JP2010136274A - 画像読取装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】重送原稿が発生した場合の装置の利便性を向上することができる技術を提案する。
【解決手段】指示部613は、片面読取モード及び前記両面同時読取モードの設定時においては、重送原稿以外の原稿を全て読み取って排紙トレイ215に排出する一方、前記重送原稿に対する画像読取部2の読取動作を禁止し、該重送原稿を前記一時排出部219に排出する処理をモード制御部612に指示する。また、指示部613は、両面反転読取モードの設定時においては、重送原稿以外の原稿に対しその両面を読み取った後、排出トレイに排出する処理をモード制御部612に指示するとともに、重送原稿に対し読取動作及び反転動作を行うことなく排紙トレイ215に排出する処理をモード制御部612に指示し、表示制御部615は、重送原稿以外の原稿の縮小画像と、重送原稿の発生した旨の報知、該重送原稿の発生箇所の報知及び重送原稿の枚数等を表示部51に表示させる。
【選択図】図3
【解決手段】指示部613は、片面読取モード及び前記両面同時読取モードの設定時においては、重送原稿以外の原稿を全て読み取って排紙トレイ215に排出する一方、前記重送原稿に対する画像読取部2の読取動作を禁止し、該重送原稿を前記一時排出部219に排出する処理をモード制御部612に指示する。また、指示部613は、両面反転読取モードの設定時においては、重送原稿以外の原稿に対しその両面を読み取った後、排出トレイに排出する処理をモード制御部612に指示するとともに、重送原稿に対し読取動作及び反転動作を行うことなく排紙トレイ215に排出する処理をモード制御部612に指示し、表示制御部615は、重送原稿以外の原稿の縮小画像と、重送原稿の発生した旨の報知、該重送原稿の発生箇所の報知及び重送原稿の枚数等を表示部51に表示させる。
【選択図】図3
Description
本発明は、原稿の両面を読み取ることが可能な画像読取装置、及びこの画像読取装置を備えた画像形成装置に関するものである。
従来、複写機やファクシミリ等の画像形成装置では、自動原稿送り装置(ADF:Automatic Document Feeder)を備えた画像読取装置によって、原稿の表面及び裏面を自動的に読み取っている。この原稿読取では、原稿の表面の画像をイメージセンサが読み取った後、その原稿の表裏を反転させて、原稿裏面の画像を再度イメージセンサが読み取る方式が広く採用されている。
さらには、下記特許文献1に示されるように、原稿トレイからの原稿搬送路において原稿の表裏両面側にそれぞれイメージセンサを設けることで、原稿を反転させることなく1回の原稿搬送(ワンパス)で原稿両面をほぼ同時に読み取る方式を採用した画像形成装置が知られている。
この原稿両面をほぼ同時に読み取る方式を採用する画像形成装置では、原稿の一方の面の読み取りは装置本体側に配設された縮小光学系イメージセンサで行い、原稿の他方の面の読み取りは、設置スペース、コスト等の関係上、自動原稿送り装置側に配設された密着光学系イメージセンサで行う場合が多い。
上記特許文献1に示された画像形成装置のように、原稿の表裏面を読み取るイメージセンサの光学的構成が異なると、それぞれに用いられる光源やレンズアレイ等の相違により読取画像の画質に差が生じる。また、この読取画像の画質差が、用紙の表裏面に形成される画像の画質の差となって現れる。
そのため、このような画像形成装置においては、用紙の表裏面の画質を同一にするために、1枚の原稿を反転させて2度同じイメージセンサ(縮小光学系イメージセンサ)に搬送して当該イメージセンサで原稿の表裏面を読み取らせる両面反転読取モードと、画像の読取時間を短縮するために原稿の表裏面を縮小光学系と密着光学系の2つのイメージセンサを用いてほぼ同時に読み取らせる両面同時読取モードの2つのモードを備えている場合がある。
特開2004−15299号公報
ところで、この種の画像形成装置においては、近年、単位時間当たりに画像形成できる原稿の枚数(以下、生産性という)を更に向上する技術が要求されている。この生産性を向上するための一手段として、原稿の搬送速度を大きくしたり各原稿の搬送開始タイミングの時間間隔を短縮したりすることが考えられる。しかしながら、このような手段を採用すると、複数の原稿が重なったまま搬送される状態(以下、重送状態という)が発生する可能性が高くなる。
このような重送状態が生じると、読取動作が行われない原稿が発生する。そして、重送状態が発生したことを検出する手段が何も無い場合には、ユーザは、読取動作が行われなかった原稿が発生していることに気付かないことが多い。
従来では、この問題点に鑑み、前記重送状態の発生を検出する重送センサを搭載し、該重送センサにより重送状態の発生が検出された場合には、その時点で前記原稿に対する読取動作を含む一連の動作を停止していた。
しかしながら、この場合、重送状態の発生が検出された時点で前記一連の動作を停止するため、ユーザが所用のために複写開始指示後に画像形成装置の設置場所から一時的に離れて再びその場所に戻ってきたときに、前記読取動作を含む一連の動作が実施されていない原稿が残った状態となる。
ユーザは、時間の有効利用のために、前記一連の動作を実行している時間を使って所用を行うが、前述のように前記一連の動作が実施されていない原稿が残ると、その残った原稿に対する前記一連の動作のやり直しを行わせる必要があり、そのやり直しを行わせている間、再度の重送状態の発生に備えて待機する必要が生じ、結果的に時間の有効利用が実現できなくなる。したがって、この点における装置の利便性を向上する余地があった。
また、重送状態の発生が検出された時点で前記一連の動作を停止するように構成すると、重送状態となる原稿が先頭の原稿に近いほど停止時間が長くなり、特に原稿の枚数が多い原稿束の場合には、その原稿枚数に応じてユーザが画像形成装置の設置場所に戻ってくるタイミングを遅らせることも相まって前記停止時間が非常に長くなる。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、重送原稿の発生に伴う装置の停止時間を可及的に短くしながら、重送原稿が発生した場合の装置の利便性を向上することができる技術を提案することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、原稿載置部に載置された原稿束の各原稿を給紙する原稿給紙部と、前記原稿給紙部により搬送されてくる原稿の一方の面の画像を読み取る第1読取部と、前記原稿給紙部により搬送されてくる原稿の他方の面の画像を読み取る第2読取部と、前記第1読取部により前記原稿の一方の面を読み取ると、該原稿の少なくとも一部分を一時排出部に一時的に排出したのち再び機内に取り込んで前記第1読取部に向けて搬送することにより、その他方の面が前記第1読取部に読み取られる反転状態として搬送する反転部と、前記第1読取部又は第2読取部により前記原稿の一方の面を読み取る片面読取モードと、前記原稿給紙部による一度の原稿搬送で、前記第1読取部が当該原稿の一方の面を読み取り、前記第2読取部が当該原稿の他方の面を読み取る両面同時読取モードと、前記第1読取部及び第2読取部のうちいずれか一方の読取部により前記原稿の一方の面を読み取り、前記反転部による当該原稿の反転後に、前記一方の読取部により当該原稿の他方の面を読み取る両面反転読取モードとのうちいずれかのモードで当該各部に読取動作を行わせるモード制御部と、前記原稿給紙部により給紙される重送状態の原稿を重送原稿として検出する重送検出部と、前記読み取りが終了した原稿が排出される原稿排出部と、前記片面読取モード及び前記両面同時読取モードのうち少なくとも一方のモードの設定時において前記重送検出部により前記重送原稿が検出されたとき、前記重送原稿の前後で搬送される原稿を読み取って該原稿を前記原稿排出部に排出するとともに前記重送原稿を前記一時排出部に排出する処理を前記モード制御部に指示する指示部とを備える画像読取装置である。
