JP2015022108A - 反射防止物品、及び画像表示装置 - Google Patents

反射防止物品、及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】反射防止性能を低下することなく、乾拭きで汚れを拭き取ることが可能な微細凹凸層を含む反射防止物品を提供する。
【解決手段】透明基材1の少なくとも一面側に、少なくとも中間層2と、微細凹凸層3とをこの順に有する反射防止物品10であって、前記中間層が、第一の樹脂組成物の硬化物からなり、前記微細凹凸層が、第二の樹脂組成物の硬化物からなり、且つ前記透明基材と反対側の面に微小突起4が集合してなる微小突起群を備えた微細凹凸形状を有し、前記微小突起は、反射防止を図る光の波長帯域の最短波長をΛmin、当該微小突起の隣接突起間隔dの最大値をdmaxとしたときに、dmax≦Λminなる関係を有し、硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)が200MPa以上であり、−40〜80℃の温度範囲における、対数減衰率が、0℃以下で最大値を有することを特徴とする、反射防止物品。
【選択図】図1

Description

本発明は、反射防止物品、及び画像表示装置に関する。
近年、フィルム形状の反射防止物品である反射防止フィルムに関して、透明基材(透明フィルム)の表面に多数の微小突起を密接して配置することにより、反射防止を図る方法が提案されている(特許文献1〜3参照)。この方法は、入射光に対する屈折率を厚み方向に連続的に変化させ、これにより屈折率の不連続界面を消失させて反射防止を図るものである。
多数の微小突起を有する上記フィルムは、高い反射防止性能を有する。しかしながら、その表面構造のため、皮脂等の汚れが付着し易く、また当該汚れは微小突起間の溝奥まで入り込むため、除去が困難であり、表面外観が悪化し易いという問題があった。
特許文献4では、汚染物の除去性に優れるとともに、耐擦傷性を兼備する微細凹凸構造体として、特定の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる微細凹凸構造体が記載されている。特許文献4には、上記特定の樹脂組成物の硬化物は、当該樹脂組成物が特定の組成を有することにより、架橋密度を高くして、硬化物の弾性率と硬度を高くし、耐擦傷性に優れたものとすることができること、及び、適度な親水性を有し、微細凹凸構造体の表面と、当該表面に付着する汚染物との間に水を侵入させやすくすることにより汚染物の除去性に優れることが記載されている。
特許文献4の手法によれば、架橋密度を高くして微細凹凸構造体の硬度を上げているため当該微細凹凸構造体は変形しにくく、拭取り時に、微細凹凸構造体の隙間まで届きにくかった。そのため、汚染物を拭き取る際は、水やアルコールを含んだクリーナー等で汚れを浮かび上がらせて拭取る必要があり、乾拭きで汚れを除去することは困難であった。
特許文献5には、指紋などの汚れを乾拭きで拭取ることができる光学素子として、弾性率が1MPa以上188MPa以下の材料を用いて形成された特定の構造体を備えた光学素子が開示されている。
特開昭50−70040号公報 特開2004−155083号公報 特開2011−33892号公報 国際公開第2012/096322号パンフレット 特許第5071257号公報
微細凹凸層を含む反射防止物品において、微小突起間の溝奥まで入り込んだ汚れを除去する場合、従来、上述の特許文献4などのように、水やアルコール等を含んだ布などを用いて、汚れを浮かび上がらせて拭き取っていた。しかしながら、例えば、携帯電話などの電子機器に備えられた画像表示装置等では水拭きが好ましくないため、乾拭きで汚れを拭き取り可能な微細凹凸層を含む反射防止物品が求められている。
一方、特許文献5のように弾性率の低い樹脂材料を用いて微小突起を形成する場合、当該微小突起形状の賦型直後に、微小突起が倒れやすく、各微小突起の先端部同士がくっつきあうスティッキングが生じやすい。そのため、フィルムに白濁感が生じ、透明性が低下することがあった。また、弾性率の低い樹脂材料を用いて形成された微細凹凸層は、実用レベルの拭取り圧力で、容易に突起が潰れたり、スティッキングが生じる等の塑性変形が生じ、拭いた箇所に拭き痕が残ってしまう場合がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、反射防止性能を低下することなく、乾拭きで汚れを拭き取ることが可能な微細凹凸層を含む反射防止物品、及び、反射防止性能を低下することなく、乾拭きで汚れを拭き取ることが可能な画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明に係る反射防止物品は、透明基材の少なくとも一面側に、少なくとも中間層と、微細凹凸層とをこの順に有する反射防止物品であって、
前記中間層が、第一の樹脂組成物の硬化物からなり、
前記微細凹凸層が、第二の樹脂組成物の硬化物からなり、且つ前記透明基材と反対側の面に微小突起が集合してなる微小突起群を備えた微細凹凸形状を有し、前記微小突起は、反射防止を図る光の波長帯域の最短波長をΛmin、当該微小突起の隣接突起間隔dの最大値をdmaxとしたときに、
max≦Λmin
なる関係を有し、且つ、前記微小突起の深さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における当該微小突起を形成する材料部分の断面積占有率が、当該微小突起の頂部から最深部方向に近づくに従い連続的に漸次増加する構造を有し、
前記第二の樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)が200MPa以上であり、
−40〜80℃の温度範囲における、反射防止物品の前記微細凹凸層側の剛体振り子型自由減衰振動法による対数減衰率が、0℃以下で最大値を有することを特徴とする。
本発明に係る画像表示装置は、表示パネルの少なくとも一面側に、前記本発明に係る反射防止物品を備えることを特徴とする。
本発明によれば、反射防止性能を低下することなく、乾拭きで汚れを拭き取ることが可能な微細凹凸層を含む反射防止物品、及び、反射防止性能を低下することなく、乾拭きで汚れを拭き取ることが可能な画像表示装置を提供することができる。
図1は、本発明に係る反射防止物品の一例に示す模式断面図である。 図2は、本発明に係る反射防止物品の拭取り時における微細突起の状態の一例を示す模式断面図である。 図3は、本発明に係る反射防止物品の拭取り時における微細突起の別の状態の別の一例を示す模式断面図である。 図4は、ドロネー図の一例を示す模式平面図である。 図5は、微細凹凸層の別の一例を示す模式断面図である。 図6は、本発明に係る反射防止物品の製造方法の一例を示す概略図である。 図7は、本発明に係る画像表示装置の一例を模式的に示す斜視図である。 図8は、実施例及び比較例の対数減衰率曲線である。 図9は、参考例の対数減衰率曲線である。
以下、本発明に係る反射防止物品、及び画像表示装置について、順に詳細に説明する。
なお、本明細書において「物品」は、「板」、「シート」、「フィルム」等の態様を含む概念であり、「板」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。また、「フィルム面(板面、シート面)」とは、対象となるフィルム状(板状、シート状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるフィルム状部材(板状部材、シート状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。
さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
本発明において(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタアクリルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの各々を表す。
また、本発明において硬化物とは、化学反応を経て硬くなったもののことをいい、硬化性とは、化学反応を経て硬くなる性質をいう。
[反射防止物品]
本発明に係る反射防止物品は、透明基材の少なくとも一面側に、少なくとも中間層と、微細凹凸層とをこの順に有する反射防止物品であって、
前記中間層が、第一の樹脂組成物の硬化物からなり、
前記微細凹凸層が、第二の樹脂組成物の硬化物からなり、且つ前記透明基材と反対側の面に微小突起が集合してなる微小突起群を備えた微細凹凸形状を有し、前記微小突起は、反射防止を図る光の波長帯域の最短波長をΛmin、当該微小突起の隣接突起間隔dの最大値をdmaxとしたときに、
max≦Λmin
