JP2015028113A - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】引裂性能及び初期の加工性能を向上する。【解決手段】ヘテロ原子を含む官能基が導入された変性ジエン系ゴムを20質量部以上含むゴム成分100質量部に対して、シリカ20〜120質量部と、該シリカ表面のシラノール基と相互作用のある変性基を持つ液状アクリルポリマー1〜30質量部と、を含有するゴム組成物である。また、該ゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤである。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
一般に、タイヤ用ゴム組成物において、引裂性能を向上させるためには、天然ゴムやカーボンブラックを用いた配合が使用されている。しかしながら、これらの配合では、低燃費性(低発熱性能)が悪化するなど、最近の低燃費タイヤのトレッド用配合には向いていない。そこで、タイヤの低燃費性能を向上させるために、末端変性スチレンブタジエンゴムなどの変性ジエン系ゴムが用いられている(例えば、特許文献1参照)。かかる変性ジエン系ゴムは、低燃費性能の向上を主に考えられているため、引裂性能が悪化するという欠点がある。そのため、変性ジエン系ゴムを用いた配合において、従来の手法によらずに、引裂性能を向上することができるようにすることが求められる。
ところで、特許文献2には、耐カット性や屈曲疲労性を向上するため、不飽和カルボン酸で変性したポリオレフィン系樹脂を配合することが開示されている。しかしながら、常温で固体のポリオレフィン系樹脂を用いるものであり、加工性能が悪化は避けられない。
特許文献3には、低発熱性能の悪化を抑制しつつ、耐摩耗性と破壊特性を改良するために、オイルの一部を液状ポリマーで置換することが開示されている。また、特許文献4には、耐摩耗性と加工性を損なうことなく、耐カットチップ性を向上するために、水酸基やカルボキシル基で変性された液状ブタジエンゴムを配合することが開示されている。しかしながら、液状アクリルポリマーを配合することについては開示されていない。
一方、特許文献5には、低燃費性能とウェット性能を向上させるために、(メタ)アクリレート系(共)重合体を配合することが開示されている。しかしながら、変性基を持たない無官能の液状アクリルポリマーを用いるものであり、初期の加工性能の向上効果についても、引裂性能の向上効果についても開示されていない。
特開2009−138157号公報 特開平10−087900号公報 特開2004−161958号公報 特開2003−012860号公報 特開2006−274049号公報
本発明は、上記の点に鑑み、引裂性能及び初期の加工性能を向上することができるゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、ゴム成分としての変性ジエン系ゴム及び補強性充填剤としてのシリカとの組み合わせにおいて、変性基を持つ液状アクリルポリマーを配合することにより、引裂性能を向上させるとともに、初期の加工性能も向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に係るゴム組成物は、ヘテロ原子を含む官能基が導入された変性ジエン系ゴムを20質量部以上含むゴム成分100質量部に対して、シリカ20〜120質量部と、該シリカ表面のシラノール基と相互作用のある変性基を持つ液状アクリルポリマー1〜30質量部と、を含有するものである。
また、本発明の好ましい態様に係る空気入りタイヤは、該ゴム組成物を用いてなるものである。
本発明によれば、引裂性能と初期の加工性能を向上することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係るゴム組成物は、変性ジエン系ゴムを含むゴム成分に、補強性充填剤としてのシリカと、変性基を持つ液状アクリルポリマーを配合してなるものである。
該ゴム組成物においては、ゴム成分として、ヘテロ原子を含む官能基が導入された変性ジエン系ゴムを用いる。該官能基は、ジエン系ゴムポリマーの分子鎖の末端に導入されてもよく、あるいはまた分子鎖中に導入されてもよい。好ましくは分子鎖末端に導入されることである。
該変性ジエン系ゴムを構成するベースポリマーとしては、各種ジエン系ゴムが挙げられるが、スチレンブタジエンゴムやブタジエンゴムが好ましい。そのため、好ましい実施形態において、変性ジエン系ゴムは、変性スチレンブタジエンゴム(変性SBR)、及び/又は、変性ブタジエンゴム(変性BR)であり、より好ましくは変性SBRである。
変性ジエン系ゴムの官能基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、スズ原子、ハロゲン原子などのヘテロ原子を含むものであり、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基、スズ含有基、及びハロゲンなどが挙げられる。これらはそれぞれ1種のみ導入されてもよく、あるいはまた2種以上組み合わせて導入されてもよい。これらの官能基は、シリカ表面のシラノール基(Si−OH)と相互作用があるものであり、すなわち、シラノール基との間で化学結合し得る反応性又は水素結合などの親和性を持つものである。そのため、シリカの分散性を向上させて、低燃費性能の向上に寄与することができる。
