JP2015038866A - 複合高分子電解質膜およびその製造方法ならびにその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭化水素系高分子固体電解質膜の課題であった機械的強度の不足を解決すると共に、複合膜としてのプロトン伝導性が向上し、さらに、燃料電池に用いた場合の耐久性向上ならびに性能向上させることができる複合高分子電解質膜、該複合高分子電解質膜を用いた高分子電解質/電極接合体と燃料電池を提供すること。
【解決手段】イオン性基およびラジカルを発生しうる構造を分子鎖中に有する芳香族系高分子電解質の2分子以上が該芳香族系高分子電解質と異なる構造を有し且つ繰り返し単位を有する化合物によって連結されてなる高分子電解質を多孔性の基材の細孔中に含む複合高分子電解質膜であって、該高分子電解質が該芳香族系高分子電解質と1種類以上のラジカル重合性化合物を含む組成物をラジカル重合開始剤存在下に、外部刺激により反応させて得られることを特徴とする複合高分子電解質膜。
【選択図】なし

Description

本発明は、電解質膜に関係し、詳しくは優れた耐久性とプロトン伝導性を有する複合高分子電解質膜及び高分子電解質膜/電極接合体、燃料電池などの用途に関するものである。
高分子固体電解質をイオン伝導体として用いる電気化学的装置の例として、水電解槽や燃料電池を挙げることが出来る。これらに用いられる高分子膜は、カチオン交換膜として高いプロトン伝導率を有すると共に、化学的、熱的、電気化学的および力学的に十分安定なものでなくてはならない。このため、長期にわたり使用できるものとして、パーフルオロカーボンスルホン酸膜が使用されてきた。現在、特に注目されている固体高分子形燃料電池分野においては、燃料である水素ガスの透過が大きいなどの特性面での課題に加え、フッ素を含むため廃棄時の環境汚染や、発電時に発生するフッ酸が燃料電池のシステムを腐食するなど燃料電池の実用化に向けた障害として指摘されている。
一方、パーフルオロカーボンスルホン酸膜に代わる電解質膜として、ポリエーテルエーテルケトンやポリエーテルスルホン、ポリスルホンなどのポリマーにスルホン酸基などイオン性基を導入した、いわゆる炭化水素系高分子固体電解質が近年盛んに検討されている。しかしながら、炭化水素系高分子固体電解質はパーフルオロカーボンスルホン酸に比べて水和・膨潤しやすく、寸法変化が大きいため、乾燥・湿潤の繰り返しにより破断してしまうなどの機械的な特性に問題があると指摘されている。
高分子固体電解質膜の強度や耐久性を上げる方法として、電解質膜を架橋する方法が挙げられる。ポリアリーレン系電解質存在下にラジカル重合性モノマーを開始剤存在下で反応させた架橋高分子電解質膜(例えば、特許文献1参照)や電解質膜中に多官能性トリアジン化合物、多官能性トリアジン化合物前躯体を有し、それらを反応させた架橋高分子電解質膜(例えば、特許文献2参照)が報告されている。
さらに、高分子固体電解質膜の機械的強度を向上させ、寸法変化を抑制する方法として、高分子固体電解質膜に種々の補強材を組み合わせた複合高分子固体電解質膜が提案されている。延伸多孔ポリテトラフルオロエチレン膜の空隙部にイオン交換樹脂であるパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーを含浸し、一体化した複合高分子固体電解質膜(例えば、特許文献3参照)が、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーの膜内に補強材としてフィブリル化されたポリテトラフルオロエチレンが分散された複合高分子固体電解質膜(例えば、特許文献4参照)が、それぞれ記載されている。しかしながら、元素としてフッ素を含んでいることには変わりなく、廃棄時の環境汚染や、発電時に発生する、フッ素膜の問題は依然として解決されていない。
一方、炭化水素系高分子固体電解質を炭化水素系の補強材で補強したものとしてポリベンゾオキサゾール多孔膜と高分子固体電解質を複合化した高分子固体電解質膜(例えば、特許文献5参照)が記載されている。また、多孔性基材中に浸透させたモノマーからイオン伝導性を有するポリマーを重合した電解質膜(例えば、特許文献6参照)や、イオン交換性基を有する重合体を多孔質基材に充填した電解質膜(例えば、特許文献7参照)などが報告されている。
しかしながら、いずれの場合においても、充填された炭化水素系高分子固体電解質の割合が炭化水素系高分子固体電解質単独膜に比べて少なくなるため、得られた複合電解質膜のイオン交換容量が低下することから、プロトン伝導性があまり高くなく水素を燃料とする燃料電池などに応用した際には、発電性能などにおいて不十分と思われる電解質膜であった。
特開2003−82012号公報 特開2007−335264号公報 特開平8−162132号公報 特開2001−35508号公報 国際公開第WO00/22684号公報 国際公開第WO05/76396号公報 特開2010−40530号公報
本発明は従来技術の課題を背景になされたものであって、炭化水素系高分子固体電解質膜の課題であった機械的強度の不足を解決すると共に、複合膜としてのプロトン伝導性が向上し、さらに、燃料電池に用いた場合の耐久性向上ならびに性能向上させることができる複合高分子電解質膜、該複合高分子電解質膜を用いた高分子電解質/電極接合体と燃料電池の提供を課題とするものである。
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、ついに本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の複合高分子電解質膜とその製造方法である。
(1)イオン性基およびラジカルを発生しうる構造を分子鎖中に有する芳香族系高分子電解質の2分子以上が該芳香族系高分子電解質と異なる構造を有し且つ繰り返し単位を有する化合物によって連結されてなる高分子電解質を多孔性の基材の細孔中に含む複合高分子電解質膜であって、該高分子電解質が該芳香族系高分子電解質と1種類以上のラジカル重合性化合物を含む組成物をラジカル重合開始剤存在下に、外部刺激により反応させて得られることを特徴とする複合高分子電解質膜。
(2)前記組成物中の前記ラジカル重合性化合物の少なくとも1種類が、スルホン酸基もしくはホスホン酸基を有していることを特徴とする(1)に記載の高分子電解質膜。
(3)前記組成物中の前記ラジカル重合性化合物の少なくとも1種類が、2個以上のラジカル重合性基を有していることを特徴とする(1)〜(2)に記載の複合高分子電解質膜。
(4)前記外部刺激が紫外線照射または電子線照射であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。
(5)前記芳香族系高分子電解質がその分子鎖中に少なくとも下記化学式1および下記化学式2で示される繰り返し構造を有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。
(Ar1はスルホン酸基、スルホン酸塩またはスルホン酸基誘導体を含む2価の芳香族基、Ar2はスルホン酸基、スルホン酸塩またはスルホン酸基誘導体を含まずベンゾイル基を有する2価の芳香族基を示す)
(6)前記化学式2においてAr2が化学式3で示されることを特徴とする(5)に記載の複合高分子電解質膜。
(式中、R1、R2は水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかであり、R1、R2は同一であっても異なっていてもよい。R3は炭素数1〜20のアルキル基または置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基のいずれかを示す。R3が置換基を有する場合、該置換基は水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかであり、該置換基を複数有する場合はそれらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。a、bは1〜4の整数を示す。p、qは、p+q=1を満たす0または1である。)
(7)前記化学式1のAr1は下記化学式4で表されることを特徴とする(5)〜(6)のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。
