JP2015045245A - 鞍乗型車両のエアクリーナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】浄化室内へのコネクティングチューブの突出長さを所望するエンジンの出力特性に応じた長さに設定できるようにして、エンジンの出力特性の設定自由度を高めることのできる鞍乗型車両のエアクリーナ装置を提供する。【解決手段】クリーナケース58内にクリーナエレメント59を設置して、クリーナケース58内を浄化室76と未浄化室75とに隔成する。ケース本体60にクッション逃げ凹部(68)を設ける。ケース本体60の前端部に、コネクティングチューブ70の端部を浄化室76内に所定長さ突出した状態で取り付ける。クリーナエレメント59をクッション逃げ凹部68よりも前方側で、後端側が前端側よりも車幅方向外側となるように傾斜させて設置する。クリーナエレメント59とクッション逃げ凹部68の成形壁の間の空間部72に、コネクティングチューブ70の端部を挿通させた格好で配置する。【選択図】図6

Description

この発明は、自動二輪車やスクータ型車両等の鞍乗型車両のエアクリーナ装置に関するものである。
自動二輪車やスクータ型車両等の鞍乗型車両として、エンジンと動力伝達装置(変速機やベルト伝達装置等)を含むパワーユニットの前縁部が車体フレームに揺動可能に支持され、当該パワーユニットの後縁部に後輪が回転可能に支持されたユニットスイング式の鞍乗型車両が知られている。この種の鞍乗型車両として、パワーユニットの後縁部の後輪支持部よりも前方側位置が、略上下方向に沿って配置されるクッションユニットを介して、パワーユニットの上方側の車体フレームに支持され、エンジンの吸気を濾過するためのエアクリーナ装置がパワーユニットの前部側上部に一体に取り付けられたものが製造されている。
このような鞍乗型車両に用いられるエアクリーナ装置として、後輪懸架用のクッションユニットをスペース効率良く配置するために、クリーナケースの一部にクッション逃げ凹部を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に記載のエアクリーナ装置は、クリーナケースが、車幅方向内側に配置されるケース本体と、そのケース本体の車幅方向外側に取り付けられるケースカバーとから成り、その内部がクリーナエレメントによって上流側の未浄化室と下流側の浄化室とに隔成されている。ケースカバー側の前部には、外気を未浄化室内に導入するための吸気ダクトが接続され、ケース本体側の前部には、浄化室内の空気をエンジンの吸気部に導入するためのコネクティングチューブが接続されている。そして、ケース本体の後縁部の車幅方向内側に臨む側の面には、浄化室側(車幅方向外側)に向かって窪むクッション逃げ凹部が設けられ、そのクッション逃げ凹部内に、上下方向に延出するクッションユニットが配置されるようになっている。また、クリーナエレメントは、エレメント保持板に保持されてクリーナケース内のクッション逃げ凹部の成形壁に臨むように設置され、ケース本体の前部に接続されるコネクティングチューブの端部は浄化室内に所定長さ突出している。
特開2012−180803号公報
しかしながら、上記従来のエアクリーナ装置においては、クリーナケース内のクッション逃げ凹部の成形壁に対向する位置にクリーナエレメントが配置されているため、クッション逃げ凹部の成形壁とクリーナエレメントの間の隙間が狭くなり、浄化室内へのコネクティングチューブの延出長さがクッション逃げ凹部の成形壁によって制限される。
そこでこの発明は、浄化室内へのコネクティングチューブの突出長さを所望するエンジンの出力特性に応じた長さに設定できるようにして、エンジンの出力特性の設定自由度を高めることのできる鞍乗型車両のエアクリーナ装置を提供しようとするものである。
この発明に係る鞍乗型車両のエアクリーナ装置では、上記課題を解決するために以下の構成を採用した。
請求項1に係る発明は、エンジン(E)と動力伝達装置(M)とを含むパワーユニット(P)の前部が車体フレーム(F)に揺動可能に支持され、前記パワーユニット(P)の後部に後輪が支持されるとともに、前記パワーユニット(P)の後部が、当該後部から上方側に延出するクッションユニット(20)を介して前記車体フレーム(F)に支持される鞍乗型車両に用いられ、クリーナケース(58)が前記パワーユニット(P)の上部に支持され、前記クリーナケース(58)が、車幅方向内側に配置されるケース本体(60)と、当該ケース本体(60)の車幅方向外側に取り付けられるケースカバー(61)と、を有し、当該クリーナケース(58)の内部が、クリーナエレメント(59)を介して前記ケースカバー(61)側の未浄化室(75)と前記ケース本体(60)側の浄化室(76)とに隔成され、前記ケース本体(60)の後部には、前記クッションユニット(20)を避けるクッション逃げ凹部(68)が設けられ、前記ケース本体(60)の前部には、一端がエンジン(E)の吸気部に接続されるコネクティングチューブ(70)の他端が、前記浄化室(76)内に突出した状態で取り付けられたエアクリーナ装置において、前記クリーナエレメント(59)が、前記クリーナケース(58)内の前記クッション逃げ凹部(68)の成形壁(68a)よりも前方側で、且つ後端側が前端側よりも車幅方向外側となるように傾斜させて配置され、前記クリーナケース(58)内の前記クリーナエレメント(59)と前記クッション逃げ凹部(68)の成形壁(68a)との間に、前記コネクティングチューブ(70)の他端側を挿通させた格好で配置可能な空間部(72)が形成されていることを特徴とするものである。