ここで、アミノ基としては、1級アミノ基だけでなく、2級もしくは3級アミノ基でもよい。また、アルコキシ基(−OR、但しRはアルキル基)としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。アルコキシシリル基は、シリル基の3つの水素のうち少なくとも1つがアルコキシ基で置換されたものをいい、これには、トリアルコキシシリル基、アルキルジアルコキシシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基が含まれる。更に、ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、塩素、臭素が好ましい。スズ含有基は、スズ化合物を用いて変性することにより導入することができ、スズ化合物としては、四塩化スズ、メチル三塩化スズ、ジブチルジクロロスズ、トリブチルクロロスズ等のハロゲン化スズ化合物、テトラアリルスズ、ジエチルジアリルスズ、テトラ(2−オクテニル)スズ等のアリルスズ化合物、テトラフェニルスズ、テトラベンジルスズ等が挙げられる。これらの官能基の中でも、シリカのシラノール基との相互作用を高める点から、水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基及びアルコキシシリル基などの、酸素原子を含む官能基が好ましい。
このような官能基を有する変性ジエン系ゴム自体は公知であり、その製造方法等は限定されるものではない。例えば、アニオン重合で合成された溶液重合スチレンブタジエンゴムやブタジエンゴムを変性剤で変性することで、上記官能基を導入してもよく、あるいはまた、上記官能基を有する単量体を、ベースポリマーを構成する単量体であるブタジエンやスチレンとともに共重合することでゴムポリマーの分子鎖中に導入してもよい。
上記ゴム組成物において、ジエン系ゴムからなるゴム成分は、該変性ジエン系ゴムをゴム成分100質量部のうち20質量部以上にて含有する。ゴム成分は、該変性ジエン系ゴム単独でもよいが、未変性のジエン系ゴムとのブレンドでもよい。任意成分である未変性のジエン系ゴムとしては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレン共重合体ゴム、ブタジエンイソプレン共重合体などが挙げられ、これらの2種以上の組み合わせでもよい。一実施形態として、変性ジエン系ゴムとして変性SBRを用いる場合、未変性のBR及び/又はNRとブレンドすることが好ましく、また、変性ジエン系ゴムとして変性BRを用いる場合、未変性のSBR及び/又はNRとブレンドすることが好ましい。
一実施形態に係るゴム組成物において、ゴム成分100質量部は、変性ジエン系ゴム20〜100質量部と、未変性のジエン系ゴム80〜0質量部からなり、より好ましくは、変性ジエン系ゴム20〜90質量部と、未変性のジエン系ゴム80〜10質量部からなり、更に好ましくは、変性ジエン系ゴム50〜90質量部と、未変性のジエン系ゴム50〜10質量部からなり、より一層好ましくは、変性ジエン系ゴム60〜90質量部と、未変性のジエン系ゴム40〜10質量部からなる。
本実施形態に係るゴム組成物には、変性基を持つ液状アクリルポリマーが配合される。液状アクリルポリマーは、常温(23℃)で液状をなす(即ち、流動性を持つ)のアクリルポリマーであり、液状である限りその分子量は特に限定しないが、重量平均分子量(Mw)が1,000〜9万であることが好ましく、より好ましくは1,500〜2万であり、更に好ましくは1,800〜5,000であり、特に好ましくは2,000〜4,000である。重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)、溶媒:THF(テトロヒドロフラン)、40℃で測定されるポリスチレン換算値である。
本発明において液状アクリルポリマーは、(メタ)アクリル酸エステル単量体を主成分として重合してなるものであり、ポリアクリレートでも、ポリメタクリレートでもよいが、好ましくはポリアクリレートである。ここで、「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルを意味する総称である。
上記(メタ)アクリル酸エステルのエステル部分の炭素数は1〜20であることが好ましく、より好ましくは1〜10である。該エステル部分は、直鎖状でも、分岐状でも、環状でもよい。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸s−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシルおよびアクリル酸ステアリル等のアクリル酸アルキル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニルおよびアクリル酸トリシクロデシニル等のアクリル酸脂環式アルキル、並びにこれらの対応するメタクリル酸エステルが挙げられ、これらは1種又は2種類以上を併用することができる。これらの中でも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルおよびアクリル酸2−エチルヘキシルのいずれか1種以上を用いることが好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステル以外の共重合可能な単量体(例えばスチレン等)を共重合させることも可能である。但し、上記変性基を導入するための単量体を除いて、液状アクリルポリマーは、(メタ)アクリル酸エステルのみ、より好ましくはアクリル酸エステルのみを単量体とすることが好ましい。
