JP6411281B2 - タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、タイヤトレッド用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
従来、空気入りタイヤのトレッドゴムに用いられるゴム組成物において、湿潤路面でのグリップ性能(ウェットグリップ性能)と低燃費性とのバランスを向上するために、充填剤としてシリカを用いることが知られている。例えば、特許文献1には、特定のスチレン量を持つスチレンブタジエンゴムに、シリカとともに、脂肪酸金属塩と脂肪酸エステルの混合物を配合することが開示されている。これにより、ウェットグリップ性能と低燃費性に優れたゴム組成物は得られるものの、引き裂き強度の改善には至っていない。
一方、特許文献2には、シリカ配合のゴム組成物において、シリカとシランカップリング剤の反応を促進するため、シリカ及びシランカップリング剤とともに、ヒドロキシ酸又はヒドロキシ酸の塩を配合することが開示されている。また、特許文献3には、ウェットグリップ性能と低燃費性を低下させることなく加工性を向上するために、エポキシ化天然ゴムにステアリン酸金属塩とシリカと陰イオン界面活性剤を配合することが開示され、ステアリン酸金属塩としてヒドロキシステアリン酸塩が例示されている。これらの文献では、シリカとともにヒドロキシル基を持つ脂肪酸金属塩を配合することは開示されているものの、ヒドロキシル基を持つ脂肪酸金属塩に変性スチレンブタジエンゴムや変性ブタジエンゴムを併用することにより、ウェットグリップ性能と引き裂き性能を同時に改善する点は開示されていない。
なお、特許文献4には、タイヤ用ゴム組成物においてヒドロキシステアリン酸の金属塩を配合することが開示されているが、有機短繊維とともに配合する界面活性剤として用いられており、シリカ配合におけるウェットグリップ性能と引き裂き性能の両立を示唆するものではない。
特開2011−246640号公報 国際公開第2011/013513号 特開2006−008863号公報 特開2002−146109号公報
以上のようにシリカ配合のタイヤトレッド用ゴム組成物において、ウェットグリップ性能と引き裂き性能を同時に改善できる手法は未だ報告されていない。
本発明は、以上の点に鑑み、ウェットグリップ性能と引き裂き性能を両立することができるタイヤトレッド用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシル基、アルコキシシリル基、チオール基及びハロゲンからなる群から選択された少なくとも1種の官能基が導入されたスチレンブタジエンゴム及び/又はブタジエンゴムからなる変性ジエン系ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、シリカ10〜120質量部と、ヒドロキシル基を含む脂肪酸金属塩0.5〜20質量部を含有するものである。本発明に係る空気入りタイヤは、該ゴム組成物をトレッドゴムに用いてなるものである。
本発明によれば、シリカ配合のゴム組成物において、上記の官能基が導入された変性ジエン系ゴムとともに、ヒドロキシル基を含む脂肪酸金属塩を配合したことにより、ウェットグリップ性能と引き裂き性能を改善することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係るゴム組成物は、変性ジエン系ゴムを含むジエン系ゴムに、シリカと、ヒドロキシル基を含む脂肪酸金属塩(以下、ヒドロキシ脂肪酸金属塩ともいう。)を配合したものである。
ゴム成分としてのジエン系ゴムは、より詳細には、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシル基、アルコキシシリル基、チオール基及びハロゲンからなる群から選択された少なくとも1種の官能基が導入されたスチレンブタジエンゴム(SBR)及び/又はブタジエンゴム(BR)からなる変性ジエン系ゴムを含むものである。このようなヘテロ原子を含む官能基が導入された変性SBR及び/又は変性BRを用いることにより、当該官能基と、シリカの粒子表面のシラノール基やヒドロキシ脂肪酸金属塩のヒドロキシル基との間で相互作用(水素結合や化学結合、物理結合などの反応性ないし親和性を含む概念である。)が得られる。
これらの変性ジエン系ゴムの官能基において、アミノ基としては、1級アミノ基だけでなく、2級もしくは3級アミノ基でもよい。なお、2級又は3級アミノ基の場合、置換基である炭化水素基の炭素数は合計で15以下であることが好ましい。アルコキシル基としては、−OR(ここで、Rは例えば炭素数1〜4のアルキル基)として表させるメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。アルコキシシリル基としては、トリアルコキシシリル基、アルキルジアルコキシシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基などの、シリル基の3つの水素のうち少なくとも1つがアルコキシル基で置換されたものが挙げられる。ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。一実施形態として、官能基としては、ヒドロキシル基、アミノ基及びアルコキシル基からなる群から選択される少なくとも1種でもよい。
