JP2014084184A - シート搬送装置、原稿搬送装置および画像形成装置 - Google Patents

シート搬送装置、原稿搬送装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】重送が発生したとしても、発生した重送が解消される場合には原稿搬送動作を停止させずに続行させることが可能なシート搬送装置を提供する。
【解決手段】原稿搬送制御部210は、重送発生を検知した場合、重送検知位置P1において先行の原稿Dの先端を検知した第1時点と、重送発生位置である後行の原稿Dの先端を検知した第2時点との間の先端ズレ時間T1を求め、その先端ズレ時間T1が、給紙部24が駆動を停止する時点での後行の原稿Dの先端位置がレジストローラー対25の搬送方向における上流側の位置となる場合の時間に設定された閾値時間Tth以上となっているか否かを判断し、レジストローラー対25は、先端ズレ時間T1が閾値時間Tth以上となっている場合には駆動を停止せずに続行する。
【選択図】図7

Description

本発明は、シート搬送装置、原稿搬送装置および画像形成装置に関する。
原稿(シート)の読み取りを行う画像読取部を有する画像形成装置には、画像読取部の読取位置に原稿を搬送するためのシート搬送装置が設けられる場合がある。このようなシート搬送装置は、たとえば、特許文献1に開示されている。
特許文献1のシート搬送装置は、原稿台から読取位置を経由して排紙トレイにまで繋がる原稿搬送路を有する。原稿搬送路には、搬送方向の上流側(原稿台側)から順に、給紙ローラー、レジストローラー、および、複数の搬送ローラーが設けられている。そして、原稿搬送動作が開始されると、給紙ローラーは、原稿台に載置された原稿を搬送して原稿搬送路に供給し、レジストローラーは、原稿の搬送方向への進行を一旦停止させた後、その原稿を搬送方向に搬送する。レジストローラーの下流側には読取位置が有り、読取位置を通過した原稿は、複数の搬送ローラーによって排紙トレイに搬送される。
特開2000−296926号公報
特許文献1の構成では、給紙ローラーが原稿台から原稿搬送路に原稿を供給するとき、複数枚の原稿が重なって搬送されることがある。このため、たとえば、給紙ローラーとレジストローラーとの間に重送検知センサーを設け、その重送検知センサーの出力に基づき重送が発生したか否かを検知し、重送発生を検知した時点で原稿搬送動作を停止するよう構成する場合がある。このように構成すれば、重送が発生したまま原稿搬送動作が続行されるのを抑制することができる。
ここで、たとえば、給紙ローラーは、現時点で搬送すべき先行原稿とその先行原稿よりも後に搬送すべき後行原稿との間隔を空けるため、原稿搬送路の所定位置に先行原稿が到達したときに駆動を停止する。したがって、先行原稿に後行原稿が重なったまま重送検知センサーの配置位置(以下、重送検知位置と称する)に搬送されたとしても、原稿搬送路の所定位置に先行原稿が到達したとき(給紙ローラーが駆動を停止したとき)の後行原稿の先端位置がレジストローラーよりも上流側であれば、給紙ローラーによる後行原稿の搬送は行われず、かつ、レジストローラーによる後行原稿の搬送も行われない。すなわち、先行原稿のみがレジストローラーによって搬送されるので、重送は解消される。しかし、重送発生を検知した時点で原稿搬送動作を停止させる構成では、先行原稿に後行原稿が重なったまま重送検知位置に搬送されたときに、発生した重送が解消されるか否かにかかわらず原稿搬送動作が停止されてしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、重送が発生したとしても、発生した重送が解消される場合には原稿搬送動作を停止させずに続行させることが可能なシート搬送装置、原稿搬送装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のシート搬送装置は、シートが載置される載置部と、載置部に載置されたシートを搬送方向に搬送してシート搬送路に供給し、シート搬送路に供給したシートが予め定められた位置に到達したときに駆動を停止する給紙部と、給紙部の搬送方向における下流側に配置され、シート搬送路に供給されたシートを、搬送方向下流側へ搬送する搬送ローラーと、給紙部と搬送ローラーとの間の重送検知位置に配置され、重送検知位置でのシートの有無およびシートの重なり枚数によって出力レベルを変動させる重送検知センサーと、重送検知センサーの出力レベルに基づいて、重送検知位置でのシートの有無を検知するとともに、先行する第1シートに重なって搬送される第2シートの重送が発生しているか否かを検知する重送検知部と、を備える。そして、重送検知部は、重送発生を検知した場合、重送検知位置において第1シートの先端を検知した第1時点と、重送発生位置である第2シートの先端を検知した第2時点との間の第1ズレ時間を求め、第1ズレ時間が、給紙部が駆動を停止する時点での第2シートの先端位置が搬送ローラーの搬送方向における上流側の位置となる場合の時間に設定された閾値時間以上となっているか否かを判断し、搬送ローラーは、第1ズレ時間が閾値時間以上となっている場合には駆動を停止せずに続行する一方、第1ズレ時間が閾値時間を下回っている場合には駆動を停止する。
本発明では、第1シートに第2シートが重なって重送検知位置に搬送されると、重送検知部が重送発生を検知する。ここで、給紙部は、シート搬送路に供給したシートが予め定められた位置に到達したときに駆動を停止する。このため、重送検知部が重送発生を検知したとしても、給紙部が駆動を停止する時点での第2シートの先端位置が搬送ローラーの搬送方向における上流側の位置となる場合(第1シートの先端と第2シートの先端との間のズレ量が大きい場合)には、給紙部が駆動を停止して以降、給紙部による第2シートの搬送方向への搬送は行われず、かつ、搬送ローラーによる第2シートの搬送方向への搬送も行われない。したがって、第1シートのみが搬送ローラーによって搬送方向に搬送されるので、重送は解消される。
