JP2020046044A - 油圧式オートテンショナ - Google Patents
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Abstract
【課題】油圧式オートテンショナの内部の作動油が外部へにじみ出ることを防止する。【解決手段】上端が開口し下端が閉塞したシリンダ2と、シリンダ2に上下に移動可能に挿入されたロッド3と、ロッド3の上部に設けられたばね座4と、シリンダ2の下部とばね座4との間に組み込まれロッド3を上方に付勢するリターンスプリング5と、ロッド3に負荷される下向きの力をシリンダ2の内部の作動油で緩衝する油圧ダンパ機構6と、シリンダ2の上端開口の内周に取り付けられた環状のオイルシール30とを備えている。オイルシール30は、ロッド3に摺接するオイルリップ35およびダストリップ31bを有し、オイルシール30のオイルリップ35とダストリップ31bとの間に、固体潤滑剤または半固体潤滑剤である潤滑剤40が封入される状態となっている。【選択図】図1
Description
この発明は、自動車補機を駆動するベルトの張力調整用に用いられる油圧式オートテンショナに関する。
エンジンのクランクシャフトの回転をオルタネータ等の各種の自動車補機に伝えるベルト伝動装置においては、図3に示すように、ベルト51の弛み側に軸52を中心にして揺動可能なプーリアーム53を設け、そのプーリアーム53に油圧式オートテンショナAの調整力を付与して、プーリアーム53の揺動側端部に支持された回転可能なテンションプーリ54がベルト51を押圧する方向にプーリアーム53を付勢し、ベルト51の張力を一定に保持するようにしている。
この種のベルト伝動装置に組み込まれる油圧式オートテンショナAとして、例えば、特許文献1に記載のものが従来から知られている。
特許文献1に記載の油圧式オートテンショナは、上端が開口し下端が閉塞したシリンダと、そのシリンダに上下に移動可能に挿入されたロッドと、ロッドの上部に設けられたばね座と、シリンダの下部とばね座との間に組み込まれロッドを上方に付勢するリターンスプリング等を備えている。ベルトの張力が変動すると、そのベルトの張力とリターンスプリングの付勢力がつりあう位置までロッドが移動して補機ベルトの張力変動を吸収する。
また、この油圧式オートテンショナは、シリンダの上端開口の内周に取り付けられ、ロッドの移動に伴ってそのロッドと一体に移動する部材であるスプリングカバーの外周部に摺接する環状のオイルシールと、ベルトからロッドに負荷される下向きの力を、シリンダの内部の作動油で緩衝する油圧ダンパ機構とを備えている。
上記の油圧式オートテンショナは、シリンダの上端開口の内周に取り付けたオイルシールで、シリンダ内の作動油を密封している。しかし、この油圧式オートテンショナを過酷な条件で長期にわたって使用したとき、シリンダから微量の作動油がにじみ漏れ、そのにじみ漏れが継続することで、作動油が補機ベルトや周辺部品に付着する場合があることが判明した。作動油が、補機ベルトや周辺部品に付着すると、補機ベルトの滑りや周辺部品の動作不良の原因となる。
ここで、特許文献1に記載の油圧式オートテンショナでは、オイルシールの内周に形成されたオイルリップ及びダストリップと、それが摺接する相手側部材であるスプリングカバーの外周とが、締め代を持って接触している。このため、オートテンショナの伸縮時には、それらの接触部が摺動を繰り返すこととなる。したがって、接触部での摩耗の進行により、オイルシールによる密閉性が低下し、リザーバ室からの作動油の漏洩が増加する可能性がある。
このとき、オイルシールの内周に形成された各リップが、微量の作動油を掻き出すことによって摩耗を抑制することが可能である。しかし、その掻き出しが蓄積すると、オイルシールの上部に作動油が溜まってしまい、作動油が外部へにじみ出る可能性がある。
特に、近年、車両の低燃費化を図るため、補機ベルトの低フリクション化が求められており、これに伴い、補機ベルトの張力も低く設定される傾向にある。その一方で、補機ベルトで駆動される補機の負荷は、増加する傾向にある。このため、補機ベルトの振幅が大きくなりやすく、油圧式オートテンショナの伸縮ストロークも大きくなる傾向にあり、オイルシールの摺接部分で作動油の掻き出し作用が生じやすくなっている。
この発明が解決しようとする課題は、油圧式オートテンショナの内部の作動油が外部へにじみ出ることを防止することである。
