JP6250343B2 - 油圧式オートテンショナ - Google Patents

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この発明は、オルタネータやウォータポンプ、エアコンディショナのコンプレッサ等の補機を駆動するベルトの張力調整用に用いられる油圧式オートテンショナに関する。
二酸化炭素の排出量を削減するため、車両の停止時にエンジンを停止し、アクセルペダルの踏み込による車両の発進時にエンジンを瞬時に始動させるISG(Integrated Starter Generator)のアイドルストップ機構が搭載されたエンジンが提案されている。
図7(a)は、エンジン補機駆動とエンジン始動を両立するISGのアイドルストップ機構が搭載されたエンジンのベルト伝動装置を示し、クランクシャフト31に取り付けられたクランクシャフトプーリPと、ISGのスタータ・ジェネレータ32の回転軸に取り付けられたスタータ・ジェネレータプーリPと、ウォータポンプ等の補機33の回転軸に取り付けられた補機プーリP間にベルト34を掛け渡し、エンジンの通常運転時、同図に示すように、クランクシャフトプーリPの矢印で示す方向の回転によりスタータ・ジェネレータ32および補機33を駆動し、スタータ・ジェネレータ32をジェネレータとして機能させるようにしている。
一方、スタータ・ジェネレータ32の駆動によるエンジンの始動時、スタータ・ジェネレータプーリPの矢印で示す方向の回転によりクランクシャフトプーリPを回転させて、スタータ・ジェネレータ32をスタータとして機能させるようにしている。
上記のようなベルト伝動装置においては、クランクシャフトプーリPとスタータ・ジェネレータプーリPにわたるベルト部34aにテンションプーリ35を設け、そのテンションプーリ35を回転自在に支持する揺動可能なプーリアーム36に油圧式オートテンショナAの調整力を付与してテンションプーリ35がベルト34を押圧する方向にプーリアーム36を付勢し、ベルト34の張力変化を油圧式オートテンショナAにより吸収するようにしている。
油圧式オートテンショナAとして、特許文献1に記載されたものが従来から知られている。この油圧式オートテンショナにおいては、シリンダの底面上に突設されたバルブスリーブ内にロッドの下端部を摺動自在に挿入して、バルブスリーブ内に圧力室を形成し、上記ロッドの上端部に設けられたばね座とシリンダの底面間にリターンスプリングを組み込んで、ロッドとバルブスリーブを伸長する方向に付勢している。
また、シリンダの内周とバルブスリーブの外周間に密閉されたリザーバ室を設け、そのリザーバ室の下部と上記圧力室の下部をシリンダの底面部に形成された油通路で連通し、バルブスリーブの下端部内にはチェックバルブを組込み、ロッドに押込み力が負荷され、圧力室の圧力がリザーバ室の圧力より高くなった際、チェックバルブを閉鎖して油通路と圧力室の連通を遮断するようにしている。
上記の構成からなる油圧式オートテンショナは、ばね座の上面に設けられた連結片を図7(a)に示すエンジンブロックEに回動自在に連結し、シリンダの下面に設けられた連結片をプーリアーム36に連結して、ベルト34からテンションプーリ35およびプーリアーム36を介してロッドに押込み力が負荷された際に、チェックバルブを閉じ、圧力室内に封入されたオイルをバルブスリーブとロッドの摺動面間に形成されたリーク隙間に流動させ、その流動時のオイルの粘性抵抗により圧力室内に油圧ダンパ力を発生させて上記押込み力を緩衝するようにしている。
特開2012−241794号公報
ところで、従来の油圧式オートテンショナにおいては、ロッドに押込み力が負荷された際、圧力室内のオイルをバルブスリーブとロッドの摺動面間に形成されたリーク隙間からリークさせる構成であるため、エンジンの通常運転時およびスタータ・ジェネレータ32でのエンジン始動時のそれぞれにおいてベルト34に適正な張力を付与することができない。
すなわち、上記リーク隙間をエンジンの通常運転時におけるベルトの張力変動を吸収可能な大きさに設定すると、リーク隙間が大きいため、スタータ・ジェネレータ32の駆動によるエンジンの始動時にロッドが大きく押し込まれてベルト34に弛みが生じ、ベルト34とプーリP乃至Pの接触部で滑りが生じ、ベルト寿命の低下やスタータ・ジェネレータ32によるエンジン始動不良が起きる可能性がある。
