JP2010255677A - オートテンショナ - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで、エア混入によるダンパー性能の低下が生じず、プランジャの位置によらずばね荷重が安定したオートテンショナを提供する。
【解決手段】一端が開放し、他端が閉じたシリンダ9と、そのシリンダ9内に軸方向に摺動可能に挿入されたプランジャ10と、シリンダ9内に組み込まれ、プランジャ10をシリンダ9から突出する方向に付勢するリターンスプリングとを有し、プランジャ10の軸方向移動によってタイミングチェーン6の張力変化を吸収するオートテンショナ1において、外周にテーパ面15を有する内輪16と、内周にテーパ面17を有する外輪18とを積み重ねた輪ばね11をリターンスプリングとして用い、この輪ばね11を貫通して配置されるコイルばね12を設け、そのコイルばね12の一端をシリンダ9の閉端で支持し、他端でプランジャ10を押圧するようにする。
【選択図】図2

Description

この発明は、主として、自動車エンジンのカムシャフトを駆動するタイミングチェーンやタイミングベルト、あるいはオルタネータ等の自動車補機を駆動する補機ベルトの張力保持に用いられるオートテンショナに関する。
自動車のエンジンは、クランクシャフトの回転をタイミングチェーン又はタイミングベルトを介してカムシャフトに伝達し、そのカムシャフトの回転により燃焼室のバルブの開閉を行なう。
また、自動車の補機、たとえばオルタネータやカーエアコンやウォータポンプなどは、補機の回転軸がエンジンのクランクシャフトに補機ベルトで連結されており、この補機ベルトを介して駆動される。
このようなチェーンやベルトの張力を適正範囲に保つため、一般に、オートテンショナが使用される。オートテンショナは、一端が開放し、他端が閉じたシリンダと、そのシリンダ内に軸方向に移動可能に挿入されたプランジャと、そのプランジャをシリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングとを有する(例えば、特許文献1〜4参照)。
このオートテンショナは、チェーンまたはベルト(以下、チェーンを例に挙げて説明する)の張力が大きくなると、その張力によって、プランジャがシリンダ内に押し込まれる方向(以下、「押し込み方向」という)に移動し、チェーンの緊張を吸収する。また、チェーンの張力が小さくなると、リターンスプリングの付勢力によって、プランジャがシリンダから突出する方向(以下、「突出方向」という)に移動し、チェーンの弛みを吸収する。
また、特許文献1,2に記載のオートテンショナにおいては、エンジンのオイルポンプから供給される作動油を、シリンダとプランジャとで囲まれた圧力室内に導入する油通路を設け、その油通路の圧力室側の端部に、圧力室側から油通路側への作動油の流れを防止するチェックバルブを設け、プランジャの外周に微小な径方向隙間を設けている。
そのため、プランジャが押し込み方向に移動するときは、圧力室内の作動油が、プランジャの外周の微小な径方向隙間を通って流出し、その作動油の粘性抵抗によってダンパー作用が生じる。また、プランジャが突出方向に移動するときは、前記チェックバルブが開き、油通路を通って圧力室内に作動油が流入するので、プランジャが速やかに移動し、チェーンの弛みを速やかに吸収する。
また、特許文献3,4に記載のオートテンショナにおいては、作動油をシリンダ内に封入し、そのシリンダ内をプランジャで圧力室とリザーバ室とに区画し、その圧力室とリザーバ室とを連通する油通路をプランジャに設け、その油通路の圧力側の端部に、圧力室側からリザーバ室側への作動油の流れを防止するチェックバルブを設け、プランジャの外周に微小な径方向隙間を設けている。
そのため、プランジャが押し込み方向に移動するときは、プランジャの外周の微小な径方向隙間を通って圧力室側からリザーバ室側に作動油が流れ、その作動油の粘性抵抗によってダンパー作用が生じる。また、プランジャが突出方向に移動するときは、前記チェックバルブが開き、油通路を通ってリザーバ室側から圧力室側に作動油が流れるので、プランジャが速やかに移動し、チェーンの弛みを速やかに吸収する。
特許第2895784号公報 特開2002−364720号公報 実開平6−45144号公報 特開2005−214232号公報
ところで、特許文献1,2に記載のオートテンショナは、エンジンのオイルポンプからオートテンショナに作動油を供給するため、エンジンに油通路を形成する必要があり、コスト高であった。
