JP2015090443A - 画像形成方法 - Google Patents

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裕斗 小野▲崎▼
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Hagumu Iida
育 飯田
浩範 皆川
Hironori Minagawa
皆川  浩範
菅原 庸好
Nobuyoshi Sugawara
庸好 菅原
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稔 吉福
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Abstract

【課題】高精細な画像を安定して形成できる画像形成方法を提供する。【解決手段】規制ブレード部材9よりも現像剤担持体8の回転方向上流側で、規制ブレード部材及び現像剤担持体に対向して設けられ、現像室内の現像剤が現像剤担持体に供給される際に、現像剤が重力方向上方から現像剤担持体へ供給されるようにガイドするガイド部材7を現像室内に有する現像装置1を用いる画像形成方法であって、多孔質磁性粒子を用いたキャリアもしくは磁性体分散型樹脂粒子を有するキャリアと、トナーとを含有する現像剤を用いる画像形成方法に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真法を用いて静電荷像を顕像化するための画像形成方法に使用される磁性キャリア、二成分系現像剤、補給用現像剤、及びそれを用いた画像形成方法に関するものである。
従来、電子写真方式を用いた画像形成装置では、像担持体として一般的にドラム状とされている感光体の表面を帯電器により一様に帯電させ、帯電した感光体を露光装置によって画像情報に応じて露光し、感光体上に静電潜像を形成する。感光体に形成された静電潜像は、現像装置を用いて現像剤中のトナーによってトナー像を顕像化している。現像装置としては、現像剤として非磁性トナー粒子(トナー)と磁性キャリア粒子(キャリア)とを備えた二成分現像剤を使用するものがある。特に、カラー画像形成装置においては、トナーに磁性体を含ませなくてもよいため、色味が良好であるなどの理由から広く用いられている。
このような現像装置では、一般的に現像スリーブの外周面に対して所定のギャップを介して対向するようにして層厚規制部材である規制ブレードが配置されていることが多い。図1において、現像スリーブに担持された現像剤は、現像領域に搬送される際に、現像スリーブ8と規制ブレード9の間のギャップを通過する過程で現像領域に搬送される現像剤量が規制され、安定した量が供給されるように調整されている。
ところが、規制ブレードによって現像スリーブ表面に担持している現像剤の層厚規制を行う現像装置においては、以下のような問題が生じることがある。図5は、従来から知られている二成分現像剤を用いた場合の規制ブレード位置の上流における二成分現像剤の状態を模式的に表した断面概略図である。現像スリーブに内蔵されたマグネットによって、現像剤が担持、搬送され、静電像を現像する。このような現像装置では、規制ブレードで現像剤の流れがせき止められる部分と、現像スリーブの回転速度に追従して、ほぼ同等の速度で現像剤が搬送される部分とに分けられ、その境界部でせん断面が生じる。せん断面上部の現像剤Aは現像スリーブの回転に伴う周方向の力で規制ブレードに押しつけられることで、現像剤がパッキング状態になり滞留し続ける場合がある。せん断面上部の現像剤が長期間滞留した場合、その境界面において現像剤移動層が現像剤不動層と摺擦されることとなる。その結果、摺擦によって二成分現像剤の場合はトナーがキャリアから離脱し、さらに摺擦による摩擦熱によって境界面上で上記離脱トナー同士が固着気味となりトナー層を形成する。このようなトナー層は、耐久により成長し規制ブレード9と現像スリーブ8のギャップを阻害し、ギャップを通過する現像剤量が低下する(以下この現象を『コート不良』と呼ぶ)。これにより、現像領域に搬送される現像剤量が変動し、濃度低下や長手濃度ムラといった問題が発生していた。
そこで、特許文献1においては、現像剤不動層の形成を防止するために規制ブレードの直上流に現像スリーブと常に一定な間隔を持って定常的に回転する円柱形状のトナー搬送部材を設けることを提案している。
しかしながら、特許文献1においては、現像剤不動層の発生を防止可能としているが、トナー搬送部材を支持する軸受けや駆動手段が必要となり、構成の複雑化、コスト高は避けられない。しかも、トナー搬送部材は、現像剤担持体と向き合う位置で反対方向に駆動するので、現像剤に強いストレスを与えることになり、現像剤の早期劣化が懸念される。
また、二成分現像方式は、磁性キャリアに対して現像剤の撹拌、搬送、帯電などの機能を付与できるため、トナーとの機能分担が明確であり、このため現像剤性能の制御性が良いなどの利点がある。
一方、近年、電子写真分野の技術進化により、装置の高速化、高寿命化はもとより高精細化、画像品位の安定化を有することがますます厳しく要求されてきている。このような要求に応えるため、磁性キャリアの高性能化が求められている。
その中の1つに、長期使用においても濃度変動や、フルカラーの場合は色味変動を低減する提案がなされている(特許文献2、3、4参照)。これにより、上記課題は、改善の方向に向かうが、近年のように高速複写が求められる中では、磁性キャリア粒子の比重が重く、トナーに負荷がかかるため、現像剤の寿命が短くなり、高画質化、環境変化に対する追従性にはさらなる改善が求められた。
このような中で、磁性コア内部に空隙を有し、比重を小さくした、多孔質磁性コアを用いた提案がなされている(特許文献5、6参照)。これらの磁性キャリアにより、現像剤の寿命は改善された。
しかし、近年、オフィスのネットワーク化が進むとともに、eメンテナンスを始めとする複写機のサービス体制が充実し、メンテナンスフリーへシフトしている。そこで、メンテナンスフリー化に向け、磁性キャリアの更なる長寿命化が課題であり、この課題を満足する磁性キャリア、二成分系現像剤、及びそれを用いた画像形成方法の開発が急務となった。
特開平5−035067号公報 特開平4−93954号公報 特開2005−250373号公報 特開2009−3026号公報 特開2012−173315号公報 特開2006−337579号公報
本発明の目的は、上記の問題点を解決した画像形成方法を提供するものである。
具体的には、高精細な画像を安定して形成できる画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明は、静電潜像担持体を帯電手段により帯電する帯電工程、
帯電された前記静電潜像担持体を露光して静電潜像を形成する露光工程、
現像装置を用いて、トナーと磁性キャリアとを含む現像剤により前記静電潜像を現像し、トナー像を形成する現像工程、
前記トナー像を、中間転写体を介して又は介さずに転写材に転写する転写工程、及び転写されたトナー像を転写材に定着する定着工程、
を有する画像形成方法であって、
前記現像装置は、
i)前記現像剤を担持するためのスリーブ状の現像剤担持体、
ii)前記現像剤担持体の内側に設けられ、前記現像剤担持体の回転方向に複数の磁極を備えたマグネット、
iii)前記現像剤を収容し、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給するための現像室、
iv)前記現像剤担持体にコートされる現像剤量を規制するための非磁性の規制ブレード部材、及び
v)前記現像室内において、前記規制ブレード部材よりも前記現像剤担持体の回転方向上流側で、前記規制ブレード部材及び前記現像剤担持体に対向して設けられ、前記現像室内の前記現像剤が前記現像剤担持体に供給される際に、前記現像剤が重力方向上方から前記現像剤担持体へ供給されるようにガイドするガイド部材を有し、
前記ガイド部材によって前記現像剤担持体に現像剤が供給される位置のうち現像剤担持体の回転方向の最も上流の位置から前記規制ブレード部材までの前記現像剤担持体の回転方向に関する距離が2mm以上であり、
前記現像剤担持体の表面における前記現像剤担持体の法線方向の磁気力をFrとしたとき、前記ガイド部材によって前記現像剤担持体に現像剤が供給される位置のうち現像剤担持体の回転方向の最も上流側の位置から前記規制ブレード部材までの前記磁気力Frを積分した積分値(FrAll)に対する、前記現像剤担持体の回転方向に関して前記ブレード部材から前記ブレード部材よりも2mm上流側の位置までの前記磁気力Frを積分した積分値(FrNear)が、60%以上となるように前記複数の磁極が設けられており、
前記磁性キャリアは、
i)多孔質磁性粒子を用いたキャリアもしくは磁性体分散型樹脂粒子を有するキャリアであり、
ii)安息角が23°以上35°以下である、
ことを特徴とする画像形成方法に関する。
本発明によれば、高精細な画像を安定して得ることができるようになる。
現像装置を説明する図。 本発明の画像形成方法が適用される画像形成装置の一例を説明する図。 現像室と攪拌室を説明する図。 現像装置の他の一例を説明する図。 従来の現像装置の規制ブレード上流の現像剤状態を説明する図。 安息角の測定方法を説明する概略図。 規制ブレード近傍の現像剤状態を説明する断面図。 現像スリーブ表面上の磁束密度Br及びBθの分布を示す図。 現像スリーブ表面上の磁気吸引力Frの分布を示す図。 実施例で定義するBr、Bθ、Fr、Fθを示す図。 比抵抗測定方法を説明する概略図。
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成要素の寸法、材質及び形状、その他の相対配置、数値等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[画像形成装置]
図1は、図2に示されるようなフルカラー画像形成装置における、Y、M、C、Kの各ステーションにおける静電潜像担持体(像担持体、感光ドラム)10と現像装置1との位置関係を示したものである。Y、M、C、Kの各ステーションはほぼ同様の構成であり、フルカラー画像において、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像を形成する。以下の説明において、例えば現像装置1とあれば、Y、M、C、K各ステーションにおける現像装置1Y、現像装置1M、現像装置1C、現像装置1Kを共通して指すものとする。
