JP2015019113A - 改良された酸化マンガン電解質を含む固体電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性粉末で形成した陽極体と、陽極体上及び/又は陽極体内に存在する誘電体被覆とを含む固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】粉末は、高い比電荷と、さらには比較的密度の高い充填構成とを有する。このような粉末で形成したにもかかわらず、本発明者らは、(硝酸マンガンなどの)マンガン前駆体溶液を陽極の細孔内に容易に含浸できることを発見した。このことは、酸化マンガン前駆体が誘電体の表面に接触したときに液滴を形成するであろう可能性を最小化するのに役立つ分散剤を前駆体溶液中に使用することにより或る程度達成される。それどころか、前駆体溶液はより良好に分散して、結果的に得られる酸化マンガンが「膜様」の構成を有し、陽極の少なくとも一部を実質的に均一に被覆するようになる。これにより、結果的に得られる酸化物の表面被覆率のみならず品質までもが向上し、これによりコンデンサの電気的性能が強化される。
【選択図】なし

Description

〔関連出願との相互参照〕
本出願は、米国仮特許出願第61/357,672号(2010年6月23日出願)及び米国仮特許出願第61/366,657号(2010年7月22日出願)の優先権を主張するものであり、これらの両特許はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。
二酸化マンガンは、既知であるとともに電解コンデンサ内の電解質として広く使用されている。従来、このようなコンデンサは、最初に(タンタルなどの)バルブ金属陽極を陽極酸化して誘電体酸化物被覆を形成し、その後、この酸化物被覆陽極を硝酸マンガンの水溶液に浸漬することにより形成される。十分に時間を置いた後、この濡れた陽極を加熱して、硝酸マンガンを二酸化マンガンに熱分解させる。固体電解質の所望の厚みを達成するために、多くの場合、浸漬及び加熱ステップを複数回繰り返す。残念ながら、従来のマンガン化技術の1つの問題点は、結果的に得られる二酸化マンガンの厚みが陽極の(端部などの)いくつかの箇所において増加し、これが電気的性能を悪化させる可能性がある点である。これらの問題に対処しようとする試みにおいて様々な技術が使用されてきた。例えば、硝酸マンガン溶液中に界面活性剤を使用して、その表面張力を実質的に低下させ、酸化物被覆陽極の表面の湿潤性の改善が行われてきた。1つのこのような界面活性剤に、非イオン性脂肪族アルコールポリグリコールエーテルのErktantol(登録商標)NR(Tanatex Chemicals BV社)がある。同様に、Tiemanに付与された米国特許第4,302,301号には、ノニルフェノキシ‐(エチレンオキシ)エタノール(Igepal CO‐630)、イソオクチルフェノキシ‐ポリエトキシエタノール(Triton X‐100)、ベンジルエーテルオクチルフェノール‐エチレンオキサイド縮合物(Trion CF‐10)、及び3,6‐ジメチル‐4‐オクチン‐3,6‐ジオール(Surfynol 82)などの、マンガン化溶液中に使用できる他の様々な非イオン性界面活性剤が記載されている。
界面活性剤を添加することにより、或る程度の恩恵を受けることはできるが、それでもなお重要な問題が残る。例えば、湿潤時の静電容量では、コンデンサが依然として比較的大きな損失と高い漏れ電流を示す。この問題は、陽極を形成するために使用するバルブ金属粉末が、高い比電荷、すなわち約70,000マイクロファラッド*ボルト/グラム(「μF*V/g」)以上を有するときに特に顕著である。このような高「CV/g」の粉末は、一般にサイズが小さく表面積が広い粒子で形成され、この結果粒子間に、硝酸マンガン溶液が含浸しにくい小さな細孔が形成される。このような小さな細孔への含浸が困難であることにより、サイズが大きく形状が不規則な二酸化マンガン粒子が形成される。これらの粒子は誘電体被覆にしっかりと付着せず、良好な表面被覆率を達成することができないため、コンデンサの電気的性能が悪化する。
従って、現在、酸化マンガン固体電解質を含む改善された電解コンデンサが必要とされている。
米国仮特許出願第61/366,657号明細書 米国特許第4,302,301号明細書 米国特許第6,322,912号明細書 米国特許第6,391,275号明細書 米国特許第6,416,730号明細書 米国特許第6,527,937号明細書 米国特許第6,576,099号明細書 米国特許第6,592,740号明細書 米国特許第6,639,787号明細書 米国特許第7,220,397号明細書 米国特許出願公開第2005/0019581号明細書 米国特許出願公開第2005/0103638号明細書 米国特許出願公開第2005/0013765号明細書 米国特許第6,576,038号明細書 米国特許第6,238,456号明細書 米国特許第5,954,856号明細書 米国特許第5,082,491号明細書 米国特許第4,555,268号明細書 米国特許第4,483,819号明細書 米国特許第4,441,927号明細書 米国特許第4,017,302号明細書 米国特許第5,522,558号明細書 米国特許第5,232,169号明細書 米国特許第6,126,097号明細書 米国特許第6,145,302号明細書 米国特許第4,960,471号明細書 米国特許第6,197,252号明細書 米国特許第4,085,435号明細書 米国特許第4,945,452号明細書 米国特許第5,198,968号明細書 米国特許第5,357,399号明細書 米国特許第5,394,295号明細書 米国特許第5,495,386号明細書 米国特許第6,191,936号明細書 米国特許第5,949,639号明細書 米国特許第3,345,545号明細書 米国特許出願公開第2005/0270725号明細書 米国特許第3,067,243号明細書 米国特許第6,674,635号明細書 米国特許出願公開第2006/0038304号明細書
本発明の1つの実施形態によれば、約70,000μF*V/g以上の比電荷を有する導電性粉末で形成した陽極体を含む固体電解コンデンサが開示される。陽極体上には誘電体が存在する。さらに、誘電体上には、誘電体層の少なくとも一部を実質的に均一に被覆する酸化マンガン膜を含む固体電解質が存在する。
本発明の別の実施形態によれば、固体電解コンデンサを形成する方法が開示される。この方法は、粉末で形成された陽極体を陽極酸化して誘電体被覆を形成するステップを含む。この誘電体被覆陽極体を、分散剤を含む酸化マンガン前駆体溶液に接触させる。1つの実施形態では、分散剤が、親水性部分と、6〜14個の炭素原子を有する芳香族又はヘテロ原子環系である疎水性部分とを有する有機化合物を含む。別の実施形態では、(20℃の)水の表面張力の、(水中1重量%の濃度で20℃の)分散剤の表面張力に対する比率が約0.8〜約1.2である。前駆体は、熱分解により酸化マンガン固体電解質に変換される。
以下、本発明のその他の特徴及び態様についてより詳細に説明する。
当業者を対象とする本発明の最良の形態を含む本発明の完全かつ実施可能な開示について、本明細書の残りの部分において添付図を参照しながらさらに詳細に説明する。
本発明に基づいて形成できるコンデンサの1つの実施形態の概略図である。 実施例1のサンプル1のFESEM写真である。 実施例1のサンプル2のFESEM写真である。 実施例1のサンプル3のFESEM写真である。 実施例2のサンプル1のFESEM写真である。 実施例2のサンプル2のFESEM写真である。 実施例2のサンプル3のFESEM写真である。 実施例3のサンプル1のFESEM写真である。 実施例3のサンプル2のFESEM写真である。 実施例3のサンプル3のFESEM写真である。 実施例4のサンプル1のFESEM写真である。 実施例4のサンプル2のFESEM写真である。 実施例5で生成した溶液の粒径分布(粒子数対流体力学的直径)を示す図である。
本明細書及び図面における参照符号の反復使用は、本発明の同じ又は類似の特徴又は要素を示すことを意図するものである。
当業者であれば、本考察が例示的な実施形態についての説明にすぎず、例示的な構成において具体化される本発明のより広い態様を限定することを意図するものではないと理解すべきである。
大まかに言えば、本発明は、導電性粉末で形成した陽極体と、陽極体上及び/又は陽極体内に存在する誘電体被覆とを含む固体電解コンデンサに関する。粉末は、高い比電荷と、さらには比較的密度の高い充填構成とを有することができる。このような粉末で形成したにもかかわらず、本発明者らは、(硝酸マンガンなどの)マンガン前駆体溶液を陽極の細孔内に容易に含浸できることを発見した。このことは、酸化マンガン前駆体が誘電体の表面に接触したときに液滴を形成するであろう可能性を最小化するのに役立つ分散剤を前駆体溶液中に使用することにより或る程度達成される。それどころか、前駆体溶液がより良好に分散して、結果的に得られる酸化マンガンが「膜様」の構成を有し、陽極の少なくとも一部を実質的に均一に被覆するようになる。これにより、結果的に得られる酸化物の表面被覆率のみならず品質までもが向上し、これによりコンデンサの電気的性能が高められる。
