JP2015016600A - 筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成かつ少ない部品点数で、筆記部を本体軸の前端開口から出没させるようにした筆記具を提供する。【解決手段】筆記具1は、シリコンやエラストマー等の軟質材料からなる一体型の本体軸2を備えている。本体軸2は、蛇腹状に形成された伸縮可能な伸縮部分3を有し、長手方向に関して伸縮部分3を挟むように、前軸部分4と後軸部分5とが区画されている。後軸部分5の後端を前側に押すと、軸孔11の後端がリフィール12の後端を押しながら、伸縮部分3が縮むと共に後軸部分5が前側に移動し、リフィール12の後端が軸孔11の後端に押されるので、リフィール12が前側に移動し、筆記部15が前端開口8から突出する。【選択図】図2

Description

この発明は、筆記具に係り、特に、リフィールの前端の筆記部を本体軸の前端開口から出没させるようにした出没式筆記具に関する。
従来の出没式筆記具には、本体軸内に収納されたリフィールの前端の筆記部を本体軸の前端開口から出没させるための機構として、例えば、本体軸の後端から一部が突出するようにして本体軸に挿入された押圧部材を本体軸の前端に向かって押すことにより、押圧部材が直接または間接的にリフィールを押圧して筆記部が前端開口から突出するようなノック機構が採用されている。しかし、このノック機構を構成するためには多くの部品を複雑に組み立てる必要がある。通常、ノック機構には、その構成部品としてばねが含まれているが、筆記部を前端開口から出没させる機構としてばねを使用しないものが、特許文献1に記載されている。この筆記具は、リフィールに複数の弾性可曲片を設けると共にこの弾性可曲片の先端を収容する複数の溝を本体軸に設け、弾性可曲片の先端を複数の溝に嵌め込んでリフィールを本体軸内に固定している。弾性可曲片の屈曲方向を変えるようにリフィールを軸方向に移動させることで、筆記部が前端開口から出没する。この筆記具は、ばねを不要にすることで、従来の出没式筆記具に比べて部品点数を少なくすることができる。
特開平11−216990号公報
しかしながら特許文献1に記載された筆記具でも、リフィールに複数の弾性可曲片を設けると共にこの弾性可曲片の先端を収容する複数の溝を本体軸に設けるといった複雑な構成が必要であるといった問題点があった。
この発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、簡単な構成かつ少ない部品点数で、筆記部を本体軸の前端開口から出没させるようにした筆記具を提供することを目的とする。
この発明に係る筆記具は、前端に前端開口を有する本体軸と、本体軸内に収納されるリフィールとを備え、本体軸は、その長手方向に伸縮可能な軟質材料からなる伸縮部分を有し、伸縮部分が縮むことにより、リフィールが本体軸内で移動してリフィールの前端の筆記部が前端開口から突出する。
本体軸の外表面全体が軟質材料から形成されてもよい。
本体軸全体が軟質材料から形成されてもよい。
本体軸は一体型であってもよい。この場合、本体軸に、その長手方向に延びるスリットを形成することで、スリットを介してリフィールを本体軸に挿入または本体軸から取り外すことができる。
本体軸は、前端開口を有する前軸と、後軸とが取り外し可能に連結して構成されてもよい。
この発明によれば、本体軸に、その長手方向に伸縮可能な軟質材料からなる伸縮部分を設け、伸縮部分が縮むことにより、リフィールが本体軸内で移動してリフィールの前端の筆記部が前端開口から突出するので、簡単な構成かつ少ない部品点数で、筆記部を前端開口から出没させることができる。
この発明の実施の形態1に係る筆記具の平面図である。 実施の形態1に係る筆記具であって筆記部が本体軸内に存在する状態の断面図である。 実施の形態1に係る筆記具であって筆記部が本体軸の前端開口から突出した状態の断面図である。 実施の形態1に係る筆記具であってリフィールを本体軸から取り外す動作を説明するための平面図である。 実施の形態2に係る筆記具の平面図である。 実施の形態2に係る筆記具であって筆記部が本体軸内に存在する状態の断面図である。 実施の形態2に係る筆記具であって筆記部が本体軸の前端開口から突出した状態の断面図である。 実施の形態3に係る筆記具の平面図である。 実施の形態3に係る筆記具であって筆記部が本体軸内に存在する状態の断面図である。 実施の形態3に係る筆記具であって筆記部が本体軸の前端開口から突出した状態の断面図である。 実施の形態4に係る筆記具の平面図である。 実施の形態4に係る筆記具であって筆記部が本体軸内に存在する状態の断面図である。 実施の形態5に係る筆記具の斜視図である。 実施の形態5に係る筆記具であって筆記部が本体軸内に存在する状態の断面図である。 実施の形態5に係る筆記具であって筆記部が本体軸の前端開口から突出した状態の断面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、全ての実施の形態における説明にあたっては、筆記部15側を「前」側とし、反対側を「後」側として説明する。
実施の形態1.
