JP2015009447A - 積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
層(A):芳香族ポリエステルからなる層
層(B):水溶性樹脂(B−1)、熱硬化性架橋剤(B−2)及び層状ケイ酸塩鉱物(B−3)を含む硬化性樹脂組成物からなる層
本発明の積層体は、下記層(A)及び層(B)からなる。
層(A):芳香族ポリエステルからなる層
層(B):水溶性樹脂(B−1)、熱硬化性架橋剤(B−2)及び層状ケイ酸塩鉱物(B−3)を含む硬化性樹脂組成物からなる層
構造による物理的バリア効果、ケイ酸塩によるオリゴマー吸着やオリゴマー吸収によるバリア効果の相乗効果で層(A)表面から析出するオリゴマーの抑制効果を有する。また、層状ケイ酸塩鉱物(B−3)それ自体、層(A)の芳香族ポリエステルに対する密着を発現しうる構造を有するが、単独では膜強度が低く、密着性が低い。しかし、層状ケイ酸塩鉱物(B−3)中に通常、シラノール基等として存在するOH基との間で水溶性樹脂(B−1)が水素結合、共有結合、イオン結合等を形成し、層状ケイ酸塩鉱物(B−3)が水溶性樹脂(B−1)の膜中に固定されると、膜としての強度が向上し、100℃以下の比較的低い熱処理温度でも、密着性を発現するようになる。更に、これに熱硬化性架橋剤(B−2)を加え、熱架橋することで、密着性が大幅に向上する。
本発明における層(A)は芳香族ポリエステルからなる層である。
層(A)に用いられる芳香族ポリエステルは、その構造中に芳香環を有するものであれば特に制限されず、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルである場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。一方、共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシ安息香酸など)等の1種又は2種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の1種又は2種以上が挙げられる。
本発明における層(A)には前記の芳香族ポリエステルの他に、以下に例示されるような添加剤、易滑性付与粒子等のその他の成分を含んでいてもよい。また、本発明の効果を著しく阻害しない限り、層(A)に含まれる成分は以下に例示されるものに限定されるものではない。
本発明の層(A)の芳香族ポリエステルに含むことのできる添加剤としては、次のようなものが挙げられる。例えば、従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料、紫外線吸収剤等が挙げられる。
本発明の層(A)において、芳香族ポリエステル中には、易滑性付与を主たる目的として易滑性付与粒子を配合することが好ましい。易滑性付与粒子としては特に制限されないが、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。その他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。更に、層(A)の芳香族ポリエステルを製造する工程において、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
層(B)は、水溶性樹脂(B−1)、熱硬化性架橋剤(B−2)及び層状ケイ酸塩鉱物(B−3)を含む硬化性樹脂組成物からなる層である。
水溶性樹脂(B−1)としては水溶性を有するものであれば特に制限されないが、代表的なものを例示すると、以下の(a)〜(i)に代表されるようなものが挙げられる。水溶性樹脂(B−1)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー法(GPC法)による数平均分子量は特に制限されないが、通常1,000以上であり、好ましくは3,000以上であり、より好ましくは5,000以上であり、一方、通常120,000以下であり、好ましくは100,000であり、より好ましくは80,000以下である。
(a)スルホテレフタル酸およびスルホイソフタル酸から選択されたカルボン酸のスルホ誘導体から誘導された水溶性コポリエステル
(b) 重量平均分子量が少なくとも3,000の線状または枝分れの水溶性アクリル樹
脂
(c) アクリル酸、メタアクリル酸およびそれらの低級アルキルエステルの水溶性共重
合体
(d) セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びこ
れらの誘導体、アミロース、プルーラン、デンプン及びヒドロキシエチルセルロースから選択される多糖並びにセルロース材料のうち水溶性のもの
(f) ポリビニルアルコール及びその水溶性誘導体
(g) 水溶性脂肪族ウレタンまたは水溶性芳香族ウレタン
(h) エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニリデンジクロリド
(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)およびポリエチレンイミンポリマーの数平均分子量が3,000から100,000であるポリエチレンイミン、のうち水性のもの
(i) 水溶性メラミンホルムアルデヒド樹脂