以下、本発明の様々な実施形態についてより詳細に説明する。
I.陽極
上述したように、陽極を比電荷の高い粉末で形成することができる。すなわち、この粉末は、約70,000マイクロファラッド*ボルト/グラム(「μF*V/g」)以上の、実施形態によっては約80,000μF*V/g以上の、実施形態によっては約90,000μF*V/g以上の、実施形態によっては約100,000μF*V/g以上の、及び実施形態によっては約120,000〜約250,000μF*V/gの比電荷を有することができる。言うまでもなく、通常は高い比電荷の粉末が望ましいが、これは必ずしも必要条件ではない。いくつかの実施形態では、例えば、粉末が約70,000マイクロファラッド*ボルト/グラム(「μF*V/g」)未満の、実施形態によっては約2,000μF*V/g〜約65,000μF*V/gの、及び実施形態によっては約5,000〜約50,000μF*V/gの比電荷を有する。
粉末は、個別粒子及び/又はこのような粒子の集塊を含むことができる。粉末を形成するための化合物は、タンタル、ニオブ、アルミニウム、ハフニウム、チタン、これらの合金、これらの酸化物、これらの窒化物などの、バルブ金属(すなわち酸化可能金属)又はバルブ金属ベースの化合物を含む。例えば、バルブ金属組成物は、ニオブの酸素に対する原子比が1:1.0±1.0の、実施形態によっては1:1.0±0.3の、実施形態によっては1:1.0±0.1の、及び実施形態によっては1:1.0±0.05の酸化ニオブのようなニオブの導電性酸化物を含むことができる。例えば、酸化ニオブは、NbO0.7、NbO1.0、NbO1.1、及びNbO2であってもよい。このようなバルブ金属酸化物の例が、Fifeに付与された米国特許第6,322,912号、Fife他に付与された第6,391,275号、Fife他に付与された第6,416,730号、Fifeに付与された第6,527,937号、Kimmel他に付与された第6,576,099号、Fife他に付与された第6,592,740号、Kimmel他に付与された第6,639,787号、及びKimmel他に付与された第7,220,397号、並びにSchnitterに付与された米国特許出願公開第2005/0019581号、Schnitter他に付与された米国特許出願公開第2005/0103638号、Thomas他に付与された米国特許出願公開第2005/0013765号に記載されており、これらの特許は全てあらゆる目的によるこれらへの参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
粉末の見掛け密度(すなわちScott密度)は望む通りに様々であってよいが、通常は約1〜約8グラム/立方センチメートル(g/cm3)、実施形態によっては約2〜約7g/cm3、及び実施形態によっては約3〜約6g/cm3の範囲内にある。所望のレベルの充填及び見掛け密度を達成するために、粒子(又は集塊)のサイズ及び形状を慎重に制御することができる。例えば、粒子の形状は、一般に球状、瘤状などであってもよい。粒子は、約0.1〜約20マイクロメートルの、実施形態によっては約0.5〜約15マイクロメートルの、及び実施形態によっては約1〜約10マイクロメートルの平均サイズを有することができる。
粉末は、当業者に公知の技術を使用して形成することができる。例えば、(フルオロタンタル酸カリウム(K2TaF7)、フルオロタンタル酸ナトリウム(Na2TaF7)、五塩化タンタル(TaCl5)などの)タンタル塩を(水素、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどの)還元剤で還元することにより、前駆体タンタル粉末を形成することができる。このような粉末を、約700℃〜約1400℃の、実施形態によっては約750℃〜約1200℃の、及び実施形態によっては約800℃〜約1100℃の温度での1又は複数の熱処理ステップなどを通じた様々な方法で集塊化することができる。熱処理は、不活性又は還元性雰囲気内で行うことができる。例えば、水素又は(塩化アンモニウム、水素化カルシウム、水素化マグネシウムなどの)水素放出化合物を含む雰囲気内で熱処理を行って、粉末を部分的に焼結して不純物(例えば、フッ素)の含量を低減することができる。必要であれば、マグネシウムなどのゲッター材料の存在下で集塊化を行うこともできる。熱処理後、段階的に空気を導入することにより、反応性の高い粗集塊を不動態化することができる。他の適当な集塊化技術が、Raoに付与された米国特許第6,576,038号、Wolf他に付与された第6,238,456号、Pathare他に付与された第5,954,856号、Reratに付与された第5,082,491号、Getzに付与された第4,555,268号、Albrecht他に付与された第4,483,819号、Getz他に付与された第4,441,927号、及びBates他に付与された第4,017,302号にも記載されており、これらの特許はあらゆる目的によるこれらへの参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
(還元処理などの)粉末形成に関するパラメータ及び/又は(温度、雰囲気などの)集塊化に関するパラメータなどの様々な処理パラメータを当業で公知のように制御することにより、所望の粒子サイズ及び/又は形状を達成することができる。ミリング技術を使用して、前駆体粉末を所望のサイズに粉砕することもできる。様々なミリング技術のいずれかを利用して、所望の粒子特性を得ることができる。例えば、最初に粉末を(エタノール、メタノール、フッ素化流体などの)液状媒体に分散してスラリを形成することができる。次に、このスラリをミル内で(タンタルなどの金属球のような)粉砕媒体と混合することができる。一般に、粉砕媒体の数は、約100〜約2000、及び実施形態によっては約600〜約1000などのようにミルのサイズによって様々であってよい。出発粉末、液状媒体、及び粉砕媒体は、あらゆる割合で混合することができる。例えば、出発粉末と粉砕媒体の比率を、約1:5〜約1:50とすることができる。同様に、液状媒体の容積と出発粉末の混合容積との比率を、約0.5:1〜約3:1、実施形態によっては約0.5:1〜約2:1、及び実施形態によっては約0.5:1〜約1:1とすることができる。本発明で使用できるミルのいくつかの例が、米国特許第5,522,558号、第5,232,169号、第6,126,097号、及び第6,145,765号に記載されており、これらの特許はあらゆる目的によるこれらへの参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。ミリングは、目標サイズを達成するのに必要なあらゆる所定時間にわたって行うことができる。例えば、ミリング時間は、約30分〜約40時間、実施形態によっては約1時間〜約20時間、及び実施形態によっては約5時間〜約15時間に及ぶことができる。ミリングは、室温又は高温を含むいずれかの所望の温度で行うことができる。ミリング後、風乾、加熱、濾過、蒸発などによって粉末から液状媒体を分離又は除去することができる。
本発明では、他の様々な従来の処理を使用して粉末の特性を向上させることもできる。例えば、いくつかの実施形態では、(リン酸などの)酸性水溶液のようなドーパントの存在下で、粒子を焼結抑制剤で処理することができる。添加するドーパントの量は、或る程度粉末の表面積にもよるが、通常は約200パーツパーミリオン(「ppm」)以下の量で存在する。ドーパントは、あらゆる(単複の)熱処理ステップの前、最中、及び/又は後に添加することができる。
粒子に1又はそれ以上の脱酸素処理を施して、延性を向上させるとともに陽極における漏れ電流を低下させることもできる。例えば、米国特許第4,960,471号に記載されるように、粒子を(マグネシウムなどの)ゲッター材料に曝すことができ、該特許はあらゆる目的によるこれらへの参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。ゲッター材料は、約2重量%〜約6重量%の量で存在することができる。脱酸素を行う温度は様々であってよいが、通常は約700℃〜約1600℃、実施形態によっては約750℃〜約1200℃、及び実施形態によっては約800℃〜約1000℃の範囲内で行われる。(単複の)脱酸素処理の合計時間は、約20分〜約3時間に及ぶことができる。脱酸素は、(アルゴンなどの)不活性雰囲気内で行うことが好ましい。(単複の)脱酸素処理が終了すると、通常、マグネシウム又はその他のゲッター材料が蒸発して加熱炉の冷壁上に析出物を形成する。しかしながら、ゲッター材料を確実に除去するために、硝酸、フッ化水素酸などを使用して、細集塊及び/又は粗集塊に1又はそれ以上の酸浸出を施すことができる。