まず、図2により、画像形成装置全体の動作を説明する。像担持体である感光ドラム10は回動自在に設けられており、その感光ドラム10を一次帯電器21で一様に帯電し、例えばレーザーのような発光素子22によって情報信号に応じて変調された光で露光して潜像を形成する。その潜像は現像装置1により、後述のような過程で現像像(トナー像)として可視像化される。そのトナー像を、第1転写帯電器23によって、転写材搬送シート24によって搬送されてきた記録材である転写紙27上にステーションごとに転写し、その後、定着装置25によって定着して永久画像を得る。又、感光ドラム10上の転写残トナーはクリーニング装置26により除去する。又、画像形成で消費された現像剤中のトナーはトナー補給槽20から補給される。又、ここでは、感光ドラム10M、10C、10Y、10Kから転写材搬送シート24に搬送された記録材である転写紙27に直接転写する方法をとったが、これに限らない。転写紙搬送シート24の代わりに中間転写体を設け、各色の感光ドラム10M、10C、10Y、10Kから中間転写体に各色のトナー像を一次転写した後、転写紙に各色の複合トナー像を一括して二次転写する構成の画像形成装置にも、本発明は適用できる。
[現像装置の説明]
次に、現像装置1を詳しく説明する。図1は、現像装置の断面図である。
現像装置1は、
i)前記現像剤を担持するためのスリーブ状の現像剤担持体、
ii)前記現像剤担持体の内側に設けられ、前記現像剤担持体の回転方向に複数の磁極を備えたマグネット、
iii)前記現像剤を収容し、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給するための現像室、
iv)前記現像剤担持体にコートされる現像剤量を規制するための非磁性の規制ブレード部材、及び
v)前記現像室内において、前記規制ブレード部材よりも前記現像剤担持体の回転方向上流側で、前記規制ブレード部材及び前記現像剤担持体に対向して設けられ、前記現像室内の前記現像剤が前記現像剤担持体に供給される際に、前記現像剤が重力方向上方から前記現像剤担持体へ供給されるようにガイドするガイド部材を有する。
より詳細に以下に説明する。
現像装置は、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が収容された現像容器2内に、スリーブ状の現像剤担持体としての現像スリーブ8を備える。現像スリーブ8には、現像剤規制部材(規制ブレード部材)としての規制ブレード9が対向して設けられ、規制ブレード9によって現像スリーブ8表面に担持された現像剤の層厚が所定量となるように規制されている。
そして、現像容器2内の略中央部は紙面に垂直方向に延在する隔壁7によって現像室3と攪拌室4に上下に区画されており、現像剤は現像室3及び攪拌室4に収容されている。現像室3及び攪拌室4には現像剤Tを攪拌・搬送する搬送部材としての第1及び第2の搬送スクリュー5、6がそれぞれ配置されている。図3は、現像装置1における現像室と攪拌室を説明するための現像装置1の長手方向断面図である。第1の搬送スクリュー5は、現像室3内の底部に現像スリーブ8の軸方向(現像幅方向)に沿ってほぼ平行に配置されている。強磁性体で構成される回転軸の周りに非磁性材料で構成された羽根部材をスパイラル状に設けたスクリュー構造とされ、回転して現像室3内の現像剤Tを現像室3の底部にて現像スリーブ8の軸線方向に沿って搬送する。
又、第2の搬送スクリュー6も第1の搬送スクリュー5と同様に回転軸の周りに羽根部材を第1の搬送スクリュー5とは逆向きにしてスパイラル状に設けたスクリュー構造となっている。第2の搬送スクリュー6は、攪拌室4内の底部に第1の搬送スクリュー5とほぼ平行に配設され、第1の搬送スクリュー5と同方向に回転して攪拌室4内の現像剤Tを第1の搬送スクリュー5と反対方向に搬送する。
このような第1及び第2の搬送スクリュー5、6の回転によって、現像剤Tが現像室3と攪拌室4との間で循環する。現像装置1では、現像室3と攪拌室4とが鉛直方向上下に配置されており、現像室3から攪拌室4への現像剤は上から下へ、又、攪拌室4から現像室3への現像剤は下から上へ動く。特に、攪拌室4から現像室3へは、端部に溜まった現像剤の圧力により下から上へと押し上げられるようにして現像剤が受け渡される。
更に、上記現像容器2の感光ドラム10に対向した現像領域に相当する位置には開口部があり、この開口部に現像剤担持体としての現像スリーブ8が感光ドラム10側に一部露出するように回転可能に配設されている。
ここで、現像スリーブ8の直径は20mm、感光体ドラム100の直径は80mm、又、この現像スリーブ8と感光体ドラム10との最近接領域を約300μmの距離としている。現像スリーブ8によって現像部に搬送した現像剤を感光体ドラム10と接触させた状態で、現像が行なえるように設定されている。なお、この現像スリーブ8はアルミニウムやステンレスのような非磁性材料で構成され、その内側には磁界発生手段であるマグネットローラ8’が固定設置されている。
また現像スリーブ8の表面にはブラスト処理が施されており、表面の凹凸形状と現像剤が物理的に引っ掛かることにより現像スリーブ回転に伴って周方向に強い搬送力を有する。
而して、現像スリーブ8は、前記規制ブレード9による磁気ブラシの穂切りによって層厚を規制された二成分現像剤を担持して、現像時に図示矢印方向(反時計方向)に回転する。こうして感光体ドラム10と対向した現像領域に現像剤を搬送し、感光体ドラム10上に形成された静電潜像に現像剤を供給して潜像を現像する。
現像スリーブ9の内部に設けられたマグネットローラ8’は、現像極S2と現像剤を搬送する複数の磁極(S1、N1、N2、N3)を有している。このうちN3極とN1極は、互いに同極で隣り合って設置されており、磁極間に反発磁界が形成され、攪拌室4にて現像剤Tを離すように構成されている。
なお、図1のマグネット内の半径方向の線は、N1、N2、N3、S1、S2極のそれぞれ磁束密度のピーク位置を示している。
現像スリーブ8には電源から直流電圧と交流電圧を重畳した現像バイアス電圧が印加され、現像効率、つまり、潜像へのトナーの付与率を向上させている。本実施例では、−500Vの直流電圧と、ピーク・ツウ・ピーク電圧Vppが800V、周波数fが12kHzの交流電圧とした。しかし、直流電圧値、交流電圧波形はこれに限られるものではない。また、一般に、二成分磁気ブラシ現像法においては、交流電圧を印加すると現像効率が増して画像は高品位になるが、逆にかぶりが発生し易くなる。このため、現像スリーブ8に印加する直流電圧と感光体ドラム10の帯電電位(即ち白地部電位)との間に電位差を設けることにより、かぶりを防止している。
現像領域に於いては、現像装置1の現像スリーブ8は、共に感光体ドラム10の移動方向と順方向で移動し、周速比は、対感光体ドラム1.75倍で移動している。この周速比に関しては、0.5〜2.5倍の間で設定され、好ましくは、1.0〜2.0倍の間に設定されればよい。移動速度比は、大きくなればなるほど現像効率はアップするが、あまり大きすぎると、トナー飛散、現像剤劣化等の問題点が発生するので、上記の範囲内で設定することが好ましい。
また、前記穂切り部材である規制ブレード部材9は、現像スリーブ8の長手方向軸線に沿って延在した板状のアルミニウムなどで形成された非磁性部材で構成され、感光体ドラム10よりも現像スリーブ回転方向上流側に配設されている。規制ブレード部材9を非磁性部材とすることで磁性粒子であるキャリアがブレード表面で磁気的に拘束されてしまうことを防止し、不動層が形成されないようになっている。図1において現像スリーブ8の中心を通る水平面で、感光ドラム10の対向面側を0°と設定し、時計回りに100°の位置に規制ブレード部材9は配置している。以降、マグネット配置及び規制ブレード9等の現像スリーブ8の周方向位置については、上記基準で説明する。
そして、この規制ブレード部材9の先端部と現像スリーブ8との間を現像剤のトナーとキャリアの両方が通過して現像領域へと送られる。尚、規制ブレード部材9の現像スリーブ8の表面との間隙(ギャップ)を調整することによって、現像スリーブ8上に担持した現像剤磁気ブラシの穂切り量が規制されて現像領域へ搬送される現像剤量が調整される。規制ブレード部材9によって、現像スリーブ8上の単位面積当りの現像剤コート量を30mg/cmに規制している。
次に、本発明の特徴的な部分である規制ブレード上流側の現像剤の動きに関わるガイド部材(搬送ガイド)の構成について説明する。
[ガイド部材(搬送ガイド)]
図1が示すように、ガイド部材は、規制ブレード部材9よりも前記現像剤担持体(現像スリーブ)の回転方向上流側で、規制ブレード部材9及び該現像剤担持体に対向して設けられている。そして、搬送ガイド部材は、前記現像室内の前記現像剤が前記現像剤担持体に供給される際には、前記現像剤が重力方向上方から前記現像剤担持体へ供給されるようにガイドする。
図1においては、規制ブレード部材9近傍まで延長した形状を有する隔壁部材7の規制ブレード部材側の端部が、ガイド部材となっている。ガイド面11(規制ブレード部材9に対向する面)は、第一の搬送スクリュー5の駆動によって規制ブレード部材9と搬送ガイドの間隙から現像剤を適正に供給するためのガイド機能を有する。更に、搬送ガイドは、現像スリーブの周方向に対向配置することで、現像室3から現像スリーブ8に対する現像剤の供給開始位置P1を規制する規制部として機能している。供給開始位置P1とは、ガイド部材によって前記現像剤担持体に現像剤が供給される位置のうち現像剤担持体の回転方向の最も上流側の位置のことであり、ガイド面を延長した線と現像スリーブ8との交点である。搬送ガイドのガイド面の角度は、現像スリーブ8の表面の法線方向に設定している。また搬送ガイドの現像スリーブ最近接距離は1mm、また搬送ガイドの最近接位置P1は、現像スリーブ周方向位置130°位置になるよう設定している。また隔壁部材7の現像スリーブ最近接位置で、且つ現像スリーブ回転方向上流側の位置P3は、本実施例においては、現像スリーブ周方向位置で150°位置になるよう構成している。