これにより、ケース本体(60)の前部から浄化室(76)内に突出するコネクティングチューブ(70)の他端を、クリーナケース(58)内で車幅方向に斜めに傾斜したクリーナエレメント(59)と、クッション逃げ凹部(68)の成形壁(68a)との間の空間部(72)に挿通させた格好で配置することが可能となる。この結果、コネクティングチューブ(70)の他端の位置(突出端位置)は、クッション逃げ凹部(68)の成形壁(68a)の前方位置から車幅方向外側位置にかけての広い範囲で設定することが可能になる。したがって、浄化室(76)内でのコネクティングチューブ(70)の延出長さの設定自由度が高まる。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る鞍乗型車両のエアクリーナ装置において、前記コネクティングチューブ(70)の他端は、前記クッション逃げ凹部(68)の成形壁(68a)の車幅方向外側位置まで延出していることを特徴とするものである。
これにより、コネクティングチューブ(70)の全長を伸ばし、高い吸気慣性効果を得ることが可能になる。このため、低速トルクを高め、低速走行が主流となる小排気量の鞍乗型車両に好適に適用することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る鞍乗型車両のエアクリーナ装置において、前記クリーナエレメント(59)がエレメント保持板(62)に保持されるとともに、当該エレメント保持板(62)が前記ケース本体(60)と前記ケースカバー(61)の接合部(60a,61a)間に挟持固定され、前記エレメント保持板(62)のうちの前記クリーナエレメント(59)よりも後方位置には、少なくとも前記クッション逃げ凹部(68)の成形壁(68a)の車幅方向外側で、前記ケース本体(60)と前記ケースカバー(61)の接合部(60a,61a)よりも車幅方向外側に向かって突出する突出凹部(69)が形成され、前記コネクティングチューブ(70)の他端側の少なくとも一部が前記突出凹部(69)内に臨むように設けられていることを特徴とするものである。
これにより、エレメント保持板(62)との干渉を招くことなく、コネクティングチューブ(70)の他端の位置を浄化室(76)内のより後方側に配置することが可能になる。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る鞍乗型車両のエアクリーナ装置において、前記コネクティングチューブ(70)の他端側の開口部(70a)が前記突出凹部(69)内に臨んでいることを特徴とするものである。
これにより、コネクティングチューブ(70)の他端側の開口部(70a)が広い空間領域に臨むことになり、エンジンの運転時における吸気抵抗がより低減される。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る鞍乗型車両のエアクリーナ装置において、前記クッション逃げ凹部(68)の成形壁(68a)には、前記コネクティングチューブ(70)の他端の近傍を支持する支持片(67)が延設されていることを特徴とするものである。
これにより、コネクティングチューブ(70)の他端の近傍部が支持片(67)を介してクリーナケース(58)内に安定的に支持されることになる。また、コネクティングチューブ(70)の他端が、ケース本体(60)とケースカバー(61)の接合部(60a,61a)よりも車幅方向外側に位置されるように設定される場合であっても、車幅方向外側に向けて凸となったクッション逃げ凹部(68)の成形壁(68a)を利用し、小型の支持片(67)によってコネクティングチューブ(70)の他端の近傍を支持することができる。したがって、エアクリーナ装置の重量増加を抑制することが可能になる。
請求項6に係る発明は、請求項3〜5のいずれか1項に係る鞍乗型車両のエアクリーナ装置において、前記浄化室(76)内の前記クッション逃げ凹部(68)の成形壁(68a)の後方側には、第2の空間部(73)が形成され、前記突出凹部(69)は、前記クッション逃げ凹部(68)の成形壁(68a)の車幅方向外側から前記第2の空間部(73)に亘って形成されていることを特徴とするものである。
これにより、クッション逃げ凹部(68)の成形壁(68a)の後方のスペースを有効利用して浄化室(76)の容積を拡大することができる。また、突出凹部(69)が第2の空間部(73)に連続することから、コネクティングチューブ(70)が第2の空間部(73)を含む広い範囲から空気を円滑に吸い込むことになる。
請求項7に係る発明は、請求項3〜6のいずれか1項に係る鞍乗型車両のエアクリーナ装置において、前記エレメント保持板(62)のうちの前記クリーナエレメント(59)の上部後方側位置には、前記ケース本体(60)と前記ケースカバー(61)の接合部(60a,61a)よりも車幅方向外側に向かって突出し前記突出凹部(69)に連続する第2の突出凹部(74)が形成されていることを特徴とするものである。
これにより、クリーナエレメント(59)を通過した空気がクリーナエレメント(59)の後部上方側位置の第2の突出凹部(69)に臨む空間にも流れ、第2の空間部(74)により円滑に空気が流れ込むようになる。したがって、より円滑な吸気が可能になる。
請求項8に係る発明は、請求項3〜7のいずれか1項に係る鞍乗型車両のエアクリーナ装置において、前記ケースカバー(61)には、前記未浄化室(75)に外気を導入する吸気ダクト(63)が設けられ、前記エレメント保持板(62)の突出凹部(69)は、前記クリーナエレメント(59)の後方側において前記ケースカバー(61)との間で隙間(d)を形成することを特徴とするものである。
これにより、外気が吸気ダクト(63)を通して未浄化室(75)内に導入され、その外気が大き目のダストを含む場合には、クリーナエレメント(59)の後方側の、エレメント保持板(62)の突出凹部(69)とケースカバー(61)との隙間(d)によってそのダストが捕獲されるようになる。したがって、クリーナエレメント(59)のダストの付着量を抑制し、クリーナエレメント(59)の耐久性を高めることが可能になる。
