JP5033583B2 - 画像読取装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、原稿の両面を読み取ることが可能な画像読取装置、及びこの画像読取装置を備えた画像形成装置に関するものである。
従来、複写機やファクシミリ等の画像形成装置では、自動原稿送り装置(ADF:Automatic Document Feeder)を備えた画像読取装置によって、原稿の表面及び裏面を自動的に読み取っている。この原稿読取では、原稿の表面の画像をイメージセンサが読み取った後、その原稿の表裏を反転させて、原稿裏面の画像を再度イメージセンサが読み取る方式が広く採用されている。
さらには、下記特許文献1に示されるように、原稿トレイからの原稿搬送路において原稿の表裏両面側にそれぞれイメージセンサを設けることで、原稿を反転させることなく1回の原稿搬送(ワンパス)で原稿両面をほぼ同時に読み取る方式を採用した画像形成装置が知られている。この原稿両面をほぼ同時に読み取る方式を採用する画像形成装置では、原稿の一方の面の読み取りは装置本体側に配設された縮小光学系イメージセンサで行い、原稿の他方の面の読み取りは、設置スペース、コスト等の関係上、自動原稿送り装置側に配設された密着光学系イメージセンサで行う場合が多い。
上記特許文献1に示された画像形成装置のように、原稿の表裏面を読み取るイメージセンサの光学的構成が異なると、それぞれに用いられる光源やレンズアレイ等の相違により読取画像の画質に差が生じる。また、この読取画像の画質差が、記録紙の表裏面に形成される画像の画質の差となって現れる。そのため、このような画像形成装置においては、記録紙の表裏面の画質を同一にするために、1枚の原稿を反転させて2度同じイメージセンサ(縮小光学系イメージセンサ)に搬送して当該イメージセンサで原稿の表裏面を読み取らせる両面反転読取モードと、画像の読取時間を短縮するために原稿の表裏面を縮小光学系と密着光学系の2つのイメージセンサを用いてほぼ同時に読み取らせる両面同時読取モードの2つのモードを備えている場合がある。
特開2004−15299号公報
ところで、両面反転読取モードと両面同時読取モードとの2つのモードを備えた前述の画像読取装置においては、複数のイメージセンサを搭載していることにより消費電力量が非常に大きい。したがって、近年、この種の画像形成装置に対して省電力化が強く要求されていた。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、搬送される原稿の表裏両面側に設置された特性の異なるイメージセンサを用いて原稿の画像を読取可能な画像読取装置及び該画像読取装置を備えた画像形成装置において、省電力化を図ることのできる技術を提案することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、原稿載置部に載置された原稿を給紙する原稿給紙部と、縮小光学系イメージセンサを有し、前記原稿給紙部によって搬送されてくる前記原稿の一方の面の画像を、前記縮小光学系イメージセンサを用いて読み取る第1読取部と、密着光学系イメージセンサを有し、前記原稿給紙部によって搬送されてくる前記原稿の他方の面の画像を、前記密着光学系イメージセンサを用いて読み取る第2読取部と、前記第1読取部による前記一方の面の読み取りが終了した後、当該原稿の前記他方の面が前記第1読取部に読み取られる状態として反転させて搬送する反転部と、前記第1読取部及び第2読取部のうちいずれか一方の読取部により前記原稿の一方の面を読み取り、前記反転部による当該原稿の反転後に、前記一方の読取部が当該原稿の他方の面を読み取る両面反転読取モードと、前記原稿給紙部による一度の原稿搬送で、前記第1読取部が当該原稿の一方の面を読み取り、前記第2読取部が当該原稿の他方の面を読み取る両面同時読取モードのいずれかのモードで、当該各部に原稿読取動作を行わせる読取制御部と、前記両面反転読取モード及び両面同時読取モードのいずれか一方の読取モードでの前記読取動作により得られた画像データを、電話回線を用いてファクシミリ送信するファクシミリ通信部と、前記ファクシミリ通信部に前記画像データをファクシミリ送信させる指示を入力するための第1の入力操作部と、前記原稿給紙部、前記第1及び第2読取部、前記反転部、前記ファクシミリ通信部への電力供給を制御する電力制御回路とを備え、前記電力制御回路は、当該画像読取装置に対し、該装置の動作に関する指示が予め定められた時間の間入力されないとき、及び予め定められた入力が行われたときの少なくとも一方のとき、前記原稿給紙部、前記第1及び第2読取部、前記反転部、前記ファクシミリ通信部への電力供給を停止させる第1の省電力モードに設定し、該第1の省電力モードの設定状態で、前記第1の入力操作部により前記画像データをファクシミリ送信させる指示が入力されると、前記ファクシミリ通信部が、前記両面反転読取モードでの前記読取動作により得られた画像データをファクシミリ送信する場合には、前記第1及び第2読取部のうち前記ファクシミリ送信に用いる方の読取部、前記原稿給紙部、前記反転部、前記ファクシミリ通信部への電力供給を行い、前記ファクシミリ送信に用いない方の読取部への電力供給停止状態を維持する第2の省電力モードに設定する画像読取装置である。
この発明によれば、画像読取装置に対し、該装置の動作に関する指示が予め定められた時間の間入力されないとき、及び予め定められた入力が行われたときの少なくとも一方のとき、電力制御回路は、前記原稿給紙部、前記第1及び第2読取部、前記反転部、前記ファクシミリ通信部への電力供給を停止する第1の省電力モードに設定するので、電力を節約することができる。
