JP2015015393A - 半導体基板および異種半導体基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】化合物半導体薄膜の結晶性を劣化させること無く、化合物半導体薄膜を異種材料からなる基板上に形成した異種半導体基板(テンプレート基板)を提供する。【解決手段】半導体基板は、第1の基板上に形成された第1のエッチストップ層と、前記第1のエッチストップ層上に形成されたボイド形成層と、前記ボイド形成層上に形成された第2のエッチストップ層と、前記第2のエッチストップ層上に形成された化合物半導体薄膜とを備えた。前記半導体基板の前記化合物半導体薄膜に第2の基板が接合された後、熱処理により前記ボイド形成層に亀裂を生じさせて、前記第1の基板を前記化合物半導体薄膜から分離する。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体基板および異種半導体基板の製造方法に関し、より詳細には、化合物半導体薄膜を異種材料からなる基板上に形成した異種半導体基板の製造方法と、該異種半導体基板を製造するために用いられる半導体基板に関する。
シリコンフォトニクス技術の発展に伴い、シリコン材料と化合物半導体材料とをハイブリッドに集積する技術が開発されている。シリコン材料は、微小な光導波路の作製に有利であり生産性に優れているが、発光素子の作製が困難である。一方、化合物半導体材料は、発光素子材料として優れた特性を有している。例えば、非特許文献1に記載されているように、光導波路の形成されたシリコン基板上に、貼り付け技術を用いて化合物半導体薄膜を形成する。この化合物半導体薄膜を用いて発光素子が作製され、発光素子から発光されたレーザ光を、シリコン導波路で伝搬する光半導体素子が開発されている。
従来、このような光半導体素子を作製するために、化合物半導体薄膜を異種材料からなるシリコン基板上に形成した基板(以下、テンプレート基板と呼ぶ)を用いることが知られている。非特許文献1においては、InP基板上にレーザの活性層となる所望の層構造を、エピタキシャル成長により形成した後、エピタキシャル膜とシリコン基板とを貼り付けている。その後、InP基板を選択ウェットエッチングにより除去することにより、エピタキシャル膜をシリコン基板上に形成している。
例えば、非特許文献2においては、イオンカットと呼ばれる手法が用いられている。具体的には、InP基板上にフォトダイオードの吸収層となる所望の層構造をエピタキシャル成長により形成した後、エピタキシャル膜を貫通して水素イオンをエピタキシャル膜下部に注入する。その後、エピタキシャル膜と表面に酸化膜を形成したシリコン基板を貼り付ける。貼り付けた後に、140℃で熱処理することにより、水素イオンが注入された領域において、エピタキシャル膜とInP基板とを剥離することができる。このような手法により、シリコン基板上に化合物半導体薄膜を形成したテンプレート基板を作製することができる。
しかしながら、上述したテンプレート基板の作製手法には、それぞれ課題があった。非特許文献1の手法については、貼り付け後にエッチングによって支持基板を除去するため、基板の除去に時間がかかる。加えて、一度使用した支持基板を再度利用することはできないので、生産性に深刻な問題があった。
また、非特許文献2に記載されたイオン注入による基板剥離方法は、InP基板の剥離が容易で、剥離後のInP基板も表面処理によって再度利用することができる。しかしながら、エピタキシャル膜を貫通してイオンを注入した後に熱処理を施すため、テンプレート基板上の化合物半導体薄膜の結晶性が劣化するという深刻な問題があった。特に、化合物半導体薄膜として量子井戸構造のような薄膜の多層構造とした場合、イオン注入による界面劣化が顕著になるという問題があった。
Alexander W. Fang, Hyundai Park, Oded Cohen, Richard Jones, Mario J. Paniccia, and John E. Bowers, "Electrically pumped hybrid AlGaInAs-silicon evanescent laser," Optics Express, Vol. 14, No. 20, pp.9203-9210, October 2006. Peng Chen, Winnie V. Chen, Paul K. L. Yu, Chak Wah Tang, Kei May Lau, Luke Mawst, Charles Paulson, T. F. Kuech, and S. S. Lau, "Effects of hydrogen implantation damage on the performance of InP/InGaAs/InP p-i-n photodiodes transferred on silicon," Applied Physics Letters, Vol. 94, 012101, 2009.