陽極の構造を容易化するために、粉末中にいくつかの成分を含めることもできる。例えば、任意に粉末を結合剤及び/又は潤滑剤と混合して、陽極体を形成すべく加圧されたときに粒子が相互に正確に付着し合うのを確実にすることができる。適当な結合剤として、例えば、ポリ(ビニルブチラール)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びメチルヒドロキシルエチルセルロースなどのセルロース系ポリマー、アタクチックポリプロピレン、ポリエチレン、(Dow Chemical社より市販されているカーボワックスなどの)ポリエチレングリコール、ポリスチレン、ポリ(ブタジエン/スチレン)、ポリアミド、ポリイミド、及びポリアクリルアミド、高分子量ポリエーテル、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、及びフルオロオレフィンコポリマーなどのフッ素重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ(低アルキルアクリレート)、ポリ(低アルキルメタクリレート)並びに低アルキルアクリレート及びメタクリレートの共重合体などのアクリルポリマー、及び、ステアリン酸及び他のソープ脂肪酸、植物性ワックス、マイクロワックス(精製パラフィン)などの脂肪酸及びワックスを挙げることができる。結合剤は、溶媒内で溶解又は分散することができる。例示的な溶媒として、水、アルコールなどを挙げることができる。利用する場合、結合剤及び/又は潤滑剤の割合は、全質量の約0.1重量%〜約8重量%まで様々であってよい。しかしながら、本発明では結合剤及び/又は潤滑剤が必ずしも必須ではないことを理解されたい。
結果として得られた粉末を、いずれかの従来の粉末加圧装置を使用して圧縮し、ペレットを形成することができる。例えば、ダイと1又は複数のパンチとを使用する単一ステーション圧縮プレスであるプレス成形を使用することができる。或いは、ダイ及び単一の下方パンチのみを使用するアンビル型圧縮プレス成型を使用することができる。単一ステーション圧縮プレス成型は、単動、複動、フローティングダイ、可動プラテン、対向ラム、ねじプレス、インパクトプレス、加熱プレス、鋳造又は定寸などの様々な能力を有するカムプレス、トグル/ナックルプレス及び偏心/クランクプレスのようないくつかの基本型で利用可能である。粉末は、(タンタルワイアなどの)陽極ワイアの周囲で圧縮することができる。或いは、陽極体の加圧及び/又は焼結後に陽極ワイアを陽極体に付着(例えば、溶接)することもできる。
圧縮後、ペレットを真空下で(約150℃〜約500℃などの)一定の温度で数分間加熱することにより、あらゆる結合剤/潤滑剤を除去することができる。或いは、例えば、Bishop他に付与された米国特許第6,197,252号に記載されるように、ペレットを水溶液と接触させることによって結合剤/潤滑剤を除去することもでき、該特許はあらゆる目的によるこの特許への参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。その後、ペレットが焼結されて多孔質の一体化した塊を形成する。例えば、1つの実施形態では、真空又は不活性雰囲気下で約1200℃〜約2000℃の、及び実施形態によっては約1500℃〜約1800℃の温度で加熱することによりペレットを焼結することができる。焼結時に、ペレットは粒子間の結合が増大することにより収縮する。焼結後のペレットの圧縮密度は様々であってよいが、通常は約2.0〜約7.0グラム/立方センチメートル、実施形態によっては約2.5〜約6.5グラム/立方センチメートル、及び実施形態によっては約3.0〜約6.0グラム/立方センチメートルである。圧縮密度は、材料の量を、圧縮したペレットの容積で除算することにより求められる。
上述の技術に加え、Galvaqniに付与された米国特許第4,085,435号、Sturmer他に付与された第4,945,452号、Galvaqniに付与された第5,198,968号、Salisburyに付与された第5,357,399号、Galvaqni他に付与された第5,394,295号、Kulkarniに付与された第5,495,386号、及びFifeに付与された第6,322,912号に記載されるような、陽極体を構築するための他のいずれかの技術を本発明に基づいて利用することもでき、これらの特許はあらゆる目的によるこれらへの参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
必須ではないが、コンデンサの電気的性能を向上させるように陽極の厚みを選択することもできる。例えば、陽極の厚みは約4ミリメートル以下とすることができ、実施形態によっては約0.05〜約2ミリメートル、及び実施形態によっては約0.1〜約1ミリメートルとすることができる。陽極の形状も、結果として得られるコンデンサの電気的性能を向上させるように選択することができる。例えば、陽極は、曲線、正弦曲線、長方形、U字形、V字形などの形状を有することができる。陽極は、体積に対する表面の割合を増やして、ESRを最小化するとともに静電容量の周波数応答を拡げるために、1又はそれ以上の畝、溝、凹部、又は窪みを含むという点において「溝付き」形状を有することもできる。このような「溝付き」陽極は、例えば、Webber他に付与された米国特許第6,191,936号、Maeda他に付与された第5,949,639号、及びBouqault他に付与された第3,345,545号、並びにHahn他に付与された米国特許出願公開第2005/0270725号に記載されており、これらの特許は全てあらゆる目的によるこれらへの参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
II.誘電体
陽極が構築されると、陽極の上部及び/又は内部に誘電体層が形成されるようにこれを陽極酸化することができる。陽極酸化とは、陽極を酸化して比較的高い誘電率を有する材料を形成する電気化学処理のことである。例えば、タンタル陽極を五酸化タンタル(Ta25)に陽極酸化することができる。通常、陽極酸化は、陽極を電解質内に浸漬するなどして最初に陽極に電解質を加えることにより行われる。一般に、電解質は、(水性又は非水性などの)溶液、分散液、融液などの液体の形をとる。例えば、一般に電解質内には、(脱イオン水などの)水、(ジエチルエーテル及びテトラヒドロフランなどの)エーテル、(メタノール、エタノール、エチレングリコール、n−プロパノール、イソプロパノール、及びブタノールなどの)アルコール、トリグリセリド、(アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトンなどの)ケトン、(酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチレングリコール酢酸エーテル、及びメトキシプロピルアセテートなどの)エステル、(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルカプリリック/カプリック脂肪酸アミド、及びN−アルキルピロリドンなどの)アミド、(アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、及びベンゾニトリルなどの)ニトリル、(ジメチルスルホキシド(DMSO)及びスルホランなどの)スルホキシド又はスルホンなどの溶媒が使用される。溶媒は、電解質の約50重量%〜99.9重量%、実施形態によっては約75重量%〜約99重量%、及び実施形態によっては約80重量%〜約95重量%を構成することができる。必ずしも必須ではないが、多くの場合、所望の酸化物の獲得を促進するために(水などの)水性溶媒を使用することが望ましい。実際には、水は電解質で使用する(単複の)溶媒の約50重量%以上、実施形態によっては約70重量%以上、及び実施形態によっては約90重量%〜約100重量%を構成することができる。
