JP2015012149A - 電気機械変換素子の製造方法、電気機械変換素子、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本実施形態では、本発明の電気機械変換素子の製造方法の一例及びそれにより得られる電気機械変換素子について説明する。
図4は、本実施形態に係る電気機械変換素子を模式的に示した断面図である。図4に示すように、電気機械変換素子(圧電素子)30は、基板31上に形成された成膜振動板(下地膜)32上に形成され、第1の駆動電極33、電気機械変換膜34及び第2の駆動電極35が積層された構造となっている。
(1)基板31または下地膜(成膜振動板)32上に、第1の駆動電極33を形成する工程。ここで、第1の駆動電極33は、後述のように密着層を含むこともできる。
(2)第1の駆動電極33上に電気機械変換膜34を形成する工程。
(3)電気機械変換膜34上に第2の駆動電極35を形成する工程。
(4)電気機械変換膜34及び第2の駆動電極35をエッチングにより個別化する工程。この工程を行うことにより、第2の駆動電極35を個別電極とし、第1の駆動電極33は個別化された電気機械変換膜34、第2の駆動電極35に対して共通電極として機能するようになる。
(5)第1の駆動電極33及び第2の駆動電極35上に第1の絶縁保護膜41を形成する工程。この工程の際、第1の駆動電極33、第2の駆動電極35と、後述する第1の配線42、第2の配線43とをそれぞれ電気的に接続するため、第1の絶縁保護膜41にコンタクトホール45を形成することができる。
(6)第1の駆動電極33及び第2の駆動電極35にそれぞれ電気的に接続された第1の配線42及び第2の配線43を第1の絶縁保護膜41上に形成する工程。
(7)第1の配線42及び第2の配線43上に第1の配線42または第2の配線43に接続するための複数の端子電極としてのパッド46,47及びエージング処理用電極51を形成する工程。
(8)第1の配線42及び第2の配線43上に第2の絶縁保護膜44を形成する工程。ここで、第1の配線42と第2の配線43とは、上記工程の中で別のプロセスとして製造することもできるが、同一プロセス中に形成されることが生産性の観点から好ましい。
基板31としてはその材質は特に限定されるものではないが、シリコン単結晶基板を用いることが好ましい。そして、その厚さとしては、100〜600[μm]の厚みを持つことが好ましい。
図1に示すように電気機械変換膜13によって発生した力を受けて、下地膜(振動板)17が変形変位して、圧力室12のインク滴を吐出させる。そのため、下地膜17としては所定の強度を有したものであることが好ましい。
例えば図1に示す、第1の駆動電極15としては特に限定されるものではないが、金属または金属と酸化物とから構成されていることが好ましい。具体的には、第1の駆動電極15としては例えば、金属電極膜から構成することができる。また、金属電極膜と酸化物電極膜とから構成することもできる。
電気機械変換膜34としては、圧電性を有する材料であれば使用することができ、特に限定されるものではない。例えば、広く用いられているPZTを好ましく使用することができる。なお、PZTとは、ジルコン酸鉛(PbZrO3)とチタン酸鉛(PbTiO3)の固溶体で、その比率により特性が異なるが、その比率についても限定されるものではなく、要求される圧電性能等に応じて選択することができる。中でもPbZrO3とPbTiO3との比率(モル比)が53:47の割合で、化学式で示すとPb(Zr0.53,Ti0.47)O3で表わされるPZT(PZT(53/47)とも示される)は、特に優れた圧電特性を示すことから好ましく用いることができる。
酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料とし、共通溶媒としてメトキシエタノールを用い、上記出発原料が所定比になるように共通溶液に溶解させ均一溶液とすることで、PZT前駆体溶液を作製する。なお、金属アルコキシド化合物は大気中の水分により容易に加水分解してしまうので、前駆体溶液に安定剤としてアセチルアセトン、酢酸、ジエタノールアミンなどの安定化剤を適量、添加しておくこともできる。また、鉛成分は成膜工程で熱処理を行う際などに蒸発することがあるので、量論比よりも多めに添加しておくこともできる。
第2の駆動電極35としては特に限定されるものではないが、金属または酸化物と金属からなっていることが好ましい。具体的には、第2の駆動電極35としては例えば、金属電極膜から構成することができる。また、金属電極膜と酸化物電極膜から構成することもできる。