そこで、重送検知部は、重送発生を検知した場合、重送検知位置において第1シートの先端を検知した第1時点と、重送発生位置である第2シートの先端を検知した第2時点との間の第1ズレ時間を求め、その第1ズレ時間が閾値時間以上となっているか否かを判断する。ここで、閾値時間は、給紙部が駆動を停止する時点での第2シートの先端位置が搬送ローラーの搬送方向における上流側の位置となる場合の時間に設定される。このため、第1ズレ時間が閾値時間以上となっていれば、給紙部が駆動を停止する時点での第2シートの先端位置が搬送ローラーの搬送方向における上流側の位置となる。すなわち、給紙部が駆動を停止して以降、給紙部による第2シートの搬送方向への搬送は行われず、かつ、搬送ローラーによる第2シートの搬送方向への搬送も行われないので、重送が解消される。
そして、搬送ローラーは、第1ズレ時間が閾値時間以上となっている場合(重送が解消される場合)には、駆動を停止せずに続行する。これにより、重送が発生したとしても、発生した重送が解消される場合には原稿搬送動作が停止されずに続行される。
以上のように、本発明によれば、重送が発生したとしても、発生した重送が解消される場合には原稿搬送動作を停止させずに続行させることができる。
本発明の一実施形態によるシート搬送装置(原稿搬送装置)が備えられた画像形成装置の概略図 図1に示した画像形成装置に備えられるシート搬送装置の詳細図 図1に示した画像形成装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図 図2に示したシート搬送装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図 図2に示したシート搬送装置において行われる搬送動作を説明するための図 図2に示したシート搬送装置において行われる搬送動作を説明するための図 図2に示したシート搬送装置において行われる搬送動作を説明するための図(第1ズレ時間が閾値時間以上となっている場合の図) 図7に示した状態から搬送動作を続行した場合の図 図2に示したシート搬送装置において行われる搬送動作を説明するための図(第1ズレ時間が閾値時間を下回っている場合の図) 図9に示した状態から搬送動作を続行した場合の図 図2に示したシート搬送装置において行われる搬送動作を説明するための図(第1ズレ時間が閾値時間以上となっているにもかかわらず発生した重送が解消されない場合の図) 図2に示したシート搬送装置において重送が発生した場合に表示される画面の図 図2に示したシート搬送装置において行われる重送検知動作の流れを説明するためのフローチャート図 図2に示したシート搬送装置において行われる重送検知動作の流れを説明するためのフローチャート図
本発明の一実施形態について、プリントジョブやスキャンジョブなど複数種のジョブの実行が可能な画像形成装置(複合機)を例にとって説明する。
(画像形成装置の全体構成)
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置100は、操作パネル101、画像読取部102、用紙給紙部103、用紙搬送部104、画像形成部105および定着部106を備える。そして、本発明のシート搬送装置に相当する原稿搬送装置200は、画像形成装置100の上方(画像読取部102の上方)に配置される。なお、原稿搬送装置200の詳細な構成については後述する。
操作パネル101は、装置正面側に配置され、表示面がタッチパネルで覆われた液晶表示部11を含む。この液晶表示部11は、装置状態を示すメッセージや各種入力を受け付けるためのソフトキーなどを表示する。また、操作パネル101には、テンキー12やスタートキー13などのハードキーも設けられている。
画像読取部102は、原稿Dの一方面の読み取り(スキャン)を行って画像データを生成する。この画像読取部102には、図示しないが、露光ランプ、ミラー、レンズおよびイメージセンサーなどの光学系部材が設けられている。そして、画像読取部102は、ユーザーによってコンタクトガラス20a上に載置された原稿Dに光を照射し、その原稿Dからの反射光を受けたイメージセンサーの出力値をA/D変換することにより、画像データを生成する。あるいは、画像読取部102は、原稿搬送装置200によってコンタクトガラス20b上に搬送された原稿Dに光を照射し、その原稿Dからの反射光を受けたイメージセンサーの出力値をA/D変換することにより、画像データを生成する。これにより、スキャンによって得られた画像データに基づき印刷を行うことができ、スキャンによって得られた画像データを蓄積することもできる。
用紙給紙部103は、用紙Pを収容するカセット31を有し、そのカセット31内の用紙Pを用紙搬送路に供給する。用紙給紙部103には、カセット31内の用紙Pを1枚ずつ引き出すためのピックアップローラー32が設けられている。また、用紙給紙部103には、カセット31内から引き出される用紙Pの重送を抑制しつつ、用紙Pを用紙搬送路に供給するための給紙ローラー対33が設けられている。この給紙ローラー対33は、上側に位置する給紙ローラーと下側に位置する分離ローラーとで構成される。
用紙搬送部104は、用紙Pを用紙搬送路に沿って搬送し、最終的に排紙トレイ41にまで導く。この用紙搬送部104は、用紙搬送路に回転可能に設置された搬送ローラー対42を複数含む。また、用紙搬送部104は、画像形成部105の用紙搬送方向における上流側の位置(画像形成装置105に至る直前の位置)に設置されたレジストローラー対43を含む。このレジストローラー対43は、用紙Pを画像形成部105の直前で待機させ、タイミングを計って用紙Pを画像形成部105に送り出す。
画像形成部105は、画像データに基づきトナー像を形成し、そのトナー像を用紙Pに転写する。この画像形成部105は、感光体ドラム51、帯電装置52、露光装置53、現像装置54、転写ローラー55およびクリーニング装置56を含む。
そして、画像形成時には、まず、感光体ドラム51が回転駆動し、その感光体ドラム51の表面を帯電装置52が所定電位に帯電させる。また、露光装置53は、画像データに基づき光ビームLを出力し、感光体ドラム51の表面を走査露光する。これにより、感光体ドラム51の表面に静電潜像を形成する。現像装置54は、感光体ドラム51の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像する。
