JP2015023368A - 電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子機器からの音が使用者に伝達され易くすることが可能な技術を提供する。【解決手段】カバー部材2は、電子機器1の表面に設けられ、表示パネル120の表示面を覆う。圧電振動素子200は、電子機器1の表面に設けられた、カバー部材2よりも振動し易い部分に対して設けられている。制御部は、音信号に基づいて圧電振動素子200を振動させる。【選択図】図11

Description

本発明は、電子機器に関する。
従来から電子機器に関して様々な技術が提案されている。例えば特許文献1には、携帯電話機に関する技術が開示されている。
特開2011−61316号公報
携帯電話機のように、音を使用者に伝達する電子機器については、当該電子機器からの音が使用者に伝達され易いことが望まれる。
そこで、本発明は上述の点に鑑みて成されたものであり、電子機器からの音が使用者に伝達され易くすることが可能な技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る電子機器の一態様は、表示部と、前記電子機器の表面に設けられた、前記表示部の表示面を覆うカバー部材と、前記電子機器の表面に設けられた、前記カバー部材よりも振動し易い部分に対して設けられた圧電振動素子と、音信号に基づいて前記圧電振動素子を振動させる制御部とを備える。
また、本発明に係る電子機器の一態様では、前記カバー部材に取り付けられた、前記振動し易い部分を含むパネルが設けられている。
また、本発明に係る電子機器の一態様では、前記パネルは、弾力性を有する両面テープによって前記カバー部材に取り付けられている。
また、本発明に係る電子機器の一態様では、前記表示部、前記圧電振動素子及び前記制御部を収納する、前記振動し易い部分を含む筐体が設けられている。
また、本発明に係る電子機器の一態様では、前記筐体の表面には凹部が設けられており、前記筐体における、前記凹部が形成されている部分が、前記振動し易い部分となっている。
また、本発明に係る電子機器の一態様では、前記筐体の表面には溝が形成されており、前記筐体における、前記溝で囲まれた部分が、前記振動し易い部分となっている。
また、本発明に係る電子機器の一態様では、前記圧電振動素子が前記振動し易い部分を振動させることによって、当該振動し易い部分から気導音及び伝導音が使用者に伝達される。
また、本発明に係る電子機器の一態様では、前記カバー部材は、ガラスまたはサファイアであり、前記振動し易い部分は、樹脂である。
また、本発明に係る電子機器の一態様では、前記カバー部材は、前記振動し易い部分よりも、ヤング率が大きい。
本発明によれば、電子機器からの音が使用者に伝達され易くなる。
実施の形態1に係る電子機器の外観を示す斜視図である。 実施の形態1に係る電子機器の外観を示す前面図である。 実施の形態1に係る電子機器の外観を示す裏面図である。 カバー部材をその内側主面側から見た際の平面図である。 実施の形態1に係る電子機器の電気的構成を示す図である。 圧電振動素子の構造を示す上面図である。 圧電振動素子の構造を示す側面図である。 圧電指導素子が撓み振動する様子を示す図である。 圧電指導素子が撓み振動する様子を示す図である。 実施の形態1に係る電子機器の断面構造を示す図である。 実施の形態1に係る電子機器の断面構造の一部を拡大して示す図である。 気導音及び伝導音を説明するための図である。 実施の形態1の変形例に係る電子機器の断面構造の一部を拡大して示す図である。 実施の形態2に係る電子機器の断面構造の一部を拡大して示す図である。 実施の形態2に係る電子機器の構造の一部を示す平面図である。 実施の形態2の変形例に係る電子機器の断面構造の一部を拡大して示す図である。 実施の形態2の変形例に係る電子機器の構造の一部を示す平面図である。
<実施の形態1>
<電子機器の外観>
図1〜3は、それぞれ、実施の形態1に係る電子機器1の外観を示す斜視図、前面図及び裏面図である。図4は、電子機器1が備えるカバー部材2の裏面図である。本実施の形態に係る電子機器1は、例えば携帯電話機である。
図1〜3に示されるように、電子機器1は、後述する表示パネル120の表示面を覆うカバー部材(カバーパネルとも呼ばれる)2と、電子機器1が備える表示パネル120等の各構成要素を収納する筐体3とを備えている。カバー部材2と筐体3とが組み合わされることによって、電子機器1の形状は、平面視で略長方形の板状となっている。