一方、リーク隙間をスタータ・ジェネレータ32の駆動によるエンジンの始動時におけるベルト34の張力変動を吸収可能な大きさに設定すると、リーク隙間が小さいために、エンジンの通常運転時におけるベルト34の張力が高くなり過ぎてベルト34が過張力となり、ベルト34やプーリP乃至Pを回転自在に支持する軸受が損傷し易くなり、燃料の消費が多くなるという問題が生じる。
この発明の課題は、エンジンの通常運転時およびスタータ・ジェネレータでのエンジン始動時のそれぞれにおいて適正な張力をベルトに付与することができるようにした油圧式オートテンショナを提供することである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、オイルが入れられた底付きシリンダの底面上にバルブスリーブを突設し、そのバルブスリーブの内部にロッドの下端部を摺動自在に挿入してバルブスリーブ内に圧力室を設け、前記ロッドの上部に設けられたばね座とシリンダの底面間に、シリンダとロッドを伸張する方向に付勢するリターンスプリングを組込み、前記シリンダの内周とバルブスリーブの外周間にリザーバ室を設け、前記シリンダの底部には、そのリザーバ室の下部と前記圧力室の下部を連通する油通路を形成し、前記バルブスリーブの下部内に前記圧力室の圧力がリザーバ室内の圧力より高くなると閉鎖して圧力室と油通路の連通を遮断するチェックバルブを設け、前記ロッドに押込み力が負荷された際にチェックバルブを閉じ、圧力室内のオイルがバルブスリーブとロッドの摺動面間に形成されたリーク隙間からリークするオイルの粘性抵抗により圧力室内に油圧ダンパ力を発生させてロッドに負荷される押込み力を緩衝するようにした油圧式オートテンショナにおいて、前記バルブスリーブとロッドの摺動面間にシールリングを組み込んで、その摺動面間をシールし、そのシールリングが周方向の一部に合口を有し、その合口でのオイル流通量を前記リーク隙間でのオイル流通量より大きくし、かつ、圧力室内の急激な圧力上昇時にリーク隙間から合口にリークオイルが集中し、干渉してオイルの流通を阻害する大きさに設定した構成を採用したのである。
ここで、圧力室内の急激な圧力上昇時とは、たとえば、アイドルストップ機構などによって、エンジン運転時からエンジンを停止し、ISG始動によってエンジンを始動させると、テンショナに取り付けられたテンションプーリによって押圧される側のベルトの張力が、緩み側から張り側に変化する。このように、テンションプーリによって押圧される側のベルトの張力が、緩み側から張り側に変化するに伴ってベルトの張力が急激に強くなり、そのベルト張力によりテンショナが急激に押し込まれた場合の圧力上昇をいう。
この発明に係る油圧式オートテンショナにおいて、シールリングに形成された合口の大きさは、0.2mm〜2.0mmとされ、油圧式オートテンショナの用途や大きさ等によって必要とされるオイルの流速との関係より、上記大きさの範囲のなかから適宜に設定される。
具体的には、スタータ・ジェネレータの駆動によるエンジン始動時は、エンジンの通常運転状態と比べてオイルの流速が速い。したがって、エンジン始動時においては、オイルの流速が速いことからオイル同士が干渉することにより合口でオイル流量が規制される大きさに設定し、エンジンの通常運転状態においては、オイルの流速が遅いことから、合口でオイル流量が規制されることなく流動される大きさに設定すればよい。
上記の構成からなる油圧式オートテンショナにおいて、ISGのアイドルストップ機構が搭載されたエンジンの補機駆動用ベルト伝動装置におけるベルトの張力調整に際しては、エンジンブロック等のテンショナ取付け対象にシリンダを連結し、ロッド先端のばね座をテンションプーリを支持するプーリアームに連結して、テンションプーリがクランクシャフトプーリとモータ・ジェネレータプーリ間のベルト部を押圧する方向にプーリアームを付勢し、ベルトを緊張させる。
上記のようなベルト伝動装置への油圧式オートテンショナの組込み状態において、エンジンの通常運転状態でベルトの張力が強くなり、そのベルトからロッドに押込み力が負荷されると、圧力室内の圧力が高くなり、チェックバルブが閉鎖して、圧力室内のオイルはリーク隙間およびシールリングの合口に流動し、その流動時のオイルの粘性抵抗により圧力室内に油圧ダンパ力が発生し、その油圧ダンパ力によって上記押込み力が緩衝される。
このとき、リーク隙間によるオイル流通量は合口でのオイル流通量より少ないため、上記リーク隙間をエンジンの通常運転時におけるベルトの張力変動を吸収可能な大きさに設定することによって、リーク隙間にリークしたオイルは合口で流量が規制されることなく流動することになる。その結果、エンジンの通常運転時におけるベルトの張力が高くなり過ぎることはなく、適正張力に保持される。