なる関係を有し、且つ、前記微小突起の深さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における当該微小突起を形成する材料部分の断面積占有率が、当該微小突起の頂部から最深部方向に近づくに従い連続的に漸次増加する構造を有し、
前記第二の樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)が200MPa以上であり、
−40〜80℃の温度範囲における、反射防止物品の前記微細凹凸層側の剛体振り子型自由減衰振動法による対数減衰率が、0℃以下で最大値を有することを特徴とする。
上記本発明に係る反射防止物品について図を参照して説明する。図1は、本発明に係る反射防止物品の一例を模式的に示す断面図である。図1に例示される反射防止物品10は、透明基材1の一面側に、中間層2と、微細凹凸形状を有する微細凹凸層3を有する。
前記微細凹凸層3の表面は、微小突起4が集合してなる微小突起群を備えた微細凹凸形状を有し、前記微小突起4は、反射防止を図る光の波長帯域の最短波長をΛmin、当該微小突起4の隣接突起間隔d(図1)の最大値をdmaxとしたときに、
max≦Λmin
なる関係を有し、且つ、前記微小突起の深さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における当該微小突起4を形成する材料部分の断面積占有率が、当該微小突起4の頂部から最深部方向に近づくに従い連続的に漸次増加する構造を有している。微細凹凸層3がこのような構造を有することにより、Λmin以上の波長を有する光の反射防止を図ることができる。
本発明者らは、微細凹凸層表面に付着した汚染物を拭取る際に、微小突起に圧力がかかることに着目した。本発明者らは、拭取る際の圧力により、微小突起が変形して、突起間の溝が広がる、或いは、突起間の溝が埋まるように設計することにより、微小突起間に付着した汚染物を機械的に掻き出し易くなり、乾拭きで汚れを拭取ることが可能となると考えた。しかしながら、弾性率の低い樹脂材料を用いて微小突起を形成する場合、微小突起が倒れやすく、各微小突起の先端部同士がくっつきあうスティッキングが生じやすい。そのため、拭取り圧力で、容易に突起が潰れたり、スティッキングが生じる等の塑性変形が生じ、拭いた箇所に拭き痕が残ってしまう場合があった。また、弾性率の低い樹脂材料を用いて微小突起を形成した場合であっても、下層にハードコート層等の硬い層を設けた場合には、汚れの除去性が悪化することがあった。
一方、本発明者らは、微細凹凸層形成用の樹脂組成物の弾性率を高くしても、下層に柔軟性を付与することにより、拭取る際の圧力により、微小突起が変形して、突起間の溝が広がる、或いは、突起間の溝が埋まるように設計することが可能であるとの知見を得た。
本発明者らは、更なる検討の結果、反射防止物品の微細凹凸層側の剛体振り子型自由減衰振動法による対数減衰率の最大値を与える温度と、反射防止物品全体に起因した微細凹凸の変形性との間に、相関があることを見出した。
本発明の反射防止物品は、−40〜80℃の温度範囲における、前記微細凹凸層3側の剛体振り子型自由減衰振動法による対数減衰率が、0℃以下で最大値を有する。これは0℃以下という低温で、振り子の荷重により、振り子と前記微細凹凸層との接地面積が大きくなることを示すものと推定される。そのため、このような場合には、室温など本発明の反射防止物品が通常使用される温度帯域において、反射防止物品の前記微細凹凸層3側のいずれかの部分が、適度な柔軟性を示すことにより、拭取る際の圧力により、微小突起4間の溝が広がったり、狭まったりして、微小突起間に付着した汚れが機械的に掻き出し易くなると推定される。
このことについて図2及び図3を用いて説明する。図2及び図3はそれぞれ、本発明に係る反射防止物品の拭取り時における微細突起の変形の一例を示す模式断面図である。図2は、拭取り方向5の力による微細突起の変形の一例を示す。また、図3は、微細凹凸層を押圧方向6の力による微小突起の変形の一例を示す。
本発明の反射防止物品は、拭取り方向5の方向に力がかかると、図2の例のように、当該拭取り方向に微小突起4自体が柔軟に変形して、突起間の溝が広がったり、狭まったりするものと推定される。また、押圧方向6のような力がかかると、図3の例のように、中間層2が柔軟に変形し、突起間の溝が広がったり狭まったりするものと推定される。実際は、反射防止物品10の拭取り時には、上記拭取り方向の力と、押圧方向の力は同時に生じるため、微小突起4は様々な方向に変形して、乾拭きで汚れを拭き取ることができるものと推定される。
更に、本発明の反射防止物品は、微細凹凸層3に用いられる第二の樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)が200MPa以上であるため、乾拭き時に微小突起が潰れにくく、また、スティッキングも生じにくい。また、上述の通り、本発明は反射防止物品全体に起因した微細凹凸の変形性を評価したことにより、乾拭き時の汚れ拭取り性を向上するものであるため、第二の樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)が200MPa以上であっても、乾拭き時における汚れの拭取り性は確保される。以上のことから、本発明の反射防止物品は、反射防止性能を低下することなく、乾拭きで汚れを拭き取ることが可能である。
なお、本発明における拭取り時の圧力の大きさは、特に限定されるものではないが、通常、およそ2〜5kg/cm程度の圧力である。
<対数減衰率>
本発明において対数減衰率とは、ISO122013−2「塗膜の熱的性質(Tg、硬度)の測定方法」に準拠して測定される対数減衰率をいう。一例として微細凹凸層側の剛体振り子型自由減衰振動法における対数減衰率は、株式会社エーアンドディ社製、剛体振り子物性試験器RPT−3000Wを用いて下記測定方法により測定された減衰曲線から算出されたものが挙げられる。
(測定方法)
反射防止物品を5cm×1.5cmに切断したものを試料とし、当該試料の微細凹凸層側を上面として、試料台(CHB100)上に置く。次いで、丸棒形状タイプ(RBP−060;60φ)のエッジを備えた振り子フレーム(FRB−100)を前記試料の微細凹凸層上に置き、振り子測定間隔を3.0秒、振り子吸着時間を2.0秒とし、−40℃から80℃を超える温度まで、例えば120℃まで、4℃/分で昇温しながら測定する。
本発明の反射防止物品は、上記のように測定された対数減衰率を、温度−対数減衰率曲線としてプロットした時に、−40℃から80℃の温度範囲では、0℃以下で最大値を有する。そのため、室温など、本発明の反射防止物品が通常使用される温度帯域においては、反射防止物品の少なくとも一部が、適度な柔軟性を示し、乾拭きで指紋等の汚れを拭取ることができる。
以下、本発明の反射防止物品を構成する各層について順に説明する。
<透明基材>
本発明に用いられる透明基材は、反射防止物品に用いられる公知の透明基材の中から用途に応じて適宜選択して用いることができる。透明基材に用いられる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホンやポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、アクロニトリル、メタクリロニトリル、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の透明樹脂や、ソーダ硝子、カリ硝子、鉛ガラス等の硝子、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン(PLZT)等のセラミックス、石英、蛍石等の透明無機材料等が挙げられる。
前記透明基材は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ここで、透明基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
前記透明基材の厚みは、本発明の反射防止物品の用途に応じて適宜設定することができ、特に限定されないが、通常20〜5000μmであり、前記透明基材は、ロールの形で供給されるもの、巻き取れるほどには曲がらないが負荷をかけることによって湾曲するもの、完全に曲がらないもののいずれであってもよい。
本発明に用いられる透明基材の構成は、単一の層からなる構成に限られるものではなく、複数の層が積層された構成を有してもよい。複数の層が積層された構成を有する場合は、同一組成の層が積層されてもよく、また、異なった組成を有する複数の層が積層されてもよい。
また、透明基材と後述する中間層との密着性を向上させ、ひいては耐摩耗性(耐傷性)を向上させるためのプライマー層を透明基材上に形成してもよい。このプライマー層は、透明基材、及び中間層の双方に密着性を有し、可視光を透過するものが好ましい。