図1に示すように、筆記具1は、シリコンやエラストマー等の軟質材料からなる一体型の本体軸2を備えている。ここで、一体型とは、本体軸2が2つ以上のパーツに分離することがないことを意味している。本体軸2は、蛇腹状に形成された伸縮可能な伸縮部分3を有し、長手方向に関して伸縮部分3を挟むように、前軸部分4と後軸部分5とが区画されている。後軸部分5は、後端が閉じた円柱形状を有している。前軸部分4は、伸縮部分3に接続する後端を含む円柱形状の円柱部分7と、前端に前端開口8を有すると共に前端開口8に向かって外径が徐々に減少するような形状の前端部分9とを有している。本体軸2には、後軸部分5の長手方向に関して中央付近から、伸縮部分3を経由して、円柱部分7の長手方向に関して中央付近まで延びるように、スリット10が形成されている。
図2に示されるように、本体軸2の内部には、その長手方向に延びるように円柱形状の軸孔11が形成されている。軸孔11は、スリット10(図1参照)に連通している。本体軸2の内部において、軸孔11は、後軸部分5から前端開口8まで延びており、後軸部分5は、後端が閉じた有底形状を有している。ただし、後軸部分5の後端には、本体軸2の外部と軸孔11とを連通する空気孔30が設けられている。軸孔11の内部には、ボールペンのリフィール12が収納されている。リフィール12は、後端12aを含む樹脂製の円筒形状の本体部13と、本体部13の前端に接続されると共に本体部13よりも外径の小さな樹脂製の円筒形状の中間部14と、リフィール12の前端に設けられた金属製の筆記部15とを備えている。本体部13と中間部14との接続部分には、両者の外径の違いによって段差部16が形成されている。中間部14と筆記部15との接続部分にも、両者の外径の違いによって段差部17が形成されている。
軸孔11は、前端開口8に接続すると共に筆記部15が挿入可能な程度の内径を有する第1部分11aと、第1部分11aに隣接すると共にリフィール12の中間部14が挿入可能な程度の内径を有する第2部分11bと、第2部分11bに隣接すると共にリフィール12の本体部13が挿入可能な程度の内径を有する第3部分11cと、第3部分11cに隣接すると共に伸縮部分3の内部に位置し、さらにリフィール12の本体部13の外径よりも大きな内径を有する第4部分11dと、第4部分11dに隣接すると共に後軸部分5の内部に位置し、さらにリフィール12の本体部13が圧入可能な程度の内径を有する第5部分11eとから構成されている。第1部分11aと第2部分11bと第3部分11cとは、前軸部分4の内部に位置している。第1部分11aと第2部分11bとの接続部分及び第2部分11bと第3部分11cとの接続部分にはそれぞれ、各部分の内径の違いによって段差部18及び19が形成されている。第3部分11cには、その長手方向に延びると共に前軸部分4の径方向内方に向かって突出するリブ20が複数形成されている。
筆記部15が本体軸2内に存在する状態では、軸孔11の内部において、リフィール12の後端12aに軸孔11の後端が当接している。この状態で後軸部分5の後端を前側に押すと、伸縮部分3が縮むと共に後軸部分5が前側に移動し、後軸部分5の前側への移動によって、リフィール12の後端12aが軸孔11の後端に押される。リフィール12の後端12aが軸孔11の後端に押されると、リフィール12が前側に移動し、筆記部15が前端開口8から突出する。図3に示されるように、リフィール12の段差部18及び19がそれぞれ軸孔11の段差部17及び16に当接すると、リフィール12がそれ以上は移動しなくなり、筆記具1は書ける状態となる。
この状態で後軸部分5の側面を指で強くつまんで後軸部分5をリフィール12と共に筆記具1の後側に向かって引っ張ると、後軸部分5の移動とともに、軸孔11内をリフィール12が筆記具1の後側に向かって移動する。後軸部分5が筆記具1の後側に向かって移動すると、伸縮部分3が伸びていき、軸孔11の長さが長くなるので、リフィール12の全体が軸孔11の内部に収容されるようになり、その結果、筆記部15が本体軸2内に存在する状態(図2)となる。このようにして、筆記部15が前端開口8から出没する。
