JP7383903B2 - 積層フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は積層フィルムに関するものであり、例えばシリコーン離型層に対して優れた経時密着安定性を示し、例えば、各種粘着剤層の製造・保護用途や、液晶ディスプレイ(以下、LCDともいう)に用いられる偏光板、位相差板等のLCD構成部材製造用、有機エレクトロルミネッセンス( 以下、有機ELともいう) 構成部材製造用等の各種ディスプレイ構成部材製造用のほか、各種光学用途等に好適な離型フィルムの基材として用いられる積層フィルムに関するものである。
フィルムを基材とする離型フィルムは機械的強度、耐熱性、熱寸法安定性、耐薬品性および経済性の観点から各種用途に使用されており、例えばタッチパネルに用いられる粘着剤層の製造・保護用、LCDに用いられる偏光板、位相差板等のLCD構成部材製造用、有機EL構成部材製造用などの各種ディスプレイ構成部材製造用途や、湿布薬/貼付薬等の医療用粘着フィルム用途、セラミックシート用途、ポリ塩化ビニルシート、炭素繊維等の成形工程用途、ラベル、粘着テープ、化粧板およびトランスファーテープなどの工業用途等が例示される。
離型フィルムの基材としては樹脂フィルム、例えば、ポリエステルフィルムが用いられることがあるが、この場合、ポリエステルフィルムと離型層との密着性・経時密着性が課題となる。
上記課題を解決するために、特許文献1には、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、シランカップリング剤およびアルコキシ変性シリコーン化合物を含む塗布層を設けたシリコーン易接着性ポリエステルフィルムが開示されている。
また、特許文献2には、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布層を有し、該塗布層上に離型層を有する離型フィルムであり、該塗布層中に、少なくとも縮合多環式芳香族構造を有する酸成分と脂肪族酸成分を有する共重合ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする離型フィルムが開示されている。
特開2004-43625号公報 特開2017-164959号公報
しかしながら、本発明者等の検討によれば、フィルムと離型層との密着性・経時密着性を改善するために、フィルムと離型層との間に塗布層を設けた場合、塗布層上に離型剤組成物を塗布・乾燥させた際にフィルムに含有されるオリゴマーが表面に析出し、離型フィルムの透明性が悪化するという問題があることが判明した。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、離型層との密着性・経時密着性が良好であり、かつ透明性に優れる、離型フィルムの基材として好適に用いることが出来る積層フィルムを提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、フィルムの少なくとも片面に、特定の化合物の組合せを含有する塗布液から形成されてなる塗布層を設けることにより、離型層との密着性・経時密着性及び透明性の両方が良好となることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、フィルムの少なくとも片面に、塗布層を備える積層フィルムであり、当該塗布層が金属元素を含む有機化合物およびエポキシ化合物を含有する塗布液から形成されてなる層であることを特徴とする積層フィルムおよびその製造方法に存する。
本発明の積層フィルムによれば、離型層との密着性・経時密着性及び透明性の両方が良好となり、各種用途に用いられる離型フィルムの基材として好適に用いることができ、その工業的価値は高い。
次に、実施の形態例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。
<<積層フィルム>>
積層フィルムは、基材としてのフィルムの少なくとも片面に塗布層を備えた積層フィルムであり、当該塗布層は金属元素を含む有機化合物およびエポキシ化合物を含有する塗布液から形成されてなる層であることを特徴とするものである。
<フィルム>
本発明の積層フィルムを構成するフィルムとしては、従来公知のものを使用することができ、例えば、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリイミドフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレン-ビニルアルコール共重合体フィルム、ナイロンフィルム等が挙げられる。特に、各種の用途へ展開するために、耐熱性があることが好ましく、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリイミドフィルムが好適に用いられ、さらに透明性や成形性、汎用性を考慮するとポリエステルフィルムがより好適に用いられる。
本発明の積層フィルムを構成するフィルムは、単層構成であっても、2層以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
ポリエステルフィルムは、無延伸フィルム(シート)であっても延伸フィルムであってもよい。中でも、一軸方向又は二軸方向に延伸された延伸フィルムであるのが好ましい。その中でも、力学特性のバランスや平面性に優れる点で、二軸延伸フィルムであるのが好ましい。
ポリエステルフィルムを構成するポリエステル層に使用するポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。
ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート等が例示される。
一方、共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
ポリエステルの重合触媒としては、特に制限はなく、従来公知の化合物を使用することができ、例えば、アンチモン化合物、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、マンガン化合物、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物等が挙げられる。
(粒子)
本発明におけるフィルム中には、易滑性の付与および各工程での傷発生防止を主たる目的として、粒子を配合することも可能である。粒子を配合する場合、配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の無機粒子、アクリル樹脂、スチレン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機粒子等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を析出させた析出粒子を用いることもできる。これらの中でも特に少量で効果が出やすいという点でシリカ粒子が好ましい。
また、粒子の平均粒径は、通常5μm以下、好ましくは0.01~3μmの範囲である。平均粒径が5μm以下の場合には、フィルムの表面粗度が適度となり、後工程において種々の機能層等を形成させる場合等に不具合が生じにくくなる。
粒子の平均粒径は、紛体の場合は、粒度分布測定装置を用いて測定できる。
また、粒子がフィルム中に存在する場合は、透過型電子顕微鏡を使用してフィルム断面を観察し、例えば、粒子10個の粒径の平均値を平均粒径とすることができる。
さらにフィルム中の粒子含有量は、通常5質量%以下、好ましくは0.0003~3質量%の範囲である。フィルム中に粒子が存在しない場合、あるいは少量の場合は、フィルムの透明性が高くなり、良好なフィルムとなるが、滑り性が不十分となる場合があるため、塗布層中に粒子を5質量%以下入れることにより、滑り性を向上させつつ、フィルムの透明性も確保することができ得る。
使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。
これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
フィルム中に粒子を添加する方法は特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。
(他の添加剤)
なお、本発明におけるフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料、紫外線吸収剤等を添加することができる。
(フィルムの厚み)
本発明におけるフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、通常10~350μm、好ましくは20~300μmの範囲である。