プライマー層の材料としては、例えば、フッ素系コーティング剤及びシランカップリング剤等から適宜選択して使用することができる。フッ素系コーティング剤の市販品としては、例えば、フロロテクノロジー製のフロロサーフ FG−5010Z130等が挙げられ、前記シランカップリング剤の市販品としては、例えば、ハーベス製のデュラサーフプライマーDS−PC−3B等が挙げられる。
<中間層>
本発明において中間層は、前記透明基材と、後述する微細凹凸層との間に設けられた層であり、第一の樹脂組成物の硬化物からなるものである。
本発明の反射防止物品は、中間層を有することにより、微細凹凸層に貯蔵弾性率の高い樹脂組成物を用いた場合であっても、前記対数減衰率が0℃以下で最大値を有するように調整することが容易となり、反射防止物品全体としての柔軟性が制御され、乾拭きによる指紋などの汚れ拭取り性に優れたものとすることができる。
中間層の厚みは、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定することができる。例えば、1〜20μmとすることができ、中でも、5〜15μmとすることが好ましい。
以下、中間層形成用組成物として用いられる第一の樹脂組成物について説明する。
(第一の樹脂組成物)
第一の樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性成分及び光硬化性成分から選択される1種以上を含む硬化性樹脂組成物である。中でも、光硬化性成分を含む光硬化性樹脂組成物であることが好ましい。
上記光硬化性成分としては、エチレン性不飽和結合を有する化合物を含む組成物であることが好ましく、(メタ)アクリレートを含む組成物であることがより好ましい。
光硬化性樹脂組成物は、少なくとも上記光硬化性成分を含有していればよく、必要に応じて、更に他の成分を含有してもよい。
また、上記第一の樹脂組成物は、その硬化物が柔軟性に優れる点から、炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する化合物を含有することが好ましい。
以下、光硬化性成分として好ましく用いられる(メタ)アクリレートを含む組成物中の各成分について順に説明する。
(1)(メタ)アクリレート
(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイル基を1分子中に1個有する単官能(メタ)アクリレートであっても、(メタ)アクリロイル基を1分子中に2個以上有する多官能アクリレートであってもよく、単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとを併用するものであってもよい。
中でも、中間層が柔軟性と弾性復元性を両立する点から、単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとを併用することが好ましい。
単官能(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、イソデキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ビフェニロキシエチルアクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート、ビフェニリロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビフェニリロキシエチル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、中間層が柔軟性に優れる点から、炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する単官能(メタ)アクリレートが好ましく、中でも、炭素数12以上であることがより好ましく、トリデシル(メタ)アクリレート、及びドデシル(メタ)アクリレートのうち、少なくとも1種を含むことが更により好ましい。これらの単官能(メタ)アクリル酸エステルは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する単官能(メタ)アクリレートを用いる場合、後述する炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する化合物の特性を兼ね備える。
単官能(メタ)アクリレートの含有量は、第一の樹脂組成物の全固形分に対して、5〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。
また、多官能アクリレートの具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ウレタントリ(メタ)アクリレート、エステルトリ(メタ)アクリレート、ウレタンヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、中間層が柔軟性及び復元性に優れる点から、アルキレンオキサイドを含む多官能(メタ)アクリレートを用いることが好ましく、エチレンオキサイド変性多官能(メタ)アクリレートを用いることがより好ましく、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及び、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートより選択される1種以上を含むことが更により好ましい。
上記多官能(メタ)アクリレートの含有量は、第一の樹脂組成物の全固形分に対して、10〜95質量%であることが好ましく、15〜90質量%であることがより好ましい。
(2)炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する化合物
第一の樹脂組成物は、硬化物が柔軟性に優れる点から、炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する化合物を含有することが好ましく、炭素数12以上の長鎖アルキル基を有する化合物を含有することがより好ましい。
炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する化合物の具体例としては、例えば、デカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカンを有する化合物等が挙げられる。また、本発明の効果を損なわない限り、更に置換基を有していてもよい。置換基の具体例としては、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、スルホ基の他、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等のエチレン性不飽和二重結合を有する基等が挙げられる。中でも、光硬化性を備える点から、エチレン性不飽和二重結合を有することが好ましく、(メタ)アクリロイル基を有することがより好ましい。
なお、炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する化合物が(メタ)アクリロイル基を有する場合、当該化合物は、前記(メタ)アクリレートにも該当し得る。
炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する化合物を用いる場合、当該化合物の含有量は、第一樹脂組成物の全固形分に対して、5〜30質量%であることが好ましく、7〜20質量%であることがより好ましい。
本発明において第一の樹脂組成物は、柔軟性に優れ、反射防止物品の前記対数減衰率が、0℃以下で最大値を有するように調整しやすく、優れた乾拭き取り性を得ることができる点から、少なくとも、炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートと、エチレンオキサイド変性多官能(メタ)アクリレートとを含有することが特に好ましい。中でも、炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートの含有割合が、エチレンオキサイド変性多官能(メタ)アクリレート100質量部に対して、5〜30質量部であることが好ましく、10〜15質量部であることがより好ましい。
(3)光重合開始剤
上記(メタ)アクリレートの硬化反応を開始又は促進させるために、必要に応じて光重合開始剤を適宜選択して用いても良い。光重合開始剤の具体例としては、例えば、ビスアシルフォスフィノキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フォスフィンオキサイド、フェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィン酸エチル等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤を用いる場合、当該光重合開始剤の含有量は、通常、第一の樹脂組成物の全固形分に対して0.8〜20質量%であり、0.9〜10質量%であることが好ましい。