本体軸2内に収容されるリフィール12の交換は、スリット10を介して行う。例えば、リフィール12を本体軸2内から取り外すには、筆記部15が前端開口8から突出した状態で後軸部分5を軽くつまんで後軸部分5のみを筆記具1の後端側に向かって引っ張る。すると、リフィール12がそのままの状態で後軸部分5のみが筆記具1の後端側に移動するので、図4に示されるように、スリット10からリフィール12の後端12aが見える状態となる。スリット10に対して垂直方向に後軸部分5を折り曲げると、リフィール12の後端12aがスリット10から飛び出して本体軸2の外部に位置するようになる。本体軸2の外部に位置するリフィール12の後端12a付近の部分をつまんで引っ張ると、リフィール12が本体軸2の内部から取り外される。
リフィール12を本体軸2内に組み込むには、リフィール12を筆記部15からスリット10を介して本体軸2内に挿入し、筆記部15が前端開口8から突出するまで押し込む。この状態で後軸部分5を筆記具1の後端側に向かって引っ張ることにより伸縮部分3を伸ばすと、リフィール12の後端12aはスリット10を介して容易に本体軸2内に入り込む。次に、後軸部分5を前端開口に向かって押し込んで、リフィール12の後端12aと軸孔11の後端とが接触する状態にする。この後は、筆記部15を前端開口8から引っ込めるための動作と同じ動作を行うことにより、リフィール12を本体軸2内に収容することができる。
このように、本体軸2に、その長手方向に伸縮可能な軟質材料からなる伸縮部分3を設け、伸縮部分3が縮むことにより、リフィール12が本体軸2内で移動してリフィール12の前端の筆記部15が前端開口8から突出するので、簡単な構成かつ少ない部品点数で、筆記部15を前端開口8から出没させることができる。
また、本体軸2全体が軟質材料から形成されているので、本体軸2の外表面全体が軟質材料からなる部分となっている。そうすると、本体軸2の外表面全体がグリップ部分と同じ役目を果たすことができる。昨今、鉛筆よりもシャープペンシルを使用する機会が多くなってきたことから、筆記具を正しい持ち方で書くユーザーが少なくなってきている。正しい持ち方で書くユーザーのためには、グリップ部分は、本体軸2のうちの決まった部分に設ければよいが、様々な持ち方をするユーザー全てに対応するためには、本体軸2の外表面全体がグリップ部分の役目を果たすことができれば好都合である。実施の形態1に係る筆記具1は、本体軸2の外表面全体が軟質材料からなる部分となっているので、このようなニーズを満たすことができる。
実施の形態1では、本体軸2全体が軟質材料のみから形成されていたが、この形態に限定するものではない。例えば、前軸部分4及び後軸部分5の少なくとも一方を、ポリプロピレンのような軟質ではない樹脂や金属、木等から形成したものの外表面に軟質材料をコーティングするようにして形成してもよい。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係る筆記具の構成を示す。尚、以下の実施の形態において、図1〜4の参照符号と同一の符号は、同一又は同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
この発明の実施の形態2に係る筆記具は、実施の形態1に対して伸縮部分の構成を変更したものである。
図5に示されるように、筆記具31は、シリコンやエラストマー等の軟質材料からなる一体型の本体軸32を備えている。本体軸32は、伸縮可能な伸縮部分33を有し、長手方向に関して伸縮部分33を挟むように、前軸部分34と後軸部分35とが区画されている。伸縮部分33は、前軸部分34に隣接する円錐台形状の前端側伸縮部材33aと、後軸部分35に隣接する円錐台形状の後端側伸縮部材33bとからなり、前端側伸縮部材33aと後端側伸縮部材33bとの接続部分33cは、前軸部分34と前端側伸縮部材33aとの接続部分及び後軸部分35と後端側伸縮部材33bとの接続部分のいずれよりも外径が大きくなっている。