転写ローラー55は、感光体ドラム51の表面に圧接して回転可能となっている。そして、レジストローラー対43がタイミングを計り、転写ローラー55と感光体ドラム51との間に用紙Pを進入させる。このとき、転写ローラー55には転写電圧が印加される。これによって、感光体ドラム51の表面のトナー像が用紙Pに転写される。この後、クリーニング装置56は、感光体ドラム51の表面に残留するトナーなどを除去する。
定着部106は、用紙Pに転写されたトナー像を加熱・加圧して定着させる。この定着部106は、加熱ローラー61および加圧ローラー62を含む。加熱ローラー61は、ヒーター63を内蔵する。加圧ローラー62は、加熱ローラー61に圧接する。そして、トナー像が転写された用紙Pは、加熱ローラー61と加圧ローラー62との間を通過することで、加熱・加圧される。これにより、用紙Pにトナー像が定着され、印刷が完了する。その後、印刷済みの用紙Pは、搬送ローラー対42によって排紙トレイ41に送られる。
なお、原稿Dの一方面を読み取るための画像読取部102とは別に、原稿Dの一方面とは反対側の他方面を読み取るためのCISユニット107(図2参照)を画像形成装置100に設置してもよい。この場合、CISユニット107は、たとえば、原稿搬送装置200の後述する原稿搬送路22に沿った所定箇所に配置される。これにより、原稿Dの両面の読み取りを同時に行うことができるようになる。
(原稿搬送装置の構成)
図2に示すように、原稿搬送装置200は、原稿セットトレイ21(本発明の「載置部」に相当)に載置された原稿Dを原稿搬送路22(本発明の「シート搬送路」に相当)に供給し、原稿搬送路22を介して原稿排出トレイ23に排出する。そして、原稿搬送路22の途中の位置が読取位置SP(コンタクトガラス20bと対向する位置)となっており、その読取位置SPに原稿Dが搬送されると、画像読取部102によって原稿Dの一方面(原稿セットトレイ21へのセット時に上方に向けられた面)が読み取られる。
原稿搬送路22には、搬送方向の上流側から順に、給紙部24、レジストローラー対25(本発明の「搬送ローラー」に相当)、搬送ローラー対26、搬送ローラー対27、搬送ローラー対28、および、排紙ローラー対29が設けられている。すなわち、レジストローラー対25は、給紙部24の搬送方向における下流側に配置される。
給紙部24は、原稿セットトレイ21に載置された原稿Dを引き出し、搬送方向に搬送して原稿搬送路22に供給する。この給紙部24は、原稿セットトレイ21に載置された原稿Dを引き出すピックアップローラー24aと、ピックアップローラー24aによって原稿セットトレイ21から引き出された原稿Dを搬送方向に搬送して原稿搬送路22に供給する給紙ベルト24bとを含む。給紙ベルト24bは、駆動ローラーである給紙ローラー24cと従動ローラー24dとによって張架され、給紙ローラー24cが回転することで周回する(原稿Dを原稿搬送路22に供給する)。
また、給紙部24(給紙ベルト24b)の原稿搬送路22を挟んで反対側の位置には、分離ローラー30が設けられている。この分離ローラー30は、給紙部24による原稿搬送路22への原稿Dの供給が行われているとき、搬送方向と逆方向に原稿Dが進行するよう回転する。これにより、複数枚の原稿Dが重なって原稿搬送路22に供給されると、複数枚重なって供給された原稿Dが分離ローラー30によって1枚ずつに分離され、複数枚重なって供給された原稿Dのうち現時点で搬送すべきでない原稿Dが搬送方向とは逆方向に戻る。なお、給紙部24(ピックアップローラー24aおよび給紙ローラー24c)および分離ローラー30は、同一の給紙モーターM1(図4参照)によって駆動される。
レジストローラー対25は、原稿搬送路22に供給された原稿Dの搬送方向への進行を一旦停止させ、原稿Dを撓ませて原稿Dの斜行を補正する。すなわち、レジストローラー対25は、原稿Dの先端が到達したときには回転しておらず、原稿Dの先端が到達してから回転を開始する(搬送方向への原稿Dの搬送を開始する)。なお、レジストローラー対25は、レジストモーターM2(図4参照)によって独立して駆動される。
搬送ローラー対26〜28は、原稿搬送路22に供給された原稿Dを搬送方向に搬送する。また、排紙ローラー対29は、原稿搬送路22を進行する原稿Dを原稿排出トレイ23に排出する。なお、搬送ローラー対26〜28および排紙ローラー対29は、同一の搬送モーターM3(図4参照)によって駆動される。
また、原稿搬送路22の第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3および第4位置P4には、それぞれ、原稿Dの有無を検知するための原稿検知センサーS1、S2、S3およびS4が設けられている。これら原稿検知センサーS1〜S4は、たとえば、光センサーである。そして、原稿検知センサーS1〜S4の各出力は、第1位置P1〜第4位置P4のうち対応するセンサー配置位置に原稿Dが存在するときと存在しないときとで変動する。
なお、第1位置P1は、給紙部24とレジストローラー対25との間の位置であり、本発明の「重送検知位置」に相当する。第2位置P2は、搬送ローラー対26と搬送ローラー対27との間のうち搬送ローラー対26の近傍の位置である。第3位置P3は、搬送ローラー対26と搬送ローラー対27との間のうち搬送ローラー対27の近傍(読取位置SPの近傍)の位置であり、第4位置P4は、搬送ローラー対28と排紙ローラー対29との間のうち排紙ローラー対29の近傍(原稿排出トレイ23の近傍)の位置である。
第1位置P1には、原稿検知センサーS1とは別に、原稿Dの重送を検知するための重送検知センサーMSも設けられている。そして、重送検知センサーMSおよび原稿検知センサーS1は、第1位置P1において、搬送方向と直交する方向に延びる同一線上に配置される。
たとえば、重送検知センサーMSは、超音波を発信する発信部(図示せず)と、その発信部からの超音波を受信する受信部(図示せず)と、受信部が出力する電荷を蓄えるホールド回路(たとえば、コンデンサー)とを含み、発信部から受信部に伝わる超音波の量に応じて出力が変動するセンサーである。重送検知センサーMSの発信部および受信部は、原稿搬送路22を挟んで互いに対向している。このため、第1位置P1に原稿Dが送られてくると、その原稿Dは、重送検知センサーMSの発信部と受信部との間に挟まれた状態となる。そして、このときの重送検知センサーMSの出力は、第1位置P1に存在する原稿Dの枚数が多いほど発信部から受信部に伝わる超音波の量が減少するので、原稿Dの有無や原稿Dの重なり枚数に応じて変動する。