(4)溶剤
本発明において第一の樹脂組成物は、塗工性などを付与する点から溶剤を用いてもよい。溶剤を用いる場合、当該溶剤は、組成物中の各成分とは反応せず、当該各成分を溶解乃至分散可能な溶剤の中から適宜選択して用いることができる。このような溶剤の具体的としては、例えば、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)等のエーテル系溶剤、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤、およびジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤、シクロヘキサン等のアノン系溶剤、メタノール、エタノール、およびプロパノール等のアルコール系溶剤を例示することができるが、これらに限られるものではない。また、樹脂組成物に用いられる溶剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上の溶剤の混合溶剤でもよい。
第一の樹脂組成物全量に対する、固形分の割合は20〜70質量%であることが好ましく、30〜60質量%であることがより好ましい。なお本発明において固形分とは、樹脂組成物中の溶剤以外のすべての成分を表す。
(5)その他の成分
第一の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、更にその他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、例えば、濡れ性調整のための界面活性剤、密着性向上のためのシランカップリング剤、安定化剤、消泡剤、ハジキ防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、粘度調製剤等が挙げられる。
第一の樹脂組成物は、柔軟性に優れる点から、当該第一の樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)が300MPa以下であることが好ましく、1〜250MPaであることがより好ましく、1〜100MPaであることが更により好ましい。
押圧後の復元性に優れていることから、第一の樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)に対する損失弾性率(E”)の比(tanδ(=E”/E’))が0.2以下であることが好ましく、0.18以下であることがより好ましい。
また、微小突起のスティッキングが生じにくく、且つ、指紋などの汚れ拭取り性に優れる点から、第一の樹脂組成物の硬化物の貯蔵弾性率が、後述する第二の樹脂組成物の硬化物の貯蔵弾性率よりも小さいことが好ましい。
本発明において貯蔵弾性率(E’)及び損失弾性率(E”)は、JIS K7244に準拠して、以下の方法により測定される。
まず、第一の樹脂組成物を、2000mJ/cmのエネルギーの紫外線を1分以上照射することにより十分に硬化させて、基材及び微細凹凸形状を有しない、厚さ1mm、幅5mm、長さ30mmの単膜とする。
次いで、25℃下、上記樹脂組成物の硬化物の長さ方向に10Hzで25gの周期的外力を加え、動的粘弾性を測定することにより、25℃における、E’、E”が求められる。測定装置としては、例えば、UBM製 Rheogel E400を用いる。
<微細凹凸層>
微細凹凸層は、前記透明基材と反対側の面に、微小突起が集合してなる微小突起群を備えた微細凹凸形状を有する。微小突起の形状は、当該微小突起の深さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における当該微小突起を形成する材料部分の断面積占有率が、当該微小突起の頂部から最深部方向に近づくに従い連続的に漸次増加する構造を有するものの中から適宜選択すればよい。このような微小突起の形状の具体例としては、半円状、半楕円状、三角形状、放物状、釣鐘状等の垂直断面形状を有するものが挙げられる。複数ある微小突起は同一の形状を有していても異なる形状を有していてもよい。微小突起が上記の形状を有することにより、微細凹凸等の深さ方向に屈折率が連続的に変化するため、反射防止性が付与される。
本発明において隣接突起間隔d及び微小突起の高さHは以下の方法により測定される。
(1)先ず、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)又は走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて突起の面内配列(突起配列の平面視形状)を検出する。
(2)続いてこの求められた面内配列から各突起の高さの極大点(以下、単に極大点と称する。)を検出する。なお極大点を求める方法としては、平面視形状と対応する断面形状の拡大写真とを逐次対比して極大点を求める方法、平面視拡大写真の画像処理によって極大点を求める方法等、種々の手法を適用することができる。
(3)次に検出した極大点を母点とするドロネー図(Delaunary Diagram)を作成する。図4にドロネー図の一例を示す模式平面図を示す。図4の例に示されるようにドロネー図とは、微小突起23の各極大点21を母点としてボロノイ分割を行った場合に、ボロノイ領域が隣接する母点同士を隣接母点と定義し、各隣接母点同士を線分22で結んで得られる3角形の集合体からなる網状図形である。各3角形は、ドロネー3角形と呼ばれ、各3角形の辺(隣接母点同士を結ぶ線分)は、ドロネー線と呼ばれる。
(4)次に、各ドロネー線の線分長の度数分布、すなわち隣接する極大点間の距離(隣接突起間距離)の平面視の拡大写真から、5〜20個程度の互いに隣接する前記微細構造を有しない微小突起を選んで、その隣接突起間距離の値を標本抽出し、この標本抽出して求められる数値範囲から明らかに外れる値(通常、標本抽出して求められる隣接突起間距離平均値に対して、値が1/2以下のデータ)を除外して度数分布を検出する。
(5)このようにして求めた隣接突起間距離dの度数分布を正規分布とみなして平均値dAVG及び標準偏差σを求める。本発明においては、隣接突起間距離dの最大値dmaxをdmax=dAVG+2σと定義して算出する。
同様の手法を適用して突起の高さを定義する。この場合、上述の(2)により求められる極大点から、特定の基準位置からの各極大点位置の相対的な高さの差を取得してヒストグラム化する。このヒストグラムによる度数分布から突起高さの平均値HAVG、標準偏差σを求める。なお突起の頂部に凹部が存在する微細構造、或いは、頂部が複数の峰に分裂している微細構造を有する微小突起が含まれる場合は、1つの微小突起が頂点を複数有していることにより、1つの突起に対してこれら複数のデータが突起高さHのヒストグラムにおいて混在することになる。そこでこの場合は麓部が同一の微小突起に属するそれぞれ複数の頂点の中から高さの最も高い頂点を、当該微小突起の突起高さとして採用して度数分布を求める。
なお、微小突起の高さを測る際の基準位置は、突起付け根位置、すなわち隣接する微小突起の間の谷底(高さの極小点)を高さ0の基準とする。但し、係る谷底の高さ自体が場所によって異なる場合、例えば、各微小突起間の谷底を連ねた包絡面が、微小突起の隣接突起間距離に比べて大きな周期でうねった凹凸形状を有する場合(図5参照)等は、(1)先ず、微細凹凸層30の微細凹凸面31とは反対側の面から測った各谷底の高さの平均値を、該平均値が収束するに足る面積の中で算出する。(2)次いで、該平均値の高さを有し、且つ微細凹凸層30の微細凹凸面31とは反対側の面と平行な面を基準面として考える。(3)その後、該基準面を改めて高さ0として、該基準面からの各微小突起の高さを算出する。
隣接する微小突起32の間の谷底の高さ自体が場所によって異なる場合、例えば図5に示すように、各微小突起間の谷底を連ねた包絡面が、可視光線帯域の最長波長λMAX以上の周期D(すなわちD>λMAXである)でうねることもある。該周期的なうねりは、透明基材の表裏面に平行な平面(図5におけるXY平面)における1方向(例えばX方向)のみでこれと直交する方向(例えばY方向)には一定高さであっても良いし、或いは透明基材の表裏面に平行な平面(図5におけるXY平面)における2方向(X方向及びY方向)共にうねりを有していても良い。D>λMAXを満たす周期Dでうねった凹凸面33が多数の微小突起32からなる微細凹凸層30の微細凹凸面31に重畳することによって、当該微細凹凸面31で完全に反射防止し切れずに残った反射光を散乱させ、反射防止性を一段と向上させることができる。
尚、係るうねりによる凹凸面33の周期Dが全面に渡って一定では無く分布を有する場合は、該凹凸面33について凸部間距離の度数分布を求め、その平均値をDAVG、標準偏差をΣとしたときの、
min=DAVG―2Σ