この発明によれば、前記片面読取モード及び前記両面同時読取モードにおいては、前記反転部を使用しないことを利用して、前記片面読取モード及び前記両面同時読取モードのうち少なくとも一方のモードの設定時において前記重送検出部により前記重送原稿が検出されたときには、前記重送原稿の前後で搬送される原稿については読取動作を行って該原稿を前記原稿排出部に排出するようにしたので、ユーザが画像読取装置の設置場所から一時的に離れて戻ってきたときに、重送原稿の前後で搬送される原稿については読取動作が実施されている状態となる。よって、重送原稿の発生を検出するとそれ以降の読取動作を停止する装置に比して、読取動作のやり直しを行わせなければならない原稿の枚数を低減することができ、そのやり直しを行わせている間の待機時間や装置の停止時間を大幅に低減することができる。
また、前記重送原稿を前記一時排出部に排出して、原稿排出部に排出される重送原稿の前後で搬送される原稿と区別するようにしたので、ユーザは、発生した重送原稿を一目で認識することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像読取装置において、前記指示部は、前記両面反転読取モードの設定時において前記重送検出部により前記重送原稿が検出されたとき、前記重送原稿の前後で搬送される原稿を読み取って該原稿を前記原稿排出部に排出するとともに前記重送原稿を前記原稿排出部に排出する処理を前記モード制御部に指示し、前記両面反転読取モードの設定時において前記重送検出部により前記重送原稿が検出されたとき、重送原稿が発生した旨及び前記原稿束における該重送原稿の位置を報知する報知部を更に備えるものである。
請求項3に記載の発明は、原稿載置部に載置された原稿束の各原稿を給紙する原稿給紙部と、前記原稿給紙部により搬送されてくる原稿の一方の面の画像を読み取る第1読取部と、前記原稿給紙部により搬送されてくる原稿の他方の面の画像を読み取る第2読取部と、前記第1読取部により前記原稿の一方の面を読み取ると、該原稿の少なくとも一部分を一時排出部に一時的に排出したのち再び機内に取り込んで前記第1読取部に向けて搬送することにより、その他方の面が前記第1読取部に読み取られる反転状態として搬送する反転部と、前記第1読取部及び第2読取部のうちいずれか一方の読取部により前記原稿の一方の面を読み取り、前記反転部による当該原稿の反転後に、前記一方の読取部により当該原稿の他方の面を読み取る両面反転読取モードで当該各部に読取動作を行わせるモード制御部と、前記原稿給紙部により給紙される重送状態の原稿を重送原稿として検出する重送検出部と、前記読み取りが終了した原稿が排出される原稿排出部と、前記両面反転読取モードの設定時において前記重送検出部により前記重送原稿が検出されたとき、前記重送原稿の前後で搬送される原稿を読み取って該原稿を前記原稿排出部に排出するとともに前記重送原稿を前記原稿排出部に排出する処理を前記モード制御部に指示する指示部と、前記両面反転読取モードの設定時において前記重送検出部により前記重送原稿が検出されたとき、重送原稿が発生した旨及び前記原稿束における該重送原稿の位置を報知する報知部とを備える画像読取装置である。
前記両面反転読取モードにおいては通常の読取動作で前記反転部が使用されるため、前記片面読取モード及び前記両面同時読取モードのように重送原稿をそれ以外の原稿と区別するべく反転部の一時排出部に排出することはできない。
そこで、請求項2,3に記載の発明のように、前記両面反転読取モードの設定時において前記重送検出部により前記重送原稿が検出されたときには、前記重送原稿をそれ以外の原稿と同様に前記原稿排出部に排出し、前記報知部によって、重送原稿が発生した旨及び前記原稿束における該重送原稿の位置を報知することにより、重送原稿を前記反転部の一時排出部に排出することができない両面反転読取モードであっても、重送原稿が発生した旨及び前記原稿束における該重送原稿の位置をユーザに認識させることができる。
また、重送原稿の読取動作をやり直すべく原稿束の中から重送原稿を抜き出す作業の分だけ、前記片面読取モード及び前記両面同時読取モードに比して若干作業が増えるものの、原稿束における重送原稿の位置が報知されるため、ユーザは、発生した重送原稿を簡単に探し出すことができる。
また、前記片面読取モードや前記両面同時読取モードの設定時と同様に、前記重送原稿の前後で搬送される原稿については読取動作を行って該原稿を前記原稿排出部に排出するようにしたので、前記待機時間を大幅に低減することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の画像読取装置において、前記報知部は、前記両面反転読取モードの設定時に、1群の原稿束において前記重送検出部により前記重送原稿が複数回検出されたとき、各重送原稿について前記原稿束における位置をそれぞれ報知するものである。
この発明によれば、前記両面反転読取モードの設定時に、1群の原稿束において前記重送検出部により前記重送原稿が複数回検出されたときには、各重送原稿について前記原稿束における位置をそれぞれ報知するようにしたので、前記重送原稿が複数回検出された場合であっても、各回で発生した重送原稿の前記原稿束における位置をユーザに認識させることが可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の画像読取装置において、前記指示部の指示に基づく前記処理の終了後に、前記重送検出部により検出され且つユーザにより前記原稿載置部に載置された重送原稿の読取動作を指示する入力を行うための第1の入力操作部を備え、前記モード制御部は、前記第1の入力操作部により前記重送原稿の読取動作の指示が入力されると、前記第1読取部及び前記第2読取部の少なくとも一方に現在の読取モードに応じた前記重送原稿の読取動作を行わせ、前記記憶部は、その読取動作により得られる重送原稿の画像データを含む各原稿の画像データを、原稿順に相当する順番を示す順番情報と対応付けた形態で一連の画像データとして記憶するものである。
この発明によれば、前記第1の入力操作部により前記重送原稿の読取動作の指示が入力されると、前記第1読取部及び前記第2読取部の少なくとも一方に現在の読取モードに応じた前記重送原稿の読取動作が行われ、その読取動作により得られる重送原稿の画像データを含む各原稿の画像データが、原稿順に相当する順番を示す順番情報と対応付けた形態で一連の画像データとして前記記憶部に記憶される。