具体的には、第1位置P1(重送検知センサーMSの発信部と受信部との間)に原稿Dが存在している場合は、第1位置P1に原稿Dが存在していない場合に比べて、発信部から受信部に伝わる超音波の量が減少する。このため、第1位置P1に原稿Dが存在する場合と原稿Dが存在しない場合とでは、重送検知センサーMSの出力レベルに差が生じる。また、第1位置P1に複数枚の原稿Dが重なって送られてきた場合には、第1位置P1に原稿Dが1枚だけ送られてきた場合に比べて、発信部から受信部に伝わる超音波の量が減少する。このため、第1位置P1に複数枚の原稿Dが重なって送られてきた場合と原稿Dが1枚だけ送られてきた場合とでは、重送検知センサーMSの出力レベルに差が生じる。
さらに、原稿セットトレイ21には、原稿セットトレイ21に載置された原稿Dのサイズを検知するためのサイズ検知センサーSS(図4参照)が設けられている。このサイズ検知センサーSSは、たとえば、光センサーであり、原稿セットトレイ21に載置された原稿Dのサイズに応じて出力を変動させる。
また、原稿搬送路22は、開閉可能なカバーCVで覆われている。このカバーCVは、原稿搬送路22のうち上部側(給紙部24、レジストローラー対25、および、搬送ローラー対26などの設置箇所)を覆い、たとえば、ジャム処理時に開けられる。なお、給紙部24、原稿検知センサーS1および重送検知センサーMSは、ユニット化され、設置位置から移動しないように固定されている。このため、カバーCVが開けられたとしても、給紙部24、原稿検知センサーS1および重送検知センサーMSは元の設置位置に留まったまま移動しないので、給紙部24、原稿検知センサーS1および重送検知センサーMSの位置ずれの発生が抑制される。
(画像形成装置および原稿搬送装置のハードウェア構成)
図3に示すように、画像形成装置100は、装置全体の制御を行う主制御部110を備える。主制御部110は、CPU111、画像処理部112および記憶部113を含む。画像処理部112は、画像処理専用のASICやメモリーなどからなっており、画像データに対して各種画像処理(拡大/縮小、濃度変換およびデータ形式変換など)を施す。記憶部113は、ROMおよびRAMなどからなり、たとえば、ジョブの実行に必要なプログラムおよびデータがROMに記憶され、それらプログラムおよびデータがRAMに展開される。
操作パネル101、画像読取部102、用紙給紙部103、用紙搬送部104、画像形成部105および定着部106は、主制御部110と接続され、主制御部110の指示に基づき動作する。さらに、主制御部110は、原稿搬送装置200と接続される。
原稿搬送装置200は、図4に示すように、主制御部110と接続される原稿搬送制御部210を備える。原稿搬送制御部210は、CPU211および記憶部212を含む。そして、原稿搬送制御部210は、主制御部110から指示を受け、原稿搬送装置200の原稿搬送動作を制御する。具体的には、原稿搬送制御部210は、給紙モーターM1、レジストモーターM2および搬送モーターM3の駆動を制御し、各種ローラーを回転させたり、回転を停止させたりする。
また、原稿搬送制御部210は、原稿検知センサーS1〜S4の各出力に基づき、第1位置P1〜第4位置P4における原稿Dの先端および後端を検知する。すなわち、原稿搬送制御部210は、第1位置P1〜第4位置P4における原稿Dの到達および通過を検知する。そして、原稿搬送制御部210は、第1位置P1〜第4位置P4における原稿Dの到達および通過を認識し、原稿Dの搬送状態(ジャムなどが発生しているか否か)を判定する。
さらに、原稿搬送制御部210は、原稿検知センサーS1〜S4の各出力に基づき、各種ローラーの回転開始および回転停止のタイミングを計る。たとえば、原稿搬送制御部210は、主制御部110から原稿搬送動作の開始指示を受けると、給紙部24による原稿搬送路22への原稿Dの供給を開始させる(給紙モーターM1を駆動させ、ピックアップローラー24a、給紙ローラー24cおよび分離ローラー30を回転させる)とともに、原稿検知センサーS1の出力に基づき第1位置P1での原稿Dの先端の到達を検知する。その後、原稿搬送制御部210は、レジストモーターM2を駆動させ、レジストローラー対25を回転させる。これにより、先端がレジストローラー対25に到達した原稿Dに或る程度の撓みが形成され、原稿Dの斜行が補正されてから、レジストローラー対25によって原稿Dが搬送方向に送られる。
続いて、原稿搬送制御部210は、第1位置P1に原稿Dの先端が到達してから(原稿検知センサーS1の出力に基づき原稿Dの先端を検知してから)予め定められた所定時間が経過したとき、搬送モーターM3を駆動させ、搬送ローラー対26〜28および排紙ローラー対29を回転させる。ここで、所定時間というのは、第1位置P1に原稿Dの先端が到達してから搬送ローラー対26に原稿Dの先端が到達するまでに要する時間である。すなわち、原稿搬送制御部210は、原稿Dの先端が搬送ローラー対26によってニップされてから、搬送ローラー対26〜28および排紙ローラー対29の駆動を開始させる。
また、このとき、原稿搬送制御部210は、給紙モーターM1の駆動を停止させる。すなわち、原稿搬送制御部210は、原稿Dの先端が搬送ローラー対26に到達したときに給紙部24の駆動を停止させ、先行の原稿D(現時点で搬送すべき原稿D)と後行の原稿D(現時点で搬送すべきでない原稿D)との間隔を空ける。なお、原稿搬送制御部210は、搬送ローラー対26〜28および排紙ローラー対29については、原稿セットトレイ21に載置された原稿Dの搬送が全て終わるまで、駆動を続行させる。ただし、ジャムなどが発生した場合には、原稿セットトレイ21に載置された原稿Dの搬送が全て終わる前であっても、搬送ローラー対26〜28および排紙ローラー対29の駆動を停止させる。