また、前記第1の省電力モードの設定状態で、前記第1の入力操作部により前記画像データをファクシミリ送信させる指示が入力されると、前記ファクシミリ通信部が、前記両面反転読取モードでの前記読取動作により得られた画像データをファクシミリ送信する場合には、電力制御回路は、前記第1及び第2読取部のうち前記ファクシミリ送信に用いる方の読取部、前記原稿給紙部、前記反転部、前記ファクシミリ通信部への電力供給を行い、前記ファクシミリ送信に用いない方の読取部への電力供給停止状態を維持するので、前記ファクシミリ送信に用いない方の読取部への電力供給も行う場合に比して、電力を節約することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像読取装置において、前記ファクシミリ通信部に原稿の画像データをファクシミリ送信させる場合に、該原稿の画像を読み取る読取モードを前記両面反転読取モード及び前記両面同時読取モードの中から選択するための第2の入力操作部を更に備え、前記電力制御回路は、前記第2の入力操作部により前記両面反転読取モードが選択されると、該両面反転読取モードでの前記読取動作により得られた画像データをファクシミリ送信する場合に、前記第2の省電力モードに設定するものである。
この発明によれば、前記ファクシミリ通信部に原稿の画像データをファクシミリ送信させる場合の読取モードを、前記両面反転読取モード及び前記両面同時読取モードの中から選択できるものにおいて、前記第2の入力操作部により前記両面反転読取モードが選択され、且つ、該両面反転読取モードでの前記読取動作により得られた画像データをファクシミリ送信する場合に、電力を節約することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像読取装置において、前記ファクシミリ通信部が、前記両面同時読取モードでの前記読取動作により得られた画像データをファクシミリ送信するとき、その画像データのうち、前記原稿の他方の面に形成された画像を構成する画像データを、前記一方の面に形成された画像を構成する画像データのファクシミリ送信が終了するまで一時的に記憶する記憶部を備え、前記電力制御回路は、前記第1の省電力モードにおいて、前記第1及び第2読取部、前記原稿給紙部、前記反転部、前記記憶部、及び前記ファクシミリ通信部への電力供給を停止し、前記第1の省電力モードの設定状態で、前記第1の入力操作部により前記画像データをファクシミリ送信させる指示が入力されると、前記第1及び第2読取部、前記原稿給紙部、前記反転部、前記記憶部、及び前記ファクシミリ通信部に電力供給を行うものである。
前記ファクシミリ通信部が、前記両面同時読取モードでの前記読取動作により得られた画像データをファクシミリ送信する場合、第1読取部からは或る原稿の一方の面に形成された画像の画像データが、第2読取部からは前記原稿の他方の面に形成された画像の画像データがそれぞれ比較的短い時間間隔で得られるため、各画像データの取得タイミングに同期してファクシミリ送信を行うことは困難である。したがって、前記他方の面(又は前記一方の面)に形成された画像を構成する画像データを一時的に保持するための記憶部が必要となる。
本発明によれば、このような記憶部を備えた場合に、第1の省電力モードでは前記記憶部への電力供給を停止するようにしたので、その分、電力を節約することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の画像読取装置において、前記両面反転読取モードは、前記第1読取部により前記原稿の一方の面を読み取り、前記反転部による当該原稿の反転後に、前記第1読取部により前記原稿の他方の面を読み取る第1両面反転読取モードと、前記第2読取部により前記原稿の他方の面を読み取り、前記反転部による当該原稿の反転後に、前記第2読取部により前記原稿の一方の面を読み取る第2両面反転読取モードとを含み、前記読取制御部は、前記第1及び第2両面反転読取モードと両面同時読取モードとのいずれかの読取モードで、前記読取部に読取動作を行わせ、前記ファクシミリ通信部は、前記第1両面反転読取モード及び第2両面反転読取モードのうちいずれか一方の読取モードでの読取動作により得られた画像データをファクシミリ送信し、前記ファクシミリ通信部に原稿の画像データをファクシミリ送信させる場合に、該原稿の画像を読み取る読取モードを前記第1両面反転読取モード及び前記第2両面反転読取モードの中から選択するための第3の入力操作部を備え、前記電力制御回路は、前記第1の省電力モードの設定状態で、前記第3の入力操作部により読取モードが選択され、且つ、前記第1の入力操作部により画像データをファクシミリ送信させる指示が入力されると、前記第3の入力操作部により選択された読取モードでの前記読取動作により得られた画像データをファクシミリ送信する場合に、前記第2の省電力モードに設定するものである。
この発明によれば、前記ファクシミリ通信部に原稿の画像データをファクシミリ送信させる場合の読取モードを、前記第1の両面反転読取モード及び第2の両面反転読取モードの中から選択できるものにおいて、前記第3の入力操作部によりいずれかの読取モードが選択され、その選択された読取モードでの前記読取動作により得られた画像データをファクシミリ送信する場合に、ファクシミリ送信に用いない方の読取部への電力供給停止状態を維持するので、その分、電力を節約することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像読取装置と、前記読取部の読取動作により得られた画像データに基づいて画像を記録紙に形成する画像形成部とを備え、前記電力制御回路は、更に前記画像形成部への電力供給も制御し、当該画像読取装置に対し、該装置の動作に関する指示が予め定められた時間の間入力されないとき、及び予め定められた入力が行われたときの少なくとも一方のとき、更に前記画像形成部への電力供給も停止し、この状態で前記第1の入力操作部により前記画像データをファクシミリ送信させる指示が入力されても、前記画像形成部への電力供給停止状態を維持する画像形成装置である。
この発明によれば、前記各入力操作部の少なくとも一つにより前記指示が予め定められた時間の間入力されないとき、及び予め定められた入力が行われたときの少なくとも一方のとき、更に前記画像形成部への電力供給も停止し、この状態で前記第1の入力操作部により画像データをファクシミリ送信させる指示が入力されても、前記読取モードに関係なく、前記画像形成部への電力供給停止状態を維持するので、前記画像形成部への電力供給を行う場合に比して、電力を節約することができる。
本発明によれば、ファクシミリ送信を行う場合に、該ファクシミリ送信を行うのに必要な機構や部材にのみ電力供給を行い、不要な機構や部材への電力供給を行わないようにしたので、省電力化を図ることができる。
