JP2015024707A - デシカント式車両空調装置 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、デシカント式車両空調装置が開示されている。特許文献1のデシカント式車両空調装置は、車外からの空気取り入れ口と車室内への空気排出口とを連通する空気導入経路と、車室内または車外の空気を取り入れ車外に排出する再生用経路を備えている。空気導入経路にはヒータ及び冷房用の熱交換器が配置されている。更に、空気導入経路と再生用経路とを隣接させた位置に吸湿材(吸湿ロータ)を備え、吸湿材を回転させて空気導入経路と再生用経路との間を移動可能に構成している。吸湿材は、空気導入経路に位置する部位で空気内の水分を吸収して除湿を行い、その後再生用経路に移動して再生用経路を通過する空気に水分を排出することで、吸湿性能を回復させる再生が可能となっている。
更に、車両空調装置の小型化を図るために、吸湿材を空気導入経路のみに固定して配置し、ヒータ通過後の空気の一部を再生用経路によって吸湿材に導入可能な構造として、例えば車載バッテリの充電期間中に、外気を導入しながら、ヒータで温めた空気の一部を再生用経路を介して吸湿材に導入し通過させて、吸湿材の水分を除去する車両空調装置が開発されている。
したがって、このように車室内の湿度が上昇した状態では、車両の窓ガラスが結露する虞があり、例えば車載バッテリの充電期間が終了し発進しようとしても、すぐには発進できないといった問題が発生してしまう。
また、請求項3のデシカント式車両空調装置は、請求項1または2において、空気導入経路を通過して車室内に排出する空気の流量を可変させる空気流量可変手段と、車両の外気温度を検出する外気温度検出手段と、を備え、再生制御手段は、更に、第2の再生において、外気温度検出手段により検出された外気温度に基づいて空気流量可変手段を制御することを特徴とする。
また、請求項5のデシカント式車両空調装置は、請求項1から4のいずれか1項において、設定時刻に基づいて自動的に空調を行うプレ空調制御手段を有し、充電期間の終了時期は、プレ空調制御手段における設定時刻に基づいて設定されることを特徴とする。
請求項2のデシカント式車両空調装置によれば、第2の再生の実行時間が第1の再生の実行時間より短く設定されるので、充電期間の終了時期に実行される第2の再生での吸湿材からの水分の蒸発量をより少なくすることができ車両の窓ガラスの結露を更に抑制することができる。
請求項4のデシカント式車両空調装置によれば、外気温度が所定温度より高い場合には、第1の再生を行わず、第2の再生のみによって吸湿材の再生を行うので、第2の再生での車両の窓ガラスの結露を抑制しつつ、第2の再生終了時での吸湿材の顕熱を増加させ、その後の暖房における消費エネルギーを更に低減させることができる。
本実施形態に係る車両空調装置1は、吸湿材8により除湿を行うデシカント式車両空調装置であって、電気自動車(以下、車両という)に搭載されている。
本実施形態に係る車両は、車両に搭載された図示しない車載バッテリから電力を供給して走行モータを駆動し走行する。車両には、充電コードを介して外部から供給された電力によって車載バッテリを充電する充電機が搭載されており、例えば深夜のように車両を使用していない時間帯で、車載バッテリの充電が行われる。
図1に示すように、本実施形態に係る室内ユニット2は、車両のインストルメントパネル内に設置されており、空気導入経路3と再生用経路4(還流路)の2つの空気流路を有している。
空気導入経路3は、空気取り入れ口5と、車室内への空気排出口6との間を連通する通路であり、その内部には、ブロアファン7(空気流量可変手段)、吸湿材8、ヒータ9及び図示しない冷媒循環路が接続された熱交換器を備えている。
内外気切換ダンパ12の下流の空気導入経路3には、上流側から順番にブロアファン7、吸湿材8、ヒータ9が配置されている。
吸湿材8は、空気導入経路3を通過する空気から水分を吸収する機能を有する公知のフィルタ状の部材であって、空気導入経路3を通過する空気の全量が吸湿材8を通過するように配置されている。