また、特許文献1,2に記載のオートテンショナは、エンジン始動時にオイルポンプから供給される作動油にエアが混入し、そのエアが圧力室内に溜まることがあった。圧力室内にエアが溜まると、チェーンの張力が大きくなったときに、圧力室内のエアが圧縮してプランジャが移動するので、ダンパー作用が低下する。
特許文献3,4に記載のオートテンショナにおいても、鉛直方向に対して傾斜した状態でエンジンに取り付けた場合や、エンジンに共振が生じた場合に、リザーバ室内に存在するエアが油通路を通って圧力室内に混入する可能性があった。この場合も、チェーンの張力が大きくなったときに、圧力室内のエアが圧縮してプランジャが移動するので、ダンパー作用が低下する。
そこで、このエア混入によるダンパー性能の低下を防止するため、発明者は、油圧を用いずに、リターンスプリングでダンパー作用を得ることを検討し、その結果、前記リターンスプリングとして、外周にテーパ面を有する内輪と、内周にテーパ面を有する外輪とをテーパ面同士が接触するように積み重ねた輪ばねを用いることを考案した。
この輪ばねは、軸方向に圧縮するときは、内輪のテーパ面と外輪のテーパ面の間の接触面圧が高く、そのテーパ面間に摩擦が発生するので、テーパ面間の摩擦抵抗によってダンパー作用が生じる。一方、軸方向に伸張するときは、内輪のテーパ面と外輪のテーパ面の間の接触面圧が低いので、テーパ面間の摩擦抵抗が小さく、速やかに伸張する。
このように、輪ばねをリターンスプリングとして用いたオートテンショナは、作動油の粘性抵抗を利用せずに、輪ばねの摩擦抵抗を利用してダンパー作用を生じるので、エア混入によるダンパー性能の低下が生じない。また、エンジンのオイルポンプからオートテンショナに作動油を供給する油通路が不要となり、低コストである。
ところで、発明者は、上記輪ばねを組み込んだオートテンショナを使用してチェーンの張力保持を行なったところ、輪ばねは、圧縮量の変化に対するばね荷重の変化が大きいので、プランジャが突出方向に移動して輪ばねの圧縮量が小さくなったときに、ばね荷重が不足する可能性があることが分かった。
この発明が解決しようとする課題は、低コストで、エア混入によるダンパー性能の低下が生じず、プランジャの位置によらずばね荷重が安定したオートテンショナを提供することである。
上記の課題を解決するため、一端が開放し、他端が閉じたシリンダと、そのシリンダ内に軸方向に摺動可能に挿入されたプランジャと、前記シリンダ内に組み込まれ、前記プランジャをシリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングとを有し、前記プランジャの軸方向移動によってチェーンまたはベルトの張力変化を吸収するオートテンショナにおいて、前記リターンスプリングとして、外周にテーパ面を有する内輪と、内周にテーパ面を有する外輪とをテーパ面同士が接触するように積み重ねた輪ばねを用い、この輪ばねを貫通して配置されるコイルばねを設け、そのコイルばねの一端をシリンダの閉端で支持し、他端でプランジャを押圧するようにした。
このようにすると、エンジンのオイルポンプからオートテンショナに作動油を供給する油通路が不要であり、低コストである。また、作動油の粘性抵抗は利用せずに、輪ばねの摩擦抵抗を利用してダンパー作用を生じるので、エア混入によるダンパー性能の低下が生じない。また、プランジャの位置によらず、コイルばねで安定したばね荷重を得ることができるので、プランジャが突出方向に移動して輪ばねの圧縮量が小さくなったときに、輪ばねとコイルばねを合わせたばね荷重が不足しにくい。
前記内輪に、その円周の一部を切り離すスリットを設けることができる。このようにすると、内輪が半径方向に変形しやすくなるので、スリットがない場合よりも輪ばねの圧縮ストロークが長くなり、その結果、スリットが無い場合よりも効果的にチェーンまたはベルトの張力変動を吸収することが可能となる。
前記プランジャのシリンダ内への挿入端に、前記コイルばねを収容するばね収容穴を設けることができる。このようにすると、ばね収容穴を設けない場合よりも、ばね収容穴の深さに相当する分、コイルばねの長さを長くすることができるので、コイルばねのばね力を長いストロークにわたって安定させることができる。
前記輪ばねの内周とコイルばねの外周との間に、円筒状のカラーを組み込むことができる。このようにすると、輪ばねとコイルばねの間がカラーで仕切られるので、輪ばねとコイルばねが互いに接触して傷つくのを防止することができる。
