JP5840864B2 - 補機用油圧式オートテンショナ - Google Patents

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Description

この発明は、オルタネータやウォータポンプ、エアコンディショナのコンプレッサ等の自動車補機を駆動するベルトの張力調整用に用いられる補機用油圧式オートテンショナに関する。
エンジンのクランクシャフトの回転をオルタネータ等の各種の自動車補機に伝えるベルト伝動装置においては、図6に示すように、ベルト31の弛み側に軸32を中心にして揺動可能なプーリアーム33を設け、そのプーリアーム33に油圧式オートテンショナAの調整力を付与して、プーリアーム33の揺動側端部に支持された回転可能なテンションプーリ34がベルト31を押圧する方向にプーリアーム33を付勢し、ベルト31の張力を一定に保持するようにしている。
上記のようなベルト伝動装置に使用される補機用油圧式オートテンショナAとして、特許文献1に記載されたものが従来から知られている。この補機用油圧式オートテンショナにおいては、オイルが充填された底付きシリンダの底面から起立するスリーブ内にロッドの下部を摺動自在に挿入してスリーブ内に圧力室を形成し、上記ロッドの上部に設けられたばね座とシリンダの底面間にリターンスプリングを組込んでロッドとシリンダを伸張する方向に付勢している。
また、ばね座の下部にリターンスプリングの上部を覆う筒状のスプリングカバーを設け、上記シリンダの上部開口に組込まれたシール部材の内周をスプリングカバーの外周に弾性接触させてシリンダとスリーブ間に密閉されたリザーバ室を形成し、そのリザーバ室と圧力室をシリンダの底部に形成された油通路で連通し、上記スリーブの下端開口部にチェックバルブを組込んでいる。
上記の構成からなる油圧式オートテンショナは、シリンダの下面に設けられた連結片をエンジンブロックに回動自在に連結し、ばね座の上面に設けられた連結片を図6に示すプーリアーム33に連結して、ベルト31からテンションプーリ34およびプーリアーム33を介してシリンダとロッドを収縮させる方向の押込み力が負荷された際に、チェックバルブを閉じ、圧力室内に封入されたオイルをスリーブとロッドの摺動面間に形成されたリーク隙間に流動させ、その流動時のオイルの粘性抵抗により圧力室内に油圧ダンパ力を発生させて上記押込み力を緩衝するようにしている。
上記油圧式オートテンショナにおけるダンピング荷重の設定はスリーブとロッドの摺動面間に形成されたリーク隙間の大きさを管理することによって行われ、そのリーク隙間を大きくするとダンピング荷重が小さくなり、逆に小さくするとダンピング荷重が大きくなる。
ここで、カム軸を駆動するタイミングベルトの張力調整に採用される油圧式オートテンショナにおいては、ベルト荷重が大きいため、リーク隙間を小さくしてダンピング荷重を大きな設定としているが、上記のような補機用の油圧式オートテンショナの場合は、ベルト荷重がタイミングベルトに比べて小さいために、リーク隙間を大きくして、ダンピング荷重を小さな設定としている。
特開2009−275757号公報
ところで、従来の油圧式オートテンショナにおいては、油圧ダンパ作用を生じさせるオイルとして、基油がポリアルファオレフィンとエステルの合成油とされ、40℃時の動粘度が90〜100mm/s、100℃時の動粘度が16〜18mm/sの比較的粘度の高いオイルを採用し、ダンピング荷重を小さな設定とするため、リーク隙間を20〜60μmの範囲としている。また、チェックバルブの弁孔を開閉するチェックボールの開閉量を0.2〜0.3mm程度としているため、以下のような問題があった。