以下、本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置の実施形態について図面を参照して説明する。尚、以下の実施形態では、本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置を、カラーコピー、スキャナ、ファクシミリ、プリンタ等の機能を備えた複合機に集約した形態を例に説明する。
図1は本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置の一実施形態である複合機1の内部構成を模式的に示した縦断面図である。複合機1は大きく分けると画像読取装置2と装置本体3とからなる。画像読取装置2は、原稿給紙部21とスキャナ部22とCIS231と操作部5と、更に後述する反転機構及び制御部61(図3参照)を備えてなる。原稿給紙部21はADF(Automatic Document Feeder)を備え、原稿トレイ211、ピックアップローラ212、搬送ドラム213、排紙ローラ214及び排紙トレイ215を有する。原稿トレイ211には、読取対象とされる原稿が載置される。原稿トレイ211に載置された原稿は1枚ずつピックアップローラ212によって取り込まれて搬送ドラム213へ搬送される。搬送ドラム213を経由した原稿は排紙ローラ214によって排紙トレイ215へ排出される。
スキャナ部(第1読取部)22は、原稿の画像を光学的に読み取って画像データを生成するものである。スキャナ部22は、プラテンガラス221、光源222、第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225、第1キャリッジ226、第2キャリッジ227、結像レンズ228、CCD(Charge Coupled Device)229を備える。このスキャナ部22は、光源222として冷陰極蛍光管等の白色蛍光ランプが用いられ、上記第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225、第1キャリッジ226、第2キャリッジ227及び結像レンズ228により、原稿からの光をCCD229に導くものである。スキャナ部22は、光源222として冷陰極蛍光管等の白色蛍光ランプを用いていることから、光源として3色LED等が用いられる後述のCIS231よりも色再現性に優れる。
プラテンガラス221には、上記原稿給紙部21によらない原稿読取時に、ユーザの手動により原稿が載置される。プラテンガラス221は、光源222及び第1ミラー223は第1キャリッジ226によって支持され、第2ミラー224及び第3ミラー225は第2キャリッジ227によって支持されている。
画像読取装置2の原稿読取方式としては、プラテンガラス221上に載置された原稿をスキャナ部22が読み取るフラットベッド読取モードと、原稿を原稿給紙部21(ADF)によって取り込み、その搬送途中で原稿を読み取るADF読取モードがある。フラットベッド読取モードでは、光源222がプラテンガラス221上に載置された原稿を照射し、主走査方向1ライン分の反射光が第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225の順に反射して、結像レンズ228に入射する。結像レンズ228に入射した光はCCD229の受光面で結像される。CCD229は一次元のイメージセンサであり、1ライン分の原稿の画像を同時に処理する。第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227は、主走査方向と直交する方向(副走査方向、矢印Y方向)に移動可能に構成されており、1ライン分の読み取りが終了すると、当該主走査方向と直交する方向に第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227が移動し、次のラインの読み取りが行われる。
ADF読取モードでは、原稿給紙部21が原稿トレイ211に載置された原稿をピックアップローラ212によって1枚ずつ取り込む。このとき、第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227は、読取窓230の下方位置に配置される。原稿給紙部21による原稿搬送で、原稿が搬送ドラム213から排紙トレイ215への搬送経路に設けられた読取窓230上を通過するとき、光源222が原稿を照射し、主走査1ライン分の反射光が第1ミラー233、第2ミラー224、第3ミラー225の順に反射して、結像レンズ228に入射する。結像レンズ228に入射した光はCCD229の受光面で結像される。続いて原稿は原稿給紙部21によって搬送され、次のラインが読み取られる。
原稿給紙部21は切換ガイド216、反転ローラ217及び反転搬送路218からなる原稿反転機構(反転部)を有する。この原稿反転機構が、1回目のADF読み取りによってCCD229で表面(原稿の一方の面)が読み取られた原稿を表裏反転させて読取窓230(スキャナ部22)に再搬送することで、再度CCD229によって裏面(原稿の他方の面)の読み取りが行われる。以下、このような原稿反転機構を用いCCD229で原稿の両面を読み取らせるモードを第1の両面反転読取モード又は高画質モードと表記する。
また、原稿反転機構が、1回目のADF読み取りによってCIS231で裏面(原稿の他方の面)が読み取られた原稿を表裏反転させて再搬送することで、再度CIS231によって表面(原稿の一方の面)の読み取りが行われる。以下、このような原稿反転機構を用いCIS231で原稿の両面を読み取らせるモードを第2の両面反転読取モードと表記する。
このような原稿反転機構は、両面読み取り時にのみ動作し、片面読み取り時は動作しない。片面読み取り時及び両面読み取り時において裏面の読み取り後、切換ガイド216は上側に切り替えられ、搬送ドラム213を経た原稿は排紙ローラ214によって排紙トレイ215に排紙される。両面読み取り時における表面読み取り後、切換ガイド216は下側に切り替えられ、搬送ドラム213を経た原稿は反転ローラ217によって反転搬送路218へ搬送される。その後、切換ガイド216は上側へ切り替わり、反転ローラ217が逆回転して原稿を搬送ドラム213へ再給紙する。
