JP2015007758A - 磁性キャリア、二成分系現像剤、補給用現像剤、及び画像形成方法 - Google Patents
磁性キャリア、二成分系現像剤、補給用現像剤、及び画像形成方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
前記樹脂充填型磁性コア粒子の表面に存在する樹脂被覆層、
を有する磁性キャリアであり、
前記磁性キャリアは、体積基準の50%粒径(D50)が30.0μm以上80.0μm以下であり、
前記磁性キャリアは、500V印加時の電流値が8.0乃至50.0μAであり、
前記磁性キャリアは、以下のように定義される領域R1と領域R2における、前記磁性キャリア部分における前記樹脂由来の組成の割合JR1と割合JR2とが、
1.20≦JR2/JR1≦2.00
の関係を満たすことを特徴とする磁性キャリアに関する。
前記磁性キャリアの断面画像において、最大長となる線分を引き、前記線分と平行であり、前記線分と2.5μm離れた2本の直線をA及びBを引く。前記線分と樹脂充填型磁性コア粒子表面との交点を通り、前記線分と直交する直線Cを引く。前記直線Cと平行であり、磁性キャリアの中心方向に向けて前記直線Cから5.0μm離れた直線Dを引く。前記直線AとBとで挟まれる領域における磁性キャリア表面の輪郭線と、前記直線A、B及びDとに囲まれた領域。
前記直線A、B、Dと、前記直線Dと平行であり、磁性キャリアの中心方向に向けて前記直線Dから5.0μm離れた直線Eとに囲まれた領域。
前記磁性キャリアが、上記構成の磁性キャリアであることを特徴とする二成分系現像剤に関する。
現像器内の二成分系現像剤のトナー濃度の低下に応じて、補給用現像剤が現像器に補給され、現像器内で過剰になった磁性キャリアが必要に応じて現像器から排出される画像形成方法に使用するための補給用現像剤であって、
前記補給用現像剤は、補給用磁性キャリアと結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナーとを含有し、前記補給用磁性キャリア1質量部に対するトナー量が2質量部以上50質量部以下であり、
前記補給用磁性キャリアは、上記構成の磁性キャリアであることを特徴とする補給用現像剤に関する。
現像器内の二成分系現像剤のトナー濃度の低下に応じて、補給用現像剤が現像器に補給され、現像器内で過剰になった磁性キャリアが必要に応じて現像器から排出される画像形成方法に使用するための補給用現像剤であって、
前記補給用現像剤は、補給用磁性キャリアと結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナーとを含有し、前記補給用磁性キャリア1質量部に対するトナー量が2質量部以上50質量部以下であり、
前記補給用磁性キャリアは、上記構成の磁性キャリアであることを特徴とする補給用現像剤に関する。
現像器内の二成分系現像剤のトナー濃度の低下に応じて、補給用現像剤が現像器に補給され、現像器内で過剰になった磁性キャリアが必要に応じて現像器から排出される画像形成方法であって、
前記補給用現像剤が、補給用磁性キャリアと結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナーとを含有し、前記補給用磁性キャリア1質量部に対するトナー量が2質量部以上50質量部以下であり、
前記補給用磁性キャリアが、上記構成の磁性キャリアであることを特徴とする画像形成方法に関する。
1.20≦JR2/JR1≦2.00
であることが特徴である。
本発明の多孔質磁性粒子は、以下のような工程で製造することができる。
(M12O)x(M2O)y(Fe2O3)z
(式中、M1は1価、M2は2価の金属であり、x+y+z=1.0とした時、x及びyは、それぞれ0≦(x,y)≦0.8であり、zは、0.2<z<1.0である。)
フェライトの原料を、秤量し、混合する。フェライト原料としては、例えば以下のものが挙げられる。Li、Fe、Mn、Mg、Sr、Cu、Zn、Caの金属粒子、酸化物、水酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩。混合する装置としては、例えば以下のものが挙げられる。配合する原料種として、水酸化物や炭酸塩を用いた方が、酸化物を用いた場合に比べて細孔容積は大きくなりやすい。ボールミル、遊星ミル、ジオットミル、振動ミル。特にボールミルが混合性の観点から好ましい。具体的には、ボールミル中に、秤量したフェライト原料、ボールを入れ、0.1時間以上20.0時間以下、粉砕・混合する。