電解質はイオン伝導性であり、25℃の温度で測定した場合、センチメートルあたり約1ミリシーメンス(「mS/cm」)以上、実施形態によっては約30mS/cm以上、及び実施形態によっては約40mS/cm〜約100mS/cmのイオン伝導率を有することができる。電解質のイオン伝導率を高めるために、溶媒内で解離してイオンを形成できる化合物を使用することができる。この目的に適したイオン化合物として、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸、ボロン酸などの酸と、アクリル酸、メタクリル酸、マロン酸、コハク酸、サリチル酸、スルホサリチル酸、アジピン酸、マレイン酸、リンゴ酸、オレイン酸、没食子酸、ギ酸、酢酸、グリコール酸、シュウ酸、プロピオン酸、フタール酸、イソフタール酸、グルタール酸、グルコン酸、乳酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、イタコン酸、トリフルオロ酢酸、バルビツール酸、桂皮酸、安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸などのカルボン酸を含む有機酸と、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、ドデシルスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などのスルホン酸と、ポリ(アクリル)又はポリ(メタクリル)酸及び(マレイン酸−アクリル酸、スルホン酸−アクリル酸、及びスチレン酸−アクリル酸共重合体などの)これらの共重合体、カラギニン酸、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸などのポリマー酸とを挙げることができる。イオン化合物の濃度は、所望のイオン伝導率を達成するように選択される。例えば、(リン酸などの)酸は、電解質の約0.01重量%〜約5重量%、実施形態によっては約0.05重量%〜約0.8重量%、及び実施形態によっては約0.1重量%〜約0.5重量%を構成することができる。必要であれば、電解質内でイオン化合物の混和物を使用することもできる。
電流が電解質を通過して誘電体層を形成する。電圧の値により誘電体層の厚みを管理する。例えば、必要な電圧に達するまで、最初は電源装置を定電流モードに設定することができる。その後、電源装置を定電位モードに切り換えて、陽極の表面を覆って所望の誘電体の厚みが形成されるのを確実にすることができる。言うまでもなく、パルス又は段階定電位法などの他の公知の方法を使用することもできる。電圧は、通常約4〜約200V、及び実施形態によっては約9〜約100Vである。陽極酸化中、電解質を約30℃以上、実施形態によっては約40℃〜約200℃、及び実施形態によっては約50℃〜約100℃などの高い温度に維持することができる。陽極酸化を大気温度以下で行うこともできる。結果として生じる誘電体層を陽極の表面上又はその細孔内に形成することができる。
III.固体電解質
上述したように、本発明のコンデンサは、固体電解質として(MnO2などの)酸化マンガンを含む。酸化マンガンは、Sturmer他に付与された米国特許第4,945,452号に記載されるような(硝酸マンガン(Mn(NO32)などの)前駆体の熱分解を通じて形成され、該特許はあらゆる目的によるこの特許への参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。例えば、誘電体被覆陽極体を、前駆体を含む溶液に接触(例えば、浸漬、含浸、噴霧)させ、その後加熱して酸化物に変換することができる。必要であれば、複数の付加ステップを使用して所望の厚みを達成することができる。1つの実施形態では、例えば、陽極体を酸化マンガン前駆体の第1の溶液中に浸漬して加熱し、その後酸化マンガン前駆体の第2の溶液中に浸漬して加熱する。所望の厚みに達するまでこの処理を繰り返すことができる。
複数のステップを使用する場合、(単複の)酸化マンガン前駆体溶液の成分は付加ステップごとに異なってもよいが、一般的には、少なくとも1つの溶液が、親水性部分と疎水性部分とを含む有機化合物である分散剤を含むことが望ましい。親水性部分としては、例えば、スルホネート、ホスホネート、カルボキシレート、チオール、スルホネートエステル、ホスファイト、ホスホナイト、ホスフィナイト、ホスフェート、サルフェート、ホスフェートエステル、スルホキシド、スルホン、アミノ、その他、並びにこれらの混合物及び/又は塩を挙げることができる。従来の界面活性剤とは異なり、一般に分散剤の疎水性部分は、溶液の表面張力を実質的に低下させるには少なすぎる。例えば、疎水性部分は、ベンゼン、ナフタレン、アンスラセン、トルエン、キシレン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、ピラジン、アクリジン、ピリミジン、ピリダジンなどの、6〜14個の炭素原子を有する芳香族又はヘテロ原子環系(置換又は非置換)とすることができる。
分散剤は、溶液の表面張力を実質的に低下させないので、その表面張力は水とほぼ同じであると考えられる。例えば、(20℃の)水の表面張力の、(水中1重量%の濃度で20℃の)分散剤の表面張力に対する比率は、約0.5〜約2.0、実施形態によっては約0.8〜約1.2、及び実施形態によっては約0.9〜約1.1とすることができる。いくつかの実施形態では、(水中1重量%の濃度で20℃の)分散剤の表面張力が、約50〜約95ダイン/センチメートル、実施形態によっては約55〜約80ダイン/センチメートル、及び実施形態によっては約58〜約68ダイン/センチメートルである。水の表面張力は、約70ダイン/センチメートルである。これとは逆に、通常、従来の界面活性剤の表面張力はさらに低い。例えば、Triton X‐100及びErkantol(登録商標)NRの表面張力は、(水中1重量%の濃度で20℃の場合)両方とも約30ダイン/センチメートルであると考えられる。当業で周知のように、表面張力は、ISO 304(1985),Cor 1:1998)及び/又はASTM D 1331‐89(方法A)に従い、市販のフォース張力計又は光学張力計(接触角計又は測角器としても知られている)を使用して測定することができる。
例えば、1つの特定の実施形態では、分散剤が、以下の構造を有する有機化合物、又はこの塩を含むことができ、
式中、
1は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、
2は、スルホネート、ホスホネート、カルボキシレート、チオール、スルホネートエステル、ホスファイト、ホスホナイト、ホスフィナイト、ホスホフェート、サルフェート、ホスフェートエステル、スルホキサイド、スルホン、アミノ、その他、及びこれらの組み合わせなどの親水性部分であり、
mは、0〜8、実施形態によっては0〜4、及び実施形態によっては0であり、
pは、1〜8、実施形態によっては1〜4、及び実施形態によっては1であり、
nは、1〜100、及び実施形態によっては2〜30である。なお、R1基及びR2基は、環系の1又はそれ以上の炭素原子に結合することができる。また、必要であれば、化合物が、カチオンが(ナトリウム、カリウム、アンモニウムなどの)アルカリ金属、(カルシウムなどの)アルカリ金属、アンモニア(NH4 +)などである塩の形をとることができる。ベンゼン核を有する同等の化合物を使用することもできる。
一般に、分散剤の分子量は、望む通りに様々であってよいが、通常は約10,000グラム/モル以下、実施形態によっては約6,000グラム/モル以下、及び実施形態によっては約2,000〜約5,000グラム/モルである。当業では、このような分散剤を生成するのに適した出発材料が周知であり、例えば、ナフタレン‐α‐スルホン酸(二水和物)、ナフタレン‐β‐スルホン酸(一水和物)、2‐メチルナフタレン‐6‐スルホン酸などを挙げることができる。本発明で使用できる1つの特定の好適な分散剤は、縮合ナフタレンスルホン酸のアルカリ又はアルカリ金属塩である。このような化合物を、米国特許第3,067,243号に記載されるように調製することができ、該特許はあらゆる関連目的のために本明細書に組み入れられる。例えば、ナフタレンを硫酸でスルホン化し、スルホン化ナフタレンをホルムアルデヒドで縮合し、次にこのようにして得られた縮合物を(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどの)塩基で中和することにより、この化合物を調製することができる。結果として得られる縮合ナフタレンスルホン酸の塩は以下の構造を有することができ、
式中、
2はSO3であり、
pは1〜8の整数であり、
nは1〜100であり、
Mはナトリウム、カリウム、又はカルシウムである。特に適した縮合ナフタレンスルホネートのナトリウム、カリウム、又はカルシウム塩が、 (Geo Specialty Chemicals社から市販されている)Daxad(登録商標)11、(チェコのEnaspol社から市販されている)Spostan 4P又は7P、(Synthron社から市販されている)Proxmat PL‐C 753FP、及び(R.T.Vanderbilt社から市販されている)Darvan(登録商標)1の商標名で市販されている。