これにより、例えば画像データに基づいて画像形成動作を行う場合に、画像形成動作を行うべき画像データの順番を各原稿の原稿順に基づいて設定することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像読取装置において、前記第1の入力操作部により読取動作を指示する入力を行う対象の重送原稿の枚数を入力するための第2の入力操作部を備え、前記記憶部は、前記第1の入力操作部により原稿の読取動作の指示が入力されると、前記第2の入力操作部により入力された枚数の重送原稿に対する読取動作を前記第1読取部及び前記第2読取部の少なくとも一方に行わせ、前記記憶部は、その読取動作により得られる重送原稿の画像データを含む各原稿の画像データを、原稿順に相当する順番を示す順番情報と対応付けた形態で一連の画像データとして記憶するものである。
この発明によれば、重送原稿の枚数を入力できるようにしたので、装置側で検出した重送原稿の枚数が誤っている場合であっても、正確な重送原稿の枚数を装置に認識させることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の画像読取装置と、前記記憶部に記憶された前記一連の画像データに基づく画像形成動作を、前記順番情報が示す順番に従って行う画像形成部とを備える画像形成装置である。
この発明によれば、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明によって得られる画像形成装置を実現することができる。
本発明によれば、前記片面読取モード及び前記両面同時読取モードにおいては、重送原稿の前後で搬送される原稿の読取動作を実施するようにしたので、重送原稿の発生を検出するとそれ以降の読取動作を停止する装置に比して前記待機時間及び装置の停止時間を大幅に低減することができるとともに、前記重送原稿を前記一時排出部に排出して、原稿排出部に排出される重送原稿の前後で搬送される原稿と区別するようにしたので、ユーザは、発生した重送原稿を一目で認識することができ、装置の利便性を向上することができる。
以下、本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置の実施形態について図面を参照して説明する。尚、以下の実施形態では、本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置を、カラーコピー、スキャナ、ファクシミリ、プリンタ等の機能を備えた複合機に集約した形態を例に説明する。図1は、本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置の一実施形態である複合機1の内部構成を模式的に示した縦断面図である。
複合機1は、大きく分けて、画像読取部2と装置本体3とからなる。画像読取部2は、原稿給紙部21と、スキャナ部22と、CIS231と、ユーザインターフェース部5と、後述する反転機構及び制御部61(図3参照)を備えてなる。原稿給紙部21は、ADF(Automatic Document Feeder)を備え、原稿トレイ211、ピックアップローラ212、プラテン213、排紙ローラ214及び排紙トレイ215を有する。
原稿トレイ211には、読取対象とされる原稿が載置される。原稿トレイ211に載置された原稿は、1枚ずつピックアップローラ212によって取り込まれ、間隙を介して順次プラテン213へ搬送される。プラテン213を経由した原稿は、排紙ローラ214によって排紙トレイ215へ順次排出される。
前記プラテン213の周面に対向する位置のうち、原稿の搬送方向において後述する読取位置Pより手前の予め定められた位置には、用紙を検出するタイミングセンサ(図示せず)が設置されており、該タイミングセンサの出力信号に基づき、前記読取位置Pへの原稿の搬送タイミングが図られる。前記タイミングセンサは、例えばフォトインタラプタにより構成される。
スキャナ部(第1読取部)22は、原稿の画像を光学的に読み取って画像データを生成するものである。スキャナ部22は、ガラス221、光源222、第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225、第1キャリッジ226、第2キャリッジ227、結像レンズ228、CCD(Charge Coupled Device)229を備える。
このスキャナ部22は、光源222として冷陰極蛍光管等の白色蛍光ランプが用いられ、前記第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225、第1キャリッジ226、第2キャリッジ227及び結像レンズ228により、原稿からの光をCCD229に導く。スキャナ部22は、光源222として冷陰極蛍光管等の白色蛍光ランプを用いて構成されていることから、光源として3色LED等が用いられる後述のCIS231よりも色再現性に優れる。
ガラス221には、前記原稿給紙部21によらない原稿読取時に、ユーザの手動により原稿が載置される。光源222及び第1ミラー223は第1キャリッジ226によって支持され、第2ミラー224及び第3ミラー225は第2キャリッジ227によって支持されている。
画像読取部2の原稿読取方式としては、ガラス221上に載置された原稿をスキャナ部22が読み取るフラットベッド読取モードと、原稿を原稿給紙部21(ADF)によって取り込み、その搬送途中で原稿を読み取るADF読取モードがある。
フラットベッド読取モードでは、光源222がガラス221上に載置された原稿を照射し、主走査方向1ライン分の反射光が第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225の順に反射して、結像レンズ228に入射する。結像レンズ228に入射した光はCCD229の受光面で結像される。CCD229は一次元のイメージセンサであり、1ライン分の原稿の画像データを同時に処理する。第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227は、主走査方向と直交する方向(副走査方向、矢印Y方向)に移動可能に構成されており、1ライン分の読み取りが終了すると、副走査方向に第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227が移動し、次のラインの読み取りが行われる。
ADF読取モードでは、原稿給紙部21が原稿トレイ211に載置された原稿をピックアップローラ212によって1枚ずつ取り込む。このとき、第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227は、読取窓230の下方に位置する予め定められた読取位置Pに配置される。原稿給紙部21による原稿搬送で、原稿がプラテン213から排紙トレイ215への搬送経路に設けられた読取窓230上を通過するとき、光源222が原稿を照射し、主走査1ライン分の反射光が第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225の順に反射して、結像レンズ228に入射する。結像レンズ228に入射した光はCCD229の受光面で結像される。続いて原稿は原稿給紙部21によって搬送され、次のラインが読み取られる。