また、前記カラーを樹脂製とすると、樹脂は柔らかいので、輪ばねまたはコイルばねがカラーに接触したときに、その接触により輪ばねまたはコイルばねが傷つくのを防止することができる。
また、前記カラーに、その円周を切り離すスリットを設けると、カラーが半径方向に変形しやすくなるので、輪ばねが圧縮してカラーの外周を締め付けたときに、その締め付けによってカラーが破損するのを防止することができる。
前記内輪のテーパ面と前記外輪のテーパ面のうちの少なくとも一方に、高硬度皮膜をコーティングすると、テーパ面の耐摩耗性が高くなり、長期にわたって安定したダンパー性能を発揮することが可能となる。高硬度皮膜としては、例えば、ダイヤモンドライクカーボン皮膜が挙げられる。
前記シリンダ内に、輪ばねを潤滑する潤滑油またはグリースを封入すると、輪ばねの耐摩耗性が高くなり、長期にわたって安定したダンパー性能を発揮することが可能となる。
この発明は、例えば、次のオートテンショナに適用することができる。
1)エンジンのカムシャフトを駆動するタイミングチェーンまたはタイミングベルトの張力保持に用いられるオートテンショナ。
2)自動車補機を駆動する補機ベルトの張力保持に用いられるオートテンショナ。
この発明のオートテンショナは、プランジャが突出方向に移動して輪ばねの圧縮量が小さくなったときに、輪ばねとコイルばねを合わせたばね荷重が不足しにくい。そのため、プランジャの位置によらず安定したばね荷重を得ることができる。
この発明の第1実施形態のオートテンショナを組み込んだチェーン伝動装置を示す正面図 図1に示すオートテンショナの拡大断面図 図2の輪ばね近傍の拡大断面図 図3に示す輪ばねが伸張した状態を示す拡大断面図 図2に示す輪ばねの分解斜視図 図2に示す輪ばねとコイルばねの間にカラーを組み込んだ変形例を示す拡大断面図 この発明の第2実施形態のオートテンショナを組み込んだタイミングベルトの張力調整装置を示す正面図 この発明の第3実施形態のオートテンショナを組み込んだ補機ベルトの張力調整装置を示す正面図 図8に示すオートテンショナの拡大断面図
図1に、この発明の第1実施形態のオートテンショナ1を組み込んだチェーン伝動装置を示す。このチェーン伝動装置は、エンジンのクランクシャフト2に固定されたスプロケット3と、カムシャフト4に固定されたスプロケット5とがタイミングチェーン6を介して連結されており、そのタイミングチェーン6がクランクシャフト2の回転をカムシャフト4に伝達し、そのカムシャフト4の回転により燃焼室のバルブ(図示せず)の開閉を行なう。
タイミングチェーン6には、支点軸7を中心として揺動可能に支持されたチェーンガイド8が摺接している。オートテンショナ1は、チェーンガイド8をタイミングチェーン6に押さえ付けている。
図2に示すように、オートテンショナ1は、一端が開放し、他端が閉じた筒状のシリンダ9と、シリンダ9内に軸方向に移動可能に挿入されたプランジャ10と、シリンダ9内に組み込まれた輪ばね11と、輪ばね11を貫通して配置されたコイルばね12とを有する。シリンダ9は、その開放端をチェーンガイド8に向けた姿勢でエンジンブロック(図示せず)にボルト13で固定されている。
輪ばね11は、その一端がシリンダ9の閉端で支持され、他端がプランジャ10のシリンダ9内への挿入端を押圧している。この輪ばね11は、プランジャ10をシリンダ9から突出する方向に付勢するリターンスプリングとして機能する。プランジャ10は、シリンダ9内を摺動可能な円柱状に形成され、シリンダ9からの突出端がチェーンガイド8に当接している。シリンダ9内への挿入端には、コイルばね12を収容するばね収容穴14が形成されている。
図3〜図5に示すように、輪ばね11は、外周にテーパ面15を有する内輪16と、内周にテーパ面17を有する外輪18とをテーパ面15,17同士が接触するように積み重ねて形成されている。内輪16と外輪18は、軸方向の一端から他端に向かって半径方向の厚さが次第に減少する断面楔状に形成され、その楔の向きを互いに逆向きにして組み合わされており、軸方向の圧縮荷重を受けたときに、内輪16には縮径力が作用し、外輪18には拡径力が作用するようになっている。
内輪16には、円周の一部を切り離すスリット19が形成されており、内輪16に縮径力が作用したときに、このスリット19の幅が狭まることによって内輪16が縮径変形するようになっている。外輪18は、シリンダ9の内周に軸方向に移動可能に嵌合している。