として定義する最小隣接突起間距離Dminを以って周期Dの代わりとして設計する。即ち、微細凹凸層30の凹凸面31の残留反射光の散乱効果を十分奏し得る条件は、
min>λMAX
である。通常、D又はDminは1〜200μm、好ましくは10〜100μmとされる。
また、反射防止物品10の良好な平滑性を確保するために、前記周期Dでうねった凹凸面33の高低差(図5中のh)は、10nm以下であることが好ましく、1nm〜5nmの範囲内であることがより好ましい。なお、前記凹凸面33により形成される凹凸面の高低差は、例えば500nm以上離れた微小突起32の谷底部の位置の高低差を測定することにより求めることができる。微小突起32の谷底部の位置は、反射防止物品10を、厚み方向に切断した垂直断面のTEM写真又はSEM写真を用いて観察することにより求めることができる。
前記微小突起群中の各微小突起が同一の高さHを有し、当該微小突起が一定周期で規則正しく配置されている場合、隣接突起間隔dは、微小突起配列の周期pと一致するため、dmax=pとなる。よって、反射防止効果を奏し得る条件は、dmax=p≦Λminであり、微小突起配列の周期p以上の波長を有する光に対して反射防止効果を奏することができる(例えば、特開昭50−70040号公報、特許第4632589号公報、特許第4270806号公報を参照することができる)。従って、例えば、可視光線帯域の全波長に対して反射防止効果を得るためには、可視光線帯域の最短波長を380nmとした場合、微小突起配列の周期を380nm以下とすればよい。また、微小突起の高さHは、反射防止効果を得ようとする波長のうち最長波長Λmaxの0.2倍以上であることが好ましい(H≧0.2×Λmax)。従って、例えば可視光線帯域の全波長に対して優れた反射防止効果を得ようとするためには、可視光線帯域の最長波長を780nmとした場合、H≧0.2×780nm=156nmであることが好ましい。
突起が不規則に配置されている場合には、上述のようにして求めた隣接突起間距離dの最大値dmax=dAVG+2σが、dmax≦Λminを満たすことが必要であり、微小突起の高さHの平均値HAVGが、HAVG≧0.2×Λmaxを満たすことが好ましい。例えば、可視光線帯域の全波長に対して反射防止効果を奏し得るためには、dmax=dAVG+2σ≦380nmとすればよい。可視光線帯域の全波長に対する反射防止効果をより確実に奏し得る好ましい条件は、dmax≦300nmであり、更に好ましい条件は、dmax≦200nmである。また反射防止効果の発現及び反射率の等方性(低角度依存性)の確保等の理由から、通常、dmax≧50nmであり、好ましくは、dmax≧100nmとされる。また突起高さHについては、十分な反射防止効果を発現する為には、反射防止を図る光の波長帯域の最短波長をΛmaxとしたときに、HAVG≧0.2×Λmaxとなることが好ましく、可視光線帯域の全波長に対して反射防止効果を奏し得るためにはHAVG≧0.2×780nm=156nmであることが好ましく、HAVG≧170nmとすることがより好ましい。突起の高さHAVGは、反射防止効果の点から、通常350nm以下とされる。また、突起の高さの分布は、通常50〜350nmである。
微細突起のアスペクト比(平均突起高さHAVG/平均隣接突起間隔dAVG)は0.8〜2.5であることが好ましく、更に、0.8〜2.1であることがより好ましい。
微細凹凸層の厚み(図1におけるT)は、適宜調整すればよいが、3μm〜30μmであることが好ましく、5μm〜10μmであることがより好ましい。なお、本発明において微細凹凸層の厚みTは、当該微細凹凸層の透明基材との界面から、最も高い微小突起の頂部までの厚みで定義される。
本発明において微細凹凸層は、第二の樹脂組成物の硬化物からなる。以下、微細凹凸層形成用樹脂組成物として用いられる第二の樹脂組成物について説明する。
(第二の樹脂組成物)
第二の樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性成分及び光硬化性成分から選択される1種以上を含む硬化性樹脂組成物である。中でも、光硬化性成分を含む光硬化性樹脂組成物であることが好ましい。
上記光硬化性成分としては、エチレン性不飽和結合を有する化合物を含む組成物であることが好ましく、(メタ)アクリレートを含む組成物であることがより好ましい。
光硬化性樹脂組成物は、少なくとも上記光硬化性成分を含有していればよく、必要に応じて、更に他の成分を含有してもよい。
本発明において第二の樹脂組成物は、当該第二の樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)が200MPa以上であるものを選択して用いる。このような第二の樹脂組成物を用いて形成された微細凹凸層における微小突起は復元性が高く、乾拭き時において潰れやスティッキングが抑制されることが見出された。第二の樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率の上限は特に限定されないが、微小突起の柔軟性の点から、1200MPa以下であることが好ましく、800MPa以下であることがより好ましい。
以下、光硬化性成分として好ましく用いられる(メタ)アクリレートを含む組成物中の各成分について順に説明する。
なお、光重合開始剤、及び溶剤は、前記第一の樹脂組成物と同様のものを挙げることができる。
(メタ)アクリレートは、単官能(メタ)アクリレートであっても、多官能アクリレートであってもよく、単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとを併用するものであってもよい。
単官能(メタ)アクリレート、及び多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、前記第一の樹脂組成物と同様のものを挙げることができる。
硬化物が上記物性を満たす点から、多官能(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。中でも、硬化物が上記物性を満たし、微小突起が弾性復元性を有し、柔軟性をも兼ね備える点から、アルキレンオキサイドを含む多官能(メタ)アクリレートを用いることが好ましく、エチレンオキサイド変性多官能(メタ)アクリレートを用いることがより好ましく、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及び、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートより選択される1種以上を含むことが更により好ましい。
また、第二の樹脂組成物は、その硬化物表面の親油性が向上し、柔軟性が付与される点から、炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する化合物を含有してもよい。炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する化合物の具体例としても、前記第一の樹脂組成物と同様のものを挙げることができる。
微小突起の弾性復元性の点から、水酸基を有する(メタ)アクリレートと、多価イソシアネート化合物とを併用してもよい。多価イソシアネート化合物の具体例としては、例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルスルホキシドジイソシアネート、4,4’−ジフェニルスルホンジイソシアネート、4,4’−ビフェニルジイソシアネートおよびこれらの誘導体等が挙げられる。
第二の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、更にその他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、例えば、濡れ性調整のための界面活性剤、密着性向上のためのシランカップリング剤、安定化剤、消泡剤、ハジキ防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、粘度調製剤、離型剤等が挙げられる。
また、第二の樹脂組成物は、更に、帯電防止剤を含有してもよい。帯電防止剤を含有することにより、微細凹凸層表面に汚れが付着することを抑制することができ、また、拭取り時に汚れが落ちやすい。
帯電防止剤は、従来公知のもの中から適宜選択して用いることができる。帯電防止剤の具体例としては、例えば、4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、1級〜3級アミノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン性化合物、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基等のアニオン性基を有するアニオン性化合物、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系等の両性化合物、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系等のノニオン性化合物、スズおよびチタンのアルコキシドのような有機金属化合物およびそれらのアセチルアセトナート塩のような金属キレート化合物等が挙げられる。中でも、カチオン性化合物が好ましく、3級アミノ基を有するカチオン性化合物がより好ましく、N,N−ジオクチル−1−オクタンアミン等のトリアルキルアミンであることが更により好ましい。