本発明の積層フィルムの製膜方法は通常知られている製膜法を採用でき、特に制限はない。
例えば、二軸延伸ポリエステルフィルムを製造する場合、まず先に述べたポリエステル原料を、押出機を用いてダイから溶融押し出しし、溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法や液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70~120℃、好ましくは80~110℃であり、延伸倍率は通常2.5~7倍、好ましくは3.0~6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に、通常70~170℃で、延伸倍率は通常2.5~7倍、好ましくは3.0~6倍で延伸する。引き続き180~270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る方法が挙げられる。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、ポリエステルフィルム製造に関しては同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを通常70~120℃、好ましくは80~110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で4~50倍、好ましくは7~35倍、さらに好ましくは10~25倍である。そして、引き続き、170~270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
本発明の積層フィルムにおいて、塗布層を形成する方法としては、例えば、グラビアコート、リバースロールコート、ダイコート、エアドクターコート、ブレードコート、ロッドコート、バーコート、カーテンコート、ナイフコート、トランスファロールコート、スクイズコート、含浸コート、キスコート、スプレーコート、カレンダコート、押出コート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。
フィルムとしてポリエステルフィルムを用いる場合、塗布層はポリエステルフィルムの製膜工程中にフィルム表面を処理する、インラインコーティングにより形成されてもよい。
インラインコーティングは、フィルム製膜の工程内でコーティングを行う方法であり、具体的には、フィルム原料を溶融押出ししてから延伸後熱処理して巻き上げるまでの任意の段階でコーティングを行う方法である。通常は、溶融、急冷して得られる未延伸シート、延伸された一軸延伸フィルム、熱処理前の二軸延伸フィルム、熱処理後で巻上前のフィルムの何れかにコーティングする。以下に限定するものではないが、例えば逐次二軸延伸においては、特に長手方向(縦方向)に延伸された一軸延伸フィルムにコーティングした後に横方向に延伸する方法が優れている。かかる方法によれば、製膜と塗布層形成を同時に行うことができるため製造コスト上のメリットがあり、また、コーティング後に延伸を行うために、塗布層の厚みを延伸倍率により変化させることもでき、オフラインコーティングに比べ、薄膜コーティングをより容易に行うことができる。
インラインコーティングによる工程によれば、塗布層の形成有無でフィルムの厚みが大きく変わることはなく、傷付きや異物付着のリスクも塗布層の形成有無で大きく変わることはないため、コーティングという工程を別途行うオフラインコーティングに比べ大きな利点である。
また、延伸前にフィルム上に塗布層を設けることにより、塗布層をフィルムと共に延伸することができ、それにより塗布層をフィルムに強固に密着させることが出来る。
その上、二軸延伸フィルムの製造において、クリップ等によりフィルム端部を把持しつつ延伸することで、フィルムを縦及び横方向に拘束することができ、熱処理工程において、しわ等が入らずに平滑性を維持したまま高温をかけることができる。
それゆえ、コーティング後に施される熱処理が他の方法では達成されない高温とすることができるために、塗布層の造膜性が向上し、塗布層とフィルムをより強固に密着させることができ、さらには、強固な塗布層とすることができる。
さらに、上述のようにフィルム端部を把持しつつ延伸し、熱処理工程を経て塗布層を形成することでフィルムの耐熱性を向上させることができるという利点がある。
インラインコーティングにより設ける塗布層の熱処理の温度は、好ましくは55~300℃、より好ましくは70~290℃、さらに好ましくは90~280℃、特に好ましくは170℃~270℃、最も好ましくは200℃~250℃である。目安として3~200秒間熱処理を行うのが良い。
また、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。本発明における積層フィルムを構成するフィルム表面には、塗布層を設ける前にあらかじめ、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
塗布層の形成に関して、後述する一連の化合物を溶液または溶媒の分散体として、固形分濃度が0.1~80質量%程度を目安に調整した塗布液をフィルム上に塗布する要領にて積層フィルムを製造するのが好ましい。インラインコーティングによって塗布層を設ける場合は、塗布液は水溶液または水分散体であることが好ましいが、水への分散性改良、造膜性改良等を目的として、塗布液中には少量の有機溶剤を含有していてもよい。また、有機溶剤は1種類のみでもよく、適宜、2種類以上を使用してもよい。
<塗布層>
本発明の積層フィルムは、フィルムの少なくとも片面に塗布層を形成してなる構成を備えたものであり、当該塗布層が金属元素を含む有機化合物およびエポキシ化合物を含有する塗布液から形成されてなる層である。
本発明では、金属元素を含む有機化合物およびエポキシ化合物を含有する塗布液を用いて塗布層を形成することで、塗布層上に離型層を設けた場合、離型層とフィルムとの密着性・経時密着性が向上し、かつフィルムの透明性を維持できることを見出した。
この理由は定かではないが、金属元素を含む有機化合物およびエポキシ化合物を組み合わせることで、それぞれを単独で用いた場合よりも緻密な塗布層を形成しやすく、フィルム中に含まれるオリゴマーが離型層側表面に析出するのを防ぐことができ、離型フィルムの透明性を維持することができると考えられる。
また、上記組み合わせは、塗布層上に設ける離型層を形成する離型剤組成物の硬化阻害を起こしにくいため、十分硬化した離型層を形成できる。さらに上記組み合わせによって、エポキシ化合物を単独で用いた場合よりもエポキシ化合物の開裂反応が進むと考えられ、結果としてフィルムと離型層との密着性を確保しやすく、離型層の密着性・経時密着性を向上させることができると考えられる。
(金属元素を含む有機化合物)
本発明における金属元素を含む有機化合物としては、金属-炭素結合を含む化合物や、金属アルコキシド化合物、金属アシレート化合物、金属キレート化合物を含む。
この中でも、緻密な塗布層を形成し易いという観点から金属キレート化合物であることが好ましく、金属種としては、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、ガリウム(Ga)等が挙げられる。この中でも水溶化の観点から、チタン、ジルコニウム、アルミニウムが好ましい。
金属種としてチタンを含む有機化合物としては、例えば、テトラノルマルブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2-エチルヘキシル)チタネート、テトラメチルチタネート等のチタンオルソエステル類;チタンアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンアミノエチルアミノエタノレート、チタンラクテート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタントリエタノールアミネート、チタンエチルアセトアセテート等のチタンキレート類等が挙げられ、水系塗料への適用の観点やオリゴマー析出を抑制する観点からチタンキレート類が好ましく、具体的にはチタンラクテート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタントリエタノールアミネートがより好ましい。
また、離型層との密着性の観点からは、金属種としてチタンを含み、かつ水酸基を有する有機化合物が好ましい。具体的には、例えば、チタンラクテート、チタンラクテートアンモニウム塩が挙げられる。