(式中、R4は水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかであり、置換基は同一であっても異なっていてもよい。rは1または2であり、dは4−rを示す。AはOR5もしくはN(R6)(R7)を示し、R5は水素、アルカリ金属、炭素数1〜20のアルキル基のいずれかを示し、R6及びR7は水素または炭素数1〜20のアルキル基のいずれかであり、R6及びR7は同一であっても異なっていてもよい。)
(8)
前記ラジカル重合開始剤が光反応性であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。
(9)前記多孔性基材の材質が高分子材料であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。
(10)前記高分子電解質膜のイオン交換容量が1.5meq/g〜6.0meq/gであることを特徴とする、(1)〜(9)のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。
(11)前記複合高分子電解質膜が、外部刺激によりラジカルを発生しうる構造を分子鎖中に有する芳香族系高分子電解質と、1種類以上のラジカル重合性化合物を含む組成物およびラジカル重合性開始剤を多孔性の基材の細孔中に充填後に、外部刺激を与え、該高分子電解質と該ラジカル重合性化合物を反応させて得られることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載の複合高分子電解質膜の製造方法。
(12) (1)〜(11)のいずれかに記載の複合高分子電解質膜を用いた燃料電池用高分子電解質膜電極接合体。
(13) (12)に記載の高分子電解質膜電極接合体を用いた燃料電池。
本発明の複合高分子電解質膜においては、高いイオン交換容量を有する芳香族系高分子電解質および酸性基を有するラジカル重合性モノマーが架橋を介して多孔膜の細孔中に充填されることから、得られる複合高分子電解質膜は、高いイオン交換容量を有する膜となるため、高いプロトン伝導性が実現できる。
さらに、前記芳香族系高分子電解質が外部刺激によりラジカルを発生しうる構造を分子鎖中に有するだけでなく、ラジカル重合性開始剤を含んだ状態で架橋反応させることで容易に架橋反応を進行させることができる。
また、多孔性基材の細孔中に架橋高分子電解質が充填されていることから、水和・膨潤を抑制でき、寸法変化が小さくなり、乾燥・湿潤の繰り返しにより破断してしまうなどの機械的な特性の問題を解消できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の複合高分子電解質膜は、多孔性基材とその細孔内に充填された高分子電解質からなる複合高分子電解質膜であって、該高分子電解質はイオン性基を有すると共に、2分子以上の芳香族系高分子電解質がイオン性基以外の部位で、該芳香族系高分子電解質と異なる構造を有し且つ繰り返し単位を有する化合物によって連結されており、より好適には主鎖に芳香族環を有する高分子電解質およびラジカル重合性化合物が架橋されて充填された複合電解質膜であって、該高分子電解質が、少なくとも化学式1で表される構造を含む構造であり、さらに好適には、該複合電解質膜のイオン交換容量が1.5ミリ当量/g以上であることを特徴とする複合高分子電解質膜である。
本発明の芳香族系高分子電解質について説明する。
本発明における芳香族系高分子電解質はその分子鎖中に外部刺激によりラジカルを発生する基を有していることが好ましく、特に構造を限定されるものではないが、プロトン伝導性や耐久性の観点から化学式1および化学式2で示される繰り返し構造を有することが好ましい。さらに、化学式2中に、外部刺激によりラジカルを発生する構造を有していることがより好ましい。
本発明における外部刺激によりラジカルを発生する構造とは、光や熱によりラジカルを発生する構造であれば、特に限定されないが、ベンフェノン基やマレイミド基のような光刺激によってラジカルを発生する構造が好ましい。
以下に化学式1および化学式2で示される繰り返し構造を有する芳香族系高分子電解質について順に説明する。
(式中、Ar1はスルホン酸基、スルホン酸塩またはスルホン酸基誘導体を含む2価の芳香族基、Ar2はスルホン酸基、スルホン酸塩またはスルホン酸基誘導体を含まずベンゾイル基を有する2価の芳香族基を示す)
上記化学式1および化学式2を分子鎖中に有する芳香族系高分子電解質は化学式1および化学式2の構造に加えて他の繰り返し単位を有するブロック共重合体でもランダム共重合体でも良いが、プロトン伝導性の面から、化学式1および化学式2の構造のみからなるブロック共重合体、もしくは、ランダム共重合体であることが好ましい。
Ar1およびAr2の比率は、特に制限されるものではないが、複合高分子電解質膜製膜後のプロトン伝導性や架橋反応性の面から、Ar1/Ar2(モル分率)で0.95/0.05〜0.6/0.4であることが好ましく、0.9/0.1〜0.75/0.25であることがより好ましい。これらの値はNMRなどの一般的な手法により求めることができる。
上記化学式1および化学式2を分子鎖中に有する芳香族系高分子電解質の分子量(数平均分子量:Mn)は、1000〜100000の範囲であることが好ましく、1500〜50000であることがより好ましく、1500〜30000であることが最も好ましい。Mnが1000より小さいと膜化した時の強度が不足し、Mnが100000より大きいと多孔性基材への含浸が難しくなる。ここでの、分子量はNMRやゲル浸透クロマトグラフィーなどの一般的な手法で求めることができる。
化学式1および化学式2で示される構造を有する芳香族系高分子電解質のイオン交換容量(IEC)は特に制限されるものではないが、プロトン伝導性の観点から3.0meq/g以上であれば良い。ただし、IECが高すぎると膨潤が大きくなるなどの問題があるため、実質的に3.0〜8.4meq/gであることが好ましく、中でも3.5〜8.0meq/gがより好ましく、4.0〜7.5meq/gが最も好ましい。
ここで、イオン交換容量とは、乾燥した高分子電解質膜1グラムあたりに導入されたイオン交換基量であり、値が大きいほどイオン交換基の量が多いことを示す。例えば、スルホン酸基とした場合、スルホン酸基密度(meq/g)の値として示すことができる。イオン交換容量は、キャピラリー電気泳動、元素分析、中和滴定などにより求めることが可能である。これらの中でも測定の容易さから、中和滴定法によりイオン交換容量を求めることが好ましい。本発明のイオン交換容量は中和滴定法により測定した値を用いるが、他の方法でも大きな差はなく採用可能である。
化学式2および化学式1のAr2、Ar1の好ましい様態はそれぞれ化学式3、4に示される。
(化学式3中、R1、R2は水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかであり、R1、R2は同一であっても異なっていてもよい。R3は炭素数1〜20のアルキル基または置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基のいずれかを示す。R3が置換基を有する場合、該置換基は水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかであり、該置換基を複数有する場合はそれらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。a、bは1〜4の整数を示す。p、qは、p+q=1を満たす0または1である。化学式4中、R4は水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかであり、置換基は同一であっても異なっていてもよい。rは1または2であり、dは4−rを示す。AはOR5もしくはN(R6)(R7)を示し、R5は水素、アルカリ金属、炭素数1〜20のアルキル基のいずれかを示し、R6及びR7は水素または炭素数1〜20のアルキル基のいずれかであり、R6及びR7は同一であっても異なっていてもよい。)