実施形態に係る液状アクリルポリマーは、以上のような液状アクリルポリマーの中でも、シリカ表面のシラノール基と相互作用のある変性基を持つものを用いる。すなわち、変性基は、シラノール基との間で化学結合し得る反応性又は水素結合などの親和性を持つものである。このような変性基としては、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、アルコシキシシリル基などの官能基が好ましく、これらの官能基はいずれか1種又は2種以上組み合わせて導入されてもよい。ここで、アルコキシシリル基は、シリル基の3つの水素のうち少なくとも1つがアルコキシ基で置換されたものをいい、これには、トリアルコキシシリル基、アルキルジアルコキシシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基が含まれ、好ましくはトリアルコキシシリル基である。該アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。アルコキシシリル基の具体例としては、トリメトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、メチルジメトキシエトキシシリル基等が挙げられる。
官能基を変性基として液状アクリルポリマーに導入する方法としては、特に限定しないが、これらの官能基を含有するビニル単量体を、上記(メタ)アクリル酸エステルと共重合することにより、側鎖に変性基を持つ液状アクリルポリマーが得られる。このような官能基含有単量体としては、例えば、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル;(メタ)アクリル酸;グリシジル(メタ)アクリレート;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルアルコキシシランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
このような変性基を持つ液状アクリルポリマーとしては、例えば、以下に挙げる商品名で市販されているものが挙げられ、好ましく使用可能である。水酸基を持つ液状アクリルポリマーとしては、東亞合成(株)製の「ARUFON UH−2000シリーズ」が挙げられ、UH−2000、UH−2032、UH−2041、UHE−2012などのグレード品が挙げられる。エポキシ基を持つ液状アクリルポリマーとしては、東亞合成(株)製の「ARUFON UGシリーズ」が挙げられ、UG−4000、UG−4010などのグレード品が挙げられる。カルボキシル基を持つ液状アクリルポリマーとしては、例えば、東亞合成(株)製の「ARUFON UC−3000シリーズ」が挙げられ、UC−3510などのグレード品が挙げられる。アルコキシシリル基を持つ液状アクリルポリマーとしては、例えば、東亞合成(株)製の「ARUFON US−6000シリーズ」が挙げられ、US−6110、US−6120などのグレード品が挙げられる。
本実施形態に係るゴム組成物において、該液状アクリルポリマーは、上記ゴム成分100質量部に対して、1〜30質量部にて配合することができる。該液状アクリルポリマーは、例えばプロセスオイルなどのオイルの少なくとも一部を置換して用いることができる。液状アクリルポリマーの配合量を1質量部以上とすることで、引裂性能の向上効果を高めることができ、また、30質量部以下とすることで、加工性能の悪化を抑えることができる。液状アクリルポリマーの配合量は、より好ましくは2〜25質量部であり、更に好ましくは3〜20質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記ゴム成分100質量部に対して、シリカを20〜120質量部にて配合することができる。シリカの配合量は、より好ましくは、ゴム成分100質量部に対して30〜100質量部である。
シリカとしては、特に限定されないが、湿式沈降法シリカや湿式ゲル法シリカなどの湿式シリカが好ましく用いられる。シリカのコロイダル特性は特に限定しないが、BET法による窒素吸着比表面積(BET)が90〜250m/gであるものが好ましく用いられ、より好ましくは150〜230m/gである。なお、シリカのBETはISO 5794に記載のBET法に準拠し測定される。
本実施形態に係るゴム組成物において、補強性充填剤としては、上記シリカ単独でもよく、シリカとカーボンブラックを併用してもよい。カーボンブラックを併用する場合、その配合量は特に限定されないが、ゴム成分100質量部に対して、例えば5〜50質量部であり、より好ましくは5〜40質量部である。また、カーボンブラックの配合量は、シリカとの合計量で25〜130質量部であることが好ましく、より好ましくは40〜110質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物には、シリカの分散性を向上するために、シランカップリング剤を配合してもよい。シランカップリング剤の配合量は、特に限定されないが、シリカ100質量部に対して2〜25質量部であることが好ましく、より好ましくは5〜15質量部である。シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエキトシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィドなどのスルフィドシランカップリング剤;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプトシランカップリング剤;3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−プロピオニルチオプロピルトリメトキシシランなどの保護化メルカプトシランカップリング剤などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