金属種としてジルコニウムを含む有機化合物としては、例えば、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート等のジルコニウムアルコキシド化合物;ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、ジルコニウムビスアセチルアセトネート、ジルコニウムラクテートアンモニウム塩等のジルコニウムキレート類等が挙げられ、水系塗料への適用の観点やオリゴマー析出を抑制する観点から、ジルコニウムキレート類が好ましく、具体的にはジルコニアラクテートアンモニウム塩が好ましい。
また、離型層との密着性の観点からは、金属種としてジルコニウムを含み、かつ水酸基を有する有機化合物が好ましい。具体的には、例えば、ジルコニウムラクテートアンモニウム塩が挙げられる。
これら金属元素を含む有機化合物は、一種類のみを用いてもよく、適宜、二種類以上を混合して用いてもよい。
(エポキシ化合物)
本発明における塗布層は、エポキシ化合物を含有する塗布液から形成されることにより、塗布層中に架橋構造が形成され、緻密な膜を形成することができる。また、エポキシ化合物は、塗布層上に設ける離型層を形成する離型剤組成物の硬化阻害を起こしにくいと考えられる。さらに、エポキシ化合物の開裂反応により生成した水酸基が離型層との密着性に影響していると考えらえる。
本発明におけるエポキシ化合物とは、分子内にエポキシ基を有する化合物であり、エポキシ化合物の中でも、水溶性エポキシ化合物が好適である。エポキシ化合物の種類は特に限定されないが、例えば、例えば、エピクロロヒドリンとエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、ビスフェノールA等の水酸基やアミノ基との縮合物が挙げられ、ポリエポキシ化合物、ジエポキシ化合物、モノエポキシ化合物、グリシジルアミン化合物等がある。ポリエポキシ化合物としては、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアネート、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジエポキシ化合物としては、例えば、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、モノエポキシ化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルアミン化合物としてはN,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン等が挙げられる。
エポキシ化合物の中でも、金属元素を含む有機化合物と反応し、より緻密な塗布層を形成しオリゴマーの析出を抑制する観点から、ポリエポキシ化合物が好ましい。
エポキシ化合物は、より緻密な塗布層を形成しオリゴマーの析出を抑制する観点から、エポキシ当量(g/eq)が200以下であるものが好ましく、150以下であるものがより好ましい。
(その他の成分)
本発明における塗布層には、塗布外観や透明性の向上、塗布層形成に用いる塗布液の粘度調整のために各種バインダー樹脂を併用することが可能である。バインダー樹脂を含有することで塗布液のフィルムへの塗工性を向上させることができ、また、塗布外観を向上させることが可能である。
ここでバインダー樹脂とは、上記金属元素を含む有機化合物、エポキシ化合物を除いた樹脂を指す。
バインダー樹脂としては、公知の樹脂を使用することが出来る。樹脂の具体例としては、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール等が挙げられ、その中でもより緻密な塗布層を形成する観点から、ポリビニルアルコールが好ましい。
ポリビニルアルコールとは、ポリビニルアルコール部位を有する化合物であり、例えば、ポリビニルアルコールに対し、部分的にアセタール化やブチラール化等された変成化合物も含め、従来公知のポリビニルアルコールを使用することができる。
ポリビニルアルコールの重合度は特に限定されるものではないが、通常100以上、好ましくは300~40000の範囲である。重合度が100未満の場合、塗布層の耐水性が低下する場合がある。また、ポリビニルアルコールのケン化度は特に限定されるものではないが、通常70モル%以上、好ましくは70~99.9モル%の範囲、より好ましくは80~97モル%、特に好ましくは86~95モル%であるポリ酢酸ビニルケン化物が実用上用いられる。
ポリエステル樹脂としては、主な構成成分として例えば、下記のような多価カルボン酸および多価ヒドロキシ化合物からなるものが挙げられる。すなわち、多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フタル酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸および、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、2-カリウムスルホテレフタル酸、5-ソジウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、グルタル酸、コハク酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水フタル酸、p-ヒドロキシ安息香酸、トリメリット酸モノカリウム塩およびそれらのエステル形成性誘導体などを用いることができ、多価ヒドロキシ化合物としては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,3-プロパンジオ-ル、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオ-ル、2-メチル-1,5-ペンタンジオ-ル、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノ-ル、p-キシリレングリコ-ル、ビスフェノ-ルA-エチレングリコ-ル付加物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ-ル、ポリプロピレングリコ-ル、ポリテトラメチレングリコ-ル、ポリテトラメチレンオキシドグリコ-ル、ジメチロ-ルプロピオン酸、グリセリン、トリメチロ-ルプロパン、ジメチロ-ルエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロ-ルプロピオン酸カリウムなどを用いることができる。これらの化合物の中から、それぞれ適宜1つ以上を選択し、常法の重縮合反応によりポリエステル樹脂を合成すればよい。
ウレタン樹脂としては、ウレタン結合を分子内に有する高分子化合物のことであり、通常ポリオールとイソシアネートの反応により作成される。ポリオールとしては、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリオレフィンポリオール類、アクリルポリオール類が挙げられ、これらの化合物は単独で用いても、複数種用いてもよい。
ポリエステルポリオール類としては、多価カルボン酸(マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等)またはそれらの酸無水物と多価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、1,8-オクタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-ヘキシル-1,3-プロパンジオール、シクロヘキサンジオール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、ジメタノールベンゼン、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、アルキルジアルカノールアミン、ラクトンジオール等)の反応から得られるもの、ポリカプロラクトン等のラクトン化合物の誘導体ユニットを有するもの等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオール類は、多価アルコール類とカーボネート化合物とから、脱アルコール反応によって得られる。多価アルコール類としては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3,3-ジメチロールヘプタン等が挙げられる。カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート等が挙げられ、これらの反応から得られるポリカーボネート系ポリオール類としては、例えば、ポリ(1,6-ヘキシレン)カーボネート、ポリ(3-メチル-1,5-ペンチレン)カーボネート等が挙げられる。