ヒータ9の上流側の空気導入経路内には、温調ダンパ13が設けられている。温調ダンパ13は、吸湿材8を通過した空気の殆どがヒータ9に流入する第1の位置P1と、吸湿材を通過した空気の殆どがヒータ9に流入しない位置P2との間で移動可能であって、吸湿材8を通過した空気のヒータ9への流量を制御する機能を有する。
クーラ吹出口20は、ヒータ9を通過しない空気がスムーズに排出されるように、ヒータ9の位置から空気導入経路3の流路方向に対して垂直方向にずれて配置されている。
デフロスタ吹出口21は、クーラ吹出口20に隣接して配置されている。
空気導入経路3の下流側端部には、クーラ吹出口20とデフロスタ吹出口21との分岐部に、第1のモード切換ダンパ24が設けられている。第1のモード切換ダンパ24は、クーラ吹出口20の開口面積及びデフロスタ吹出口24の開口面積を可変制御し、空気導入経路3からクーラ吹出口20及びデフロスタ吹出口21への空気の排出量を調整する機能を有する。
再生用経路4は、空気導入経路3のヒータ9より下流側から分岐して、内外気切換ダンパ12とブロアファン7との間の空気導入経路3に接続されている。再生用経路4の入口26は、ヒータ吹出口23に隣接し、ヒータ9を通過した空気の多くが流入するように、ヒータ9に面して下流側に配置されている。
ブロアファン7、ヒータ9、内外気切換ダンパ12、温調ダンパ13、第1のモード切換ダンパ24、第2のモード切換ダンパ25、流路切換ダンパ27は、夫々車両空調コントロールユニット30によって作動制御される。
車両空調コントロールユニット30は、公知の車両空調コントロールユニットと同様に、車両の空調操作装置から設定温度、内外気切り換え、設定風量等の信号、及び車室内温度を入力し、ブロアファン7、ヒータ9、内外気切換ダンパ12、温調ダンパ13、第1のモード切換ダンパ24、第2のモード切換ダンパ25及び図示しない冷媒循環路の冷媒循環用ポンプ等を作動制御して、車室内の暖房及び冷房等の空調を行う機能を有する。なお、このような車室内の空調時には、流路切換ダンパ27は、再生用経路4の入口26を閉じるように作動制御される。
上記再生用経路4は、吸湿材8に吸収された水分を排出し、吸湿材8の水分吸収性能を回復させる吸湿材8の再生時に使用される。
したがって、本実施形態では、吸湿材8を空気導入経路3のみに固定して設置すればよく、引用文献1のように吸湿材8を再生用経路4にも移動可能とする移動機構を不要とし、吸湿材8を小型化でき、再生用のヒータを新たに設ける必要もなく、コンパクトに車両空調装置1を構成することができる。
図2は、本実施形態に係る車両空調コントロールユニット30での再生制御要領を示す。
本実施形態の再生制御は、バッテリ充電コントロールユニット40から車載バッテリの充電開始信号(車載バッテリの充電が開始要求されたことを示す信号、例えば充電コードの接続信号等)が入力して、制御を開始する。
ステップS50では、第1の再生を終了、即ち再生を中断する。詳しくは、ブロアファン7及びヒータ9の作動を停止する。そして、ステップS60に進む。
ステップS60では、車載バッテリの充電を開始するように、バッテリ充電コントロールユニット40に充電開始許可信号を出力する。そして、ステップS70に進む。
ステップS90では、吸湿材の再生(第2の再生)を開始する。なお、このときの再生では、外気温度センサ31から外気温度Tを入力して、当該外気温度Tに基づいて室内の窓ガラスに結露が発生しないように、ブロアファン7の回転速度を可変制御して、車室内への空気の排出量を調整する。当該ブロアファン7の回転速度は、外気温度Tに基づいてあらかじめ確認して記憶しておいた値を用いればよい。そして、ステップS100に進む。
ステップS110では、再生を継続させる。そして、ステップS100に戻る。
ステップS130では、バッテリ充電コントロールユニット40から車載バッテリの充電状態(SOC)を入力し、当該SOCが所定値S2以上であるか否かを判別する。SOCが所定値S2以上である場合には、ステップS150に進む。SOCが所定値S2未満である場合には、ステップS140に進む。なお、所定値S2は、例えば100パーセントに近い値に設定すればよい。
ステップS150では、充電を終了する。そして、本制御を完了する。
図3及び4は、充電期間におけるヒータ9、ブロアファン7の作動状況の一例を示すタイムチャートであり、図3は外気温度の低温時、図4は外気温度の高温時を示す。