次に現像剤の流れについて、図7を用いて説明する。まず搬送ガイドの現像スリーブ8への最近接位置P3は、N1極とN3極の同極によって形成される斥力領域の下流であって、現像剤は斥力により現像スリーブ8から離れる方向に力を受けるために斥力領域ではぎとられる。したがって、現像スリーブ8と隔壁部材7のギャップを通って、規制ブレード9への現像剤供給は為されない。すなわち規制ブレード9への現像剤の供給は、第一の搬送スクリュー5から搬送ガイドを乗り越えた経路を通ることになり、乗り越えた現像剤Tは、規制ブレード9と搬送ガイドの間に貯蔵される。そのため、搬送ガイドの頂点位置P4を規制ブレード9の下点位置P2に比べて水平方向に対して仰角30°になるように設定している。すなわち、搬送ガイドの頂点は、規制ブレード9と現像スリーブの最近接位置に対して、水平方向上側に位置する。この理由は、該領域に現像剤を安定にコートできうる量に貯蔵するためである。
また、搬送ガイドのガイド面11の長さDは11mmである。また、搬送ガイドは現像室と攪拌室を区画した隔壁部材7と一体に構成されており、現像容器と同じ材質を用いている。
現像剤供給開始位置P1から前記規制ブレード部材までの前記現像剤担持体の回転方向に関する距離(現像スリーブ周方向距離)は、2mm以上であることが好ましく、特に好ましくは、2mm以上8mm以下である。
これは、規制ブレード9から搬送ガイドまでの間隔が2mm未満だと、現像剤が搬送される搬送路が狭くなり、詰まる虞があるためである。一方、間隔が広すぎる場合、現像スリーブと現像剤の接触距離が長くなるために、磁気力で摺擦される時間が長くなり、現像剤劣化が懸念されるため好ましくない。
なお第一の搬送スクリュー5が規制ブレード位置に対して略横方向にある場合、搬送ガイドは前述した現像剤を搬送ガイド及び現像剤貯蔵する機能を有する。これとともに、第一の搬送スクリュー駆動時の現像剤押圧を遮蔽する効果も有している。第一の搬送スクリュー駆動時に伴い、現像剤にはスクリュー軸方向主体に押圧され現像剤搬送されるが、スクリューの動径方向にも押圧が加わる。動径方向の押圧によって規制ブレード9と第一の搬送スクリューの位置関係が略横方向の場合、規制ブレード9面に対して略垂直方向の現像剤搬送力が加わることになり、コート不良の観点で望ましくない。従って第一の搬送スクリューの押圧の影響を遮蔽するためにも搬送ガイドの特に頂点位置P4(図7記載)は高く配置することが好ましい。少なくとも規制ブレード下点位置P2と第一の攪拌スクリューの軸中心を結ぶ線に対して、上方に搬送ガイド頂点P4を位置させることが好ましい。
次に、本発明における特徴部分の一つである、現像マグネットの構成及び、現像マグネットが作り出す磁束密度及び磁力について図1及び図8、図9を用いて説明する。本実施例では、搬送ガイドを乗り越えた現像剤に加わる磁気吸引力Frを、搬送ガイド近傍に比べて規制ブレード9近傍側を大きくなるように、マグネットローラ内の磁極を構成している。本発明のメカニズムについては後述するが、上記構成とすることで規制ブレード9と搬送ガイド間に供給された現像剤が現像スリーブ8の表面に向かって引き込む流れとすることができる。こうして従来の課題であった、規制ブレード9上流側に不動層が形成されることを抑制することができる。
説明に際して、Br、Bθ、Fr、Fθを以下のように定義する(図10参照)。
Br:現像スリーブ上のある点における現像スリーブ表面に対して垂直方向の磁束密度。
Bθ:現像スリーブ上のある点における現像スリーブ表面に対して接線方向の磁束密度。
Fr:現像スリーブ上のある点における現像スリーブ表面に対して垂直方向に働く力。尚、吸引方向を負とする。
Fθ:現像スリーブ上のある点における現像スリーブ表面に対して接線方向に働く力。尚、現像スリーブ回転方向を正とする。
[マグネットローラ]
以下、マグネットローラの構成について具体的に説明する。
マグネットローラ8’は、現像極N2と現像剤を搬送する磁極S1、S2、N1、N3を有している。このうち同極である第1磁極N3極と第2磁極N1極は、隣り合って現像容器内部側に設置されており、極間に反発磁界が形成され、現像剤に対しては現像スリーブから離間する方向に力を受け、攪拌室4にて現像剤を落下させるように構成されている。第2磁極N1極は、搬送ガイドと規制ブレード9間に配置している。第1磁極と第2磁極の同極によって形成される反発領域は、少なくとも搬送ガイド上流側なるように配置している。なお第1磁極N3極は、ピーク磁束密度が35mT、半値幅30°、第2磁極N1極はピーク磁束密度30mT、半値幅35°に調整している。
[現像ブレードと搬送ガイド間の磁界分布]
次に、図8、図9を用いて、マグネットローラから現像スリーブ表面に形成される磁束密度Br、Bθ及び法線方向の磁気力Frの分布を示す。現像剤は図8、図9において右から左へ搬送されており、規制ブレード9は約100°の位置に配置されている(図8、図9の破線)。搬送ガイドは約130°の位置に配置している(図8、図9の実線)。Frは−符号側がスリーブへの引力方向、+符号側が斥力方向になっている。本実施例においては引力方向基準で増加及び減少を示す(すなわち数値(絶対値)が大きくなる場合をFr増加と呼ぶ)。
搬送ガイド位置から規制ブレード9間のFrは常に引力方向であって、且つ規制ブレード9に近づくにつれてFrが急峻且つ単調増加するよう構成している。Frは単調的に増加することが好ましい。単調的に増加するとは、現像スリーブの周方向にFrを測定したときに、スリーブ周方向に関して角度2度以上10度以下の範囲でサンプリングした場合において、Frが単調増加していることを指す。
また搬送ガイドの上流側(位置P3よりも上流側)には少なくともFrが正の領域(斥力領域)になるよう構成している。本実施例では約180°〜210°位置が斥力領域になっており、斥力領域から現像スリーブの回転方向下流側に向うにつれてFrが増加させる構成にしている。
Frはスリーブ方向への磁気吸引力のため、Frが大きいと搬送ガイドを乗り越えた現像剤Tが現像スリーブへ強く引き込まれる。従って、図9に示すように搬送ガイドと規制ブレード9間のFr分布を規制ブレード9に近づくにつれて単調的に増加傾向にする。こうすることで、図7で示す規制ブレード9近傍の現像剤T2は、規制ブレード9と搬送ガイド間の他の箇所に比べて強いFrで現像スリーブ近傍へ引き込まれていることになる。規制ブレード9近傍の現像剤を縦方向(規制ブレードに対して平行)の流れにしたいために、規制ブレード近傍のFrは大きい方が好ましい。本実施例では、搬送ガイドと規制ブレード9との間においてFrの最大値は規制ブレード9対向部としている。
一方、規制ブレード9との衝突による剤パッキングを弱める観点で、現像スリーブ8の回転に伴う現像スリーブに沿った現像剤搬送力は弱めるためには、規制ブレード9と搬送ガイド間のFrの総和は小さいほうが好ましい。現像スリーブ8の回転に伴う現像剤搬送は現像剤と現像スリーブ間の摩擦力によって為されるため、垂直抗力=磁気吸引力Frと現像剤搬送力とは比例関係にある。すなわち規制ブレード9に加わる横方向の現像剤搬送力は、規制ブレード9から搬送ガイド間の各箇所の現像剤搬送力の総和になるために、同様の機序から規制ブレード9と搬送ガイド間のFr総和に比例する。従って規制ブレード9に衝突して不動層の起源になる現像スリーブ8に平行な現像剤搬送力を弱めるためには、規制ガイド9〜搬送ガイド間のFrの総和は小さい方が望ましいことになる。
なお規制ブレード9近傍の現像剤の流れは、規制ブレード近傍の現像剤の縦方向の力と横方向の力の大小関係によって決定される。従って、規制ブレード近傍の現像剤の流れを縦方向にするには、規制ブレード近傍のFrを強めることで縦方向の力を強めて、且つ、規制ブレードから搬送ガイド間のFrの総和を小さくすることで横方向の力を弱めることが必要十分条件になる。上記二事象を両立するためには、規制ブレード9と搬送ガイド間のFr分布は規制ブレード近傍のみFrが大きくなる分布が好ましい。換言すると規制ブレード9と搬送ガイド間のFr分布は、規制ブレード9に近づくにつれて急峻に且つ単調に増加する傾向を取ることが定性的に望ましいといえる。
規制ブレード9から規制ブレード9よりも現像スリーブ8の回転方向2mm上流側位置までのFrの積分値をFrNearと定義する。また、規制ブレード9から搬送ガイド位置までのFr積分したFr総和をFrAllと定義する。このとき、以下で述べる実験の結果、定量的には、積分値FrAllに対するFrNearの割合が、60%以上と設定した。なおFrNearを規制ブレードから上流2mm間のFr積分値に定義した理由は、現像剤圧縮され不動層になりやすい領域が規制ブレードから2mm以内の近傍位置にあるためである。すなわち現像剤圧縮状態になりやすい領域のFrを限定して高い値に保ち、それ以外の領域はFrを下げる(現像スリーブ周方向の現像剤の流れを減らす)ことがコート不良を防止するに効果的である。
なお、前記現像装置において、以下に説明する磁性キャリアを用いることによって、より高い効果が得られる。
前述したように、前記現像器を用いることによって、現像剤不動層の形成を防止することができる。現像剤流動層と現像剤不動層との摺擦が抑制され、その結果、「摺擦によるトナーがキャリアからの離脱」および「摺擦による摩擦熱によって上記離脱トナー同士が固着し、コート不良の原因となるトナー層の形成」を防止することができる。このことより、コート不良の発生が抑制されるため、現像領域に搬送される現像剤量が変動し、画像欠陥を改善できる。
さらに、後述する磁性キャリアは、適度な流動性を有し、不動層が生じた場合においても、トナー劣化を引き起こすほどの摺擦は生じにくく、コート不良の原因となるトナー層の形成を抑制できる。また、磁性キャリアの適度な流動性から、優れたトナー帯電量の立ち上がりと耐汚染性を両立し、長期使用においてもトナー低帯電量による、色味変動、カブリ、ガサツキが発生を抑制できる。
すなわち、前記現像装置と、後述する磁性キャリアを組み合わせて使用することによって、コート不良の発生を抑制し、その結果、色味変動、カブリ、ガサツキ等の画像欠陥が生じにくい。
[磁性キャリア]
次に、本発明に用いられる磁性キャリアについて説明する。