ポリエーテルポリオール類としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
ウレタン樹脂を得るために使用されるポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等が例示される。これらは単独で用いても、複数種併用してもよい。
ウレタン樹脂を合成する際に鎖延長剤を使用してもよく、鎖延長剤としては、イソシアネート基と反応する活性基を2個以上有するものであれば特に制限はなく、一般的には、水酸基またはアミノ基を2個有する鎖延長剤を主に用いることができる。
水酸基を2個有する鎖延長剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール等の脂肪族グリコール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコール、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレート等のエステルグリコールといったグリコール類を挙げることができる。また、アミノ基を2個有する鎖延長剤としては、例えば、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン等の芳香族ジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサンジアミン、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン、トリメチルヘキサンジアミン、2-ブチル-2-エチル-1,5-ペンタンジアミン、1 ,8-オクタンジアミン、1 ,9-ノナンジアミン、1 ,10-デカンジアミン等の脂肪族ジアミン、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジアミン、イソプロビリチンシクロヘキシル-4,4’-ジアミン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1 ,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン等の脂環族ジアミン等が挙げられる。
本発明におけるウレタン樹脂は、溶剤を媒体とするものであってもよいが、好ましくは水を媒体とするものである。ウレタン樹脂を水に分散または溶解させるには、乳化剤を用いる強制乳化型、ウレタン樹脂中に親水性基を導入する自己乳化型あるいは水溶型等がある。特に、ウレタン樹脂の構造中にイオン基を導入しアイオノマー化した自己乳化タイプが、液の貯蔵安定性や得られる塗布層の耐水性、透明性、密着性に優れており好ましい。
また、導入するイオン基としては、カルボキシル基、スルホン酸、リン酸、ホスホン酸、第4級アンモニウム塩等、種々のものが挙げられるが、カルボキシル基が好ましい。ウレタン樹脂にカルボキシル基を導入する方法としては、重合反応の各段階の中で種々の方法が取り得る。例えば、プレポリマー合成時に、カルボキシル基を持つ樹脂を共重合成分として用いる方法や、ポリオールやポリイソシアネート、鎖延長剤などの一成分としてカルボキシル基を持つ成分を用いる方法がある。特に、カルボキシル基含有ジオールを用いて、この成分の仕込み量によって所望の量のカルボキシル基を導入する方法が好ましい。
例えば、ウレタン樹脂の重合に用いるジオールに対して、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ビス-(2-ヒドロキシエチル)プロピオン酸、ビス-(2-ヒドロキシエチル)ブタン酸等を共重合させることができる。またこのカルボキシル基はアンモニア、アミン、アルカリ金属類、無機アルカリ類等で中和した塩の形にするのが好ましい。特に好ましいものは、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミンである。かかるポリウレタン樹脂は、塗布後の乾燥工程において中和剤が外れたカルボキシル基を、他の架橋剤による架橋反応点として用いることが出来る。これにより、塗布前の液の状態での安定性に優れる上、得られる塗布層の耐久性、耐溶剤性、耐水性、耐ブロッキング性等をさらに改善することが可能となる。
アクリル樹脂とは、アクリル系、メタアクリル系のモノマーを含む重合性モノマーからなる重合体である(以下、アクリルおよびメタアクリルを合わせて(メタ)アクリルと略記する場合がある)。これらは、単独重合体あるいは共重合体、さらにはアクリル系、メタアクリル系のモノマー以外の重合性モノマーとの共重合体、いずれでも差し支えない。
また、それら重合体と他のポリマー(例えばポリエステル、ポリウレタン等)との共重合体も含まれる。例えば、ブロック共重合体、グラフト共重合体である。あるいは、ポリエステル溶液、またはポリエステル分散液中で重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマーの混合物)も含まれる。同様にポリウレタン溶液、ポリウレタン分散液中で重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマーの混合物)も含まれる。同様にして他のポリマー溶液、または分散液中で重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマー混合物)も含まれる。
上記重合性モノマーとしては、特に限定されないが、特に代表的な化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸のような各種カルボキシル基含有モノマー類、およびそれらの塩;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、モノブチルヒドロキルフマレート、モノブチルヒドロキシイタコネートのような各種の水酸基含有モノマー類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルへキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートのような各種の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N-メチロールアクリルアミドまたは(メタ)アクリロニトリル等のような種々の窒素含有化合物;スチレン、α-メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンのような各種スチレン誘導体、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニルのような各種のビニルエステル類;γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のような種々の珪素含有重合性モノマー類;燐含有ビニル系モノマー類;塩化ビニル、塩化ビリデンのような各種のハロゲン化ビニル類;ブタジエンのような各種共役ジエン類が挙げられる。
また、塗布層の形成には、金属元素を含む有機化合物やエポキシ化合物、バインダー樹脂以外に、架橋剤を併用することも可能である。金属元素を含む有機化合物やエポキシ化合物、各種バインダー樹脂等の官能基と反応することでより緻密な膜を形成することができ、オリゴマーの析出を抑制することができる。
架橋剤とは従来公知の材料を使用することができ、例えば、メラミン化合物、オキサゾリン化合物、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物等が挙げられる。また、造膜性向上等のために、2種類以上の架橋剤を併用することも可能である。
メラミン化合物とは、化合物中にメラミン骨格を有する化合物のことであり、例えば、アルキロール化メラミン誘導体、アルキロール化メラミン誘導体にアルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物、およびこれらの混合物を用いることができる。エーテル化に用いるアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、イソブタノール等が好適に用いられる。また、メラミン化合物としては、単量体、あるいは2量体以上の多量体のいずれであってもよく、あるいはこれらの混合物を用いてもよい。さらに、メラミンの一部に尿素等を共縮合したものも使用することも可能である。