(第二の樹脂組成物中の各成分の配合割合)
第二の樹脂組成物中の各成分は、当該第二の樹脂組成物の硬化物の貯蔵弾性率(E’)が所定値になるようにその配合割合を調整すればよい。
第二の樹脂組成物中、多官能(メタ)アクリレートの含有量は、第二の樹脂組成物の全固形分に対して、10〜99質量%であることが好ましく、15〜90質量%であることがより好ましい。
中でも、第二の樹脂組成物中、アルキレンオキサイドを含む多官能(メタ)アクリレートを、第二の樹脂組成物の全固形分に対して、35〜65質量%含有することが好ましく、40〜60質量%含有することがより好ましい。
また、第二の樹脂組成物中、単官能(メタ)アクリレートの含有量は、第二の樹脂組成物の全固形分に対して、0〜40質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。
第二の樹脂組成物中、多価イソシアネート化合物の含有量は、第二の樹脂組成物の全固形分に対して、0〜30質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることが好ましく、10〜20質量%であることがより好ましい。
光重合開始剤の含有量は、通常、第二の樹脂組成物の全固形分に対して0.8〜20質量%であり、0.9〜10質量%であることが好ましい。
帯電防止剤を用いる場合、当該帯電防止剤の含有量は、通常、第二の樹脂組成物の全固形分に対して1〜20質量%であり、2〜10質量%であることが好ましい。
第二の樹脂組成物の溶剤を含む全量に対する、固形分の割合は20〜70質量%であることが好ましく、30〜60質量%であることがより好ましい。なお本発明において固形分とは、樹脂組成物中の溶剤以外のすべての成分を表す。
<その他の層>
本発明の反射防止物品は、本発明の効果を損なわない範囲において、更にその他の層を有していてもよい。透明基材の微細凹凸層を有しない面側には、光学フィルム用途に用いられる従来公知の各種層を有していてもよい。例えば、従来公知の単層或いは多層構成の反射防止層、光拡散による防眩性(或いは反射防止)を付与する層、傷付き防止等の為に従来公知のハードコート層等が挙げられる。
本発明の反射防止物品は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ここで、反射防止性透明導電フィルムの透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
<反射防止物品の用途>
本発明に係る反射防止物品は、後述する画像表示装置の他、各種物品に用いることができる。
例えば、店舗のショーウィンドウや、美術館の展示物の展示窓;時計等、各種計測機器の表示窓表面;道路標識や、ポスター等の各種印刷物;自動車、航空機等の乗り物や、各種建築物の窓等の前面又は両面に配置して、視認性を向上することができる。また、眼鏡、カメラ、望遠鏡、顕微鏡等の各種光学機器や、各種照明機器の窓材として用いることもできる。
また、上述の実施形態においては、反射防止を図る電磁波の波長帯域を、専ら、可視光線帯域として説明したが、本発明はこれに限らず、反射防止を図る電磁波の波長帯域を赤外線、紫外線等の可視光線以外の波長帯域に設定してもよい。その場合は前記の各条件式中において、電磁波の波長帯域の最短波長Λmin及び最長波長Λmaxを、それぞれ、赤外線、紫外線等の波長帯域に於ける反射防止効果を希望する最短波長及び最長波長にそれぞれ設定すればよい。例えば、最短波長Λminが850nmの赤外線帯域の反射防止を希望する場合は、隣接突起間距離d(若しくは其の最大値dmax)を850nm以下、例えば、dmax=800nmと設計すればよい。
<反射防止物品の製造方法>
本発明の反射防止物品は、透明基材上に中間層と微細凹凸層とを順次形成すればよく、各層は従来公知の方法の中から適宜選択して形成することができる。
(中間層の形成)
中間層は、例えば、透明基材上に前記第一の樹脂組成物を塗布した後、乾燥し、硬化することにより形成できる。塗布方法は、第一の樹脂組成物を均一に塗布できる方法であればよく、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ブレードコート法、マイクログラビアコート法、スプレーコート法、スピンコート法等の公知の方法が挙げられる。
次いで、乾燥により溶剤を除去して第一の樹脂組成物の乾燥塗膜とする。乾燥方法は、従来公知の方法の中から適宜選択すればよい。乾燥条件を調整し、乾燥後の塗膜に溶剤を残留させることにより、中間層と微細凹凸層との間に浸透層を設けてもよい。ここで浸透層とは、第一の樹脂組成物の成分と、第二の樹脂組成物とが混合した層をいう。このような浸透層が形成されることにより、中間層と微細凹凸層との間の界面がなくなり、界面反射を抑制することが可能となるとともに、中間層と微細凹凸層との密着性も向上する。
得られた乾燥塗膜を公知の方法で硬化することにより中間層が形成される。硬化方法は、該樹脂組成物の種類等に応じて適宜選択すればよい。第一の樹脂組成物が光硬化性樹脂組成物である場合は、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光源を用いて光照射すればよい。
(微細凹凸層の形成)
微細凹凸層の形成方法は、例えば、前記中間層上に、第二の樹脂組成物を塗布し、所望の微細凹凸形状を有する微細凹凸層形成用原版の凹凸形状を、前記第二の樹脂組成物の塗膜に賦型した後、前記第二の樹脂組成物を硬化させることにより微細凹凸層を形成し、前記微細凹凸層形成用原版から剥離する方法等が挙げられる。
前記微細凹凸層形成用原版としては、繰り返し使用した際に変形および摩耗するものでなければ、特に限定されるものではなく、金属製であっても良く、樹脂製であっても良いが、通常、金属製が好適に用いられる。耐変形性および耐摩耗性に優れているからである。
前記微細凹凸層形成用原版の微細凹凸形状を有する面は、特に限定されないが、酸化されやすく、陽極酸化による加工が容易である点から、アルミニウムからなることが好ましい。
前記微細凹凸層形成用原版は、具体的には、例えば、ステンレス、銅、アルミニウム等の金属製の母材の表面に、直接に又は他の層を介して、スパッタリング等により純度の高いアルミニウム層が設けられ、当該アルミニウム層に凹凸形状を形成したものが挙げられる。前記母材は、前記アルミニウム層を設ける前に、電解溶出作用と、砥粒による擦過作用の複合による電解複合研磨法によって母材の表面を超鏡面化しても良い。
前記微細凹凸層形成用原版に微細凹凸形状を形成する方法としては、例えば、陽極酸化法によって前記アルミニウム層の表面に複数の微細孔を形成する陽極酸化工程と、前記アルミニウム層をエッチングすることにより前記微細孔の開口部にテーパー形状を形成する第1エッチング工程と、前記アルミニウム層を前記第1エッチング工程のエッチングレートよりも高いエッチングレートでエッチングすることにより前記微細孔の孔径を拡大する第2エッチング工程とを順次繰り返し実施することによって形成することができる。
微細な凹凸形状を形成する際には、アルミニウム層の純度(不純物量)や結晶粒径、陽極酸化処理及び/又はエッチング処理の諸条件を適宜調整することによって、所望の形状とすることができる。前記陽極酸化処理において、より具体的には、液温、印加する電圧、陽極酸化に供する時間等の管理により、微細な孔をそれぞれ目的とする深さ及び微小突起形状に対応する形状に作製することができる。
このようにして、前記微細凹凸層形成用原版は、深さ方向に徐々に孔径が小さくなる多数の微細孔が密に作製される。当該微細凹凸層形成用原版を用いて製造される微細凹凸層には、前記微細孔に対応して、頂部に近付くに従って徐々に径が小さくなる微小突起群を備えた微細凹凸が形成され、すなわち、当該微細凹凸の深さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における当該微細凹凸を形成する材料部分の断面積占有率が、当該微細凹凸の頂部から最深部方向に近づくに従い連続的に漸次増加する微細凹凸形状が形成される。
また、前記微細凹凸層形成用原版の形状としては、所望の形状を賦型することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、平板状であっても良く、ロール状であっても良いが、前記微細凹凸層形成用原版は、生産性向上の観点からは、ロール状の金型(以下、「ロール金型」と称する場合がある。)を用いることが好ましい。