本発明の磁性キャリアは、多孔質磁性粒子を用いたキャリア若しくは磁性体分散型樹脂粒子を有するキャリアである。
多孔質磁性粒子を用いたキャリアとしては、多孔質磁性コア粒子の空孔に樹脂を充填した樹脂充填型磁性コア粒子と、前記樹脂充填型コア粒子の表面に、樹脂被覆層を有する磁性キャリアであることが好ましい。
また、該磁性キャリアの安息角は、23°以上35°以下であることを特徴とする。
通常、安息角が23°未満の場合、現像剤の流動性が高いため、磁性キャリアとトナー粒子間において、十分な摩擦帯電が起こらず、その結果、「トナー帯電量の立ち上がり性」が低下する。
一方、安息角が35°を超える場合、流動性が低いため、現像剤が圧密状態になりやすく、十分な摩擦帯電量を得ることが困難となる。
本発明者らは、このトナー帯電量の立ち上がりと耐汚染性を両立することを目的とし、鋭意検討の結果、安息角が23°以上35°以下の範囲にあることが重要であることを見出した。磁性キャリアの安息角が上記の範囲ならば、適度な流動性が確保され、トナー帯電量の立ち上がりが優れ、かつ優れた耐汚染性を有することによって、長期使用においても帯電付与能が安定し、色味変動、カブリ、ガサツキ等の画像欠陥の発生が抑制される。
また、該磁性キャリアの表面粗さRzは、0.34μm以上0.57μm以下であることが好ましい。
磁性キャリアの表面粗さRzが上記の範囲内である場合、特に優れた耐汚染性が発揮され、長期使用においても帯電付与能が安定した磁性キャリアを実現でき、色味変動、カブリ、ガサツキ等の画像欠陥の発生を抑制できる。
なお、表面粗さの指標として「Rz」を用いた理由は、以下のように考える。上記の理由によって、トナースペントは、キャリア表面の凹凸の大小に起因すると推測される。そこで、本発明において、磁性キャリア表面の凹凸深度を最もよく表現しているRzを表面粗さの指標として設定した。
また、前記磁性キャリアの真密度は3.0g/cm以上4.7g/cm以下であることが好ましい。真密度が上記の範囲内である場合、トナー帯電量の立ち上がり性の改善と磁性キャリアの汚染の抑制とが特に良好となる。前記磁性キャリアの真密度は3.4g/cm以上、4.5g/cm以下であることがより好ましい。
以下に、多孔質磁性粒子として用いることができる多孔質フェライト粒子の製造工程を詳細に説明する。
[多孔質磁性粒子の製造]
・工程1(秤量・混合工程):
多孔質磁性粒子の原料を、秤量し、混合する。原料としては、例えば以下のものが挙げられる。Li、Fe、Mn、Mg、Sr、Cu、Zn、Caの金属粒子、酸化物、水酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩。混合する装置としては、例えば以下のものが挙げられる。配合する原料種として、水酸化物や炭酸塩を用いた方が、酸化物を用いた場合に比べて細孔容積は大きくなりやすい。ボールミル、遊星ミル、ジオットミル、振動ミル。特にボールミルが混合性の観点から好ましい。具体的には、ボールミル中に、秤量した原料、ボールを入れ、0.1時間以上20.0時間以下、粉砕・混合する。
・工程2(仮焼成工程):
粉砕・混合した原料を、加圧成型機等を用いてペレット化した後、仮焼成を行う。上述したように、仮焼成工程が、本発明の磁性キャリアを得るために重要であるため、上述した条件で行うことが大切である。例えば、焼成温度1050℃以上1100℃以下の範囲で、2.5時間以上5.0時間以下仮焼成し、原料をフェライトにする。この際、フェライト化反応が十分に進行するように、仕込み量は適宜調整する。また、雰囲気調整、特に窒素雰囲気下など酸素濃度を下げることで、フェライト化反応がより進行しやすい環境にすることが好ましい。焼成には、例えば以下の炉が用いられる。バーナー式焼成炉、ロータリー式焼成炉、電気炉などが挙げられる。
・工程3(粉砕工程):
工程2で作製した仮焼フェライトを粉砕機で粉砕する。粉砕機としては、所望の粒径が得られれば特に限定されない。しかし、本件の仮焼成物は、従来の仮焼成物に対して、一部フェライト化反応を進行させた仮焼成物であるため、硬度が高くなっている。そのため、所望の粒径を得るためには、粉砕強度を強める必要がある。粉砕強度を強め、仮焼フェライトの微粉砕品の粒径を細かくし、粒径分布を制御することが重要である。
仮焼フェライトの微粉砕品の粒径分布を制御するためには、例えば、ボールミルやビーズミルでは用いるボールやビーズの素材、運転時間を制御することが好ましい。具体的には、仮焼フェライトの粒径を小さくするためには、比重の重いボールを用いたり、粉砕時間を長くしたりすればよい。ボールやビーズの素材としては、所望の粒径・分布が得られれば、特に限定されない。例えば、以下のものがあげられる。ソーダガラス(比重2.5g/cm)、ソーダレスガラス(比重2.6g/cm)、高比重ガラス(比重2.7g/cm)等のガラスや、石英(比重2.2g/cm)、チタニア(比重3.9g/cm)、窒化ケイ素(比重3.2g/cm)、アルミナ(比重3.6g/cm)、ジルコニア(比重6.0g/cm)、スチール(比重7.9g/cm)、ステンレス(比重8.0g/cm)。中でも、アルミナ、ジルコニア、ステンレスは、耐磨耗性に優れているために好ましい。ボールやビーズの粒径は、所望の粒径・分布が得られれば、特に限定されない。例えば、ボールとしては、直径4mm以上、60mm以下のものが好適に用いられる。また、ビーズとしては直径0.03mm以上5mm以下のものが好適に用いられる。また、ボールミルやビーズミルは、乾式より湿式の方が、粉砕品がミルの中で舞い上がることがなく粉砕効率が高い。このため、乾式より湿式の方がより好ましい。
硬度の高い仮焼成物は、まず乾式による粗粉砕を行った後、湿式により微粉砕を行い、粒径を調整することがより好ましい。
・工程4(造粒工程):
仮焼フェライトの微粉砕品に対し、分散剤、水、バインダーと、必要に応じて、孔調整剤を加えてもよい。孔調整剤としては、発泡剤や樹脂微粒子が挙げられる。バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコールが用いられる。工程3において、湿式で粉砕した場合は、フェライトスラリー中に含まれている水も考慮し、バインダーと必要に応じて孔調整剤を加えることが好ましい。
得られたフェライトスラリーを、噴霧乾燥機を用い、温度100℃以上200℃以下の加温雰囲気下で、乾燥・造粒する。噴霧乾燥機としては、所望の粒径が得られれば特に限定されない。例えば、スプレードライヤーが使用できる。
次に、造粒品を、600℃以上800℃以下の温度で分散剤やバインダーを燃焼除去する。特に燃焼除去温度を700℃以上にすることで、多孔質磁性コア粒子の細孔径の範囲に調整し易いため、好ましい。
・工程5(本焼成工程):
その後、酸素濃度の制御できる電気炉で、酸素濃度を制御した雰囲気下で、温度1000℃以上1300℃以下で1時間以上24時間以下焼成する。温度を制御することで、細孔容積を制御することができ、例えば、温度を高くすることで、細孔容積は小さくなる。なお、多孔質磁性コア粒子の細孔容積が、20mm/g以上100mm/g以下であることが好ましい。
また、多孔質磁性コア粒子の細孔径は、細孔容積に比例して大きくなる。なお、多孔質磁性コア粒子の細孔径が、0.3μm以上1.7μm以下であることが好ましい。
一方、トップ温度の保持時間は、3.0時間以上5.0時間以下にするのが好ましい。その際、ロータリー式電気炉やバッチ式電気炉または連続式電気炉等を使用し、焼成時の雰囲気も、窒素等の不活性ガスや水素や一酸化炭素等の還元性ガスを打ち込んで、酸素濃度の制御を行っても良い。また、ロータリー式電気炉の場合、雰囲気や焼成温度を変更して、多数回焼成を行っても良い。
・工程6(選別工程):
焼成した粒子を解砕した後に、必要に応じて、磁力選鉱により低磁力品を分別する。風力分級や篩で篩分して粗大粒子や微粒子を除去してもよい。
・表面処理工程:
必要に応じて、表面を低温加熱することで酸化被膜処理を施し、抵抗調整を行うことができる。酸化被膜処理は、一般的なロータリー式電気炉、バッチ式電気炉等を用い、例えば300℃以上700℃以下で熱処理を行うことができる。
上記のようにして得られた多孔質磁性粒子の体積分布基準50%粒径(D50)は、最終的な磁性キャリアの粒径を20.0μm以上80.0μm以下にするため、18.0μm以上78.0μm以下であることが好ましい。これにより、トナーへの摩擦帯電付与性を良好にし、ハーフトーン部の画質を満足し、カブリの抑制とキャリア付着の防止ができる。
多孔質磁性粒子は、後述する比抵抗測定法において、電界強度300V/cmにおける比抵抗が、1.0×10Ω・cm以上1.0×10Ω・cm以下であることが、現像性を高くできることから好ましい。
[樹脂充填型磁性粒子の製造方法]
多孔質磁性粒子の空孔に充填樹脂組成物を充填させる方法としては、充填樹脂を溶剤に希釈し、これを多孔質磁性粒子の空孔に添加し、溶剤を除去する方法が採用できる。ここで用いられる溶剤は、充填樹脂を溶解できるものであればよい。有機溶剤として、トルエン、キシレン、セルソルブブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノールが挙げられる。多孔質磁性粒子の空孔に、樹脂を充填する方法としては、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、及び流動床の如き塗布方法により多孔質磁性粒子を樹脂溶液に含浸させ、その後、溶剤を揮発させる方法が挙げられる。
浸漬法としては、減圧状態で充填樹脂と溶剤を混合した充填樹脂組成物溶液を多孔質磁性粒子の孔へ充填させ、脱気や加温により溶剤を除去する方法が好ましい。
また、本発明では脱気の時間で、溶剤除去スピードを制御することで、多孔質磁性粒子の孔への充填樹脂組成物の含浸性をコントロールすることが好ましい。充填された樹脂は、毛細管現象により空孔内部に含浸するため、時間が長い程、多孔質磁性粒子内部に樹脂が含浸される。
充填樹脂組成物を充填させた後、必要に応じて各種の方式によって加熱し、充填した充填樹脂組成物を多孔質磁性粒子に密着させる。加熱方式としては、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼付けでも良い。