オキサゾリン化合物とは、分子内にオキサゾリン基を有する化合物であり、特にオキサゾリン基を含有する重合体が好ましく、付加重合性オキサゾリン基含有モノマー単独もしくは他のモノマーとの重合によって作成できる。付加重合性オキサゾリン基含有モノマーは、2-ビニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-5-エチル-2-オキサゾリン等を挙げることができ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。これらの中でも2-イソプロペニル-2-オキサゾリンが工業的にも入手しやすく好適である。他のモノマーは、付加重合性オキサゾリン基含有モノマーと共重合可能なモノマーであれば制限なく、例えばアルキル(メタ)アクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、2-エチルヘキシル基、シクロヘキシル基)等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸およびその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等の不飽和カルボン酸類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミド、N-アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド、(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、2-エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン等のα-オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等の含ハロゲンα,β-不飽和モノマー類;スチレン、α-メチルスチレン、等のα,β-不飽和芳香族モノマー等を挙げることができ、これらの1種または2種以上のモノマーを使用することができる。
イソシアネート系化合物とは、イソシアネート、あるいはブロックイソシアネートに代表されるイソシアネート誘導体構造を有する化合物のことである。イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族イソシアネート、メチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)、イソプロピリデンジシクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族イソシアネート等が例示される。また、これらイソシアネートのビュレット化物、イソシアヌレート化物、ウレトジオン化物、カルボジイミド変性体等の重合体や誘導体も挙げられる。これらは単独で用いても、複数種併用してもよい。上記イソシアネートの中でも、紫外線による黄変を避けるために、芳香族イソシアネートよりも脂肪族イソシアネートまたは脂環族イソシアネートがより好ましい。
ブロックイソシアネートの状態で使用する場合、そのブロック剤としては、例えば重亜硫酸塩類、フェノール、クレゾール、エチルフェノールなどのフェノール系化合物、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、ベンジルアルコール、メタノール、エタノールなどのアルコール系化合物、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系化合物、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン系化合物、ε‐カプロラクタム、δ‐バレロラクタムなどのラクタム系化合物、ジフェニルアニリン、アニリン、エチレンイミンなどのアミン系化合物、アセトアニリド、酢酸アミドの酸アミド化合物、ホルムアルデヒド、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物が挙げられ、これらは単独でも2種以上の併用であってもよい。
また、本発明におけるイソシアネート系化合物は単体で用いてもよいし、各種ポリマーとの混合物や結合物として用いてもよい。イソシアネート系化合物の分散性や架橋性を向上させるという意味において、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂との混合物や結合物を使用することが好ましい。
カルボジイミド系化合物とは、カルボジイミド構造を有する化合物のことであり、塗布層上に形成され得る各種の表面機能層との密着性の向上や、塗布層の耐湿熱性の向上のために用いられるものである。カルボジイミド系化合物は、分子内にカルボジイミド、あるいはカルボジイミド誘導体構造を1つ以上有する化合物であるが、より緻密な膜形成のために、分子内に2つ以上有するポリカルボジイミド系化合物がより好ましい。
カルボジイミド系化合物は従来公知の技術で合成することができ、一般的には、ジイソシアネート化合物の縮合反応が用いられる。ジイソシアネート化合物としては、特に限定されるものではなく、芳香族系、脂肪族系いずれも使用することができ、具体的には、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
さらに本発明の効果を消失させない範囲において、ポリカルボジイミド系化合物の水溶性や水分散性を向上させるために、界面活性剤を添加することや、ポリアルキレンオキシド、ジアルキルアミノアルコールの四級アンモニウム塩、ヒドロキシアルキルスルホン酸塩などの親水性モノマーを添加して用いてもよい。
なお、これら架橋剤は、乾燥過程や、製膜過程において、反応させて塗布層の性能を向上させる。できあがった塗布層中には、これら架橋剤の未反応物、反応後の化合物、あるいはそれらの混合物が存在しているものと推測できる。
本発明における塗布層には、積層フィルムの滑り性を向上させる目的や、ブロッキングを防ぐ目的で、各種粒子を併用することが可能であり、粒子の具体例としては、(メタ)アクリル酸エステル、スチレンおよびシリコーン等のモノマーを重合して得られる有機粒子やシリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、バリウム塩等の無機物を構成成分とする無機粒子が挙げられる。
粒子の平均粒径は、フィルムの透明性の観点から好ましくは1.0μm以下の範囲であり、さらに好ましくは0.5μm以下、特に好ましくは0.2μm以下である。粒子の平均粒径の下限は特に制限されないが、通常0.001μm以上である。
さらに本発明の主旨を損なわない範囲において、塗布層の形成には必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、発泡剤、染料、顔料等を併用することも可能である。
本発明の積層フィルムにおける塗布層を形成する塗布液中の全不揮発成分に対する割合として、金属元素を含む有機化合物は通常10~90質量%、好ましくは30~70質量%、より好ましくは40~60質量%の範囲である。上記の範囲内であれば、オリゴマーの析出の抑制と離型層との密着性を両立できる塗布層となる可能性が高い。
本発明の積層フィルムにおける塗布層を形成する塗布液中の全不揮発成分に対する割合として、エポキシ化合物は通常10~90質量%、好ましくは30~70質量%、より好ましくは40~60質量%の範囲である。上記の範囲内であれば、オリゴマーの析出の抑制と離型層との密着性を両立できる塗布層となる可能性が高い。
本発明の積層フィルムにおける塗布層を形成する塗布液中の全不揮発成分中の金属元素を含む有機化合物とエポキシ化合物との配合比(金属元素を含む有機化合物の含有量/エポキシ化合物の含有量)は、0.2~5の範囲が好ましく、0.4~3の範囲がより好ましく、0.6~1.5の範囲がさらに好ましく、0.9~1.3の範囲が特に好ましい。
本発明の積層フィルムにおける塗布層を形成する塗布液中にバインダー樹脂を含有する場合、塗布液中の全不揮発成分に対する割合として、バインダー樹脂は通常5~70質量%、好ましくは10~60質量%、より好ましくは20~50質量%の範囲である。上記の範囲内であれば、緻密な塗布層を形成しつつ、離型層との密着性も両立できる可能性が高い。
(塗布層の膜厚)
本発明の積層フィルムにおける塗布層の膜厚は、通常0.001~1.0μm、好ましくは0.005~0.5μm、より好ましくは0.01~0.35μm、特に好ましくは0.02~0.25μmの範囲である。膜厚が上記の範囲内であれば、積層フィルムの製膜性や、離型層との密着性が確保でき、また、オリゴマー析出を抑制し、加熱によるフィルムヘーズ変化を抑制することが可能となる。
<積層フィルムの積層構成>
本発明の積層フィルムは、フィルムの少なくとも片面に塗布層を備えていればよいから、フィルムの片面側又は両面側に塗布層を積層してなる積層構成のものでもよいし、フィルムの片面側に塗布層を積層し、もう一方の面側に他の層を備えてもよい。