本発明の分散剤は、表面張力に影響を与えると言うよりもむしろ、酸化マンガン前駆体が誘電体の表面に接触するとき最初に形成する液滴を「分散」させる役に立つ。これらの液滴が分散されることにより、酸化マンガン前駆体が陽極粒子間の非常に小さな隙間内に浸透して、表面被覆の度合いを高めることができる。さらに、液滴形成における縮小により、被覆が、誘電体のいくつかの範囲を実質的に被覆する膜様の構成を呈することができるようになる。これにより、結果として得られる酸化物の表面被覆率のみならずその品質までもが向上する。
また、分散剤により、ナノサイズの酸化マンガン前駆体粒子のコロイド懸濁液が生成されるようになる。理論によって制限することを意図するわけではないが、酸化マンガン被覆の最初の付加段階中に、このようなナノサイズ粒子が、陽極の表面上により小さな結晶を形成できると考えられる。このようなより小さな結晶が、さらにその後の酸化マンガンの付加に利用できる表面積を増やすことができる。これにより、最終的に表面被覆率に優れた実質的に均一な被覆を行うことができる。
ナノサイズ粒子は、例えば、約100ナノメートルの、約50ナノメートル以下の、実施形態によっては約0.1〜約30ナノメートルの、実施形態によっては約0.2〜約10ナノメートルの、及び実施形態によっては約0.4〜約2ナノメートルの平均直径を有することができる。「直径」という用語は、一般に、光子相関分光法、動的光散乱法、擬弾性光散乱法などの公知の技術を使用して求められる、粒子の「流体力学的等価直径」を意味する。一般にこれらの方法は、粒径と、ブラウン運動測定から得られる粒子の拡散特性との相関関係に基づく。ブラウン運動とは、粒子を取り囲む溶媒粒子による衝撃に起因する、粒子のランダムな動きのことである。粒子が大きいほど、ブラウン運動は遅くなる。速度は、並進拡散係数により定められる。従って、測定する粒径値は、粒子が液体中でどのように動くかに関連し、「流体力学的直径」と呼ばれる。このように直径を測定するために、様々な粒径分析器を使用することができる。1つの特定の例として、Corouan VASCO 3 Particle Size Analyzerがある。必ずしも必須ではないが、ナノサイズ粒子が狭い粒径分布を有することもでき、これにより、結果として得られる酸化マンガン被覆の均一性をさらに向上させることができる。例えば、粒子の50%以上、実施形態によっては70%以上、及び実施形態によっては90%以上が、上述した範囲内の平均サイズを有することができる。上述の技術を使用して、特定のサイズを有する粒子数を測定することができ、パーセント容積は、所定の吸収度単位(「au」)を有する粒子の数に相関することができる。
コンデンサの他の特性に悪影響を与えずに酸化マンガン前駆体の含浸の所望の改善を達成するには、一般に、分散剤の濃度を特定の範囲内に選択的に制御することが望ましい。例えば、陽極体を最初に浸漬する溶液は、約0.001重量%〜約5重量%、実施形態によっては約0.005重量%〜約2重量%、及び実施形態によっては約0.01重量%〜約1重量%の量の分散剤を含むことができる。同様に、(硝酸マンガンなどの)(単複の)前駆体は、溶液の約1重量%〜約55重量%、実施形態によっては約2重量%〜約15重量%、及び実施形態によっては約5重量%〜約10重量%を構成することができる。
溶液中には、水などの担体も使用される。本発明の水性溶液は、例えば、約30重量%〜約95重量%、実施形態によっては約40重量%〜約99重量%、及び実施形態によっては約50重量%〜約95重量%の量の水を含むことができる。上述の成分に加え、硝酸マンガン溶液は、結果として得られる酸化物の生成を向上させるその他の添加剤を含むこともできる。1つの実施形態では、例えばアルコールを使用して、誘電体の溶液との湿潤性を高めることができる。適当なアルコールとして、メタノール、エタノール、n‐プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、その他、並びにこれらの混合物を挙げることができる。使用する場合、濃度は、約0.1重量%〜約50重量%、及び実施形態によっては約0.5重量%〜約2重量%とすることができる。
なお、溶液中の実際の成分量は、陽極内の粒子の粒径及び分布、分解を行う温度、分散剤の独自性、担体の独自性、アルコールの独自性などの要因によって異なってもよい。さらに、異なる付加ステップでは異なる濃度を使用してもよい。例えば、酸化マンガン前駆体が第1の濃度で存在する場合には、第1の1又はそれ以上の浸漬ステップの組を使用することができる。その後、酸化マンガン前駆体が第2の濃度で存在する場合には、第2の1又はそれ以上の浸漬ステップの組を使用することができる。場合によっては、第2の濃度の方が第1の濃度より高くてもよい。
前記陽極体が酸化マンガン前駆体溶液と接触する時間は望む通りに様々であってよい。例えば、このような溶液中に、陽極体を約10秒〜約10分の時間にわたって浸漬することができる。各個々の浸漬ステップの時間は、同じであっても又は異なってもよい。前駆体溶液と接触する前に、誘電体被覆陽極体を室温に置き又は予備乾燥することができる。
ともあれ、部品は、前駆体溶液と所望の時間接触したら、(硝酸マンガンなどの)前駆体を熱分解によって酸化物に変換するのに十分な温度まで加熱される。加熱は加熱炉内で、例えば、約150℃〜約300℃の、実施形態によっては約180℃〜約290℃の、及び実施形態によっては約190℃〜約260℃の温度で行うことができる。加熱は、湿潤雰囲気内で行ってもよいし又は乾燥雰囲気内で行ってもよい。変換にかかる時間は、加熱炉温度、伝熱率及び雰囲気にもよるが、一般的には約3〜約5分である。熱分解後、二酸化マンガンの堆積中に誘電体膜が受ける損傷に起因して漏れ電流が高くなることがある。この漏れを抑えるために、当業で公知のように陽極酸化浴内でコンデンサを再形成することができる。例えば、上述したような電解質中にコンデンサを浸漬し、その後DC電流を印加することができる。
IV.コンデンサの他の構成部品
必要であれば、コンデンサは、当業で公知のように他の層を含むこともできる。例えば、誘電体と固体電解質との間に、比較的絶縁性の高い樹脂性材料(天然又は合成)で作製したような保護被覆を任意に形成することができる。このような材料は、約10Ω/cmを越える、実施形態によっては約100を越える特異的な抵抗率を有し、実施形態によっては約1000Ω/cmを越える、実施形態によっては約1×105Ω/cmを越える、及び実施形態によっては約1×1010Ω/cmを越える特異的な抵抗率を有することができる。本発明で利用することができるいくつかの樹脂性材料として、以下に限定されるわけではないが、ポリウレタン、ポリスチレン、(グリセライドなどの)不飽和又は飽和脂肪酸のエステルなどが挙げられる。例えば、適当な脂肪酸のエステルとして、以下に限定されるわけではないが、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、エレオステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アレウリチン酸、シェロール酸などのエステルが挙げられる。これらの脂肪酸のエステルは、結果として生じる被膜を安定層に迅速に重合できるようにする「乾性油」を形成するために比較的複雑な組み合わせで使用する場合、特に有用であることが判明している。このような乾性油として、モノグリセリド、ジグリセリド、及び/又はトリグリセリドを挙げることができ、これらはそれぞれ1つ、2つ、及び3つのエステル化された脂肪酸アシル残基を含むグリセロール骨格を有する。例えば、使用できるいくつかの適当な乾性油として、以下に限定されるわけではないが、オリーブ油、アマニ油、ヒマシ油、キリ油、大豆油、及びシェラックが挙げられる。これらの及びその他の保護被覆材料は、Fife他に付与された米国特許第6,674,635号にさらに詳細に記載されており、該特許はあらゆる目的によるこの特許への参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
必要であれば、部品に(グラファイトなどの)カーボン層及び銀層をそれぞれ施すこともできる。銀被覆は、例えば、コンデンサのためのハンダ付け可能な導体、接触層、及び/又は電荷コレクタとして機能することができ、カーボン被覆は、銀被覆の固体電解質との接触を制限することができる。このような被覆は、固体電解質の一部又は全てを覆うことができる。
