JP2015040589A - 油圧式オートテンショナ - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの通常運転時およびスタータ・ジェネレータでのエンジン始動時のそれぞれにおいて適正な張力をベルトに付与することができるようにした油圧式オートテンショナを提供する。
【解決手段】ロッド16の下端部外周に雄ねじ30を設け、その雄ねじ30にねじ係合されたナット部材31をシリンダ10内において回転自在に支持し、かつ、軸方向への移動を規制する。雄ねじ30およびナット部材31の雌ねじ32を圧力側フランクのフランク角が遊び側フランクのフランク角より大きい鋸歯状とし、その鋸歯状ねじを、リターンスプリング20がシリンダ10およびロッド16を伸長する方向に押圧する弾性力の負荷に対してナット部材31が回転するゆるみ条件に設定すると共に、シリンダ10とロッド16を収縮させる急激なベルト押込み力の負荷に対してナット部材31の回転が阻止されるロック条件に設定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、オルタネータやウォータポンプ、エアコンディショナのコンプレッサ等の補機を駆動するベルトの張力調整用に用いられる油圧式オートテンショナに関する。
二酸化炭素の排出量を削減するため、車両の停止時にエンジンを停止し、アクセルペダルの踏み込による車両の発進時にエンジンを瞬時に始動させるISG(Integrated Starter Generator)のアイドルストップ機構が搭載されたエンジンが提案されている。
図8(a)は、エンジン補機駆動とエンジン始動を両立するISGのアイドルストップ機構が搭載されたエンジンのベルト伝動装置を示し、クランクシャフト1に取り付けられたクランクシャフトプーリPと、ISGのスタータ・ジェネレータ2の回転軸に取り付けられたスタータ・ジェネレータプーリPと、ウォータポンプ等の補機3の回転軸に取り付けられた補機プーリP間にベルト4を掛け渡し、エンジンの通常運転時、同図に示すように、クランクシャフトプーリPの矢印で示す方向の回転によりスタータ・ジェネレータ2および補機3を駆動し、スタータ・ジェネレータ2をジェネレータとして機能させるようにしている。
一方、スタータ・ジェネレータ2の駆動によるエンジンの始動時、スタータ・ジェネレータプーリPの矢印で示す方向の回転によりクランクシャフトプーリPを回転させて、スタータ・ジェネレータ2をスタータとして機能させるようにしている。
上記のようなベルト伝動装置においては、クランクシャフトプーリPとスタータ・ジェネレータプーリPにわたるベルト部4aにテンションプーリ5を設け、そのテンションプーリ5を回転自在に支持する揺動可能なプーリアーム6に油圧式オートテンショナAの調整力を付与してテンションプーリ5がベルト4を押圧する方向にプーリアーム6を付勢し、ベルト4の張力変化を油圧式オートテンショナAにより吸収するようにしている。
油圧式オートテンショナAとして、特許文献1に記載されたものが従来から知られている。この油圧式オートテンショナにおいては、内部にオイルが入れられたシリンダの上部開口をシール部材の組み込みにより閉塞し、そのシール部材をスライド自在に貫通するロッドをリターンスプリングによって突出する方向に付勢し、そのロッドの下端部に、ロッドに負荷される押込み力を緩衝する油圧ダンパ機構を設けている。
油圧ダンパ機構は、ロッドの下端部にシリンダ内径面に沿ってスライド可能なプランジャを接続し、このプランジャに、その下側に設けられた圧力室と上側に設けられたリザーバ室とを連通する通路を設け、その通路の下端部に、圧力室の圧力がリザーバ室の圧力より高くなると通路を閉じるチェックバルブを設けた構成とされている。
上記の構成からなる油圧式オートテンショナは、シリンダの下面に設けられた連結片を図8(a)に示すエンジンブロックEに回動自在に連結し、ロッドの上部に設けたばね座の上側の連結片をプーリアーム6に連結してロッドを回り止めし、ベルト4からテンションプーリ5およびプーリアーム6を介してロッドに押込み力が負荷された際に、チェックバルブを閉じ、圧力室内に封入されたオイルをバルブスリーブとロッドの摺動面間に形成されたリーク隙間に流動させ、その流動時のオイルの粘性抵抗により圧力室内に油圧ダンパ力を発生させて上記押込み力を緩衝するようにしている。