カバー部材2は、板状であって、平面視において略長方形を成している。カバー部材2は、電子機器1の前面部分における、周縁部分以外の部分を構成している。カバー部材2は、例えば、透明の比較的硬い材料が形成される。当該材料としては、例えば、ガラス(強化ガラス)あるいはサファイア(人工サファイア)が採用される。ここで、サファイアとは、酸化アルミニウム(AlO)結晶からなり、工業的に製造されたものをいう。サファイアとしては、透明であればよく、単結晶でも多結晶でもよい。サファイア単結晶とは、アルミナ(Al)の単結晶のことをいい、本明細書では、Al純度が約90%以上の単結晶のことをいう。傷がよりつき難く、割れや欠け等をより確実に抑制する点で、Al純度は99%以上であることが好ましい。
筐体3は、1つの主面が部分的に開口した略直方体を成している。筐体3は、電子機器1の前面部分の周縁部分、側面部分及び裏面部分を構成している。筐体3は、例えば、樹脂で形成されている。筐体3を形成する樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂あるいはナイロン系樹脂が採用される。筐体3は、1つの部材のみで構成されても良いし、複数の部材が組み合わされて構成されても良い。
カバー部材2には、表示パネル120の表示が透過する透明の表示部分(表示窓とも呼ばれる)2aが設けられている。表示部分2aは例えば平面視で長方形を成している。表示パネル120から出力される可視光は表示部分2aを通って電子機器1の外部に取り出される。使用者は、電子機器1の外部から、表示部分2aを通じて、表示パネル120に表示される情報が視認可能となっている。カバー部材2における、表示部分2aを取り囲む周縁部分2bは、例えばフィルム等が貼られることによって黒色となっている。これにより、周縁部分2bは、表示パネル120の表示が透過しない非表示部分となっている。カバー部材2の内側主面21(図4参照)には後述するタッチパネル130が貼り付けられている。使用者は、カバー部材2の表示部分2aを指等で操作することによって、電子機器1に対して各種指示を与えることができる。
筐体3の内部には、複数のハードウェアキー141を備える操作部140が設けられている。各ハードウェアキー141の表面は、カバー部材2の外側主面20の下側端部から露出している。図4に示されるように、カバー部材2の下側端部には、複数のハードウェアキー141をそれぞれ露出させる複数の穴22があけられている。本実施の形態に係る電子機器1では、三つのハードウェアキー141が設けられているが、ハードウェアキー141の個数を適宜変更しても良い。
カバー部材2の下側端部にはマイク穴30があけられている。カバー部材2の外側主面20の上側端部からは、後述する前面側撮像部170が有する撮像レンズ170aと、後述する近接センサ150とが視認されるようになっている。
図2,4に示されるように、カバー部材2の上側端部には、当該カバー部材2の厚み方向に貫通する開口部2aaが設けられている。開口部2aaは、カバー部材2の上側端部における、左右方向の中央部に設けられている。また、開口部2aaは、カバー部材2の周縁部分2b(非表示部分)に設けられている。開口部2aaは、例えば平面視で長方形を成している。そして、開口部2aaの長手方向がカバー部材2の左右方向と一致している。
カバー部材2の外側主面(前面)20には、開口部2aaを覆うようにパネル4が取り付けられている。パネル4は、電子機器1の表面、より詳細には電子機器1の前面に設けられている。パネル4の裏面4aには後述する圧電振動素子200が取り付けられている。パネル4は、例えば、平面視で長方形の板状を成している。パネル4の長手方向はカバー部材2の左右方向及び開口部2aaの長手方向と一致している。
パネル4は、全体的に、カバー部材2よりも振動し易くなっている。したがって、圧電振動素子200は、電子機器1の表面に設けられた、カバー部材2よりも振動し易い部分に設けられている。ここで、ある部材がカバー部材2よりも振動し易いとは、圧電振動素子200が振動すると、当該ある部材がカバー部材2よりも振動して音波を発生し易いことをいう。圧電振動素子200を取り付けたある部材が、カバー部材2よりも振動し易いかどうかを確かめるには、正確には、圧電振動素子200を当該ある部材及びカバー部材2にそれぞれ取り付けて、当該ある部材及びカバー部材2を振動させて音圧を測定する。しかし、そのような測定をせずとも、当該ある部材とカバー部材2との硬さ(ヤング率など)を測定することでも、どちらが振動しやすいかを比較することが可能である。なお、硬さの測定には、通常の測定方法を用いることができる。
パネル4は、例えば、カバー部材2よりも軟らかい材料で形成されている。つまり、カバー部材2は、パネル4よりも、ヤング率が大きくなっている。パネル4は、例えば、アクリル樹脂あるいはポリカーボネート樹脂で形成されている。パネル4の裏面4aに取り付けられた圧電振動素子200が、電子機器1の前面側から視認されないように、当該パネル4の裏面4aには印刷が施されている。