後軸部分35は、後端が閉じた略円柱形状を有している。前軸部分34は、伸縮部分33に接続する後端を含む円柱形状の円柱部分7と、前端に前端開口8を有すると共に前端開口8に向かって外径が徐々に減少するような形状の前端部分9とを有している。本体軸32には、伸縮部分33の後端側伸縮部材33bの長手方向に関して中央付近から、前端側伸縮部材33aを経由して、円柱部分7の長手方向に関して中央付近まで延びるように、スリット40が形成されている。
図6に示されるように、本体軸32の内部には、その長手方向に延びるように円柱形状の軸孔11が形成されている。軸孔11は、スリット40(図5参照)に連通している。本体軸32の内部において、軸孔11は、後軸部分35の後端よりも伸縮部分33側にわずかに離れた位置から前端開口8まで延びている。軸孔11の内部には、ボールペンのリフィール12が収納されている。その他の構成は、実施の形態1と同じである。
筆記部15が本体軸32内に存在する状態では、伸縮部分33の前端側伸縮部材33a及び後端側伸縮部材33bのそれぞれの形状が円錐台形状を有し、伸縮部分33が最も伸びた状態になっている。この状態で後軸部分35の後端を前側に押すと、前端側伸縮部材33a及び後端側伸縮部材33bのそれぞれの円錐台形状がつぶれることにより伸縮部分33が縮み、これと共に後軸部分35が前側に移動する。後軸部分35が前側に移動すると、軸孔11の後端がリフィール12の後端12aを押しながら、伸縮部分33が縮むと共に後軸部分35が前側に移動する。リフィール12の後端12aが軸孔11の後端に押されるので、リフィール12が前側に移動し、筆記部15が前端開口8から突出する。図7に示されるように、リフィール12の段差部18及び19がそれぞれ軸孔11の段差部17及び16に当接すると、リフィール12がそれ以上は移動しなくなり、筆記具31は書ける状態となる。
筆記部15を前端開口8から引っ込めるためには、実施の形態1と同様にして、後軸部分35の側面を指で強くつまんで後軸部分35をリフィール12と共に筆記具31の後側に向かって引っ張ればよい。また、リフィール12を本体軸32内から取り外す動作と、リフィール12を本体軸32内に収容する動作とは、実施の形態1と同様に、スリット40を介して行うことができる。
このように、本体軸32に、その長手方向に伸縮可能な軟質材料からなると共に円錐台形状の前端側伸縮部材33a及び後端側伸縮部材33bからなる伸縮部分33を設け、前端側伸縮部材33a及び後端側伸縮部材33bのそれぞれの円錐台形状がつぶれることによって伸縮部分33が縮むことにより、リフィール12が本体軸2内で移動してリフィール12の前端の筆記部15が前端開口8から突出するので、簡単な構成かつ少ない部品点数で、筆記部15を前端開口8から出没させることができる。また、本体軸32全体が軟質材料によって形成されているので、実施の形態1と同様に、様々な持ち方をするユーザー全てに対応することができる。
実施の形態2においても、本体軸32全体を軟質材料のみから形成することに限定するものではなく、前軸部分34及び後軸部分35の少なくとも一方を、ポリプロピレンのような軟質ではない樹脂や金属、木等から形成したものの外表面に軟質材料をコーティングするようにして形成してもよい。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3に係る筆記具の構成を示す。
この発明の実施の形態3に係る筆記具は、実施の形態1に対して、伸縮部分の構成を変更すると共に伸縮部分を本体軸の後端に設けるように変更したものである。