1〜R4のうち前記炭素数1〜20 のアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、1,3−ブタジエン−1,4−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基等が挙げられる。炭素数6〜20のアリール基として、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、3−フェナントリル基、2−アントリル基等の直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれかのものが挙げられる。
1〜R4がそれぞれ複数の場合、R1〜R4は同一の基であってもいいし、異なる基であってもよい。中でもR1〜R4は水素が好ましい。
化学式3においてa、bは1〜4の整数を示し、p、qは0または1であり、p+q=1を示す。すなわち、p=1かつq=0またはp=0かつq=1のいずれかである。
化学式4において、rは1または2、dは4−rを示し、rは1、dは3が好ましい。
化学式4において、電解質としてのプロトン伝導性の面から、化学式4におけるAはOHであることが好ましく、少なくともAの80%がOHであることがさらに好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上がなお好ましい。OH以外のAは、R5がH以外であるOR5、もしくはN(R6)(R7)でもよいし、R5がアルカリ金属原子であるOR5であってもよい。
以下、本発明の芳香族系高分子電解質の製造方法について説明する。
化学式2で表される繰り返し構造を製造するための原料化合物のひとつとして、化学式5に示される置換基を有してもよいジハロベンゼン化合物が挙げられる。
(式中、X’、Y’はフッ素を除くハロゲン原子であり、X’、Y’はそれぞれ同一でも異なってもよい。R5、R6は水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかであり、R5、R6は同一であっても異なっていてもよい。R7は炭素数1〜20のアルキル基または置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基のいずれかを示す。R7が置換基を有する場合、該置換基は水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかであり、該置換基を複数有する場合はそれらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。a’、b’は1〜4の整数を示す。p’、q’は、p’+q’=1を満たす0または1である。)
具体的には、置換基を有してよい2,4−ジクロロベンゾフェノン、2,5−ジクロロベンゾフェノン、3,4−ジクロロベンゾフェノン、2,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、2,4−ジブロモベンゾフェノン、2,5−ジブロモベンゾフェノン、3,4−ジブロモベンゾフェノン、2,4’−ジブロモベンゾフェノン、4,4’−ジブロモベンゾフェノンが挙げられる。
中でも、置換基を有してもよい2,5−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノンが好ましい。
さらに化学式1で表される繰り返し構造を製造するための原料化合物のひとつとして、化学式6に示される置換基を有してもよいジハロベンゼンスルホン酸エステル又はジハロベンゼンスルホン酸アミドが挙げられる。
(式中、X”、Y”はフッ素を除くハロゲン原子であり、X”、Y”はそれぞれ同一でも異なってもよい。R8は水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかであり、置換基は同一であっても異なっていてもよい。sは1又は2であり、eは4−sを示す。BはOR9またはN(R10)(R11)で表され、R9は水素、アルカリ金属または炭素数1〜20のアルキル基のいずれかを示し、R10、及びR11は、水素または炭素数1〜20のアルキル基のいずれかを示し、同一であっても異なっていてもよい。)
化学式6で表される化合物の例として、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソプロピル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル) 、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−オクチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、2,5−ジクロロジクロロベンゼンスルホン酸n−イコシル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソプロピル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソブチル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−オクチル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−イコシル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソプロピル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル) 、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−オクチル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−イコシル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソプロピル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソブチル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル) 、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−オクチル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−イコシル、2,4−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジクロロスルホン酸アミド、N−メチル−2,5−ジクロロスルホン酸アミド、N,N−ジメチル−2,5−ジクロロスルホン酸アミド、N−エチル−2,5−ジクロロスルホン酸アミド、N,N−ジエチル−2,5−ジクロロスルホン酸アミド、N−プロピル−2,5−ジクロロスルホン酸アミド、N,N−ジプロピル−2,5−ジクロロスルホン酸アミド、N−ブチル−2,5−ジクロロスルホン酸アミド、N,N−ジブチル−2,5−ジクロロスルホン酸アミド、2,4−ジクロロスルホン酸アミド、N−メチル−2,4−ジクロロスルホン酸アミド、N,N−ジメチル−2,4−ジクロロスルホン酸アミド、N−エチル−2,4−ジクロロスルホン酸アミド、N,N−ジエチル−2,4−ジクロロスルホン酸アミド、N−プロピル−2,4−ジクロロスルホン酸アミド、N,N−ジプロピル−2,4−ジクロロスルホン酸アミド、N−ブチル−2,4−ジクロロスルホン酸アミド、N,N−ジブチル−2,4−ジクロロスルホン酸アミド、3,5−ジクロロスルホン酸アミド、N−メチル−3,5−ジクロロスルホン酸アミド、N,N−ジメチル−3,5−ジクロロスルホン酸アミド、N−エチル−3,5−ジクロロスルホン酸アミド、N,N−ジエチル−3,5−ジクロロスルホン酸アミド、N−プロピル−3,5−ジクロロスルホン酸アミド、N,N−ジプロピル−3,5−ジクロロスルホン酸アミド、N−ブチル−3,5−ジクロロスルホン酸アミド、N,N−ジブチル−3,5−ジクロロスルホン酸アミド、2,5−ジブロモスルホン酸アミド、N−メチル−2,5−ジブロモスルホン酸アミド、N,N−ジメチル−2,5−ジブロモスルホン酸アミド、N−エチル−2,5−ジブロモスルホン酸アミド、N,N−ジエチル−2,5−ジブロモスルホン酸アミド、N−プロピル−2,5−ジブロモスルホン酸アミド、N,N−ジプロピル−2,5−ジブロモスルホン酸アミド、N−ブチル−2,5−ジブロモスルホン酸アミド、N,N−ジブチル−2,5−ジブロモスルホン酸アミド、2,4−ジブロモスルホン酸アミド、N−メチル−2,4−ジブロモスルホン酸アミド、N,N−ジメチル−2,4−ジブロモスルホン酸アミド、N−エチル−2,4−ジブロモスルホン酸アミド、N,N−ジエチル−2,4−ジブロモスルホン酸アミド、N−プロピル−2,4−ジブロモスルホン酸アミド、N,N−ジプロピル−2,4−ジブロモスルホン酸アミド、N−ブチル−2,4−ジブロモスルホン酸アミド、N,N−ジブチル−2,4−ジブロモスルホン酸アミド、3,5−ジブロモスルホン酸アミド、N−メチル−3,5−ジブロモスルホン酸アミド、N,N−ジメチル−3,5−ジブロモスルホン酸アミド、N−エチル−3,5−ジブロモスルホン酸アミド、N,N−ジエチル−3,5−ジブロモスルホン酸アミド、N−プロピル−3,5−ジブロモスルホン酸アミド、N,N−ジプロピル−3,5−ジブロモスルホン酸アミド、N−ブチル−3,5−ジブロモスルホン酸アミド、N,N−ジブチル−3,5−ジブロモスルホン酸アミドが挙げられる。