更に、本実施形態の画像読取装置2は、ADF読取モード時において、上記で説明したように原稿の搬送途中でCCD229(スキャナ部22)によって原稿の表面の読み取りを行わせると略同時に(略並行して)、CIS(第2読取部)231によって原稿の裏面の読み取りを行わせることが可能である。この場合、原稿トレイ211から原稿給紙部21により搬送された原稿は、読取窓230上を通過するときにCCD229によって表面が読み取られ、更にCIS231の配置箇所を通過する際に裏面が読み取られる。なお、CIS231では、光源としてRGBの3色LED等が用いられる。このようにCCD229とCIS231を用いることで、原稿給紙部21による原稿トレイ211から排紙トレイ215までの一回の原稿搬送操作(ワンパス)によって原稿の表裏両面の読み取りが可能となる。以下、このようにCCD229とCIS231を用いて原稿の両面を読み取らせるモードを両面同時読取モード又は高速モードと表記する。また、以下の説明においては、スキャナ部22とCIS231との違いを明瞭にするため、スキャナ部22をCCD229と表記するものとする。
ここで、両面反転読取モードと両面同時読取モードについて説明する。両面反転読取モードでは原稿両面の読み取りが同じイメージセンサ(CCD229又はCIS231)によって行われるため、取得した画像データに基づいて両面印刷を行っても、両面の印刷画像の画質に差はない。しかし、両面同時読取モードでは原稿の表面はCCD229、裏面はCIS231という異なるイメージセンサで読み取りが行われるため、特にカラー原稿の場合、それぞれのイメージセンサが取得した画像データに基づいて両面印刷を行うと、両面の印刷画像の画質に差が生じる。これは、CCD229、CIS231が原稿読み取りの際に用いる上述した光源の分光分布の違いによるものの他に、CCD229は複数の受光素子がワンチップ上に形成されてイメージセンサとして構成されているのに対し、CIS231においては複数の固体撮像素子が連結されてイメージセンサとして構成されているため固体撮像素子間に感度のバラつきが生じ、これが画質差の原因となっていると考えられる。
従って、本実施形態の複合機1においては、上記画質差の発生を解決するために、ADF読取モードを用いて原稿の両面読み取りを行う際、ユーザは第1及び第2両面反転読取モード及び両面同時読取モードの何れかを選択することができるようになっている。つまり、例えば両面の印刷画像の画質を揃えたい場合は第1の両面反転読取モード、両面の印刷画像の画質に差はあっても、読取時間の短縮化を優先させたい場合は両面同時読取モードとする等、ユーザは状況に応じてモードを選択することができる。
さらに、複合機1は、装置本体3と、装置本体3の左方に配設されたスタックトレイ6とを有している。装置本体3は、複数の給紙カセット461と、給紙カセット461から記録紙を1枚ずつ繰り出して記録部40へ搬送する給紙ローラ462と、給紙カセット461から搬送されてきた記録紙に画像を形成する記録部40とを備える。また、装置本体3は、給紙トレイ471と該給紙トレイ471に載置された原稿を1枚ずつ記録部40に向けて繰り出する繰り出しローラ472とを備える。
記録部(画像形成部)40は、感光体ドラム43の表面から残留電荷を除電する除電装置421と、除電後の感光体ドラム43の表面を帯電させる帯電装置422と、スキャナ部22で取得された画像データに基づいてレーザ光を出力して感光体ドラム43表面を露光し、当該感光体ドラム43の表面に静電潜像を形成する露光装置423と、上記静電潜像に基づいて感光体ドラム43上に、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)の各色のトナー像を形成する現像装置44K,44Y,44M,44Cと、感光体ドラム43に形成された各色のトナー画像が転写されて重ね合わせされる転写ドラム49と、転写ドラム49上のトナー像を用紙に転写させる転写装置41と、トナー像が転写された用紙を加熱してトナー像を用紙に定着させる定着装置45とを備えている。なお、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色に対するトナーの供給は、図略のトナー供給容器(トナーカートリッジ)から行われる。また、記録部40を通過した記録紙をスタックトレイ6又は排出トレイ48まで搬送する搬送ローラ463,464等が設けられている。
記録紙の両面に画像を形成する場合は、記録部40で記録紙の一方の面に画像を形成した後、この記録紙を排出トレイ48側の搬送ローラ463にニップされた状態とする。この状態で搬送ローラ463を反転させて記録紙をスイッチバックさせ、記録紙を用紙搬送路Lに送って記録部40の上流域に再度搬送し、記録部40により他方の面に画像を形成した後、記録紙をスタックトレイ6又は排出トレイ48に排出する。
また、装置本体3の前方には、ユーザが操作画面や各種メッセージ等を視認することができる表示部や、種々の操作命令を入力するための操作ボタンを有する操作部5が備えられている。図2は操作部5の正面図の一例である。この操作部5は、表示部51、タッチパネル52、数字キー群53、各種操作ボタン54〜57、機能選択ボタン58等を備える。表示部51は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等によって構成され、紙サイズ選択、倍率選択、濃度選択等のユーサーに対する操作案内画面が表示される。この表示部51はタッチパネル52と一体的に形成されている。タッチパネル52は、ユーザによるタッチ操作がなされたら、タッチ位置を検知して検知信号を、後述する制御部へ出力するものである。
数字キー群53は、例えば、複合機1のコピー機能を動作させる際はコピー枚数を、ファクシミリ機能を動作させる際は送信先の電話番号等を入力するためのものである。節電ボタン54は、複合機1を節電(低電力)モードにするボタンである。スタートボタン55はコピー動作やスキャナ動作等を開始させるボタンであり、ストップ/クリアボタン56はコピー動作やスキャナ動作等の停止、入力操作の取り消しを行うボタンである。リセットボタン57は表示部51の表示や各種設定を初期状態又は標準動作状態にするボタンである。機能選択ボタン58は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能を設定するためのボタンである。