図8に示されるように、筆記具41は、シリコンやエラストマー等の軟質材料からなる一体型の本体軸42を備えている。本体軸42は、軸筒部分44と、軸筒部分44の後端に設けられた伸縮部分43とを備えている。軸筒部分44は、円柱形状の円柱部分47と、前端に前端開口8を有すると共に前端開口8に向かって外径が徐々に減少するような形状の前端部分49とを有している。軸筒部分44には、その後端よりもわずかに前端開口8側の位置から、軸筒部分44の長手方向に関して中央付近まで延びるスリット50が形成されている。伸縮部分43は、円柱形状の前端側伸縮部材43a及び後端側伸縮部材43bを有している。前端側伸縮部材43a及び後端側伸縮部材43bはそれぞれ、ほぼ同じ外径を有しており、後端側伸縮部材43bの後端は、円板状の後端面部43b1によって閉じた形状となっている。
図9に示されるように、本体軸42の内部には、その長手方向に延びるように円柱形状の軸孔51が形成されている。軸孔51は、スリット50(図8参照)に連通している。本体軸42の内部において、軸孔51は、後端面部43b1から前端開口8まで延びている。軸孔51の内部には、ボールペンのリフィール12が収納されている。
軸孔51は、前端開口8に接続すると共に筆記部15が挿入可能な程度の内径を有する第1部分51aと、第1部分51aに隣接すると共にリフィール12の中間部14が挿入可能な程度の内径を有する第2部分51bと、第2部分51bに隣接すると共にリフィール12の本体部13が挿入可能な程度の内径を有する第3部分51cと、第3部分51cに隣接すると共に伸縮部分43の内部に位置し、さらにリフィール12の本体部13が挿入可能な程度の内径を有する第4部分51dとから構成されている。第1部分51aと第2部分51bと第3部分51cとは、軸筒部分44の内部に位置している。第1部分51aと第2部分51bとの接続部分及び第2部分51bと第3部分51cとの接続部分にはそれぞれ、各部分の内径の違いによって段差部58及び59が形成されている。第3部分51cには、その長手方向に延びると共に軸筒部分44の径方向内方に向かって突出するリブ52が複数形成されている。
軸孔51の第4部分51dの内部において、後端面部43b1から第4部分51dの長手方向に向かって延びるように、円柱形状の挿入部53が設けられている。挿入部53は、軸孔51内に収容されたリフィール12の後端の孔に挿入するようになっている。
筆記部15が本体軸42内に存在する状態では、伸縮部分43の前端側伸縮部材43a及び後端側伸縮部材43bのそれぞれの形状が円柱形状を有し、伸縮部分43が最も伸びた状態になっている。この状態で後端面部43b1を前側に押すと、前端側伸縮部材43a及び後端側伸縮部材43bのそれぞれの円柱形状がつぶれることにより伸縮部分43が縮み、これと共に後端面部43b1及び挿入部53が前側に移動する。後端面部43b1及び挿入部53が前側に移動すると、後端面部43b1がリフィール12の後端を押しながら、伸縮部分43が縮む。リフィール12の後端が後端面部43b1に押されるので、リフィール12が前側に移動し、筆記部15が前端開口8から突出する。図10に示されるように、リフィール12の段差部18及び19がそれぞれ軸孔11の段差部59及び58に当接すると、リフィール12がそれ以上は移動しなくなり、筆記具41は書ける状態となる。
筆記部15を前端開口8から引っ込めるためには、伸縮部分43の側面を指で強くつまんで伸縮部分43をリフィール12と共に筆記具41の後側に向かって引っ張ればよい。また、リフィール12を本体軸42内から取り外す動作と、リフィール12を本体軸42内に収容する動作とは、実施の形態1と同様に、スリット50を介して行うことができる。
このように、本体軸42の後端に、その長手方向に伸縮可能な軟質材料からなると共に円柱形状の前端側伸縮部材43a及び後端側伸縮部材43bからなる伸縮部分43を設け、前端側伸縮部材43a及び後端側伸縮部材43bのそれぞれの円柱形状がつぶれることによって伸縮部分43が縮むことにより、リフィール12が本体軸42内で移動してリフィール12の前端の筆記部15が前端開口8から突出するので、簡単な構成かつ少ない部品点数で、筆記部15を前端開口8から出没させることができる。また、本体軸42全体が軟質材料によって形成されているので、実施の形態1と同様に、様々な持ち方をするユーザー全てに対応することができる。