「他の層」としては、離型層、帯電防止層、ブロッキング防止層などを挙げることができる。
ここで、本発明における塗布層は、離型層に対して優れた経時密着安定性を示すため、積層フィルムの塗布層面側に離型層を備える積層構成が好ましい積層構成である。
離型層は良好な離型性能を有していれば、離型層の構成成分に特に制限はないが、良好な離型性能を得る観点から、離型層を形成する離型剤組成物中にシリコーン樹脂を含有するのが好ましい。硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ、またはフルオロシリコーン樹脂等を含有することが好ましい。
硬化型シリコーン樹脂の種類としては、付加型・縮合型等の熱硬化型や紫外線硬化型等の電子線硬化型等、既存の何れの硬化反応タイプでも用いることができ、また複数種類の硬化型シリコーン樹脂を併用して使用しても良い。さらに離型層を形成する際の硬化型シリコーン樹脂の塗工形態にも特に制限は無く、有機溶剤に溶解している形態、水系エマルジョンの形態、無溶剤の形態の何れであっても良い。
本発明で用いる硬化型シリコーン樹脂の種類には制限はないが、軽剥離性特性等優れた離型特性の観点から本発明においてはアルケニル基を含む硬化型シリコーン樹脂の使用が好ましい。
アルケニル基を含む硬化型シリコーン樹脂は、ジオルガノポリシロキサンとして、下記一般式(1)で示されるものが例示できる。
(3-a)SiO-(RXSiO)-(RSiO)-SiX(3-a) …(1)
上記一般式(1)において、Rは炭素数1~10の1価炭化水素基であり、Xはアルケニル基含有の有機基である。aは0~3の整数で1が好ましく、m は0以上であるが、a=0の場合、mは2以上であり、mおよびnは、それぞれ100≦m+n≦20000 を満足する数であり、また上記式はブロック共重合体を意味している訳ではない。Rは炭素数1~10の1価炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基、トリル基などのアリル基などが挙げられるが、特にメチル基、フェニル基が好ましい。Xはアルケニル基含有の有機基で炭素数2~10のものが好ましく、具体的にはビニル基、アリル基、ヘキセニル基、オクテニル基、アクリロイルプロピル基、アクリロイルメチル基、メタクリロイルプロピル基、シクロヘキセニルエチル基、ビニルオキシプロピル基等が挙げられるが、特にビニル基、ヘキセニル基などが好ましい。具体的例示すると、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルヘキセニルシロキサン共重合体(ジメチルシロキサン単位96モル%、メチルヘキセニルシロキサン単位4モル%、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルヘキセニルシロキサン共重合体(ジメチルシロキサン単位97モル%、メチルヘキセニルシロキサン単位3モル%)、分子鎖両末端ジメチルヘキセニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルヘキセニルシロキサン共重合体(ジメチルシロキサン単位95モル%、メチルヘキセニルシロキサン単位5モル%)が挙げられる。
次にアルケニル基を含む硬化型シリコーン樹脂と反応し、より強固なシリコーン離型層を形成するために必要な、Si-H基を含有するポリオルガノシロキサンとしては、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個、好ましくは3個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンで、直鎖状、分岐状、環状のものなどを使用することができ、下記一般式(2)で表される化合物を挙げることができるが、これらのものには限定されない。
(3―b)SiO-(HRSiO)-(R SiO)-SiR (3-b) …(2)
上記一般式(2)において、Rは炭素数1~6の脂肪族不飽和結合を含有しない1価炭化水素基である。bは0~3の整数、x,yはそれぞれ整数である。具体的に例示すると、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体が挙げられる。
次に本発明に用いることが可能な市販されている様々なタイプの硬化型シリコーン樹脂の具体例を挙げると、信越化学工業株式会社製として、KS-774、KS-775、KS-778、KS-779H、KS-847H、KS-856、X-62-2422、X-62-2461、X-62-1387、X-62-5039、X-62-5040、KNS-3051、X-62-1496、KNS320A、KNS316、X-62-1574A/B、X-62-7052、X-62-7028A/B、X-62-7619、X-62-7213、X-41-3035、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製として、YSR-3022、TPR-6700、TPR-6720、TPR-6721、TPR6500、TPR6501、UV9300、UV9425、XS56-A2775、XS56-A2982、UV9430、TPR6600、TPR6604、TPR6605、東レ・ダウコ-ニング株式会社製として、SRX357、SRX211、SD7220、SD7292、LTC750A、LTC760A、LTC303E、SP7259、BY24-468C、SP7248S、BY24-452、DKQ3-202、DKQ3-203、DKQ3-204、DKQ3-205、DKQ3-210、旭化成ワッカーシリコーン株式会社製のDEHESIVEシリーズのうち、DEHESIVE 636、919、920、921、924、929等が例示される。
本発明における離型層では、層表面の形状を整えかつ強固な層にするため、付加型の反応を促進する白金系触媒を用いることが好ましい。本成分としては、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とオレフィンとの錯体、塩化白金酸とアルケニルシロキサンとの錯体等の白金系化合物、白金黒、白金担持シリカ、白金担持活性炭が例示される。塗布層中の白金系触媒含有量は、0.3~3.0質量%、好ましくは0.5~2.0質量%の範囲が良い。塗布層中の白金系触媒含有量が0.3質量%よりも低い場合、剥離力の不具合や、塗布層での硬化反応が不十分になるため、面状悪化などの不具合を生じることあり、一方、塗布層中の白金系触媒含有量が3.0質量%を超える場合には、コストがかかる、また、反応性が高まり、ゲル異物が発生する等の工程不具合を生じることがある。
また、付加型の反応は非常に反応性が高いため、場合によっては、不可反応抑制剤として、アセチレンアルコールを添加することがある。その成分は炭素-炭素3重結合と水酸基を有する有機化合物であるが、好ましくは、3-メチル-1-ブチン-3-オール、3,5-ジメチル-1- ヘキシン-3-オールおよびフェニルブチノールからなる群から選択される化合物である。
離型層中には、加水分解・縮合反応促進を目的として、触媒を併用することが可能である。触媒の具体例としては、酢酸、酪酸、マレイン酸、クエン酸などの有機酸類、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸などの無機酸類、トリエチルアミンなどの塩基性化合物類、テトラブチルチタネート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジオレート、ジフェニル錫ジアセテート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチルビス(トリエトキシシロキシ)錫、ジブチル錫ベンジルマレート等などの有機金属塩類、KF、NHFなどのフッ素元素含有化合物などを挙げることができる。上記触媒は単独で使用しても良くあるいは2種類以上を併用しても良い。その中でも、特に塗膜耐久性が良好となる点で有機金属塩類が好ましい。
離型層の剥離性等を調整するため、各種剥離コントロール剤を併用してもよい。剥離力を重剥離化させる場合は、一般的にオルガノポリシロキサンレジンやシリカ粒子、重剥離力のシリコーン種等を所望の剥離力を得るために離型層に適当な含有量調整を行う。市販されている重剥離化剤の具体例を挙げると、信越化学工業株式会社製KS-3800、X-92-183、東レダウコーニング株式会社製SDY7292、BY24-843、BY24-4980が例示される。剥離力を軽剥離化させる場合は、低分子シロキサンを種々選択し、離型層に適当な含有量調整を行い、シロキサン移行成分が離型性能を発揮する様にする。低分子シロキサン化合物の例としては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。