また、原稿搬送制御部210は、重送検知センサーMSの出力を受ける。そして、原稿搬送制御部210は、重送検知センサーMSの出力に基づいて、第1位置P1での原稿Dの有無を検知するとともに、後行の原稿D(第2シート)が先行の原稿D(第1シート)に重なって搬送される重送が発生しているか否かを検知する。すなわち、原稿搬送制御部210は、本発明の「重送検知部」に相当する。たとえば、原稿Dの有無を検知するための原稿有無検知用の閾値が記憶部212に記憶され、原稿搬送制御部210は、重送検知センサーMSの出力レベルが原稿有無検知用の閾値を上回るか下回るかによって、第1位置P1での原稿Dの有無を検知する。また、重送検知用の閾値も記憶部212に記憶され、原稿搬送制御部210は、重送検知センサーMSの出力レベルが重送検知用の閾値を上回るか下回るかによって、重送が発生しているか否かを検知する。
また、原稿搬送制御部210は、サイズ検知センサーSSの出力を受ける。そして、原稿搬送制御部210は、サイズ検知センサーの出力に基づき、原稿セットトレイ21に載置された原稿Dのサイズを認識する。
(重送検知)
以下に、原稿搬送装置200において行われる重送検知について説明するが、以下の説明で参照する図5〜図11は原稿Dの搬送経路を模式的に示したものである。
原稿搬送装置200には、図2に示したように、重送発生を抑制するための分離ローラー30が設けられている。このため、図5に示すように、給紙部24による原稿搬送路22への原稿Dの供給時に複数枚の原稿Dが重なっていたとしても、複数枚の原稿Dが1枚ずつに分離され、現時点で搬送すべきでない原稿D(図中の複数枚の原稿Dのうち下側の原稿D)が分離ローラー30の搬送方向における下流側に送られるのが抑制される。
ただし、場合によっては、図6に示すように、複数枚の原稿Dが重なって分離ローラー30の搬送方向における下流側に搬送され、複数枚の原稿Dがレジストローラー対25にニップされることもある。この場合には、複数枚の原稿Dが重なったまま読取位置SPに搬送され、現時点で搬送すべきでない原稿Dの読み取りが行われないという不都合が生じる。なお、図6には、一例として、複数枚の原稿Dの各先端の搬送方向の位置が略一致したまま搬送されている状態を図示している。
このため、原稿搬送制御部210は、分離ローラー30の搬送方向における下流側(給紙部24とレジストローラー対25との間)の第1位置P1に配置された重送検知センサーMSの出力レベルに基づき、重送が発生しているか否かの重送検知を行う。以下、説明を分かり易くするため、第1位置P1を重送検知位置P1と称する。
原稿搬送制御部210は、重送が発生しているか否かの検知を行った結果、重送発生を検知しなければ、原稿搬送動作を停止させずに続行させる。一方で、原稿搬送制御部210は、重送発生を検知すれば、発生した重送が解消されるか否かを判断する。そして、原稿搬送制御部210は、発生した重送が解消されると判断した場合には、重送発生を検知したとしても、原稿搬送動作を停止させずに続行させ、発生した重送が解消されないと判断した場合には、原稿搬送動作を停止させる。以下に、発生した重送が解消されるか否かの判断動作について説明する。
たとえば、図7(A)に示すように、先行の原稿D(現時点で搬送すべき原稿D)に後行の原稿D(現時点で搬送すべきでない原稿D)が重なって搬送されることによって、後行の原稿Dが重送検知位置P1に至り、原稿搬送制御部210が重送発生を検知したとする。このとき、先行の原稿Dの先端と後行の原稿Dの先端との間の先端ズレ量が大きければ、図7(B)に示すように、先行の原稿Dの先端が搬送ローラー26に到達したときに、後行の原稿Dの先端がレジストローラー対25に到達しない場合がある。ここで、給紙部24は、先行の原稿Dの先端が搬送ローラー対26に到達したときに駆動を停止する。したがって、先行の原稿Dに後行の原稿Dが重なって搬送されたとしても、先行の原稿Dの先端が搬送ローラー対26に到達したことを受けて給紙部24が駆動を停止したときに、後行の原稿Dの先端がレジストローラー対25に到達していなければ、後行の原稿Dは搬送方向に搬送されない。このため、原稿搬送動作を停止させずに続行させると、図8に示すように、先行の原稿Dのみが搬送方向に搬送され、重送が解消される。
しかし、図9(A)および図9(B)に示すように、先行の原稿Dの先端と後行の原稿Dの先端との間の先端ズレ量が小さければ、先行の原稿Dの先端が搬送ローラー対26に到達する前に(給紙部24が駆動を停止する前に)、後行の原稿Dの先端がレジストローラー対25に到達する場合がある。この場合、原稿搬送動作を停止させずに続行させると、図10に示すように、先行の原稿Dと共に後行の原稿Dも搬送される。
このため、原稿搬送制御部210は、重送発生を検知した場合、重送検知位置P1において原稿Dの有りを検知した第1時点と重送発生を検知した第2時点との間の先端ズレ時間T1(本発明の「第1ズレ時間」に相当)を求める。たとえば、図7または図9の搬送状態の場合には、重送検知位置P1において先行の原稿Dの先端を検知した時点が第1時点となり、その後に重送発生位置である後行の原稿Dの先端を検知した時点が第2時点となる。すなわち、先端ズレ時間T1というのは、先行の原稿Dの先端が重送検知位置P1に到達してから後行の原稿Dの先端が重送検知位置P1に到達するまでのズレ時間に相当する。
この後、原稿搬送制御部210は、先端ズレ時間T1に基づき、発生した重送が解消されるか否かを判断する。たとえば、発生した重送が解消されるか否かの判断の基準となる閾値時間Tthが記憶部212に記憶される。この閾値時間Tthは、給紙部24が駆動を停止する時点での後行の原稿Dの先端位置がレジストローラー対25の搬送方向における上流側の位置となる場合の時間に設定される。
そして、原稿搬送制御部210は、先端ズレ時間T1が閾値時間Tth以上となっている場合には、発生した重送が解消されると判断する。たとえば、先端ズレ時間T1が閾値時間Tth以上となっている場合には、図7に示したように、給紙部24が駆動を停止したときの後行の原稿Dの先端位置がレジストローラー対25の搬送方向における上流側の位置となる。そして、この場合には、原稿搬送制御部210は、原稿搬送動作を停止させずに続行させる。すなわち、レジストローラー対25、搬送ローラー対26〜28および排紙ローラー29は駆動を続行する。