本実施形態に係るゴム組成物には、プロセスオイルなどのオイルを配合してもよい。上記液状アクリルポリマーがオイルの代替となるためオイルは必須ではないが、オイルの一部を上記液状アクリルポリマーで置換するようにしてもよい。その場合のオイルの配合量は、液状アクリルポリマーの配合量によっても異なるので特に限定されないが、ゴム成分100質量部に対して、10〜50質量部であることが好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記の各成分の他に、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。上記加硫剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などの硫黄成分が挙げられ、特に限定するものではないが、その配合量は上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部であり、更に好ましくは1〜3質量部である。また、加硫促進剤の配合量としては、上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
該ゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練し作製することができる。すなわち、第一混合段階(ノンプロ練り工程)で、ゴム成分に対し、上記シリカ及び液状アクリルポリマーとともに、加硫剤及び加硫促進剤を除く他の添加剤(オイルや加工助剤など)を添加して混練し、次いで、得られた混合物に、最終混合段階(プロ練り工程)で加硫剤及び加硫促進剤を添加して混練することにより、ゴム組成物を調製することができる。
以上よりなる本実施形態に係るゴム組成物は、空気入りタイヤや、防振ゴム、コンベアベルトなどのゴム部分を形成する各種ゴム組成物に用いることができる。好ましくは、タイヤに用いることであり、常法に従い、例えば140〜180℃で加硫成形することにより、各種空気入りタイヤのゴム部分(トレッドゴムやサイドウォールゴムなど)を構成することができる。特には、空気入りタイヤのトレッドゴムに用いることが好ましく、低燃費性能に優れたタイヤを製造することができる。
本実施形態に係るゴム組成物であると、一般に低燃費性能に優れるものの引裂性能に劣る変性ジエン系ゴムのデメリットを解消して、引裂性能を向上することができ、また、初期の加工性能も向上することができる。詳細には、側鎖に変性基を持つ液状アクリルポリマーを用いることにより、ジエン系ゴムとの相溶性が向上することで補強性が向上するともに、液状アクリルポリマーの持つ変性基(官能基)とシリカ表面のシラノール基との相互作用により初期の加工性能も向上する。
ここで、初期の加工性能とは、上記ノンプロ練り工程での加工性能である。上記のように工場でのゴム練り工程は、加硫系を添加するまでのノンプロ練り工程と、加硫系を添加した後のプロ練り工程がある。このプロ練り工程に入る前には、ノンプロ練り工程において、加工しやすい程度までの粘度の低減が必要である。加工性能の悪い配合では、ノンプロ練り工程での長時間混合や、ステップ数の増加が必要となり、生産性能の低下に繋がる。そのため、初期の加工性能が良いことは、ノンプロ練り工程での混合時間を短縮することができ、生産性の向上に繋がる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[第1実施例]
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従い、まず、ノンプロ練り工程で、硫黄と加硫促進剤を除く成分を添加混合し(排出温度=160℃)、次いで、得られた混合物に、プロ練り工程で硫黄と加硫促進剤を添加混合して(排出温度=90℃)、タイヤトレッド用ゴム組成物を調製した。表1中の各成分の詳細は以下の通りである。
[ゴム成分]
・変性SBR1:アミノ基及びアルコキシ基末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム、JSR株式会社製「HPR350」(ガラス転移温度(Tg)=−35℃、スチレン量(St)=20質量%、ビニル量(Vi)=55モル%)
・変性SBR2:水酸基末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン株式会社製「Nipol NS616」(Tg=−25℃、St=21質量%、Vi=62モル%)
・BR:ブタジエンゴム、宇部興産株式会社製「BR150B」
[液状ポリマー]
・液状アクリルポリマー1:無官能基タイプの液状アクリルポリマー、東亞合成株式会社製「UP−1020」(Mw=2,000)
・液状アクリルポリマー2:水酸基を有する液状アクリルポリマー、東亞合成株式会社製「UH−2041」(Mw=2,500)