熱硬化性架橋剤(B−2)は水溶性樹脂(B−1)との間で加熱により硬化反応するものであれば特に限定されないが、代表的なものを例示すると、以下の<1>と<2>とを組み合わせた組成物等が挙げられる。
<1>メラミン化合物、メラミンホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、オキサゾリン樹脂、イソシアナート、アジリジン、カルボジイミド、尿素ホルムアルデヒド、フェノール樹脂、シラノールおよび酸から選択された少なくとも1種の架橋剤と
<2>有機酸触媒、有機塩基触媒、有機金属触媒(ただし、有機金属触媒のうち、有機酸及び有機塩基触媒に該当するものを除く。)から選択された触媒
・メラミン化合物、メラミンホルムアルデヒド樹脂:ベッカミンMA−S(DIC社製)、ニカラック(三和ケミカル社製)
・エポキシ樹脂:水系モデビクス300(荒川化学社製)
・オキサゾリン樹脂:エポクロスWS−500(日本触媒)
・イソシアナート:ブロック型デュラネート(旭化成社製)
・アジリジン:ケミタイト(日本触媒社製)
・カルボジイミド:カルボジライト(日清紡ケミカル社製)
・尿素ホルムアルデヒド:ベッカミンJ−300S(DIC社製)
・フェノール樹脂:TD−4304(DIC社製)
層状ケイ酸塩鉱物(B−3)の好ましいものとしては、合成スメクタイト、天然スメクタイト等のスメクタイト;合成雲母、天然雲母等の雲母等が挙げられる。これらの中でもスメクタイトがより好ましく、着色の少なさ、不純物の少なさ等の理由から合成スメクタイトが特に好ましい。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
プケミカル社製合成スメクタイトSWN、SWF(合成ヘクトライト)、クニミネ工業社製合成無機高分子スメクトンSA(合成サポナイト)、ロックウッド(ROCKWOOD)社製合成珪酸塩LAPONITE(合成ヘクトライト)、水澤工業社製合成ケイ酸マグネシウム塩イオナイト(合成スティーブンサイト)等を挙げることができる。これらの中で特に好ましいのは、透明性、サイズの点でコープケミカル社製合成スメクタイトSWN、SWFである。
層(B)の硬化性樹脂組成物は、水溶性樹脂(B−1)、熱硬化性架橋剤(B−2)及び層状ケイ酸塩鉱物(B−3)の合計量に対し、水溶性樹脂(B−1)が好ましくは20〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%、更に好ましくは40〜60重量%である。水溶性樹脂(B−1)の配合量が上記下限値以上であると、層(B)を硬化させて得られる膜の造膜性が向上し、膜欠陥を生じにくくなるために好ましい。また、上記下限値以下であると層(A)表面からのオリゴマー抑制効果が向上する傾向にあるために好ましい。なお、ここでいう重量比率は溶媒を除いた固形分換算でのものである。
くなりにくく、膜欠陥を生じにくくなる上、同時に層(A)表面からのオリゴマー抑制効果も向上する傾向にあるために好ましい。
本発明における層(B)の硬化性樹脂組成物には、前記水溶性樹脂(B−1)、熱硬化性架橋剤(B−2)及び層状ケイ酸塩鉱物(B−3)以外に必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。
水溶性樹脂(B−1)、熱硬化性架橋剤(B−2)及び層状ケイ酸塩鉱物(B−3)を均一に混合するために媒体として、水や低級アルコール(炭素数4以下のアルコール)を含むことが好ましい。水と低級アルコールは組み合わせて用いてもよく、例えば、水と低級アルコールの合計量に対して40重量%以下を低級アルコールとしてもよい。水及び/又は低級アルコールの使用量は、水溶性樹脂(B−1)、熱硬化性架橋剤(B−2)及び層状ケイ酸塩鉱物(B−3)の合計100重量部に対して、通常、200〜50000重量部、好ましくは500〜25000重量部、より好ましくは1000〜10000重量部である。なお、水及び/又は低級アルコールは、通常、最終的に形成される層(B)には実質的に含まれないが、層形成プロセスにおいて含まれることが好ましい。また、低級アルコールの好ましいものとしては炭素数3以下の脂肪族アルコール、一分子中の炭素数が4以下であり、エーテル結合を有するアルコール等が挙げられる。
また、層(B)の硬化性樹脂組成物において、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により添加剤を含有させることができる。このような添加剤の例としては、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、充填剤、帯電防止剤、有機顔料、スリップ剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、シランカップリング剤、消泡剤、酸化防止剤等が挙げられる。これらの添加剤は1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の積層体は、層(B)を層(A)の少なくとも片面に有するが、両面に有していてもよい。層(B)を層(A)の両面に形成する場合、それぞれの層(B)を構成する水溶性樹脂(B−1)、熱硬化性架橋剤(B−2)及び層状ケイ酸塩鉱物(B−3)のそれぞれの成分比が異なっていてもよいし、また、それぞれの厚みが異なっていてもよい。