内輪16と外輪18は、ばね鋼で形成されている。また、内輪16と外輪18のテーパ面15,17には、高硬度皮膜がコーティングされている。高硬度皮膜としては、例えば、ダイヤモンドライクカーボン皮膜、窒化チタン皮膜、窒化クロム皮膜が挙げられるが、ダイヤモンドライクカーボン皮膜を採用すると、長期にわたりテーパ面15,17の耐摩耗性を確保することができる。
この輪ばね11は、軸方向の圧縮荷重を受けると、図3に示すように、内輪16が縮径変形して外輪18に押し込まれることにより、軸方向に圧縮する。このとき、内輪16のテーパ面15と外輪18のテーパ面17の間の接触面圧が高く、そのテーパ面15,17間に摩擦が発生するので、テーパ面15,17間の摩擦抵抗によってダンパー作用が生じる。また、軸方向の圧縮荷重が解除されると、図4に示すように、内輪16が拡径復元して外輪18から押し出されることにより、軸方向に伸張する。このとき、内輪16のテーパ面15と外輪18のテーパ面17の間の接触面圧が低いので、テーパ面15,17間の摩擦抵抗が小さく、輪ばね11は速やかに伸張する。
図2に示すように、コイルばね12は、その一端がシリンダ9の閉端で支持され、他端がプランジャ10を押圧している。コイルばね12の自由長は、シリンダ9の深さよりも長く設定され、これにより、長いストロークにわたって安定したばね力をコイルばね12が発揮するようになっている。
コイルばね12の外周と輪ばね11の内周との間の半径方向隙間の大きさは、コイルばね12の外周とばね収容穴14の内周との間の半径方向隙間の大きさよりも大きく設定されており、この半径方向隙間によって、輪ばね11とコイルばね12が互いに接触して傷つくのを防止している。
シリンダ9内には、輪ばね11を潤滑する潤滑油が封入されている。シリンダ9の閉端には、潤滑油注入用のねじ孔20が形成されており、ねじ孔20は、プラグ21をねじ込んで閉塞されている。
次に、このオートテンショナ1の動作例を説明する。
タイミングチェーン6の張力が大きくなると、そのタイミングチェーン6の張力によって、プランジャ10が押し込み方向に移動し、タイミングチェーン6の緊張を吸収する。このとき、輪ばね11は、軸方向に圧縮され、内輪16と外輪18のテーパ面15,17間の摩擦抵抗によりダンパー作用を生じる。また、コイルばね12も軸方向に圧縮される。
一方、タイミングチェーン6の張力が小さくなると、輪ばね11とコイルばね12の付勢力によって、プランジャ10が突出方向に移動し、タイミングチェーン6の弛みを吸収する。このとき、輪ばね11が速やかに伸張するので、タイミングチェーン6の弛みは速やかに吸収される。
このオートテンショナ1は、作動油の粘性抵抗は利用せずに、輪ばね11の摩擦抵抗を利用してダンパー作用を生じるので、エンジンのオイルポンプ(図示せず)からオートテンショナ1に作動油を供給する油通路をエンジンブロックやシリンダ9に形成する必要がなく、低コストである。また、従来のオートテンショナ1のチェックバルブや、作動油の漏れを防止する高度な密封装置も不要である。また、作動油の粘性抵抗を利用しないので、エア混入によるダンパー性能の低下が生じない。
また、このオートテンショナ1は、内輪16にスリット19を形成しているので、内輪16が半径方向に変形しやすく、輪ばね11の圧縮ストロークが長い。そのため、スリット19が無い場合よりも効果的にタイミングチェーン6の張力変化を吸収することが可能である。
また、このオートテンショナ1は、輪ばね11以外にコイルばね12でもプランジャ10を押圧するので、プランジャ10が突出方向に移動して輪ばね11の圧縮量が小さくなったときに、輪ばね11とコイルばね12を合わせたばね荷重が不足しにくい。そのため、プランジャ10の位置によらず安定したばね荷重を得ることができる。
また、このオートテンショナ1は、外輪18がシリンダ9の内周に嵌合しているので、輪ばね11がシリンダ9内でがたつきにくい。そのため、内輪16と外輪18の接触が安定し、輪ばね11のダンパー性能が安定している。
また、このオートテンショナ1は、内輪16と外輪18のテーパ面15,17に高硬度皮膜がコーティングされているので、テーパ面15,17の耐摩擦性が高く、長期にわたって安定したダンパー性能を発揮することが可能である。