充填する充填樹脂組成物量は、多孔質磁性粒子に対して、1.0質量部以上8.0質量部であることが、総樹脂量の調整のし易さや、被覆樹脂組成物の被覆性の向上の観点から好ましい。
充填樹脂組成物溶液における樹脂固形分量は、6質量%以上50質量%以下であることが、充填樹脂組成物溶液の粘度のハンドリングが良いため、細孔までの充填性や、溶媒の除去時間の観点から好ましい。
多孔質磁性粒子の空孔に充填する充填樹脂組成物中の充填樹脂としては特に限定されないが、含浸性の高い樹脂が好ましい。含浸性の高い樹脂を用いた場合には、多孔質磁性コア粒子内部の細孔から充填される。その結果、樹脂充填型磁性コア粒子表面近傍の細孔が残り、樹脂充填型磁性粒子表面は細孔による凹凸のある形状を有するため、上述した通り被覆樹脂組成物の表面張力の観点から好ましい。
充填樹脂組成物中の充填樹脂としては、熱可塑性樹脂でも、熱硬化性樹脂のいずれでもよいが、磁性キャリアを被覆する上では、被覆時に溶媒を使用しても溶けださない熱硬化性樹脂が好ましく、さらに充填のし易さからシリコーン樹脂が好ましい。例えば、市販品として、以下のものが挙げられる。ストレートシリコーン樹脂では、信越化学社製のKR−271、KR−251、KR−255、東レ・ダウコーニング社製のSR2400、SR2405、SR2410、SR2411。変性シリコーン樹脂では、信越化学社製のKR206(アルキッド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、SR2110(アルキッド変性)。
また、充填樹脂組成物が、シランカップリング剤を含有していることが好ましい。充填樹脂に対して、シランカップリング剤は相溶性が良好であり、多孔質磁性コア粒子と充填樹脂との濡れ性及び密着性がより高まる。そのため、充填樹脂が、多孔質磁性粒子内部の細孔から充填される。その結果、樹脂充填型磁性粒子表面は細孔による凹凸のある形状を有するため、上述した通り被覆樹脂組成物の表面張力の観点から好ましい。
用いられるシランカップリング剤としては特に限定されないが、官能基が存在することで、被覆樹脂組成物との親和性も良好になることから、アミノシランカップリング剤が好ましい。
なお、アミノシランカップリング剤が、多孔質磁性粒子と充填樹脂との濡れ性及び密着性をより高め、被覆樹脂組成物との親和性を良好にする原因は、以下のように考える。アミノシランカップリング剤は、無機物と反応する部分と、有機物と反応する部分を有しており、一般的に、アルコキシ基が無機物と、アミノ基を有する官能基が有機物と反応すると考えられている。よって、アミノシランカップリング剤のアルコキシ基が、多孔質磁性粒子の部分と反応することで、濡れ性及び密着性を高め、アミノ基を有する官能基は、充填樹脂側に配向することで、被覆樹脂組成物との親和性も高めると考える。
添加するシランカップリング剤の量は、充填樹脂量100質量部に対して、1.0乃至20.0質量部であることが好ましい。より好ましくは、5.0乃至10.0質量部であることが、多孔質磁性粒子と充填樹脂との濡れ性及び密着性の向上の観点から好ましい。
[磁性体分散型樹脂粒子の製造方法]
本発明に用いられる磁性体分散型樹脂粒子は、結着樹脂中に磁性体粒子を分散させた磁性体分散型樹脂粒子であれば、混練粉砕法、重合法のいずれで製造したものでもよい。中でも磁性体粒子Aと磁性体粒子Bの存在状態をコントロールする上で、重合法により製造した磁性体分散型樹脂粒子であることが好ましい。
本発明に用いられる磁性体粒子は、磁性無機化合物粒子と非磁性無機化合物粒子とがある。磁性無機化合物粒子としては、マグネタイト粒子粉末、マグヘマイト粒子粉末、これらにケイ素の酸化物、ケイ素の水酸化物、アルミニウムの酸化物又はアルミニウムの水酸化物の1種又は2種以上を有する磁性鉄酸化物粒子粉末、バリウム、ストロンチウム又はバリウム−ストロンチウムを含むマグネトプランバイト型フェライト粒子粉末、マンガン、ニッケル、亜鉛、リチウム及びマグネシウムから選ばれた1種又は2種以上を含むスピネル型フェライト粒子粉末の如き各種磁性鉄化合物粒子粉末が使用できる。これらの中でも、マグネタイト粒子粉末の如き、磁性鉄酸化物粒子粉末が好ましく使用できる。非磁性無機化合物粒子粉末としては、ヘマタイト粒子粉末の如き非磁性鉄酸化物粒子粉末、ゲータイト粒子粉末の如き非磁性含水酸化第二鉄粒子粉末、酸化チタン粒子粉末、シリカ粒子粉末、タルク粒子粉末、アルミナ粒子粉末、硫酸バリウム粒子粉末、炭酸バリウム粒子粉末、カドミウムイエロー粒子粉末、炭酸カルシウム粒子粉末、亜鉛華粒子粉末が使用できる。これらの中でも、非磁性鉄酸化物粒子粉末が好ましく使用できる。
磁性体粒子の製造方法としては、湿式法、乾式法の従来公知の製造方法により製造できる。具体的には、製造方法は、窒素ガスで置換した反応槽内に、濃度2モル/L以上5モル/L以下の水酸化アルカリ水溶液及び濃度0.5モル/L以上2.0モル/L以下の硫酸鉄水溶液及び硫酸亜鉛水溶液を、水酸化アルカリと硫酸鉄とのモル比率(水酸化アルカリのモル数/硫酸鉄のモル数)が1.0以上5.0以下となるように添加して混合溶液とする。次いで、所望のpHになるようにさらに水酸化アルカリを添加する。上記混合溶液を70℃以上100℃以下の温度に維持しつつ、上記反応槽内に酸化性ガス(空気)を吹き込みながら、7時間以上15時間以下で攪拌混合し、マグネタイトを生成させる。さらに、生成されたマグネタイトを含む上記混合溶液を、濾過、水洗、乾燥、解砕してマグネタイトを得る。上記混合溶液に添加される硫酸鉄水溶液の濃度により、反応スラリー粘度をコントロールでき、生成マグネタイトの粒度分布を調節する。また、上記硫酸鉄水溶液には、Zn2+、Mn2+、Ni2+、Cr2+又はCu2+等の二価の金属イオンが含有されていてもよい。上記二価の金属イオン源としては、それらの硫酸塩、塩化物、硝酸塩が挙げられる。また、SiOも必要に応じて含有してもよく、ケイ酸塩を原料とする。
撹拌速度、反応温度、反応場のpH、反応時間、ケイ酸塩添加により、磁性体粒子の形状および粒度分布をコントロールすることができる。球状の磁性体粒子を得る為には、pHは8以下にすることが好ましい。一方、八面体または不定形の磁性体粒子を得るためには、pHを10以上にすることが好ましい。
本発明に用いられる磁性体分散型樹脂粒子は、磁性体粒子A及び磁性体粒子Bを含有し、前記磁性体粒子A及びBの個数平均粒径(μm)をそれぞれrA、rBとした時、0.30≦rA≦3.00、0.05≦rB≦0.25となることが好ましい。また、前記磁性体粒子の形状としては、特に限定されないが、磁性キャリア表面に多く存在させる磁性体粒子Aは、特定の決まった形状を有さない粒子群(不定形)からなる磁性体粒子であることが望ましい。磁性体粒子Aが該形状を有することで、耐トナースペント性をより高めることができる。
また、本発明の磁性体分散型樹脂粒子は、誘電物質を含有してもよい。誘電物質を含有することで、現像性が良化し、安定した画像が長期にわたって提供できる。誘電物質としては、酸化チタン、チタン酸塩及びジルコン酸塩等が挙げられる。具体的には、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸鉛、二酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸鉛などが挙げられる。
本発明で用いられる結着樹脂としては、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂及びポリエーテル樹脂の如き樹脂が挙げられる。樹脂は、一種であっても、二種以上の混合樹脂であってもよい。特に、フェノール樹脂は、比較的大きな磁性体を保持するようキャリアコア粒子の強度アップの点で好ましい。キャリアコアの磁気力を高めるため、また比抵抗をコントロールするためには、磁性体の量を増量する。具体的には、マグネタイト粒子の場合、キャリアコア粒子に対して80質量%以上90質量%以下で添加することが好ましい。
水性モノマーであるフェノールとアルデヒドとを塩基性触媒下の水系媒体中で付加重合反応させ、フェノールレゾール樹脂として硬化させる。この際に磁性体を水系媒体中に入れ、モノマーと磁性体とを均一にスラリー化させ、反応が進み樹脂が硬化する際に磁性体粒子を取り込むことでキャリアコア粒子ができる。その水系媒体と磁性体の表面性との親和性を利用して磁性体粒子の存在状態をコントロールすることができる。
磁性体粒子A及び磁性体粒子Bの存在状態をコントロールするためには、あらかじめ磁性体粒子表面を親油化処理しておくことが重要である。親油化処理は、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤のカップリング剤で処理する方法や界面活性剤を含む水性溶媒中に磁性体粒子を分散させて処理することができる。その場合、磁性体粒子Aと磁性体粒子Bの処理量や処理種を変えることで、磁性体粒子Aを優先的に粒子表面に存在させることができる。具体的には、親水性のものを磁性体粒子Aに処理する、あるいは、磁性体粒子Bより磁性体粒子Aの親油化処理量を減じることが好ましい。
上記のようにして得られた磁性体分散型樹脂粒子の体積分布基準50%粒径(D50)は、最終的な磁性キャリアの粒径を20.0μm以上80.0μm以下にするため、18.0μm以上78.0μm以下であることが好ましい。これにより、トナーへの摩擦帯電付与性を良好にし、ハーフトーン部の画質を満足し、カブリの抑制とキャリア付着の防止ができる。
磁性体分散型樹脂粒子は、後述する比抵抗測定法において、電界強度300V/cmにおける比抵抗が、1.0×10Ω・cm以上1.0×10Ω・cm以下であることが、現像性を高くできることから好ましい。
[磁性キャリアの製造]
樹脂充填型磁性粒子および磁性体分散型樹脂粒子は、そのままキャリアとして用いても良いが、それらをコア粒子として、キャリアコア粒子表面を被覆した樹脂被覆キャリアとすることが好ましい。コア粒子の表面を被覆樹脂組成物で被覆する方法としては、特に限定されないが、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、乾式法、及び流動床の如き塗布方法により処理する方法が挙げられる。中でも、樹脂充填型磁性コア粒子および磁性体分散型樹脂キャリアコアの表面粗さを維持する観点から、被覆層の薄い部分と厚い部分の割合を制御することができる浸漬法が、耐汚染性を向上させる観点からより好ましい。なお、耐汚染性が向上する理由は、以下のように考える。すなわち、磁性キャリアの表面粗さによって、磁性キャリア粒子間に適度な空間が生じ、トナーとの摩擦力が低減され、耐汚染性が向上する。