上記課題を解決するため、この発明では、上端が開口し、下端が閉塞したシリンダと、前記シリンダに上下に移動可能に挿入されたロッドと、前記ロッドの上部に設けられたばね座と、前記シリンダの下部と前記ばね座との間に組み込まれ、前記ロッドを上方に付勢するリターンスプリングと、前記ロッドに負荷される下向きの力を前記シリンダの内部の作動油で緩衝する油圧ダンパ機構と、前記ロッドの移動に伴って摺接するように前記シリンダの上端開口の内周に取り付けられた環状のオイルシールとを備える油圧式オートテンショナにおいて、前記オイルシールが前記ロッドまたは前記ロッドと一体に移動する部材に摺接するオイルリップおよびダストリップを有し、前記オイルリップとダストリップとの間に潤滑剤が封入される状態となっている構成を採用することができる。
この構成では、オイルシールのオイルリップとダストリップとの間に潤滑剤が封入される状態となっている。この潤滑剤の存在により、作動油の掻き出し作用が生じた際に、その作動油は、オイルシールのオイルリップとダストリップとの間への移動が妨げられる。
また、潤滑剤により、オイルリップおよびダストリップと、これらが摺接するロッドまたはロッドと一体に移動する部材との間において潤滑性が確保され、オイルリップおよびダストリップの摩耗を抑制することができる。
この構成において、前記ダストリップが前記ロッドまたは前記ロッドと一体に移動する部材に向かって上向きに延びる状態となっている構成を採用することができる。
ダストリップが上向きに延びる状態となっていると、オイルシールのダストリップおよびオイルリップと、ロッドまたはロッドと一体に移動する部材とで形成される空間をより大きくすることができ、その空間内に封入される潤滑剤を増量することができる。
この構成において、前記オイルリップが上下方向に沿って複数設けられ、上下方向に隣り合う前記オイルリップの間に前記潤滑剤が封入される状態となっている構成を採用することができる。
この構成では、オイルシールでの潤滑剤の封入箇所が上下方向の二箇所となり、その二箇所の封入箇所のそれぞれへの作動油の移動を妨げることができる。
この構成において、前記潤滑剤が固体潤滑剤または半固体潤滑剤である構成を採用することができる。この場合、油圧式オートテンショナの組み立ての際、あらかじめオイルシールのオイルリップとダストリップとの間へ潤滑剤を封入することができる。
この発明の油圧式オートテンショナにおいては、オイルシールの内周に形成されたオイルリップとダストリップの間に封入される潤滑剤の存在により、作動油は、シリンダの内部からオイルシールのオイルリップとダストリップの間への移動が妨げられ、油圧式オートテンショナからの作動油のにじみ漏れを防止することができる。
また、オイルシールのオイルリップとダストリップの間に封入される潤滑剤が、それぞれのリップと、ロッドまたはロッドと一体に移動する部材との間での潤滑剤として作用する。
以下、この発明の実施形態に係る補機用の油圧式オートテンショナ1を、図1〜図3に基づいて説明する。
図1に示すように、実施形態の油圧式オートテンショナ1は、上端が開口し下端が閉塞したシリンダ2と、シリンダ2に上下に移動可能に挿入されたロッド3と、ロッド3の上部に設けられたばね座4と、シリンダ2の下部とばね座4との間に組み込まれ、ばね座4を介してロッド3を上方に付勢するリターンスプリング5とを備えている。
油圧式オートテンショナ1は、ロッド3に負荷される下向きの力をシリンダ2の内部の作動油で緩衝する油圧ダンパ機構6と、ロッド3の移動に伴って、ロッド3と一体に移動する部材であるスプリングカバー20の外周に摺接するように、シリンダ2の上端開口の内周に取り付けられた環状のオイルシール30とを備えている。
シリンダ2は、アルミニウム合金を素材とし、冷間鍛造により成形されている。シリンダ2の下端部には、下部連結片2aが一体に設けられている。
下部連結片2aは、一側面から他側面に貫通する軸挿入孔2bを有している。軸挿入孔2b内に筒状の下部連結軸9と、下部連結軸9を回動可能に支持する滑り軸受10が組み込まれている。下部連結軸9に挿通されたボルト11がエンジンブロックEにねじ結合されて、下部連結軸9が固定されている。この下部連結軸9を中心として、シリンダ2がエンジンブロックEに回動可能に連結されている。
また、シリンダ2は、底面部12に形成されたスリーブ嵌合凹部13を有し、スリーブ嵌合凹部13内に鋼製のスリーブ14の下端部が圧入により嵌め合わされている。スリーブ14は、シリンダ2内に同軸状に挿入されており、その下端部内にチェックバルブ15が圧入により固定されている。スリーブ14とスリーブ嵌合凹部13との嵌合面間に油通路16が形成されている。