中でも2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸シクロヘキシルがスルホン酸基前駆体としての安定性の面から好ましい。また、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸アミド、N−メチル−2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸アミド、N、N−ジメチル−2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸アミド、N−エチル−2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸アミド、N、N−ジエチル−2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸アミド、N−プロピル−2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸アミド、N−ブチル−2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸アミドが重合時の安定性の面から好ましい。
上記原料を用いてカップリング重合する際に、ニッケル化合物、配位子、還元剤の触媒系で重合することができる。
ニッケル化合物として、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)、ニッケル(0)(エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン) 、ニッケル(0)テトラキス(トリフェニルホスフィン)等のゼロ価ニッケル化合物、フッ化ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル等のハロゲン化ニッケル、ギ酸ニッケル、酢酸ニッケル等のニッケルカルボン酸塩、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、硝酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、ビス( トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド等の2価ニッケル化合物が挙げられ、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン) 、ハロゲン化ニッケル、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリドが好ましい。
ニッケル化合物の使用量はモノマーに対して0.01〜500mol%がよく、ニッケル化合物の使用量が多すぎると分子量が小さくなる傾向にある。また精製が困難かつコスト的な問題から実用的には100mol%以下である。一方、少なすぎると系中に存在する水の影響により触媒能がなくなる可能性があり、実用的には1mol%以上である。すなわち、1〜100mol%が好ましい。
配位子として、含窒素2座配位子またはリン配位子が挙げられる。含窒素二座配位子としては2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、メチレンビスオキサゾリン、N,N’−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられ、2,2’−ビピリジンが好ましい。一方、リン配位子としてはトリフェニルホスフィン、トリス(o−トリル)ホスフィン、トリス(m−トリル)ホスフィン、トリス(p−トリル)ホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンが挙げられ、トリフェニルホスフィン、トリス(o−トリル)ホスフィン、トリス(m−トリル)ホスフィン、トリス(p−トリル)ホスフィンが好ましい。配位子の使用量はニッケル化合物に対して、含窒素ニ座配位子は0.5〜8.0当量、好ましくは1.0〜4.0当量である。
還元剤として亜鉛を用いる。使用量は通常モノマーに対して1当量以上であり、上限は設けない。実用的には重合後の精製を考慮すると5当量以下、好ましくは2当量以下である。
重合溶媒として、モノマー組成物及び生成するポリアリーレンが溶解し得る溶媒であればよい。そのような溶媒の具体例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒等が挙げられる。溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。中でもエーテル溶媒及び非プロトン性極性溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン及びN,N−ジメチルアセトアミドがより好ましい。溶媒の使用量は、多すぎると分子量の小さなポリアリーレンが得られやすく、少なすぎるとモノマー組成物及び生成するポリアリーレンの溶解性の観点から好ましくない。モノマー組成物中のモノマーに対して、通常1〜200重量倍、好ましくは5〜100重量倍である。
反応は通常、窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気下で実施される。
重合時間は0.5時間〜48時間以内で行い、反応温度は室温〜溶媒の沸点までで行うことができ、特に制限されない。
反応後は酸性水溶液に再沈し、有機溶媒で精製することでポリマー中間体を合成する。目的のポリアリーレン以外の化合物を溶解し且つ目的のポリアリーレンを溶解しない溶媒または溶解しにくい溶媒により精製する。反応混合物を上記溶媒と混合して目的のポリアリーレンのみを析出させ、濾過を行うことで、目的のポリアリーレンを取り出すことができる。得られたポリアリーレンの分子量や構造は、ゲル浸透クロマトグラフィー、NMR等の通常の分析手段により分析することができる。上記酸性水溶液としては塩酸が好ましく、上記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどのアルコール類またはアセトン、アセトニトリル等が挙げられ、2−プロパノールおよびアセトンが好ましい。
続いて、脱保護、酸変換する方法に関して説明する。
スルホン酸エステル又はスルホン酸アミドを脱保護する方法としては通常、酸またはアルカリによる加水分解もしくはアルカリ金属ハロゲン化物またはハロゲン化第四級アンモニウムを反応させ、次いで酸処理する方法が挙げられる。得られるポリアリーレンが水に溶解しない場合は、塩酸、硫酸水溶液、硝酸水溶液などの酸性水溶液を用いて得られたポリアリーレンの酸処理を行うことができる。
一方で、水溶性ポリアリーレンスルホン酸類の場合は前記の通常の方法で製造すると、酸、アルカリ水溶液または他の化合物を含む水溶液中にポリマーが溶解し、目的とするポリマーを回収することが難しくなる。
そこで、アルカリ金属ハロゲン化物またはアミン塩酸塩を反応させ、次いで固体酸により酸処理する方法が挙げられる。