一方で、原稿搬送制御部210は、先端ズレ時間T1が閾値時間Tthを下回っている場合には、発生した重送が解消されないと判断する。たとえば、先端ズレ時間T1が閾値時間Tthを下回っている場合には、図9に示したように、給紙部24が駆動を停止する前に後行の原稿Dの先端がレジストローラー対25に到達する。そして、この場合には、原稿搬送制御部210は、原稿搬送動作を停止させる。すなわち、レジストローラー対25、搬送ローラー対26〜28および排紙ローラー29は駆動を停止する。
ところで、原稿D間の摩擦力が大きかったり、原稿D間に粘着材などが挟まっていたりすると、先端ズレ時間T1が閾値時間Tth以上であったとしても、発生した重送が解消されないことがある。すなわち、図7の状態から図8の状態に移行せず、先行の原稿Dに後行の原稿Dが重なったまま搬送される(図7の状態から図11の状態に移行する)。このため、原稿搬送制御部210は、重送発生を検知した第2時点以降も重送検知センサーMSの出力レベルの監視を続ける。そして、原稿搬送制御部210は、第2時点以降の重送検知センサーMSの出力レベルの監視結果が予め定められた重送解消条件を満たしているか否かを判断する。
たとえば、先端ズレ時間T1が閾値時間Tth以上であったにもかかわらず、図11(A)に示すように、先行の原稿Dに後行の原稿Dが重なったまま搬送されたとする。この場合、図11(B)に示すように、先行の原稿Dの後端と後行の原稿Dの後端との間の後端ズレ量が先端ズレ量と略同じであれば、発生した重送は解消されなかったと言える。
このため、原稿搬送制御部210は、重送検知位置P1において重送発生を検知しなくなった第3時点と原稿Dの無しを検知した第4時点との間の後端ズレ時間T2を求める。たとえば、図11の搬送状態を例にとると、重送検知位置P1を先行の原稿Dの後端が通過した時点が第3時点となり、その後に後行の原稿Dの後端が重送検知位置P1を通過した時点が第4時点となる。すなわち、後端ズレ時間T2というのは、先行の原稿Dの後端が重送検知位置P1を通過してから後行の原稿Dの後端が重送検知位置P1を通過するまでのズレ時間に相当する。
この後、原稿搬送制御部210は、先端ズレ時間T1と後端ズレ時間T2との差に基づき、発生した重送が解消されるか否かを判断する。たとえば、原稿搬送制御部210は、先端ズレ時間T1と後端ズレ時間T2との差の絶対値を求め、先端ズレ時間T1と後端ズレ時間T2との差の絶対値が重送解消条件を満たす値であるか否かを判断する。一例として、原稿搬送制御部210は、先端ズレ時間T1および後端ズレ時間T2の各値が同じであれば、発生した重送が解消されないと判断する。
原稿搬送制御部210は、先端ズレ時間T1と後端ズレ時間T2との差の絶対値が重送解消条件を満たす値でなければ、重送が発生している旨を報知するよう主制御部110に要求する。この要求を受けた主制御部110は、操作パネル101に指示し、図12に示すような報知画面ISを表示させる。たとえば、報知画面ISには、重送が発生している旨を報知するためのメッセージが配される。この場合には、操作パネル101が本発明の「報知部」に相当する。
(原稿搬送装置において行われる重送検知動作の流れ)
以下に、図13および図14に示すフローチャートに沿って、原稿搬送装置200において行われる重送検知動作の流れについて説明する。なお、図13および図14のフローチャートのスタートは、原稿搬送制御部210が主制御部110から原稿搬送動作の開始指示を受けたときである。
ステップS1において、原稿搬送制御部210は、重送検知センサーMSの出力レベルに基づき、重送検知位置P1における原稿Dの有無を検知する。その結果、原稿Dの有りを検知すれば、ステップS2に移行し、原稿搬送制御部210は、重送検知位置P1において原稿Dの有りを検知した第1時点のデータを取得する(第1時点のデータを記憶部212に記憶させる)。ここで取得するデータというのは、第1時点を起点とする時間(具体的には、重送が発生した場合の第1時点から第2時点までの時間)を算出するためのデータである。その後、ステップS3に移行する。一方で、ステップS1において、原稿Dの有りを検知しなければ、ステップS1の検知を続ける。
ステップS3に移行すると、原稿搬送制御部210は、重送検知位置P1において原稿Dの有りを検知したときの重送検知センサーMSの出力レベルが重送発生を示すレベルになっていたか否か(重送発生を検知したか否か)を判断する。すなわち、原稿搬送制御部210は、複数枚の原稿Dの各先端が略揃って重送検知位置P1に到達したか否かを判断する。その結果、重送検知センサーMSの出力レベルが重送発生を示すレベルになっていれば、ステップS4に移行し、原稿搬送制御部210は、重送が発生したと判定する(原稿搬送動作を停止する)。一方で、重送検知センサーMSの出力レベルが重送発生を示すレベルになっていなければ、ステップS5に移行する。
ステップS5に移行すると、原稿搬送制御部210は、重送検知センサーMSの出力レベルが重送発生を示すレベルになったか否かを判断する。その結果、重送発生を検知しなければ、ステップS6に移行する。そして、ステップS6において、原稿搬送制御部210は、重送検知センサーMSの出力レベルに基づき、重送検知位置P1における原稿Dの有無を検知する。その結果、原稿Dの無しを検知すれば、ステップS7に移行し、原稿搬送制御部210は、重送が発生していないと判定する(原稿搬送動作を続行する)。一方で、ステップS6において、原稿Dの無しを検知しなければ、ステップS5に移行する。
ここで、ステップS5において、重送発生を検知した場合には、ステップS8に移行する。ステップS8に移行すると、原稿搬送制御部210は、重送発生を検知した第2時点のデータを取得する(第2時点のデータを記憶部212に記憶させる)。そして、ステップS9において、原稿搬送制御部210は、重送検知位置P1において原稿Dの有りを検知した第1時点(先行の原稿Dの先端を検知した時点)と重送発生を検知した第2時点(重送発生位置である後行の原稿Dの先端を検知した時点)との間の先端ズレ時間T1が閾値時間Tth以上となっているか否かを判断する。その結果、先端ズレ時間T1が閾値時間Tth以上となっていなければ、ステップS4に移行し、原稿搬送制御部210は、重送が発生したと判定する(原稿搬送動作を停止する)。一方で、ステップS9において、先端ズレ時間T1が閾値時間Tth以上となっていれば、ステップS10に移行し、原稿搬送制御部210は、重送検知センサーMSの出力レベルの監視を続ける。