図3は、複合機1の電気的な構成を示すブロック図である。尚、図1、図2に示した各部と同一のものには同一の符号を付して詳細な説明は省略する。図3に示すように、複合機1は、原稿読取部100、画像処理部64、記録部40、外部記憶部101、電力制御回路67、制御部61、操作部5、ファクシミリ通信部102、ネットワークI/F部103、パラレルI/F部104、シリアルI/F部105、HDD(ハードディスクドライブ)106及び原稿給紙部21を備えて構成されている。
前記原稿読取部100、画像処理部64、外部記憶部101、制御部61、操作部5及びネットワークI/F部103によって、取り込んだ画像データを予め指定されたIPアドレスへ送信するネットワークスキャナ機能が実現される。また、前記原稿読取部100、画像処理部64、記録部40、外部記憶部101、制御部61、操作部5及びファクシミリ通信部102によって、ファクシミリ機能が実現される。さらに、前記画像処理部64、記録部40、制御部61、操作部5、ネットワークI/F部103及びパラレルI/F部104によって、プリンタ機能が実現される。また、前記原稿読取部100、画像処理部64、記録部40、制御部61及び操作部5によって、コピー機能が実現される。
操作部5は、図1、図2に示す操作部5に相当するものであり、使用者がコピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能及びスキャナ機能等に関する操作を行うために使用され、使用者による操作命令(コマンド)等を制御部61に与えるものである。原稿読取部100は、図1に示すスキャナ部22及びCIS231を含むものである。
画像処理部64は、画像データに関する各種画像処理を行うものである。例えば、画像処理部64は、CCD229又はCIS231によって取得された画像データや、ネットワーク接続されたパーソナルコンピュータ、公衆回線(電話回線)で接続されたファクシミリ装置等から通信部66を介して転送されてくる画像データに対して、レベル補正、ガンマ補正等の補正処理、画像データの圧縮又は伸長処理、拡大又は縮小処理などの画像加工処理を行う。画像処理部64は、図略の画像メモリを含み、処理された画像データ等をこの画像メモリに記憶したり、記録部40、ファクシミリ通信部102又はネットワークI/F部103等へ出力したりする。
記録部40は、CCD229又はCIS231によって得られた画像データや、ネットワークI/F部103を介して外部のパーソナルコンピュータ等から受信した画像データ、及びファクシミリ通信部102によって外部のファクシミリ装置から受信したファックスデータ等の画像データに基づき画像を記録紙に形成する。
外部記憶部101は、ファクシミリ通信を行う時の短縮釦登録の相手先名称やファクシミリ番号を予め記憶している記憶手段であり、また、ネットワークスキャナとして使用される際の送信相手先のIPアドレスなども予め記憶している。
電力制御回路67は、スキャナ部22及びCIS231を含む前記各部への電力供給を個別に制御するものである。
原稿給紙部21は、前記ADF読取モードで原稿のコピーやスキャンが行われる際に、原稿トレイ211に載置された原稿を自動的に取り込んで、CCD229やCIS231による原稿の読み取りが可能なように搬送する。
制御部61は、複合機1の全体動作制御を司るものであり、図略のCPU(Central Processing Unit:中央演算処理部)に、そのCPUの動作を規定するプログラムを格納するRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、並びに一時的にデータを保管するRAM等の記憶部などの周辺装置を有しており、上記原稿給紙部21、スキャナ部22、CIS231、操作部5、画像処理部64、記録部40及び通信部66は、制御部61による制御の下で動作する。
これによって、制御部61は、操作部5等で受け付けられた指示情報や、複合機1の各所に設けられているセンサからの検出信号に基づき、図略のROM又はHDDに記憶されている動作制御プログラムにしたがった処理を実行し、各機能部への指示信号の出力、データ転送等を行って複合機1を統括的に制御する。より具体的には、制御部61は、スキャナコントローラ611、ファクシミリコントローラ612、プリンタコントローラ613及びコピーコントローラ614として機能する。
制御部61としてのコンピュータが読み取ることによって上述の各機能を実現するためのプログラムは、HDD106等の不揮発性且つ大容量の外部記憶装置に格納しておき、前記RAM等の主記憶装置に適宜転送することで、CPUによる実行に供することも可能である。前記プログラムは、ROM或いはCD―ROM等の記録媒体を通じて供給することも、ネットワークI/F部103に接続されるネットワーク等の伝送媒体を通じて供給することも可能である。伝送媒体は、有線の伝送媒体に限らず無線の伝送媒体であってもよい。また、伝送媒体には、通信線路のみでなく、通信線路を中継する中継装置、例えばルータ等の通信リンクをも含む。
プログラムがROMを通じて供給される場合には、当該プログラムが記録されたROMを制御部61に搭載することによって、CPUによる実行に供することができる。プログラムがCD−ROMを通じて供給される場合には、CD−ROM読み取り装置を、例えばパラレルI/F部104へ接続し、当該プログラムをRAM或いはHDD106へ転送することによって、CPUによる実行に供することができる。また、プログラムが伝送媒体を通じて供給される場合には、ネットワークI/F部103を通じて受信したプログラムをRAM或いはHDD106へ転送することによって、CPUによる実行に供することができる。
スキャナコントローラ611は、スキャナ機能を実現するために用いられる各部の動作を制御するものである。ファクシミリコントローラ612は、ファクシミリ機能を実現するために用いられる各部の動作を制御するものである。ここで、本実施形態では、ファクシミリ送信においては高い画質がほとんど要求されないことから、ファクシミリコントローラ612は、ファクシミリ送信を行う対象の画像データを得るための原稿の画像の読取動作を前記第2の両面反転読取モードで(CIS231に)行わせるようにしている。そのため、ファクシミリコントローラ612は、原稿の裏面をCIS231に読み取らせた後、前記反転機構により原稿を反転して、原稿の表面をCIS231に読み取らせる。