アルカリ金属ハロゲン化物としては、例えば、臭化リチウム、ヨウ化ナトリウム等が挙げられ、アミン塩酸塩としては、トリメチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩等が挙げられ、臭化リチウム及びトリメチルアミン塩酸塩が好ましい。使用量はポリマー中のスルホン酸エステル又はスルホン酸アミドに対して1.1〜10当量、好ましくは2〜8当量である。
反応に使用する溶媒は脱保護剤およびポリマーが溶解することが条件として挙げられる。そのような溶媒としてN−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒が挙げられる。反応温度は通常、0〜200℃、好ましくは80〜160℃である。
反応後の溶液中にはスルホン酸アンモニウム型またはスルホン酸金属塩型に変換されたポリマー、脱保護剤の反応残渣、反応溶媒が存在しているために精製を行う必要がある。精製に用いる溶媒として、スルホン酸アンモニウム型またはスルホン酸金属塩型に変換されたポリマーが溶解せず脱保護剤の反応残渣が溶解する溶媒、またはスルホン酸アンモニウム型またはスルホン酸金属塩型に変換されたポリマーが溶解し脱保護剤の反応残渣が溶解しない溶媒が求められる。生成したポリマーが溶解せず脱保護剤の反応残渣が溶解する溶媒としてハロゲン化炭化水素溶媒等が挙げられる。中でもクロロホルムが好ましい。
スルホン酸アンモニウム型またはスルホン酸金属塩型に変換されたポリマーを酸変換する方法として、固体酸を用いる方法が挙げられる。固体酸として陽イオン交換樹脂がよい。陽イオン交換樹脂の使用量は陽イオン交換樹脂のイオン交換基容量に依存するが、平衡反応であるため目的のポリマーのイオン交換基容量の10倍以上の相当量が必要とされる。特に上限は設けないが、実用的には20倍以下である。
固体酸が分散したポリマー水溶液から固体酸をろ別し、ポリマー水溶液を濃縮し乾燥する事により目的とするポリマーを製造することができる。
次に本発明におけるラジカル重合性化合物について説明する。用いるラジカル重合性化合物は1種類以上であれば良いが、2種類以上であることが好ましい。
用いるラジカル重合性化合物の少なくとも1種がスルホン酸基もしくはホスホン酸基を有していることが好ましく、具体的には、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、4−スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそれらの塩などが上げられる。プロトン伝導性の面からスルホン酸基を有していることがより好ましい。
さらに、上記ラジカル重合性化合物の少なくとも1種類が2官能以上のラジカル重合性基を有していることが好ましく、架橋性の面から3官能以上であることがより好ましい。
以下に、2官能以上のラジカル重合性を示す化合物の例を示す。
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルにヒドロキシ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン化ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、p−またはm−ジビニルベンゼン、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ジビニルスルホンなどが挙げられる。
1分子中に2つ以上のラジカル重合性基を有するモノマーの市販品としては、例えば、KAYARAD−DPHA、KAYARAD R−604、DPCA−20、−30、−60、−120、HX−620、D−310、D−330(以上、日本化薬(株)製)ユピマーUV SA1002、SA2007(以上、三菱化学(株)製)、ビスコート #195、#230、#215、#260、#335HP、#295、#300、#700(大阪有機化学工業(株)製)、ライトアクリレート 4EG−A、9EG−A、NP−A、DCP−A、BP−4EA、BP−4PA、PE−3A、PE−4A、DPE−6A(以上、共栄社化学(株)製)、アロニックス M−208、M−210、M−215、M−220、M−240、M−305、M−309、M−315、M−325(以上、東亜合成(株)製)などが挙げられる。
本発明に用いられるラジカル重合性開始剤は、光もしくは熱による刺激によりラジカルを発生する化合物であれば、特に制限されないが、反応の行いやすさから光によりラジカルを発生する化合物が好ましい。
本発明における光ラジカル重合開始剤としては、光照射により分解してラジカルを発生しうるものであればよく、例えばアセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、3−メチルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノンなどのアセトフェノン系光ラジカル重合開始剤;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルメチルケタールなどのベンゾイン系光ラジカル重合開始剤;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系光ラジカル重合開始剤;チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなどのチオキサントン系光ラジカル重合開始剤;メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、ジベンゾスベロン、2−エチルアントラキノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのケトン系光ラジカル重合開始剤;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−イミダゾールなどのイミダゾール系光ラジカル重合開始剤;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(0−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)などのオキシムエステル系光ラジカル開始剤;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムなどのチタノセン系光ラジカル重合開始剤;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2 ,6−ジメトキシベンゾイル)−2 ,4 ,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド系光ラジカル重合開始剤;2−(3,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)ビニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどのトリクロロメチルトリアジン系光ラジカル重合開始剤;カルバゾール系光ラジカル重合開始剤などが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等は、重合速度の観点から好ましく用いられる。
光ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えばIRGACURE184、1300、1800、1870、2022、2100、2959、369、379、500、651、754、784、819、907、IRGACURE OXE01、IRGACURE OXE02、DAROCUR1173、4265、DAROCUR MBF、DAROCUR TPO(以上、BASFジャパン社製)、TAZ−110、TAZ−204(以上、みどり化学社製)、Luna BP、Luna100、200、800、900、907、393、251,2959、Luna TPO(以上、DKSHジャパン社製)、KAYACURE DETX、KAYACURE MBP、KAYACUREDMBI、KAYACURE EPA、KAYACURE OA(以上、日本化薬社製)などを例示することができる。