特開平9−177913号公報
ところで、従来の油圧式オートテンショナにおいては、ロッドに押込み力が負荷された際、圧力室内のオイルをバルブスリーブとロッドの摺動面間に形成された単一のリーク隙間からリークさせる構成であるため、エンジンの通常運転時およびスタータ・ジェネレータ2でのエンジン始動時のそれぞれにおいてベルト4に適正な張力を付与することができない。
すなわち、リーク隙間をエンジンの通常運転時におけるベルトの張力変動を吸収可能な大きさに設定すると、リーク隙間が大きいため、スタータ・ジェネレータ2の駆動によるエンジンの始動時にロッドが大きく押し込まれてベルト4に弛みが生じ、ベルト4とプーリP乃至Pの接触部で滑りが生じ、ベルト寿命の低下やスタータ・ジェネレータ2によるエンジン始動不良が起きる可能性がある。
一方、リーク隙間をスタータ・ジェネレータ2の駆動によるエンジンの始動時におけるベルト4の張力変動を吸収可能な大きさに設定すると、リーク隙間が小さいために、エンジンの通常運転時におけるベルト4の張力が高くなり過ぎてベルト4が過張力となり、ベルト4やプーリP乃至Pを回転自在に支持する軸受が損傷し易くなり、燃料の消費が多くなるという問題が生じる。
ここで、特開平10−122315号公報には、シール部材をスライド自在に貫通するロッドが急激に押し込まれた際に、鋸歯状ねじによるロック機構によりロッドをロックしてベルトを緊張状態に保持できるようにした油圧式オートテンショナが提案されており、上記ロック機構を特許文献1に記載の油圧式オートテンショナに採用することによってスタータ・ジェネレータ2の駆動によるエンジンの始動時にロッドが大きく押し込まれるのを防止することができるように考えられる。
しかし、特開平10−122315号公報に記載の油圧式オートテンショナはタイミングベルト用であってロッドがシリンダに対して相対回転可能であり、一方、特許文献1に記載の油圧式オートテンショナは、補機駆動用のものであってロッドはプーリアームに連結され、その連結によってロッドはシリンダに対して相対的に回転させることができない。このため、補機駆動用油圧式オートテンショナに上記ロック機構を採用した場合、ロック機構のナット部材は固定であるため、そのナット部材にねじ係合するロッドを回転させつつ軸方向に移動させることができなくなり、ロック機構を特許文献1に記載の油圧式オートテンショナに採用することができない。
この発明の課題は、エンジンの通常運転時およびスタータ・ジェネレータでのエンジン始動時のそれぞれにおいて適正な張力をベルトに付与することができるようにした油圧式オートテンショナを提供することである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、オイルが充填されたシリンダの上部開口をシール部材の組込みにより閉塞し、そのシール部材をスライド自在に貫通し、ベルト伝動装置への組み付けによって回り止めされるロッドの下端部を前記シリンダの内径面に沿って摺動可能なプランジャに接続し、前記プランジャには、その下側に設けられた圧力室と上側に設けられたリザーバ室とを連通する通路を設け、その通路に圧力室の圧力がリザーバ室より高くなると閉鎖するチェックバルブを組込み、前記シリンダとロッドをリターンスプリングによって伸長する方向に付勢した油圧式オートテンショナにおいて、前記ロッドの下端部外周に雄ねじを設け、その雄ねじにねじ係合されたナット部材を前記シリンダの内部に組み込んで回転自在に支持し、かつ、軸方向への移動を規制し、前記雄ねじおよびナット部材の内周に形成された雌ねじを、シリンダとロッドが収縮する方向の押込み力を受ける圧力側フランクのフランク角が遊び側フランクのフランク角より大きい鋸歯状とし、その鋸歯状ねじを、前記リターンスプリングがシリンダおよびロッドを伸長する方向に押圧する弾性力の負荷に対してナット部材が回転するゆるみ条件に設定すると共に、シリンダおよびロッドを収縮させる急激なベルト押込み力に対してナット部材の回転が阻止されるロック条件に設定した構成を採用したのである。
