JP6505794B2 - 油圧式オートテンショナ - Google Patents

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Description

この発明は、オルタネータやウォータポンプ、エアコンディショナのコンプレッサ等の補機を駆動するベルトの張力調整用に用いられる油圧式オートテンショナに関する。
二酸化炭素の排出量を削減するため、車両の停止時にエンジンを停止し、アクセルペダルの踏み込による車両の発進時にエンジンを瞬時に始動させるISG(Integrated Starter Generator)のアイドルストップ機構が搭載されたエンジンが提案されている。
図7は、エンジン補機駆動とエンジン始動を両立するISGのアイドルストップ機構が搭載されたエンジンのベルト伝動装置を示し、クランクシャフト51に取り付けられたクランクシャフトプーリPと、ISGのスタータ・ジェネレータ52の回転軸に取り付けられたスタータ・ジェネレータプーリPと、ウォータポンプ等の補機53の回転軸に取り付けられた補機プーリP間にベルト54を掛け渡し、エンジンの通常運転時、同図(a)に示すように、クランクシャフトプーリPの矢印で示す方向の回転によりスタータ・ジェネレータ52および補機53を駆動し、スタータ・ジェネレータ52をジェネレータとして機能させるようにしている。
一方、スタータ・ジェネレータ52の駆動によるエンジンの始動時、同図(b)に示すように、スタータ・ジェネレータプーリPの矢印で示す方向の回転によりクランクシャフトプーリPを回転させて、スタータ・ジェネレータ52をスタータとして機能させるようにしている。
上記のようなベルト伝動装置においては、クランクシャフトプーリPとスタータ・ジェネレータプーリPにわたるベルト部54aにテンションプーリ55を設け、そのテンションプーリ55を回転自在に支持する揺動可能なプーリアーム56に油圧式オートテンショナAの調整力を付与してテンションプーリ55がベルト54を押圧する方向にプーリアーム56を付勢し、ベルト54の張力変化を油圧式オートテンショナAにより吸収するようにしている。
油圧式オートテンショナAとして、特許文献1や特許文献2に記載されたものが従来から知られている。この油圧式オートテンショナにおいては、シリンダの底面上に突設されたバルブスリーブ内にロッドの下端部を摺動自在に挿入して、バルブスリーブ内に圧力室を形成し、上記ロッドの上端部に設けられたばね座とシリンダの底面間にリターンスプリングを組み込んで、ロッドとバルブスリーブを伸長する方向に付勢している。
また、シリンダの内周とバルブスリーブの外周間に密閉されたリザーバ室を設け、そのリザーバ室の下部と上記圧力室の下部をシリンダの底面部に形成された油通路で連通し、バルブスリーブの下端部内にはチェックバルブを組込み、ロッドに押込み力が負荷され、圧力室の圧力がリザーバ室の圧力より高くなった際、チェックバルブを閉鎖して油通路と圧力室の連通を遮断するようにしている。
上記の構成からなる油圧式オートテンショナは、シリンダの下面に設けられた連結片を図7(a)に示すプーリアーム56に連結し、ばね座の上面に設けられた連結片をエンジンブロックに回動自在に連結して、ベルト54からテンションプーリ55およびプーリアーム56を介してロッドに押込み力が負荷された際に、チェックバルブを閉じ、圧力室内に封入されたオイルをバルブスリーブとロッドの摺動面間に形成されたリーク隙間に流動させ、その流動時のオイルの粘性抵抗により圧力室内に油圧ダンパ力を発生させて上記押込み力を緩衝するようにしている。
特開2009−275757号公報 特開2012−241794号公報
ところで、従来の油圧式オートテンショナにおいては、ロッドに押込み力が負荷された際、圧力室内のオイルをバルブスリーブとロッドの摺動面間に形成された単一のリーク隙間からリークさせる構成であるため、エンジンの通常運転時およびスタータ・ジェネレータ52でのエンジン始動時のそれぞれにおいてベルト54に適正な張力を付与することができない。