すなわち、リーク隙間を20〜60μmの範囲としてダンピング荷重を小さな設定としているため、オートテンショナの振幅が増大し、収縮時に圧力室からリザーバ室に多くのオイルが流出することになる。一方、オートテンショナの伸長時には、チェックボールの開閉量が0.2〜0.3mmと小さいため、オイルの流出に見合う量のオイルがリザーバ室から圧力室内にスムーズに流入せず、流入量が不足することがある。特に、低温時には、オイル粘度がさらに高くなるため、圧力室内へのオイル流入量が不足し、ダンピング荷重が大幅に低下するという問題があった。
この発明の課題は、ダンピング荷重が小さく、高振幅の低温条件下においてもダンピング荷重の低下を抑制することができるようにした補機用油圧式オートテンショナを提供することである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、作動油が入れられた底付きシリンダの底部上面にスリーブ嵌合孔を設け、そのスリーブ嵌合孔内に下端部が挿入されたスリーブの内部にロッドの下端部を摺動自在に挿入して、そのスリーブ内に圧力室を形成し、前記ロッドの上部に設けられたばね座とシリンダの内底面間に、シリンダとロッドを伸張する方向に付勢するリターンスプリングを組込み、前記ばね座にリターンスプリングの上部を覆う筒状のスプリングカバーを設け、前記シリンダの上側開口部内に組込まれたシール部材の内周をスプリングカバーの外周に弾性接触させて、前記シリンダとスリーブ間に形成されたリザーバ室の貯留オイルの油面上に密閉された空気溜りを形成し、前記スリーブと前記スリーブ嵌合孔の嵌合面間に前記リザーバ室と前記圧力室を連通する油通路を設け、前記スリーブの下端部内に、圧力室の圧力がリザーバ室の圧力より高くなると閉じて圧力室と油通路の連通を遮断するチェックバルブを設け、そのチェックバルブが、弁孔を有するバルブシートと、そのバルブシートの弁孔を圧力室側から開閉するチェックボールと、そのチェックボールの開閉量を規制するバルブリテナとからなる補機用油圧式オートテンショナにおいて、前記スリーブとロッドの摺動面間に形成されるリーク隙間が15〜45μmとされ、前記チェックボールの開閉量が0.4〜1.0mmとされ、前記オイルが、40℃時の動粘度が20〜50mm/s、100℃時の動粘度が5〜10mm/sの低粘度オイルからなる構成を採用したのである。
上記のように、オイルとして、40℃時の動粘度が20〜50mm/s、100℃時の動粘度が5〜10mm/sとされた低粘度オイルを採用することにより、スリーブとロッドの摺動面間に形成されるリーク隙間を15〜45μmとすることで高粘度オイルを採用する前述の従来の補機用油圧式オートテンショナとほぼ同じ大きさのリークダウンタイムとすることができ、小さなダンピング荷重に設定することができる。そのようなリーク隙間の設定によってスリーブとロッドの嵌合面間におけるガタつきが小さなものとなり、スリーブとロッドが相対的に大きく傾いて伸縮するというようなことがなくなり、ベルトの張力変化に応じてスムーズに伸縮する。
上記のようなダンピング荷重の小さな設定においては、オートテンショナの振幅が増大し、圧力室からリザーバ室へのオイルの流出量も多くなり、チェックボールの開閉量が小さい場合にはリザーバ室から圧力室内に流入するオイル量が不足することになる。特に、低温時には、オイルの粘度も高くなるため、流入量が不足してダンピング荷重が低下することになる。しかし、この発明では、チェックボールの開閉量を0.4〜1.0mmの範囲としているため、リザーバ室から圧力室内にオイルがスムーズに流れて流入量が不足するというようなことはない。
このため、ダンピング荷重が小さく、高振幅の低温条件下においてもダンピング荷重の低下を抑制することができ、低温時の追従性の良好な補機用の油圧式オートテンショナを得ることができる。