なお、パネル4の裏面4aに取り付けられた圧電振動素子200が、電子機器1の前面側から視認されないように、パネル4は着色されても良い。また、パネル4の前面4b及び形状に意匠を施すことによって当該パネル4を意匠パネルとして使用しても良い。また、パネル4の形状は、長方形以外であっても良い。例えば、パネル4の形状は円形であっても良い。
また図3に示されるように、電子機器1の裏面10、言い換えれば筐体3の裏面には、スピーカ穴40があけられている。電子機器1の裏面10からは、後述する裏面側撮像部180が有する撮像レンズ180aが視認されるようになっている。
<電子機器の電気的構成>
図5は電子機器1の電気的構成を主に示すブロック図である。図5に示されるように、電子機器1には、制御部100、無線通信部110、表示パネル120、タッチパネル130、操作部140及び近接センサ150が設けられている。さらに電子機器1には、マイク160、前面側撮像部170、裏面側撮像部180、外部スピーカ190、圧電振動素子200及び電池210が設けられている。電子機器1に設けられた、カバー部材2以外のこれらの構成要素は筐体3内に収められている。
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、DSP(Digital Signal Processor)102及び記憶部103等を備えている。制御部100は、電子機器1の他の構成要素を制御することによって、電子機器1の動作を統括的に管理する。記憶部103は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等で構成されている。記憶部103には、電子機器1を制御するための、具体的には電子機器1が備える無線通信部110、表示パネル120等の各構成要素を制御するための制御プログラムであるメインプログラム及び複数のアプリケーションプログラム等が記憶されている。制御部100の各種機能は、CPU101及びDSP102が記憶部103内の各種プログラムを実行することによって実現される。
無線通信部110は、アンテナ111を有している。無線通信部110は、電子機器1とは別の携帯電話機からの信号、あるいはインターネットに接続されたウェブサーバ等の通信装置からの信号を基地局を介してアンテナ111で受信する。無線通信部110は、受信信号に対して増幅処理及びダウンコンバートを行って制御部100に出力する。制御部100は、入力される受信信号に対して復調処理等を行って、当該受信信号に含まれる、音声や音楽などを示す音信号(音情報)などを取得する。
また無線通信部110は、制御部100で生成された、音信号等を含む送信信号に対して、アップコンバート及び増幅処理を行って、処理後の送信信号をアンテナ111から無線送信する。アンテナ111からの送信信号は、基地局を通じて、電子機器1とは別の携帯電話機あるいはインターネットに接続された通信装置で受信される。
表示部である表示パネル120は、例えば、液晶表示パネルあるいは有機ELパネルである。表示パネル120は、制御部100によって制御されることによって、文字、記号、図形などの各種情報を表示する。表示パネル120に表示される情報は、カバー部材2の表示部分2aを通じて、電子機器1の使用者に視認可能となる。
タッチパネル130は、例えば、投影型静電量容量方式のタッチパネルである。タッチパネル130は、カバー部材2の表示部分2aに対する物体の接触を検出する。タッチパネル130は、カバー部材2の内側主面に貼り付けられている。タッチパネル130は、互いに対向配置されたシート状の二つの電極センサを備えている。二つの電極センサは透明粘着性シートによって貼り合わされている。
一方の電極センサには、それぞれがX軸方向(例えば電子機器1の左右方向)に沿って延在し、かつ互いに平行に配置された複数の細長いX電極が形成されている。他方の電極センサには、それぞれがY軸方向(例えば電子機器1の上下方向)に沿って延在し、かつ互いに平行に配置された複数の細長いY電極が形成されている。カバー部材2の表示部分2aに対して使用者の指等が接触すると、その接触箇所の下にあるX電極及びY電極の間の静電容量が変化する。これにより、タッチパネル130においてカバー部材2の表示部分2aに対する操作(接触)が検出される。タッチパネル130は、X電極及びY電極の間の静電容量変化を示す電気的信号を生成して制御部100に出力する。制御部100は当該電気的信号に基づいてカバー部材2の表示部分2aに対して行われた操作の内容を特定し、それに応じた動作を行う。
操作部140は、複数のハードウェアキー141のそれぞれについて、当該ハードウェアキー141が使用者によって押下されると、当該ハードウェアキー141が押下されたことを示す操作信号を制御部100に出力する。制御部100は、入力される操作信号に基づいて、複数のハードウェアキー141のうちのどのハードウェアキー141が操作されたかを特定し、操作されたハードウェアキー141に応じた動作を行う。