請求項9に係る発明は、請求項3〜8のいずれか1項に係る鞍乗型車両のエアクリーナ装置において、前記ケースカバー(61)には、前記未浄化室(75)に外気を導入するための吸気ダクト(63)が前記未浄化室(75)内に突出した状態で取り付けられ、前記吸気ダクト(63)の前記未浄化室(75)内に突出する突出端部(63a)が前記クリーナエレメント(59)の前部下方位置に配置され、前記突出端部(63a)は、その軸線(c)が後部側に向かって上方に傾斜していることを特徴とするものである。
これにより、吸気ダクト(63)を通して未浄化室(75)内に導入された外気は、クリーナエレメント(59)の前部下方位置から後部上方側に向かって斜めに横断するように流れることになり、クリーナエレメント(59)上の広い範囲に分散してクリーナエレメント(59)を通過することになる。したがって、クリーナエレメント(59)の目詰まりの局所集中を回避し、クリーナエレメント(59)の耐久性を向上させることができる。特に、このエアクリーナ装置においては、クリーナエレメント(59)がエレメント保持板(62)の前部寄りに配置されることから、吸気ダクト(63)の端部がクリーナエレメント(59)の一部に近接することになるが、上記のように導入される外気をクリーナエレメント(59)上の広い範囲に分散され易くすることにより、クリーナエレメント(59)の目詰まりの局所集中を回避することができる。
請求項10に係る発明は、請求項9に係る鞍乗型車両のエアクリーナ装置において、前記突出端部(63a)は、その軸線(c)が後部側に向かって車幅方向外方に傾斜していることを特徴とするものである。
これにより、吸気ダクト(63)の突出端部(63a)がクリーナエレメント(59)の車幅方向の傾斜にほぼ沿うように配置されるため、クリーナエレメント(59)の目詰まりの局所集中をより抑制することが可能になる。
この発明によれば、ケース本体の前端部から浄化室内に突出するコネクティングチューブの他端を、クリーナケース内で斜めに傾斜したクリーナエレメントと、クッション逃げ凹部の成形壁との間の空間部に配置することができるため、浄化室内へのコネクティングチューブの突出長さを望まれるエンジンの出力特性に応じた長さに設定することができる。したがって、この発明によれば、エンジンの出力特性の設定自由度が高まる。
この発明の一実施形態のスクータ型車両の左側面図である。 この発明の一実施形態のスクータ型車両の車体側部カバーを取り去った部分拡大側面図である。 この発明の一実施形態のスクータ型車両の後半部の一部部品を取り去った上面図である。 この発明の一実施形態のエアクリーナ装置の側面図である。 この発明の一実施形態のエアクリーナ装置の一部部品を取り去った斜視図である。 この発明の一実施形態のエアクリーナ装置の図4のVI−VI断面に対応する断面図である。 この発明の一実施形態のエアクリーナ装置の図4のVII−VII断面に対応する断面図である。 この発明の一実施形態のエアクリーナ装置の図4のVIII−VIII断面に対応する断面図である。 この発明の一実施形態のエアクリーナ装置の図4のIX−IX断面に対応する断面図である。 この発明の一実施形態のエアクリーナ装置の図4のX−X断面に対応する断面図である。
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ車両における向きと同一とする。また、図中矢印FRは車両前方を、矢印LHは車両左側方を、矢印UPは車両上方をそれぞれ指すものとする。
図1は、鞍乗型車両の一形態であるスクータ型車両1の左側面を示す図である。このスクータ型車両1の車体フレームFは、前端にヘッドパイプ11が結合されるメインフレームパイプ12と、メインフレームパイプ12の後端に直交して結合されるクロスパイプ13と、クロスパイプ13の左右の端部に前端がそれぞれ結合される左右一対のリヤフレームパイプ14と、を備えている。各リヤフレームパイプ14は、前端側のクロスパイプ13との結合部から後上がりに傾斜して延出している。
メインフレームパイプ12は、ヘッドパイプ11から後下がりに傾斜したダウンフレーム部12aと、ダウンフレーム部12aの後端からほぼ水平に後方に延出するロアフレーム部12bとを有する。
ヘッドパイプ11には、前輪WFの両側に配置される一対の脚部15と、これら脚部15の上端を連結するブリッジ部材16とを有するフロントフォーク17が回動操作可能に支持され、左右の脚部15の下端間に前輪WFが軸支されている。フロントフォーク17の上端にはバータイプのハンドル18が結合されている。
クロスパイプ13には、後輪WRの前方側に配置されるエンジンEと、後輪WRの左側方に配置されるベルト式無段変速機M(動力伝達装置)とからなるユニットスイング式のパワーユニットPの前部が、リンク19を介して上下揺動可能に支持されている。また、後輪WRは、パワーユニットPの後部右側に回転可能に軸支され、左側のリヤフレームパイプ14とパワーユニットPの後部との間にはクッションユニット20が介装されている。このスクータ型車両1においては、後端側で後輪WRを支持する上下揺動可能なパワーユニットPと、クッションユニット20によってユニットスイング式のリヤサスペンションが構成されている。
なお、図1中27,29は、リヤフレームパイプ14の上部に設置された物品収納ボックスと燃料タンクであり、28は、物品収納ボックス27と燃料タンク29の上方側に開閉可能に設けられた乗員シートである。
また、車体フレームFとエンジンEや物品収納ボックス27、燃料タンク29等の周囲は合成樹脂製の車体カバー30によって覆われている。
車体カバー30は、ヘッドパイプ11周りを前方側から覆うフロントカバー31と、ヘッドパイプ11及びダウンフレーム部12a周りを後方から覆うフロントインナーカバー32と、ロアフレーム部12b周りを側方から覆う左右のアンダーサイドカバー34と、この左右のアンダーサイドカバー34の上縁部間に渡ってロアフレーム部12b周りを上方から覆うステップフロア37と、このステップフロア37の後端部から起立するように設けられて乗員シート28の前端部下側を前方側から覆うフロントセンターカバー38と、このフロントセンターカバー38の左右後方に連なるように設けられて左右のリヤフレームパイプ14、物品収納ボックス27及び燃料タンク29を側方から覆う左右のリヤサイドカバー36(車体側部カバー)と、左右のリヤサイドカバー36の後部上縁部間に渡るように設けられて乗員シート28の後端部下側を斜め上後方から覆うリヤセンターカバー39とを備えている。