本発明に用いられる多孔性基材の材質としては、プロトン伝導を遮断や妨害しないものであれば特に限定するものではないが、耐熱性の観点や、物理的強度の補強効果を鑑みれば、脂肪族系高分子、芳香族系高分子、または含フッ素高分子が好ましく使用される。脂肪族系高分子としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、ここで言うポリエチレンとは、ポリエチレンの結晶構造を有するエチレン系のポリマーの総称であり、例えば直鎖状高密度ポリエチレン(HDPE)や、低密度ポリエチレン(LDPE)の他に、エチレンと他のモノマーとの共重合体をも含み、具体的には、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と称されるエチレン、α−オレフィンとの共重合体や超高分子量ポリエチレンなどを含む。またここで言うポリプロピレンはポリプロピレンの結晶構造を有するポリプロピレン系のポリマーの総称であり、一般に使用されているプロピレン系ブロック共重合体、ランダム共重合体など(これらはエチレンや1−ブテンなどとの共重合体である)を含むものである。
前記芳香族系高分子としては、例えばポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルフィドスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンオキシド、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド等が挙げられる。さらに、セルロースやポリ乳酸も使用できる。
また、前記含フッ素高分子としては、分子内に炭素−フッ素結合を少なくとも1個有する熱可塑性樹脂が使用されるが、脂肪族系高分子の水素原子のすべてまたは大部分がフッ素原子によって置換された構造のものが好適に使用される。その具体例としては、例えばポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルエーテル)、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なかでもポリテトラフルオロエチレン、ポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)が好ましく、特にポリテトラフルオロエチレンが好ましい。これらの多孔質材料は、単独で用いても、他の素材と組み合わせて用いても良い。
多孔質材料として多孔質フィルムを選択する場合、電気化学的な安定性、コストの観点からポリエチレンやポリプロピレンに代表される脂肪族ポリオレフィンフィルムが好ましい。
また、ポリオレフィンに被抽出物を添加し、微分散させ、シート化した後に被抽出物を溶媒などにより抽出して孔を形成し、必要に応じて抽出前および/または後に延伸加工を行う工程を有する抽出法で得られた湿式法で得られた多孔質材料も使用可能である。また自己組織化によるハニカム状に開口した多孔質材料や炭酸カルシウムなどの造孔剤を添加し延伸により多孔質化したフィルムも使用可能である。
多孔質基材の空隙率は使用する高分子電解質のイオン交換容量によって適宜実験的に求められるが、複合高分子電解質膜のプロトン伝導性や、高分子電解質溶液の充填の容易さの観点から、30%以上90%以下が好ましく、35%以上70%以下がより好ましい。空隙率が35%以上であれば、高分子電解質溶液が多孔質材料の内部まで充填が容易となりプロトン伝導パスが複合化高分子電解質膜の厚み芳香に連続的に形成されやすい。また、90%以下であれば製膜工程での作業性が良好となり、複合高分子電解質膜の乾湿寸法変化や吸水時の機械的強度の低下を抑制できる。
多孔質基材の空隙率は、多孔質材料を正方形に切り取り、一辺の長さをL(cm)、重量W(g)、厚みD(cm)、を測定して、以下の式より求めることができる。
空隙率=100−100(W/ρ)/(L2×D)
上記式中のρは、フィルム密度を示す。ρはJIS K7112(1980)のD法の密度勾配管法にて求めた値を用いる。このときの密度勾配管用液は、エタノールと水を用いる。
多孔質基材の厚みは、目的とする複合高分子電解質膜の膜厚により適宜決定できるが、1〜100μmであることが実用上好ましい。フィルム厚みが1μm未満では、製膜工程および二次加工工程における張力によってフィルムが伸び、縦じわの発生や、破断する場合がある。また、100μmを超えると、高分子電解質の充填が不十分となりプロトン伝導性が低下する。
本発明の複合高分子電解質膜は、上記多孔質基材に上記芳香族高分子電解質および上記ラジカル重合性化合物の混合溶液を含浸させたあとに、光や熱によって架橋を進行させることで得られる。
本発明の複合高分子電解質膜のイオン交換容量(IEC)は、複合高分子電解質膜のプロトン伝導性の観点から、1.5meq/g以上であれば良く、膜の形態安定性について考慮すると1.5meq/g以上6.0meq/g以下であることが好ましく、2.0meq/g以上4.0meq/gであることがより好ましい。IECが1.5meq/gより低いとプロトン伝導性が不十分で、IECが6.0meq/gより高いと膜の形態安定性に問題が出てしまう。
以下に複合高分子電解質膜の製造法について説明する。
本発明の複合高分子電解質膜は、外部刺激によりラジカルを発生しうる構造を分子鎖中に有しする芳香族系高分子電解質と、1種類以上のラジカル重合性化合物を含む組成物を多孔性の基材の細孔中に充填後に、外部刺激を与え、該高分子電解質と該ラジカル重合性化合物を反応させて得られることができる。
前記芳香族高分子電解質およびラジカル重合性化合物を含む組成物の混合溶液の多孔膜への含浸方法は特に限定されず、該多孔質基材と上記混合溶液が接触するような態様をとればよく、上記混合溶液を溜めた溶液槽に、該多孔質基材を浸漬した後に溶媒を除去する工程、該溶液を多孔質基材に流延塗布して含浸させる工程、該溶液を基材上に流延塗布しその後に該多孔質基材を貼り合わせて含浸させる工程などが挙げられる。
本発明における芳香族高分子電解質およびラジカル重合性化合物の混合比は、前記のIECの範囲から逸脱しないものであれば特に限定されないが、芳香族高分子電解質/ラジカル重合性化合物(質量%比)で90/10〜40/60の範囲であることが好ましく、プロトン伝導性や耐久性および反応性の面から80/20〜50/50であることが特に好ましい。
本発明における芳香族高分子電解質およびラジカル重合性化合物の混合溶液の濃度は、流動性を有する範囲であれば、特に限定されるものではないが、1質量%〜30質量%であり、好ましくは,5質量%〜15質量%である。
上記混合溶液における溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類やジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性有機溶媒および水などが挙げられる。これらの溶剤はそれぞれ混合されていても良い。乾燥速度および製膜性の観点からアルコール系の溶媒と水の混合溶媒を用いることが好ましく、メタノールと水の混合溶媒を用いることがより好ましい。
芳香族系高分子電解質およびラジカル重合性化合物の混合溶液の多孔膜への含浸後に、得られた複合膜に対して、外部刺激を与えてラジカル反応を起こし、架橋を進行させることで本発明の高分子電解質膜を得ることができる。ここで、外部刺激とは、芳香族高分子電解質およびラジカル重合性化合物の一部を反応させることができるものであれば良く、例えば、紫外線や電子線照射を挙げることができる。なかでも処理の簡便さから紫外線処理であることが好ましい。
また、これらの処理と並行またはその処理後に加熱処理を行うこともできる。芳香族高分子電解質およびラジカル重合性化合物の一部を反応させることができればよく、具体的な加熱条件については、特に限定されないが、反応性の面から50℃〜150℃の温度で処理することが好ましく、80〜150℃で処理することがより好ましい。
本発明の膜/電極接合体は、本発明の複合高分子電解質膜を電極触媒層と接合することによって得ることができる。
本発明における電極とは、電極材料と、その表面に形成された触媒を含む層(電極触媒層)とからなり、電極材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、カーボンペーパーやカーボンクロスなど、導電性の多孔質材料を用いることができるが、それらに限定されるものではない。カーボンペーパーやカーボンクロスなど、導電性の多孔質材料は、撥水処理、親水処理などの表面処理がされたものを用いることもできる。触媒には、公知の材料を用いることができる。例えば、白金、白金とルテニウムなどの合金などを挙げることができるが、それらに限定されるものではない。