また、このオートテンショナ1は、シリンダ9内に、輪ばね11を潤滑する潤滑油が封入されているので、テーパ面15,17の耐摩耗性が高く、長期にわたって安定したダンパー性能を発揮することができる。潤滑油にかえてグリースを封入しても同様である。
上記実施形態では、輪ばね11とコイルばね12が互いに接触して傷つくのを防止するため、コイルばね12の外周と輪ばね11の内周との間の半径方向隙間の大きさを所定の大きさに設定したが、図6に示すように、輪ばね11の内周とコイルばね12の外周との間に円筒状のカラー22を組み込んでもよい。このようにすると、輪ばね11とコイルばね12の間がカラー22で仕切られるので、輪ばね11とコイルばね12が互いに接触して傷つくのを確実に防止することができる。
カラー22は、金属製としてもよいが、樹脂製とすると、樹脂は柔らかいので、輪ばね11またはコイルばね12がカラー22に接触したときに、その接触により輪ばね11またはコイルばね12が傷つくのを防止することができる。
カラー22には、その円周を切り離すスリット(図示せず)を設けてもよい。このようにすると、カラー22が半径方向に変形しやすくなるので、輪ばね11が圧縮してカラー22の外周を締め付けたときに、その締め付けによってカラー22が破損するのを防止することができる。
図7に、この発明の第2実施形態のオートテンショナ31を組み込んだタイミングベルトの張力調整装置を示す。第1実施形態に対応する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
この張力調整装置は、支点軸32を中心として揺動可能に支持されたプーリアーム33と、プーリアーム33の揺動端に取り付けられたテンションプーリ34と、プーリアーム33を付勢するオートテンショナ31とからなる。テンションプーリ34は、カムシャフト駆動用のタイミングベルト35に接触しており、オートテンショナ31は、テンションプーリ34をタイミングベルト35に押さえ付ける方向にプーリアーム33を付勢している。
オートテンショナ31は、上端が開放し、下端が閉じた筒状のシリンダ9と、シリンダ9内に軸方向に移動可能に挿入されたプランジャ10と、シリンダ9内に組み込まれた輪ばね11と、輪ばね11を貫通して配置されたコイルばね12とを有する。シリンダ9は、エンジンブロック(図示せず)にボルト36で固定されている。
プランジャ10は、シリンダ9内を摺動する円柱状のプランジャ本体10Aと、プランジャ本体10Aから上方に延びるプランジャロッド10Bとからなる。プランジャロッド10Bは、その下端がプランジャ本体10Aに固定され、上端がプーリアーム33に当接している。また、プランジャロッド10Bの長手方向中央には、シリンダ9内を軸方向に摺動可能なウエアリング37が取り付けられている。また、プランジャ本体10Aには、コイルばね12を収容するばね収容穴14が形成されている。
輪ばね11は、その下端がシリンダ9の閉端で支持され、上端がプランジャ本体10Aを押圧しており、この押圧によって、プランジャロッド10Bがシリンダ9から突出する方向にプランジャ10を付勢している。
コイルばね12も、その下端がシリンダ9の閉端で支持され、上端がプランジャ本体10Aを押圧している。コイルばね12の外周と輪ばね11の内周との間の半径方向隙間の大きさは、コイルばね12の外周とばね収容穴14の内周との間の半径方向隙間の大きさよりも大きく設定されており、この半径方向隙間によって、輪ばね11とコイルばね12が互いに接触して傷つくのを防止している。
シリンダ9内には、輪ばね11を潤滑する潤滑油が封入されている。シリンダ9の上部内周には、プランジャロッド10Bをスライド可能に貫通させる環状のオイルシール38が装着されており、このオイルシール38によって、シリンダ9内の潤滑油が密封されている。
このオートテンショナ31は、輪ばね11以外にコイルばね12でもプランジャ10を押圧するので、プランジャ10が突出方向に移動して輪ばね11の圧縮量が小さくなったときに、輪ばね11とコイルばね12を合わせたばね荷重が不足しにくい。そのため、プランジャ10の位置によらず安定したばね荷重を得ることができる。その他の効果も第1実施形態と同様である。
図8、図9に、この発明の第3実施形態のオートテンショナ41を組み込んだ補機ベルトの張力調整装置を示す。第1実施形態、第2実施形態に対応する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