なお、左側のリヤサイドカバー36は、乗員シート28とパワーユニットPの間で車体の左側方を覆っている。
図2は、リヤサイドカバー36を取り去ったスクータ型車両1の後部左側面を示す図であり、図3は、乗員シート28等の上部側の部品を取り去り、リヤフレームパイプ14とクッションユニット20を一部破断して示したスクータ型車両1の後部の上面図である。
パワーユニットPのエンジンEは、クランク軸(図示せず)を収容するクランクケース42と、内部に燃焼室(図示せず)が設けられるシリンダ部43とを備えている。シリンダ部43は、詳細な図示は省略するがシリンダブロック、シリンダヘッド、ヘッドカバー等から成り、クランクケース42の前端部から上部前方側に向かって突出している。このシリンダ部43は、パワーユニットPが車体フレームFに取り付けられた状態において、左右のリヤフレームパイプ14の前傾斜部の間から前方に突出している(図2参照)。
また、左右のリヤフレームパイプ14の前傾斜部の車幅方向外側には、ピリオンステップ41がステー40を介して折り畳み可能に支持されている。
クランクケース42内のクランク軸は、後輪WRの車軸と平行になるように車幅方向に沿って延出し、左側の側端部にベルト式無段変速機Mの入力側の機構部(図示せず)が接続されるとともに、右側の側端部に発電機や冷却ファン(いずれも図示せず)が接続されている。また、シリンダ部43は、前端部上面側に吸気管44が接続されるととともに、前端部下面側に排気管45が接続されている。
クランクケース42は、クランク軸を収容する本体部の左側側方に車体後方側に向かって延出する膨出領域(伝動ケース部)が設けられ、その膨出領域にベルト式無段変速機Mが収容されている。ベルト式無段変速機Mの後部には図示しない減速機構を介して後輪WRの車軸が支持されている。クランク軸に出力されたエンジンEの動力はベルト式無段変速機Mと減速機構を介して後輪WRの車軸に伝達される。ベルト式無段変速機Mは、クランク軸部分から後輪WRの車軸の近傍部に跨るように車体前後方向に延出している。このベルト式無断変速機Mの車幅方向の外側(左側方)は変速機カバー50によって覆われている。
また、エンジンEの吸気管44はスロットルボディ47とコネクティングチューブ70を介してエアクリーナ装置48に接続されている。エンジンEの吸気部にはエアクリーナ装置48で濾過された外気がコネクティングチューブ70と吸気管44を通して導入される。エアクリーナ装置48はクランクケース42の膨出領域の上方側に亘って配置されている。
一方、エンジンEの排気管45はエンジンEの下方から車体の右側に引き出され、後輪WRの右側方に配置されるサイレンサ49に接続されている。
なお、図中MSは、クランクケース42の前部下端に設置されたメインスタンドである。
ところで、変速機カバー50は、クランクケース42の左側部に配置されて、ベルト式無段変速機Mの側方を覆う部分であるが、その変速機カバー50の前端側には、変速機カバー50の内部に冷却空気(外気)を取り入れるための吸気口51が設けられている。吸気口51には、変速機カバー50内に外気を導入するための変速機冷却ダクト52が接続されている。この実施形態の場合、変速機冷却ダクト52は左側のリヤフレームパイプ14を通して外気を取り入れるようになっている。
また、クランクケース42の膨出領域(伝動ケース部)の後端部の上縁にはクッションユニット20の下端が連結されている。クランクケース42の膨出領域(伝動ケース部)に下端が連結されたクッションユニット20は、前部斜め上方側に向かって延出し、その上端部が左側のリヤフレームパイプ14の燃料タンク29の前部側位置に連結されている。さらに、クランクケース42の膨出領域(伝動ケース部)の上部には、エアクリーナ装置48の下縁部がボルト71(図2参照。)によって締結固定されている。
図4〜図10は、エアクリーナ装置48の詳細を示す図である。
エアクリーナ装置48は、車幅方向に奥行きを持つ合成樹脂製のクリーナケース58の内部にクリーナエレメント59が取付けられ、その内部がクリーナエレメント59によって外気に導通する未浄化室75とエンジンEの吸気部に導通する浄化室76とに隔成されている。クリーナケース58は、車幅方向の左側方に開口するケース本体60と、このケース本体60の開口を閉塞する浅い凹形状のケースカバー61とによって構成されている。ケース本体60とケースカバー61はいずれも型成形によって形成され、両者が付き合わせられる開口の周縁部に外向きフランジ60a,61a(接合部)が突設されている。ケース本体60とケースカバー61は、外向きフランジ60a,61a同士が複数のねじ(符号省略。)によって結合されている。
また、クリーナエレメント59は、その外側縁部が樹脂製のエレメント保持板62によって保持されている。エレメント保持板62の外周縁部には、厚み方向両側に突出する挟持枠62aが一体に形成され、その挟持枠62a部分が、外向きフランジ60a,61aにそれぞれ嵌装されたシール部材S1,S2を介してケース本体60とケースカバー61の外向きフランジ60a,61aによって挟持固定されるようになっている。
ここで、エレメント保持板62は、図5〜図7に示すように、ケース本体60とケースカバー61によって挟持される周縁の挟持枠62aに対して中央側領域が車幅方向外側方向(未浄化室75側)に膨出しており、その膨出した領域の前縁側にクリーナエレメント59が取り付けられている。クリーナエレメント59は、この状態で後端側が前端側よりも車幅方向外側となるように傾斜して設置されている。以下、エレメント保持板62の中央領域のうちの、クリーナエレメント59の後端部よりも後方側で車幅方向外側に膨出する領域を突出凹部69と呼ぶものとする。