一方、スタータ・ジェネレータの駆動によるエンジン始動時、ベルトの張力は急激に大きくなって圧力室の圧力が急激に上昇し、チェックバルブは閉鎖すると共に、圧力室内のオイルはリーク隙間およびシールリングの合口に流動する。このとき、オイルの圧力はエンジンの通常運転時におけるオイル圧力より高いため、リーク隙間でのオイルの流速は速く、円環のリーク隙間からシールリングの合口にリークオイルが集中して互いに干渉し合い、オイルの流出が阻害されることになる。
その結果、圧力室での圧力低下が少なく、圧力室での油圧ダンパ作用によりロッドの押し込みが抑制されてベルトはクランクシャフトを駆動するのに必要なベルト張力に保持され、ベルトとプーリ間のスリップが防止される。
この発明に係る油圧式オートテンショナにおいて、シールリングは合成樹脂からなるものであってもよい。
また、シールリングに形成された合口は、ストレートカット、アングルカット、ステップカットのいずれでもよい。
さらに、シールリングは、ロッドの外径面に形成されたリング溝に組込むようにしてもよく、あるいは、バルブスリーブの内径面に形成されたリング溝に組込むようにしてもよい。
この発明においては、上記のように、バルブスリーブとロッドの摺動面間にシールリングを組み込み、そのシールリングの周方向の一部に設けられた合口でのオイル流通量をバルブスリーブとロッドの摺動面間に形成されたリーク隙間でのオイル流通量より大きくし、かつ、圧力室内の急激な圧力上昇時にリーク隙間から合口にリークオイルが集中して干渉し合う大きさに設定したことによって、エンジンの通常運転時およびスタータ・ジェネレータでのエンジン始動時のそれぞれにおいてベルトに適正な張力を付与することができる。
この発明に係る油圧式オートテンショナの実施の形態を示す縦断面図 図1のII−II線に沿った断面図 図2に示すシールリングの斜視図 シールリングの他の例を示す斜視図 シールリングのさらに他の例を示す斜視図 シールリングの組込みの他の例を示す断面図 アイドルストップ機構が搭載されたエンジンのベルト伝動装置を示し、(a)はエンジンの通常運転状態を示す正面図、(b)はスタータ・ジェネレータによるエンジンの始動状態を示す正面図
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、シリンダ1は底部を有し、その底部の下面に図7(a)に示すプーリアーム36に連結される連結片2が設けられている。
連結片2には、一側面から他側面に貫通する軸挿入孔2aが設けられ、その軸挿入孔2a内に筒状の支点軸2bとその支点軸2bを回転自在に支持する滑り軸受2cとが組み込まれ、上記支点軸2b内に挿通されてプーリアーム36にねじ係合されるボルトの締め付けにより支点軸2bが固定され、その支点軸2bを中心にしてシリンダ1が揺動自在の取付けとされる。
シリンダ1の底面には、スリーブ嵌合孔3が設けられ、そのスリーブ嵌合孔3内に鋼製のバルブスリーブ4の下端部が圧入されている。バルブスリーブ4内にはロッド5の下部に設けられた大径部5aが摺動自在に挿入され、そのロッド5の挿入によって、バルブスリーブ4内に圧力室6が設けられている。
ロッド5のシリンダ1の外部に位置する上端部にはばね座7が固定され、そのばね座7とシリンダ1の底面間に組込まれたリターンスプリング8は、シリンダ1とロッド5が相対的に伸張する方向に付勢している。
ばね座7の上端には図7(a)に示すエンジンブロックEに連結される連結片9が設けられている。連結片9には一側面から他側面に貫通するスリーブ挿入孔9aが形成され、そのスリーブ挿入孔9a内にスリーブ9bと、そのスリーブ9bを回転自在に支持する滑り軸受9cとが組み込まれ、上記スリーブ9b内に挿通されるボルトによって連結片9がエンジンブロックEに回転自在に連結される。
ばね座7は成形品からなり、その成形時にシリンダ1の上部外周を覆う筒状のダストカバー10と、リターンスプリング8の上部を覆う筒状のスプリングカバー11とが同時に成形されて、ばね座7に一体化されている。
ここで、ばね座7は、アルミのダイキャスト成形品であってもよく、あるいは、熱硬化性樹脂等の樹脂の成形品であってもよい。
スプリングカバー11は、ばね座7の成形時にインサート成形される筒体12によって外周の全体が覆われている。筒体12は、鋼板のプレス成形品からなる。