粉砕・混合したフェライト原料を、加圧成型機等を用いてペレット化した後、仮焼成を行う。上述したように、仮焼成工程が、本発明の磁性キャリアを得るために重要であるため、上述した条件で行うことが大切である。例えば、焼成温度1050℃以上1100℃以下の範囲で、2.5時間以上5.0時間以下仮焼成し、原料をフェライトにする。この際、フェライト化反応が十分に進行するように、仕込み量は適宜調整する。また、雰囲気調整、特に窒素雰囲気下など酸素濃度を下げることで、フェライト化反応がより進行しやすい環境にすることが好ましい。焼成には、例えば以下の炉が用いられる。バーナー式焼成炉、ロータリー式焼成炉、電気炉などが挙げられる。
工程2で作製した仮焼フェライトを粉砕機で粉砕する。粉砕機としては、所望の粒径が得られれば特に限定されない。しかし、本件の仮焼成物は、従来の仮焼成物に対して、一部フェライト化反応を進行させた仮焼成物であるため、硬度が高くなっている。そのため、所望の粒径を得るためには、粉砕強度を強める必要がある。粉砕強度を強め、仮焼フェライトの微粉砕品の粒径を細かくし、粒径分布を制御することが重要である。
仮焼フェライトの微粉砕品に対し、分散剤、水、バインダーと、必要に応じて、孔調整剤を加えてもよい。孔調整剤としては、発泡剤や樹脂微粒子が挙げられる。バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコールが用いられる。工程3において、湿式で粉砕した場合は、フェライトスラリー中に含まれている水も考慮し、バインダーと必要に応じて孔調整剤を加えることが好ましい。
その後、酸素濃度の制御できる電気炉で、酸素濃度を制御した雰囲気下で、温度1000℃以上1300℃以下で1時間以上24時間以下焼成する。温度を制御することで、細孔容積を制御することができ、例えば、温度を高くすることで、細孔容積は小さくなる。なお、多孔質磁性コア粒子の細孔容積が、20mm3/g以上100mm3/g以下であることが好ましい。
焼成した粒子を解砕した後に、必要に応じて、磁力選鉱により低磁力品を分別する。風力分級や篩で篩分して粗大粒子や微粒子を除去してもよい。
必要に応じて、表面を低温加熱することで酸化被膜処理を施し、抵抗調整を行うことができる。酸化被膜処理は、一般的なロータリー式電気炉、バッチ式電気炉等を用い、例えば300℃以上700℃以下で熱処理を行うことができる。
多孔質磁性粒子の空孔に充填樹脂組成物を充填させる方法としては、充填樹脂を溶剤に希釈し、これを多孔質磁性コアの空孔に添加し、溶剤を除去する方法が採用できる。ここで用いられる溶剤は、充填樹脂を溶解できるものであればよい。有機溶剤として、トルエン、キシレン、セルソルブブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノールが挙げられる。多孔質磁性粒子の空孔に、樹脂を充填する方法としては、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、及び流動床の如き塗布方法により多孔質磁性粒子を樹脂溶液に含浸させ、その後、溶剤を揮発させる方法が挙げられる。
樹脂充填型磁性コア粒子の表面を被覆樹脂組成物で被覆する方法としては、特に限定されないが、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、乾式法、及び流動床の如き塗布方法により処理する方法が挙げられる。中でも、多孔質磁性コア粒子表面の特徴である凹凸を生かすためには、被覆層の薄い部分と厚い部分の割合を制御することができる浸漬法が、現像性を向上させる観点からより好ましい。なお、現像性が向上する理由は、以下のように考える。磁性コア粒子の凹凸形状により、被覆樹脂組成物層に薄膜部分と厚膜部分を両方兼ね備えさせることができるため、局所的に存在する薄膜部分が、電荷緩和効果として働くからである。
図3において、静電潜像担持体1は図中矢印方向に回転する。静電潜像担持体1は帯電手段である帯電器2により帯電され、帯電した静電潜像担持体1表面には、静電潜像形成手段である露光器3により露光させ、静電潜像を形成する。現像器4は、二成分系現像剤を収容する現像容器5を有し、現像剤担持体6は回転可能な状態で配置され、且つ、現像剤担持体6内部に磁界発生手段をしてマグネット7を内包している。マグネット7の少なくとも一つは潜像担持体に対して対向の位置になるように設置されている。二成分系現像剤は、マグネット7の磁界により現像剤担持体6上に保持され、規制部材8により、二成分系現像剤量が規制され、静電潜像担持体1と対向する現像部に搬送される。現像部においては、マグネット7の発生する磁界により磁気ブラシを形成する。その後、直流電界に交番電界を重畳してなる現像バイアスを印加することにより静電潜像はトナー像として可視像化される。静電潜像担持体1上に形成されたトナー像は、転写帯電器11によって記録媒体12に静電的に転写される。ここで、図4に示すように、静電潜像担持体1から中間転写体9に一旦転写し、その後、転写材(記録媒体)12へ静電的に転写してもよい。その後記録媒体12は、定着器13に搬送され、ここで加熱、加圧されることにより、記録媒体12上にトナーが定着される。その後、記録媒体12は、出力画像として装置外へ排出される。尚、転写工程後、静電潜像担持体1上に残留したトナーは、クリーナー15により除去される。その後、クリーナー15により清掃された静電潜像担持体1は、前露光16からの光照射により電気的に初期化され、上記画像形成動作が繰り返される。