プリンタコントローラ613は、プリンタ機能を実現するために用いられる各部の動作を制御するものである。コピーコントローラは、コピー機能を実現するために用いられる各部の動作を制御するものである。
ファクシミリ通信部102は、符号化/復号化部(図示せず)、変復調部(図示せず)及びNCU(Network Control Unit)(図示せず)を含み、原稿読取部100によって読み取られた原稿の画像データを電話回線やインターネット回線を介して他のファクシミリ装置へ送信したり、他のファクシミリ装置から送信されてきた画像データを受信したりするものである。前記符号化/復号化部は、送信する画像データを圧縮・復号化し、受信した画像データを伸張・復号化するものであり、変復調部は、圧縮・復号化された画像データを音声信号に変調したり、受信した信号(音声信号)を画像データに復調したりするものである。また、NCUは、送信先となるファクシミリ装置との電話回線による接続を制御するものである。
ネットワークI/F部103は、ネットワークインターフェース(例えば10/100base-TX)等を用い、ネットワークを介して接続されたユーザ側サーバとの間での種々のデータの送受信を制御するものである。また、ネットワークにパーソナルコンピュータ等の図示しない1または複数の端末装置が接続されている場合に、ネットワークI/F部103はこれらの端末装置との間での種々のデータの送受信を制御する。例えば、ネットワークI/F部103は、原稿読取部100によって読み取られた原稿画像データを端末装置へ送信したり、記録部40で印刷するために端末装置から送られた画像データを受信したりする。
パラレルI/F部104は、高速双方向パラレルインターフェイス(例えばIEEE1284準拠)等を用いて、複数の信号線を用いて複数ビット単位でデータを送信するパラレル伝送によって、外部機器等から印刷データ等を受信等するものである。シリアルI/F部105は、シリアルインターフェイス(例えばRS−232C)等を用い、単一の信号線を用いて1ビットずつ順次データを送るシリアル伝送によって、外部機器等から種々のデータ等を受信等するものである。
HDD106は、原稿読取部100によって読み取られた画像データやネットワークを介して送信されてきた画像データ、あるいは当該画像データに設定されている出力形式等を記憶するものである。HDD106に記憶されている画像データは、該複合機1で使用されるだけでなく、ネットワークI/F部103を介して端末装置によって確認されたり、端末装置の所定のフォルダへ転送されることによって、該端末装置での使用に供されたりする。
なお、複合機1では、上述の各機能を組み合わせて種々の機能が実現される。例えば、スキャナ機能として、PC送信機能、E−mail送信機能、FAX送信機能等が実現されてもよい。ここで、PC送信機能とは、原稿から読み取った画像データを、ネットワークを介して任意の端末装置等へ直接送信する機能である。E−mail送信機能とは、原稿から読み取った画像データを電子メールの添付ファイルとして、ネットワークを介し例えば図略のSMTPサーバへ直接送信し、さらにこのSMTPサーバからネットワークを介して任意の外部端末装置等へ当該電子メールを送信することによって、原稿から読み取った画像データを電子メールの添付ファイルとして送信する機能である。FAX送信機能とは、原稿から読み取った画像データを、電話回線等を介して任意のファクシミリ装置等へ直接送信する機能である。
以上の構成に加えて、制御部61は、電力制御部615としての機能を有し、電力制御部615は、前記電力制御回路67に電力供給に関する指示を出力するものである。以下、電力制御部615の動作について説明する。
本実施形態の複合機1は、当該複合機1の主電源がオンされている状態で当該複合機1に対して所定時間何も操作されない場合又は節電ボタン54が操作された場合に、複合機1における予め定められた各部への電力供給が停止される第1の省電力モード(スリープモード)を有する。具体的には、図4に示すように、電力制御部615は、当該複合機1の主電源がオンされている状態で当該複合機1に対して所定時間何も操作されない場合又は節電ボタン54が操作された場合、原稿給紙部21、原稿読取部100、画像処理部64、記録部40、外部記憶部101、ファクシミリ通信部102、ネットワークI/F部103、パラレルI/F部104、シリアルI/F部105及びHDD106の各部への電力供給を図略の電源に停止させ、操作部5及び制御部61にのみ図略の電源から電力供給を行わせる第1の省電力モードに移行する。なお、図4に示す各部のうち、ハッチングが施されたものが電力の供給が停止されるものである。
さらに、本実施形態の複合機1は、第1の省電力モードの設定状態でファクシミリ機能を利用できるようになっており、電力制御部615は、前記省電力モードの設定状態でファクシミリ送信の指示が行われると、省電力化を図るべく、CCD229及びCIS231のうち、ファクシミリ送信する画像データを得るための読取動作を行うCIS231にのみ電力を供給し、該ファクシミリ送信に関わらないCCD229への電力供給停止状態を維持する第2の省電力モードとする。
また、この第2の省電力モードの設定時においては、CIS231の他、ファクシミリ送信に必要な機構に対してのみ電力供給が再開され、それ以外の機構については電力供給停止状態が維持される。具体的には、図4に示すような省電力モードの設定時においてファクシミリ送信の指示が行われると、電力制御部615は、図5に示すように、原稿給紙部21、CIS231及びファクシミリ通信部102にのみ電力供給を再開し、前記各I/F部103〜105,HDD106、外部記憶部101、記録部40及び画像処理部64への電力供給停止状態を維持する。なお、図4と同様、図5に示す各部のうち、ハッチングが施されたものが電力の供給が停止されるものである。
なお、電力制御部615は、省電力モードの設定時においてファクシミリ送信の指示が行われた場合に、電力の供給を再開する対象を予め記憶しており、この記憶内容にしたがって、前記のような各部への電力供給の指示を前記電力制御回路67に出力する。