本発明において用いられるロール金型としては、例えば、母材として、円筒形状の金属材料を用い、当該母材の周側面に、直接に又は各種の中間層を介して設けられたアルミニウム層に、上述したように、陽極酸化処理、エッチング処理の繰り返しにより、微細な凹凸形状が作製されたものが挙げられる。
図6に、微細凹凸層形成用の樹脂組成物として光硬化性樹脂組成物を用い、微細凹凸層形成用原版としてロール金型を用いた場合に、透明基材上に微細凹凸層を形成する方法の一例を示す。
図6に示す方法では、樹脂供給工程において、予め中間層が形成された帯状フィルム形態の透明基材45の中間層側に、ダイ41により第二の樹脂組成物を塗布し、微小突起形状の受容層46を形成する。なお第二の樹脂組成物の塗布方法については、ダイ41による場合に限らず、各種の手法を適用することができる。続いて、押圧ローラ43により、微細凹凸層形成用原版であるロール金型42の周側面に透明基材を加圧押圧し、これにより透明基材の中間層側に受容層46を密着させると共に、ロール金型42の周側面に作製された微細な凹凸形状の凹部に、受容層46を構成する第二の樹脂組成物を充分に充填する。この状態で、紫外線の照射により第二の樹脂組成物を硬化させ、これにより透明基材の中間層側表面に微細凹凸層3を作製する。続いて剥離ローラ44を介してロール金型42から、硬化した微細凹凸層3と一体に透明基材1を剥離する。必要に応じてこの透明基材1に粘着層等を作製した後、所望の大きさに切断して反射防止物品10を作製する。これにより反射防止物品は、ロール材による長尺の透明基材1に、微細凹凸層形成用原版であるロール金型42の周側面に作製された微細凹凸形状を順次賦型して、効率良く大量生産される。
また上述の実施形態では、ロール金型を使用した賦型処理によりフィルム形状の反射防止物品を生産する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、反射防止物品の形状に係る透明基材の形状に応じて、例えば平板、特定の曲面形状による賦型用金型を使用した枚葉の処理により反射防止物品を作成する場合等、賦型処理に係る工程、微小突起構造体形成用原版は、反射防止物品の形状に係る透明基材の形状に応じて適宜変更することができる。
[画像表示装置]
本発明に係る画像表示装置は、表示パネルの少なくとも一面側に、前記本発明に係る反射防止物品を備えることを特徴とする。
本発明の画像表示装置50は、図7に示すように、表示機構51の表示面52に、前記本発明に係る反射防止物品10を備えている。当該反射防止物品10は、表示面52と直接貼り合わされてもよく、本発明の効果を損なわない範囲で、反射防止物品10と、表示面52との間に、他の部材を有していてもよい。当該他の部材としては、例えば、公知のタッチパネル部材等が挙げられる。
なお、本発明の画像表示装置にあっては、単に表示機能のみを有する装置(例えば、LCDモニター、CRTモニター等)でも良いが、装置の機能の一部として表示機能を有する装置も該当する。例えば、携帯情報端末、カーナビゲーションシステム等である。
本発明の画像表示装置は、反射防止性能を低下することなく、乾拭きで汚れを拭き取ることが可能であるため、優れた反射防止性を保持することができる。そのため、特に、表示装置表面に指で直接触れることが多い、タッチパネル部材を備えた画像表示装置においても好適に用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
(製造例1;微細凹凸層形成用原版の作製)
純度99.50%の圧延されたアルミニウム板を、その表面が、十点平均粗さRz30nm、且つ周期1μmの凹凸形状となるように研磨後、0.02Mシュウ酸水溶液の電解液中で、化成電圧40V、20℃の条件にて120秒間、陽極酸化を実施した。次に、第一エッチング処理として、陽極酸化後の電解液で60秒間エッチング処理を行った。続いて、第二エッチング処理として、1.0Mリン酸水溶液で150秒間孔径処理を行った。さらに、上記処理を繰り返し、これらを合計5回追加実施した。これにより、アルミニウム基板上に微細な凹凸形状が形成された陽極酸化アルミニウム層が形成された。最後に、フッ素系離型剤を塗布し、余分な離型剤を洗浄することで、微細凹凸層形成用原版を得た。なお、アルミニウム層に形成された微細な凹凸形状は、平均隣接微細孔間距離が100nm、平均深さが200nmで、深さ方向に徐々に孔径が小さくなる多数の微細孔が密に形成された形状であった。
(製造例2:中間層用樹脂組成物Aの調製)
以下の各成分を混合し、希釈溶剤として、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンを用いて、固形分45質量%の中間層用樹脂組成物Aを調製した。
<中間層用樹脂組成物Aの組成>
・エチレンオキサイド変性(EO変性)ビスフェノールAジアクリレート 55質量部
・EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート 35質量部
・トリデシルアクリレート 5質量部
・ドデシルアクリレート 5質量部
・ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド(ルシリンTPO) 1質量部
(製造例3:中間層用樹脂組成物Bの調製)
以下の各成分を混合し、希釈溶剤として、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンを用いて、固形分45質量%の中間層用樹脂組成物Bを調製した。
<中間層用樹脂組成物Bの組成>
・EO変性ビスフェノールAジアクリレート 50質量部
・EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート 30質量部
・トリデシルアクリレート 5質量部
・ドデシルアクリレート 5質量部
・メチルメタクリレート 5質量部
・ヘキシルメタクリレート 5質量部
・ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド(ルシリンTPO) 1質量部
(製造例4:微細凹凸層用樹脂組成物Aの調製)
以下の各成分を混合し、希釈溶剤として、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンを用いて、固形分45質量%の微細凹凸層用樹脂組成物Aを調製した。
<微細凹凸層用樹脂組成物Aの組成>
・EO変性ビスフェノールAジアクリレート 30質量部
・EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート 20質量部
・トリプロピレングリコールジアクリレート 45質量部
・ジペンタエリスリトール多官能アクリレート 5質量部
・ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド(ルシリンTPO) 1質量部
(製造例5:微細凹凸層用樹脂組成物Bの調製)
以下の各成分を混合し、希釈溶剤として、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンを用いて、固形分45質量%の微細凹凸層用樹脂組成物Bを調製した。
<微細凹凸層用樹脂組成物Bの組成>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 15質量部
・2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート 15質量部
・ポリエチレングリコールジアクリレート 70質量部
・ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド(ルシリンTPO) 1質量部
(実施例1)
透明基材(厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TAC)(富士フィルム社製)上に、製造例2で得られた中間層用樹脂組成物Aをメチルエチルケトン(MEK)で50%希釈したものを塗布し、加熱することにより溶剤を乾燥し、膜厚が10μmの中間層を形成した。
次いで、製造例4で得られた微細凹凸層用樹脂組成物Aを、製造例1で得られた微細凹凸層形成用原版の微細凹凸面が覆われ、硬化後の微細凹凸層の厚さが5μmとなるように塗布、充填し、その上に中間層が形成された前記透明基材の中間層側に、斜めから貼り合わせた後、貼り合わせられた貼合体をゴムローラーで10N/cmの加重で圧着した。原版全体に均一な組成物が塗布されたことを確認し、透明基材側から2000mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して微細凹凸層形成用樹脂組成物を硬化させた。その後、原版より剥離し、実施例1の反射防止物品Aを得た。
(実施例2)