特に表面実装の用途で使用する場合、コンデンサに終端を設けることもできる。例えば、コンデンサは、コンデンサ素子の陽極リードが電気的に接続する陽極終端と、コンデンサ素子の陰極が電気的に接続する陰極終端とを含むことができる。(銅、ニッケル、銀、ニッケル重複、亜鉛、錫、パラジウム、鉛、銅重複、アルミニウム、モリブデン、チタン、鉄、ジルコニウム、マグネシウム、及びこれらの合金などの)導電性金属などのいずれかの導電性材料を使用して終端を形成することができる。特に適した導電性金属として、例えば、銅、(銅‐ジルコニウム、銅‐マグネシウム、銅‐亜鉛、又は銅‐鉄などの)銅合金、ニッケル、及び(ニッケル‐鉄などの)ニッケル合金が挙げられる。一般に、終端の厚みは、コンデンサの厚みを最小限に抑えるように選択される。例えば、終端の厚みは、約0.05〜約1ミリメートル、実施形態によっては約0.05〜約0.5ミリメートル、及び約0.07〜約0.2ミリメートルの範囲内にあることができる。1つの例示的な導電性材料に、Wieland社(ドイツ)から市販されている銅‐鉄合金メタルプレートがある。必要であれば、当業で公知のように、終端の表面をニッケル、銀、金、錫などで電気めっきして、最終部品を回路基板に確実に実装できるようにすることができる。1つの特定の実施形態では、終端の両面をニッケル及び銀フラッシュでそれぞれめっきする一方で、実装面も錫はんだ層でめっきする。
図1を参照すると、コンデンサ素子33と電気的に接続する陽極終端62及び陰極終端72を含む電解コンデンサ30の1つの実施形態を示している。コンデンサ素子33は、上面37、下面39、前面36、及び後面38を有する。陰極終端は、コンデンサ素子33の表面のいずれと電気的に接触してもよいが、図示の実施形態における陰極終端72は、下面39及び後面38と電気的に接触している。より具体的には、陰極終端72は、第2の構成部品74に対して実質的に垂直に配置された第1の構成部品73を含む。第1の構成部品73は、コンデンサ素子33の下面39と電気的に接触し、これと概ね平行である。第2の構成部品74は、コンデンサ素子33の後面38と電気的に接触し、これと概ね平行である。なお、これらの部分を一体として示しているが、代わりにこれらを別個の断片として、直接又は追加の導電性素子を介してともに接続することもできる。
同様に、陽極終端62は、第2の構成部品64に対して実質的に垂直に配置された第1の構成部品63を含む。第1の構成部品63は、コンデンサ素子33の下面39に電気的に接触し、これと概ね平行である。第2の構成部品64は、陽極リード16を支持する領域51を含む。図示の実施形態では、領域51は、リード18の表面接触及び機械的安定性をさらに高めるための「U字形」を有する。
終端は、当業で公知のいずれかの技術を使用してコンデンサ素子に接続することができる。1つの実施形態では、例えば、陰極終端72及び陽極終端62を形成するリードフレームを提供することができる。リードフレームに電解コンデンサ素子33を取り付けるために、最初に陰極終端72の表面に導電性接着剤を塗布することができる。導電性接着剤は、例えば、樹脂組成物に含まれる導電性金属粒子を含むことができる。この金属粒子は、銀、銅、金、白金、ニッケル、亜鉛、ビスマスなどとすることができる。樹脂組成物は、(エポキシ樹脂などの)熱硬化性樹脂、(酸無水物などの)硬化剤、及び(シラン結合剤などの)結合剤を含むことができる。Osako他に付与された米国特許出願公開第2006/0038304号に好適な導電性接着剤が記載されており、該特許出願はあらゆる目的によるこれらへの参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。様々な技術のいずれかを使用して、陰極終端72に導電性接着剤を塗布することができる。例えば、実益及びコスト削減効果を理由として印刷技術を使用してもよい。
様々な方法を広く使用して終端をコンデンサに取り付けることができる。1つの実施形態では、例えば、陽極終端62の第2の構成部品64及び陰極終端72の第2の構成部品74が、図1に示す位置に最初に上向きに曲げられる。その後、コンデンサ素子33を陰極終端72の上に配置することにより、コンデンサ素子33の下面39が接着剤に接触して、陽極リード16が上部U字形領域51に受け入れられるようになる。必要であれば、コンデンサ素子33の下面39と陽極終端62の第1の構成部品63との間にプラスチックパッド又はテープなどの絶縁体(図示せず)を配置して、陽極終端と陰極終端とを電気的に絶縁することができる。
次に、機械溶接、レーザ溶接、導電性接着剤などの当業で公知のいずれかの技術を使用して、陽極リード16を領域51に電気的に接続する。例えば、レーザを使用して陽極リード16を陽極終端62に溶接することができる。一般にレーザは、誘導放出により光子を放出できるレーザ媒質を含む共振器と、レーザ媒質の成分を励起するエネルギー源とを含む。1つの種類の適当なレーザは、レーザ媒質が、ネオジム(Nd)でドープされたアルミニウム及びイットリウムのガーネット(YAG)からなるものである。励起粒子は、ネオジムイオンNd3+である。エネルギー源は、連続したレーザビームを放射するようにレーザ媒質に持続的なエネルギーを供給することができ、或いはパルスレーザビームを放射するようにエネルギーを放出することができる。陽極リード16を陽極終端62に電気的に接続する際に、導電性接着剤を硬化させることができる。例えば、ヒートプレスを使用して熱及び圧力を印加し、電解コンデンサ素子33が接着剤によって陰極終端72に適切に接着されることを確実にすることができる。
コンデンサ素子が取り付けられると、リードフレームを樹脂ケーシング内に閉じ込め、これにシリカ又は他のいずれかの公知の封入材料を充填することができる。ケースの幅及び長さは、対象とする用途によって様々であってよい。好適なケーシングとして、例えば「A」、「B」、「C」、「D」、「E」、「F」、「G」、「H」、「J」、「K」、「L」、「M」、「N」、「P」、「R」、「S」、「T」、「V」、「W」、「Y」、「X」、又は「Z」ケース(AVX Corporation)を挙げることができる。使用するケースのサイズにかかわらず、回路基板上に実装するために陽極終端62及び陰極終端72の少なくとも一部が露出されるようにしてコンデンサ素子33を封入する。図1に示すように、例えば、コンデンサ素子33は、陽極終端62の一部及び陰極終端72の一部を露出するようにケース28に封入される。
結果として得られるコンデンサは、これを形成する具体的な態様に関わらず、高い体積効率を有するとともに優れた電気的特性を示すこともできる。このような高い容積効率であっても、等価直列抵抗(「ESR」)は、2.2ボルトDCバイアス及び100kHzの周波数で高調波が存在しない0.5ボルトのピークツーピーク正弦波信号を使用して測定したときに、なおも約200ミリオーム未満、実施形態によっては約100ミリオーム未満、及び実施形態によっては約1〜約50ミリオームであることができる。また、一般に絶縁体を介して1つの導体から隣接する導体へ流れる電流のことを意味する漏れ電流を比較的低レベルに維持することができる。例えば、本発明のコンデンサの正規化した漏れ電流の数値は、実施形態によっては約1μA/μF*V未満、実施形態によっては約0.5μA/μF*V未満、及び実施形態によっては約0.1μA/μF*V未満であり、この場合μAはマイクロアンペアであり、μF*Vは静電容量と定格電圧との積である。
また、このコンデンサは、比較的高い割合の湿潤静電容量を示すこともでき、これにより雰囲気湿度の存在下でのコンデンサの静電容量の損失及び/又は変動がごくわずかなものとなる。この性能特性は、次式によって定められる「乾燥対湿潤静電容量割合」により定量化される。
乾燥対湿潤静電容量=(1−([湿潤−乾燥]/湿潤))×100
本発明のコンデンサは、例えば、約80%以上の、実施形態によっては約85%以上の、実施形態によっては約90%以上の、及び実施形態によっては約92%〜100%の乾燥対湿潤静電容量割合を示すことができる。
静電容量、ESR及び正規化した漏れ電流の値は、かなりの時間にわたって老朽化した後でも維持することができる。例えば、約20℃〜約250℃、及び実施形態によっては約25℃〜約100℃の範囲の温度(20℃又は25℃など)で、この値を約100時間以上、実施形態によっては約300時間〜約2500時間、及び実施形態によっては約400時間〜1500時間(500時間、600時間、700時間、800時間、900時間、1000時間、1100時間、又は1200時間など)にわたって維持することができる。
以下の実施例を参照することにより、本発明をより良く理解することができる。
試験手順
等価直列抵抗(ESR)
Kelvin Leadを取り付けたKeithley 3330 Precision LCZメータを使用して、2.2ボルトのDCバイアス及び0.5ボルトのピークトゥピーク正弦波信号で等価直列抵抗を測定することができる。動作周波数は100kHzであり、温度は23℃±2℃であった。
乾燥及び湿潤静電容量
Kelvin Leadを取り付けたKeithley 3330 Precision LCZメータを使用して、2.2ボルトのDCバイアス及び0.5ボルトのピークトゥピーク正弦波信号で静電容量を測定した。動作周波数は120Hzであり、温度は23℃±2℃であった。「乾燥静電容量」とは、酸化マンガン層、グラファイト層、及び銀層を付加した後の部品の静電容量を意味し、「湿潤静電容量」とは、1mFのタンタル陰極を参照して17%の硫酸中で測定した、誘電体形成後の部品の静電容量を意味する。