酸化物電極膜の材料等については、第1の駆動電極の酸化物電極膜で説明したものと同様である。酸化物電極膜の膜厚としては、20[nm]以上、80[nm]以下が好ましく、40[nm]以上、60[nm]以下がより好ましい。これは、この膜厚範囲よりも薄いと初期変位や変位劣化特性については十分な特性が得られない場合があり、この範囲を超えると、電気機械変換膜の絶縁耐圧が非常に悪くなり、リークしやすくなる場合があるためである。
第1の絶縁保護膜41は、成膜・エッチングの工程による圧電素子へのダメージを防ぐとともに、大気中の水分が透過することを防止する機能を有することが好ましい。このため、その材料としては緻密な無機材料とすることが好ましい。有機材料の場合、十分な保護性能を得るためには膜厚を厚くする必要があるが、絶縁膜を厚い膜とした場合、振動板の振動変位を阻害し、吐出性能の低い液滴吐出ヘッドとなる場合があるためである。
第1の配線42、第2の配線43は、第1の駆動電極33、前記第2の駆動電極35にそれぞれ電気的に接続されており、第1の絶縁保護膜41上に形成されている。
第2の絶縁保護膜44は個別電極配線や共通電極配線の保護層の機能を有するパッシベーション層として機能するものである。
以下に電気機械変換素子のより具体的な製造方法について実施例を挙げて説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
コロナ帯電処理において、分極処理の電圧を8[kV]に代えて印加したこと以外は、実施例1と同様にして電気機械変換素子を作製した。
コロナ帯電処理において、11箇所のエージング処理用電極を図12に示すように1箇所のエージング処理用電極54にまとめるようにパターニングし、それ以外は実施例1と同様にして電気機械変換素子を作成した。
コロナ帯電処理において、分極処理の電圧を8[kV]に代えて印加したこと以外は、実施例3と同様にして電気機械変換素子を作製した。
コロナ帯電処理において、エージング処理用開口部50及びエージング処理用電極51を設けずに、図13に示すような個別電極用パッド49に直接コロナ放電を行うこと以外は、実施例1と同様にして電気機械変換素子を作成した。
コロナ帯電処理において、分極処理の電圧を10[kV]印加し、60分間処理を行うこと以外は、比較例1と同様にして電気機械変換素子を作成した。
実施例3に関しては、分極処理時間と分極処理電圧とが低かったため、ほとんど分極処理が進まなかった。しかし、分極処理時間を長くして、しかも分極処理電圧を高めることで、実施例1,2、比較例1,2より短い時間で、故障が発生せず、分極処理が進んでいることが確認できた。
図15(b)において、まず、個別電極用パッド47とエージング処理用電極51との間の接続部を切断刃としてのダイシングブレードにより基板31の途中までハーフカットしハーフカットライン56を形成する。このハーフカットライン56は、図15(a)に示すように共通電極用パッド46の近傍まで連続してもよい。次に、ハーフカットライン56よりも外側の切断位置としてのダイシングライン55に沿ってダイシングして、エージング処理用電極51の部分を完全に切り離して切断する。
図16(b)において、まず、個別電極用パッド47とエージング処理用電極51との間の接続部をダイシングブレードにより基板31の途中までハーフカットしハーフカットライン56を形成する。このハーフカットライン56は、図16(a)に示すように共通電極用パッド46の近傍まで連続してもよい。次に、図16(c)に示すように、ハーフカットに用いたダイシングブレードよりも幅の狭いダイシングブレードを用いて、ハーフカットライン56中心に沿ってダイシングすることにより、エージング処理用電極51の部分を完全に切り離して切断する。
(態様A)
基板31または下地膜32上に第1の駆動電極33を形成するステップと、第1の駆動電極33上に電気機械変換膜34を形成するステップと、電気機械変換膜34上に第2の駆動電極35を形成するステップと、第2の駆動電極35上に第1の絶縁保護膜41を形成するステップと、第2の駆動電極35に電気的に接続された配線43を第1の絶縁保護膜41上に形成するステップと、配線43上に形成される膜であり配線43に接続される個別電極用パッド47などの端子電極及び複数の配線43に導通して接続されるエージング処理用電極51などの電荷注入用電極を露出させて第2の絶縁保護膜44を形成するステップと、電荷注入用電極に、コロナ放電もしくはグロー放電などの放電により発生した電荷を注入することにより、電気機械変換膜34を分極処理するステップと、を有する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、放電により発生した電荷は、複数の配線43に導通して接続された電荷注入用電極に注入される。