ここで、急激なベルト押込み力とは次のようなことをいう。たとえば、アイドルストップ機構などによってエンジン運転時からエンジンを停止し、ISGの始動によってエンジンを始動させると、テンショナに取り付けられたテンションプーリによって押圧される側のベルトの張力が、緩み側から張り側に変化する。このように、テンションプーリによって押圧される側のベルトの張力が、緩み側から張り側に変化するのに伴ってベルトの張力が急激に強くなることをいう。
上記の構成からなる油圧式オートテンショナにおいて、ISGのアイドルストップ機構が搭載されたエンジンの補機駆動用ベルト伝動装置におけるベルトの張力調整に際しては、エンジンブロック等のテンショナ取付け対象とテンションプーリを支持するプーリアームの一方にシリンダを連結し、他方にロッドの先端部を連結して、テンションプーリがクランクシャフトプーリとスタータ・ジェネレータプーリ間のベルト部を押圧する方向にプーリアームを付勢し、ベルトを緊張させる。
上記のようなベルト伝動装置への油圧式オートテンショナの組込み状態において、エンジンの通常運転状態でベルトの張力が強くなり、そのベルトからシリンダとロッドの双方に収縮させる方向の押込み力が負荷されると、圧力室内の圧力が高くなり、チェックバルブが閉鎖し、圧力室内のオイルがシリンダとプランジャの摺動面間に形成されたリーク隙間に流動し、そのオイルの粘性抵抗による油圧のダンパ作用によって上記押込み力が緩衝される。
このとき、ロッドの外周の雄ねじとナット部材の雌ねじのねじ係合部に形成される軸方向のねじ隙間は、エンジンの通常運転状態におけるベルトの張力変化を油圧ダンパ作用によって吸収可能な大きさに設定されている。このため、雄ねじと雌ねじのねじ係合部でのねじ山のフランクは接触せず、油圧ダンパによってのみベルトからの変動荷重が支持され、ベルトは適正張力に保持される。
ベルトの張力が弱くなると、リターンスプリングからシリンダおよびロッドの双方に弾性力が負荷され、シリンダとロッドが伸長する方向に相対移動して雄ねじと雌ねじの遊び側フランクが互いに接触する。この時、雄ねじと雌ねじのねじ係合部でのねじ山はゆるみ条件に設定されているため、ナット部材が回転し、シリンダとロッドは伸長する方向にスムーズに相対移動して、ベルトの張力とリターンスプリングのばね力とが釣り合う位置で停止する。
一方、スタータ・ジェネレータの駆動によるエンジン始動時、ベルトの張力は急激に大きくなり、ベルトからシリンダおよびロッドの双方に収縮させる大きなベルト押込み力が急激に負荷され、鋸歯状の雄ねじの圧力側フランクが雌ねじの圧力側フランクに接触する。このとき、雄ねじと雌ねじのねじ係合でのねじ山は、フランク角とリード角の関係からロック条件に設定されているため、ロッドは圧力側フランクが接触する状態でロックされて押し込まれることはない。そのため、ベルトはクランクシャフトを駆動するのに必要なベルト張力に保持され、ベルトとプーリ間のスリップが防止される。
エンジン始動後、スタータ・ジェネレータがジェネレータとしての機能に切り換わると、ベルトは張り側から弛み側に変化し、リターンスプリングの押圧によりシリンダとロッドは伸長し、雄ねじと雌ねじの圧力側フランクが互いに接触する。このとき、雄ねじと雌ねじのねじ係合部におけるねじ山はゆるみ条件であるため、ナット部材はロッドからの押圧により回転し、シリンダとロッドは円滑に伸長する。
この発明に係る油圧式オートテンショナにおいて、ナット部材の軸方向への移動を規制する手段として、シリンダ内に組み込まれてプランジャを摺動自在に支持するスリーブと、そのスリーブの上端面間にナット部材を収容可能とする間隔をおいてシリンダ内に取付けられた止め輪とからなるものを採用することができる。
ここで、止め輪とナット部材間に軸受を組み込んでおくと、ナット部材はその軸受で支持されるため円滑に回転し、シリンダとロッドを伸長する方向にスムーズに相対移動させることができる。
軸受として、スラスト玉軸受、スラストころ軸受、焼結含油金属からなるすべり軸受、低摩擦皮膜処理を施した金属からなるすべり軸受を採用することができる。