スリーブ14は、その内部にロッド3の下部が上下方向に摺動可能に挿入される状態となっている。ロッド3の挿入により、スリーブ14内に圧力室17が形成される。圧力室17は作動油で満たされており、ロッド3のうちシリンダ2に対して外部に位置する上端部は、ばね座4に固定されている。
ロッド3とスリーブ14の上部との摺動面間にリーク隙間18が形成されている。リーク隙間18の大きさは、微小であり、ロッド3の外周の円筒面とスリーブ14の内周の円筒面の半径差で0.005〜0.100mmの範囲に設定されている。
ばね座4は、樹脂の成形品からなり、リターンスプリング5の上端部を受ける上面部19と、上面部19から上方に突出する上部連結片4aと、上面部19からリターンスプリング5の上部を覆う円筒状のスプリングカバー20と、シリンダ2の上部を覆う円筒状のダストカバー21とを有している。ばね座4は、スプリングカバー20等とともに、ロッド3と一体に軸方向へ移動する。
上部連結片4aは、プーリアーム53(図3参照)に対して回動可能に連結されている。その連結構造は、下部連結片2aと同様である。スプリングカバー20とダストカバー21とは、ばね座4の上面部19に対して、それぞれ同軸状に配置されている。
リターンスプリング5は、シリンダ2の内径寸法よりも小さい外径寸法を有するコイルばねであり、スリーブ14の外周に装着されている。リターンスプリング5は、下端がシリンダ2の底面部12で支持され、上端がばね座4の上面部19を上方へ押圧するものである。
図2に示すように、シリンダ2の上端部には、円筒面であるシール嵌合面22が形成されている。シール嵌合面22は、シリンダ2のうち、シール嵌合面22よりも下方の部分における内周面よりも、相対的に大きい内径寸法を有している。このシール嵌合面22にオイルシール30が締め代をもって嵌合している。また、シール嵌合面22の下端には、内径側へ向く段部23が形成されている。
オイルシール30は、シール嵌合面22に圧入される円筒状の外筒部34と、スプリングカバー20の外周に弾性接触する内筒部31と、外筒部34及び内筒部31とを上部で連結する連結部33とが、弾性体によって一体に形成されたものである。また、外筒部34及び連結部33は、その内部に一体成形された金属製の芯金32が埋め込まれている。
オイルシール30を構成する弾性体は、耐摩耗性および耐熱性に優れた弾性を有する合成ゴムからなる。合成ゴムとして、例えば、ニトリルゴム、140℃耐熱ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴムを挙げることができ、そのうち、アクリルゴムおよびフッ素ゴムが特に好ましい。
内筒部31は、その下部に、内筒部31の内周面から内径側へ向かって突出するオイルリップ35を備えている。この実施形態のオイルリップ35は、上下方向に沿って並列する二つの凸部から構成されている。
また、内筒部31は、その上部に、内筒部31の内周面から内向きに突出するダストリップ31bを有している。ダストリップ31bは、その先端縁部が外筒部34および連結部33の上部よりも上方に位置するものである。
内筒部31の下部の外周部には、ガータスプリング36が取り付けられている。このガータスプリング36の弾性力により、内筒部31がスプリングカバー20の外周部に締め付けられている。このガータスプリング36の締め付けにより、オイルリップ35及びダストリップ31bが、スプリングカバー20(ここでは、後述するカバー29)の外周面に対し全周にわたって弾性接触する。
この弾性接触により、オイルシール30は、オイルリップ35及びダストリップ31bが、ロッド3と一体に移動するスプリングカバー20の外周に摺接するようになっている。この実施形態では、スプリングカバー20はその外周に補強用の筒状のカラー29を備えているので、オイルリップ35及びダストリップ31bは、カラー29の外周に摺接する。なお、この実施形態のスプリングカバー20は、必ずしもカラー29を備えている必要なく、カラー29を備えていないものであってもよい。
図2に示すように、二つの凸部から構成されるオイルリップ35のうち、上方に位置するオイルリップ35aとダストリップ31bとの間には、潤滑剤40が封入されている。また、上方に位置するオイルリップ35aと、下方に位置するオイルリップ35bとの間にも、潤滑剤40が封入されている。
潤滑剤40は、オイルシール30のダストリップ31bおよび上方に位置するオイルリップ35aと、これらが摺接するカラー29の外周面とで形成される空間31cの全体を占める状態に封入されている。
また、潤滑剤40は、オイルシール30の上方に位置するオイルリップ35a、および下方に位置するオイルリップ35bと、これらが摺接するカラー29の外周面とで形成される空間31dの全体を占める状態に封入されている。