触媒や触媒を坦持した粒子を含む電極触媒層には、接着剤を用いることができ、接着剤としては、プロトン伝導性を有する樹脂を用いることができる。プロトン伝導性を有する樹脂としては、ナフィオン(商品名)など公知のものを用いてもよいし、本発明の複合高分子電解質膜構成するイオン性基含有ポリマーを主成分としたものを用いてもよいし、他の炭化水素系プロトン伝導性ポリマーを主成分とするものを用いてもよい。
膜/電極接合体の作製方法としては、従来からの公知の方法を用いて行うことができ、例えば、高分子電解質膜と電極触媒層とを加熱加圧する方法や触媒坦持粒子、接着剤および適当な溶剤からなる触媒インクを高分子電解質膜上に塗布する方法等がある。
本発明の燃料電池は、本発明の高分子電解質膜または高分子電解質膜/電極接合体を用いて作製することができる。本発明の燃料電池は、例えば酸素極と、燃料極と、それぞれの極に挟まれて配置された高分子電解質膜と、酸素極側に設けられた酸化剤の流路と、燃料極側に設けられた燃料の流路を有するものである。このような一つの単位セルを導電性のセパレーターで連結することによって燃料電池スタックを得ることができる。
以下、本発明を、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることはない。なお、各種測定は次のように行った。
<高分子電解質膜の評価方法>
以下に高分子電解質膜の評価方法を示す。なお評価するに際しては、特別な記載がない限り、厚みや質量を正確に測ることを目的とし、室温が20℃で相対湿度が30±5RH
%にコントロールされた測定室内で評価を行った。なお、測定に際してサンプルは、24時間以上、測定室内で静置したものを使用した。
<高分子電解質膜の厚み>
複合高分子電解質膜の厚みは、マイクロメーター(Mitutoyo、標準マイクロメーター)を用いて測定することにより求めた。測定は10箇所行い、その平均値を厚みとした。
<イオン交換容量>
乾燥したプロトン交換膜100mgを、0.01MのNaOH水溶液50mlに浸漬し、25℃で2時間攪拌した。その後、0.02MのHCl水溶液で中和滴定した。中和滴定には、平沼産業(株)製、電位差滴定装置COMTITE−980を用いた。イオン交換当量は下記式で計算して求めた。
イオン交換容量[meq/g]=(10−滴定量[mL])/2
<プロトン伝導性>
自作測定用プローブ(テフロン(登録商標)製)上で短冊状膜試料の表面に白金線(直径:0.2mm)を押しあて、80℃、50%RHの恒温・恒湿オーブン(株式会社ナガノ科学機械製作所、LH−20−01)中に試料を保持し、白金線間のインピーダンスをSOLARTRON社1250FREQUENCY RESPONSE ANALYSERにより測定した。極間距離を変化させて測定し、極間距離とC−Cプロットから見積もられる抵抗測定値をプロットした勾配から以下の式により膜と白金線間の接触抵抗をキャンセルしたプロトン伝導率(σ)を算出した。
σ[S/cm]=1/膜幅[cm]×膜厚[cm]×抵抗極間勾配[Ω/cm]
<膨潤・収縮繰り返し(D/W)試験方法>
高分子電解質膜の膨潤・収縮繰り返し試験および耐久性は、以下の方法で測定した。高分子電解質膜を自作の膨潤・収縮繰り返し試験セル(有効面積約15cm2)にセットし、セル温度は85℃になるように加温した。その後、セル中に無加湿の窒素を270秒−フル加湿の窒素を30秒流すサイクルを繰り返す試験を実施した。6サイクルごとにアノード開放状態でカソード側に背圧(50kPa)を掛けることで膜の破れを確認した(背圧↓で膜破れ発生と判断)。
500サイクルまで測定し、破れがあったものは×、破れがなかったものは○と評価した。
<高分子電解質膜と電極との接合および発電試験>
デュポン社製20%ナフィオン(登録商標)溶液に、市販の40%Pt触媒担持カーボン(田中貴金属工業社 燃料電池用触媒 TEC10V40E)と、少量の超純水およびイソプロピルアルコールを加えた後、均一になるまで攪拌し、触媒ペーストを調製した。この触媒ペーストを、カーボンペーパー(東レ社製 TGPH−060)に白金の付着量が0.5mg/cm2になるように均一に塗布・乾燥して、電極触媒層付きガス拡散層を作製した。上記の電極触媒層付きガス拡散層の間に、高分子電解質膜を、電極触媒層が膜に接するように挟み、ホットプレス法により80℃、3MPaにて4分間加圧、加熱することにより、膜−電極接合体とした。この接合体をElectrochem社製の評価用燃料電池セルFC25−02SPに組み込んで、セル温度80℃で、アノード26%RHおよびカソード16%RHの条件で水素と酸素を供給して発電特性を評価した。性能安定後の1A/cm2での電圧を用いサンプル間の比較を行った。
<合成例1>
ポリ[(p−フェニレンスルホン酸)−2,5−ベンゾフェノン(10)]
100ml反応容器<A>にビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド(2.46g、3.76mmol)、トリス(m−トリル)ホスフィン(2.29g、7.52mmol)、ヨウ化ナトリウム(281mg、1.88mmol)、亜鉛粉末(4.91g、75.1mmol)を量りとり、テトラヒドロフラン30mlを加えた。70℃まで昇温し、10分間撹拌した。異なる100ml反応容器<B>に2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸2,2−ジメチルプロピル(20.0g、67.3mmol)、2,5−ジクロロベンゾフェノン(1.99g、7.92mmol)にテトラヒドロフラン(50ml)を加えた。反応容器<B>の溶液を反応容器<A>に移し、70℃で6時間撹拌した。反応溶液を10%塩酸水溶液1000mlに注ぎ、ろ過した。次いで、アセトン200ml中に分散させ、反応混合物を溶解し、ろ過することにより目的としたポリ[(p−フェニレンスルホン酸)−2,2−ジメチルプロピル−2,5−ベンゾフェノン(10)]を14g合成することができた。Mn=5860g/mol。
1000ml反応容器に合成したポリマー(10g)、トリメチルアミン塩酸塩(22.6g、22mmol)、NMP 200mlを計量し、120℃で12時間攪拌した。反応混合物をクロロホルム150mlで洗浄し、トリメチルアミン塩酸塩の反応残渣が除去できるまでクロロホルムで繰り返し洗浄した。300ml三角フラスコに精製したポリマー、陽イオン交換樹脂(ダウエックスモノスフィアー650C)100g、純水200gを計量し室温で12時間攪拌した。陽イオン交換樹脂をろ過により除去し、ポリマー水溶液を濃縮、乾燥し、目的物を6.5g合成することができた。合成したポリ[(p−フェニレンスルホン酸)−2,5−ベンゾフェノン(10)]のイオン交換基容量は5.5meq/gであった。
<合成例2>
ポリ[(p−フェニレンスルホン酸)−4,4’−ベンゾフェノン(10)]
原料として2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸2,2−ジメチルプロピル(20.0g、67mmol)、4,4‘−ジクロロベンゾフェノン(1.9g、7.5mmol)の重量比で合成例1と同様な実験条件で重合した。ポリ[(p−フェニレンスルホン酸)2,2−ジメチルプロピル−4,4’−ベンゾフェノン(10)]を13g合成することができた。Mn=3400g/mol。
合成したポリマーを用いて合成例1と同様に処理し、ポリ[(p−フェニレンスルホン酸) 4,4,4‘−ベンゾフェノン(10)]を6.0g合成することができた。合成したポリ[(p−フェニレンスルホン酸)−4,4’−ベンゾフェノン(10)]のイオン交換基容量は5.7meq/gであった。
<実施例1>
合成例1で得られたポリ[(p−フェニレンスルホン酸)−2,5−ベンゾフェノン(10)]100mg、ビニルスルホン酸40mg、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート20mg、DAROCUR1173 3mgをメタノール/水[90/10(w/w)]混合溶液4.4gに溶解させた。その後、メタノールに浸漬したポリエチレン製多孔膜(サイズ:10×10cm、膜厚:15μm、空孔率:49%)をPTFE製基材上に置き、その上から上記ポリマー溶液をコートし、窒素雰囲気下室温で乾燥させた。得られた複合膜に対して、80度加熱下でUV照射(15J/cm2)を行った。さらに、120℃で1時間熱処理を実施した。得られた架橋複合膜を純水に一晩浸漬し、その後乾燥させ、目的の複合高分子電解質膜を得た。得られた膜のIECは2.4meq/gであった。