また、前者低分子環状シロキサンの他の化合物としては、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマーや分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー等があり、必要に応じて前記化合物は混合して使用しても良い。これら低分子シロキサン化合物は、移行成分としてシリコーン樹脂中に通常0.1~15.0質量%、好ましくは0.1~10.0質量%、さらに好ましくは0.1~5質量%含有することで所望の軽剥離を達成することができる。0.1質量%よりも小さい値では、移行性成分が少ないがために離型性が発揮されなくなる場合があり、低分子シロキサンの含有量が、15.0質量%よりも大きい値では、移行性成分が過剰に析出するために、工程汚染を引き起こす場合がある。
また、離型層中には離型層と塗布層との密着性を良好とするために下記一般式(3)で表される有機珪素化合物を併用することが好ましい。
Si(X)(Y)(R …(3)
上記一般式(3)中、Xはエポキシ基、メルカプト基、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基、ハロアルキル基およびアミノ基から選ばれる少なくとも1種を有する有機基、Rは一価炭化水素基であり、かつ炭素数1~10のものであり、Yは加水分解性基であり、dは1または2の整数、eは2または3の整数、fは0または1の整数であり、d+e+f=4である。
上記一般式(3)で表される有機珪素化合物は、加水分解・縮合反応によりシロキサン結合を形成しうる加水分解性基Yを2個有するもの(D単位源)あるいは3個有するもの(T単位源)を使用することができる。
上記一般式(3)において、一価炭化水素基Rは、炭素数が1~10のもので、特にメチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
上記一般式(3)において、加水分解性基Yとしては、以下のものを例示できる。すなわち、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソプロペノキシ基、アセトキシ基、ブタノキシム基およびアミノ基等である。これらの加水分解性基は、単独あるいは複数種を使用してもよい。メトキシ基あるいはエトキシ基を適用すると、コーティング材に良好な保存安定性を付与でき、また適当な加水分解性があるため、特に好ましい。
離型層中に含有する有機珪素化合物の具体例として、ビニルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、5-ヘキセニルトリメトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等を例示することができる。
有機珪素化合物の含有量としては、硬化型シリコーン樹脂100質量部に対して0.5~5.0質量部であるのがよく、好ましくは0.5~2.0質量部である。当該範囲が0.5質量部未満の場合、所望する密着性を確保するのが困難な場合があり、一方、5.0質量部を越える場合、貼り合わせる相手方樹脂層に対する接着性が強すぎて、本来剥離する必要がある場面において、容易に剥離できない等の不具合を生じる場合がある。
離型層を形成する離型剤組成物には、必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、無機系有機系粒子、有機系潤滑剤、帯電防止剤、導電剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、発泡剤、染料、顔料等が含有されてもよい。
離型層の形成は、離型剤組成物をフィルムにコーティングすることにより設けられ、フィルム製膜工程内で行うインラインコーティングにより設けられても、また、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、いわゆるオフラインコーティングを採用してもよい。
フィルムの塗布層上に離型層を設ける方法として、リバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。
フィルムの塗布層上に離型層を形成する際の硬化条件に関しては特に限定されるわけではなく、オフラインコーティングにより離型層を設ける場合、通常、80℃以上で10秒以上、好ましくは100~200℃で3~40秒間、より好ましくは120~180℃で3~40秒間を目安として熱処理を行うのが良い。また、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。なお、活性エネルギー線照射による硬化のためのエネルギー源としては、公知の装置,エネルギー源を用いることができる。
離型層の塗工量(乾燥後)は塗工性の面から、通常、0.005~5g/m、好ましくは0.005~1g/m、さらに好ましくは0.005~0.1g/mの範囲である。
塗工量(乾燥後)が0.005g/m未満の場合、塗工性の面より安定性に欠け、均一な塗膜を得るのが困難になる場合がある。一方、5g/mを超えて厚塗りにする場合には離型層自体の塗膜密着性、硬化性等が低下する場合がある。なお、塗布量は、塗布した時間あたりの液質量(乾燥前)、塗工液不揮発分濃度、塗布幅、延伸倍率、ライン速度等から計算で求める。
前記帯電防止層は、電子導電性化合物を含有していればよい。
電子導電性有機化合物としては、例えばアンモニウム基含有化合物、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリイソチアナフテン、及びポリチオフェン等を挙げることができる。これらの中でポリチオフェン、すなわち、チオフェン若しくはチオフェン誘導体を単独又は共重合して得られる重合体などを挙げることができる。
また、帯電防止層は、電子導電性化合物のほかに、ポリアルキレンオキサイド、グリセリン、ポリグリセリン、及びグリセリン又はポリグリセリンへのアルキレンオキサイド付加物の群から選ばれる1種以上の化合物又はその誘導体を含有してもよい。
塗布により帯電防止層を形成する際、その塗布液には、例えば界面活性剤、その他のバインダー、粒子、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料等である。これらの添加剤は単独で用いてもよいし、また、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
また、塗布前にフィルムに化学処理やコロナ放電処理、プラズマ処理等を施してもよい。
前記ブロッキング防止層は、凹凸表面を有する層であり、凹凸表面は、微細な凹凸表面であってもよく、平坦部と隆起部とを有する表面であってもよい。
凹凸表面の形成方法は特に限定されないが、例えば、ブロッキング防止層を形成する樹脂組成物に粒子を含有させること、および/または、ブロッキング防止層を形成する樹脂組成物を相分離させることにより形成され得る。
樹脂組成物に用いられる樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂等が挙げられる。
樹脂組成物に含有される粒子としては、例えば、上述した粒子を用いることができる。
<離型フィルム>
本発明の積層フィルムの塗布層上に離型層が積層された離型フィルム(以下、本発明の離型フィルムとも称する。)の厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではない。中でも、機械的強度、ハンドリング性および生産性などの点から10~350μm、より好ましくは15~300μm、さらに好ましくは20~250μmの範囲である。
<離型フィルムの用途>
本発明の離型フィルムは、離型層とフィルムとの密着性・経時密着性が良好であり、かつ透明性に優れることから、例えば、各種粘着剤層の製造・保護用途や、液晶ディスプレイ(以下、LCDともいう)に用いられる偏光板、位相差板等のLCD構成部材製造用、有機エレクトロルミネッセンス( 以下、有機ELともいう) 構成部材製造用等の各種ディスプレイ構成部材製造用のほか、各種光学用途に好適な離型フィルムとして用いることができる。
<<語句の説明>>
本明細書において「X~Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。但し、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例で用いた測定法および評価方法を次のとおりである。
(1)ポリエステルの極限粘度
ポリエステルに非相溶な成分を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(質量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50)