ケース本体60は、外向きフランジ60aから車幅方向の中央側に向かって先窄まりとなって膨出し、その前壁60b部分にコネクティングチューブ70が接続されている。ケース本体60の前壁60bは、図3,図5〜図7に示すように、後述する屈曲壁65側から車幅方向中央に向けて車体後方側に傾斜して形成されている。また、ケース本体60の車幅方向内側に臨む側壁には、車幅方向外側に向かって凹状に窪むクッション逃げ凹部68が形成されている。このクッション逃げ凹部68は、凹状の断面形状が上下方向に連続し、図6に示すように、その断面の内側にクッションユニット20が挿通して配置されるようになっている。なお、クリーナケース58内でエレメント保持板62によって保持されたクリーナエレメント59は、図6,図7に示すように、クッション逃げ凹部68よりも前方側に位置されている。
また、ケースカバー61方向に凹状に膨出するエレメント保持板62の突出凹部69は、その一部が、クッション逃げ凹部68の成形壁68aの車幅方向外側に配置されている。
ケース本体60の前壁60bに接続されたコネクティングチューブ70は、その端部(他端)が前壁60bを貫通してクリーナケース58内に所定長さ突出している。
クリーナケース58内で車幅方向に傾斜して配置されたクリーナエレメント59と、ケース本体60のクッション逃げ凹部68の成形壁68aの間には、コネクティングチューブ70の端部側を挿通させた格好で配置可能な空間部72が確保されている。クリーナケース58内に突出したコネクティングチューブ70の端縁は空間部72内に挿入された格好で配置され、少なくともその一部がクッション逃げ凹部68の車幅方向外側位置に達する位置、具体的には、エレメント保持板62の突出凹部69内の浄化室76側に臨む位置まで延出している。この実施形態の場合、コネクティングチューブ70は、図6に示すように端部の開口部70aが突出凹部69内に臨む位置まで延出している。
空間部72内に挿入された格好で配置されたコネクティングチューブ70は、ケース本体60の前壁60bから後部側に向かって車幅方向外側に傾斜し、浄化室76内に充分な長さ突出している。これにより、コネクティングチューブ70を含むエンジン吸気側の軸長が確保され、エンジンEの充分な吸気慣性効果が得られるようになっている。ただし、コネクティングチューブ70の端縁の延出長さは、エンジンEの出力特性に応じて、開口部70aが突出凹部69内の車幅方向外側位置に達するまでの間の任意の長さに設定することができる。
また、図7に示すように、クッション逃げ凹部68の成形壁68aには、クリーナケース58内側で車幅方向外側に向かって突出する支持片67が突設され、その支持片67によってコネクティングチューブ70の端部が保持されるようになっている。
また、図6,図7に示すように、ケースカバー61のクッション逃げ凹部68の成形壁68aに隣接する後方側領域には、第2の空間部73が形成されている。この第2の空間部73には、エレメント保持板62の突出凹部69の後部領域が対向している。突出凹部69は、クッション逃げ凹部68の成形壁68aに車幅方向外側で対向する位置から第2の空間部73に跨るように湾曲して形成されている。したがって、浄化室76内の空間部72と第2の空間部73とはエレメント保持板62の突出凹部69を介して連続した比較的広い空間で滑らかに接続されている。
さらに、エレメント保持板62のうちクリーナエレメント59の上部後方側位置には、ケース本体60とケースカバー61の接合部(外向きフランジ60a,61a)よりも車幅方向外側に向かって突出し、突出凹部69に連続する第2の突出凹部74(図5,図9参照)が形成されている。これにより、クリーナエレメント59を通過した空気は第2の突出凹部74に臨む空間を通しても第2の空間部73に流れ込む。したがって、クリーナエレメント59を通過した空気の第2の空間部73方向への流れがスムーズになる。
また、エレメント保持板62の突出凹部69はケースカバー61の内壁に対して密着状態で当接しておらず、図6,図7,図9に示すように、ケースカバー61の内壁との間に微小な隙間dが確保されている。
一方、ケースカバー61の前壁61bの下方領域(クリーナエレメント59の下端に近接する領域)には、未浄化室75内に外気を導入するための吸気ダクト63が接続されている。この吸気ダクト63は、クリーナケース58の未浄化室75内に所定長さ突出している。吸気ダクト63のクリーナケース58内の突出端部63aは、前壁61bから斜め上方側、かつ車幅方向外側に向かって延出している。具体的には、吸気ダクト63の未浄化室75内の突出端部63aは、その軸線cが、図4に示すように後部側に向かって上方に傾斜し、かつ、図6,図7に示すように後部側に向かって車幅方向外方にも傾斜している。そして、吸気ダクト63のクリーナケース58内の突出端部63aは、車両側方からの側面視でクリーナエレメント59の一部に重なる位置まで延出している。
また、ケース本体60の前端部の下縁には、外向きフランジ60aよりも前方側に突出して吸気ダクト63の外側突出部の背面側(車幅方向内側)を覆う延長壁66が延設され、その延長壁66の上辺部から前辺部に亘る部位には車幅方向外側に屈曲する屈曲壁65が延設されている。これらの延長壁66と屈曲壁65は、吸気ダクト63の外側突出端の車幅方向内側(エンジンE側)と前方側を覆うことにより、エンジンEの熱や雨水等が吸気ダクト63から直接吸い入れられるのを抑制する。
なお、図6中の符号64は、ケース本体60の前縁部に設けられ、エンジンE内のブローバイガスを浄化室76内に導入するブローバイ還元室である。