近接センサ150は、例えば赤外線方式の近接センサである。近接センサ150は、当該近接センサ150に対して物体が所定距離以内に近接すると検出信号を出力する。この検出信号は制御部100に入力される。制御部100は、近接センサ150から検出信号を受け取ると、例えば、タッチパネル130での操作検出機能を停止する。
前面側撮像部170は、撮像レンズ170a及び撮像素子などで構成されている。前面側撮像部170は、制御部100による制御に基づいて、静止画像及び動画像を撮像する。図1,2に示されるように、撮像レンズ170aは、電子機器1の前面から視認できるように配置されている。したがって、前面側撮像部170は、電子機器1の前面側(カバー部材2側)に存在する物体を撮像することが可能である。
裏面側撮像部180は、撮像レンズ180a及び撮像素子などで構成されている。裏面側撮像部180は、制御部100による制御に基づいて、静止画像及び動画像を撮像する。図3に示されるように、撮像レンズ180aは、電子機器1の裏面10から視認できるように配置されている。したがって、裏面側撮像部180は、電子機器1の裏面10側に存在する物体を撮像することが可能である。
マイク160は、電子機器1の外部から入力される音を電気的な音信号に変換して制御部100に出力する。電子機器1の外部からの音は、カバー部材2の前面に設けられたマイク穴30から電子機器1の内部に取り込まれてマイク160に入力される。なお、マイク穴30は、電子機器1の側面に設けても良いし、裏面10に設けても良い。
外部スピーカ190は、例えばダイナミックスピーカである。外部スピーカ190は、制御部100からの電気的な音信号を音に変換して出力する。外部スピーカ190から出力される音は、電子機器1の裏面10に設けられたスピーカ穴40から外部に出力される。スピーカ穴40から出力される音については、電子機器1から離れた場所でも聞こえるような音量となっている。
圧電振動素子200は、電子機器1の前面に設けられたパネル4の裏面に貼り付けられている。圧電振動素子200は、制御部100から与えられる駆動電圧によって振動させられる。制御部100は、音信号に基づいて駆動電圧を生成し、当該駆動電圧を圧電振動素子200に与える。圧電振動素子200が、制御部100によって音信号に基づいて振動させられることによって、パネル4が音信号に基づいて振動する。その結果、パネル4から使用者に受話音が伝達される。この受話音の音量は、使用者がパネル4に耳を近づけた際に適切に聞こえる程度の音量となっている。パネル4から使用者に伝達される受話音については後で詳細に説明する。
電池210は、電子機器1の電源を出力する。電池210から出力された電源は、電子機器1が備える制御部100及び無線通信部110などに含まれる各電子部品に対して供給される。
<圧電振動素子の詳細>
図6,7は、それぞれ、圧電振動素子200の構造を示す上面図及び側面図である。図6,7に示されるように、圧電振動素子200は一方向に長い形状を成している。具体的には、圧電振動素子200は、平面視で長方形の細長い板状を成している。圧電振動素子200は、例えばバイモルフ構造を有している。圧電振動素子200は、シム材200cを介して互いに貼り合わされた第1圧電セラミック板200a及び第2圧電セラミック板200bを備えている。
圧電振動素子200では、第1圧電セラミック板200aに対して正の電圧を印加し、第2圧電セラミック板200bに対して負の電圧を印加すると、第1圧電セラミック板200aは長手方向に沿って伸び、第2圧電セラミック板200bは長手方向に沿って縮むようになる。これにより、図8に示されるように、圧電振動素子200は、第1圧電セラミック板200aを外側にして山状に撓むようになる。
一方で、圧電振動素子200では、第1圧電セラミック板200aに対して負の電圧を印加し、第2圧電セラミック板200bに対して正の電圧を印加すると、第1圧電セラミック板200aは長手方向に沿って縮み、第2圧電セラミック板200bは長手方向に沿って伸びるようになる。これにより、図9に示されるように、圧電振動素子200は、第2圧電セラミック板200bを外側にして山状に撓むようになる。
圧電振動素子200は、図8の状態と図9の状態とを交互にとることによって、撓み振動を行う。制御部100は、第1圧電セラミック板200aと第2圧電セラミック板200bとの間に、正の電圧と負の電圧とが交互に現れる交流電圧を印加することによって、圧電振動素子200を撓み振動させる。
なお、図6〜9に示される圧電振動素子200では、シム材200cを間に挟んで貼り合わされた第1圧電セラミック板200a及び第2圧電セラミック板200bから成る構造が1つだけ設けられていたが、複数の当該構造を積層させても良い。