この発明に係る補機用油圧式オートテンショナにおいて、スリーブとロッドが相対的に最も伸長する抜止め状態においてスプリングカバーの下端部がスリーブの上端部と高さ方向でオーバラップするようスプリングカバーの軸方向長さを設定することにより、ロッドがスリーブ内に押し込められるオートテンショナの収縮時に、圧力室内のオイルは、リーク隙間を通ってスリーブの上端開口からスプリングカバー内に流出して、シール部材側に飛散することがなくなり、圧力室からのリークオイルをリザーバ室内にスムーズにリターンさせることができる。
また、チェックバルブのバルブシートに形成された弁孔の内径をφ2.5〜φ3.0mmとし、チェックボールのボール径をφ3.0〜φ3.5mmとすることによって、チェックボールの開放時に、リザーバ室内のオイルを圧力室にスムーズに流入させることができ、圧力室内へのオイル流入量が不足するのを確実に防止することができる。
さらに、油通路を複数とすることにより、複数の油通路が異物の詰りにより同時に塞がれるのを防止することができる。そして、その複数の油通路の上側開口の開口面積の総和を弁孔の面積の2倍以上とすることにより、油圧式オートテンショナの伸長による圧力室の圧力低下時に、リザーバ室内のオイルを油通路から圧力室内に確実に流入させることができる。
ここで、粘度の低い流動性に優れた低粘度オイルを採用しても、低温時には圧力室内から流出したオイルはリザーバ室に戻り難く、リザーバ室から圧力室へのオイル流入量が不足して、圧力室内にエアが流入する可能性が生じる。そのような不都合の発生を未然に防止するため、オイル封入量は、スリーブとロッドが相対的に最も伸長した状態での内部空間容積の40%以上としておくのがよい。
チェックバルブとして、チェックボールを弁孔に向けて付勢するバルブスプリングを有するものを採用することにより、圧力室の圧力が高くなると同時にチェックボールが弁孔を閉鎖することになるため、圧力室内のオイルによる油圧ダンパが直に作用し、ベルトのバタツキを瞬時に抑制することができる。
この発明においては、上記のように、40℃時の動粘度が20〜50mm/s、100℃時の動粘度が5〜10mm/sの低粘度オイルを採用して、スリーブとロッドの摺動面間に形成されるリーク隙間を15〜45μmとし、チェックボールの開閉量を0.4〜1.0mmとしたことにより、ダンピング荷重が小さく、高振幅の低温条件下においてもダンピング荷重の低下を抑制することができ、低温時の追従性の良好な補機用の油圧式オートテンショナを得ることができる。
この発明に係る油圧式オートテンショナの実施の形態を示す縦断面図 図1の一部を拡大して示す断面図 図2のIII-III線に沿った断面図 図2のチェックバルブ部を拡大して示す断面図 本発明品と比較品の低温追従性試験の試験結果を示すグラフ 補機駆動用ベルトの張力調整装置を示す正面図
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、シリンダ1は底部を有し、その底部の下面にエンジンブロックに連結される連結片2が設けられている。
連結片2には、一側面から他側面に貫通する軸挿入孔2aが設けられ、その軸挿入孔2a内に筒状の支点軸2bとその支点軸2bを回転自在に支持する滑り軸受2cとが組み込まれ、上記支点軸2b内に挿通されてエンジンブロックにねじ係合されるボルトの締め付けにより支点軸2bが固定され、その支点軸2bを中心にしてシリンダ1が揺動自在の取付けとされる。
シリンダ1の底部上面には、スリーブ嵌合孔3が設けられ、そのスリーブ嵌合孔3内に鋼製のスリーブ4の下端部が圧入されている。スリーブ4内にはロッド5の下部が摺動自在に挿入され、そのロッド5の挿入によって、スリーブ4内に圧力室6が設けられている。
ロッド5のシリンダ1の外部に位置する上端部にはばね座7が固定され、そのばね座7とシリンダ1の底面間に組込まれたリターンスプリング8は、シリンダ1とロッド5が相対的に伸張する方向に付勢している。