すなわち、リーク隙間をエンジンの通常運転時におけるベルトの張力変動を吸収可能な大きさに設定すると、リーク隙間が大きいため、スタータ・ジェネレータ52の駆動によるエンジンの始動時にロッドが大きく押し込まれてベルト54に弛みが生じ、ベルト54とプーリP乃至Pの接触部で滑りが生じ、ベルト寿命の低下やスタータ・ジェネレータ52によるエンジン始動不良が生じる可能性がある。
一方、リーク隙間をスタータ・ジェネレータ52の駆動によるエンジンの始動時におけるベルト54の張力変動を吸収可能な大きさに設定すると、リーク隙間が小さいために、エンジンの通常運転時におけるベルト54の張力が高くなり過ぎてベルト54が過張力となり、ベルト54やプーリP乃至Pを回転自在に支持する軸受が損傷し易くなり、燃料の消費が多くなるという問題が生じる。
この発明の課題は、エンジンの通常運転時およびスタータ・ジェネレータでのエンジン始動時のそれぞれにおいて適正な張力をベルトに付与することができるようにした油圧式オートテンショナを提供することである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、オイルが入れられた底付きシリンダの底面上にバルブスリーブを突設し、そのバルブスリーブの内部にロッドの下端部を摺動自在に挿入してバルブスリーブ内に圧力室を設け、前記ロッドの上部に設けられたばね座とシリンダの底面間に、シリンダとロッドを伸張する方向に付勢するリターンスプリングを組込み、前記シリンダの内周とバルブスリーブの外周間にリザーバ室を設け、前記シリンダの底部には、そのリザーバ室の下部と前記圧力室の下部を連通する油通路を形成し、前記バルブスリーブの下端部内に前記圧力室の圧力がリザーバ室内の圧力より高くなると閉鎖して圧力室と油通路の連通を遮断する第1チェックバルブを設け、前記ロッドに押込み力が負荷された際に第1チェックバルブを閉じ、圧力室内のオイルを微小なリーク流路からリザーバ室にリークさせて圧力室内のオイルによる油圧ダンパ作用によってロッドに負荷される押込み力を緩衝するようにした油圧式オートテンショナにおいて前記リーク流路が、第1リークすきまと、前記第1リークすきまよりも流路抵抗が大きい第2のリークすきまからなり、前記ロッドには第1リークすきまと圧力室とを連通する連通路を設け、その連通路を前記第1チェックバルブより設定圧力が高くされた第2チェックバルブにより開閉自在とした構成を採用したのである。
上記の構成からなる油圧式オートテンショナにおいて、ISGのアイドルストップ機構が搭載されたエンジンの補機駆動用ベルト伝動装置におけるベルトの張力調整に際しては、エンジンブロック等のテンショナ取付け対象にシリンダを連結し、ロッド先端のばね座をテンションプーリを支持するプーリアームに連結して、テンションプーリがクランクシャフトプーリとモータ・ジェネレータプーリ間のベルト部を押圧する方向にプーリアームを付勢し、ベルトを緊張させる。
上記のようなベルト伝動装置への油圧式オートテンショナの組込み状態において、エンジンの通常運転状態でベルトの張力が強くなり、そのベルトからロッドに押込み力が負荷されると、圧力室内の圧力が高くなり、第1チェックバルブが閉鎖して、圧力室内のオイルは流路抵抗の小さな第1リークすきまからリザーバ室にリークし、第1リークすきまを流れるオイルの粘性抵抗により圧力室内に油圧ダンパ力が発生し、その油圧ダンパ力によって上記押込み力が緩衝され、ベルトは適正張力に保持される。
一方、スタータ・ジェネレータの駆動によるエンジン始動時、ベルトの張力は急激に大きくなって圧力室の圧力が急激に上昇する。この時、第1チェックバルブは閉鎖すると共に、その第1チェックバルブの閉鎖後、第2チェックバルブが連通路を閉鎖して、圧力室と第1リークすきまの連通を遮断する。
このため、圧力室のオイルは第2リークすきまからリザーバ室にリークする。その第2リークすきまの流路抵抗は大きいため、圧力室での圧力低下が少なく、圧力室での油圧ダンパ作用によりロッドの押し込みが抑制されてベルトはクランクシャフトを駆動するのに必要なベルト張力に保持され、ベルトとプーリ間のスリップが防止される。