このような構造を有する圧電振動素子200は、図2,4に示されるように、カバー部材2の内側主面21の上側端部における、左右方向(長手方向に垂直な短手方向)の中央部に位置している。また、圧電振動素子200の長手方向は、カバー部材2の左右方向と一致している。そして、圧電振動素子200の長手方向の中心は、カバー部材2の内側主面21の上側端部における左右方向の中心と一致している。
ここで、上述の図8,9に示されるように、撓み振動を行う圧電振動素子200では、その長手方向の中心が最も変位量が大きくなる。したがって、圧電振動素子200の長手方向の中心が、カバー部材2の内側主面21の上側端部における左右方向の中心と一致することによって、圧電振動素子200における、撓み振動での変位量が最大となる箇所が、カバー部材2の内側主面21の上側端部における左右方向の中心に一致するようになる。
<電子機器の断面構造>
図10は電子機器1の上下方向(長手方向)における断面構造の概略図である。また図11は、図10に示される断面構造のうち、圧電振動素子200の周辺を拡大して示す図である。図10,11では、電子機器1の上側端部が右側に位置する、横向きの状態の電子機器1の断面構造が示されている。
図10,11に示されるように、カバー部材2の内側主面21には、当該カバー部材2の表示部分2aと対向するようにタッチパネル130が貼り付けられている。そして、表示部である表示パネル120は、カバー部材2及びタッチパネル130に対向するように配置されている。カバー部材2では、表示パネル120と対向している部分が表示部分2aとなる。
また、筐体3の内部には、CPU101及びDSP102などの各種部品が搭載されるプリント基板250が設けられている。プリント基板250は、表示パネル120と、電子機器1の裏面10との間において当該表示パネル120と対向するように配置されている。
図11に示されるように、パネル4は、カバー部材2に設けられた開口部2aaを覆うように、当該カバー部材2の外側主面20に対して貼付部材220によって貼り付けられている。パネル4の厚みは、例えば、カバー部材2の厚みよりも小さく設定されている。
貼付部材220としては、両面テープあるいは接着剤が採用される。電子機器1が防水仕様である場合には、貼付部材220として、防水用両面テープあるいは防水用接着剤が使用される。防水用両面テープとしては、例えば、発泡体を基材とし、当該基材の両面にアクリル系粘着剤が設けられた両面テープが存在する。また、防水用接着剤としては、例えば、熱硬化性樹脂から成る接着剤が使用される。なお、防水用両面テープ及び防水用接着剤としては、これに限られない。
両面テープは接着剤よりも接着力が弱いことから、貼付部材220として両面テープを採用することによってパネル4が振動し易くなる。また、貼付部材220においては、一部に両面テープを採用し、他の部分に接着剤を採用しても良い。この場合には、圧電振動素子200を取り囲むように配置される貼付部材220のうち、カバー部材2における、筐体3に取り付けられる上端部の外側の面上に設けられた部分(図11に示される貼付部材220において、圧電振動素子200よりも右側の部分)を接着剤とし、その他の部分を両面テープとしても良い。これにより、パネル4をカバー部材2に対してしっかりと取り付けつつ、パネル4を振動し易くすることができる。
圧電振動素子200は、パネル4の裏面4aに対して貼付部材221によって貼り付けられている。より具体的には、圧電振動素子200は、パネル4の裏面4aのうち、カバー部材2の開口部2aaから露出する部分に対して貼付部材221によって貼り付けられている。貼付部材221としては、両面テープあるいは接着剤が採用される。貼付部材221として採用される両面テープとしては、例えば、耐衝撃性を有し、かつ強粘着の両面テープが使用される。このような両面テープとしては、例えば、不織布が基材とされ、当該基材の両面にアクリル系粘着剤が設けられた両面テープが存在する。貼付部材221として、耐衝撃性を有し、かつ強粘着の両面テープを採用することによって、電子機器1が落下したとしても、圧電振動素子200が破損することを抑制することができる。さらに、圧電振動素子200の振動がパネル4に伝達され易くなる。なお、貼付部材221として採用される両面テープとしては、これに限られない。
なお、カバー部材2と筐体3とは、例えば、両面テープあるいは接着剤等の貼付部材によって互いに張り合わされても良いし、カバー部材2と筐体3とは一体成形されても良い。また、電子機器1が防水仕様である場合には、カバー部材2と筐体3とを貼り合わせる貼付部材としては、防水用両面テープあるいは防水用接着剤が使用される。カバー部材2と筐体3とは一体成形する場合には、電子機器1の小型化が可能となる。
<受話音の発生について>