上記ように、制御することで、車載バッテリの充電期間において、外気温度が所定温度T1以下である低温時には、図3に示すように、充電開始時(充電期間の開始時期)に、初めに第1の再生、即ち再生の全体量のうち若干残して再生を行い、その後充電を行って、充電率SOCが充電完了直前になった時点またはプレ空調開始時に残りの再生である第2の再生を行って完了させる。これにより、充電完了時あるいはプレ空調終了時、即ち充電期間の終了時期には再生が完了する。このように、車載バッテリの充電期間に行う再生を第1の再生と第2の再生の二度に分割して行うので、第2の再生時において車室内に排出される水分量を少なくすることができる。これにより、第2の再生時に車両の窓ガラスの結露を抑制することができる。更に、第2の再生の実行時間は第1の再生の実行時間より短くなっていることで、第2の再生時において車室内に排出される水分量を更に少なくすることができ、第2の再生時に車両の窓ガラスの結露を更に抑制することができる。
このように、第2の再生時に車両の窓ガラスの結露が防止されることで、充電完了時あるいはプレ空調完了時には、窓ガラスが結露しておらず、すぐに車両を発進させることができる。また、充電完了時あるいはプレ空調完了時の直前まで再生を行っているので、吸湿材8の顕熱をその後の暖房に利用して、エネルギー消費、即ち車載バッテリの電力消費を抑えることができる。
また、上記実施形態では、第1の再生後に車載バッテリの充電を開始しているが、第1の再生と同時に充電を行ってもよい。
また、上記実施形態の車両は電気自動車であるが、プラグインハイブリッド車でもよく、外部電源から車載バッテリに充電可能な車両に広く本願発明を適用することができる。
3 空気導入経路
4 再生用経路(還流路)
7 ブロアファン(空気流量可変手段)
8 吸湿材
9 ヒータ
30 車両空調コントロールユニット(再生制御手段、プレ空調制御手段)
31 外気温度センサ(外気温度検出手段)
Claims (5)
- 外部電源から車載バッテリを充電可能な車両に搭載され、
車室外から車室内へ空気を導入する空気導入経路と、
前記空気導入経路に設けられ、前記空気導入経路を通過する空気から水分を吸収する吸湿材と、
前記吸湿材の下流側の前記空気導入経路に設けられたヒータと、
前記ヒータを通過した空気を前記吸湿材の上流側の前記空気導入経路に還流させる還流路と、
前記ヒータにより温めた空気を前記還流路を介して前記吸湿材の上流側に還流させ、前記吸湿材に吸収された水分を蒸発させ、当該水分を含んだ空気を前記車室内に排出して、前記吸湿材の水分吸収性能を回復させる再生制御手段と、
を備えたデシカント式車両空調装置であって、
前記再生制御手段は、前記車載バッテリの充電期間の開始時期に前記ヒータを作動させて前記吸湿材に吸収された水分の一部を蒸発させる第1の再生を行い、前記充電期間の終了時期に前記吸湿材に吸収された水分の残りを蒸発させる第2の再生を行うことを特徴とするデシカント式車両空調装置。 - 前記第2の再生の実行時間は、前記第1の再生の実行時間より短く設定されることを特徴とする請求項1に記載のデシカント式車両空調装置。
- 前記空気導入経路を通過して前記車室内に排出する空気の流量を可変させる空気流量可変手段と、
前記車両の外気温度を検出する外気温度検出手段と、を備え、
前記再生制御手段は、更に、前記第2の再生において、前記外気温度検出手段により検出された外気温度に基づいて前記空気流量可変手段を制御することを特徴とする請求項1または2に記載のデシカント式車両空調装置。 - 前記再生制御手段は、前記外気温度検出手段により検出された外気温度が所定温度より高い場合には、前記第1の再生を行わず、前記第2の再生によって前記吸湿材の再生を行うことを特徴とする請求項3に記載のデシカント式車両空調装置。
- 設定時刻に基づいて自動的に空調を行うプレ空調制御手段を有し、
前記充電期間の前記終了時期は、前記プレ空調制御手段における前記設定時刻に基づいて設定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のデシカント式車両空調装置。
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