磁性キャリア及びキャリアコアの比抵抗は、図5に概略される測定装置を用いて測定する。なお、磁性キャリアは電界強度2000(V/cm)、キャリアコアは電界強度300(V/cm)における比抵抗を測定する。
d=d2−d1(mm)
比抵抗(Ω・cm)=(印加電圧(V)/測定電流(A))×S(cm2)/d(cm)
電界強度(V/cm)=印加電圧(V)/d(cm)
粒度分布測定は、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)にて測定を行った。
SetZero時間 :10秒
測定時間 :10秒
測定回数 :1回
粒子屈折率 :1.81%
粒子形状 :非球形
測定上限 :1408μm
測定下限 :0.243μm
測定環境 :23℃、50%RH
多孔質磁性粒子の細孔径分布は、水銀圧入法により測定される。
測定条件
測定環境 20℃
測定セル 試料体積 5cm3、圧入体積 1.1cm3、用途 粉体用
測定範囲 2.0psia(13.8kPa)以上、59989.6psia(413.7kPa)以下
測定ステップ 80ステップ(細孔径を対数で取った時に、等間隔になるようにステップを刻む)
圧入パラメータ
排気圧力 50μmHg
排気時間 5.0min
水銀注入圧力 2.0psia(13.8kPa)
平衡時間 5secs
高圧パラメータ 平衡時間 5secs
水銀パラメータ 前進接触角 130.0degrees
後退接触角 130.0degrees
表面張力 485.0mN/m(485.0dynes/cm)
水銀密度 13.5335g/mL
(1)多孔質磁性コアを、約1.0g秤量し試料セルに入れる。
秤量値を入力する。
(2)低圧部で、2.0psia(13.8kPa)以上45.8psia(315.6kPa)以下の範囲を測定。
(3)高圧部で、45.9psia(316.3kPa)以上59989.6psia(413.6kPa)以下の範囲を測定。
(4)水銀注入圧力及び水銀注入量から、細孔径分布を算出する。
(2)、(3)、(4)は、装置付属のソフトウエアにて、自動で行った。
磁性キャリアを800g秤量し、温度20乃至26℃、湿度50乃至60%RHの環境に15分以上暴露した。その後図6に示すマグネットローラーとAl素管を電極とし、その間隔を4.5mmに配置した電流値測定装置を用いて印加電圧500Vにて測定した。
1.断面の切り出し
磁性キャリアの断面加工には、集束イオンビーム加工観察装置(FIB)、FB−2100(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いた。FIB用試料台(金属メッシュ)上にカーボンペーストを塗り、その上に磁性キャリアを1粒子ずつ独立して存在するように少量固着させ、導電膜として白金蒸着することで試料を作製した。試料をFIB装置にセットし、加速電圧40kV、Gaイオン源を用いて、粗加工し(ビーム電流39nA)、続いて仕上げ加工(ビーム電流7nA)を行い、試料であるキャリア断面を削り出した。
走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S4700(商品名))を用い、上記磁性キャリア断面サンプルの磁性成分及び樹脂成分の元素を、走査型電子顕微鏡に付属させた元素分析手段(エネルギー分散型X線分析装置 EDAX社製)を用いて解析した。
走査型電子顕微鏡を用い、上記磁性キャリア断面を2000倍に拡大して観察した。
(1)得られた断面画像において、最大長となる線分を引く。
(2)前記線分と平行であり、前記線分と2.5μm離れた2本の直線をA及びBを引く。
(3)前記線分と樹脂充填型磁性コア粒子表面との交点を通り、前記線分と直交する直線Cをひく。
(4)前記直線Cと平行であり、磁性キャリアの中心方向に向けて5.0μm離れた直線Dを引く。
(5)前記直線AとBとで挟まれる領域における磁性キャリア表面の輪郭線と、直線A、B及びDとに囲まれた領域を“R1”とした。また、前記直線A、B、Dと、前記直線Dと平行であり、磁性キャリアの中心方向に向けて前記直線Dから5.0μm離れた直線Eとに囲まれた領域を“R2”とした。
トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いた。実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れる。この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、分析/個数統計値(算術平均)画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
トナー中の個数基準の微粉量(個数%)は、以下のようにして算出する。
トナー中の体積基準の粗粉量(体積%)は、以下のようにして算出する。
工程1(秤量・混合工程)
Fe2O3 68.3質量%
MnCO3 28.5質量%
Mg(OH)2 2.0質量%
SrCO3 1.2質量%
上記フェライト原材料を秤量し、フェライト原料80質量部に水20質量部を加え、その後、直径(φ)10mmのジルコニアを用いてボールミルで3時間湿式混合しスラリーを調製した。スラリーの固形分濃度は、80質量%とした。
混合したスラリーをスプレードライヤー(大川原化工機社製)により乾燥した後、バッチ式電気炉で、窒素雰囲気下(酸素濃度1.0体積%)、温度1050℃で3.0時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
仮焼フェライトをクラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、水を加え、スラリーを調製した。スラリーの固形分濃度を70質量%とした。1/8インチのステンレスビーズを用いた湿式ボールミルで3時間粉砕し、スラリーを得た。さらにこのスラリーを直径1mmのジルコニアを用いた湿式ビーズミルで4時間粉砕し、体積基準の50%粒子径(D50)が1.3μm仮焼フェライトスラリーを得た。
上記仮焼フェライトスラリーに、100質量部に対し、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部、バインダーとしてポリビニルアルコール1.5質量部の割合で添加した後、スプレードライヤー(大川原化工機社製)で球状粒子に造粒、乾燥した。得られた造粒物に対して、粒度調整を行った後、ロータリー式電気炉を用いて700℃で2時間加熱し、分散剤やバインダー等の有機物を除去した。
窒素雰囲気下(酸素濃度1.0体積%)で、室温から焼成温度(1100℃)になるまでの時間を2時間とし、温度1100℃で4時間保持し、焼成した。その後、8時間をかけて温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
凝集した粒子を解砕した後に、目開き150μmの篩で篩分して粗大粒子を除去、風力分級を行い微粉を除去し、さらに磁力選鉱により低磁力分を除去して多孔質磁性粒子1を得た。得られた多孔質磁性粒子1は、多孔質状で孔を有していた。得られた多孔質磁性粒子1の工程毎の製造条件を表1、各物性値を表2に示す。
多孔質磁性粒子1の製造例のうち、工程毎の製造条件を表1に示すように変更する以外、同様にして多孔質磁性粒子2乃至18、及び磁性コア1を作製した。得られた多孔質磁性粒子2乃至18、及び磁性コア1の工程毎の製造条件を表1、各物性値を表2に示す。
工程1(充填工程)
多孔質磁性粒子1、100質量部を混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌機NDMV型)の撹拌容器内に入れ、60℃に温度を保ち、2.3kPaまで減圧しながら窒素を導入し、表3に示す樹脂溶液1を滴下した。滴下量は多孔質磁性粒子100質量部に対し、樹脂成分の固形分量として5.0質量部となるように調整した。
引き続き、減圧下(1.5kPa)、温度60℃で維持されている遊星運動型混合機(ホソカワミクロン社製のナウタミキサVN型)に、表3に示す樹脂溶液3を、多孔質磁性粒子100質量部に対して、樹脂成分の固形分として2.0質量部になるように投入した。投入の仕方として、1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間溶媒除去及び塗布操作を行った。次いで、さらに1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間溶媒除去及び塗布操作を行い、さらに1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間溶媒除去及び塗布操作を行った。
撹拌機として、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)に、多孔質磁性粒子14を100質量部と、溶媒を除去し、樹脂固形分のみを取り出し、さらに重量平均粒子径で50μmに粉砕された樹脂溶液2の樹脂固形分を2.9質量部投入した。予備混合工程として、撹拌部材の最外端周速が1m/secで2分間撹拌混合し、その後10m/secに調整しながら、15分間被覆処理し、磁性キャリア27を得た。得られた磁性キャリア27を、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口150μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)38.0μmの磁性キャリア27を得た。