被覆する被覆樹脂組成物溶液の調製としては、充填工程と同様の方法が用いられる。被覆工程時の造粒を抑制する方法は、被覆樹脂組成物溶液中の樹脂濃度の調整、被覆する装置内の温度、溶剤を除去する際の温度や減圧度、樹脂被覆工程の回数などが挙げられる。
樹脂充填型磁性粒子および磁性体分散型樹脂粒子を被覆する被覆樹脂組成物量は、磁性キャリアに含有される総樹脂量としての調整が必要であるが、被覆前の粒子100質量部に対して、1.0質量部以上6.0質量部以下であることが、帯電性の観点から好ましい。
被覆層に用いられる被覆樹脂組成物の樹脂としては特に限定されないが、分子構造中に環式炭化水素基を有するビニル系モノマーと他のビニル系モノマーとの共重合体であるビニル系樹脂もしくは、特定のシリコーン樹脂が好ましい。該樹脂を被覆することで、磁性キャリアコア粒子との密着性が高く、磁性キャリアコア粒子の表面性を維持したまま、磁性キャリアを製造することができる。また、分子構造中に環式炭化水素基を有するビニル系モノマーと他のビニル系モノマーとの共重合体であるビニル系樹脂は、耐汚染性に優れているため、被覆樹脂として、より好ましい。また、帯電量の観点から、被覆樹脂としてビニル系樹脂を用いることがより好ましい。
なお、該ビニル系樹脂を被覆することで、高温高湿環境下における、帯電量の低下を抑制する原因は、以下のように考える。該ビニル系樹脂を樹脂充填型磁性コア粒子の表面に被覆する場合、該ビニル系樹脂を有機溶剤中に溶解させたものと、樹脂充填型磁性コア粒子とを混合及び脱溶媒するような被覆工程を経る。当該工程において、環式炭化水素基が被覆樹脂層の表面に配向しながら溶媒が除去されていき、完成した磁性キャリアの表面には、高疎水性の環式炭化水素基が配向された状態で被覆樹脂層が形成されるからである。
環式炭化水素基の具体例としては、炭素数3以上10以下の環式炭化水素基が挙げられ、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、アダマンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、イソボニル基、ノルボニル基、ボロニル基等である。なかでも、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、アダマンチル基が好ましく、構造上安定であることにより樹脂充填型磁性コア粒子との密着性が高いという観点からシクロヘキシル基が特に好ましい。
また、ガラス転移温度(Tg)を調整するために、さらにその他のモノマーをビニル系樹脂の構成成分として含有させてもよい。
ビニル系樹脂の構成成分として用いられるその他のモノマーとしては、公知のモノマーが用いられるが、例えば次のようなものが挙げられる。スチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルメチルケトンなどが挙げられる。
さらに、被覆層に用いられるビニル系樹脂が、グラフト重合体であることが、多孔質磁性コア粒子との濡れ性がさらに良化し、均一な被覆層が形成されるため好ましい。
グラフト重合体を得るには、幹鎖を形成後グラフト重合する方法や、モノマーとしてマクロモノマーを用いて共重合する方法があるが、マクロモノマーを共重合して用いる方法が、枝鎖の分子量を容易にコントロールできるために好ましい。
用いられるマクロモノマーとしては特に限定されないが、多孔質磁性コアとの濡れ性がさらに良化することから、メチルメタクリレートマクロモノマーが好ましい。
上記マクロモノマーを重合する際に使用する量は、ビニル系樹脂の幹鎖の共重合体100質量部に対して、10乃至50質量部が好ましく、20乃至40質量部がより好ましい。
また、被覆樹脂組成物に、導電性を有する粒子や荷電制御性を有する粒子や材料を含有させて用いてもよい。導電性を有する粒子としては、カーボンブラック、マグネタイト、グラファイト、酸化亜鉛、酸化錫が挙げられる。その中でも、カーボンブラックのフィラー効果を好適に作用させることで、被覆樹脂組成物の表面張力を好適に作用させることができ、被覆樹脂組成物の被覆性を向上させる観点から好ましい。
なお、カーボンブラックのフィラー効果を好適に作用させることで、被覆樹脂組成物の被覆性を向上させることできる理由は、カーボンブラックの一次粒子径と凝集性に由来する。すなわち、カーボンブラックは、一次粒子径が小さいため、大きい比表面積を示す。一方、カーボンブラックは、凝集性が高いため、凝集粒子として、大きい粒子として存在する。この一次粒子径と凝集性により、粒子径と比表面積の関係を大きく逸脱する粒子となりうる。すなわち、被覆樹脂組成物の表面張力が作用する粒径であり、かつ比表面積の大きさから接触点が大きいため、被覆樹脂組成物の表面張力が作用しやすいためである。
導電性を有する粒子の添加量としては、被覆樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが磁性キャリアの抵抗を調整するためには好ましい。荷電制御性を有する粒子としては、有機金属錯体の粒子、有機金属塩の粒子、キレート化合物の粒子、モノアゾ金属錯体の粒子、アセチルアセトン金属錯体の粒子、ヒドロキシカルボン酸金属錯体の粒子、ポリカルボン酸金属錯体の粒子、ポリオール金属錯体の粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂の粒子、ポリスチレン樹脂の粒子、メラミン樹脂の粒子、フェノール樹脂の粒子、ナイロン樹脂の粒子、シリカの粒子、酸化チタンの粒子、アルミナの粒子など挙げられる。荷電制御性を有する粒子の添加量としては、被覆樹脂100質量部に対し、0.5質量部以上50.0質量部以下であることが摩擦帯電量を調整するためには好ましい。
[トナー]
本発明において、その目的を達成するに好ましいトナーの構成を以下に記述する。
本発明に用いられる結着樹脂としては、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。中でもビニル系樹脂とポリエステル系樹脂が帯電性や定着性でより好ましい。特にポリエステル系樹脂を用いた場合には本装置の導入による効果は大きい。
本発明において、ビニル系モノマーの単重合体または共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等を、必要に応じて前述した結着樹脂に混合して用いることができる。
2種以上の樹脂を混合して、結着樹脂として用いる場合、より好ましい形態としては分子量の異なるものを適当な割合で混合するのが好ましい。
結着樹脂のガラス転移温度は好ましくは45乃至80℃、より好ましくは55乃至70℃であり、数平均分子量(Mn)は2,500乃至50,000、重量平均分子量(Mw)は10,000乃至1,000,000であることが好ましい。
結着樹脂としては以下に示すポリエステル樹脂も好ましい。
ポリエステル樹脂は、全成分中45乃至55mol%がアルコール成分であり、55乃至45mol%が酸成分である。
ポリエステル樹脂の酸価は好ましくは90mgKOH/g以下、より好ましくは50mgKOH/g以下であり、OH価は好ましくは50mgKOH/g以下、より好ましくは30mgKOH/g以下であることが良い。これは、分子鎖の末端基数が増えるとトナーの帯電特性において環境依存性が大きくなる為である。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度は好ましくは50乃至75℃、より好ましくは55乃至65℃である。数平均分子量(Mn)は好ましくは1,500乃至50,000、より好ましくは2,000乃至20,000である。重量平均分子量(Mw)は好ましくは6,000乃至100,000、より好ましくは10,000乃至90,000である。
本発明のトナーを磁性トナーとして用いる場合、磁性トナーに含まれる磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe、Co、Niのような金属、あるいは、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、Vのような金属との合金、およびこれらの混合物等が挙げられる。
具体的には、磁性材料としては、四三酸化鉄(Fe)、三二酸化鉄(γ−Fe)、酸化鉄亜鉛(ZnFe)、酸化鉄イットリウム(YFe12)、酸化鉄カドミウム(CdFe)、酸化鉄ガドリニウム(GdFe12)、酸化鉄銅(CuFe)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル(NiFe)、酸化鉄ネオジム(NdFe)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウム(MgFe)、酸化鉄マンガン(MnFe)、酸化鉄ランタン(LaFeO)、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が挙げられる。
これらは結着樹脂100質量部に対して、磁性体20乃至150質量部、好ましくは50乃至130質量部、更に好ましくは60乃至120質量部使用するのが良い。
本発明で使用される非磁性の着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調整したものが挙げられる。
マゼンタトナー用着色顔料しては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3、48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、150、163、166、169、177、184、185、202、206、207、209、220、221、238、254、269;C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35が挙げられる。