漏れ電流
最低限30秒後に、25℃の温度、定格電圧で漏れ電流を計測する漏れ試験セットを使用して漏れ電流(「DCL」)を測定した。
寿命試験:
寿命試験のために、25個のコンデンサのサンプルを試験プレート上にはんだ付けし、部品の定格電圧及び(85℃などの)高温の加熱炉内に2000時間置いた。
150,000μF*V/gタンタル粉末(コンデンサ100μF4V)
最初に、1.65mm(長さ)×1.15mm(幅)×0.85mm(厚み)のサイズを有するタンタル陽極から3×100,000個のコンデンサ素子サンプルを形成した。個々の陽極にタンタルワイアを埋め込み、5.85g/cm3の密度に加圧し、1270℃で20分間焼結した。このタンタル陽極を、8.6mS/cmの導電率及び85℃の温度を有するオルトリン酸/水の溶液中で11ボルトの形成電圧を使用して陽極酸化した。サンプルを、最初に硝酸マンガン(II)の水溶液(1150kg/m3)中に150秒間浸漬し、その後250℃で分解してMnO2電解質を得た。このステップを8回繰り返した。
その後、第1のサンプルセットを、硝酸マンガン(II)(1300kg/m3)及び3g/dm3の分散剤(Spolostan 4P、ホルムアルデヒドで重合したナフタレンスルホン酸の塩、チェコ共和国のEnaspol社で製造)の水溶液中に浸漬し、その後250℃で分解してMnO2陰極を得た。分散剤の表面張力は、(水中1重量%の濃度で20℃の場合)約62ダイン/センチメートルであった。これらのステップを6回繰り返した。第2のサンプルセットを、硝酸マンガン(II)(1300kg/m3)及び3g/dm3のErkantol NR(Tanatex Chemicals BV)の水溶液中に150秒間浸漬し、その後250℃で分解してMnO2陰極を得た。これらのステップを6回繰り返した。最後に、第3のサンプルセットを、硝酸マンガン(II)(1300kg/m3)のみの水溶液中に150秒間浸漬し、その後250℃で分解してMnO2陰極を得た。このステップを6回繰り返した。次に、サンプルを全て高比重硝酸マンガン(II)中に浸漬し、続けてグラファイト分散液中及び銀分散液中に浸漬して乾燥させた。
(300個のサンプルの)平均湿潤静電容量は105μFであった。
出来上がったコンデンサ素子を従来のアセンブリ技術によって完成させ、電気的特性について試験した。試験結果を以下に示す。

図示のように、本発明の分散剤から作製したサンプル(サンプル1)は、寿命試験後でも非常に低い漏れ電流及び高い乾燥対湿潤静電容量割合を示した。図2〜図4に、出来上がったサンプル1〜3のコンデンサを撮影したFESEM写真もそれぞれ示している。図2に示すように、Spolostan 4Pから作製したサンプルは、タンタル粒子202上に形成された誘電体204を均一に被覆する二酸化マンガン結晶200を含む。さらに、酸化マンガン結晶が比較的小さく、サンプル全体にわたって実質的に均一に分布している。これに対し、図3〜図4に示すサンプルは、大きな不均一に分布した酸化マンガン結晶をかなりの数含んでいる。
70,000μF*V/gタンタル粉末(コンデンサ220μF/6.3V)
最初に、1.8mm(長さ)×2.45mm(幅)×1.35mm(厚み)のサイズを有するタンタル陽極から2×100,000個のコンデンサ素子サンプルを形成した。個々の陽極にタンタルワイアを埋め込み、6.1g/cm3の密度に加圧し、1295℃で20分間焼結した。このタンタル陽極を、8.6mS/cmの導電率及び85℃の温度を有するオルトリン酸/水の溶液中で9ボルトの形成電圧を使用して陽極酸化した。サンプルを、従来の硝酸マンガン(II)の水溶液(1050kg/m3)中に150秒間浸漬し、その後250℃で分解した。このステップを2回繰り返した。次に、サンプルを、従来の硝酸マンガン(II)の水溶液(1150kg/m3)中に150秒間浸漬し、その後250℃で分解した。このステップを8回繰り返した。その後、第1のサンプルセットを、硝酸マンガン(II)(1300kg/m3)及び3g/dm3のSpolostan 4Pの水溶液中に浸漬し、その後250℃で分解した。このステップを8回繰り返した。第2のサンプルセットを、硝酸マンガン(II)(1300kg/m3)及び3g/dm3のErkantol NR(Tanatex Chemicals BV)の水溶液中に150秒間浸漬し、その後250℃で分解した。このステップを8回繰り返した。最後に、第3のサンプルセットを、硝酸マンガン(II)(1300kg/m3)のみの水溶液中に150秒間浸漬し、その後250℃で分解した。このステップを8回繰り返した。次に、サンプルを全て高比重硝酸マンガン(II)中に浸漬し、続けてグラファイト分散液中及び銀分散液中に浸漬して乾燥させた。
(300個のサンプルの)平均湿潤静電容量は236μFであった。
出来上がったコンデンサ素子を従来のアセンブリ技術によって完成させ、電気的特性について試験した。試験結果を以下に示す。

図示のように、本発明の分散剤から作製したサンプル(サンプル1)は、寿命試験後でも非常に低い漏れ電流及び高い乾燥対湿潤静電容量割合を示した。図5〜図7に、出来上がったサンプル1〜3のコンデンサを撮影したFESEM写真もそれぞれ添えている。図示のように、Spolostan 4Pから作製したサンプル(図5)は、サンプル全体にわたって実質的に均一に分布する比較的小さな酸化マンガン結晶を含む。これに対し、図6〜図7に示すサンプルは、大きな不均一に分布した酸化マンガン結晶をかなりの数含んでいる。
80,000μF*V/g酸化ニオブ粉末(コンデンサ220μF/6.3V)
最初に、3.5mm(長さ)×2.7mm(幅)×1.65mm(厚み)のサイズを有するNbO陽極から3×20,000個のコンデンサ素子サンプルを形成した。各陽極にタンタルワイアを埋め込み、3.1g/cm3の密度に加圧し、1460℃で20分間焼結した。このNbO陽極を、8.6mS/cmの導電率及び85℃の温度を有するオルトリン酸/水の溶液中で15ボルトの形成電圧を使用して陽極酸化した。サンプルを、従来の硝酸マンガン(II)の水溶液(1150kg/m3)中に150秒間浸漬し、その後250℃で分解した。このステップを6回繰り返した。その後、第1のサンプルセットを、硝酸マンガン(II)(1300kg/m3)及び3g/dm3のSpolostan 4Pの水溶液中に浸漬し、その後250℃で分解した。このステップを2回繰り返した。第2のサンプルセットを、硝酸マンガン(II)(1300kg/m3)及び3g/dm3のErkantol NR(Tanatex Chemicals BV)の水溶液中に150秒間浸漬し、その後250℃で分解した。このステップを2回繰り返した。最後に、第3のサンプルセットを、硝酸マンガン(II)(1300kg/m3)のみの水溶液中に150秒間浸漬し、その後250℃で分解した。このステップを2回繰り返した。次に、サンプルを全て高比重硝酸マンガン(II)中に浸漬し、続けてグラファイト分散液中及び銀分散液中に浸漬して乾燥させた。
(60個のサンプルの)平均湿潤静電容量は242μFであった。
出来上がったコンデンサ素子を従来のアセンブリ技術によって完成させ、電気的特性について試験した。試験結果を以下に示す。

図示のように、本発明の分散剤から作製したサンプル(サンプル1)は、寿命試験後でも非常に低い漏れ電流及び高い乾燥対湿潤静電容量割合を示した。図8〜図10に、出来上がったサンプル1〜3のコンデンサを撮影したFESEM写真もそれぞれ添えている。図示のように、Spolostan 4Pから作製したサンプル(図8)は、サンプル全体にわたって実質的に均一に分布する比較的小さな酸化マンガン結晶を含む。これに対し、図9〜図10に示すサンプルは、大きな不均一に分布した酸化マンガン結晶をかなりの数含んでいる。
18,000μF*V/gタンタル粉末(コンデンサ47μF/35V)
最初に、4.8mm(長さ)×3.4mm(幅)×3.1mm(厚み)のサイズを有するタンタル陽極から2×10,000個のコンデンサ素子サンプルを形成した。個々の陽極にタンタルワイアを埋め込み、5.3g/cm3の密度に加圧し、1500℃で20分間焼結した。このタンタル陽極を、2.9mS/cmの導電率及び85℃の温度を有するオルトリン酸/水の溶液中に101ボルトの形成電圧を使用して浸漬した。サンプルを、従来の硝酸マンガン(II)の水溶液(1150kg/m3)中に150秒間浸漬し、その後250℃で分解した。このステップを6回繰り返した。その後、第1のサンプルセットを、硝酸マンガン(II)(1300kg/m3)及び3g/dm3のSpolostan 4Pの水溶液中に浸漬し、その後250℃で分解してMnO2陰極を得た。これらのステップを2回繰り返した。第2のサンプルセットを、硝酸マンガン(II)(1300kg/m3)のみの水溶液中に150秒間浸漬し、その後250℃で分解してMnO2陰極を得た。このステップを2回繰り返した。次に、サンプルを全て高比重硝酸マンガン(II)中に浸漬し、続けてグラファイト分散液中及び銀分散液中に浸漬して乾燥させた。