これらの官能基は、ジエン系ゴムの少なくとも一方の末端に導入されてもよく、あるいはまた分子鎖中に導入されてもよい。すなわち、ジエン系ゴムの分子鎖の少なくとも一方の末端に上記官能基が導入された末端変性ジエン系ゴムでもよく、ジエン系ゴムの主鎖に上記官能基が導入された主鎖変性ジエン系ゴムでもよく、主鎖及び末端に上記官能基が導入された主鎖末端変性ジエン系ゴムでもよい。このような官能基を有する変性ジエン系ゴム自体は公知であり、その製造方法等は限定されるものではない。例えば、アニオン重合で合成されたジエン系ゴムを変性剤で変性することで、上記官能基を導入してもよく、あるいはまた、上記官能基を有する単量体を、ベースポリマーを構成する単量体とともに共重合することでポリマー鎖に導入してもよい。
上記変性ジエン系ゴムにおいて、変性対象であるベースとなるポリマーはSBR又はBRであり、より好ましくはSBRである。従って、上記変性ジエン系ゴムは、変性SBR、変性BR、又はこれらのブレンドであり、より好ましくは変性SBRである。
本実施形態に係るゴム組成物において、ジエン系ゴムは上記変性ジエン系ゴムを20質量%以上含むことが好ましい。すなわち、ゴム成分としてのジエン系ゴム100質量部中に上記変性ジエン系ゴムを20質量部以上含むことが好適である。変性ジエン系ゴムの含有量が20質量部以上であることにより、その官能基と、シリカのシラノール基やヒドロキシ脂肪酸金属塩のヒドロキシル基との間での相互作用を高めて、ウェットグリップ性能と引き裂き性能の向上効果を高めることができる。ジエン系ゴムは変性ジエン系ゴム単独でもよく、変性ジエン系ゴムと非変性ジエン系ゴムとのブレンドでもよい。ジエン系ゴム100質量部は、変性ジエン系ゴム50〜90質量部と、非変性ジエン系ゴム50〜10質量部とからなるものでもよく、また、変性ジエン系ゴム60〜90質量部と、非変性ジエン系ゴム40〜10質量部とからなるものでもよい。
非変性ジエン系ゴムとしては、変性されていない種々のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレンゴム、ブタジエン−イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン−イソプレンゴムなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上混合して用いることができる。より好ましくは、NR、SBR及びBRからなる群から選択された少なくとも1種である。
本実施形態に係るゴム組成物において、上記シリカとしては、特に限定されないが、湿式沈降法シリカや湿式ゲル法シリカなどの湿式シリカが好ましく用いられる。シリカのBET比表面積(JIS K6430に記載のBET法に準じて測定)は、特に限定されず、例えば90〜250m2/gでもよく、150〜220m2/gでもよい。
シリカの配合量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して10〜120質量部であることが好ましく、より好ましくは30〜100質量部であり、更に好ましくは40〜90質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物において、補強性充填剤としてはシリカのみを配合してもよいが、シリカとカーボンブラックを併用してもよい。その場合、カーボンブラックの配合量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して100質量部以下であることが好ましく、より好ましくは1〜50質量部、更に好ましくは5〜40質量部である。一実施形態において、補強性充填剤は、シリカ表面の官能基と、ヒドロキシ脂肪酸金属塩のヒドロキシル基又は変性ジエン系ゴムの官能基との相互作用による、ウェットグリップ性能と引き裂き性能の改善効果を高めるため、シリカを主成分とすることが好ましく、すなわち、シリカの配合量がカーボンブラックの配合量よりも多いことが好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物には、スルフィドシランやメルカプトシラン等のシランカップリング剤を配合してもよい。シランカップリング剤の配合量は、特に限定されないが、シリカの配合量の2〜20質量%であることが好ましく(すなわち、シリカ100質量部に対してシランカップリング剤2〜20質量部)、より好ましくは5〜15質量%である。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記のようにヒドロキシ脂肪酸金属塩が配合される。これにより、ヒドロキシ脂肪酸金属塩のヒドロキシル基とシリカのシラノール基との間、及び、ヒドロキシ脂肪酸金属塩のヒドロキシル基と変性ジエン系ゴムの官能基との間で、相互作用が得られ、ウェットグリップ性能と引き裂き性能が同時に改善される。詳細には、シリカ配合のゴム組成物において、変性ジエン系ゴムを用いると、ウェットグリップ性能は向上するものの、引き裂き性能が低下するが、本実施形態によれば、変性ジエン系ゴムとヒドロキシ脂肪酸金属塩を併用することにより、引き裂き性能を低下させることなく、ウェットグリップ性能を改善することができる。