・液状アクリルポリマー3:カルボキシル基を有する液状アクリルポリマー、東亞合成株式会社製「UC−3510」(Mw=2,000)
・液状アクリルポリマー4:エポキシ基を有する液状アクリルポリマー、東亞合成株式会社製「UG−4010」(Mw=2,900)
・液状アクリルポリマー5:アルコキシシリル基を有する液状アクリルポリマー、東亞合成株式会社製「US−6110」(Mw=3,200)
・液状SBR:液状スチレンブタジエンゴム、(株)クラレ製「L−SBR−820」
・液状BR:OH末端変性水添液状ポリブタジエン、日本曹達株式会社製「GI−3000」
[その他の成分]
・シリカ:東ソー・シリカ株式会社製「ニップシールAQ」(BET=205m/g)
・カップリング剤:スルフィドシランカップリング剤、エボニック・デグサ社製「Si69」
・カーボンブラック:三菱化学株式会社製「ダイヤブラックN341」
・オイル:昭和シェル石油株式会社製「エキストラクト4号S」
・亜鉛華:三井金属鉱業株式会社製「亜鉛華1号」
・ステアリン酸:花王株式会社製「ルナックSー20」
・老化防止剤:大内新興化学工業株式会社製「ノクラック6C」
・ワックス:日本精鑞株式会社製「OZOACE0355」
・硫黄:鶴見化学工業株式会社製「5%油入微粉末硫黄」
・加硫促進剤:住友化学工業株式会社製「ソクシノールCZ」
各ゴム組成物について、初期の加工性能を評価するとともに、150℃で30分間加硫した所定形状の試験片を用いて引裂性能を評価した。各評価方法は以下の通りである。
・初期の加工性能:JIS K6300に準拠して(株)東洋精機製作所製ロータレスムーニー測定機を用い、ノンプロ練り工程終了後(プロ練り工程前)の未加硫ゴムを100℃で1分間予熱後、4分後のトルク値をムーニー単位で測定し、比較例1の値を100とした指数で示した。指数が小さいほど、粘度が小さく、初期の加工性能に優れることを意味する。
・引裂性能:JIS K6252規定のクレセント形で打ち抜き、くぼみ中央に0.50±0.08mmの切れ込みを入れた試験用サンプルを作製し、該試験用サンプルについて、島津製作所製の引張り試験機によって500mm/分の引張り速度で試験を行った。比較例1の値を100として指数で表示し、指数が大きいほど、引き裂き力が大きく、引裂性能に優れることを意味する。
Figure 2015028113
結果は、表1に示す通りであり、変性SBRに用いた比較例1に対し、オイルを増量した比較例3では、加工性能は向上したものの、引裂性能が悪化した。比較例4では、液状アクリルポリマーを添加したものの、無官能基タイプであったため、引裂性能は向上したがその効果は十分高いとは言えず、また初期の加工性能に劣っていた。比較例5では、水酸基を持つ液状アクリルポリマーを添加したが、配合量が多すぎて、加工性能が悪化した。比較例6では、液状ポリマーとして液状SBRを添加したため、引裂性能が悪化するとともに、初期の加工性能も悪化した。比較例6では、液状ポリマーとして液状BRを添加したため、引裂性能の向上効果が得られなかった。
これに対し、変性基を持つ液状アクリルポリマーを添加した実施例1〜8であると、未添加の比較例1,2に対し、引裂性能が顕著に改善されるとともに、初期の加工性能も向上していた。
[第2実施例]
下記表2に示す配合(質量部)に従い、第1実施例と同様にして、ゴム組成物を調製した。表2中の各成分の詳細は、以下に記載のものを除いて、第1実施例と同じである。
・変性BR:スズ変性ブタジエンゴム、日本ゼオン株式会社製「BR1250H」
・NR:天然ゴム、RSS#3
各ゴム組成物について、初期の加工性能を評価するとともに、150℃で30分間加硫した所定形状の試験片を用いて引裂性能を評価した。各評価方法は、第1実施例と同じであるが、いずれも比較例8の値を100とした指数で表示した。
結果は表2に示す通りであり、未変性BRを用いた比較例8に対し、変性BRを用いた比較例9では、初期の加工性能が悪化し、また引裂性能にも劣っていた。これに対し、変性基を持つ液状アクリルポリマーを添加した実施例9であると、未添加の比較例9に対し、引裂性能が顕著に改善されるとともに、初期の加工性能も向上した。
Figure 2015028113

Claims (5)

  1. ヘテロ原子を含む官能基が導入された変性ジエン系ゴムを20質量部以上含むゴム成分100質量部に対して、
    シリカ20〜120質量部と、
    該シリカ表面のシラノール基と相互作用のある変性基を持つ液状アクリルポリマー1〜30質量部と、
    を含有するゴム組成物。
  2. 前記液状アクリルポリマーの変性基が、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、及びアルコシキシシリル基から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載のゴム組成物。
  3. 前記変性ジエン系ゴムの官能基が、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基、スズ含有基及びハロゲンから選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記変性ジエン系ゴムが、変性スチレンブタジエンゴム及び/又は変性ブタジエンゴムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤ。
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