この発明に係る油圧式オートテンショナにおいては、上記のように、ロッドの下端部外周に雄ねじを設け、その雄ねじにねじ係合されたナット部材をシリンダの内部に組み込んで回転自在に支持し、かつ、軸方向への移動を規制し、前記雄ねじとナット部材の内周に形成された雌ねじのねじ山を鋸歯状とし、その鋸歯状ねじ山を、リターンスプリングがシリンダとロッドを伸長する方向に押圧する弾性力の負荷に対してナット部材が回転するゆるみ条件に設定すると共に、急激な押圧によるベルト押込み力の負荷に対してナット部材の回転が阻止されるロック条件に設定したことによって、エンジンの通常運転時およびスタータ・ジェネレータでのエンジン始動時のそれぞれにおいてベルトに適正な張力を付与することができる。
この発明に係る油圧式オートテンショナの実施の形態を示す縦断面図 図1の要部を拡大して示す断面図 図2に示されるロッドの雄ねじとナット部材の雌ねじのねじ係合部を拡大して示す断面図 雄ねじと雌ねじの圧力側フランクが互いに接触している状態の断面図 雄ねじと雌ねじの遊び側フランクが互いに接触している状態の断面図 軸受の他の例を示す断面図 軸受のさらに他の例を示す一部切欠斜視図 アイドルストップ機構が搭載されたエンジンのベルト伝動装置を示し、(a)はエンジンの通常運転状態を示す正面図、(b)はスタータ・ジェネレータによるエンジンの始動状態を示す正面図
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、下部が閉塞するシリンダ10は鋼製の底付きスリーブ11を内部に有し、下面には連結片12が設けられ、その連結片12が図8(a)に示されるプーリアーム6に対して連結可能とされている。
また、シリンダ10の上部開口にはシール部材としてのオイルシール13が組み込まれている。オイルシール13は止め輪15によって抜け止めされ、そのオイルシール13に形成されたロッド挿入孔14にロッド16がスライド自在に挿入されている。
ロッド16の上記シリンダ10の上端から外部に位置する上端部にはばね座17が設けられ、そのばね座17の上面に図8(a)に示されるテンショナ取付け対象としてのエンジンブロックEに連結される連結片18が設けられている。また、ばね座17の下面にはシリンダ10の上部開口を覆う筒状のダストカバー19が設けられている。
シリンダ10の外側にはリターンスプリング20が設けられている。リターンスプリング20の下端はシリンダ10の外周下部に設けられたフランジ21で支持され、上端はばね座17で支持されている。このリターンスプリング20はシリンダ10とロッド16を伸長する方向に付勢している。
シリンダ10の内部には、シリンダ10とロッド16を収縮する方向に付勢する押込み力を緩衝する油圧ダンパ機構22が設けられている。
油圧ダンパ機構22は、ロッド16の下端部にスリーブ11の内径面に沿って摺動可能なプランジャ23を接続し、そのプランジャ23に、その下側に設けられた圧力室24と上側に設けられたリザーバ室25とを連通する通路26を形成し、その通路26の圧力室24側の開口端にチェックバルブ27を設けている。
チェックバルブ27は、シリンダ10とロッド16が相対的に収縮して圧力室24の圧力がリザーバ室25の圧力より高くなると通路26を閉鎖するようになっている。
ロッド16とプランジャ23の接続に際し、ここでは、プランジャ23の上面にロッド挿入孔28を形成し、そのロッド挿入孔28にロッド16の下端部を挿入している。
図1および図2に示すように、ロッド16には、プランジャ23の上端面から上端側に少し偏った位置から長さ方向の中央部に至る範囲の外周に雄ねじ30が形成され、その雄ねじ30にナット部材31がねじ係合している。
ナット部材31は、スリーブ11の上端面に載置されて回転自在とされ、そのスリーブ11の上端面とシリンダ10の内径面に取り付けられた止め輪33によって軸方向への移動が規制されている。
止め輪33とナット部材31の対向部間には軸受34が組み込まれ、その軸受34と止め輪33間に微小な間隙35が設けられ、その間隙35の範囲内においてナット部材31が移動自在とされている。
軸受34として、図2ではスラスト玉軸受を採用しているが、スラスト玉軸受に限定されるものではない。例えば、図6に示すスラストころ軸受であってもよく、あるいは、図7に示すすべり軸受であってもよい。軸受34としてすべり軸受を採用する場合、ナット部材31を円滑に回転させるため、焼結含油金属やダイヤモンドライクカーボン(DLC)等の低摩擦皮膜処理を施した金属からなるものを採用するのが好ましい。