・結着樹脂(ポリエステル樹脂;Tg58℃、酸価15mgKOH/g、水酸基価15mgKOH/g、ピーク分子量5800、数平均分子量3500、重量平均分子量95000) 100質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 4.5質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5質量部
・ノルマルパラフィンワックス(融点:78℃) 6.0質量部
上記の処方の材料を、ヘンシェルミキサー(FM−75J型、三井鉱山(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機(PCM−30型、池貝鉄鋼(株)製)にて10kg/hのFeed量で混練(吐出時の混練物温度は約150℃)した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗砕した後、機械式粉砕機(T−250:ターボ工業(株)製)にて15kg/hrのFeed量で微粉砕した。そして、重量平均粒径が5.5μmであり、粒径4.0μm以下の粒子を55.6個数%含有し、且つ粒径10.0μm以上の粒子を0.8体積%含有する粒子を得た。
・シアントナー粒子1 100質量部
・シリカ 3.5質量部
(ゾルゲル法で作製したシリカ微粒子にヘキサメチルジシラザン処理1.5質量%で表面処理した後、分級によって所望の粒度分布に調整した、一次粒子径110nmのもの。)
・酸化チタン 0.5質量部
(アナターゼ形の結晶性を有するメタチタン酸をオクチルシラン化合物で表面処理した、一次粒子径40nmのもの。)
91質量部の磁性キャリア1に対し、各色トナー1を9質量部加え、振とう機(YS−8D型:(株)ヤヨイ製)にて振とうし、各色の二成分系現像剤300gを調製した。振とう機の振幅条件は200rpm、2分間とした。
条件:
紙 レーザービームプリンター用紙CS−814(81.4g/m2)(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
画像形成速度 A4サイズ、フルカラーで80(枚/min)で出力できるように改造した。
現像条件 現像コントラストを任意値で調整可能にし、本体による自動補正が作動しないように改造した。
図7の(A)、(B)及び(C)を参照して白抜け評価について説明する。N/L環境下で、初期、及び連続通紙2000枚直後、図7の(A)のように、転写紙の搬送方向に対して、ハーフトーン横帯(30H 幅10mm)とベタ黒横帯(FFH 幅10mm)を交互に並べたチャートを出力する。図7の(B)は、そのトナー画像を転写した後の転写紙3aの断面図を示しており、3bはトナー、3cは白抜け部分を示す。図7の(C)は、その二値化画像の搬送方向におけるあるラインの輝度分布(256階調)である。そのラインの輝度分布において、ハーフトーン領域でのトナーののり量が少なくなる点を3d、白抜けによりトナーが最ものっていない点を3e、白抜けのないハーフトーン領域での輝度の延長線とハーフトーン領域とベタ黒領域との変更点との交点を3fとしたとき、点3d、3e、3fで囲まれる斜線部分を白抜け部分の輝度の領域として、その斜線部分の面積(輝度数の和)をもって、白抜け度とし、以下の基準に基づき評価した。評価はシアン単色で行った。
A:20未満
B:20以上30未満
C:30以上40未満
D:40以上50未満
E:50以上
H/H環境下で、初期、及び耐久画像出力評価(5万枚)を行った後、ハーフトーン画像(30H)をA4で1枚印刷した。画像はデジタルマイクロスコープVHX−500(レンズワイドレンジズームレンズVH−Z100 キーエンス社製)を用い、ドット1000個の面積を測定した。ドット面積の個数平均(S)とドット面積の標準偏差(σ)を算出し、ドット再現性指数を下記式により算出した。そして、ハーフトーン画像のガサツキをドット再現性指数(I)で評価した。
ドット再現性指数(I)=(σ/S)×100
A:Iが3.0未満
B:Iが3.0以上5.0未満
C:Iが5.0以上6.5未満
D:Iが6.5以上8.0未満
E:Iが8.0以上
耐久後現像性の評価は、N/L環境下、初期Vppを1.3kVに固定し、シアン単色ベタ画像の濃度が1.50(反射濃度)になるときのコンストラスト電位を設定した。
A:初期との差が、40V未満
B:初期との差が、40V以上60V未満
C:初期との差が、60V以上80V未満
D:初期との差が、80V以上100V未満