また、ケースカバー61には、図4に示すように、車幅方向外側に位置される側壁61cの上部からケース本体60側に向けて延出する上壁61dが設けられているが、その上壁61dの前部側領域には、下方に向けて窪む凹形状部53が形成されている。この凹形状部53には、車体前後方向で後下がりに傾斜する取付座面54が設けられ、その取付座面54に吸入空気の温度を検出するための吸気温度センサ55が取り付けられている。この吸気温度センサ55は、検出部55aが未浄化室75内に臨むようにケースカバー61の外部から取り付けられ、ケースカバー61の外側に突出するコネクタ部55bに、図示しないエンジン制御装置に検出信号を送るためのハーネス56が接続されている。なお、凹形状部53内の取付座面54は、図10に示すように、車幅方向外側端が車幅方向内側端よりも低位となる車幅方向についても所定角度θだけ傾斜している。
この実施形態の場合、吸気温度センサ55は、ケースカバー61の取付座面54に形成された貫通孔54aに、ゴムブッシュ72を介して取り付けられている。したがって、吸気温度センサ55の取付けに際しては、ボルト等の締結部材やOリング等は不要となる。
また、吸気温度センサ55の検出部55aは、クリーナケース58の未浄化室75内において、クリーナエレメント59の上縁部側の一部と側方視でラップする位置まで延出している。つまり、検出部55aは、クリーナエレメント59の一部と対向する位置で吸入空気の温度を検出するようになっている。
また、ケース本体60とケースカバー61の上辺側の外向きフランジ60a,61aのうちの、ケースカバー61の上壁61dの凹形状部53に対応する位置(凹形状部53の車幅方向内側に位置される部位)には、下方に向けて凹状に窪む案内溝57が形成されている。この案内溝57には、吸気温度センサ55のコネクタ部55bに接続されたハーネス56が通され、ハーネス56がケースカバー61の上面の凹形状部53からエアクリーナ装置48の車幅方向内側に引き出されるようになっている。
この実施形態では、図3に示すように、クリーナケース58の案内溝57から車幅方向内側に引き出されたハーネス56は、ケース本体60の上面に沿わせて車体前方側に向きを変え、そのままクリーナケース58の前方側に向かって配線されている。ただし、このハーネス56の配線はこの実施形態のものに限らず、例えば、図3中の点線56aで示すように、クリーナケース58の案内溝57からケース本体60の上面の車幅方向に沿う窪み部73に沿わせてケース本体60の車幅方向内側端まで引き出し、そこからケース本体60の前壁60bに沿わせてコネティングチューブ70の下方を潜らせ、そのままクリーナケース58の前方側に向かって配線するようにしても良い。
ここで、図1,図2に示すように、車両の左右のリヤサイドカバー36は、その下縁部がクロスパイプ13の上部側方部付近から後斜め上方側に向かって傾斜している。そして、ケースカバー61の前部側領域に取り付けられた吸気温度センサ55のケースカバー61の上壁61dから外部に露出する部分は、左側のリヤサイドカバー36によって車幅方向外側が常に覆われるようになっている。つまり、ケースカバー61に取り付けられる吸気温度センサ55と、左側のリヤサイドカバー36の下縁部は、車両の走行時にパワーユニットPが上下方向に揺動した場合にも、吸気温度センサ55の露出部の側方が左側のリヤサイドカバー36によって隠されるように設定されている。
以上の構成において、スクータ型車両1のエンジンEが始動されると、外気が吸気ダクト63を通してエアクリーナ装置48の未浄化室75内に流入し、その外気は、図6の矢印に示すように、未浄化室75からクリーナエレメント59を通過して浄化室76内の空間部72に流入する。浄化室76内の空間部72に流入した外気は、浄化室76内の第2の空間部73に流入し、さらに図6の矢印に示すように、第2の空間部73からコネクティングチューブ70と吸気管44を通してエンジンEの吸気部に吸い入れられる。こうして外気がエアクリーナ装置48を通してエンジンEに連続的に吸入され、このとき外気中に混入しているダストがエアクリーナ装置48内のクリーナエレメント59によって除去される。即ち、吸気ダクト63からクリーナケース58内に吸い入れられた外気は、未浄化室75内において、クリーナエレメント59の前面側に拡散して広がり、クリーナエレメント59の広い範囲でダストを捕捉されて浄化室76内に流入し、ダストを除去された状態でコネクティングチューブ70からエンジンEに吸い入れられる。
この実施形態のエアクリーナ装置48では、クリーナエレメント59が、クリーナケース58内のクッション逃げ凹部68の成形壁68aよりも前方側で、後端側が前端側よりも車幅方向外側となるように傾斜させて配置されることにより、クリーナエレメント59とクッション逃げ凹部68の成形壁68aとの間に空間部72が確保され、その空間部72にコネクティングチューブ70の端部が挿通される構造とされているため、浄化室76内へのコネクティングチューブ70の突出長さを望まれるエンジンの出力特性に応じて充分に長く設定することができる。つまり、浄化室76内に突出するコネクティングチューブ70の端部の位置は、クッション逃げ凹部68の成形壁68aの前方位置から車幅方向外側位置にかけての広い範囲で設定することが可能になる。したがって、このエアクリーナ装置48を採用することにより、浄化室76内でのコネクティングチューブ70の延出長さの設定自由度が高まり、所望するエンジン出力特性に応じてコネクティングチューブ70の延出長さを適切に設定することが可能になる。
また、この実施形態のエアクリーナ装置48は、浄化室76内に突出するコネクティングチューブ70の端部を、クッション逃げ凹部68の成形壁68aの車幅方向外側位置まで延出させることにより、コネクティングチューブ70の全長を充分に伸ばし、高い吸気慣性効果を得ることができる。したがって、このエアクリーナ装置48は、低速トルクを効率良く高めることができ、低速走行が主流となる排気量が250cc以下の小排気量の車両に好適に適用することができる。