ばね座7の上端には図6に示すプーリアーム33に対して連結される連結片9が設けられている。連結片9には一側面から他側面に貫通するスリーブ挿入孔9aが形成され、そのスリーブ挿入孔9a内にスリーブ9bと、そのスリーブ9bを回転自在に支持する滑り軸受9cとが組み込まれ、上記スリーブ9b内に挿通されるボルトによって連結片9がプーリアーム33に回転自在に連結される。
ばね座7は成形品からなり、その成形時にシリンダ1の上部外周を覆う筒状のダストカバー10と、リターンスプリング8の上部を覆う筒状のスプリングカバー11とが同時に成形されて、ばね座7に一体化されている。
ここで、ばね座7は、アルミのダイキャスト成形品であってもよく、あるいは、熱硬化性樹脂等の樹脂の成形品であってもよい。
スプリングカバー11は、ばね座7の成形時にインサート成形される筒体12によって外周の全体が覆われている。筒体12は、鋼板のプレス成形品からなる。
シリンダ1の上側開口部内にはシール部材としてのオイルシール13が組込まれ、そのオイルシール13の内周が筒体12の外周面に弾性接触して、シリンダ1の上側開口を閉塞し、シリンダ1の内部に充填されたオイルの外部への漏洩を防止し、かつ、ダストの内部への侵入を防止している。
上記オイルシール13の組み込みにより、シリンダ1とスリーブ4との間に密閉されたリザーバ室14が形成される。リザーバ室14と圧力室6は、スリーブ嵌合孔3とスリーブ4の嵌合面間に形成された油通路15およびスリーブ嵌合孔3の底面中央部に形成された円形凹部からなる油溜り16を介して連通している。
図2乃至図4に示すように、油通路15は、軸方向溝15aと、その軸方向溝15aの下端から半径方向内方に延びて油溜り16に連通する径方向溝15bとからなり、上記軸方向溝15aの上側開口15cは半径方向外方に向く長孔状とされている。
油通路15は、複数とされている。実施の形態では、4本として平面十字状の配置としているが、その数は任意である。その4本の油通路15の上側開口の開口面積の総和は後述するチェックバルブ17の弁孔19の面積の2倍以上とされ、油圧式オートテンショナの伸長による圧力室6の圧力低下時に、リザーバ室14内のオイルを油通路15から圧力室6内に確実に流入させることができるようにしている。
図2に示すように、スリーブ4の下端部内にはチェックバルブ17が組み込まれている。図4に示すように、チェックバルブ17は、弁孔19を有するバルブシート18と、そのバルブシート18の弁孔19を圧力室6側から開閉するチェックボール20と、そのチェックボール20の開閉量を規制するバルブリテナ21と、上記チェックボール20を弁孔19に向けて付勢するバルブスプリング22とからなり、圧力室6内の圧力がリザーバ室14内の圧力より高くなると、チェックボール20が弁孔19を閉鎖して、圧力室6と油通路15の連通を遮断し、圧力室6内のオイルが油通路15を通ってリザーバ室14に流れるのを防止するようになっている。
ここで、チェックバルブのバルブシート18に形成された弁孔19の内径dは、d=φ2.5〜φ3.0mmとされ、チェックボール20のボール径Dは、D=φ3.0〜φ3.5mmとされている。また、チェックボール20の開閉量Sは、S=0.4〜1.0mmとされている。
図1に示すように、ロッド5には、スリーブ4内に位置する下端部にリング溝23が形成され、そのリング溝23に嵌合した止め輪24はスリーブ4の内周上部に形成された段部25に対する当接によってロッド5を抜止めするようになっている。
ここで、シリンダ1内に充填されたオイルの封入量は、スリーブ4とロッド5が相対的に伸長して、止め輪24が段部25に当接する最伸長状態での内部空間容積の40%以上とされている。
また、オイルとして、ポリアルファオレフィンとエステルの合成油を基油とし、40℃時の動粘度が20〜50mm/s、100℃時の動粘度が5〜10mm/sの低粘度オイルが採用されている。