実施例1において、中間層用樹脂組成物Aの代わりに、製造例3で得られた中間層用樹脂組成物Bを用いた以外は、実施例1と同様にして反射防止物品Bを得た。
(実施例3)
実施例1において、中間層用樹脂組成物Aの代わりに、製造例4で得られた中間層用樹脂組成物Bを用い、微細凹凸層用樹脂組成物Aの代わりに、製造例5で得られた微細凹凸層用樹脂組成物Bを用いた以外は、実施例1と同様にして反射防止物品Cを得た。
(比較例1)
透明基材(厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TAC)(富士フィルム社製)上に、製造例2で得られた中間層用樹脂組成物Aをメチルエチルケトン(MEK)で50%希釈したものを塗布し、加熱することにより溶剤を乾燥し、膜厚が10μmの層を形成した。次いで、製造例1で得られた微細凹凸層形成用原版の微細凹凸面が覆われるよう、上記形成層を斜めから貼り合わせた後、貼り合わせられた貼合体をゴムローラーで10N/cmの加重で圧着した。原版全体に均一な組成物が塗布されたことを確認し、透明基材側から2000mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して微細凹凸層形成用樹脂組成物を硬化させた。その後、原版より剥離し、比較例1の反射防止物品Dを得た。
(比較例2)
比較例1において、中間層用樹脂組成物Aの代わりに、製造例3で得られた中間層用樹脂組成物Bを用いた以外は、比較例1と同様にして反射防止物品Eを得た。
(比較例3)
比較例1において、中間層用樹脂組成物Aの代わりに、製造例4で得られた微細凹凸層用樹脂組成物Aを用いた以外は、比較例1と同様にして反射防止物品Fを得た。
[評価]
<貯蔵弾性率(E’)の測定>
製造例2〜5で得られた中間層用樹脂組成物、及び微細凹凸層用樹脂組成物をそれぞれ2000mJ/cmのエネルギーの紫外線を1分間照射することにより十分に硬化させて、基材及び微細凹凸形状を有しない、厚さ1mm、幅5mm、長さ30mmの試験用単膜を得た。
次いで、JIS K7244に準拠し、25℃下、上記樹脂組成物の硬化物の長さ方向に10Hzで25gの周期的外力を加え、動的粘弾性を測定することにより、25℃における、貯蔵弾性率E’、及び損失弾性率E”を求めた。また、当該E’及びE”の結果からtanδを算出した。測定装置はUBM製 Rheogel E400を用いた。結果を表1に示す。
<対数減衰率の測定>
(測定方法)
実施例1〜3、比較例1〜3で得られた反射防止物品をそれぞれ5cm×1.5cm角に切断したものを試料とし、微細凹凸層側を上面として、株式会社エーアンドディ社製、剛体振り子物性試験器RPT−3000Wの試料台(CHB100)上に置いた。次いで、丸棒形状タイプ(RBP−060;60φ)のエッジを備えた振り子フレーム(FRB−100)を前記試料の微細凹凸層上に置き、振り子測定間隔を3.0秒、振り子吸着時間を2.0秒とし、−40℃から120℃まで4℃/分で昇温しながら対数減衰率を測定し、得られた温度−対数減数率曲線から−40℃から80℃の温度範囲における最大値をとる温度を求めた。また、参考例として、透明基材(厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TAC)(富士フィルム社製)についても同様に対数減衰率曲線を測定した。結果を表1、図8及び図9に示す。
<指紋拭き取り試験>
実施例1〜3 、比較例1〜3で得られた反射防止物品の微細凹凸層側表面を上面にして、それぞれ粘着層つきの黒アクリル板に貼り付けた後、指を押し付けて指紋を付着させた。その後、ザヴィーナミニマックス(富士ケミカル製)にて指紋を乾拭きした。乾拭きは3kg/cm程度の力で10往復行い、拭取り後の外観を評価した。結果を表1に示す。
[指紋拭き取り試験評価基準]
○:指紋汚れが視認できない。
×:指紋がほぼ拭取られない。
<摺動性試験>
実施例1〜3、比較例1〜3で得られた反射防止物品の微細凹凸層側表面を上面にして、それぞれ粘着層つきの黒アクリル板に貼り付けた後、ザヴィーナミニマックス(富士ケミカル製)にて3kg/cm程度の力で10往復擦った。擦過1分後の視認性の評価を下記基準で行った。結果を表1に示す。
[摺動性試験評価基準]
○:擦り痕が視認されない。
×:擦り痕が明らかに白濁あるいは色味変化する。
[結果のまとめ]
貯蔵弾性率が200MPa未満の中間層用樹脂組成物A又はBを用いて微細凹凸層を形成した比較例1及び2の反射防止物品は、指紋拭き取り性は良好であったのに対し、拭取り後に擦り痕が観察され、スティッキングが生じていた。貯蔵弾性率が200MPa以上であるが、対数減衰率曲線の最大値温度が、0度を超えていた比較例3の反射防止物品は、摺動性は良好であったが、指紋の拭取り性が悪かった。
実施例1〜3の通り、貯蔵弾性率が200MPa以上の微細凹凸層用樹脂組成物A又はBを用い、且つ、対数眩類率曲線の最大値における温度が0℃以下である反射防止物品は、スティッキングが生じることなく指紋拭き取り性に優れ、且つ摺動性にも優れていることが明らかとなった。
なお、図9に示されるように、80℃を超える温度範囲においては、基材由来の対数減衰率曲線の上昇が認められた。
1 透明基材
2 中間層
3 微細凹凸層
4 微小突起
5 拭取り方向の力
6 押圧方向の力
10 反射防止物品
21 極大点(母点)
22 線分(ドロネー線)
23 微小突起
30 微細凹凸層
31 微細凹凸層の微細凹凸面
32 微小突起
33 うねりによる凹凸面
41 ダイ
42 ロール金型
43 押圧ローラ
44 剥離ローラ
45 中間層が積層した透明基材
46 受容層
50 画像表示装置
51 表示機構
52 表示面
本発明に係る反射防止物品は、透明基材の少なくとも一面側に、少なくとも中間層と、
微細凹凸層とをこの順に有する反射防止物品であって、
前記中間層が、第一の樹脂組成物の硬化物からなり、前記第一の樹脂組成物が、炭素数10以上の長鎖アルキル基を、当該第一の樹脂組成物の全固形分に対して、5〜30質量%含有し、
前記微細凹凸層が、第二の樹脂組成物の硬化物からなり、且つ前記透明基材と反対側の面に微小突起が集合してなる微小突起群を備えた微細凹凸形状を有し、前記微小突起は、反射防止を図る光の波長帯域の最短波長をΛmin、当該微小突起の隣接突起間隔dの最大値をdmaxとしたときに、
max≦Λmin
なる関係を有し、且つ、前記微小突起の深さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における当該微小突起を形成する材料部分の断面積占有率が、当該微小突起の頂部から最深部方向に近づくに従い連続的に漸次増加する構造を有し、
前記第一の樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)が1MPa以上300MPa以下、且つ、前記第一の樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)に対する損失弾性率(E”)の比(tanδ(=E”/E’))が0.18以下であり、
前記第二の樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)が200MPa以上であり、
−40〜80℃の温度範囲における、反射防止物品の前記微細凹凸層側の剛体振り子型自由減衰振動法による対数減衰率が、0℃以下で最大値を有することを特徴とする。

Claims (2)

  1. 透明基材の少なくとも一面側に、少なくとも中間層と、微細凹凸層とをこの順に有する反射防止物品であって、
    前記中間層が、第一の樹脂組成物の硬化物からなり、
    前記微細凹凸層が、第二の樹脂組成物の硬化物からなり、且つ前記透明基材と反対側の面に微小突起が集合してなる微小突起群を備えた微細凹凸形状を有し、前記微小突起は、反射防止を図る光の波長帯域の最短波長をΛmin、当該微小突起の隣接突起間隔dの最大値をdmaxとしたときに、
    max≦Λmin
    なる関係を有し、且つ、前記微小突起の深さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における当該微小突起を形成する材料部分の断面積占有率が、当該微小突起の頂部から最深部方向に近づくに従い連続的に漸次増加する構造を有し、
    前記第二の樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)が200MPa以上であり、
    −40〜80℃の温度範囲における、反射防止物品の前記微細凹凸層側の剛体振り子型自由減衰振動法による対数減衰率が、0℃以下で最大値を有することを特徴とする、反射防止物品。
  2. 表示パネルの少なくとも一面側に、請求項1に記載の反射防止物品を備える、画像表示装置。
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