ロッド16の外周の雄ねじ30とナット部材31の内周に形成された雌ねじ32は、シリンダ10とロッド16の相互に収縮する方向の押込み力が負荷された際に、その押込み力を受ける圧力側フランク36のフランク角が遊び側フランク37のフランク角より大きい鋸歯状とされ、その鋸歯状ねじのフランク角とリード角の関係からロッド16はシリンダ10に対して相対的に伸長する方向(ロッド突出方向)にはゆるみ条件とされ、収縮する方向(ロッド押し込み方向)にはロック条件とされている。
ここで、ゆるみ条件とは、熱膨張の影響や経年変化により図8(a)に示されるベルト4が緩んだ場合において、リターンスプリング20の弾性力によってシリンダ10とロッド16が雄ねじ30と雌ねじ32のねじ係合部間に形成された軸方向のねじ隙間だけロッド突出方向に移動して雄ねじ30と雌ねじ32の遊び側フランク37が接触し、その接触部で滑りが生じる相対ねじ運動によりナット部材31が回転し、ロッド16が突出方向にスムーズに移動することをいう。
一方、ロック条件とは、図8(a)に示されるスタータ・ジェネレータ2の駆動によるエンジン始動時に、ベルト4の張力が急激に大きくなり、シリンダ10とロッド16の相互に急激に収縮する方向のベルト押込み力が作用した場合において、ロッド16が雄ねじ30と雌ねじ32のねじ係合部間に形成された軸方向のねじ隙間分だけロッド押し込み方向に移動して雄ねじ30および雌ねじ32の圧力側フランク36が互いに接触し、その接触部で滑りが生じることのないロック状態となってナット部材31が回転せず、ロッド16が停止状態に保持されることをいう。
なお、エンジンの駆動において、ベルト4の振動がシリンダ10とロッド16の相互に作用し、雄ねじ30と雌ねじ32が軸方向に相対移動して圧力側フランク36が間欠的に当接、離反を繰り返し、圧力側フランク36が互いに接触した際は、接触する圧力側フランク36の相対ねじ運動をロックすることなくナット部材31は少しずつ間欠的に回転して、シリンダ10とロッド16は収縮するようになっている。
実施の形態で示す油圧式オートテンショナは上記の構成からなり、図8(a)に示すアイドルストップ機構が搭載されたエンジンのベルト伝動装置への組込みに際しては、シリンダ10の閉塞端に設けた連結片12をプーリアーム6に連結し、ロッド16の上端部に設けられたばね座17の上面の連結片18をエンジンブロックEに連結して、プーリアーム6に調整力を付与する。
上記のようなベルト4の張力調整状態において、補機3の負荷変動等によってベルト4が振動すると、シリンダ10とロッド16はベルト4の張力変化にともなう変動荷重を受け、ベルト4から押込み力が負荷されると収縮し、その押し込み荷重が除荷されると、リターンスプリング20の弾性力によって伸長する。
その際、プランジャ23に保持されたチェックバルブ27が開閉する。チェックバルブ27は圧力室24内の圧力がリザーバ室25内の圧力より低くなると、通路26を開放し、リザーバ室25内のオイルが圧力室24内に流入する。また、圧力室24内の圧力がリザーバ室25内の圧力より高くなると、通路26を閉鎖し、圧力室24内のオイルによる油圧ダンパ作用によってベルト4の張力変化が吸収され、ベルト4は適正な張力に保持される。
エンジンの通常運転状態(通常走行時)において、ロッド16の雄ねじ30とナット部材31の雌ねじ32のねじ係合部間には、図3に示すように、軸方向のねじ隙間G、Gが設けられている。このねじ隙間G、Gはベルト4の張力変化を圧力室24内のオイルによる油圧ダンパ作用によって緩衝するのに十分な大きさとされており、雄ねじ30と雌ねじ32の圧力側フランク36および遊び側フランク37は接触せず、ベルト4からの変動荷重は圧力室24のオイルによる油圧ダンパによってのみ支持される。
ここで、圧力室24における圧力がリターンスプリング20の弾性力より高くなると、圧力室24内のオイルはスリーブ11とプランジャ23の摺動面間に形成されるリーク隙間38からリザーバ室25にリークし、そのリークするオイルの粘性抵抗によって圧力室24内に油圧ダンパ力が発生するため、上記リーク隙間38によって油圧ダンパのダンパ力を設定することができる。そのダンパ力を小さく設定することでベルト4の張力は低く保たれる。