更に、原稿給紙部21は、切換ガイド216、反転ローラ217、反転搬送路218及び一時排出部219を備えた原稿反転機構(反転部)を有する。この原稿反転機構が、1回目のADF読み取りによって表面(原稿の一方のページに対応する面)が読み取られた原稿を表裏反転させて読取窓230に再搬送することで、再度CCD229によって裏面(原稿の他方のページに対応する面)の読み取りが行われる。
この原稿反転機構は、両面読み取り時にのみ動作し、片面読み取り時は動作しない。片面読み取り時及び両面読み取り時において裏面の読み取り後、切換ガイド216は上側に切り替えられ、プラテン213を経た原稿は、排紙ローラ214によって排紙トレイ215に排紙される。
両面読み取り時における表面読み取り後は、切換ガイド216は下側に切り替えられ、プラテン213を経た原稿の一部分は反転ローラ217によって前記一時排出部219に排出された後、前記切換ガイド216が上側に切り替えられるとともに前記反転ローラ217が逆方向に回転駆動されることにより、前記原稿が前記切換ガイド216を介して前記反転搬送路218上を搬送され、再度、前記読取位置Pに向けて搬送される。以下、原稿反転機構を用いて原稿の両面を読み取らせるモードを両面反転読取モードと表記する。
更に、本実施形態の画像読取部2は、ADF読取モード時において、前述したように原稿の搬送途中でCCD229(スキャナ部22)によって原稿の表面の読み取りを行わせると略同時に(略並行して)、CIS(第2読取部)231によって原稿の裏面の読み取りを行わせることが可能である。
この場合、原稿トレイ211から原稿給紙部21により搬送された原稿は、読取窓230上を通過するときにCCD229によって表面が読み取られ、更にCIS231の配置箇所を通過する際に、裏面がCIS231によって読み取られる。なお、CIS231では、光源としてRGBの3色LED等が用いられる。
このようにCCD229とCIS231を用いることで、原稿給紙部21による原稿トレイ211から排紙トレイ215までの一回の原稿搬送操作(ワンパス)によって原稿の表裏両面の読み取りが可能となる。以下、このようにCCD229とCIS231を用いて原稿の両面を読み取らせるモードを両面同時読取モードと表記する。
この両面反転読取モード及び両面同時読取モードは、ADF読取モードを用いて原稿の両面読み取りを行う際の読取モードとして備えられている。両面反転読取モードは、両面の印刷画像の画質を揃えたい場合に利用される一方、両面同時読取モードは、両面の印刷画像の画質に差があっても、読取時間の短縮化を優先させたい場合に利用される。
なお、本実施形態における複合機1は、両面同時読取モードに初期設定されており、前記読取モードのモード設定操作が何も行われないまま画像形成指示が入力された場合には、両面同時読取モードで原稿の画像読取動作が行われるようになっている。
複合機1は、装置本体3と、装置本体3の左方に配設されたスタックトレイ6とを有している。装置本体3は、複数の給紙カセット461と、給紙カセット461から用紙を1枚ずつ繰り出して画像形成部40へ搬送する給紙ローラ462と、給紙カセット461から搬送されてきた用紙に画像を形成する画像形成部40とを備える。また、装置本体3は、給紙トレイ471と該給紙トレイ471に載置された原稿を1枚ずつ画像形成部40に向けて繰り出す繰り出しローラ472とを備える。
画像形成部40は、感光体ドラム43の表面から残留電荷を除電する除電装置421と、除電後の感光体ドラム43の表面を帯電させる帯電装置422と、スキャナ部22で取得された画像データに基づいてレーザ光を出力して感光体ドラム43表面を露光し、当該感光体ドラム43の表面に静電潜像を形成する露光装置423と、前記静電潜像に基づいて感光体ドラム43上に、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)の各色のトナー像を形成する現像装置44K,44Y,44M,44Cと、感光体ドラム43に形成された各色のトナー画像が転写されて重ね合わせされる転写ドラム49と、転写ドラム49上のトナー像を用紙に転写させる転写装置41と、トナー像が転写された用紙を加熱してトナー像を用紙に定着させる定着装置45とを備えている。
なお、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色に対するトナーの供給は、図略のトナー供給容器(トナーカートリッジ)から行われる。また、画像形成部40を通過した用紙をスタックトレイ6又は排出トレイ48まで搬送する搬送ローラ463,464等が設けられている。
用紙の両面に画像を形成する場合は、画像形成部40で用紙の一方の面に画像を形成した後、この用紙を排出トレイ48側の搬送ローラ463にニップされた状態とする。この状態で搬送ローラ463を反転させて用紙をスイッチバックさせ、用紙を用紙搬送路Lに送って画像形成部40の上流域に再度搬送し、画像形成部40により他方の面に画像を形成した後、用紙をスタックトレイ6又は排出トレイ48に排出する。
また、装置本体3の前方には、ユーザが操作画面や各種メッセージ等を視認することができる表示部51や、種々の操作命令を入力するための操作ボタン等を有するユーザインターフェース部5が備えられている。図2は、ユーザインターフェース部5の正面図の一例である。
ユーザインターフェース部5は、表示部51、タッチパネル52、数字キー群53、各種操作ボタン54〜57、機能選択ボタン58等を備える。表示部51は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等によって構成され、紙サイズ選択、倍率選択、濃度選択等のユーザに対する操作案内画面が表示される。この表示部51は、タッチパネル52と一体的に形成されている。タッチパネル52は、ユーザによるタッチ操作がなされたときにそのタッチ位置を検知し、該タッチ位置を示す検知信号を後述する制御部61(図3参照)へ出力するものである。
数字キー群53は、例えば、複合機1のコピー機能を動作させる際はコピー枚数を、ファクシミリ機能を動作させる際は送信先の電話番号等を入力するためのものである。節電ボタン54は、複合機1を節電(低電力)モードにするボタンである。スタートボタン55はコピー動作やスキャナ動作等を開始させるボタンであり、ストップ/クリアボタン56はコピー動作やスキャナ動作等の停止、入力操作の取り消しを行うボタンである。リセットボタン57は表示部51の表示や各種設定を初期状態又は標準動作状態にするボタンである。機能選択ボタン58は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能を設定するためのボタンである。