これにより、ファクシミリ送信に関わらない機構への電力供給を行わない分、省電力化を図ることができる。
図6は、電力制御部615による電力制御を示すフローチャートである。なお、ここでは、第1の省電力モードへの移行のトリガとして、当該複合機1の操作部5に対し何らかの操作が行われてから所定時間経過しても何も操作されない場合を想定する。
図6に示すように、電力制御部615は、当該複合機1の操作部5に対し何らかの操作が行われてから所定時間経過しても何も操作されないとき(ステップ♯1でYES)、省電力モードに設定する(ステップ♯2)。
次に、電力制御部615は、ファクシミリ送信の指示が行われると(ステップ♯3でYES)、ファクシミリ送信に必要な機構(原稿給紙部21、CIS231及びファクシミリ通信部102)にのみ電力の供給を再開し(ステップ♯4)、ファクシミリ送信を行わせる(ステップ♯5)。
以上のように、第1の省電力モードの設定状態でファクシミリ送信の指示が行われると、ファクシミリ送信に必要な機構、本実施形態では原稿給紙部21、CIS231及びファクシミリ通信部102にのみ電力の供給を再開し、それ以外の機構については電力供給停止状態を維持する第2の省電力モードに移行するようにしたので、ファクシミリ送信に不要な機構への電力供給を行わない分、省電力化を図ることができる。
なお、本件は、前記実施形態に代えて、又は前記実施形態に加えて次のような変形形態も採用可能である。
[1]前記実施形態では、前記第1の省電力モードの設定状態でファクシミリ送信の指示が行われると、前記第2の両面反転読取モードで(CIS231で)原稿画像の読取動作を行うため、CCD229及びCIS231のうちCIS231にのみ電力の供給を再開し、CCD229への電力供給は停止したままとしたが、この形態に限らず、ファクシミリ送信で送信する画像データを前記第1の両面反転読取モードで(CCD229で)得るようにしてもよく、この場合、第1の省電力モードの設定状態でファクシミリ送信の指示が行われると、CCD229にのみ電力の供給を再開し、CIS231への電力供給停止状態を維持するとよい。
また、この形態とは別に、ファクシミリ送信する対象の画像データを前記両面同時読取モードで得るようにしてもよい。この場合、2ページ分の画像データが略同時に得られるため、後の頁の画像データをファクシミリ送信するまでの間、この画像データを予め定められた記憶部(例えば外部記憶部101)に一時的に保持する必要がある。この場合、第1の省電力モードの設定状態でファクシミリ送信の指示が行われると、前記記憶部にも電力の供給が再開されるようにすると、記憶部に前記画像データを保持することができる。
さらに、前記実施形態では、ファクシミリ送信を行う場合の読取モードが予め定められていて、ファクシミリ送信を指示する入力が行われると、その読取モードに自動的に設定されるようになっていたが、この形態に限らず、ファクシミリ送信を行う対象の画像データを得るための読取モードをユーザが選択できるようにしてもよい。
[2]前記実施形態の複合機1は、第1の省電力モードの設定状態でファクシミリ機能を利用できる構成のものであったが、このファクシミリ機能だけでなくスキャナ機能も利用できるようにしてもよい。この場合、ファクシミリ送信を行う画像データを得るための原稿画像の読取動作も、当該複合機1をスキャナとして利用する際の原稿画像の読取動作も、CCD229又はCIS231のうちいずれか一方で行うようにしてもよいし、或いは、当該複合機1をスキャナとして利用する際の原稿画像の読取動作は比較的高い読取精度が要求されると考えた場合には、当該複合機1をスキャナとして利用する際の原稿画像の読取動作はCCD229で行い、ファクシミリ送信のための原稿画像の読取動作はCIS231で行うようにしてもよい。
そして、本実施形態においても、第1の省電力モードの設定状態でファクシミリ送信の指示が行われると、ファクシミリ送信を行う際には該ファクシミリ送信に関わる機構(CIS231等)にのみ電力の供給を再開し、当該複合機1をスキャナとして動作させる際にはその読取動作に関わる機構(CCD229等)にのみ電力の供給を再開するようにするとよい。
[3]前記実施形態の複合機1は、ファクシミリ送信を行う場合に、相手先の機器を呼び出して通信可能状態に設定してから、原稿画像の読取動作と並行して画像データのファクシミリ送信を行う所謂ダイレクト通信形態であるため、省電力モードの設定時においてファクシミリ送信の指示が行われた場合であっても外部記憶部101に電力を供給しないようにしたが、この形態に限らず、各原稿の画像の読取動作を行うと該読取動作で得られた画像データを外部記憶部101に格納し、全ての原稿の画像の読取動作が完了してから、外部記憶部101に格納された画像データを相手先の機器にファクシミリ送信するメモリ送信形態の場合には、前記読取動作で得られた画像データを相手先の機器に送信するまで前記外部記憶部101に一時的に保持する必要があることから、省電力モードの設定時においてファクシミリ送信の指示が行われた場合、外部記憶部101にも電力の供給を再開するようにするとよい。
[4]本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記では、本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置の構成及び処理の実施形態を図1乃至図5に示したが、これらはあくまでも一例に過ぎず、本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置、上述した構成及び制御に限定する趣旨ではない。
本発明に係る画像形成装置の一実施形態である複合機の内部構成を模式的に示した縦断面図である。 操作部の正面図の一例である。 複合機の電気的構成を示すブロック図である。 省電力モードに移行したときの電力供給が停止される機構を示す図である。 省電力モードの設定時において、電力の供給が再開される機構と電力の供給停止状が維持される機構とを示す図である。 電力制御部による電力制御を示すフローチャートである。
符号の説明
1 複合機
2 画像読取装置
5 操作部
21 原稿給紙部
23 スキャナ部
40 記録部
51 表示部
61 制御部
63 表示部
67 電力制御回路