シリンダ1の上側開口部内にはシール部材としてのオイルシール13が組込まれ、そのオイルシール13の内周が筒体12の外周面に弾性接触して、シリンダ1の上側開口を閉塞し、シリンダ1の内部に充填されたオイルの外部への漏洩を防止し、かつ、ダストの内部への侵入を防止している。
上記オイルシール13の組み込みにより、シリンダ1とバルブスリーブ4との間に密閉されたリザーバ室14が形成される。リザーバ室14と圧力室6は、スリーブ嵌合孔3とバルブスリーブ4の嵌合面間に形成された油通路15およびスリーブ嵌合孔3の底面中央部に形成された円形凹部からなる油溜り16を介して連通している。
バルブスリーブ4の下端部内にはチェックバルブ17が組み込まれている。チェックバルブ17は、圧力室6内の圧力がリザーバ室14内の圧力より高くなると閉鎖して、圧力室6と油通路15の連通を遮断し、圧力室6内のオイルが油通路15を通ってリザーバ室14に流れるのを防止する。
図1および図2に示すように、ロッド5の下部に設けられた大径部5aにはリング溝18が形成され、そのリング溝18内にシールリング20が組み込まれている。
シールリング20は、大径部5aの外径面とバルブスリーブ4の内径面間に形成されたリーク隙間19をシールしている。シールリング20は合成樹脂からなり、周方向の一部には合口21が設けられている。
合口21は、図3に示すように、軸心に平行するストレートカットからなるものであってもよく、あるいは、図4に示すように、軸心に対して傾斜するアングルカットからなるものであってもよい。さらに、図5に示すように、突合せ端面のそれぞれに突出部21aと凹部21bを設け、その突出部21aと凹部21bを対向する突合せ面の凹部21bと突出部21aに挿入させたステップカットからなるものであってもよい。
ここで、リーク隙間19は、エンジンの通常運転時におけるベルトの張力変動を吸収可能な大きさに設定されている。一方、合口21は、その合口21でのオイル流通量がリーク隙間19でのオイル流通量より大きくされ、しかも、圧力室6内が急激に圧力上昇して環状のリーク隙間19から合口21にリークオイルが集中した際、そのリークオイルが干渉し合って流通を阻害する大きさに設定されている。
図1に示すように、バルブスリーブ4の内径面における上端部には環状溝22が形成され、その環状溝22内に止め輪23が組み込まれている。止め輪23の内周部はバルブスリーブ4の内径面より内方に位置し、その止め輪23の内周部に対するロッド5の大径部5aの上端面の当接によってロッド5はバルブスリーブ4から抜け出るのが防止される。
実施の形態で示す油圧式オートテンショナは上記の構成からなり、図7(a)に示すアイドルストップ機構が搭載されたエンジンのベルト伝動装置への組込みに際しては、シリンダ1の閉塞端に設けた連結片2をプーリアーム36に連結し、かつ、ばね座7の連結片9をエンジンブロックEに連結して、そのプーリアーム36に調整力を付与する。
上記のようなベルト34の張力調整状態において、エンジンの通常運転状態において、補機33の負荷変動等によってベルト34の張力が変化し、上記ベルト34の張力が弱くなると、リターンスプリング8の押圧によりシリンダ1とロッド5が伸張する方向に相対移動してベルト34の弛みが吸収される。
ここで、シリンダ1とロッド5が伸張する方向に相対移動するとき、圧力室6内の圧力はリザーバ室14内の圧力より低くなるため、チェックバルブ17が開放する。このため、リザーバ室14内のオイルは油通路15から油溜り16を通って圧力室6内にスムーズに流れ、シリンダ1とロッド5は伸張する方向にスムーズに相対移動してベルト34の弛みを直ちに吸収する。
一方、ベルト34の張力が強くなると、ベルト34から油圧式オートテンショナのシリンダ1とロッド5を収縮させる方向の押込み力が負荷される。このとき、圧力室6内の圧力はリザーバ室14内の圧力より高くなるため、チェックバルブ17が閉鎖する。
また、圧力室6内のオイルは、バルブスリーブ4の内径面とロッド5の外径面間に形成されたリーク隙間19からシールリング20の合口21を流通してリザーバ室14内に流入し、上記リーク隙間19に流れるオイルの粘性抵抗によって圧力室6内に油圧ダンパ力が発生し、その油圧ダンパ力によって、油圧式オートテンショナに負荷される上記押込み力が緩衝される。
