Dの搬送時)に第1読取部材15が起動して無駄に電力が消費される、という不都合が発生するのを抑制することができる。
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。