潤滑剤40としては、固体潤滑剤または半固体潤滑剤が使用される。固体潤滑剤としては、フッ素樹脂(例えばPTFE)、二硫化モリブデン、黒鉛などが挙げられる。半固体潤滑剤としては、基油と増ちょう剤を含むグリース、例えば、フッ素グリース、シリコーングリース、フルオロシリコーングリース、エステルグリースなどが挙げられる。
オイルシール30のシリンダ2の上端部への嵌合によって、図1に示すように、シリンダ2とスリーブ14との間に密封されたリザーバ室25が形成されている。リザーバ室25には、空気と作動油が上下二層に収容されている。オイルリップ35及びダストリップ31bは、カラー29の外周面に弾性接触して、シリンダ2の上側開口を閉塞している。
リザーバ室25と圧力室17は油通路16で連通している。油通路16の圧力室17側の端部に配置されたチェックバルブ15は、圧力室17内の圧力がリザーバ室25内の圧力よりも高くなると油通路16を閉鎖するようになっている。すなわち、チェックバルブ15は、油通路16のリザーバ室25側から圧力室17側への作動油の流れのみを許容するようになっている。
油圧ダンパ機構6は、鋼製のスリーブ14と、スリーブ14内の圧力室17と、スリーブ14とシリンダ2の間に形成されるリザーバ室25と、圧力室17とリザーバ室25の間を連通する油通路16と、チェックバルブ15と、リーク隙間18とから構成されており、ロッド3に負荷される下向きの力を圧力室17内の作動油で緩衝するようになっている。
この実施形態に係る油圧式オートテンショナ1は上記の構成からなり、図3に示す補機駆動用のベルト51の張力調整に際しては、シリンダ2の下部連結片2aを図1に示すようにエンジンブロックEに連結し、且つ、ばね座4に設けられた上部連結片4aをプーリアーム53に連結して、そのプーリアーム53に調整力を付与する。
このようなベルト51の張力調整状態において、補機の負荷変動等によってベルト51の張力が変化し、ベルト51の張力が弱くなると、リターンスプリング5の付勢力によりスリーブ14から突出する方向にロッド3が移動し、ベルト51の弛みを吸収する。このとき、圧力室17の容積が拡大するので、チェックバルブ15が開き、リザーバ室25内の作動油が油通路16を通って圧力室17に流入する。
一方、ベルト51の張力が大きくなると、そのベルト51の張力によって、スリーブ14内に押し込まれる方向にロッド3が移動し、ベルト51の緊張を吸収する。このとき、圧力室17の容積が縮小するので、チェックバルブ15が閉じ、圧力室17内の作動油がリーク隙間18を通って流出し、その作動油の粘性抵抗によってダンパ作用を生じる。
ところで、ベルト51の張力変動に応じてロッド3が上下に移動するとき、ロッド3の移動に伴うオイルシール30の摺接部分(オイルシール30とスプリングカバー20との接触部分)で、作動油の掻き出し作用が生じることがある。
特に、近年の車両の低燃費化の要請から、ベルト51の低フリクション化が求められており、これに伴い、ベルト51の張力も低く設定される傾向にある。その一方で、ベルト51で駆動される補機の負荷は増加する傾向にある。このため、ベルト51の振幅が大きくなりやすく、油圧式オートテンショナ1の伸縮ストロークも大きくなる傾向にあり、オイルシール30の摺接部分で作動油の掻き出し作用が生じやすくなっている。
しかし、この発明では、オイルシール30の上方に位置するオイルリップ35aとダストリップ31bとの間、あるいは、上方に位置するオイルリップ35aと下方に位置するオイルリップ35bとの間に固体潤滑剤または半固体潤滑剤である潤滑剤40が封入されている。
潤滑剤40は、ダストリップ31bおよび上方に位置するオイルリップ35aと、スプリングカバー20の外周面との間に形成される空間31c内に存在し、上方に位置するオイルリップ35a、および下方に位置するオイルリップ35bと、スプリングカバー20の外周面との間に形成される空間31d内に存在している。また、潤滑剤40は、上記空間31cおよび空間31dの全体を占める状態に封入されている。
このため、作動油の掻き出し作用が生じた際に、その作動油は、潤滑剤40が存在する上記空間31cおよび31d内への移動が妨げられ、作動油が外部へにじみ出ることを防止できる。
潤滑剤40は、上記空間31cおよび空間31dの上下方向の二箇所に封入される状態となっている。このため、その二箇所の封入箇所のそれぞれへの作動油の移動を妨げることができる。
潤滑剤40により、ダストリップ31bおよびオイルリップ35と、これらが摺接するロッド3との間において潤滑性が確保され、ダストリップ31b、オイルリップ35の摩耗を抑制することができる。