着色剤には、顔料単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点から好ましい。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.Iソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの塩基性染料。
シアントナー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、2、3、7、15:2、15:3、15:4、16、17、60、62、66;C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチルを1乃至5個置換した銅フタロシアニン顔料。
イエロー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物。具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、155、168、174、180、181、185、191;C.I.バットイエロー1、3、20が挙げられる。また、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、ソルベントイエロー162などの染料も使用することができる。
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して好ましくは0.1乃至30質量部であり、より好ましくは0.5乃至20質量部であり、最も好ましくは3乃至15質量部である。
また、上記トナーにおいて、結着樹脂に予め、着色剤を混合し、マスターバッチ化させたものを用いることが好ましい。そして、この着色剤マスターバッチとその他の原材料(結着樹脂及びワックス等)を溶融混練させることにより、トナー中に着色剤を良好に分散させることが出来る。
本発明のトナーは、その帯電性をさらに安定化させる為に必要に応じて荷電制御剤を用いることができる。荷電制御剤は、結着樹脂100質量部当り0.5乃至10質量部使用するのが好ましい。0.5質量部未満となる場合には、十分な帯電特性が得られない場合があり好ましくなく、10質量部を超える場合には、他材料との相溶性が低下したり、低湿下において帯電過剰になったりする場合があり好ましくない。
荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。
トナーを負荷電性に制御する負荷電性制御剤として、例えば有機金属錯体又はキレート化合物が有効である。モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属錯体、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体が挙げられる。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、その無水物、又はそのエステル類、又は、ビスフェノールのフェノール誘導体類が挙げられる。
トナーを正荷電性に制御する正荷電性制御剤としては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのキレート顔料として、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン酸、フェロシアン化合物等)、高級脂肪酸の金属塩として、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキシド等のジオルガノスズオキサイドやジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレートが挙げられる。
本発明において、必要に応じて一種又は二種以上の離型剤を、トナー粒子中に含有させてもかまわない。離型剤としては次のものが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスが好ましく使用できる。また、酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、または、それらのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。
離型剤の量は、結着樹脂100質量部あたり0.1乃至20質量部、好ましくは0.5乃至10質量部が好ましい。
また、該離型剤の示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の最大吸熱ピーク温度で規定される融点は、65乃至130℃であることが好ましい。より好ましくは80乃至125℃であることがよい。融点が65℃未満の場合は、トナーの粘度が低下し、感光体へのトナー付着が発生しやすくなり、融点が130℃超の場合は、低温定着性が悪化してしまう場合があり好ましくない。
トナーには、トナー粒子に外添することにより、流動性が添加前後を比較すると増加し得る微粉体を流動性向上剤として用いてもかまわない。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナ等をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施し、疎水化処理したものであり、メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が30〜80の範囲の値を示すように処理したものが特に好ましい。
無機微粒子は、トナー粒子100質量部に対して、0.1乃至10質量部、好ましくは0.2乃至8質量部用いるのが良い。
また、二成分系現像剤として使用する場合、その際のトナーとキャリアとの混合比率は、現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下、好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低下しやすく、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が発生しやすい。
また、現像器内の二成分系現像剤のトナー濃度の低下に応じて現像器に補給するための補給用現像剤では、補給用磁性キャリア1質量部に対しトナー量は2質量部以上50質量部以下である。
<磁性キャリアの安息角の測定方法>
磁性キャリアの安息角は、図6に概略される手順にて測定した。底をアルミニウムの板で塞いだ樹脂製の円筒の内部に磁性キャリアを所定量入れ、円筒を上方に持ち上げて内部の磁性キャリアを板の上面に円錐状に堆積させる。このアルミニウムの板の表面と磁性キャリアのなす角を安息角として求める。測定は、温度23℃、相対湿度50%の環境下にて、5回繰り返し、5回の結果の相加平均値を安息角とする。尚、測定には、温度23℃、相対湿度50%の環境下に一晩放置したキャリアを用いる。
<磁性キャリアの表面粗さRzの測定>
本発明においては、非接触3次元表面測定機(マイクロマップ123 (株)菱化システム社)を用いて測定した。この測定機は、高精度レーザー顕微鏡であり、観察している面内の表面粗さを3次元化することができる。以下に、測定方法の具体例を示す。上記、マイクロマップの光学顕微鏡部に20倍の二光束干渉対物レンズを装着した。レンズ下に磁性キャリアを配置し、表面形状画像をWaveモードでCCDカメラを用いて干渉像を垂直走査させて磁性キャリア表面の3次元画像を得た。得られた画像を、上記測定機に付随している解析ソフト(SX−Viewer (株)菱化システム社)を用いて、切断線における断面の表面粗さRzを測定した。表面粗さRzは、評価長さにおいて平均線から断面曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均することで求める。測定条件は、切断長さを24μm、評価長さを8μm、カットオフ値を8μmとし、3次元画像上の磁性キャリアの中心と切断線の中点を合わせ、表面粗さRzを算出した。なお、本発明における表面粗さRzは、50個の磁性キャリアについて測定し、その平均値として得られた値である。
<磁性キャリアの真密度の測定方法>
磁性キャリアの真密度は、乾式自動密度計アキュピック1330(島津製作所社製)を用い測定する。まず、23℃、50%RHの環境に24時間放置したサンプル試料を5g精秤し、測定用セル(10cm)に入れ、本体試料室に挿入する。測定は、試料サンプル質量を本体に入力し測定をスタートさせることにより自動測定できる。
自動測定の測定条件は、20.000psig(2.392×10kPa)で調整されたヘリウムガスを用いる。試料室内に10回パージした後、試料室内の圧力変化が0.005(psig/min)(3.447×10−2kPa/min)になる状態を平衡状態とし、平衡状態になるまで繰り返しヘリウムガスをパージする。平衡状態の時の本体試料室の圧力を測定する。その平衡状態に達した時の圧力変化により試料サンプル体積が算出できる(ボイルの法則)。
試料サンプル体積が算出できることにより、以下の式で試料サンプルの真密度が計算できる。
試料サンプルの真密度(g/cm)=
試料サンプル質量(g)/試料サンプル体積(cm
<磁性キャリアコア粒子の比抵抗測定>
磁性キャリアコア粒子の抵抗は、図11に概略される測定装置を用いて測定する。電界強度300(V/cm)における比抵抗を測定する。
抵抗測定セルAは、断面積2.4cmの穴の開いた円筒状容器(PTFE樹脂製)17、下部電極(ステンレス製)18、支持台座(PTFE樹脂製)19、上部電極(ステンレス製)20から構成される。支持台座19上に円筒状容器18を載せ、試料21を厚さ約1mmになるように充填し、充填された試料5に上部電極20を載せ、試料の厚みを測定する。図11(a)に示す如く、試料のないときの間隙をd1とし、図11(b)に示す如く、厚さ約1mmになるように試料を充填したときの間隙d2とすると、試料の厚みdは下記式で算出される。
d=d2−d1(mm)
この時、試料の厚みdが0.95mm以上1.04mm以下となるように試料の質量を適宜変える。