実施の形態3においても、本体軸42全体を軟質材料のみから形成することに限定するものではなく、軸筒部分44を、ポリプロピレンのような軟質ではない樹脂や金属、木等から形成したものの外表面に軟質材料をコーティングするようにして形成してもよい。
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4に係る筆記具の構成を示す。
この発明の実施の形態4に係る筆記具は、実施の形態3に対して、軸筒部分を2パーツからなるものに変更したものである。
尚、実施の形態4において、図8〜10の参照符号と同一の符号は、同一又は同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
図11に示されるように、筆記具61は、シリコンやエラストマー等の軟質材料からなる本体軸62を備えている。本体軸62は、軸筒部分64と、軸筒部分64の後端に設けられた伸縮部分43とを備えている。軸筒部分64は、前端に前端開口8を有する前軸65と、伸縮部分と隣接する後軸66とから構成されている。前軸65の前端側は、前端開口8に向かって外径が徐々に減少するような形状を有している。
図12に示されるように、本体軸62の内部には、後端面部43b1から前端開口8まで延びるように円柱形状の軸孔51が形成されている。軸孔51の内部には、ボールペンのリフィール12が収納されている。
前軸65の後端側及び後軸66の前端側にはそれぞれ、他の部分よりも壁厚の薄い部分が形成されている。すなわち、これらの部分の内径は、軸孔51の内径よりも大きくなっている。これらの部分に、プラスチック製の円筒形状の連結部材70が挿入することにより、前軸65と後軸66とが連結されている。連結部材70の内径は、軸孔51の第3部分51cの内径と同じである。連結部材70の軸方向に関して中央部分に、連結部材70の側面から径方向外方に向かって延びる円板状の仕切部71が設けられている。仕切部71の外径は、前軸65及び後軸66それぞれの外径と同じであり、連結部材70によって前軸65と後軸66とが連結された状態では、本体軸62の外表面には、仕切部71の外表面のみが見える状態になっている。
その他の構成は、本体軸62にスリットが形成されていない点を除き、実施の形態3と同じである。
伸縮部分43及び軸孔51の構成は実施の形態3と同じであるので、前端開口8から筆記部15を出没させる動作は、実施の形態3と同じである。また、リフィール12を本体軸62から取り外すには、前軸65を前側に引っ張ることで、前軸65を後軸66から分離する。すると、後軸66の前端側から、筆記部15を含むリフィール12の前側の半分くらいの領域が突出した状態になる。この状態でリフィール12を前側に引っ張ることで、リフィール12の後端の孔に挿入した挿入部53が当該孔から抜かれるので、リフィール12が本体軸62から取り外される。リフィール12を本体軸62内に収納させるには、この手順と逆の動作を行えばよい。
このように、前軸65及び後軸66からなる軸筒部分64の後端に、その長手方向に伸縮可能な軟質材料からなると共に円柱形状の前端側伸縮部材43a及び後端側伸縮部材43bからなる伸縮部分43を設けた構成でも、前端側伸縮部材43a及び後端側伸縮部材43bのそれぞれの円柱形状がつぶれることによって伸縮部分43が縮むことにより、リフィール12が本体軸62内で移動してリフィール12の前端の筆記部15が前端開口8から突出するので、簡単な構成かつ少ない部品点数で、筆記部15を前端開口8から出没させることができる。また、本体軸62全体が軟質材料によって形成されているので、実施の形態1と同様に、様々な持ち方をするユーザー全てに対応することができる。