図3は、複合機1の電気的な構成を示すブロック図である。尚、図1、図2に示した各部と同一のものには同一の符号を付し、その説明は省略する。複合機1は、原稿給紙部21、スキャナ部22、CIS231、画像形成部40、通信部66、ユーザインターフェース部5、重送センサ部68、記憶部67及び制御部61を備えて構成される。
原稿給紙部21は、前記ADF読取モードで原稿のコピーやスキャンが行われる際に、原稿トレイ211に載置された原稿を自動的に取り込んで、スキャナ部22やCIS231による原稿の読み取りが可能なように搬送する。スキャナ部22及びCIS231は、図1に示すスキャナ部22及びCIS231に相当するものである。
ユーザインターフェース部5は、図1,図2に示すユーザインターフェース部5に相当するものであり、使用者がコピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能及びスキャナ機能等に関する操作を行うために使用され、使用者による操作命令(コマンド)等を制御部61に与えるものである。
画像形成部40は、スキャナ部22又はCIS231によって得られた画像データや、前記パーソナルコンピュータやファクシミリ装置等から通信部66を介して転送された画像データに基づいた画像を用紙に形成するものである。通信部66は、図略のネットワークインターフェースを用い、ネットワークを介して接続されたコンピュータやファクシミリ装置等の外部装置との間で種々のデータの送受信を行うものである。
重送センサ部68は、画像読取部2における原稿の搬送路上の適所に設置された1又は複数の重送センサからなる。重送センサは、複数の原稿が重なったまま搬送される状態(以下、重送状態という)が発生した場合に、その重なった複数の原稿(以下、重送原稿という)及びその枚数を検出するためものであり、例えば一対の投受光器を用いて原稿に対する光の透過量を検出し、この光の透過量に応じた受光信号を出力する。
記憶部67は、スキャナ部22及びCIS231の読取動作により得られた画像データや、後述する制御部61により処理された画像データ等を記憶する記憶部と、ファクシミリ通信を行う時の短縮釦登録の相手先名称やファクシミリ番号、或いは、ネットワークスキャナとして使用される際の送信相手先のIPアドレスなどを予め記憶したりする記憶部とを有して構成されているものである。
制御部61は、複合機1全体の動作制御を司るものであり、CPU、RAM及びROM等によって構成される。前記原稿給紙部21、スキャナ部22、CIS231、ユーザインターフェース部5、画像形成部40、通信部66及び記憶部67は、制御部61による制御の下で動作する。制御部61は、ユーザからユーザインターフェース部5に入力された各種の指示信号等に応じて、図略のROM又は前記記憶部67に記憶されている動作制御プログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示信号の出力、データ転送等を行って複合機1を統括的に制御する。
制御部61は、重送検出処理部611と、モード制御部612と、指示部613と、記憶制御部614と、表示制御部615と、画像形成指示部616とを有する。
重送検出処理部611は、重送センサ部68から出力される受光信号に基づき、重送原稿が発生したか否か、及び重送原稿が発生したことを検出した場合にその重送状態の原稿枚数及び原稿束における重送原稿の位置を検出し、これらの情報を重送原稿に関する情報として表示制御部615及び記憶制御部614に出力するものである。
前記重送センサ部68が出力する受光信号が示す受光光量は、光を透過させる対象の原稿の枚数に応じて異なり、その枚数が多いほど受光光量が小さくなることを利用して、重送検出処理部611は、光を透過させる対象の原稿の枚数に応じた受光信号のレベルを予め記憶しておき、前記受光センサ部68から受光信号を受信すると、その受光信号のレベルに対応する原稿の枚数を検出し、その枚数が2枚以上のとき重送原稿が発生したものと判断し、前記受光信号のレベルが原稿の枚数が1枚の場合に対応するものであるとき重送原稿が発生していないものと判断する。
モード制御部612は、前記片面読取モードと前記両面反転読取モードと前記両面同時読取モードとの間で、当該複合機1の読取モードを切り替えて、各モードで実施する読取動作及び用紙の搬送動作において動作すべき各部を動作させるものである。
指示部613は、前記重送センサ部68により重送原稿が検出された場合に、その時点で設定されている読取モードに応じて次のような処理を行うものである。
指示部613は、前記片面読取モード及び前記両面同時読取モードの設定時においては、前記重送原稿以外の原稿(重送原稿の前後で搬送される原稿)を読み取って排紙トレイ215に排出する一方、前記重送原稿に対する画像読取部2の読取動作を禁止し、該重送原稿を前記一時排出部219に排出する処理を前記モード制御部612に指示する。
例えば複写対象の原稿束が10枚の原稿からなる原稿束である場合に、3枚目〜5枚目までの原稿が重送状態となったとき、1枚目、2枚目、6枚目〜10枚目の原稿については、前記画像読取部2による読取動作が実施され、その後排紙トレイ215に排出される。一方、3枚目〜5枚目までの重送原稿については、前記画像読取部2による読取動作は実施されずに前記一時排出部219に排出される。
これにより、ユーザは、原稿(重送原稿)が前記一時排出部219に排出されている状態を見て、重送原稿の発生を認識し、該重送原稿を原稿トレイ211に再度載置してスタートボタン55を操作することになる。
一方、前記両面反転読取モードの設定時においては、指示部613は、前記重送原稿以外の原稿(重送原稿の前後で搬送される原稿)については、その両面を読み取った後、排紙トレイ215に排出する処理を前記モード制御部612に指示する。
また、前記両面反転読取モードでは、原稿の反転動作のために一時排出部219を使用するため、前記片面読取モード及び前記両面同時読取モードの設定時のように、重送原稿をその他の原稿と区分するために使用することはできない。そこで、指示部613は、重送原稿については読取動作及び反転動作を行うことなく排紙トレイ215に排出する処理を前記モード制御部612に指示する。その結果、重送原稿もそれ以外の原稿も排紙トレイ215に排出されることとなる。
この場合、重送原稿以外の原稿(重送原稿の前後で搬送される原稿)を1度の反転のみで排紙トレイ215に排出すると、重送原稿と該重送原稿の前後で搬送される原稿とで表裏が逆になるので、指示部613は、前記重送原稿以外の原稿を、裏面の読取りが終了すると再度反転した上で前記スタックトレイ6等に排出する処理を前記モード制御部612に指示する。
記憶制御部614は、前記各読取モードにおいて得られた重送原稿以外の原稿の画像データを記憶部67に格納する。例えば図4に示すように、複写対象の原稿束が5枚の原稿からなる原稿束である場合に、3枚目の原稿と4枚目の原稿とが重送状態となったものとする。また、図4(a)に示すように、1枚目の原稿(「原稿1」)の画像データが、記憶部67のアドレスadr1〜adr2に格納され、2枚目の原稿(「原稿2」)の画像データが、記憶部67のアドレスadr2〜adr3に格納され、5枚目の原稿(「原稿5」)の画像データが、記憶部67のアドレスadr3〜adr4に格納されたものとする。