また、上記空間31c内の潤滑剤40の存在により、油圧式オートテンショナ1の外部からの上記空間31cへの異物浸入を防止することができる。
上記の実施形態では、上記空間31cおよび空間31d内に、固体潤滑剤または半固体潤滑剤である潤滑剤40があらかじめ封入される状態とすることが可能である。この状態では、油圧式オートテンショナ1の組み立て時や作動初期において、外部からの上記空間31cへの異物浸入や、オイルリップ35およびダストリップ31bの摩耗の発生を防止することができる。
上記の実施形態では、オイルシール30に二つ凸部から構成されるオイルリップ35と一つのダストリップ31bを備える構成としたが、オイルシール30に備えるリップとして、例えば、一つのオイルリップ35と一つのダストリップ31bを備える構成としてもよい。この場合、潤滑剤40は、オイルリップ35とダストリップ31bとの間のみに封入される状態となる。
上記の実施形態では、ロッド3の移動に伴って、ロッド3と一体に移動するスプリングカバー20の外周にオイルシール30が摺接するタイプの油圧式オートテンショナ1を例に、この発明のオイルシール30の構成を説明したが、他のタイプの油圧式オートテンショナ1においても、この発明のオイルシール30を適用できる。例えば、オイルシール30がロッド3の外周に摺接するタイプの油圧式オートテンショナ1においても、この発明のオイルシール30を適用できる。
1 油圧式オートテンショナ
2 シリンダ
3 ロッド
4 ばね座
5 リターンスプリング
6 油圧ダンパ機構
11 ボルト
14 スリーブ
15 チェックバルブ
16 油通路
17 圧力室
20 スプリングカバー(一体に移動する部材)
21 ダストカバー
30 オイルシール
35 オイルリップ
40 潤滑剤
2 シリンダ
3 ロッド
4 ばね座
5 リターンスプリング
6 油圧ダンパ機構
11 ボルト
14 スリーブ
15 チェックバルブ
16 油通路
17 圧力室
20 スプリングカバー(一体に移動する部材)
21 ダストカバー
30 オイルシール
35 オイルリップ
40 潤滑剤
Claims (4)
- 上端が開口し、下端が閉塞したシリンダ(2)と、
前記シリンダ(2)に上下に移動可能に挿入されたロッド(3)と、
前記ロッド(3)の上部に設けられたばね座(4)と、
前記シリンダ(2)の下部と前記ばね座(4)との間に組み込まれ、前記ロッド(2)を上方に付勢するリターンスプリング(5)と、
前記ロッド(3)に負荷される下向きの力を前記シリンダ(2)の内部の作動油で緩衝する油圧ダンパ機構(6)と、
前記ロッド(3)の移動に伴って摺接するように前記シリンダ(2)の上端開口の内周に取り付けられた環状のオイルシール(30)とを備える油圧式オートテンショナにおいて、
前記オイルシール(30)が、前記ロッド(3)または前記ロッド(3)と一体に移動する部材に摺接するオイルリップ(35)およびダストリップ(31b)を有し、前記オイルシール(30)のオイルリップ(35)とダストリップ(31b)との間に潤滑剤(40)が封入される状態となっていることを特徴とする油圧式オートテンショナ。 - 前記ダストリップ(31b)が前記ロッド(3)または前記ロッド(3)と一体に移動する部材に向かって上向きに延びる状態となっていることを特徴とする請求項1に記載の油圧式オートテンショナ。
- 前記オイルリップ(35)が上下方向に沿って複数設けられ、上下方向に隣り合う前記オイルリップ(35a、35b)の間に前記潤滑剤(40)が封入される状態となっていることを特徴とする請求項1または2に記載の油圧式オートテンショナ。
- 前記潤滑剤(40)が固体潤滑剤または半固体潤滑剤であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の油圧式オートテンショナ。
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CN114233509A (zh) * | 2021-12-20 | 2022-03-25 | 安徽中鼎橡塑制品有限公司 | 一种汽车用曲轴前油封总成 |
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CN114233509B (zh) * | 2021-12-20 | 2024-04-23 | 安徽中鼎橡塑制品有限公司 | 一种汽车用曲轴前油封总成 |
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