本実施の形態に係る電子機器1では、圧電振動素子200がパネル4を振動させることによって、当該パネル4から気導音及び伝導音が使用者に伝達されるようになっている。言い換えれば、圧電振動素子200自身の振動がパネル4に伝わることにより、当該パネル4から気導音及び伝導音が使用者に伝達されるようになっている。
ここで、気導音とは、外耳道孔(いわゆる「耳の穴」)に入った音波(空気振動)が鼓膜を振動させることによって、人の脳で認識される音である。一方で、伝導音とは、耳介が振動させられ、その耳介の振動が鼓膜に伝わって当該鼓膜が振動することによって、人の脳で認識される音である。以下に、気導音及び伝導音について詳細に説明する。
図12は気導音及び伝導音を説明するための図である。図12には、電子機器1の使用者の耳の構造が示されている。図12においては、波線400は気道音が脳で認識される際の音信号(音情報)の伝導経路を示している。実線410は伝導音が脳で認識される際の音信号の伝導経路を示している。
パネル4に取り付けられた圧電振動素子200が、受話音を示す電気的な音信号に基づいて振動させられると、パネル4が振動して、当該パネル4から音波が出力される。使用者が、電子機器1を手に持って、当該電子機器1のパネル4を当該使用者の耳介300に近づけると、あるいは当該電子機器1のパネル4を当該使用者の耳介300に当てると(接触させると)、当該パネル4から出力される音波が外耳道孔310に入る。パネル4からの音波は、外耳道孔310内を進み、鼓膜320を振動させる。鼓膜320の振動は耳小骨330に伝わり、耳小骨330が振動する。そして、耳小骨330の振動は蝸牛340に伝わって、蝸牛340において電気信号に変換される。この電気信号は、聴神経350を通って脳に伝達され、脳において受話音が認識される。このようにして、パネル4から使用者に対して気導音が伝達される。
また、使用者が、電子機器1を手に持って、当該電子機器1のパネル4を当該使用者の耳介300に当てると、耳介300が、圧電振動素子200によって振動させられているパネル4によって振動させられる。耳介300の振動は鼓膜320に伝わり、鼓膜320が振動する。鼓膜320の振動は耳小骨330に伝わり、耳小骨330が振動する。そして、耳小骨330の振動は蝸牛340に伝わり、蝸牛340において電気信号に変換される。この電気信号は、聴神経350を通って脳に伝達され、脳において受話音が認識される。このようにして、パネル4から使用者に対して伝導音が伝達される。図12では、耳介300内部の耳介軟骨300aも示されている。
なお、ここでの伝導音は、骨導音(「骨伝導音」とも呼ばれる)とは異なるものである。骨導音は、頭蓋骨を振動させて、頭蓋骨の振動が直接蝸牛などの内耳を刺激することによって、人の脳で認識される音である。図12においては、例えば下顎骨500を振動させた場合において、骨伝導音が脳で認識される際の音信号の伝達経路を複数の円弧420で示している。
このように、本実施の形態では、圧電振動素子200が前面のパネル4を適切に振動させることによって、パネル4から電子機器1の使用者に対して気導音及び伝導音を伝えることができる。使用者は、パネル4に耳(耳介)を近づけることによって当該パネル4からの気導音を聞くことができる。また使用者は、パネル4に耳(耳介)を接触させることによって当該パネル4からの気導音及び伝導音を聞くことができる。本実施の形態に係る圧電振動素子200では、使用者に対して適切に気導音及び伝導音を伝達できるように、その構造が工夫されている。使用者に対して気導音及び伝導音を伝えることができるように電子機器1を構成することによって様々メリットが発生する。
例えば、使用者は、周囲の騒音が大きい場合には、耳をパネル4に強く押し当てることによって、伝導音の音量を大きくしつつ、周囲の騒音を聞こえにくくすることができる。よって、使用者は、周囲の騒音が大きい場合であっても、適切に通話を行うことができる。
また、使用者は、耳栓やイヤホンを耳に取り付けた状態であっても、パネル4を耳(より詳細には耳介)に当てることによって、電子機器1からの受話音を認識することができる。また、使用者は、耳にヘッドホンを取り付けた状態であっても、当該ヘッドホンにパネル4を当てることによって、電子機器1からの受話音を認識することができる。
なお、パネル4はカバー部材2に取り付けられていることから、パネル4の振動によってカバー部材2も振動する。よって、カバー部材2からも気導音及び伝導音が使用者に伝達される。したがって、使用者は、カバー部材2に耳を近接させたり、接触させたりすることによって、受話音を聞くことができる。