ここで、ロッドとバルブスリーブの摺動面間にすきま量の異なる二つの円環状のリーク隙間を、すきま量の小さなリーク隙間が圧力室側に位置するよう軸方向に間隔をおいて設け、すきま量の大きなリーク隙間を第1リークすきまとし、すきま量の小さなリーク隙間を第2リークすきまとしてもよい。この場合、ロッドに第1リークすきまと圧力室とを連通する連通路を設け、その連通路に前記第2チェックバルブを組み込むようにする。
また、ロッドに、その下端面で開口する軸方向孔部と、その軸方向孔部の上端に連通してロッドの外径面で開口する径方向孔部を有するリーク通路を設けて圧力室とリザーバ室とを連通し、そのリーク通路の軸方向孔部内に円柱状のコアを組み込み、そのコアの外径面と軸方向孔部の内径面間に形成された円環状のリーク隙間を前記第1リークすきまとし、前記バルブスリーブとロッドの摺動面間に形成された円環状のリーク隙間を前記第2リークすきまとしてもよい。この場合、軸方向孔部の下部を連通路として、その連通路に第2チェックバルブを組み込むようにする。
さらに、ロッドに、その下端面で開口する軸方向孔部と、その軸方向孔部の上端に連通してロッドの外径面で開口する径方向孔部を有するリーク通路を設けて圧力室とリザーバ室とを連通し、そのリーク通路の軸方向孔部内に円柱状のコアを組み込み、そのコアの外径面に形成された螺旋状のオリフィスを前記第1リークすきまとし、前記バルブスリーブとロッドの摺動面間に形成された円環状のリーク隙間を前記第2リークすきまとしてもよい。この場合、上述のように、軸方向孔部の下部を連通路として、その連通路に第2チェックバルブを組み込むようにする。
この発明においては、上記のように、圧力室内の圧力上昇時に、その圧力室のオイルをリザーバ室にリークさせるリーク流路を、流路抵抗の異なる第1および第2の二つのリークすきまで形成し、流路抵抗の小さな一方の第1リークすきまを、圧力室の圧力変動により開閉し、第1チェックバルブより設定圧力が高くされた第2チェックバルブで開閉可能としたことにより、エンジンの通常運転時およびスタータ・ジェネレータでのエンジン始動時のそれぞれにおいてベルトに適正な張力を付与することができる。
参考例に係る油圧式オートテンショナの実施の形態を示す縦断面図 図1の第1リークすきまおよび第2リークすきまの形成部位を拡大して示す断面図 圧力室内のオイルが第1リークすきまからリークしている状態を示す断面図 圧力室内のオイルが第2リークすきまからリークしている状態を示す断面図 この発明に係る油圧式オートテンショナの実施の形態を示す断面図 この発明に係る油圧式オートテンショナの他の実施の形態を示す一部断面図 アイドルストップ機構が搭載されたエンジンのベルト伝動装置を示し、(a)はエンジンの通常運転状態を示す正面図、(b)はスタータ・ジェネレータによるエンジンの始動状態を示す正面図
以下、参考例の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、シリンダ1は底部を有し、その底部の下面に図7のプーリアーム56に連結される連結片2が設けられている。
連結片2には、一側面から他側面に貫通する軸挿入孔2aが設けられ、その軸挿入孔2a内に筒状の支点軸2bとその支点軸2bを回転自在に支持する滑り軸受2cとが組み込まれ、上記支点軸2b内に挿通されてプーリアーム56にねじ係合されるボルトの締め付けにより支点軸2bが固定され、連結片2がプーリアーム56に対して回動自在の取付けとされる。
シリンダ1の底面には、スリーブ嵌合孔3が設けられ、そのスリーブ嵌合孔3内に鋼製のバルブスリーブ4の下端部が圧入されている。バルブスリーブ4内にはロッド5の下部が摺動自在に挿入され、そのロッド5の挿入によって、バルブスリーブ4内には上記ロッド5の下側に圧力室6が設けられている。
ロッド5のシリンダ1の外部に位置する上端部にはばね座7が固定され、そのばね座7とシリンダ1の底面間に組込まれたリターンスプリング8は、シリンダ1とロッド5が相対的に伸張する方向に付勢している。