ヒドロキシ脂肪酸金属塩としては、1分子内にヒドロキシル基を少なくとも1つ持つ脂肪酸の金属塩が用いられる。脂肪酸としては、炭素数2〜24の飽和又は不飽和脂肪酸が挙げられ、好ましくは飽和脂肪酸であり、また、脂肪酸の炭素数はより好ましくは8〜22であり、更に好ましくは12〜20であり、一実施形態としてヒドロキシステアリン酸が好ましい。脂肪酸金属塩を形成する金属としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ナトリウム及びカリウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属が好ましいものとして挙げられ、より好ましくはマグネシウム、カルシウム及び亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属である。
ヒドロキシ脂肪酸金属塩の配合量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して0.5〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜20質量部であり、更に好ましくは3〜15質量部である。配合量が0.5質量部以上であることにより、ウェットグリップ性能と引き裂き性能の改善効果を高めることができる。また、配合量が20質量部以下であることにより、加工性悪化などのデメリットを抑えることができる。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記の各成分の他に、オイル、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。加硫剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などの硫黄が挙げられ、特に限定するものではないが、その配合量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜5質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜3質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物は、通常のバンバリーミキサーやニーダーなどのゴム用混練機を用いて、常法に従い混練することで調製することができる。例えば、第1混練段階で、ジエン系ゴムに対し、シリカ及びヒドロキシ脂肪酸金属塩とともに、加硫剤及び加硫促進剤を除く他の添加剤を加えて混練し、次いで、得られた混練物に、最終混練段階で、加硫剤と加硫促進剤を添加し混練することによりゴム組成物を得ることができる。
このようにして得られたゴム組成物は、空気入りタイヤの接地面を構成するトレッドゴムに用いることができる。トレッドゴムに用いる場合、常法に従い、例えば、押出加工によって所定のトレッドゴム部材を成形し、他の部品と組み合わせて未加硫タイヤ(グリーンタイヤ)を作製した後、例えば140〜180℃で加硫成型することにより、空気入りタイヤを製造することができる。空気入りタイヤのトレッド部には、キャップゴムとベースゴムとの2層構造からなるものと、両者が一体の単層構造のものがあるが、接地面を構成するゴムに好ましく用いられる。すなわち、単層構造のものであれば、当該トレッドゴムが上記ゴム組成物からなり、2層構造のものであれば、キャップゴムが上記ゴム組成物からなることが好ましい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従って、常法に従いタイヤトレッド用ゴム組成物を調製した。詳細には、第一混合段階で、ジエン系ゴムに対し、硫黄及び加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し混練し(排出温度=150℃)、次いで、得られた混練物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し混練して(排出温度=110℃)、ゴム組成物を調製した。表1中の各成分は以下の通りである。
・変性SBR1:JSR(株)製「HPR350」、アルコキシル基及びアミノ基末端変性溶液重合SBR
・変性SBR2:日本ゼオン(株)製「Nipol NS616」、ヒドロキシル基末端変性溶液重合SBR
・非変性SBR:JSR(株)製「SBR1502」
・BR:宇部興産(株)製「BR150B」
・ヒドロキシ脂肪酸金属塩1:12−ヒドロキシステアリン酸Zn、堺化学工業(株)製
・ヒドロキシ脂肪酸金属塩2:12−ヒドロキシステアリン酸Ca、堺化学工業(株)製
・ヒドロキシ脂肪酸金属塩3:12−ヒドロキシステアリン酸Mg、日東化成学工業(株)製