このとき、記憶制御部614は、図4(b)に示すように、「原稿1」は、原稿順が1番目であるから、この「原稿1」の画像データが格納された記憶部67のアドレスadr1〜adr2と「1番」の原稿順データとを対応付ける。同様に、記憶制御部614は、「原稿2」は、原稿順が2番目であるから、この「原稿2」の画像データが格納された記憶部67のアドレスadr2〜adr3と「2番」の原稿順データとを対応付け、「原稿5」は、原稿順が5番目であるから、この「原稿5」の画像データが格納された記憶部67のアドレスadr3〜adr4と「5番」の原稿順データとを対応付ける。この原稿順データは、画像形成を実施する際の出力順(画像形成順)に相当するものである。
また、記憶制御部614は、前記重送検出処理部611から出力される重送原稿に関する情報(重送原稿の有無を示す情報及び原稿束における重送原稿の位置を示す情報)を記憶部67に格納する。
表示制御部615は、前記両面反転読取モードの設定時において前記重送センサ部68により重送原稿が検出され、前記重送検出処理部611から重送原稿に関する情報を受信すると、該重送原稿に関する情報を、表示部51を用いて視覚的に報知するものである。例えば図2に示すように、前記両面反転読取モードの設定時に前記重送原稿が検出された場合、表示部51には、重送原稿以外の原稿の縮小画像P1,P2,P3と、重送原稿の発生した旨の報知、該重送原稿の発生箇所の報知及びユーザへの指示を示すメッセージMと、重送原稿の枚数(矢印Dで示している)とが表示される。
ユーザは、この表示部51の表示を見て重送原稿の発生を認識し、その表示内容を確認して原稿トレイ211に載置されている原稿束の中から重送原稿を抜き出し、この抜き出した重送原稿を原稿トレイ211に再度載置してスタートボタン55を操作することになる。
なお、重送原稿の発生等を視覚的に報知する機構に加えて、音や音声を用いて重送原稿の発生等を報知する機構(聴覚的に報知する機構)も搭載すると、ユーザに重送原稿の発生等を早期に認識させたり、表示部51の表示画面の確認を促したりする(誘導する)ことができるためより好ましい。
指示部613は、両面反転読取モードにおいては、表示制御部614による報知処理の後に、重送原稿が原稿トレイ211に載置された状態でスタートボタン55が操作されると、原稿トレイ211に載置された重送原稿に対する両面反転読取モードに応じた処理を前記モード制御部612に指示する。
両面反転読取モードに応じた処理とは、スキャナ部22により原稿の一方の面を読み取り、その原稿の一部を一時排出部219に排出した後、再び該原稿を機内に取り込んで反転状態でスキャナ部22に搬送して、該原稿の他方の面をスキャナ部22で読み取った後、その原稿を排紙トレイ215に排出する一連の処理である。なお、一時排出部219に完全に原稿を排出しても再び機内に取り込める機構(例えば取込ローラ等)が備えられている場合には、一時排出部219に完全に原稿を排出してもよい。
一方、指示部613は、前記片面読取モード及び前記両面同時読取モードにおいては、重送原稿が原稿トレイ211に載置された状態でスタートボタン55が操作されると、原稿トレイ211に載置された重送原稿に対する片面読取モード又は前記両面同時読取モードに応じた処理を前記モード制御部612に指示する。
片面読取モードに応じた処理とは、スキャナ部22により原稿の一方の面を読み取った後、その原稿を排紙トレイ215に排出する処理である。また、両面同時読取モードに応じた処理とは、一度の原稿搬送で、前記スキャナ部22が原稿の一方の面を読み取り、前記CIS231が該原稿の他方の面を読み取った後、その原稿を排紙トレイ215に排出する処理である。
前記記憶制御部614は、これらの指示部613の指示に基づく読取動作で得られた重送原稿の画像データを記憶部67に格納する。ここで、記憶制御部614は、前記重送原稿の画像データを記憶部67に格納する際に、記憶部67に既に格納している重送原稿以外の原稿の画像データと関連付けて該記憶部67に格納する。
具体的には、前記記憶制御部614は、記憶部67に既に格納されている重送原稿に関する情報に基づき、重送原稿の画像データに対し、重送原稿を含む各原稿の原稿順を示す原稿順データを対応付けた形で前記各画像データを記憶部67に格納する。
例えば図4(a)の場合において、重送原稿である3枚目の原稿(「原稿3」)の画像データが、記憶部67のアドレスadr10〜adr11に格納され、同じく重送原稿である4枚目の原稿(「原稿4」)の画像データが、記憶部67のアドレスadr11〜adr12に格納されたものとする。さらに、アドレスadr1〜adr4と、アドレスadr10〜adr12とは不連続な記憶領域であるものとする。
このとき、記憶制御部614は、図4(b)に示すように、重送原稿である「原稿3」は、原稿順が3番目であるから、この「原稿3」の画像データが格納された記憶部67のアドレスadr10〜adr11と「3番」の原稿順データとを対応付け、重送原稿である「原稿4」は、原稿順が4番目であるから、この「原稿4」の画像データが格納された記憶部67のアドレスadr11〜adr12と「4番」の原稿順データとを対応付ける。
これにより、重送原稿の画像データの出力順と、既に得られている重送原稿以外の原稿の画像データの出力順とが一連となるように、重送原稿の原稿順データを画像データに対応付けた形で前記各画像データが記憶部67に記憶され、前記重送原稿の画像データが、記憶部67に既に格納している重送原稿以外の原稿の画像データと関連付けられる。
画像形成指示部616は、前記重送原稿の画像データが前述のように前記記憶部67に既に格納している重送原稿以外の原稿の画像データと関連付けて該記憶部67に格納されると、該記憶部67から前記原稿順データにしたがって各画像データを読み出して画像形成部40に出力する。画像形成部40は、画像形成指示部616から画像データが出力されると、その出力された画像データに基づいて用紙に画像形成動作を実施する。
次に、複合機1による画像形成処理を説明する。図5は、複合機1による画像形成処理を示すフローチャートである。
図5に示すように、指示部613は、前記重送センサ部68から出力される受光信号に基づき重送原稿が検出されたと判断すると(ステップ♯1でYES)、現在の読取モードを確認する。指示部613は、現在の読取モードが両面反転読取モードである場合には(ステップ♯2でNO)、重送原稿の前後で搬送される原稿(重送原稿以外の原稿)の両面を反転動作を介して順次スキャナ部22により読み取って排紙トレイ215に排出し、また、重送原稿については画像読取部2の読取動作を禁止し且つ反転動作を行うことなく前記排紙トレイ215に排出する処理を前記モード制御部612に指示し、また、記憶制御部614は、得られた重送原稿以外の原稿の画像データ等を記憶部67に格納する(ステップ♯3)。
なお、この場合、前述したように、重送原稿以外の原稿を1度の反転のみで排紙トレイ215に排出すると、重送原稿と該重送原稿以外の原稿とで表裏が逆になるので、指示部613は、重送原稿以外の原稿を再度反転した後に前記排紙トレイ215に排出する処理を前記モード制御部612に指示する。