ばね座7の上端にはエンジンブロックに対して連結される連結片9が設けられている。連結片9には一側面から他側面に貫通するスリーブ挿入孔9aが形成され、そのスリーブ挿入孔9a内にスリーブ9bと、そのスリーブ9bを回転自在に支持する滑り軸受9cとが組み込まれ、上記スリーブ9b内に挿通されるボルトによって連結片9がエンジンブロックに回転自在に連結される。
ばね座7は成形品からなり、その成形時にシリンダ1の上部外周を覆う筒状のダストカバー10と、リターンスプリング8の上部を覆う筒状のスプリングカバー11とが同時に成形されて、ばね座7に一体化されている。
ここで、ばね座7は、アルミのダイキャスト成形品であってもよく、あるいは、熱硬化性樹脂等の樹脂の成形品であってもよい。
スプリングカバー11は、ばね座7の成形時にインサート成形される筒体12によって外周の全体が覆われている。筒体12は、鋼板のプレス成形品からなる。
シリンダ1の上側開口部内にはシール部材としてのオイルシール13が組込まれ、そのオイルシール13の内周が筒体12の外周面に弾性接触して、シリンダ1の上側開口を閉塞し、シリンダ1の内部に充填されたオイルの外部への漏洩を防止し、かつ、ダストの内部への侵入を防止している。
上記オイルシール13の組み込みにより、シリンダ1とバルブスリーブ4との間に密閉されたリザーバ室14が形成される。リザーバ室14と圧力室6は、スリーブ嵌合孔3とバルブスリーブ4の嵌合面間に形成された油通路15およびスリーブ嵌合孔3の底面中央部に形成された円形凹部からなる油溜り16を介して連通している。
バルブスリーブ4の下端部内には第1チェックバルブ17が組み込まれている。第1チェックバルブ17は、圧力室6内の圧力がリザーバ室14内の圧力より高くなると閉鎖して、圧力室6と油通路15の連通を遮断し、圧力室6内のオイルが油通路15を通ってリザーバ室14に流れるのを防止する。
図1および図2に示すように、バルブスリーブ4内に位置するロッド5の下端部には、二つの大径部5a、5bが上下に設けられ、その上部大径部5aの外径は下部大径部5bの外径より小径とされている。
図2に示すように、上部大径部5aの外径面とバルブスリーブ4の内径面間には円環状のリーク隙間21が形成され、そのリーク隙間21が第1リークすきまとされている。一方、下部大径部5bとバルブスリーブ4の摺動面間には円環状のリーク隙間22が形成され、そのリーク隙間22が第2リークすきまとされている。
第1リークすきま21と第2リークすきま22はすきま量の相違から、第1リークすきま21の流路抵抗が第2リークすきま22の流路抵抗より小さくなっている。第1リークすきま21および第2リークすきま22のそれぞれは、圧力室6内のオイルがそれぞれのリークすきま21、22に沿ってリークする際の粘性抵抗により圧力室6内に油圧ダンパ作用を生じさせるようになっている。
第1リークすきま21は、オイルのリークによって生じる油圧ダンパ作用によって図7(a)に示すエンジンの通常運転時におけるベルト54の張力変動を吸収可能とする大きさに設定されている。一方、第2リークすきま22は、図7(b)に示すスタータ・ジェネレータ52の駆動によるエンジン始動時にロッド5が急激に押し込まれることのない大きさに設定されている。
ロッド5の下端部には、圧力室6と第1リークすきま21を連通する連通路23が形成されている。連通路23は、ロッド5の下端面から軸方向に延びる軸方向孔部23aと、その軸方向孔部23aに交差して上部大径部5aの下部外径面で開口する径方向孔部23bとからなり、上記軸方向孔部23a内に第2チェックバルブ25が組み込まれている。
第2チェックバルブ25は、軸方向孔部23aに形成されたテーパ状のシート面24に対して接触離反自在とされたチェックボール26と、そのチェックボール26をシート面24から離反する方向に向けて付勢するスプリング27とからなり、軸方向孔部23aの下端部内にはチェックボール26を開放状態に保持するストッパリング28が圧入されている。
第2チェックバルブ25は、圧力室6内の圧力が高圧になるとチェックボール26がシート面24に接触して連通路23を閉鎖し、圧力室6と第1リークすきま21の連通を遮断するようになっている。この第2チェックバルブ25の設定圧は第1チェックバルブ17の設定圧より高く、第1チェックバルブ17の閉鎖後、圧力室6内の圧力がさらに上昇すると作動するようになっている。