そして、電荷注入用電極に注入された電荷は、複数の配線43を介して接続された複数の電気機械変換膜34にほぼ均等に一括注入される。これにより、複数の電気機械変換膜34に対して一括して分極処理を施すことができるため、複数の電気機械変換膜34を個別に分極処理する場合に比して、複数の電気機械変換膜34に対する製造効率が向上する。しかも、その分極処理の際に、一部の電気機械変換膜34に電荷が集中することなく、均一な分極処理を行うことができるので、電気機械変換素子の分極特性のばらつきを低減するとともにクラックの発生を防止できる。更に、分極処理は高温の熱が加わる第2の絶縁保護膜44の形成後に行われるので、分極処理後に電気機械変換素子が高温にさらされないため、分極処理後の脱分極を防ぐこともできる。よって、製造効率の向上を図りつつ、電気機械変換素子の分極特性のばらつきを低減するとともに、クラック及び分極処理後の脱分極の発生を防止することができる。
(態様B)
上記態様Aにおいて、基板31または下地膜32上に形成した複数の電気機械変換素子30を互いに分離して個別化するように切断するステップを有し、第2の絶縁保護膜44を形成するステップでは、電荷注入用電極を電気機械変換膜34に対して端子電極よりも離れた位置に形成し、電気機械変換素子30を個別化するステップでは、端子電極と電荷注入用電極との間を切断する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、端子電極と電荷注入用電極との間を切断することで、複数の配線43と電荷注入用電極との導通を切断することができる。
(態様C)
上記態様Bにおいて、電気機械変換素子30を個別化するステップは、端子電極と電荷注入用電極との間を完全に切断するカットラインなどの切断位置よりも端子電極側を基板31の厚み方向の途中まで切断するステップを含む。
これによれば、上記実施形態について説明したように、配線43の端部が基板31を含む電気機械変換素子30の最端部になることを防いで短絡などのトラブルを未然に防止することができる。
(態様D)
上記態様Bにおいて、電気機械変換素子30を個別化するステップは、端子電極と電荷注入用電極との間をダイシングブレードなどの切断刃により基板31の厚み方向の途中まで切断するステップと、切断刃よりも幅の狭い切断刃により前記基板の厚み方向の途中まで切断した位置を中心に完全に切断するステップと、を含む。
これによれば、上記実施形態について説明したように、切断する部分をあらかじめ基板の途中まで切断しておくことにより、完全に切断して切り離したときに、配線43の端部が基板31を含む電気機械変換素子30の最端部になることを防いで短絡などのトラブルを未然に防止することができる。
(態様E)
上記態様A乃至Dのいずれかにおいて、分極処理を行うステップにおいて、放電により発生した電荷が正帯電している。
これによれば、上記実施形態について説明したように、放電により大気中の分子をイオン化させることで、正帯電した電荷を有する陽イオンを容易に発生させることができる。この陽イオンが、配線43と接続したパッド47を介して電気機械変換素子30に流れ込むことにより、正帯電した電荷を電気機械変換素子30に容易に蓄積させることができる。従って、電気機械変換膜の分極処理を安定して行うことができる。
(態様F)
上記態様A乃至Eのいずれかにおいて、分極処理を行うステップにおいて、放電により、1.0×10−8[C]以上の電荷量を発生させる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、放電による電荷量が1.0×10−8[C]に満たない場合は、分極処理が十分に行えず、その電気機械変換膜34をアクチュエータに使用した場合に連続駆動後の変位劣化について十分な特性が得られないおそれがある。本態様Fは、放電による電荷量が1.0×10−8[C]以上の電荷量を発生させるので、分極処理が十分に行うことができ、電気機械変換膜34をアクチュエータに使用した場合に連続駆動後の変位劣化について十分な特性が得られる。
(態様G)
上記態様A乃至Fのいずれかにより得られる電気機械変換素子である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、製造効率の向上を図りつつ、電気機械変換素子の分極特性のばらつきを低減するとともに、クラック及び分極処理後の脱分極の発生を防止することができる電気機械変換素子を提供できる。また、複数の電気機械変換膜に対して均一な分極処理を短時間で確実に行い、しかも歩留まりを向上させることができる電気機械変換素子を提供できる。
(態様H)