(30個のサンプルの)平均湿潤静電容量は52μFであった。
出来上がったコンデンサ素子を従来のアセンブリ技術によって完成させ、電気的特性について試験した。試験結果を以下に示す。

図示のように、本発明の分散剤から作製したサンプル(サンプル1)は、寿命試験後でも非常に低い漏れ電流及び高い乾燥対湿潤静電容量割合を示した。図11〜図12に、出来上がったサンプル1〜2のコンデンサを撮影したFESEM写真もそれぞれ示している。図示のように、Spolostan 4Pから作製されたサンプル(図11)は、サンプル全体にわたって実質的に均一に分布する比較的小さな酸化マンガン結晶を含む。これに対し、図12に示すサンプルは、大きな不均一に分布した酸化マンガン結晶をかなりの数含んでいる。
ナノサイズ前駆体粒子のコロイド懸濁液を形成する能力を実証した。最初に、従来の硝酸マンガン(II)の水溶液(1300kg/m3)中に、3g/lの5つの異なる分散剤を20℃で溶解することにより溶液を調製した。分散剤は、Daxad(登録商標)11(Geo Speciality Chemicals社)、Spolostan 7(Enaspol社)、Proximat PL‐C 753 FP(Synthron社)、及びDarvan(登録商標)1(R.T.Vanderbit社)であった。溶液を各々1カ月にわたってエージングさせた。次に、サンプルを0.2μmのメンブランフィルタで濾過して粉塵及びその他のマクロサイズの粒子を除去した後、動的光散乱法/光子相関分光法(Cordouan VASCO 3 Particle Size Analyzer)を使用してナノ粒径分析を行った。分析結果を図13に示す。図示のように、様々な粒子サイズ分布のコロイド懸濁液が生成された。ナノサイズ粒子の生成が分散剤と硝酸塩前駆体の結合に起因することを確かめるために、2つの対照サンプルも形成した。第1の対照は、硝酸マンガン(II)の水溶液(1300kg/m3)であり、第2の対照は、Spolostan 7(Enaspol,a.s)の3g/lの水溶液であった。試験の結果、いずれの対照溶液も微粒子を含むことが示されなかった。
当業者であれば、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく本発明のこれらの及びその他の修正及び変更を行うことができる。また、様々な実施形態の態様を、全部又は一部の両方の形で置き替えできることを理解されたい。さらに、当業者であれば、上述の説明は例示を目的としたものにすぎず、以下に添付する特許請求の範囲にさらに記載するように本発明を限定することを意図するものではないことが理解できよう。

Claims (21)

  1. 約70,000μF*V/g以上の比電荷を有する導電性粉末で形成した陽極体と、
    前記陽極体上に存在する誘電体と、
    前記誘電体の少なくとも一部を実質的に均一に被覆する酸化マンガン膜を含む、前記誘電体上に存在する固体電解質と、
    を備えることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記導電性粉末がタンタルを含み、前記誘電体が五酸化タンタルを含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記粉末が、約120,000μF*V/g〜約250,000μF*V/gの比電荷を有する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記固体電解質上にカーボン層、銀層、又はこれらの両方が存在する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  5. 前記コンデンサが、100kHzの周波数で、約200ミリオーム以下の、及び好ましくは約100ミリオーム以下のESRを示す、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  6. 前記コンデンサが、約80%以上の、及び好ましくは約90%以上の乾燥対湿潤静電容量割合を示す、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  7. 固体電解コンデンサを形成する方法であって、
    粉末で形成された陽極体を陽極酸化して誘電体被覆を形成するステップと、
    前記誘電体被覆陽極体を、酸化マンガン前駆体と分散剤とを含む溶液に接触させるステップと、
    前記前駆体を熱分解によって酸化マンガン固体電解質に変換するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  8. 前記分散剤が、親水性部分と、6〜14個の炭素原子を有する芳香族又はヘテロ原子環系である疎水性部分とを有する有機化合物を含む、
    ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記親水性部分が、スルホネート、ホスホネート、カルボキシレート、チオール、スルホネートエステル、ホスファイト、ホスホナイト、ホスフィナイト、ホスフェート、サルフェート、ホスフェートエステル、スルホキサイド、スルホン、アミノ、又はこれらの組み合わせを含む、
    ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 前記有機化合物は、次の構造:
    (式中、
    1は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、
    2は親水性部分であり、
    mはm〜8であり、
    pは1〜8であり、
    nは1〜100である。)
    を有するか、又はその塩である、
    ことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の方法。
  11. 前記化合物が、ナトリウム塩などの、縮合ナフタレンスルホン酸の塩である、
    ことを特徴とする請求項8から請求項10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記化合物の分子量が、約6,000グラム/モル以下である、
    ことを特徴とする請求項8から請求項11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記酸化マンガン前駆体が硝酸マンガンである、
    ことを特徴とする請求項7から請求項12のいずれかに記載の方法。
  14. (20℃の)水の表面張力の、(水中1重量%の濃度で20℃の)前記分散剤の表面張力に対する比率が、約0.5〜約2.0であり、好ましくは約0.8〜約1.2である、ことを特徴とする請求項7から請求項13のいずれかに記載の方法。
  15. (水中1重量%の濃度で20℃の)前記分散剤の表面張力が、約50〜約95ダイン/センチメートルであり、好ましくは約55〜約75ダイン/センチメートルである、
    ことを特徴とする請求項7から請求項14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記溶液が前記分散剤を、約0.001重量%〜約5重量%、及び好ましくは約0.01重量%〜約1重量%含む、
    ことを特徴とする請求項7から請求項15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記溶液が水溶液である、
    ことを特徴とする請求項7から請求項16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記溶液がアルコールをさらに含む、
    ことを特徴とする請求項7から請求項17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記溶液が、ナノサイズの酸化マンガン前駆体粒子のコロイド懸濁液の形をとる、
    ことを特徴とする請求項7から請求項18のいずれかに記載の方法。
  20. 前記ナノサイズ粒子の平均直径が、約0.1〜約30ナノメートルであり、好ましくは約0.2〜約10ナノメートルである、
    ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
  21. 前記粒子の90%以上が、約0.2〜約10ナノメートルの平均直径を有する、
    ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
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