バルブスリーブ4の内径面における上端部には環状溝29が形成され、その環状溝29内に止め輪30が組み込まれている。止め輪30の内周部はバルブスリーブ4の内径面より内方に位置し、その止め輪30の内周部に対する上部大径部5aの上端面の当接によってロッド5はバルブスリーブ4から抜け出るのが防止される。
実施の形態で示す油圧式オートテンショナは上記の構成からなり、図7(a)に示すアイドルストップ機構が搭載されたエンジンの補機駆動用ベルト伝動装置への組込みに際しては、シリンダ1の閉塞端に設けた連結片2をプーリアーム56に連結し、かつ、ばね座7の連結片9をエンジンブロックに連結して、そのプーリアーム56に調整力を付与する。
上記のようなベルト54の張力調整状態において、エンジンの通常運転状態において、補機53の負荷変動等によってベルト54の張力が変化し、上記ベルト54の張力が弱くなると、リターンスプリング8の押圧によりシリンダ1とロッド5が伸張する方向に相対移動してベルト54の弛みが吸収される。
ここで、シリンダ1とロッド5が伸張する方向に相対移動するとき、圧力室6内の圧力はリザーバ室14内の圧力より低くなるため、第1チェックバルブ17が開放する。このため、リザーバ室14内のオイルは油通路15から油溜り16を通って圧力室6内にスムーズに流れ、シリンダ1とロッド5は伸張する方向にスムーズに相対移動してベルト54の弛みを直ちに吸収する。
一方、ベルト54の張力が強くなると、ベルト54から油圧式オートテンショナのシリンダ1とロッド5を収縮させる方向の押込み力が負荷される。このとき、圧力室6内の圧力はリザーバ室14内の圧力より高くなるため、第1チェックバルブ17が閉鎖する。
また、第2チェックバルブ25のチェックボール26は、第1チェックバルブ17が完全に閉鎖した後において、圧力室6内の圧力上昇により上昇動してストッパリング28から離反するが、シート面24に接触する位置まで上昇動することはなく、開放状態に保持される。
ストッパリング28に対するチェックボール26の移動により、圧力室6内のオイルは連通路23に流れ、第1リークすきま21を流通してリザーバ室14にリークし、上記第1リークすきま21を流動するオイルによって圧力室6内に油圧ダンパ力が発生する。その油圧ダンパ力により、油圧式オートテンショナに負荷される上記押込み力が緩衝される。
このとき、第1リークすきま21は、エンジンの通常運転時におけるベルト54の張力変動を吸収可能な大きさに設定されているため、エンジンの通常運転時におけるベルト54の張力が高くなり過ぎることはなく、適正張力に保持される。
一方、スタータ・ジェネレータ52の駆動によるエンジン始動時、ベルト54の張力は急激に大きくなってロッド5に対する押込み力が強くなり、圧力室6の圧力が急激に上昇する。このとき、第1チェックバルブ17は閉鎖すると共に、第2チェックバルブ25のチェックボール26が上昇して、図4に示すように、シート面24と接触し、閉鎖状態となる。
第2チェックバルブ25の閉鎖により、連通路23は圧力室6と第1リークすきま21の連通を遮断する状態となるため、圧力室6内のオイルは図4の矢印で示すように、第2リークすきま22から第1リークすきま21内に流れてリザーバ室14内にリークする。
このとき、第2リークすきま22の流路抵抗は第1リークすきま21より大きいため、圧力室6内のオイルは第2リークすきま22内をゆっくりと流動する。このため、圧力室6での急激な圧力低下がなく、その圧力室6内の油圧ダンパ作用によってロッド5の押し込みが抑制され、ベルト54はクランクシャフト51を駆動するのに必要なベルト張力に保持され、ベルト54とプーリP乃至P間のスリップが防止される。