本発明の積層体は、層(A)の厚みが好ましくは10〜250μm、より好ましくは4
0〜200μmである。層(A)の厚みが上記下限値以上であると、積層体強度、および硬度向上の観点から好ましい。また、層(A)の厚みが上記上限値以下であると、積層体を巻き物にする際の取扱い性向上の観点から好ましい。
本発明の積層体を製造する方法は特に制限されないが、例えば、層(A)として芳香族ポリエステルフィルムを用い、これを基材として層(B)をその片面又は両面に積層膜として積層する方法が挙げられる。層(B)の積層膜を設けるための好ましい方法としては、例えば以下の(1)、(2)が挙げられる。
(1)層(A)の芳香族ポリエステルフィルムの製造工程中に層(B)を設け、フィルムと共に延伸する方法
(2)層(A)の芳香族ポリエステルフィルム製造後、塗布方法で塗膜として層(B)を設け、乾燥工程で媒体である水及び/又はアルコールを除去する方法
本発明の積層体は、加熱時のオリゴマー析出が顕著に抑えられており、加熱処理を行ってもヘーズの上昇が抑えられるため、従来、芳香族ポリエステルフィルムを用いる各種用途、特に後で加熱処理工程を有する用途や高温で使用する用途の中でも、透明性の維持が要求される用途、において好適に使用できる。本発明の積層体は、とりわけ、ディスプレ
イ関連用途(液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、これらを用いたタッチパネル等)の各種光学フィルム、LED照明や太陽電池用途でポリエステルフィルムが用いられる
用途、工業用離型フィルム用途、転写箔用途等、透明性が重要な用途や芳香族ポリエステル中のオリゴマー等の異物生成を抑制することが好まれる用途に好適である。
[水溶性樹脂(B−1)]
(製造例1:(B−1a)の製造)
1000mlのセパラブル丸底フラスコに純水720g、ポリビニルアルコール(キシダ化学(株)製 ケン化度86.5〜89モル%(平均88モル%)、重合度500)を80g添加し、20〜30℃で液が完全に均一になるまで撹拌した。固形分濃度は10重量%であった(B−1a)。ここで、固形分濃度は、液1gをアルミカップに測りとり、80℃にて3時間真空乾燥した後の残存固形物量(3点の平均値)を固形分濃度として測定した。
1000mlのセパラブル丸底フラスコに純水760g、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(Na含量6.5〜8.5重量%、和光純薬(株)製)を40g添加し、20〜30℃で液が完全に均一になるまで撹拌した。固形分濃度は5重量%であった(B−1b)。
(製造例3:(B−2a)の製造)
500mlのセパラブル丸底フラスコにメラミン化合物(低ホルムアルデヒドタイプのメラミン樹脂であるベッカミンMA−S(DIC(株)製、固形分濃度重量70%の水溶液))200g、メラミン化合物の有機アミン系の潜在性硬化触媒(キャタリスト376(ベッカミンMA−S用の触媒、DIC(株)製、濃度重量100%)40gを加え、20℃で撹拌し、均一水溶液を得た。固形分濃度は75重量%であった(B−2a)。
500mlのセパラブル丸底フラスコにメラミン化合物(低ホルムアルデヒドタイプのメラミン樹脂であるベッカミンMA−S(DIC(株)製、固形分濃度70重量%))180g、メラミン化合物の有機アミン系の潜在性硬化触媒(キャタリスト376(ベッカミンMA−S用の触媒、DIC(株)製、濃度100重量%)36g、エポクロスWS−500(オキサゾリン基含有ポリマー、水と1−メトキシ−2−プロパノールの混合溶媒の40重量%溶液、日本触媒(株)製)を20g加え、20℃で撹拌し、均一水溶液を得た。固形分濃度は72重量%であった(B−2b)。
(製造例5:(B−3a)の製造)
1000mlのセパラブル丸底フラスコに水780g、ルーセンタイトSWF(合成スメクタイト)を20g添加し、20〜30℃で液が完全に均一になるまで撹拌した。固形分濃度は2.5重量%であった(B−3a)。
[実施例1]
(硬化性樹脂組成物(B1)の製造)
500mlのセパラブル丸底フラスコに、(B−1a)80g、(B−3a)80g、純水40gを加え、20℃で均一になるまで撹拌した(計算固形分量10g)。次に(B−2b)を5g(計算固形分量3.60g)を加え、20℃で30分撹拌し、硬化性樹脂組成物(B1)を得た。この硬化性樹脂組成物は[水溶性樹脂(B−1)の重量]/[熱硬化性架橋剤(B−2)の重量]/[層状ケイ酸塩鉱物(B−3)の重量]=58.8/26.5/14.7(溶媒を除いたそれぞれの固形分の重量比であり、表−1中、「(B−1)/(B−2)/(B−3)」と略記する。)となるように配合した。
芳香族ポリエステルフィルム(二軸延伸PETフィルム、膜厚75μm、表面未処理、三菱樹脂(株)製ダイアホイルS−75)の片面に硬化性樹脂組成物(B1)を乾燥後の膜厚が100nmになるように塗布し、熱風乾燥機により80℃で2分間乾燥した。次いで裏面にも同様の層を設け、両面に未硬化層を有する積層体を得た(L1−0)。次に、この積層体を150℃の熱風乾燥炉に入れ、150℃で5分維持し、硬化性樹脂組成物(B1)の硬化物からなる膜厚100nmの層をPET層(A)の両面に有するフィルム積層体(L1−1)を得た。