このとき、リーク隙間19によるオイル流通量はシールリング20における合口21でのオイル流通量より少なく、また、リーク隙間19はエンジンの通常運転時におけるベルト34の張力変動を吸収可能な大きさに設定されているため、リーク隙間19にリークしたオイルは合口21で流量が規制されることなく流動することになる。その結果、エンジンの通常運転時におけるベルト34の張力が高くなり過ぎることはなく、適正張力に保持される。
一方、スタータ・ジェネレータ32の駆動によるエンジン始動時、ベルト34の張力は急激に大きくなって圧力室6の圧力が急激に上昇し、チェックバルブ17は閉鎖すると共に、圧力室6内のオイルはリーク隙間19およびシールリング20の合口21に流動する。このとき、オイルの圧力はエンジンの通常運転時におけるオイル圧力より高いため、リーク隙間19でのオイルの流速は速く、円環のリーク隙間19からシールリング20の合口21にリークオイルが集中して互いに干渉し合い、オイルの流出が阻害されることになる。
そのため、圧力室6での急激な圧力低下がなく、その圧力室6内の油圧ダンパ作用によってロッド5の押し込みが抑制され、ベルト34はクランクシャフト31を駆動するのに必要なベルト張力に保持され、ベルト34とプーリP乃至P間のスリップが防止される。
図1では、ロッド5の下部に設けられた大径部5aにリング溝18を形成し、そのリング溝18内にシールリング20を組み込むようにしたが、図6に示すように、ロッド5を軸方向の全長にわたって同一径とし、バルブスリーブ4の上部に上記ロッド5が摺動自在に挿入される小径孔部4aを設け、その小径孔部4aの内径面にリング溝24を形成し、そのリング溝24内に合口21を有するシールリング20を組み込むようにしてもよい。
この場合、ロッド5の下端部外周に環状溝25を設け、その環状溝25に止め輪26を取り付けて、小径孔部4aの下端面に対する止め輪26の当接によりロッド5を抜止めする。
1 シリンダ
4 バルブスリーブ
5 ロッド
6 圧力室
7 ばね座
8 リターンスプリング
14 リザーバ室
15 油通路
17 チェックバルブ
18 リング溝
19 リーク隙間
20 シールリング
21 合口
24 リング溝

Claims (5)

  1. オイルが入れられた底付きシリンダの底面上にバルブスリーブを突設し、そのバルブスリーブの内部にロッドの下端部を摺動自在に挿入してバルブスリーブ内に圧力室を設け、前記ロッドの上部に設けられたばね座とシリンダの底面間に、シリンダとロッドを伸張する方向に付勢するリターンスプリングを組込み、前記シリンダの内周とバルブスリーブの外周間にリザーバ室を設け、前記シリンダの底部には、そのリザーバ室の下部と前記圧力室の下部を連通する油通路を形成し、前記バルブスリーブの下部内に前記圧力室の圧力がリザーバ室内の圧力より高くなると閉鎖して圧力室と油通路の連通を遮断するチェックバルブを設け、前記ロッドに押込み力が負荷された際にチェックバルブを閉じ、圧力室内のオイルがバルブスリーブとロッドの摺動面間に形成されたリーク隙間からリークするオイルの粘性抵抗により圧力室内に油圧ダンパ力を発生させてロッドに負荷される押込み力を緩衝するようにした油圧式オートテンショナにおいて、
    前記バルブスリーブとロッドの摺動面間にシールリングを組み込んで、その摺動面間をシールし、そのシールリングが周方向の一部に合口を有し、前記圧力室内のオイルが前記リーク隙間および前記シールリングの合口を通って前記リザーバ室に流入するときに、前記リーク隙間が上流側、前記シールリングの合口が下流側となるように前記リーク隙間および前記シールリングの合口を配置し、その合口でのオイル流通量を前記リーク隙間でのオイル流通量より大きくし、かつ、圧力室内の急激な圧力上昇時にリーク隙間から合口にリークオイルが集中し、干渉してオイルの流通を阻害する大きさに設定したことを特徴とする油圧式オートテンショナ。
  2. 前記シールリングが合成樹脂からなる請求項1に記載の油圧式オートテンショナ。
  3. 前記合口が、ストレートカット、アングルカット、ステップカットの一種からなる請求項1又は2に記載の油圧式オートテンショナ。
  4. 前記ロッドの外径面にリング溝を設け、そのリング溝に前記シールリングを組み込んだ請求項1乃至3のいずれか1項に記載の油圧式オートテンショナ。
  5. 前記バルブスリーブの内径面にリング溝を設け、そのリング溝に前記シールリングを組み込んだ請求項1乃至3のいずれか1項に記載の油圧式オートテンショナ。
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