株式会社島津製作所製の遠心沈降式粒度分布測定装置(SA-CP3型)を用いて測定し、等価球形分布における積算体積分率50%の粒径を平均粒径d50とした。
(3)塗布層の膜厚
積層フィルムの塗布層表面をRuOで染色し、エポキシ樹脂中に包埋した。その後、超薄切片法により作成した切片をRuOで染色し、離型層断面を透過型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製H-7650、加速電圧100kV)を用いて測定した。
(4)離型フィルムの作成
積層フィルムの塗布層上に下記離型剤組成物を、塗布量(乾燥後)が0.1g/mになるようリバースグラビアコート方式により塗設し、140℃ 、20秒間熱処理し、離型フィルムを得た。
<離型剤組成物>
付加型硬化シリコーン樹脂(KS-847H、信越化学工業株式会社製):20重量部
付加型白金触媒(CAT-PL-50T、信越化学工業株式会社製):0.2重量部
メチルエチルケトンとトルエンの混合溶媒(混合比率1:1):79.8重量部
(5)離型フィルムの経時塗膜密着性(実用特性代用評価)
(4)で作成した離型フィルムを下記条件1~3で調整した後、離型層表面を第2指の指腹部にて5回擦った後、離型層の脱落程度を下記判定基準により判定を行った。
<条件>
条件1:離型フィルム作成直後
条件2:離型フィルムを23℃×50%RH雰囲気下の恒温恒湿槽内に14日間放置後
条件3:離型フィルムを23℃×50%RH雰囲気下の恒温恒湿槽内に30日間放置後
<判定基準>
○(good):離型層の脱落が確認されなかった。
△(usual):擦った箇所がわずかに白くなり、離型層のわずかな脱落が起きたものの、実用上問題ない。
×(poor):擦った箇所が白くなり、容易に離型層の脱落が起きたため実用上問題ある。
(6)加熱処理によるフィルムヘーズ変化量
積層フィルムにおけるヘーズを測定する塗布層側とは反対側の面に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート80重量部、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート20重量部、光重合開始剤(商品名:OMNIRAD184(IGM RESINS社製))5重量部、メチルエチルケトン200重量部の混合塗液を乾燥膜厚が3μmになるように塗布し、紫外線を照射して硬化させハードコート層を形成した。ハードコート層を形成したフィルムのヘーズを、ヘーズメーター(株式会社村上色彩技術研究所製、「HM-150」)を使用し、JIS K 7136に準拠して塗布層側から測定した。
次いで積層フィルムのハードコート層側にケント紙を重ねて固定し、窒素雰囲気下で、150℃で90分間放置して熱処理を行った。熱処理後に積層フィルムからケント紙を外し、上記と同様の方法でフィルムのヘーズを塗布層側から測定した。熱処理後のヘーズと熱処理前のヘーズの差を計算し、フィルムヘーズ変化量とした。
フィルムヘーズ変化量が低いほど、高温処理によるフィルムからのオリゴマー析出量、ポリエステルフィルムの場合は主にエステル環状三量体の析出が少ないことを示し、良好である。
実施例および比較例において使用したポリエステルは、以下のとおりである。
<ポリエステル(A)>
極限粘度が0.63dl/gであるポリエチレンテレフタレートモノポリマー。
<ポリエステル(B)>
平均粒径2μmのシリカ粒子を0.2重量%含有する、極限粘度が0.65dl/gであるポリエチレンテレフタレートホモポリマー。
塗布層を構成する化合物例は以下のとおりである。
・金属元素を含む有機化合物:(A) チタンラクテート。
・エポキシ化合物:(BI)
エポキシ当量が141(g/eq)であるグリセロールポリグリシジルエーテル。
・エポキシ化合物(BII)
エポキシ当量が183(g/eq)であるグリセロールポリグリシジルエーテル。
・ポリビニルアルコール:(C)
ケン化度が88モル%で重合度が500のポリビニルアルコール。
・粒子:(D) 平均粒径65nmのシリカゾル。
実施例1:
ポリエステル(A)、(B)をそれぞれ90質量%、10質量%の割合で混合した混合原料を最外層(表層)の原料とし、ポリエステル(A)のみを中間層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層=1:8:1の吐出量)の層構成で共押出し冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、この縦延伸フィルムの片面に、下記表1に示す塗布液1を塗布し、テンターに導き、横方向に110℃で4.3倍延伸し、235℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、膜厚が0.06μmの塗布層を有する厚さ50μmの積層フィルムを得た。得られた積層フィルムについて、フィルムヘーズ変化量を評価した。評価結果を下記表2に示す。
得られた積層フィルムの塗布層上にシリコーン離型層を形成し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムについて、経時塗膜密着性を評価した。評価結果を下記表2に示す。
実施例2~16:
表1に示す塗布液組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、積層フィルムを得た。また、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
得られた積層フィルムと離型フィルムについて、フィルムヘーズ変化量、経時塗膜密着性を評価した。評価結果を下記表2に示す。
塗布液中にポリビニルアルコールを含有する塗布液9、10を用いた実施例12、13の積層フィルムは、フィルムヘーズ変化量が良好な結果となった。これはポリビニルアルコールを添加することでより緻密な塗布層が形成され、ポリエステルフィルム中のエステル環状三量体の析出を抑制できたことによると推測される。
比較例1:
塗布層を設けないこと以外は実施例1と同様にして製造し、フィルムを得た。でき上がったフィルムは表2に示すとおり、離型層との経時密着性が劣る結果であった。
比較例2、3:
表1に示す塗布液組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、積層フィルムを得た。また、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
得られた積層フィルムと離型フィルムは表2に示すとおり、離型層の密着性や経時密着性が劣る結果であった。
比較例2は金属元素を含む有機化合物単独の配合であり、緻密な塗布層が形成されると考えられたが、離型層の密着性および経時密着性に劣り、また特に優れたオリゴマー析出抑制効果を示すものではなかった。また、塗布層の表面形状も良好なものではなかった。
比較例3で得られた離型フィルムは離型層の経時密着性に劣る結果となった。これはエポキシ化合物単独の配合であるため、エポキシ化合物の開裂反応が十分に進まず、水酸基の生成も不十分であったため、離型層の経時密着性が劣る結果となったと推測される。
Figure 0007383903000001
Figure 0007383903000002
本発明の積層フィルムは、離型層との密着性・経時密着性が良好であり、かつ透明性に優れ、離型フィルムの基材として好適に用いることができ、特に各種粘着剤層の製造・保護用途や、各種光学用途に好適な離型フィルムの基材フィルムとして利用することができる。

Claims (4)

  1. フィルムの少なくとも片面に、塗布層を備える積層フィルムであり、当該塗布層が金属元素を含む有機化合物およびエポキシ化合物を含有する塗布液から形成されてなる層であり、前記塗布層を形成する塗布液中の全不揮発成分に対する割合として、金属元素を含む有機化合物が20質量%以上80質量%以下であり、前記金属元素を含む有機化合物がチタンキレート類であり、前記エポキシ化合物のエポキシ当量(g/eq)が150以下であることを特徴とする積層フィルム。
  2. 前記フィルムがポリエステルフィルムである請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記塗布液中にポリビニルアルコールを含有する請求項1又は2に記載の積層フィルム。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の積層フィルムの塗布層上に離型層が積層された離型フィルム。
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