E:初期との差が、100V以上
N/L環境下耐久画像出力評価を行った後、キャリア付着を評価した。00H画像、及びFFH画像を出力し、画像出力途中で電源を切り、クリーニングされる前の静電潜像担持体上を透明な粘着テープを密着させてサンプリングした。そして、3cm×3cm中の静電荷潜像担持体上に付着していた磁性キャリア粒子の個数をカウントし、1cm2当りの付着キャリア粒子の個数を算出し、以下の基準により評価した。評価はシアン単色で行った。
A:2個以下
B:3個以上4個以下
C:5個以上6個以下
D:7個以上8個以下
E:9個以上
初期設定で、各パターンを以下に示す濃度に設定した画像を、N/L環境下で、2000枚通紙直後に、出力し、初期と2000枚通紙直後の階調性のズレを確認した。画像はX−Riteカラー反射濃度計(Color reflection densitometer X−Rite 404A)によりそれぞれの画像濃度を測定することにより判断した。評価はシアン単色で行った。
パターン1:0.10乃至0.13
パターン2:0.25乃至0.28
パターン3:0.45乃至0.48
パターン4:0.65乃至0.68
パターン5:0.85乃至0.88
パターン6:1.05乃至1.08
パターン7:1.25乃至1.28
パターン8:1.45乃至1.48
A:すべてのパターン画像が上記の濃度範囲を満足する。
B:一つのパターン画像が上記の濃度範囲をはずれる。
C:二つのパターン画像が上記の濃度範囲をはずれる。
D:三つのパターン画像が上記の濃度範囲をはずれる。
E:四つ以上のパターン画像が上記の濃度範囲をはずれる。
イエローとマゼンタの混色である、レッドの色味変動を評価した。
色味変動差はa*、b*をSpectroScan Transmission(GretagMacbeth社製)を用いて測定することによって求められる。以下に具体的な測定条件の一例を示す。
観測光源:D50
観測視野:2°
濃度:DIN NB
白色基準:Pap
フィルター:なし
ΔC={(HH環境の画像のa*−NL環境の画像のa*)2+(HH環境の画像のb*−NL環境の画像のb*)2}1/2
A:0≦ΔC<2.0
B:2.0≦ΔC<3.5
C:3.5≦ΔC<5.0
D:5.0≦ΔC<6.5
E:6.5≦ΔC
N/L環境下、50000枚耐久において、1000枚毎にA4フルサイズのFFH画像を出力し、白すじや、斑点等、キャリア飛散によって発生する、複写機部材への傷の発生状況を評価した。
A:50000枚耐久後も、画像不良は発生しない。
B:40000枚以上で、画像不良が発生する。
C:30000枚以上で、画像不良が発生する。
D:20000枚以上で、画像不良が発生する。
E:20000枚未満で、画像不良が発生する。
上記評価項目(1)乃至(7)における評価ランクを数値化し(A=5、B=4、C=3、D=2、E=0)、合計値を以下の基準により判定を行った。
A:46以上50以下
B:39以上45以下
C:30以上38以下
D:20以上29以下
E:19以下
実施例1と同様に、磁性キャリア2〜30を使用する以外は実施例1と同様にして、二成分系現像剤及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表9、10に示す。
Claims (10)
- 多孔質磁性粒子と、前記多孔質磁性粒子の空孔に存在する樹脂とを有する樹脂充填型磁性コア粒子、及び
前記樹脂充填型磁性コア粒子の表面に存在する樹脂被覆層、
を有する磁性キャリアであって、
前記磁性キャリアは、体積基準の50%粒径(D50)が30.0μm以上80.0μm以下であり、
前記磁性キャリアは、500V印加時の電流値が8.0乃至50.0μAであり、
前記磁性キャリアは、以下のように定義される領域R1と領域R2における、前記磁性キャリア部分における前記樹脂由来の組成の割合JR1と割合JR2とが、
1.20≦JR2/JR1≦2.00
の関係を満たすことを特徴とする磁性キャリア。
領域R1の定義:
前記磁性キャリアの断面画像において、最大長となる線分を引き、前記線分と平行であり、前記線分と2.5μm離れた2本の直線をA及びBを引く。前記線分と樹脂充填型磁性コア粒子表面との交点を通り、前記線分と直交する直線Cを引く。前記直線Cと平行であり、磁性キャリアの中心方向に向けて前記直線Cから5.0μm離れた直線Dを引く。前記直線AとBとで挟まれる領域における磁性キャリア表面の輪郭線と、前記直線A、B及びDとに囲まれた領域。
領域R2の定義:
前記直線A、B、Dと、前記直線Dと平行であり、磁性キャリアの中心方向に向けて前記直線Dから5.0μm離れた直線Eとに囲まれた領域。 - 前記多孔質磁性粒子の細孔径分布に関し、0.1μm以上3.0μm以下の範囲における微分細孔容積が最大となるピーク細孔径が、0.40μm以上1.00μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁性キャリア。