実施の形態で示す油圧式オートテンショナは上記の構成からなり、図6に示す補機駆動用ベルト31の張力調整に際しては、シリンダ1の閉塞端に設けた連結片2をエンジンブロックに連結し、かつ、ばね座7の連結片9をプーリアーム33に連結して、そのプーリアーム33に調整力を付与する。
上記のようなベルト31の張力調整状態において、補機の負荷変動等によってベルト31の張力が変化し、上記ベルト31の張力が弱くなると、リターンスプリング8の押圧によりシリンダ1とロッド5が伸張する方向に相対移動してベルト31の弛みが吸収される。
ここで、シリンダ1とロッド5が伸張する方向に相対移動するとき、圧力室6内の圧力はリザーバ室14内の圧力より低くなるため、チェックバルブ17のチェックボール20が弁孔19を開放する。このため、リザーバ室14内のオイルは油通路15を通って弁孔19から圧力室6内にスムーズに流れ、シリンダ1とロッド5は伸張する方向にスムーズに相対移動してベルト31の弛みを直ちに吸収する。
一方、ベルト31の張力が強くなると、ベルト31から油圧式オートテンショナのシリンダ1とロッド5を収縮させる方向の押込み力が負荷される。このとき、圧力室6内の圧力はリザーバ室14内の圧力より高くなるため、チェックバルブ17のチェックボール20は弁孔19を閉鎖する。
また、圧力室6内のオイルはスリーブ4の内径面とロッド5の外径面間に形成されたリーク隙間26に流れてリザーバ室14内に流入し、上記リーク隙間26に流れるオイルの粘性抵抗によって圧力室6内に油圧ダンパ力が発生し、その油圧ダンパ力によって、油圧式オートテンショナに負荷される上記押込み力が緩衝されると共に、シリンダ1とロッド5は、押込み力とリターンスプリング8の弾性力とが釣り合う位置まで収縮する方向にゆっくりと相対移動する。
ここで、リーク隙間26の大きさは、圧力室6内のオイルによる油圧ダンパのダンピング荷重の設定に大きな関わりをもち、リーク隙間26を大きくするとダンピング荷重が小さくなり、逆に小さくするとダンピング荷重が大きくなる。
実施の形態では、低粘度オイルとの関係によって、そのリーク隙間26の大きさを15〜45μmの範囲としている。そのようなリーク隙間26の大きさは、高粘度オイルを用いて、リーク隙間を20〜60μmとする前述従来の補機用油圧式オートテンショナとほぼ同じ大きさのリークダウンタイムとなり、ダンピング荷重の設定は小さなものとなる。
そのようなリーク隙間の設定によってスリーブ4とロッド5の嵌合面間におけるガタつきが小さなものとなり、スリーブ4とロッド5が相対的に大きく傾いて伸縮するというようなことがなくなり、ベルトの張力変化に応じてスムーズに伸縮する。
上記のようなダンピング荷重の小さな設定においては、オートテンショナの振幅が増大し、圧力室6からリザーバ室14へのオイルの流出量も多くなり、チェックボール20の開閉量が小さい場合に、リザーバ室14から圧力室6内に流入するオイル量が不足することになる。特に、低温時には、オイルの粘度も高くなるため、流入量が不足してダンピング荷重が低下することになる。しかし、この実施の形態では、チェックボール20の開閉量を0.4〜1.0mmの範囲としているため、リザーバ室14から圧力室6内にオイルがスムーズに流れて流入量が不足するというようなことはない。
このため、ダンピング荷重が小さく、高振幅の低温条件下においてもダンピング荷重の低下を抑制することができ、低温時の追従性の良好な補機用の油圧式オートテンショナを得ることができる。
因みに、表1で示す本発明品と比較品との低温追従性試験を行ったところ、図5に示す試験結果を得た。
Figure 0005840864
なお、試験条件は、図5に記載の通りである。
上記の試験結果から明らかなように、本発明品においては高振幅の低温条件下においてもダンピング荷重の低下を抑制することができることが理解できる。