図5は、この発明に係る油圧式オートテンショナの実施の形態を示す。この実施の形態においては、ロッド5に圧力室6とリザーバ室14を連通するリーク通路31を設け、そのリーク通路31を、段付き孔からなる軸方向孔部32と、その軸方向孔部32の上端に連通してロッド5の外径面で開口する径方向孔部33で形成し、上記軸方向孔部32の中間孔部32a内に円柱状のコア34を組み込み、そのコア34の外径面と中間孔部32aの内径面間に形成された円環状のリーク隙間21を第1リークすきまとしている。
また、軸方向孔部32の連通路としての下側大径孔部32b内に第2チェックバルブ25を組込み、その第2チェックバルブ25を、軸心上に弁孔36が形成された筒状の弁座35と、上記弁孔36の下端に形成されたテーパ状のシート面37に対して接触離反自在に設けられたチェックボール38と、そのチェックボール38をシート面37から離反する方向に付勢するスプリング39とで形成し、上記チェックボール38をロッド5の下側大径孔部32b内に圧入した連通孔41を有するキャップ状のリテーナ40によって開放状態に保持するようにしている。
さらに、ロッド5を軸方向の全長にわたって同一外径の円筒状とし、その円筒状ロッド5をバルブスリーブ4の内周上端部に形成された小径孔部4a内に摺動自在に挿入して、その摺動面間に形成された円環状のリーク隙間22を第2リークすきまとしている。
さらに、また、ロッド5の下端部外周に環状溝42を設け、その環状溝42に止め輪43を取り付けて、小径孔部4aの下端面に対する止め輪43の当接によりロッド5を抜止めしている。
他の構成は図1に示す油圧式オートテンショナと同一であるため、ここでは、バルブスリーブ4とロッド5の関係のみを示している。
図5に示す油圧式オートテンショナにおいては、図7(a)に示すエンジンの通常運転状態において、ベルト54からロッド5に押込み力が負荷された際、圧力室6内のオイルをリーク通路31および流路抵抗の小さな第1リークすきま21からリザーバ室14にリークさせ、第1リークすきま21を流れるオイルの粘性抵抗により圧力室6内に油圧ダンパ力を発生させて、その油圧ダンパ力により上記押込み力を緩衝し、ベルト54を適正張力に保持するようにしている。
また、図7(b)に示すスタータ・ジェネレータ52の駆動によるエンジン始動時、ベルト54からロッド5に負荷される大きな押込み力により、第2チェックバルブ25を閉鎖させて、圧力室6内のオイルを流路抵抗の大きな第2リークすきま22からリザーバ室14にリークさせ、第2リークすきま22を流れるオイルの粘性抵抗により圧力室6内の急激な圧力の低下を抑制し、ロッド5が大きく押し込まれるのを防止して、ベルト54をクランクシャフト51を駆動するのに必要なベルト張力に保持している。
図5では、コア34の外径面と中間孔部32aの内径面間に形成された円環状のリーク隙間21を第1リークすきまとしたが、図6に示すように、コア34の外径面に螺旋状のオリフィス21を形成し、そのオリフィス21を第1リークすきまとしてもよい。
1 シリンダ
4 バルブスリーブ
5 ロッド
6 圧力室
7 ばね座
8 リターンスプリング
14 リザーバ室
15 油通路
17 第1チェックバルブ
21 第1リークすきま
22 第2リークすきま
23 連通路
25 第2チェックバルブ
31 リーク通路
32 軸方向孔部
33 径方向孔部
34 コア

Claims (2)

  1. オイルが入れられた底付きシリンダの底面上にバルブスリーブを突設し、そのバルブスリーブの内部にロッドの下端部を摺動自在に挿入してバルブスリーブ内に圧力室を設け、前記ロッドの上部に設けられたばね座とシリンダの底面間に、シリンダとロッドを伸張する方向に付勢するリターンスプリングを組込み、前記シリンダの内周とバルブスリーブの外周間にリザーバ室を設け、前記シリンダの底部には、そのリザーバ室の下部と前記圧力室の下部を連通する油通路を形成し、前記バルブスリーブの下端部内に前記圧力室の圧力がリザーバ室内の圧力より高くなると閉鎖して圧力室と油通路の連通を遮断する第1チェックバルブを設け、前記ロッドに押込み力が負荷された際に第1チェックバルブを閉じ、圧力室内のオイルを微小なリーク流路からリザーバ室にリークさせて圧力室内のオイルによる油圧ダンパ作用によってロッドに負荷される押込み力を緩衝するようにし、エンジンの通常運転時およびスタータ・ジェネレータでのエンジン始動時のそれぞれにおいてベルトに張力を付与する油圧式オートテンショナにおいて、