この処理の後、表示制御部615は、重送原稿に関する情報を、表示部51を用いて視覚的に報知する(ステップ♯4)。これにより、ユーザは、この表示部51の表示を見て、重送原稿を原稿トレイ211に載置されている原稿束の中から抜き出し、この抜き出した重送原稿を原稿トレイ211に再度載置してスタートボタン55を操作することになる。
一方、指示部613は、現在の読取モードが片面読取モード又は両面同時読取モードである場合には(ステップ♯2でYES)、前記重送原稿の前後で搬送される原稿(重送原稿以外の原稿)を読み取って排紙トレイ215に排出する一方、前記重送原稿に対する画像読取部2の読取動作を禁止し、該重送原稿を一時排出部219に排出する処理を前記モード制御部612に指示し、また、記憶制御部614は、得られた重送原稿以外の原稿の画像データを記憶部67に格納する(ステップ♯5)。
これにより、ユーザは、一時排出部219に原稿が排出されていることで重送原稿の発生を認識し、前記一時排出部219に載置されている重送原稿を取り出して原稿トレイ211に再度載置してスタートボタン55を操作することになる。
指示部613は、ステップ♯4又は♯5の処理後、原稿トレイ211に重送原稿が載置された状態でスタートボタン55が操作されたか否かを判断し(ステップ♯6)、スタートボタン55が操作されたと判断すると(ステップ♯6でYES)、原稿トレイ211に載置された重送原稿に対し、その時点で設定されている読取モードに応じた処理を前記モード制御部612に指示し、前記記憶制御部614は、この指示部613の指示に基づく読取動作で得られた重送原稿の画像データを、該記憶部67に既に格納している重送原稿以外の原稿の画像データと関連付けて該記憶部67に格納する(一連の原稿順データを生成;ステップ♯7)。
そして、画像形成指示部616は、この一連の原稿順データにしたがって前記記憶部67から各画像データを読み出して画像形成部40に出力し、画像形成部40は、画像形成指示部616から出力された画像データに基づいて用紙に画像形成動作を実施する(ステップ♯8)。
以上のように、本実施形態では、前記片面読取モード及び前記両面同時読取モードの設定時においては、前記重送原稿以外の原稿(重送原稿の前後で搬送される原稿)を全て読み取るようにしたので、ユーザが複合機1の設置場所から一時的に離れて戻ってきたときに、重送原稿以外の全ての原稿の複写物をユーザに提供できるため、重送原稿が発生すると装置の動作を停止する場合に比して、大量の原稿が読み取られないままの状態になるのをできるだけ回避することができる。
その結果、重送原稿の発生を検出するとそれ以降の読取動作を停止する装置に比して、読取動作のやり直しを行わせなければならない原稿の枚数を低減することができ、そのやり直しを行わせている間の待機時間や装置の停止時間を大幅に低減することができる。
また、前記両面反転読取モードの設定時においては、片面読取モードや両面同時読取モードのように重送原稿とそれ以外の原稿とを別の排出場所に区別して排出することができない点を考慮して、重送原稿の発生を報知するようにしたので、読取動作が行われなかった原稿が発生していることにユーザが気付かないという状態が発生するのを可及的に防止することができ、さらに、原稿束における重送原稿の位置も報知するようにしたので、このような報知を行わない場合に比して、重送原稿を見つけ出しやすくなり、重送原稿に対する読取動作のやり直しに要する作業を行う場合のユーザの手間をできるだけ軽減することができる。
また、前記重送原稿の画像データを記憶部67に格納する場合に、重送原稿の画像データと重送原稿以外の原稿の画像データとに対し、各原稿の原稿順を示す原稿順データを対応付けた形で前記各画像データを記憶部67に格納するようにしたので、重送原稿の画像データの記憶領域とそれ以外の原稿の画像データの記憶領域とが不連続な記憶領域であっても、前記複写物を原稿束と同じ状態で出力することができる。よって、出力物(複写物)が原稿束と異なる状態で出力される場合には、頁順や表裏の関係を揃える作業がユーザに課されるが、このような作業が不要となり、装置の利便性を確保することができる。
なお、本件は、前記実施形態に代えて、又は前記実施形態に加えて次のような変形形態も採用可能である。
[1]前記実施形態においては、前記片面読取モード及び両面同時読取モードにおいては、重送原稿をそれ以外の原稿と排出位置を異ならせたことでユーザが重送原稿の発生を認識することを期待して、重送原稿の発生をユーザに報知するようにはしなかったが、前記片面読取モード及び両面読取モードにおいても重送原稿の発生をユーザに報知するようにするとより好ましい。
[2]一連(一群)の原稿束において、複数回重送原稿の発生を検出した場合には、各回で発生した重送原稿に関する情報を、表示部51を用いて視覚的に報知するように構成するとよい。なお、この場合、各回で発生した重送原稿に関する情報を表示部51に一度に表示できない状況が発生することが考えられる。
この場合には、原稿の縮小画像を切り替える機能を装置に搭載するとよい。すなわち、図6(b)に示すように、左ボタン59a及び右ボタン59bを別途設け、左ボタン59a及び右ボタン59bの操作に応じて、表示部51に表示する対象の縮小画像を読取順に1つずつずらしていくようにするとよい。
例えば、図6(a)に示すように、読取対象の原稿束が10枚の原稿からなるものであり、そのうち3枚目の原稿と4枚目の原稿とが重送状態となるとともに、8枚目の原稿と9枚目の原稿とが重送状態となったものとする。
このとき、表示部51において各重送原稿の位置を示すためには、2枚目、5枚目、7枚目、10枚目の各原稿の縮小画像を表示する必要があるが、これらの縮小画像を一度に表示部51に表示できない場合には、図6(b)〜図6(e)に示すように、表示できる縮小画像の数の分だけ縮小画像を表示部51に表示し、前記左ボタン59a及び右ボタン59bで表示部51に表示する対象の縮小画像を読取順に1つずつずらしていき、各表示画面において、重送原稿を挟む原稿の縮小画像が表示されているとき、その重送原稿が発生した位置を矢印等で表すとよい。
なお、各回で発生した重送原稿に関する情報を1度に表示できる場合には、該情報を表示部51に表示するようにするとよい。例えば、図7(a)に示すように、複写対象の原稿束が7枚の原稿からなるものであり、その原稿束のうち2枚目の原稿と3枚目の原稿とが重送状態となるとともに、5枚目の原稿と6枚目の原稿とが重送状態となったものとする。
このとき、図7(b)に示すように、1枚目の原稿に係る縮小画像と4枚目の原稿に係る縮小画像と7枚目の原稿に係る縮小画像とが一度に表示できるときには、これらの縮小画像を同時に表示し、重送原稿が発生した位置を矢印等で表すとよい。