実施の形態においては、スリーブ4とロッド5が相対的に最も伸長して、止め輪24が段部25に当接する抜止め状態でスプリングカバー11の下端部がスリーブ4の上端部と高さ方向でオーバラップするようスプリングカバー11の軸方向長さを設定している。そのような軸方向長さの設定において、ロッド5がスリーブ4内に押し込められるオートテンショナの収縮時、圧力室6内のオイルは、リーク隙間26を通ってスリーブ4の上端開口からスプリングカバー11内に流出して、シール部材としてのオイルシール13側に飛散することがなくなり、圧力室6からのリークオイルをリザーバ室14内にスムーズにリターンさせることができる。
1 シリンダ
2 連結片
3 スリーブ嵌合孔
4 スリーブ
5 ロッド
6 圧力室
7 ばね座
8 リターンスプリング
11 スプリングカバー
13 オイルシール(シール部材)
14 リザーバ室
15 油通路
17 チェックバルブ
18 バルブシート
19 弁孔
20 チェックボール
21 リテナ
22 バルブスプリング
26 リーク隙間

Claims (6)

  1. 作動油が入れられた底付きシリンダの底部上面にスリーブ嵌合孔を設け、そのスリーブ嵌合孔内に下端部が挿入されたスリーブの内部にロッドの下端部を摺動自在に挿入して、そのスリーブ内に圧力室を形成し、前記ロッドの上部に設けられたばね座とシリンダの内底面間に、シリンダとロッドを伸張する方向に付勢するリターンスプリングを組込み、前記ばね座にリターンスプリングの上部を覆う筒状のスプリングカバーを設け、前記シリンダの上側開口部内に組込まれたシール部材の内周をスプリングカバーの外周に弾性接触させて、前記シリンダとスリーブ間に形成されたリザーバ室の貯留オイルの油面上に密閉された空気溜りを形成し、前記スリーブと前記スリーブ嵌合孔の嵌合面間に前記リザーバ室と前記圧力室を連通する油通路を設け、前記スリーブの下端部内に、圧力室の圧力がリザーバ室の圧力より高くなると閉じて圧力室と油通路の連通を遮断するチェックバルブを設け、そのチェックバルブが、弁孔を有するバルブシートと、そのバルブシートの弁孔を圧力室側から開閉するチェックボールと、そのチェックボールの開閉量を規制するバルブリテナとからなるオイル密閉式の補機用油圧式オートテンショナにおいて、
    前記スリーブとロッドの摺動面間に形成されるリーク隙間が15〜45μmとされ、前記チェックボールの開閉量が0.4〜1.0mmとされ、前記オイルが、40℃時の動粘度が20〜50mm/s、100℃時の動粘度が5〜10mm/sの低粘度オイルからなり、前記チェックバルブのバルブシートに形成された弁孔の内径が、φ2.5〜φ3.0mmとされ、チェックボールのボール径が、φ3.0〜φ3.5mmとされたことを特徴とするオイル密閉式の補機用油圧式オートテンショナ。
  2. 前記オイルが、ポリアルファオレフィンとエステルの合成油を基油とする請求項1に記載のオイル密閉式の補機用油圧式オートテンショナ。
  3. スリーブとロッドが相対的に最も伸長する抜止め状態において、前記スプリングカバーの下端部がスリーブの上端部と高さ方向でオーバラップするようスプリングカバーの軸方向長さを設定した請求項1又は2に記載のオイル密閉式の補機用油圧式オートテンショナ。
  4. 前記チェックバルブが、前記チェックボールを弁孔に向けて付勢するバルブスプリングを有してなる請求項1乃至のいずれかの項に記載のオイル密閉式の補機用油圧式オートテンショナ。
  5. 前記油通路が複数とされ、その複数の油通路の上側開口の開口面積の総和が前記バルブシートにおける弁孔の面積の2倍以上とされた請求項1乃至のいずれかの項に記載のオイル密閉式の補機用油圧式オートテンショナ。
  6. 前記オイル封入量が、前記スリーブと前記ロッドが相対的に最も伸長した状態での内部空間容積の40%以上とされた請求項1乃至のいずれかの項に記載のオイル密閉式の補機用油圧式オートテンショナ。
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