この実施形態のエアクリーナ装置48においては、エレメント保持板62のうちのクリーナエレメント59よりも後方位置に、挟持枠62aよりも車幅方向外側に向かって突出する突出凹部69が形成され、浄化室76内に突出したコネクティングチューブ70の端部が突出凹部69内に臨んでいるため、エレメント保持板62との干渉を招くことなく、浄化室76内に突出するコネクティングチューブ70の端部の位置をより後方側まで延出させることができる。
特に、この実施形態の場合、浄化室76内に突出するコネクティングチューブ70の開口部70aがエレメント保持輪板62の突出凹部69内に臨んでいるため、浄化された空気を吸い込む開口部70aが突出凹部69内の広い領域に臨むことになる。このため、エンジEの運転時における吸気抵抗をより低減することができる。
さらに、この実施形態のエアクリーナ装置48では、浄化室76内に突出するコネクティングチューブ70の端部の近傍を支持する支持片67が、クッション逃げ凹部68の成形壁68aに延設されているため、コネクティングチューブ70の端部の近傍をクリーナケース58内で安定的に支持することができる。この実施形態のように、コネクティングチューブ70の端部がケース本体60とケースカバー61の接合部よりも車幅方向外側に配置される場合には、ケース本体60側にコネクティングチューブ70の端部の近傍を支持させようとすると支持部の延出長さが長くなってしまうが、この実施形態では、車幅方向外側に向けて凸となったクッション逃げ凹部68の成形壁68aを利用することにより、小型の支持片67によってコネクティングチューブ70の端部の近傍をケース本体60に支持させることができる。したがって、この構造を採用することにより、エアクリーナ装置48全体の重量増加を抑制することができる。
また、この実施形態の場合、ケース本体60内のクッション逃げ凹部68の成形壁68aの後方側に、エレメント保持板62の突出凹部69を介して前方側の空間部72に連続する第2の空間部73が形成されているため、ケース本体60内のクッション逃げ凹部68の成形壁68aの後方のスペースを有効利用して浄化室76の容積を拡大することができる。このため、コネクティングチューブ70から浄化空気を円滑に吸い込ませることができる。
さらに、このエアクリーナ装置48は、エレメント保持板62のクリーナエレメント59の上部後方側位置に、挟持枠62aよりも車幅方向外側に向かって突出して突出凹部69に連続する第2の突出凹部74が形成されているため、クリーナエレメント59を通過した空気を、突出凹部69だけでなく第2の突出凹部74も通して第2の空間部73に円滑に流入させることができる。このため、コネクティングチューブ70の浄化空気の吸い込みをより円滑にすることができる。
また、この実施形態のエアクリーナ装置48は、ケースカバー61に吸気ダクト63が設けられ、クリーナエレメント59の後方側に位置されるエレメント保持板62の突出凹部69と、その外側を覆うケースカバー61の壁の間に、吸気ダクト63の突出端部63aに導通する微小な隙間dが設けられているため、吸気ダクト63を通して未浄化室75内に導入される外気が大き目のダストを含む場合に、そのダストを突出凹部69とケースカバー61の壁の間の隙間dによって捕捉することができる。したがって、これによって大きなダストがクリーナエレメント59に付着しにくくなり、その結果、クリーナエレメント59の耐久性を高めることが可能になる。
また、この実施形態のエアクリーナ装置48の場合、吸気ダクト63の未浄化室75内に突出する突出端部63aがクリーナエレメント59の下方位置に配置され、その突出端部63aの軸線cが後部側に向かって上方に傾斜しているため、吸気ダクト63を通して未浄化室75内に導入される外気は、クリーナエレメント59の前部下方位置から後部上方側に向かって斜めに横断するように流れる。これにより、吸気ダクト63から流入した外気がクリーナエレメント59上の一箇所に集中せず、クリーナエレメント59上の広い範囲に分散してクリーナエレメント59を通過するようになり、クリーナエレメント59の目詰まりの局所集中が抑制される。したがって、この点からもクリーナエレメント59の耐久性を高めることができる。
この実施形態のエアクリーナ装置48の場合、クリーナエレメント59がエレメント保持板62の前部寄りに斜めに配置され、吸気ダクト63の突出端部63aがクリーナエレメント59の一部に近接するが、外気をクリーナエレメント59上の広い範囲に分散されることにより、クリーナエレメント59の目詰まりの局所集中を有効に抑制することができる。
さらに、この実施形態の場合、吸気ダクト63の突出端部63aの軸線cが後部側に向かって車幅方向外方にも傾斜しているため、吸気ダクト63の突出端部63aがクリーナエレメント59の車幅方向の傾斜にほぼ沿うになる。このため、クリーナエレメント59の目詰まりの局所集中をより抑制することができる。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、エレメント保持板62は、コネクティングチューブ70をケース本体60に取り付けた後に、ケース本体60とケースカバー61の間に組み付けられるので、コネクティングチューブ70の開口部70aの外径寸法は、空間部72を挿通不能な寸法であっても良い。この場合、コネクティングチューブ70の開口部70aを除く他端領域の外径寸法を、その他端領域を空間部72に挿通させた格好で配置可能な寸法とし、開口部70aは、空間部72よりも広い空間である第2の空間部73内に位置させることが望ましい。
20…クッションユニット
48…エアクリーナ装置
58…クリーナケース
59…クリーナエレメント
60…ケース本体
60a…外向きフランジ(接合部)
61…ケースカバー
61a…外向きフランジ(接合部)
62…エレメント保持板
63…吸気ダクト
63a…突出端部
67…支持片
68…クッション逃げ凹部
68a…成形壁
69…突出凹部
70…コネクティングチューブ
70a…開口部