実施の形態4においても、本体軸62全体を軟質材料のみから形成することに限定するものではなく、前軸65及び後軸66の少なくとも一方を、ポリプロピレンのような軟質ではない樹脂や金属、木等から形成したものの外表面に軟質材料をコーティングするようにして形成してもよい。また、少なくとも仕切部71をシリコンやエラストマー等の軟質材料から形成することにより、本体軸62の外表面全体を軟質材料にすることもできる。
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5に係る筆記具の構成を示す。
この発明の実施の形態5に係る筆記具は、実施の形態1に対して、一体型の本体軸の形状を変更したものである。
図13に示されるように、筆記具81は、シリコンやエラストマー等の軟質材料からなる一体型の本体軸82を備えている。本体軸82は、全体的に円柱形状を有しており、その後端は後端面部82aによって閉じた形状を有し、その前端側は、前端開口8に向かって外径が徐々に減少するような形状を有している。また、本体軸82には、その後端から前端開口8側にずれた位置から前端開口8の方向にむかって、その一部が切り欠かれることにより切欠部83が形成されている。
図14に示されるように、本体軸82の内部には、後端面部82aから前端開口8まで延びるように円柱形状の軸孔91が形成されている。軸孔91の内部には、ボールペンのリフィール92が収納されている。軸孔91は、切欠部83に連通しており、その結果、本体軸82にスリット90(図13参照)が構成される。
リフィール92は、実施の形態1〜4のリフィール12(図2参照)と同様に、樹脂製の本体部13と、樹脂製の中間部14と、リフィール92の前端に設けられた金属製の筆記部15とを備え、本体部13と中間部14との接続部分には、両者の外径の違いによって段差部16が形成され、中間部14と筆記部15との接続部分にも、両者の外径の違いによって段差部17が形成されている。さらにリフィール92には、段差部16近傍の本体部13の外表面に、当該外表面から本体部13の径方向外方に突出する円板形状の突起部93が設けられている。軸孔91には、前端開口8と切欠部83の前端との間に相当する位置に、突起部93が嵌る2つの溝94,95が、軸孔91の長手方向に関してある間隔をあけて設けられている。それらの位置については後述する。
筆記部15が本体軸82内に存在する状態では、リフィール92の後端は後端面部82aに当接しており、リフィール92の本体部13に設けられた突起部93は、後側の溝95に嵌まっている。ここで、ユーザーは、左手の親指と人差し指で、前端開口8と切欠部83の前端との間に相当する位置において本体軸82を握り、スリット90から露出しているリフィール92に右手の親指を添えると共に切欠部83の裏側の位置において本体軸82に右手の人差し指を添えて、両指で本体軸82をしっかり握り、さらに右手の掌に後端面部82aを当接させる。この状態で、左手を動かさずに右手を前側に移動させると、後端面部82aがリフィール92の後端を押すことにより、軸孔91内において突起部93が溝95から外れる。これにより、リフィール92は、軸孔91内を前側に向かって移動する。この際、本体軸82のうち切欠部83が設けられた部分は他の部分に比べて強度が弱いので、リフィール92の移動に伴い、当該部分は撓むことにより本体軸82の長手方向に関して縮んでいく。すなわち、この部分が、実施の形態5に係る筆記具81の伸縮部分を構成する。
リフィール92が軸孔91内を前側に向かって移動すると、突起部93は、前側の溝94に嵌まる。図15に示されるように、この状態では、筆記部15が前端開口8から突出した状態となる。また、この状態では、軸孔91内において、リフィール92の後端と後端面部82aとの間には間隔が空いている。この結果、筆記具81は書ける状態となる。尚、溝94は、筆記部15が前端開口8から突出した状態となる位置に形成する必要があり、溝95は、筆記部15が本体軸82内に収納される位置に形成する必要がある。