本発明の目的は、化合物半導体薄膜の結晶性の劣化を抑えたテンプレート基板であって、化合物半導体薄膜を異種材料からなる基板上に形成した異種半導体基板の製造方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、半導体基板は、第1の基板上に形成された第1のエッチストップ層と、前記第1のエッチストップ層上に形成されたボイド形成層と、前記ボイド形成層上に形成された第2のエッチストップ層と、前記第2のエッチストップ層上に形成された化合物半導体薄膜とを備えたことを特徴とする。
また、異種半導体基板(テンプレート基板)の製造方法は、前記半導体基板の前記化合物半導体薄膜上に形成された第1の酸化膜と、第2の基板に形成された第2の酸化膜とを接合する工程と、熱処理により前記ボイド形成層に亀裂を生じさせて、前記第1の基板と前記化合物半導体薄膜とを分離する工程と、前記第2のエッチストップ層と前記ボイド形成層とを除去する工程とを備えたことを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、第1の基板上に化合物半導体薄膜およびボイド形成層が形成された半導体基板を用いて、化合物半導体薄膜を異種材料からなる基板上に形成した異種半導体基板(テンプレート基板)を作製するので、エピタキシャル膜の結晶性の劣化を抑えたテンプレート基板を提供することができる。
また、結晶性の劣化の無い化合物半導体層を活性層に用いることができるため、良好な特性を有する光半導体素子を提供することができる。
本発明の第1の実施形態にかかる半導体基板を示す図である。 本発明の第2の実施形態にかかるテンプレート基板の作製方法を示す図である。 本発明の第3の実施形態にかかる光半導体素子を示す図である。 本発明の第4の実施形態にかかる光半導体素子を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態にかかる半導体基板を示す。第1の基板101は、例えば、面方位(001)方向のInP基板とする。化合物半導体薄膜を形成する前に、例えば、有機金属気相エピタキシー(MOVPE:Metalorganic Vapor Phase Epitaxy)法を用いて、InPとの選択ウェットエッチングが可能なエッチストップ層102(たとえばInGaAs、厚さ300nm)、InPバッファ層103(たとえば、厚さ100nm)を順次形成する。
InPバッファ層103上にInPの選択成長が可能な誘電体膜(例えば、SiO、厚さ30nm)を成膜する。その後、レジストを塗布し、露光装置にて所望の形状にパターンを形成し、RIE装置を用いて誘電体膜がパターニングされた選択成長マスク104を形成する。選択成長マスク104の全面積が、露出したInPバッファ層103の面積よりも大きくなることが望ましい。
露出したInP表面をウェット処理(例えば、20℃に保持した濃硫酸に1分間浸して、水洗後、窒素ブローにより乾燥する)した後、再度、MOVPE装置に基板を導入し、露出したInPバッファ層からInPを選択成長させることによりボイド(空隙)105を形成する。誘電体膜を用いた選択成長により、再成長したInPは、III族原子が配列した(111)A面などの安定なファセットが形成される。このため、誘電体膜を高密度に配置することによってファセット面が合体し、InP再成長層中にボイド105が形成される。エピタキシャル成長を継続すると、ファセット合体後に基板表面と同様に、安定な(100)面が表出され、複数のボイドが埋め込まれたInPボイド形成層106が形成される。さらに、このInPボイド形成層106の(100)面上に、InGaAsからなるエッチストップ層107(例えば、厚さ100nm)を形成する。
次に、化合物半導体薄膜として、InPクラッド層108(例えば、厚さ100nm)、InGaAsP系量子井戸構造109(例えば、バンドギャップ波長1.55μm、井戸層数6層)、InPキャップ層110(例えば、厚さ100nm)からなるエピタキシャル膜を作製する。最後に、SiO層111を形成することにより、第1の基板上に化合物半導体薄膜が形成された半導体基板が完成する。
(第2の実施形態)
図2に、本発明の第2の実施形態にかかるテンプレート基板(化合物半導体薄膜を異種材料からなる基板上に形成した異種半導体基板)の作製方法を示す。図1で示した半導体基板100と、第2の基板201とを貼り合わせる。第2の基板201は、例えば、シリコン基板である。半導体基板100に形成されたSiO層111と、第2の基板201に熱酸化により形成されたSiO層202とを貼り合わせる。このとき、200℃の加熱と共に加圧接合(例えば、2MPaで3時間)とを付す(図2(a))。
半導体基板100と第2の基板とを接合した状態のまま、熱処理炉において、窒素雰囲気で500℃の急速熱処理(RTA:Rapid Thermal Annealing)を行う。このRTAにより、半導体基板100と第2の基板との熱膨張係数差に起因した応力が発生する。半導体基板100に含まれるInPボイド形成層106にも同様に熱応力が発生する。この熱応力により、ボイド105間に亀裂(クラック)A−Bが生じる(図2(b))。さらに、RTA後には、InPボイド形成層106を境に、化合物半導体薄膜からなるエピタキシャル膜を含む第1の分離基板211と、InPからなる第1の基板101を含む第2の分離基板212とに剥離される(図2(c))。