<実施例2>
合成例2で得られたポリ[(p−フェニレンスルホン酸)−4,4’−ベンゾフェノン(10)]100mg、ビニルスルホン酸40mg、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート20mg、DAROCUR1173 3mgをメタノール/水[90/10(w/w)]混合溶液4.4gに溶解させた。その後、メタノールに浸漬したポリエチレン製多孔膜(サイズ:10×10cm、膜厚:15μm、空孔率:49%)をPTFE製基材上に置き、その上から上記ポリマー溶液をコートし、窒素雰囲気下室温で乾燥させた。得られた複合膜に対して、80度加熱下でUV照射(15J/cm2)を行った。さらに、120℃で1時間熱処理を実施した。得られた架橋複合膜を純水に一晩浸漬し、その後乾燥させ、目的の複合高分子電解質膜を得た。得られた膜のIECは2.3meq/gであった。
[比較例1]
下記
で示される繰り返し単位と、下記
で示される繰り返し単位を有するポリマーD(分子量約100000)12.00gをN−メチル−2−ピロリドン88.00gに溶解し、ポリマー溶液Dを作製した。
この溶液を、室温の雰囲気下で188μmポリエステルフィルム上にキャストし、80℃で10分、100℃で10分、130℃で10分処理した。その後、得られたフィルム状膜を、室温の純水に一晩浸漬させ、残留している溶媒を取り除いた。その後、得られた膜をろ紙に挟み、さらにガラス板で両面を挟み、荷重をかけつつ、20℃、相対湿度30%RHの室内で、2日間、放置して乾燥し、高分子電解質膜を作製した。得られた高分子電解質膜の厚みは、17μmであり、イオン交換容量は、2.1meq/gとなった。
[比較例2]
市販のパーフルオロスルホン酸系イオン交換膜であるナフィオン NR211(商品名)を用いて、比較評価した。
表1から、本発明の複合高分子電解質膜は、高分子電解質膜の膨潤・収縮繰り返し試験において、割れ、裂け、ピンホール等も認められなかった。したがって、本発明の複合高分子電解質膜は、比較例の炭化水素系電解質膜に比べて耐久性が大きく向上していることがわかる。さらに、発電試験においても比較例よりも高い性能を示すことが確認できた。プロトン伝導性においても、低湿度環境下において、ナフィオン NR211(商品名)以上の優れた特性を示すことから、燃料電池膜としての応用に期待が持てる。
本発明の複合高分子電解質膜は、低湿度下において高いプロトン伝導性を示し、膨潤・収縮試験に対しても高い耐久性を示したことから、本発明の複合高分子電解質膜を用いることで、耐久性に優れ、低湿度下でも運転可能な燃料電池が提供できる。本発明の複合高分子電解質膜により、水素を燃料とする燃料電池の実用性が大幅に向上することが期待でき、産業界の発展に寄与するところ大である。

Claims (13)

  1. イオン性基およびラジカルを発生しうる構造を分子鎖中に有する芳香族系高分子電解質の2分子以上が該芳香族系高分子電解質と異なる構造を有し且つ繰り返し単位を有する化合物によって連結されてなる高分子電解質を多孔性の基材の細孔中に含む複合高分子電解質膜であって、該高分子電解質が該芳香族系高分子電解質と1種類以上のラジカル重合性化合物を含む組成物をラジカル重合開始剤存在下に、外部刺激により反応させて得られることを特徴とする複合高分子電解質膜。
  2. 前記組成物中の前記ラジカル重合性化合物の少なくとも1種類が、スルホン酸基もしくはホスホン酸基を有していることを特徴とする請求項1に記載の高分子電解質膜。
  3. 前記組成物中の前記ラジカル重合性化合物の少なくとも1種類が、2個以上のラジカル重合性基を有していることを特徴とする請求項1〜2に記載の複合高分子電解質膜。
  4. 前記外部刺激が紫外線照射または電子線照射であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。
  5. 前記芳香族系高分子電解質がその分子鎖中に少なくとも下記化学式1および下記化学式2で示される繰り返し構造を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。
    (Ar1はスルホン酸基、スルホン酸塩またはスルホン酸基誘導体を含む2価の芳香族基、Ar2はスルホン酸基、スルホン酸塩またはスルホン酸基誘導体を含まずベンゾイル基を有する2価の芳香族基を示す)
  6. 前記化学式2においてAr2が化学式3で示されることを特徴とする請求項5に記載の複合高分子電解質膜。
    (式中、R1、R2は水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかであり、R1、R2は同一であっても異なっていてもよい。R3は炭素数1〜20のアルキル基または置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基のいずれかを示す。R3が置換基を有する場合、該置換基は水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかであり、該置換基を複数有する場合はそれらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。a、bは1〜4の整数を示す。p、qは、p+q=1を満たす0または1である。)
  7. 前記化学式1のAr1は下記化学式4で表されることを特徴とする請求項5〜6のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。
    (式中、mは請求項1で定義したものと同じ意味を表す。R4は水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかであり、置換基は同一であっても異なっていてもよい。rは1または2であり、dは4−rを示す。AはOR5もしくはN(R6)(R7)を示し、R5は水素、アルカリ金属、炭素数1〜20のアルキル基のいずれかを示し、R6及びR7は水素または炭素数1〜20のアルキル基のいずれかであり、R6及びR7は同一であっても異なっていてもよい。)
  8. 前記ラジカル重合開始剤が光反応性であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。
  9. 前記多孔性基材の材質が高分子材料であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。
  10. 前記高分子電解質膜のイオン交換容量が1.5meq/g〜6.0meq/gであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。
  11. 前記複合高分子電解質膜が、外部刺激によりラジカルを発生しうる構造を分子鎖中に有する芳香族系高分子電解質と、1種類以上のラジカル重合性化合物を含む組成物およびラジカル重合性開始剤を多孔性の基材の細孔中に充填後に、外部刺激を与え、該高分子電解質と該ラジカル重合性化合物を反応させて得られることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の複合高分子電解質膜の製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の複合高分子電解質膜を用いた燃料電池用高分子電解質膜電極接合体。
  13. 請求項12に記載の高分子電解質膜電極接合体を用いた燃料電池。
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JP2016207609A (ja) * 2015-04-28 2016-12-08 東洋紡株式会社 複合高分子電解質膜およびその製造方法ならびに膜電極接合体、燃料電池
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