上述した握り方で、後端面部82aを前側に押してリフィール92の後端に当接させた後(この際、筆記具81の当該伸縮部分が撓むことにより本体軸82の長手方向に関して縮む)、本体軸82の伸縮部分に相当する位置を後側に向かって引っ張ると、突起部93が溝94から外れ、リフィール92が軸孔91内を後側に移動すると共に本体軸82の伸縮部分が伸びる。リフィール92が軸孔91内を後側に移動することにより、突起部93が溝95に嵌まり、筆記部15は本体軸82内に収納された状態(図14参照)となる。
筆記部15が前端開口8から突出した状態(図15参照)で、リフィール92の後端と後端面部82aとの間に相当する位置で本体軸82を折り曲げると、リフィール92の後端がスリット90から本体軸82の外部に出るので、リフィール92を引っ張ることにより、リフィール92を本体軸82から取り外すことができる。リフィール92を本体軸82内に収納するときには、スリット90から筆記部15を軸孔91内に挿入させるようにリフィール92を軸孔91内に挿入して、筆記部15を前端開口8から突出させる。この状態では、リフィール92の後端と後端面部82aとの間に相当する位置で本体軸82を折り曲げることで、リフィール92の後端が軸孔91内に入り込むので、リフィール92が本体軸82内に収納される。
このように、軟質材料からなる一体型の本体軸82に、その後端から前端開口8側にずれた位置から前端開口8の方向にむかって、その一部が切り欠かれることにより切欠部83が形成された筆記具81でも、本体軸82のうち、切欠部83が形成された部分が縮むことにより、リフィール92が本体軸82内で移動してリフィール92の前端の筆記部15が前端開口8から突出するので、簡単な構成かつ少ない部品点数で、筆記部15を前端開口8から出没させることができる。また、本体軸82全体が軟質材料によって形成されているので、実施の形態1と同様に、様々な持ち方をするユーザー全てに対応することができる。さらに、実施の形態1〜4とは異なり、筆記部15を出没させる機構である伸縮部分の形状が他の部分と明確に区別できず、本体軸82の全体形状に融合しているので、筆記具81は、従来の筆記具のようなメカニカルな印象を与えず、視覚的に斬新な印象を与えることができる。
実施の形態5においても、本体軸82全体を軟質材料のみから形成することに限定するものではなく、伸縮部分に相当する部分以外の部分を、ポリプロピレンのような軟質ではない樹脂や金属、木等から形成したものの外表面に軟質材料をコーティングするようにして形成してもよい。
実施の形態1〜5では、リフィール12はボールペンであったが、シャープペンシル等の他の種類のリフィールであってもよい。
1,31,41,61,81 筆記具、2,32,42,62,82 本体軸、3,33,43 伸縮部分、8 前端開口、10,40,50,90 スリット、12,92 リフィール、15 筆記部、65 前軸、66 後軸。

Claims (6)

  1. 前端に前端開口を有する本体軸と、
    該本体軸内に収納されるリフィールと
    を備え、
    前記本体軸は、その長手方向に伸縮可能な軟質材料からなる伸縮部分を有し、該伸縮部分が縮むことにより、前記リフィールが前記本体軸内で移動して前記リフィールの前端の筆記部が前記前端開口から突出する筆記具。
  2. 前記本体軸の外表面全体が前記軟質材料からなる、請求項1に記載の筆記具。
  3. 前記本体軸全体が前記軟質材料からなる、請求項1または2に記載の筆記具。
  4. 前記本体軸は一体型である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の筆記具。
  5. 前記本体軸には、その長手方向に延びるスリットが形成されている、請求項4に記載の筆記具。
  6. 前記本体軸は、
    前記前端開口を有する前軸と、
    後軸と
    が取り外し可能に連結して構成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の筆記具。
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