[3]重送原稿の枚数をユーザが入力できるように構成してもよい。この場合、重送原稿の枚数をユーザが入力する操作を行うための枚数入力操作部をユーザインターフェース部5に備えるとよい。また、この場合、指示部613は、該枚数入力操作部により入力された枚数分の重送原稿をスタートボタン55の操作により原稿トレイ211から取り込んで読取動作を実施する処理をモード制御部612に指示し、記憶制御部614は、前記と同様に、該読取動作で得られた重送原稿の画像データを、それ以外の原稿の画像データと関連付けて(原稿順データを作成して)記憶部67に格納するようにするとよい。
これにより、複合機1(重送センサ部68及び重送検出処理部611)で検出した重送原稿の枚数が誤っている場合であっても、正確な重送原稿の枚数を装置に認識させることができる。
[4]前記実施形態では、重送原稿を検出した場合に、該重送原稿に対する読取動作を禁止するようにしたが、この形態に限らず、該重送原稿に対しても読取動作を行って、該読取動作で得られた重送原稿の画像データを削除する形態でもよい。
1 複合機
2 画像読取装置
215 排紙トレイ
219 一時排出部
5 ユーザインターフェース部
51 表示部
61 制御部
611 重送検出処理部
612 モード制御部
613 指示部
614 記憶制御部
615 表示制御部
616 画像形成指示部
67 記憶部
68 重送センサ部
2 画像読取装置
215 排紙トレイ
219 一時排出部
5 ユーザインターフェース部
51 表示部
61 制御部
611 重送検出処理部
612 モード制御部
613 指示部
614 記憶制御部
615 表示制御部
616 画像形成指示部
67 記憶部
68 重送センサ部
Claims (7)
- 原稿載置部に載置された原稿束の各原稿を給紙する原稿給紙部と、
前記原稿給紙部により搬送されてくる原稿の一方の面の画像を読み取る第1読取部と、
前記原稿給紙部により搬送されてくる原稿の他方の面の画像を読み取る第2読取部と、
前記第1読取部により前記原稿の一方の面を読み取ると、該原稿の少なくとも一部分を一時排出部に一時的に排出したのち再び機内に取り込んで前記第1読取部に向けて搬送することにより、その他方の面が前記第1読取部に読み取られる反転状態として搬送する反転部と、
前記第1読取部又は第2読取部により前記原稿の一方の面を読み取る片面読取モードと、前記原稿給紙部による一度の原稿搬送で、前記第1読取部が当該原稿の一方の面を読み取り、前記第2読取部が当該原稿の他方の面を読み取る両面同時読取モードと、前記第1読取部及び第2読取部のうちいずれか一方の読取部により前記原稿の一方の面を読み取り、前記反転部による当該原稿の反転後に、前記一方の読取部により当該原稿の他方の面を読み取る両面反転読取モードとのうちいずれかのモードで当該各部に読取動作を行わせるモード制御部と、
前記原稿給紙部により給紙される重送状態の原稿を重送原稿として検出する重送検出部と、
前記読み取りが終了した原稿が排出される原稿排出部と、
前記片面読取モード及び前記両面同時読取モードのうち少なくとも一方のモードの設定時において前記重送検出部により前記重送原稿が検出されたとき、前記重送原稿の前後で搬送される原稿を読み取って該原稿を前記原稿排出部に排出するとともに前記重送原稿を前記一時排出部に排出する処理を前記モード制御部に指示する指示部と
を備える画像読取装置。 - 前記指示部は、前記両面反転読取モードの設定時において前記重送検出部により前記重送原稿が検出されたとき、前記重送原稿の前後で搬送される原稿を読み取って該原稿を前記原稿排出部に排出するとともに前記重送原稿を前記原稿排出部に排出する処理を前記モード制御部に指示し、
前記両面反転読取モードの設定時において前記重送検出部により前記重送原稿が検出されたとき、重送原稿が発生した旨及び前記原稿束における該重送原稿の位置を報知する報知部を更に備える請求項1に記載の画像読取装置。 - 原稿載置部に載置された原稿束の各原稿を給紙する原稿給紙部と、
前記原稿給紙部により搬送されてくる原稿の一方の面の画像を読み取る第1読取部と、
前記原稿給紙部により搬送されてくる原稿の他方の面の画像を読み取る第2読取部と、
前記第1読取部により前記原稿の一方の面を読み取ると、該原稿の少なくとも一部分を一時排出部に一時的に排出したのち再び機内に取り込んで前記第1読取部に向けて搬送することにより、その他方の面が前記第1読取部に読み取られる反転状態として搬送する反転部と、
前記第1読取部及び第2読取部のうちいずれか一方の読取部により前記原稿の一方の面を読み取り、前記反転部による当該原稿の反転後に、前記一方の読取部により当該原稿の他方の面を読み取る両面反転読取モードで当該各部に読取動作を行わせるモード制御部と、
前記原稿給紙部により給紙される重送状態の原稿を重送原稿として検出する重送検出部と、
前記読み取りが終了した原稿が排出される原稿排出部と、
前記両面反転読取モードの設定時において前記重送検出部により前記重送原稿が検出されたとき、前記重送原稿の前後で搬送される原稿を読み取って該原稿を前記原稿排出部に排出するとともに前記重送原稿を前記原稿排出部に排出する処理を前記モード制御部に指示する指示部と、
前記両面反転読取モードの設定時において前記重送検出部により前記重送原稿が検出されたとき、重送原稿が発生した旨及び前記原稿束における該重送原稿の位置を報知する報知部と
を備える画像読取装置。 - 前記報知部は、前記両面反転読取モードの設定時に、1群の原稿束において前記重送検出部により前記重送原稿が複数回検出されたとき、各重送原稿について前記原稿束における位置をそれぞれ報知する請求項2又は3に記載の画像読取装置。
- 前記指示部の指示に基づく前記処理の終了後に、前記重送検出部により検出され且つユーザにより前記原稿載置部に載置された重送原稿の読取動作を指示する入力を行うための第1の入力操作部を備え、
前記モード制御部は、前記第1の入力操作部により前記重送原稿の読取動作の指示が入力されると、前記第1読取部及び前記第2読取部の少なくとも一方に現在の読取モードに応じた前記重送原稿の読取動作を行わせ、
前記記憶部は、その読取動作により得られる重送原稿の画像データを含む各原稿の画像データを、原稿順に相当する順番を示す順番情報と対応付けた形態で一連の画像データとして記憶する請求項1ないし4のいずれか一項に記載の画像読取装置。 - 前記第1の入力操作部により読取動作を指示する入力を行う対象の重送原稿の枚数を入力するための第2の入力操作部を備え、
前記記憶部は、前記第1の入力操作部により原稿の読取動作の指示が入力されると、前記第2の入力操作部により入力された枚数の重送原稿に対する読取動作を前記第1読取部及び前記第2読取部の少なくとも一方に行わせ、
前記記憶部は、その読取動作により得られる重送原稿の画像データを含む各原稿の画像データを、原稿順に相当する順番を示す順番情報と対応付けた形態で一連の画像データとして記憶する請求項5に記載の画像読取装置。 - 請求項5又は6に記載の画像読取装置と、
前記記憶部に記憶された前記一連の画像データに基づく画像形成動作を、前記順番情報が示す順番に従って行う画像形成部と
を備える画像形成装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2008
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