・脂肪酸金属塩:脂肪酸亜鉛、ラインケミー社製「AktiplastPP」
・ヒドロキシ酸:酒石酸、東京化成工業(株)製
・シリカ:東ソー・シリカ(株)製「ニップシールAQ」(BET=205m2/g)
・シランカップリング剤:エボニック・デグサ社製「Si69」
・カーボンブラック:三菱化学(株)製「ダイアブラックN341」
・オイル:昭和シェル石油(株)製「エキストラクト4号S」
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1号」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS−20」
・老化防止剤:大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」
・ワックス:日本精鑞(株)製「OZOACE0355」
・硫黄:鶴見化学工業(株)製「5%油入微粉末硫黄」
・加硫促進剤:住友化学(株)製「ソクシノールCZ」
得られた各ゴム組成物について、160℃で30分間加硫した所定形状の試験片を用いて、引き裂き性能とウェットグリップ性能を評価した。各評価方法は以下の通りである。
・引き裂き性能:JIS K6252規定のクレセント形で打ち抜き、くぼみ中央に0.50±0.08mmの切れ込みを入れた試験用サンプルを作製し、該試験用サンプルについて、島津製作所製の引張り試験機によって500mm/分の引張り速度で試験を行った。比較例1の値を100として指数で表示し、指数が大きいほど、引き裂き力が大きく、引き裂き性能に優れることを意味する。
・ウェットグリップ性能:JIS K6255に従い、リュプケ式反発弾性試験を行い、23℃での反発弾性率を測定した。反発弾性率の逆数を求め、比較例1の値を100とした指数で示した。値が大きいほど、反発弾性率が小さく、ウェットグリップ性能が良好であることを意味する。
結果は表1に示す通りである。変性SBRを用いた比較例1及び2は、非変性SBRを用いた比較例3に対して、ウェットグリップ性能の改善効果は得られたが、引き裂き性能が悪化した。かかる比較例3に対して、同じく非変性SBR使用でかつヒドロキシ脂肪酸金属塩を配合した比較例4では、ウェットグリップ性能の改善はみられたものの比較例1,2よりも劣っており、また、引き裂き性能の向上はみられなかった。比較例5では、変性SBRと脂肪酸金属塩を併用したが、脂肪酸金属塩がヒドロキシル基を持たないものであったため、引き裂き性能とウェットグリップ性能の改善効果はほとんど得られなかった。また、変性SBRとヒドロキシ酸を併用した比較例6では、比較例1に対して引き裂き性能とウェットグリップ性能がともに悪化した。比較例7では、変性SBRとヒドロキシ脂肪酸金属塩を併用したものの、シリカ配合ではないため、引き裂き性能とウェットグリップ性能が大幅に悪化した。
これに対し、シリカ配合において変性SBRとヒドロキシ脂肪酸金属塩を併用した実施例1〜6であると、比較例1,2に対して、ウェットグリップ性能と引き裂き性能が同時に改善された。また、同じシリカ量で比較した場合、実施例1〜5は、非変性SBRを配合した比較例3,4に対して、変性SBRを用いているにもかかわらず引き裂き性能の低下はなく、むしろ改善傾向にありながら、ウェットグリップ性能が顕著に改善されていた。また、変性SBRを配合した比較例1,2との対比では、引き裂き性能とウェットグリップ性能が同時に改善されていた。ここで、変性SBRを配合せずにヒドロキシ脂肪酸金属塩を配合した場合には、比較例3及び4に示すように、引き裂き性能の向上は見られないにもかかわらず、変性SBRの配合系においてヒドロキシ脂肪酸金属塩を配合した場合、比較例1,2と実施例1〜5の対比から明らかなように、ウェットグリップ性能だけでなく、引き裂き性能が顕著に向上しており、予期せぬ効果であるといえる。なお、実施例1,4及び5に示されたように、ヒドロキシ脂肪酸金属塩の中ではマグネシウム塩がウェットグリップ性能と引き裂き性能のバランスに最も優れていた。
Figure 0006411281

Claims (3)

  1. ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシル基、アルコキシシリル基、チオール基及びハロゲンからなる群から選択された少なくとも1種の官能基が導入されたスチレンブタジエンゴム及び/又はブタジエンゴムからなる変性ジエン系ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、シリカ10〜120質量部と、ヒドロキシル基を含む脂肪酸金属塩0.5〜20質量部を含有するタイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 前記ジエン系ゴム100質量部中に前記変性ジエン系ゴムを20質量部以上含む、請求項1記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のゴム組成物をトレッドゴムに用いてなる空気入りタイヤ。
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