上記態様Gにおいて、電気機械変換膜34の分極が、±150[kV/cm]の電界強度かけてヒステリシスループを測定する際、測定開始時の0[kV/cm]における分極をPiniとし、+150[kV/cm]の電圧印加後、0[kV/cm]まで戻した際の0[kV/cm]時の分極をPrとした場合に、PrとPiniとの差が10[μC/cm2]以下である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、PrとPiniとの差が10[μC/cm2]より大きい場合、電気機械変換膜34をアクチュエータに使用した場合に連続駆動後の変位劣化について十分な特性が得られないおそれがある。本態様Fでは、PrとPiniとの差が10[μC/cm2]以下なので、電気機械変換膜34をアクチュエータに使用した場合に連続駆動後の変位劣化について十分な特性が得られる。
(態様I)
上記態様Hにおいて、電気機械変換膜34の比誘電率が、600以上、2000以下である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、比誘電率が600より小さいと、電気機械変換膜34をアクチュエータに使用した場合に十分な変位特性が得られないおそれがある。また、比誘電率が2000より大きくなると、分極処理が十分行われず、連続駆動後の変位劣化については十分な特性が得られないといった不具合が発生するおそれがある。本態様Fでは、電気機械変換膜34の比誘電率が、600以上、2000以下なので、電気機械変換膜34をアクチュエータに使用した場合に十分な変位特性が得られる。また、分極処理が十分に行われ、連続駆動後の変位劣化についても十分な特性が得られる。
(態様J)
上記態様G乃至Iのいずれかにおいて、第1の駆動電極33に電気的に接続された配線42と、第2の駆動電極35に電気的に接続された配線43とが、同一プロセス中に作製される。
これによれば、上記実施形態について説明したように、別々のプロセスで作製される場合に比べて、処理工数と処理時間とを削減でき、コストダウンを図ることができる。
(態様K)
上記態様G乃至Jのいずれかにおいて、配線42及び配線43が、Ag合金、Cu、Al、Al合金、Au、Pt、Irのいずれかから成る金属材料で形成されている。
これによれば、上記実施形態について説明したように、これらの金属材料により、基板上に低抵抗で耐久性のある配線を形成することができる。
(態様L)
上記態様G乃至Kのいずれかにおいて、第1の絶縁保護膜41及び第2の絶縁保護膜44が、アルミナ膜、シリコン酸化膜や窒化シリコン膜及び酸化窒化シリコン膜のいずれかの無機膜である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、これらの膜は、密着性がよく、膜が硬く、しかも耐磨耗性やコストパフォーマンスに優れた第1の絶縁保護膜41及び第2の絶縁保護膜4を形成できる。
(態様M)
液滴を吐出するノズル11と、ノズル11が連通する加圧室12と、加圧室12内の液体を昇圧させる吐出駆動手段とを備えた液滴吐出ヘッド10において、前記吐出駆動手段として、加圧室12の壁の一部を振動板17で構成し、振動板17に上記態様G乃至Lのいずれかの電気機械変換素子を配置した。
これによれば、上記実施形態について説明したように、脱分極のない分極処理が確実に行われた電気機械変換素子によって加圧室12内の液体を昇圧させることができるので、安定した液滴吐出特性が得られる。
(態様N)
上記態様Mの液滴吐出ヘッドを備えたインクジェット記録装置である。これによれば、上記実施形態について説明したように、安定した液滴吐出特性が得られ、高画質の画像を形成できる。
(態様O)
上記態様Mの液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置である。これによれば、上記実施形態について説明したように、安定した液滴吐出特性が得られる。
11 ノズル
12 加圧室
13 電気機械変換膜
14 上部電極
15 下部電極
16 電気機械変換素子
17 下地膜(振動板)
20 導体プレート
30 電気機械変換素子
31 基板
33 第1の駆動電極
34 電気機械変換膜
35 第2の駆動電極
41 第1の絶縁保護膜
42 第1の配線
43 第2の配線
44 第2の絶縁保護膜
45 コンタクトホール
46 共通電極用パッド
47 個別電極用パッド
50 エージング処理用開口部
51 エージング処理用電極
52 コロナワイヤー
55 ダイシングライン
56 ハーフカットライン
61 (インクジェット)記録装置本体
Claims (15)
- 基板または下地膜上に第1の駆動電極を形成するステップと、