72…空間部
73…第2の空間部
74…第2の突出凹部
75…未浄化室
76…浄化室
E…エンジン
F…車体フレーム
M…ベルト式無断変速機(動力伝達装置)
P…パワーユニット
c…軸線
d…隙間

Claims (10)

  1. エンジン(E)と動力伝達装置(M)とを含むパワーユニット(P)の前部が車体フレーム(F)に揺動可能に支持され、前記パワーユニット(P)の後部に後輪が支持されるとともに、前記パワーユニット(P)の後部が、当該後部から上方側に延出するクッションユニット(20)を介して前記車体フレーム(F)に支持される鞍乗型車両に用いられ、
    クリーナケース(58)が前記パワーユニット(P)の上部に支持され、
    前記クリーナケース(58)が、車幅方向内側に配置されるケース本体(60)と、当該ケース本体(60)の車幅方向外側に取り付けられるケースカバー(61)と、を有し、当該クリーナケース(58)の内部が、クリーナエレメント(59)を介して前記ケースカバー(61)側の未浄化室(75)と前記ケース本体(60)側の浄化室(76)とに隔成され、
    前記ケース本体(60)の後部には、前記クッションユニット(20)を避けるクッション逃げ凹部(68)が設けられ、
    前記ケース本体(60)の前部には、一端がエンジン(E)の吸気部に接続されるコネクティングチューブ(70)の他端が、前記浄化室(76)内に突出した状態で取り付けられたエアクリーナ装置において、
    前記クリーナエレメント(59)が、前記クリーナケース(58)内の前記クッション逃げ凹部(68)の成形壁(68a)よりも前方側で、且つ後端側が前端側よりも車幅方向外側となるように傾斜させて配置され、
    前記クリーナケース(58)内の前記クリーナエレメント(59)と前記クッション逃げ凹部(68)の成形壁(68a)との間に、前記コネクティングチューブ(70)の他端側を挿通させた格好で配置可能な空間部(72)が形成されていることを特徴とする鞍乗型車両のエアクリーナ装置。
  2. 前記コネクティングチューブ(70)の他端は、前記クッション逃げ凹部(68)の成形壁(68a)の車幅方向外側位置まで延出していることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両のエアクリーナ装置。
  3. 前記クリーナエレメント(59)がエレメント保持板(62)に保持されるとともに、当該エレメント保持板(62)が前記ケース本体(60)と前記ケースカバー(61)の接合部(60a,61a)間に挟持固定され、
    前記エレメント保持板(62)のうちの前記クリーナエレメント(59)よりも後方位置には、少なくとも前記クッション逃げ凹部(68)の成形壁(68a)の車幅方向外側で、前記ケース本体(60)と前記ケースカバー(61)の接合部(60a,61a)よりも車幅方向外側に向かって突出する突出凹部(69)が形成され、前記コネクティングチューブ(70)の他端側の少なくとも一部が前記突出凹部(69)内に臨むように設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗型車両のエアクリーナ装置。
  4. 前記コネクティングチューブ(70)の他端側の開口部(70a)が前記突出凹部(69)内に臨んでいることを特徴とする請求項3に記載の鞍乗型車両のエアクリーナ装置。
  5. 前記クッション逃げ凹部(68)の成形壁(68a)には、前記コネクティングチューブ(70)の他端の近傍を支持する支持片(67)が延設されていることを特徴とする請求項4に記載の鞍乗型車両のエアクリーナ装置。
  6. 前記浄化室(76)内の前記クッション逃げ凹部(68)の成形壁(68a)の後方側には、第2の空間部(73)が形成され、前記突出凹部(69)は、前記クッション逃げ凹部(68)の成形壁(68a)の車幅方向外側から前記第2の空間部(73)に亘って形成されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の鞍乗型車両のエアクリーナ装置。
  7. 前記エレメント保持板(62)のうちの前記クリーナエレメント(59)の上部後方側位置には、前記ケース本体(60)と前記ケースカバー(61)の接合部(60a,61a)よりも車幅方向外側に向かって突出し前記突出凹部(69)に連続する第2の突出凹部(74)が形成されていることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の鞍乗型車両のエアクリーナ装置。
  8. 前記ケースカバー(61)には、前記未浄化室(75)に外気を導入する吸気ダクト(63)が設けられ、
    前記エレメント保持板(62)の突出凹部(69)は、前記クリーナエレメント(59)の後方側において前記ケースカバー(61)との間で隙間(d)を形成することを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の鞍乗型車両のエアクリーナ装置。
  9. 前記ケースカバー(61)には、前記未浄化室(75)に外気を導入するための吸気ダクト(63)が前記未浄化室(75)内に突出した状態で取り付けられ、
    前記吸気ダクト(63)の前記未浄化室(75)内に突出する突出端部(63a)が前記クリーナエレメント(59)の前部下方位置に配置され、前記突出端部(63a)は、その軸線(c)が後部側に向かって上方に傾斜していることを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項に記載の鞍乗型車両のエアクリーナ装置。
  10. 前記突出端部(63a)は、その軸線(c)が後部側に向かって車幅方向外方に傾斜していることを特徴とする請求項9に記載の鞍乗型車両のエアクリーナ装置。
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