続いて、ステップS11において、原稿搬送制御部210は、重送検知センサーMSの出力レベルが重送発生を示すレベルを下回ったか否か(重送発生を検知しなくなったか否か)を判断する。その結果、重送発生を検知しなくなれば、ステップS12に移行し、重送発生を検知していれば、ステップS11の判断を繰り返す。
ステップS12に移行すると、原稿搬送制御部210は、重送検知位置P1において重送発生を検知しなくなった第3時点のデータを取得する(第3時点のデータを記憶部212に記憶させる)。そして、ステップS13において、原稿搬送制御部210は、重送検知センサーMSの出力レベルに基づき、重送検知位置P1における原稿Dの有無を検知する。その結果、原稿Dの無しを検知すれば、ステップS14に移行する。
ステップS14に移行すると、原稿搬送制御部210は、重送検知位置P1において原稿Dの無しを検知した第4時点のデータを取得する(第4時点のデータを記憶部212に記憶させる)。その後、ステップS15において、原稿搬送制御部210は、重送検知位置P1において重送発生を検知しなくなった第3時点と原稿Dの無しを検知した第4時点との間の後端ズレ時間T2を求め、先端ズレ時間T1と後端ズレ時間T2との差の絶対値が重送解消条件を満たす値であるか否かを判断する。その結果、先端ズレ時間T1と後端ズレ時間T2との差の絶対値が重送解消条件を満たす値であれば(先端ズレ時間T1と後端ズレ時間T2とが同じであれば)、ステップS16に移行し、先端ズレ時間T1と後端ズレ時間T2との差の絶対値が重送解消条件を満たす値でなければ、ステップS17に移行する。たとえば、先端ズレ時間T1および後端ズレ時間T2の各値が同じであれば、ステップS17に移行する。
ステップS16に移行した場合には、原稿搬送制御部210は、発生した重送が解消されると判定する(原稿搬送動作を続行する)。一方で、ステップS17に移行した場合には、原稿搬送制御部210は、重送が発生している旨を報知するよう主制御部110に要求する。すなわち、原稿搬送制御部210は、発生した重送が解消されないと判定する(ただし、原稿搬送動作は続行する)。この場合、主制御部110は、操作パネル101に指示し、図12に示したような報知画面ISを表示させる。なお、ステップS17に移行した場合に、原稿搬送動作を停止しても良い。
ところで、ステップS13において、原稿Dの無しを検知しなかったということは、先行の原稿Dおよび後行の原稿Dの各端部がずれた状態で重なり、先行の原稿Dに後行の原稿Dが連なって搬送されている場合(発生した重送が解消されない場合)もあるし、後行の原稿Dが重送検知位置P1に留まっている場合(発生した重送が解消される場合)もある。このため、ステップS13において、原稿Dの無しを検知しなければ、ステップS18に移行する。ステップS18に移行すると、原稿搬送制御部210は、たとえば、先行の原稿Dの後端が第2位置P2を通過する予定時間帯に第2位置P2での原稿Dの有無を検知する。そして、原稿Dの無しを検知すれば、ステップS16に移行し、原稿Dの無しを検知しなければ、ステップS17に移行する。なお、原稿Dの無しを検知したということは、先行の原稿Dに後行の原稿Dが重なっていなかったということである。一方で、原稿Dの無しを検知しなかったということは、先行の原稿Dに後行の原稿Dが重なっていた(後行の原稿Dが検知された)ということである。
本実施形態の原稿搬送装置200(シート搬送装置)は、原稿D(シート)が載置される原稿セットトレイ21(載置部)と、原稿セットトレイ21に載置された原稿Dを搬送方向に搬送して原稿搬送路22(シート搬送路)に供給し、原稿搬送路22に供給した原稿Dが予め定められた位置に到達したときに駆動を停止する給紙部24と、給紙部24の搬送方向における下流側に配置され、原稿搬送路22に供給された原稿Dを、搬送方向下流側へ搬送するレジストローラー対25(搬送ローラー)と、給紙部24とレジストローラー対25との間の重送検知位置P1に配置され、重送検知位置P1での原稿Dの有無および原稿Dの重なり枚数によって出力レベルを変動させる重送検知センサーMSと、重送検知センサーMSの出力レベルに基づいて、重送検知位置P1での原稿Dの有無を検知するとともに、先行の原稿D(第1シート)に重なって搬送される後行の原稿D(第2シート)の重送が発生しているか否かを検知する原稿搬送制御部210(重送検知部)と、を備える。そして、原稿搬送制御部210は、重送発生を検知した場合、重送検知位置P1において先行の原稿Dの先端を検知した第1時点と、重送発生位置である後行の原稿Dの先端を検知した第2時点との間の先端ズレ時間T1(第1ズレ時間)を求め、その先端ズレ時間T1が、給紙部24が駆動を停止する時点での後行の原稿Dの先端位置がレジストローラー対25の搬送方向における上流側の位置となる場合の時間に設定された閾値時間Tth以上となっているか否か判断し、レジストローラー対25は、先端ズレ時間T1が閾値時間Tth以上となっている場合には駆動を停止せずに続行する一方、先端ズレ時間T1が閾値時間Tthを下回っている場合には駆動を停止する。
本実施形態では、先行の原稿Dに後行の原稿Dが重なって重送検知位置P1に搬送されると、原稿搬送制御部210が重送発生を検知する。ここで、給紙部24は、原稿搬送路22に供給した原稿Dが予め定められた位置に到達したとき(先行の原稿Dが搬送ローラー対26に到達したとき)に駆動を停止する。このため、原稿搬送制御部210が重送発生を検知したとしても、給紙部24が駆動を停止する時点での後行の原稿Dの先端位置がレジストローラー対25の搬送方向における上流側の位置となる場合(先行の原稿Dの先端と後行の原稿Dの先端との間のズレ量が大きい場合)には、給紙部24が駆動を停止して以降、給紙部24による後行の原稿Dの搬送方向への搬送は行われず、かつ、レジストローラー対25による後行の原稿Dの搬送方向への搬送も行われない。したがって、先行の原稿Dのみがレジストローラー対25によって搬送方向に搬送されるので、重送は解消される。