前記第1の駆動電極上に電気機械変換膜を形成するステップと、
前記電気機械変換膜上に第2の駆動電極を形成するステップと、
前記第2の駆動電極上に第1の絶縁保護膜を形成するステップと、
前記第2の駆動電極に電気的に接続された配線を前記第1の絶縁保護膜上に形成するステップと、
前記配線上に形成される膜であり、前記配線に接続される端子電極及び複数の配線に導通して接続される電荷注入用電極を露出させて第2の絶縁保護膜を形成するステップと、
前記電荷注入用電極に、放電により発生した電荷を注入することにより、前記電気機械変換膜を分極処理するステップと、を有することを特徴とする電気機械変換素子の製造方法。 - 請求項1の電気機械変換素子の製造方法において、
前記基板または下地膜上に形成した複数の電気機械変換素子を互いに分離して個別化するように切断するステップを有し、
前記第2の絶縁保護膜を形成するステップでは、前記電荷注入用電極を前記電気機械変換膜に対して前記端子電極よりも離れた位置に形成し、
前記電気機械変換素子を個別化するステップでは、前記端子電極と前記電荷注入用電極との間を切断することを特徴とする電気機械変換素子の製造方法。 - 請求項2の電気機械変換素子の製造方法において、
前記電気機械変換素子を個別化するステップは、前記端子電極と前記電荷注入用電極との間を完全に切断する切断位置よりも該端子電極側を前記基板の厚み方向の途中まで切断するステップを含むことを特徴とする電気機械変換素子の製造方法。 - 請求項2の電気機械変換素子の製造方法において、
前記電気機械変換素子を個別化するステップは、
前記端子電極と前記電荷注入用電極との間を切断刃により前記基板の厚み方向の途中まで切断するステップと、
前記切断刃よりも幅の狭い切断刃により前記基板の厚み方向の途中まで切断した位置を中心に完全に切断するステップと、を含むことを特徴とする電気機械変換素子の製造方法。 - 請求項1乃至4のいずれかの電気機械変換素子の製造方法において、
前記分極処理を行うステップにおいて、放電により発生した電荷が正帯電していることを特徴とする電気機械変換素子の製造方法。 - 請求項1乃至5のいずれかの電気機械変換素子の製造方法において、
前記分極処理を行うステップにおいて、放電により、1.0×10−8[C]以上の電荷量を発生させることを特徴とする電気機械変換素子の製造方法。 - 請求項1乃至6のいずれかの電気機械変換素子の製造方法により得られた電気機械変換素子。
- 請求項7の電気機械変換素子において、
前記電気機械変換膜の分極が、±150[kV/cm]の電界強度かけてヒステリシスループを測定する際、測定開始時の0[kV/cm]における分極をPiniとし、+150[kV/cm]の電圧印加後、0[kV/cm]まで戻した際の0[kV/cm]時の分極をPrとした場合に、PrとPiniとの差が10[μC/cm2]以下であることを特徴とする電気機械変換素子。 - 請求項7又は8の電気機械変換素子において、
前記電気機械変換膜の比誘電率が、600以上、2000以下であることを特徴とする電気機械変換素子。 - 請求項7乃至8のいずれかの電気機械変換素子において、
前記第1の駆動電極に電気的に接続された配線と、前記第2の駆動電極に電気的に接続された配線とが、同一プロセス中に作製されることを特徴とする電気機械変換素子。 - 請求項7乃至10のいずれかの電気機械変換素子において、
前記第1の配線及び前記第2の配線が、Ag合金、Cu、Al、Al合金、Au、Pt、Irのいずれかから成る金属材料で形成されていることを特徴とする電気機械変換素子。 - 請求項7乃至11のいずれかの電気機械変換素子において、
前記第1の絶縁保護膜及び前記第2の絶縁保護膜が、アルミナ膜、シリコン酸化膜、窒化シリコン膜及び酸化窒化シリコン膜のいずれかの無機膜であることを特徴とする電気機械変換素子。 - 液滴を吐出するノズルと、該ノズルが連通する加圧室と、該加圧室内の液体を昇圧させる吐出駆動手段とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、
前記吐出駆動手段として、前記加圧室の壁の一部を振動板で構成し、該振動板に請求項7乃至12のいずれかの電気機械変換素子を配置したことを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項13の液滴吐出ヘッドを備えたインクジェット記録装置。
- 請求項13の液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置。
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