    前記リーク流路が、第1リークすきまと、前記第1リークすきまよりも流路抵抗が大きい第2リークすきまからなり、前記ロッドには第1リークすきまと圧力室とを連通する連通路を設け、その連通路を前記第1チェックバルブより設定圧力が高くされた第2チェックバルブにより開閉自在とし、
    前記ロッドに、その下端面で開口する軸方向孔部と、その軸方向孔部の上端に連通してロッドの外径面で開口する径方向孔部を有するリーク通路を設けて圧力室とリザーバ室とを連通し、そのリーク通路の軸方向孔部内に円柱状のコアを組み込み、そのコアの外径面と軸方向孔部の内径面間に形成された円環状のリーク隙間を前記第1リークすきまとし、前記バルブスリーブとロッドの摺動面間に形成された円環状のリーク隙間を前記第2リークすきまとし、前記軸方向孔部の下部を連通路として、その連通路に、前記圧力室の圧力が前記リザーバ室の圧力よりも低いときは前記連通路を開放状態に保持し、前記圧力室の圧力が前記リザーバ室の圧力よりも高圧になったときに前記連通路を閉鎖し、前記圧力室と前記第1リークすきまの連通を遮断する第2チェックバルブを組み込み、エンジンの通常運転時は、前記第1チェックバルブが閉鎖しても前記第2チェックバルブが開放状態に保持され、スタータ・ジェネレータでのエンジン始動時は前記第2チェックバルブが閉鎖状態となることを特徴とする油圧式オートテンショナ。
  2. オイルが入れられた底付きシリンダの底面上にバルブスリーブを突設し、そのバルブスリーブの内部にロッドの下端部を摺動自在に挿入してバルブスリーブ内に圧力室を設け、前記ロッドの上部に設けられたばね座とシリンダの底面間に、シリンダとロッドを伸張する方向に付勢するリターンスプリングを組込み、前記シリンダの内周とバルブスリーブの外周間にリザーバ室を設け、前記シリンダの底部には、そのリザーバ室の下部と前記圧力室の下部を連通する油通路を形成し、前記バルブスリーブの下端部内に前記圧力室の圧力がリザーバ室内の圧力より高くなると閉鎖して圧力室と油通路の連通を遮断する第1チェックバルブを設け、前記ロッドに押込み力が負荷された際に第1チェックバルブを閉じ、圧力室内のオイルを微小なリーク流路からリザーバ室にリークさせて圧力室内のオイルによる油圧ダンパ作用によってロッドに負荷される押込み力を緩衝するようにし、エンジンの通常運転時およびスタータ・ジェネレータでのエンジン始動時のそれぞれにおいてベルトに張力を付与する油圧式オートテンショナにおいて、
    前記リーク流路が、第1リークすきまと、前記第1リークすきまよりも流路抵抗が大きい第2リークすきまからなり、前記ロッドには第1リークすきまと圧力室とを連通する連通路を設け、その連通路を前記第1チェックバルブより設定圧力が高くされた第2チェックバルブにより開閉自在とし、
    前記ロッドに、その下端面で開口する軸方向孔部と、その軸方向孔部の上端に連通してロッドの外径面で開口する径方向孔部を有するリーク通路を設けて圧力室とリザーバ室とを連通し、そのリーク通路の軸方向孔部内に円柱状のコアを組み込み、そのコアの外径面に形成された螺旋状のオリフィスを前記第1リークすきまとし、前記バルブスリーブとロッドの摺動面間に形成された円環状のリーク隙間を前記第2リークすきまとし、前記軸方向孔部の下部を連通路として、その連通路に、前記圧力室の圧力が前記リザーバ室の圧力よりも低いときは前記連通路を開放状態に保持し、前記圧力室の圧力が前記リザーバ室の圧力よりも高圧になったときに前記連通路を閉鎖し、前記圧力室と前記第1リークすきまの連通を遮断する第2チェックバルブを組み込み、エンジンの通常運転時は、前記第1チェックバルブが閉鎖しても前記第2チェックバルブが開放状態に保持され、スタータ・ジェネレータでのエンジン始動時は前記第2チェックバルブが閉鎖状態となることを特徴とする油圧式オートテンショナ。
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