第1の分離基板211のInPボイド形成層106を、選択ウェットエッチングにより除去することにより、平坦なInGaAsエッチストップ層107の表面を得ることができる。さらに、InGaAsエッチストップ層107を選択ウェットエッチングによって除去することにより、平坦なInPクラッド層108の表面を得ることができる(図2(d))。このようにして、第2の基板上に化合物半導体薄膜(エピタキシャル膜)が形成されたテンプレート基板を作製することができる。
さらに、第2の分離基板212も、InPボイド形成層106とエッチストップ層102とを選択ウェットエッチングにより除去することにより、平坦なInP基板表面を得ることができる(図2(e))。このようにして、第1の基板101を再利用することができる。
以上説明したように、第1および第2の実施形態によれば、第1の基板上に化合物半導体薄膜およびボイド形成層が形成された半導体基板を用いて、化合物半導体薄膜を異種材料からなる基板上に形成した異種半導体基板(テンプレート基板)を作製するので、エピタキシャル膜の結晶性の劣化を抑えたテンプレート基板を提供することができる。また、特殊な半導体プロセス技術を用いることなく作製することができるため、テンプレート基板の作製における生産性を高めることができる。また、第1の基板を再利用することできるため、経済的なテンプレート基板を提供することができる。
第1および第2の実施形態では、第1の基板としてInP基板を用いて化合物半導体薄膜を形成し、第2の基板としてシリコン基板を用いたが、これに限られるものではないことは明らかである。第1の基板と第2の基板との間の熱膨張係数差が異なればよく、第1の基板としてGaAs基板を用いたり、第2の基板としてサファイア基板などを用いても良い。
また、InPボイド形成層106の選択成長に、SiOを用いたが、化合物半導体層の選択成長が可能であればよく、半導体層の酸化膜、例えば、Alを含む化合物半導体層を酸化させた層を、選択マスクとして用いることもできる。
さらに、貼付方法としてSiO層同士の接合を用いたが、シリコン基板とエピタキシャル膜の直接接合、第2の基板と誘電体膜を形成したテンプレート基板の接合、誘電体膜を形成した第2の基板とエピタキシャル膜の接合などを用いても、本発明の効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
図3に、本発明の第3の実施形態にかかる光半導体素子を示す。第1および第2の実施形態に示したように、図1に示した半導体基板を用いて、化合物半導体薄膜を異種材料からなる基板上に形成した異種半導体基板(テンプレート基板)を準備する。すなわち、図2(d)に示したように、第2の基板であるシリコン基板上に、SiO層を介してエピタキシャル膜(InPクラッド層に挟まれたInGaAlAs量子井戸構造であって、バンドギャップ波長1.55μm、井戸層数6層)が形成されたテンプレート基板を準備する。
テンプレート基板上の化合物半導体薄膜において、光半導体素子の活性層となる領域のみを残し、それ以外の量子井戸構造109、InPクラッド層108およびInPキャップ層110を除去する。この活性層の両側にn型InP層301、p型InP層302をエピタキシャル成長により形成する。n型InP層301上には、コンタクト層となるn型InGaAs層303を介してn型電極305を作製し、p型InP層302上には、p型InGaAs層304を介してp型電極306を作製する。このようにして、波長1.55μmで動作する光半導体素子(能動素子)が作製される。
第2実施形態のテンプレート基板を用いることにより、テンプレート基板上の化合物半導体薄膜が劣化しないことから、本実施形態の光半導体素子は、従来技術により作製された光半導体素子に比べて、素子特性を向上させることができる。例えば、半導体レーザとして使用した場合には、より小さいしきい値電流で動作させることが可能である。また、光強度変調器として使用した場合には、より小さい電圧で消光することが可能となる。
本実施形態では、第1の基板、エピタキシャル膜としてInP基板、InGaAlAs量子井戸構造を用いたが、これに限られるものではない。第1の基板として、GaAs基板を用いてもよい。
(第4の実施形態)
図4に、本発明の第4の実施形態にかかる光半導体素子を示す。第1および第2の実施形態に示したように、図1に示した半導体基板を用いて、化合物半導体薄膜を異種材料からなる基板上に形成した異種半導体基板(テンプレート基板)を準備する。すなわち、図2(d)に示したように、第2の基板であるシリコン基板上に、SiO層を介してエピタキシャル膜(InPクラッド層に挟まれたInGaAlAs量子井戸構造であって、バンドギャップ波長1.55μm、井戸層数6層)が形成されたテンプレート基板を準備する。