211 原稿トレイ
615 電力制御部
229 CCD
231 CIS

Claims (5)

  1. 原稿載置部に載置された原稿を給紙する原稿給紙部と、
    縮小光学系イメージセンサを有し、前記原稿給紙部によって搬送されてくる前記原稿の一方の面の画像を、前記縮小光学系イメージセンサを用いて読み取る第1読取部と、
    密着光学系イメージセンサを有し、前記原稿給紙部によって搬送されてくる前記原稿の他方の面の画像を、前記密着光学系イメージセンサを用いて読み取る第2読取部と、
    前記第1読取部による前記一方の面の読み取りが終了した後、当該原稿の前記他方の面が前記第1読取部に読み取られる状態として反転させて搬送する反転部と、
    前記第1読取部及び第2読取部のうちいずれか一方の読取部により前記原稿の一方の面を読み取り、前記反転部による当該原稿の反転後に、前記一方の読取部が当該原稿の他方の面を読み取る両面反転読取モードと、前記原稿給紙部による一度の原稿搬送で、前記第1読取部が当該原稿の一方の面を読み取り、前記第2読取部が当該原稿の他方の面を読み取る両面同時読取モードのいずれかのモードで、当該各部に原稿読取動作を行わせる読取制御部と、
    前記両面反転読取モード及び両面同時読取モードのいずれか一方の読取モードでの前記読取動作により得られた画像データを、電話回線を用いてファクシミリ送信するファクシミリ通信部と、
    前記ファクシミリ通信部に前記画像データをファクシミリ送信させる指示を入力するための第1の入力操作部と、
    前記原稿給紙部、前記第1及び第2読取部、前記反転部、前記ファクシミリ通信部への電力供給を制御する電力制御回路とを備え、
    前記電力制御回路は、当該画像読取装置に対し、該装置の動作に関する指示が予め定められた時間の間入力されないとき、及び予め定められた入力が行われたときの少なくとも一方のとき、前記原稿給紙部、前記第1及び第2読取部、前記反転部、前記ファクシミリ通信部への電力供給を停止させる第1の省電力モードに設定し、該第1の省電力モードの設定状態で、前記第1の入力操作部により前記画像データをファクシミリ送信させる指示が入力されると、前記ファクシミリ通信部が、前記両面反転読取モードでの前記読取動作により得られた画像データをファクシミリ送信する場合には、前記第1及び第2読取部のうち前記ファクシミリ送信に用いる方の読取部、前記原稿給紙部、前記反転部、前記ファクシミリ通信部への電力供給を行い、前記ファクシミリ送信に用いない方の読取部への電力供給停止状態を維持する第2の省電力モードに設定する画像読取装置。
  2. 前記ファクシミリ通信部に原稿の画像データをファクシミリ送信させる場合に、該原稿の画像を読み取る読取モードを前記両面反転読取モード及び前記両面同時読取モードの中から選択するための第2の入力操作部を更に備え、
    前記電力制御回路は、前記第2の入力操作部により前記両面反転読取モードが選択されると、該両面反転読取モードでの前記読取動作により得られた画像データをファクシミリ送信する場合に、前記第2の省電力モードに設定する請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記ファクシミリ通信部が、前記両面同時読取モードでの前記読取動作により得られた画像データをファクシミリ送信するとき、その画像データのうち、前記原稿の他方の面に形成された画像を構成する画像データを、前記一方の面に形成された画像を構成する画像データのファクシミリ送信が終了するまで一時的に記憶する記憶部を備え、
    前記電力制御回路は、前記第1の省電力モードにおいて、前記第1及び第2読取部、前記原稿給紙部、前記反転部、前記記憶部、及び前記ファクシミリ通信部への電力供給を停止し、前記第1の省電力モードの設定状態で、前記第1の入力操作部により前記画像データをファクシミリ送信させる指示が入力されると、前記第1及び第2読取部、前記原稿給紙部、前記反転部、前記記憶部、及び前記ファクシミリ通信部に電力供給を行う請求項1又は2に記載の画像読取装置。
  4. 前記両面反転読取モードは、前記第1読取部により前記原稿の一方の面を読み取り、前
    記反転部による当該原稿の反転後に、前記第1読取部により前記原稿の他方の面を読み取る第1両面反転読取モードと、前記第2読取部により前記原稿の他方の面を読み取り、前記反転部による当該原稿の反転後に、前記第2読取部により前記原稿の一方の面を読み取る第2両面反転読取モードとを含み、
    前記読取制御部は、前記第1及び第2両面反転読取モードと両面同時読取モードとのいずれかの読取モードで、前記読取部に読取動作を行わせ、
    前記ファクシミリ通信部は、前記第1両面反転読取モード及び第2両面反転読取モードのうちいずれか一方の読取モードでの読取動作により得られた画像データをファクシミリ送信し、
    前記ファクシミリ通信部に原稿の画像データをファクシミリ送信させる場合に、該原稿の画像を読み取る読取モードを前記第1両面反転読取モード及び前記第2両面反転読取モードの中から選択するための第3の入力操作部を備え、
    前記電力制御回路は、前記第1の省電力モードの設定状態で、前記第3の入力操作部により読取モードが選択され、且つ、前記第1の入力操作部により画像データをファクシミリ送信させる指示が入力されると、前記第3の入力操作部により選択された読取モードでの前記読取動作により得られた画像データをファクシミリ送信する場合に、前記第2の省電力モードに設定する請求項記載の画像読取装置。
  5. 請求項1ないしのいずれかに記載の画像読取装置と、
    前記読取部の読取動作により得られた画像データに基づいて画像を記録紙に形成する画像形成部とを備え、
    前記電力制御回路は、更に前記画像形成部への電力供給も制御し、当該画像読取装置に対し、該装置の動作に関する指示が予め定められた時間の間入力されないとき、及び予め定められた入力が行われたときの少なくとも一方のとき、更に前記画像形成部への電力供給も停止し、この状態で前記入力操作部により前記画像データをファクシミリ送信させる指示が入力されても、前記画像形成部への電力供給停止状態を維持する画像形成装置。
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