上記の例では、図10に示されるように、タッチパネル130と表示パネル120との間に隙間を設けているが、タッチパネル130と表示パネル120とを接触させても良い。本実施の形態のように、タッチパネル130と表示パネル120との間に隙間を設ける場合には、カバー部材2が使用者によって指等で押されて、当該カバー部材2が表示パネル120側に撓んだとしても、当該カバー部材2によって表示パネル120が押されることを抑制することができる。よって、カバー部材2が表示パネル120を押すことによって当該表示パネル120の表示が乱れることを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る電子機器1では、圧電振動素子200が、カバー部材2よりも振動し易い部分(本例では、パネル4)に設けられている。したがって、カバー部材2に傷がついたり、カバー部材2が割れたりすることを抑制するために、カバー部材2をサファイア等の硬い材料で形成したとしても、カバー部材2よりも振動し易い部分を圧電振動素子200で振動させることによって、電子機器1からの音(気導音及び伝導音)が使用者に伝達され易くなる。
また、本実施の形態のように、カバー部材2よりも振動し易いパネル4に圧電振動素子200を設ける場合には、パネル4を意匠パネルとして使用することによって、電子機器1の意匠性を向上することができる。
また、貼付部材220として弾力性を有する両面テープを採用し、当該両面テープによってパネル4をカバー部材2に取り付けることによって、パネル4が振動し易くなる。よって、電子機器1からの音(気導音及び伝導音)が使用者に伝達され易くなる。弾力性を有する両面テープとしては、例えば、発泡体を基材とする両面テープが挙げられる。
<変形例>
カバー部材2の外側主面20上には、人の指紋が付着することを防止するためのコーティング剤が塗布されても良い。この場合には、外側主面20のうち、パネル4が貼り付けられる部分に対して当該コーティング剤が塗布されないことによって、パネル4が外側主面20に貼り付けにくくなることを抑制することができる。
また、図13に示されるように、カバー部材2の外側主面20のうち、パネル4が貼り付けられる部分に段差を設けて、当該外側主面20と、当該パネル4の前面4bとの段差を小さくしても良い。この場合には、当該外側主面20と、当該パネル4の前面4bとが同一平面上に位置するようにしても良い。
このように、カバー部材2の外側主面20と、パネル4の前面4bとの段差を小さくすることによって、パネル4の前面4bが突出し過ぎて使用者が当該パネル4に耳を当てにくくなることを抑制することができる。また電子機器1の前面がすっきりしている印象を使用者に与えることができる。
<実施の形態2>
上記の実施の形態1では、圧電振動素子200が配置される、カバー部材2よりも振動し易い部分は、パネル4に設けられていたが、筐体3に設けられても良い。つまり、筐体3における、カバー部材2よりも振動し易い部分に圧電振動素子200を設けても良い。図14は本実施の形態2に係る電子機器1の断面構造の一部を拡大して示す図である。図14は、上述の図11に対応する断面図である。図15は、図14に示される構造を矢視Aから見た際の構造を示す平面図である。図15では、表示パネル120の記載は省略されている。
図14,15に示されるように、本実施の形態に係る電子機器1では、筐体3における、電子機器1の前面部分の上側端部を構成する部分600(以後、「前面側上端部分600」と呼ぶ)に、カバー部材2よりも振動し易い部分700が設けられている。筐体3の前面側上端部分600の内側の面610には凹部620が設けられている。筐体3における、凹部620が形成されている部分の厚みは小さくなっており、当該部分が、カバー部材2よりも振動し易い部分700となっている。筐体3における、凹部620が形成されている部分の厚みは、例えば、カバー部材2の厚みよりも小さく設定されている。また本実施の形態では、例えば、カバー部材2と筐体3とは一体成形されている。
圧電振動素子200は、筐体3の前面側上端部分600の内側の面610における、凹部620が形成されている領域611上に貼付部材221によって貼り付けられている。言い換えれば、圧電振動素子200は、凹部620の底面上に貼付部材221によって貼り付けられている。
このように、本実施の形態においても、圧電振動素子200は、カバー部材2よりも振動し易い部分700に設けられていることから、当該部分700を圧電振動素子200で振動させることによって、電子機器1からの音(気導音及び伝導音)が使用者に伝達され易くなる。
また、本実施の形態のように、カバー部材2よりも振動し易い部分700が筐体3に設けられることによって、上記のようなパネル4が不要となる。その結果、電子機器1のコストダウンを図ることが可能となる。
<変形例>
上記の例では、筐体3の前面側上端部分600の内側の面610に凹部620を設けることによって、カバー部材2よりも振動し易い部分700を筐体3に設けていたが、他の方法を用いてカバー部材2よりも振動し易い部分700を筐体3に設けても良い。