そこで、原稿搬送制御部210は、重送発生を検知した場合、重送検知位置P1において先行の原稿Dの先端を検知した第1時点と、重送発生位置である後行の原稿Dの先端を検知した第2時点との間の先端ズレ時間T1を求め、その先端ズレ時間T1が閾値時間Tth以上となっているか否かを判断する。ここで、閾値時間Tthは、給紙部24が駆動を停止する時点での後行の原稿Dの先端位置がレジストローラー対25の搬送方向における上流側の位置となる場合の時間に設定される。このため、先端ズレ時間T1が閾値時間Tth以上となっていれば、給紙部24が駆動を停止する時点での後行の原稿Dの先端位置がレジストローラー対25の搬送方向における上流側の位置となる。すなわち、給紙部24が駆動を停止して以降、給紙部24による後行の原稿Dの搬送方向への搬送は行われず、かつ、レジストローラー対25による後行の原稿Dの搬送方向への搬送も行われないので、重送が解消される。
そして、レジストローラー対25は、先端ズレ時間T1が閾値時間Tth以上となっている場合(重送が解消される場合)には、駆動を停止せずに続行する。これにより、重送が発生したとしても、その重送が解消される場合には原稿搬送動作が停止されずに続行される。
ただし、場合によっては、発生した重送が解消されると判断して原稿搬送動作を停止させずに続行させたにもかかわらず、発生した重送が解消されないこともある。この場合には、重送が発生している旨を速やかにユーザーに認識させ、原稿搬送動作の停止指示をユーザーから受け付ける必要がある。仮に、重送が発生している旨をユーザーが認識できなければ、重送が発生したまま原稿搬送動作が続行される。
このため、本実施形態では、上記のように、原稿Dの搬送状態を報知する操作パネル101(報知部)を備える。そして、原稿搬送制御部210は、第2時点以降も重送検知センサーMSの出力レベルの監視を続け、重送検知位置P1において重送発生を検知しなくなった第3時点と原稿Dの無しを検知した第4時点との間の後端ズレ時間T2(第2ズレ時間)を求めるとともに、先端ズレ時間T1と後端ズレ時間T2との差の絶対値が予め定められた重送解消条件を満たす値であるか否かを判断し、操作パネル101は、先端ズレ時間T1と後端ズレ時間T2との差の絶対値が重送解消条件を満たす値でないと原稿搬送制御部210が判断したとき、重送が発生している旨を報知する。これにより、重送が発生したまま原稿搬送動作が続行されるのを抑制することができる。
この場合、原稿搬送制御部210は、少なくとも、先端ズレ時間T1および後端ズレ時間T2の各値が同じであれば、発生した重送が解消されないと判断する。これにより、容易に、発生した重送が解消されるか否かの判断を行うことができる。
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
21 原稿セットトレイ(載置部)
22 原稿搬送路(シート搬送路)
24 給紙部
25 レジストローラー対(搬送ローラー)
100 画像形成装置
200 原稿搬送装置(シート搬送装置)
210 原稿搬送制御部(重送検知部)
D 原稿(シート)
MS 重送検知センサー

Claims (5)

  1. シートが載置される載置部と、
    前記載置部に載置されたシートを搬送方向に搬送してシート搬送路に供給し、前記シート搬送路に供給したシートが予め定められた位置に到達したときに駆動を停止する給紙部と、
    前記給紙部の前記搬送方向における下流側に配置され、前記シート搬送路に供給されたシートを、前記搬送方向下流側へ搬送する搬送ローラーと、
    前記給紙部と前記搬送ローラーとの間の重送検知位置に配置され、前記重送検知位置でのシートの有無およびシートの重なり枚数によって出力レベルを変動させる重送検知センサーと、
    前記重送検知センサーの出力レベルに基づいて、前記重送検知位置でのシートの有無を検知するとともに、先行する第1シートに重なって搬送される第2シートの重送が発生しているか否かを検知する重送検知部と、を備え、
    前記重送検知部は、重送発生を検知した場合、前記重送検知位置において前記第1シートの先端を検知した第1時点と、重送発生位置である前記第2シートの先端を検知した第2時点との間の第1ズレ時間を求め、前記第1ズレ時間が、前記給紙部が駆動を停止する時点での前記第2シートの先端位置が前記搬送ローラーの前記搬送方向における上流側の位置となる場合の時間に設定された閾値時間以上となっているか否かを判断し、
    前記搬送ローラーは、前記第1ズレ時間が前記閾値時間以上となっている場合には駆動を停止せずに続行する一方、前記第1ズレ時間が前記閾値時間を下回っている場合には駆動を停止することを特徴とするシート搬送装置。
  2. シートの搬送状態を報知する報知部を備え、
    前記重送検知部は、前記第2時点以降も前記重送検知センサーの出力レベルの監視を続け、前記重送検知位置において重送発生を検知しなくなった第3時点とシート無しを検知した第4時点との間の第2ズレ時間を求めるとともに、前記第1ズレ時間と前記第2ズレ時間との差の絶対値が予め定められた重送解消条件を満たす値であるか否かを判断し、
    前記報知部は、前記第1ズレ時間と前記第2ズレ時間との差の絶対値が前記重送解消条件を満たす値でないと前記重送検知部が判断したとき、重送が発生している旨を報知することを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
  3. 前記重送検知部は、少なくとも、前記第1ズレ時間および前記第2ズレ時間の各値が同じであれば、発生した重送が解消されないと判断することを特徴とする請求項2に記載のシート搬送装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のシート搬送装置を備えていることを特徴とする原稿搬送装置。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のシート搬送装置または請求項4に記載の原稿搬送装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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