一方、スタータ・ジェネレータ2の駆動によるエンジン始動時、ベルト4の張力は急激に大きくなり、シリンダ10とロッド16の相互に極めて大きなベルト押込み力が負荷される。このとき、雄ねじ30と雌ねじ32のねじ係合での軸方向のねじ隙間がなくなるまでシリンダ10とロッド16は相対的に押し込まれて、図4に示すように、雄ねじ30と雌ねじ32の圧力側フランク36が互いに接触する。
この場合、雄ねじ30と雌ねじ32のねじ係合部でのねじ山は、フランク角とリード角の関係からロック条件に設定されているため、ロッド16は圧力側フランク36が接触する状態でロックされてそれ以上押し込まれない。そのため、ベルト4はクランクシャフト1を駆動するのに必要なベルト張力に保持され、ベルト4とプーリP乃至P間でのスリップが防止される。
スタータ・ジェネレータ2によるエンジン始動後、クランクシャフトプーリPとスタータ・ジェネレータプーリPにわたるベルト部4aは張り側から弛み側に変化する。このとき、シリンダ10とロッド16が伸長する方向に相対移動すると、図5に示すように、雄ねじ30と雌ねじ32の遊び側フランク37が互いに接触する。
この場合、雄ねじ30と雌ねじ32のねじ係合部でのねじ山は、フランク角とリード角の関係からゆるみ条件に設定されているため、ナット部材31が回転し、シリンダ10とロッド16は伸長する方向にスムーズに相対移動する。
以上のように、実施の形態における油圧式オートテンショナにおいては、エンジンの通常運転時およびスタータ・ジェネレータ2でのエンジン始動時のそれぞれにおいてベルト4に適正な張力を付与することができる。
10 シリンダ
11 スリーブ
13 オイルシール(シール部材)
16 ロッド
20 リターンスプリング
23 プランジャ
24 圧力室
25 リザーバ室
26 通路
27 チェックバルブ
30 雄ねじ
31 ナット部材
32 雌ねじ
33 止め輪
34 軸受
36 圧力側フランク
37 遊び側フランク

Claims (6)

  1. オイルが充填されたシリンダの上部開口をシール部材の組込みにより閉塞し、そのシール部材をスライド自在に貫通し、ベルト伝動装置への組み付けによって回り止めされるロッドの下端部を前記シリンダの内径面に沿って摺動可能なプランジャに接続し、前記プランジャには、その下側に設けられた圧力室と上側に設けられたリザーバ室とを連通する通路を設け、その通路に圧力室の圧力がリザーバ室より高くなると閉鎖するチェックバルブを組込み、前記シリンダとロッドをリターンスプリングによって伸長する方向に付勢した油圧式オートテンショナにおいて、
    前記ロッドの下端部外周に雄ねじを設け、その雄ねじにねじ係合されたナット部材を前記シリンダの内部に組み込んで回転自在に支持し、かつ、軸方向への移動を規制し、前記雄ねじおよびナット部材の内周に形成された雌ねじを、シリンダとロッドが収縮する方向の押込み力を受ける圧力側フランクのフランク角が遊び側フランクのフランク角より大きい鋸歯状とし、その鋸歯状ねじを、前記リターンスプリングがシリンダおよびロッドを伸長する方向に押圧する弾性力の負荷に対してナット部材が回転するゆるみ条件に設定すると共に、シリンダおよびロッドを収縮させる急激なベルト押込み力に対してナット部材の回転が阻止されるロック条件に設定したことを特徴とする油圧式オートテンショナ。
  2. 前記ナット部材の軸方向への移動を規制する手段が、シリンダ内に組み込まれてプランジャを摺動自在に支持するスリーブと、そのスリーブの上端面間にナット部材を収容可能とする間隔をおいてシリンダ内に取付けられた止め輪とからなる請求項1に記載の油圧式オートテンショナ。
  3. 前記止め輪とナット部材間に、ナット部材を回転自在に支持する軸受を組み込んだ請求項2に記載の油圧式オートテンショナ。
  4. 前記軸受が、スラスト玉軸受又はスラストころ軸受からなる請求項3に記載の油圧式オートテンショナ。
  5. 前記軸受が、すべり軸受からなる請求項3に記載の油圧式オートテンショナ。
  6. 前記すべり軸受が、焼結含油金属又は低摩擦皮膜処理を施した金属からなる請求項5に記載の油圧式オートテンショナ。
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