テンプレート基板上の化合物半導体薄膜において、光半導体素子の活性層となる領域のみを残し、それ以外の量子井戸構造109、InPクラッド層108を除去し、InPキャップ層110を露出させる。露出させたn型InP層上には、n型電極401を作製し、p型InP層上には、コンタクト層となるp型InGaAs層402を介してp型電極403を作製する。このようにして、波長1.55μmで動作する光半導体素子(能動素子)が作製される。
第2実施形態のテンプレート基板を用いることにより、テンプレート基板上の化合物半導体薄膜が劣化しないことから、本実施形態の光半導体素子は、従来技術により作製された光半導体素子に比べて、素子特性を向上させることができる。例えば、半導体レーザとして使用した場合には、より小さいしきい値電流で動作させることが可能である。また、光強度変調器として使用した場合には、より小さい電圧で消光することが可能となる。
本実施形態では、第1の基板、エピタキシャル膜としてInP基板、InGaAlAs量子井戸構造を用いたが、これに限られるものではない。第1の基板として、GaAs基板を用いてもよい。
101 第1の基板
102,107 エッチストップ層
103 InPバッファ層
104 選択成長マスク
105 ボイド(空隙)
106 InPボイド形成層
108 InPクラッド層
109 量子井戸構造
110 InPキャップ層
111,202 SiO
201 第2の基板
211 第1の分離基板
212 第2の分離基板
301 n型InP層
302 p型InP層
303 n型InGaAs層
304,402 p型InGaAs層
305,401 n型電極
306,403 p型電極

Claims (7)

  1. 第1の基板上に形成された第1のエッチストップ層と、
    前記第1のエッチストップ層上に形成されたボイド形成層と、
    前記ボイド形成層上に形成された第2のエッチストップ層と、
    前記第2のエッチストップ層上に形成された化合物半導体薄膜とを備えたことを特徴とする半導体基板。
  2. 前記ボイド形成層は、
    前記第1のエッチストップ層上に形成されたバッファ層と、
    前記バッファ層上に所定の形状でパターニングされた誘電体膜と、
    前記誘電体膜から露出したバッファ層から選択成長させることにより形成された複数のボイドと
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体基板。
  3. 前記所定の形状でパターニングされた前記誘電体膜の面積は、前記誘電体膜から露出した前記バッファ層の面積よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の半導体基板。
  4. 第1の基板上に第1のエッチストップ層を形成する工程と、
    前記第1のエッチストップ層上にボイド形成層を形成する工程であって、
    前記第1のエッチストップ層上にバッファ層を形成し、
    前記バッファ層上に所定の形状でパターニングされた誘電体膜を形成し、
    前記誘電体膜から露出したバッファ層から選択成長させることにより複数のボイドを形成し、
    さらにエピタキシャル成長を継続して、前記複数のボイドが埋め込まれたボイド形成層を形成する工程と、
    前記ボイド形成層上に第2のエッチストップ層を形成する工程と、
    前記第2のエッチストップ層上に化合物半導体薄膜を形成する工程と、
    前記化合物半導体薄膜上に第1の酸化膜を形成する工程と、
    前記第1の酸化膜と第2の基板に形成された第2の酸化膜とを接合する工程と、
    熱処理により前記ボイド形成層に亀裂を生じさせて、前記第1の支持基板と前記化合物半導体薄膜とを分離する工程と、
    前記第2のエッチストップ層と前記ボイド形成層とを除去する工程と
    を備えたことを特徴とする異種半導体基板の製造方法。
  5. 前記所定の形状でパターニングされた前記誘電体膜の面積は、前記誘電体膜から露出した前記バッファ層の面積よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の異種半導体基板の製造方法。
  6. 第1の基板上に形成された第1のエッチストップ層と、前記第1のエッチストップ層上に形成されたボイド形成層と、前記ボイド形成層上に形成された第2のエッチストップ層と、前記第2のエッチストップ層上に形成された化合物半導体薄膜とを含む半導体基板の前記化合物半導体薄膜上に形成された第1の酸化膜と、第2の基板に形成された第2の酸化膜とを接合する工程と、
    熱処理により前記ボイド形成層に亀裂を生じさせて、前記第1の基板と前記化合物半導体薄膜とを分離する工程と、
    前記第2のエッチストップ層と前記ボイド形成層とを除去する工程と
    を備えたことを特徴とする異種半導体基板の製造方法。
  7. 前記第1の基板は化合物半導体基板であり、
    前記第2の基板はシリコン基板であることを特徴とする前記請求項4乃至6のいずれかに記載の異種半導体基板の製造方法。
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