この張力調整装置は、支点軸42を中心として揺動可能に支持されたプーリアーム43と、プーリアーム43に取り付けられたテンションプーリ44と、プーリアーム43に連結されたオートテンショナ41とからなる。オートテンショナ41の一端は、連結軸45を介してプーリアーム43に回動可能に連結され、オートテンショナ41の他端は、エンジンブロック46に固定した支点軸47で回動可能に支持されている。テンションプーリ44は、自動車補機(図示せず)を駆動する補機ベルト48に接触しており、オートテンショナ41は、テンションプーリ44を補機ベルト48に押さえ付ける方向にプーリアーム43を付勢している。
図9に示すように、オートテンショナ41は、上端が開放し、下端が閉じた筒状のシリンダ9と、シリンダ9内に軸方向に移動可能に挿入されたプランジャ10と、シリンダ9内に組み込まれた輪ばね11と、輪ばね11を貫通して配置されたコイルばね12とを有する。
プランジャ10は、プランジャ本体10Aとプランジャロッド10Bとからなる。プランジャロッド10Bは、その下端がプランジャ本体10Aに固定され、上端に連結片49が固定されている。連結片49は、連結軸45に回動可能に連結されている。
このオートテンショナ41も、輪ばね11以外にコイルばね12でもプランジャ10を押圧するので、プランジャ10が突出方向に移動して輪ばね11の圧縮量が小さくなったときに、輪ばね11とコイルばね12を合わせたばね荷重が不足しにくい。そのため、プランジャ10の位置によらず安定したばね荷重を得ることができる。その他の効果も第1実施形態と同様である。
1 オートテンショナ
4 カムシャフト
6 タイミングチェーン
9 シリンダ
10 プランジャ
11 輪ばね
12 コイルばね
14 ばね収容穴
15 テーパ面
16 内輪
17 テーパ面
18 外輪
19 スリット
22 カラー
31 オートテンショナ
35 タイミングベルト
41 オートテンショナ
48 補機ベルト

Claims (10)

  1. 一端が開放し、他端が閉じたシリンダ(9)と、そのシリンダ(9)内に軸方向に摺動可能に挿入されたプランジャ(10)と、前記シリンダ(9)内に組み込まれ、前記プランジャ(10)をシリンダ(9)から突出する方向に付勢するリターンスプリング(11)とを有し、前記プランジャ(10)の軸方向移動によってチェーン(6)またはベルト(35,48)の張力変化を吸収するオートテンショナにおいて、
    前記リターンスプリング(11)として、外周にテーパ面(15)を有する内輪(16)と、内周にテーパ面(17)を有する外輪(18)とをテーパ面(15,17)同士が接触するように積み重ねた輪ばね(11)を用い、この輪ばね(11)を貫通して配置されるコイルばね(12)を設け、そのコイルばね(12)の一端をシリンダ(9)の閉端で支持し、他端でプランジャ(10)を押圧するようにしたことを特徴とするオートテンショナ。
  2. 前記内輪(16)の円周の一部を切り離すスリット(19)を設けた請求項1に記載のオートテンショナ。
  3. 前記プランジャ(10)のシリンダ(9)内への挿入端に、前記コイルばね(12)を収容するばね収容穴(14)を設けた請求項1または2に記載のオートテンショナ。
  4. 前記輪ばね(11)の内周とコイルばね(12)の外周との間に、円筒状のカラー(22)を組み込んだ請求項1から3のいずれかに記載のオートテンショナ。
  5. 前記カラー(22)が樹脂製である請求項4に記載のオートテンショナ。
  6. 前記カラー(22)に、その円周を切り離すスリットを設けた請求項4または5に記載のオートテンショナ。
  7. 前記内輪(16)のテーパ面(15)と前記外輪(18)のテーパ面(17)のうちの少なくとも一方に、高硬度皮膜をコーティングした請求項1から6のいずれかに記載のオートテンショナ。
  8. 前記シリンダ(9)内に、前記輪ばね(11)を潤滑する潤滑油またはグリースを封入した請求項1から7のいずれかに記載のオートテンショナ。
  9. エンジンのカムシャフト(4)を駆動するタイミングチェーン(6)またはタイミングベルト(35)の張力保持に用いられる請求項1から8のいずれかに記載のオートテンショナ。
  10. 自動車補機を駆動する補機ベルト(48)の張力保持に用いられる請求項1から8のいずれかに記載のオートテンショナ。
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