- 前記多孔質磁性粒子の細孔径分布に関し、0.1μm以上3.0μm以下の範囲における微分細孔容積の積分値である細孔容積が、20mm3/g以上100mm3/g以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁性キャリア。
- 前記磁性キャリアが有する樹脂の総量が、前記多孔質磁性粒子100質量部に対して、3.0質量部以上9.0質量部以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の磁性キャリア。
- 前記磁性キャリアは、電界強度2000V/cmにおける比抵抗が、1.0×107Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁性キャリア。
- 前記多孔質磁性粒子は、電界強度300V/cmにおける比抵抗が、1.0×107Ω・cm以上1.0×109Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の磁性キャリア。
- 結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナーと、磁性キャリアとを含有する二成分系現像剤であって、
前記磁性キャリアが、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の磁性キャリアであることを特徴とする二成分系現像剤。 - 静電潜像担持体を帯電する帯電工程、静電潜像担持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、該静電潜像を現像器内の二成分系現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像工程、該トナー像を中間転写体を介して又は介さずに、転写材に転写する転写工程、転写されたトナー像を転写材に定着する定着工程を有する画像形成方法であって、
前記二成分系現像剤として、請求項7に記載の二成分系現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。 - 静電潜像担持体を帯電する帯電工程、静電潜像担持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、該静電潜像を現像器内の二成分系現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像工程、該トナー像を中間転写体を介して又は介さずに、転写材に転写する転写工程、転写されたトナー像を転写材に定着する定着工程を有し、
現像器内の二成分系現像剤のトナー濃度の低下に応じて、補給用現像剤が現像器に補給され、現像器内で過剰になった磁性キャリアが必要に応じて現像器から排出される画像形成方法であって、
前記補給用現像剤が、補給用磁性キャリアと結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナーとを含有し、前記補給用磁性キャリア1質量部に対するトナー量が2質量部以上50質量部以下であり、
前記補給用磁性キャリアが、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の磁性キャリアであることを特徴とする画像形成方法。 - 静電潜像担持体を帯電する帯電工程、静電潜像担持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、該静電潜像を現像器内の二成分系現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像工程、該トナー像を中間転写体を介して又は介さずに、転写材に転写する転写工程、転写されたトナー像を転写材に定着する定着工程を有し、
現像器内の二成分系現像剤のトナー濃度の低下に応じて、補給用現像剤が現像器に補給され、現像器内で過剰になった磁性キャリアが必要に応じて現像器から排出される画像形成方法に使用するための補給用現像剤であって、
前記補給用現像剤は、補給用磁性キャリアと結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナーとを含有し、前記補給用磁性キャリア1質量部に対するトナー量が2質量部以上50質量部以下であり、
前記補給用磁性キャリアは、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の磁性キャリアであることを特徴とする補給用現像剤。
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