例えば、筐体3の前面側上端部分600の内側の面610に、当該内側の面610の一部を取り囲む溝650を設けることによって、カバー部材2よりも振動し易い部分700を筐体3に設けても良い。図16はこの場合の電子機器1の断面構造の一部を拡大して示す図である。また図17は、図16に示される構造を矢視Bから見た際の構造を示す平面図である。図17では、表示パネル120の記載は省略されている。
図16,17に示されるように、本変形例に係る電子機器1では、筐体3の前面側上端部分600の内側の面610には、当該内側の面610の一部を取り囲む溝650が設けられている。筐体3における、溝650が形成されている部分の厚みは、例えば、カバー部材2の厚みよりも小さく設定されている。本変形例では、筐体3における、溝650で取り囲まれた部分が、カバー部材2よりも振動し易い部分700となっている。筐体3における、溝650で取り囲まれた部分の厚み、つまりカバー部材2よりも振動し易い部分700の厚みは、例えばカバー部材2の厚みよりも大きく設定されている。
圧電振動素子200は、筐体3の前面側上端部分600の内側の面610における、溝650で囲まれた領域612上に貼付部材221によって貼り付けられている。言い換えれば、圧電振動素子200は、筐体3の前面側上端部分600における、溝650で囲まれた部分の内側の面の上に貼付部材221によって貼り付けられている。
このように、本変形例においても、圧電振動素子200は、カバー部材2よりも振動し易い部分700に設けられていることから、当該部分700を圧電振動素子200で振動させることによって、電子機器1からの音(気導音及び伝導音)が使用者に伝達され易くなる。
また、カバー部材2よりも振動し易い部分700が筐体3に設けられることによって、パネル4が不要となる。その結果、電子機器1のコストダウンを図ることが可能となる。
また、本変形例では、筐体3における、溝650で囲まれた部分が、カバー部材2よりも振動し易い部分700となっていることから、図14,15に示される電子機器1と比較して、圧電振動素子200が取り付けられる部分の厚みを大きくすることができる。よって、電子機器1が落下したとしても、圧電振動素子200が破損することを抑制することができる。
なお、上記の例では、本願発明を携帯電話機に適用する場合を例にあげて説明したが、本願発明は、携帯電話機以外の電子機器にも適用することができる。
以上のように、電子機器1は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
1 電子機器
2 カバー部材
3 筐体
4 パネル
100 制御部
120 表示パネル
200 圧電振動素子
620 凹部
650 溝

Claims (9)

  1. 電子機器であって、
    表示部と、
    前記電子機器の表面に設けられた、前記表示部の表示面を覆うカバー部材と、
    前記電子機器の表面に設けられた、前記カバー部材よりも振動し易い部分に対して設けられた圧電振動素子と、
    音信号に基づいて前記圧電振動素子を振動させる制御部と
    を備える、電子機器。
  2. 請求項1に記載の電子機器であって、
    前記カバー部材に取り付けられた、前記振動し易い部分を含むパネルを備える、電子機器。
  3. 請求項2に記載の電子機器であって、
    前記パネルは、弾力性を有する両面テープによって前記カバー部材に取り付けられている、電子機器。
  4. 請求項1に記載の電子機器であって、
    前記表示部、前記圧電振動素子及び前記制御部を収納する、前記振動し易い部分を含む筐体を備える、電子機器。
  5. 請求項4に記載の電子機器であって、
    前記筐体の表面には凹部が設けられており、
    前記筐体における、前記凹部が形成されている部分が、前記振動し易い部分となっている、電子機器。
  6. 請求項4に記載の電子機器であって、
    前記筐体の表面には溝が形成されており、
    前記筐体における、前記溝で囲まれた部分が、前記振動し易い部分となっている、電子機器。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の電子機器であって、
    前記圧電振動素子が前記振動し易い部分を振動させることによって、当該振動し易い部分から気導音及び伝導音が使用者に伝達される、電子機器。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の電子機器であって、
    前記カバー部材は、ガラスまたはサファイアであり、
    前記振動し易い部分は、樹脂である、電子機器。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載の電子機器であって、
    前記カバー部材は、前記振動し易い部分よりも、ヤング率が大きい、電子機器。
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