表−1に示すように、水溶性樹脂(B−1)、熱硬化性架橋剤(B−2)、層状ケイ酸塩鉱物(B−3)の種類と量を変え、硬化性樹脂組成物(B2)〜(B4)を得た。これらのそれぞれを、実施例1と同様の膜厚で塗布し、硬化してフィルム状の積層体を得た。またそれぞれの積層体を実施例1と同様に熱処理を行い、熱処理フィルムの積層体を得た(実施例2、比較例1〜2)。また、層(B)の膜厚を500nmに変えた他は同様の塗布、硬化、熱処理を行い、フィルム積層体を得た(実施例3〜4、比較例3〜4)。また層(B)を設けない場合の熱処理フィルムを得た(比較例5)。それぞれ得られた積層体の層(B)の構成、膜厚等について表−2にまとめた。表−3にさらに得られた積層体の物性(ヘーズ、密着性、オリゴマー析出状態)に関する結果を示した。
以上で得られた積層体の評価方法は以下のとおりである。
JIS K7105に従って、各積層体のヘーズ値(H%)を求めた。この値が小さい程、透明性が高い。
JIS K5600に準じ、碁盤目試験により初期密着性を下記の基準で評価した(隙間
間隔1mm)。
○:残ったマス目数が100
△:残ったマス目数が90〜99
×:残ったマス目数が0〜89
目視及び顕微鏡観察でオリゴマー析出の有無を確認した。以下の基準で評価した。
◎:目視ではオリゴマー析出なし、光学顕微鏡観察(倍率:100倍)でもなし
○:目視ではオリゴマー析出なし、光学顕微鏡観察(倍率:100倍)では0.1〜10μmサイズのオリゴマーを確認
△:目視で部分的(面積の20%以下)にオリゴマー析出を確認
×:目視で20%以上の面にオリゴマー析出を確認
比較例5に比較して比較例1〜比較例4の層状ケイ酸塩鉱物(B−3)を含まない層(B)を設けた積層体でも、厚く塗れば(500nm)、170℃熱処理までは耐えうる場合があったが、185℃熱処理では、オリゴマー析出が避けられなかった。一方、本発明に該当する実施例1〜4はヘーズ変化で判定したオリゴマー析出が、薄膜(100nm)塗布時、厚膜(500nm)塗布時の両方において抑制されており、ヘーズ差でみた場合では大きな差がない場合であっても、オリゴマー析出は抑制されている。即ち、層(B)の硬化性樹脂組成物における層状ケイ酸塩鉱物(B−3)の有無によりヘーズの上昇、オリゴマー析出が抑制されることが明確に示されている。
の各種光学フィルム、LED照明や太陽電池用途でポリエステルフィルムが用いられる用途、工業用離型フィルム用途、転写箔用途等、透明性が重要な用途や芳香族ポリエステル中のオリゴマー等の異物生成を抑制することが好まれる用途に好適である。
Claims (9)
- 下記層(A)及び層(B)からなる積層体。
層(A):芳香族ポリエステルからなる層
層(B):水溶性樹脂(B−1)、熱硬化性架橋剤(B−2)及び層状ケイ酸塩鉱物(B−3)を含む硬化性樹脂組成物からなる層 - 前記水溶性樹脂(B−1)として、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はカルボキシメチルセルロース系樹脂を含む、請求項1に記載の積層体。
- 前記熱硬化性架橋剤(B−2)として、メラミン化合物、メラミンホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、オキサゾリン樹脂及びイソシアナートからなる群のうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の積層体。
- 前記熱硬化性架橋剤(B−2)として、メラミン化合物、メラミンホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、オキサゾリン樹脂及びイソシアナートからなる群のうちの少なくとも1つと、有機酸触媒、有機塩基触媒及び有機金属触媒からなる群のうちの少なくとも1つとを含む、請求項1又は2に記載の積層体。
- 前記層状ケイ酸塩鉱物(B−3)として、スメクタイト及び/又は雲母を含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の積層体。
- 層(B)の硬化性樹脂組成物が、水溶性樹脂(B−1)、熱硬化性架橋剤(B−2)及び層状ケイ酸塩鉱物(B−3)の合計量に対し、水溶性樹脂(B−1)20〜80重量%、熱硬化性架橋剤(B−2)5〜70重量%、層状ケイ酸塩鉱物(B−3)2〜60重量%である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記層(A)の芳香族ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレートを含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記層(A)の厚みが10〜250μm、前記層(B)の厚みが5〜2000nmである、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記層(B)の硬化性樹脂組成物を硬化させてなる、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の積層体。
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