電極間に直流電圧を印加し、そのときに流れる電流を測定することによって試料の比抵抗を求めることができる。測定には、エレクトロメーター22(ケスレー6517A ケスレー社製)及び制御用に処理コンピュータ23を用いる。
制御用の処理コンピュータにナショナルインスツルメンツ社製の制御系と制御ソフトウエア(LabVEIW ナショナルインスツルメンツ社製)を用いた。
測定条件として、試料と電極との接触面積S=2.4cm、試料の厚み0.95mm以上1.04mm以下になるように実測した値dを入力する。また、上部電極の荷重270g、最大印加電圧1000Vとする。
比抵抗(Ω・cm)=
(印加電圧(V)/測定電流(A))×S(cm)/d(cm)
電界強度(V/cm)=印加電圧(V)/d(cm)
磁性キャリアコア粒子の前記電界強度における比抵抗は、グラフ上の前記電界強度における比抵抗をグラフから読み取る。
<磁性キャリアコア粒子の体積分布基準の50%粒径(D50)の測定方法>
粒度分布測定は、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)にて測定を行った。
磁性キャリアコア粒子の体積分布基準の50%粒径(D50)の測定には、乾式測定用の試料供給機「ワンショットドライ型サンプルコンディショナーTurbotrac」(日機装社製)を装着して行った。Turbotracの供給条件として、真空源として集塵機を用い、風量約33l/sec、圧力約17kPaとした。制御は、ソフトウエア上で自動的に行う。粒径は体積平均の累積値である50%粒径(D50)を求める。制御及び解析は付属ソフト(バージョン10.3.3−202D)を用いて行う。測定条件は下記の通りである。
SetZero時間 :10秒
測定時間 :10秒
測定回数 :1回
粒子屈折率 :1.81%
粒子形状 :非球形
測定上限 :1408μm
測定下限 :0.243μm
測定環境 :23℃、50%RH
<磁性体の個数平均粒径の測定方法>
磁性体の粒度分布の測定は、磁性キャリアコアを製造する前のものを測定する。また、磁性キャリアから測定する場合は、磁性キャリアからクロロホルムを用いて被覆樹脂組成物を取り除き、キャリアコアをアルミナボートにのせ、マッフル炉で600℃1時間焼き、メノウ乳鉢ですりつぶした粒子を測定する。
磁性体を走査型電子顕微鏡(SEM)、S−4800(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、以下の条件にて観察を行う。
SignalName=SE(U,LA80)
AcceleratingVoltage=2000Volt
EmissionCurrent=11000nA
WorkingDistance=8000um
LensMode=High
CondenSer1=5000
ScanSpeed=Capture_Slow(20)
Magnification=30000(測定に使用)
DataSize=1280×960
ColorMode=Grayscale
SpecimenBias=0V
なお、反射電子像の取り込みは、上記条件のほか、走査型電子顕微鏡S−4800の制御ソフト上で、コントラスト=5、ブライトネス=−5に明るさを調整し、磁性体観察モードはOFFとして、256階調のグレースケール画像を得る。
続いて、得られた画像をA3用紙に拡大プリントし、水平方向フェレ径を計測する。写真上の目盛りから実際の長さに変換し、(0.016μm−0.023μm)、(0.023μm−0.033μm)、(0.033μm−0.047μm)、(0.047μm−0.066μm)、(0.066μm−0.094μm)、(0.094μm−0.133μm)、(0.133μm−0.187μm)、(0.187μm−0.265μm)、(0.265μm−0.375μm)、(0.375μm−0.530μm)、(0.530μm−0.750μm)、(0.750μm−1.060μm)、(1.060μm−1.499μm)、(1.499μm−2.121μm)、(2.121μm−2.999μm)、(2.999μm−4.241μm)の16カラムに測定する粒径を振り分けて粒度分布を計算する。個数平均粒径は、算術平均粒径を用いる。
具体的には、個数平均粒径を計算する場合、全粒子を上記カラムに分類し、各カラムの中間値(代表粒子径)に相対粒子量(差分%)を掛けて、相対粒子量の合計(100%)で割る。
まず測定対象となる粒子径範囲(最大粒子径:x、最小粒子径:xn+1)をn分割し、それぞれの粒子径区間を、[x、xj+1](j=1,2,・・・・,n)とする。この場合の分割は対数スケール上での等分割となる。また、対数スケールに基づいてそれぞれの粒子径区間での代表粒子径は、下記式で表される。
Figure 2015090443
さらにr(j=1,2,・・・・,n)を、粒子径区間[x、xj+1]に対応する相対粒子量(差分%)とし、全区間の合計を100%とすると、対数スケール上での平均値μは下記式で計算できる。
Figure 2015090443
このμは、対数スケール上の数値であり、粒子径としての単位を持たないので、粒子径の単位に戻すために10μすなわち10のμ乗を計算する。この10μを個数平均粒径とする。
<多孔質磁性コア粒子の細孔径及び細孔容積の測定>
多孔質磁性キャリアコア粒子の細孔径分布は、水銀圧入法により測定される。
測定原理は、以下の通りである。
本測定では、水銀に加える圧力を変化させ、その際の細孔中に浸入した水銀の量を測定する。細孔内に水銀が浸入し得る条件は、圧力P、細孔直径D、水銀の接触角と表面張力をそれぞれθとσとすると、ちからの釣り合いから、PD=−4σCOSθで表せる。接触角と表面張力を定数とすれば、圧力Pとそのとき水銀が浸入し得る細孔直径Dは反比例することになる。このため、圧力Pとそのときに浸入液量Vを、圧力を変えて測定し得られる、P−V曲線の横軸Pを、そのままこの式から細孔直径に置き換え、細孔分布を求めている。
測定装置としては、ユアサアイオニクス社製、全自動多機能水銀ポロシメータPoreMasterシリーズ・PoreMaster−GTシリーズや、島津製作所社製、自動ポロシメータオートポアIV 9500 シリーズ等を用いて測定することができる。
具体的には、株式会社 島津製作所社のオートポアIV9520を用いて、下記条件・手順にて測定を行った。
測定条件
測定環境 20℃
測定セル 試料体積 5cm、圧入体積 1.1cm、用途 粉体用
測定範囲 2.0psia(13.8kPa)以上、59989.6psia(413.7kPa)以下
測定ステップ 80ステップ
(細孔径を対数で取った時に、等間隔になるようにステップを刻む)
圧入パラメータ 排気圧力 50μmHg
排気時間 5.0min
水銀注入圧力 2.0psia(13.8kPa)
平衡時間 5secs
高圧パラメータ 平衡時間 5secs
水銀パラメータ 前進接触角 130.0degrees
後退接触角 130.0degrees
表面張力 485.0mN/m(485.0dynes/cm)
水銀密度 13.5335g/mL
測定手順
(1)多孔質磁性コアを、約1.0g秤量し試料セルに入れる。そして、秤量値を入力する。
(2)低圧部で、2.0psia(13.8kPa)以上、45.8psia(315.6kPa)以下の範囲を測定。
(3)高圧部で、45.9psia(316.3kPa)以上、59989.6psia(413.6kPa)以下の範囲を測定。
(4)水銀注入圧力及び水銀注入量から、細孔径分布を算出する。
(2)、(3)、(4)は、装置付属のソフトウエアにて、自動で行った。
上記の様にして計測した細孔径分布から、0.1μm以上3.0μm以下の細孔径の範囲における微分細孔容積が最大となる細孔径を読み取り、それをもって、微分細孔容積が極大となる細孔径とする。
また、0.1μm以上3.0μm以下の細孔径の範囲における微分細孔容積を積分した細孔容積を、付属のソフトウエアを用いて算出し、細孔容積とした。
<磁気力/磁束密度の測定方法>
磁気力は、以下説明する計算方法によって算出される。
Figure 2015090443
よって、Br及びBθが分かれば、Fr及びFθを求めることが出来る。ここで、磁束密度Brは、測定器としてF.W.BELL社製磁場測定器「MS−9902」(商品名)を用いて、測定器の部材であるプローブと現像スリーブ8の表面との距離を約100μmに設定して測定したものである。
さらに、Bθは以下のように求めることが出来る。磁束密度Brの測定位置でのベクトルポテンシャルA(R,θ)は測定された磁束密度Brを用いて
Figure 2015090443
で求められる。境界条件をA(R,θ)とし、方程式
(R,θ)=0
を解くことでA(R,θ)を求める。そして、
Figure 2015090443
より、Bθを求めることができる。
以下、実施例を参照して本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これら実施例にのみ限定されるものではない。
<多孔質磁性キャリアの製造例>
[多孔質磁性コア粒子1の製造例]
・工程1(秤量・混合工程)
Fe 68.3質量%
MnCO 28.5質量%
Mg(OH) 2.0質量%
SrCO 1.2質量%
上記フェライト原材料を秤量し、フェライト原料80質量部に水20質量部を加え、その後、直径(φ)10mmのジルコニアを用いてボールミルで3時間湿式混合しスラリーを調製した。スラリーの固形分濃度は、80質量%とした。
・工程2(仮焼成工程)
混合したスラリーをスプレードライヤー(大川原化工機社製)により乾燥した後、バッチ式電気炉で、窒素雰囲気下(酸素濃度1.0体積%)、温度1050℃で3.0時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
・工程3(粉砕工程)
仮焼フェライトをクラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、水を加え、スラリーを調製した。スラリーの固形分濃度を70質量%とした。1/8インチのステンレスビーズを用いた湿式ボールミルで3時間粉砕し、スラリーを得た。さらにこのスラリーを直径1mmのジルコニアを用いた湿式ビーズミルで4時間粉砕し、体積基準の50%粒子径(D50)が1.3μm仮焼フェライトスラリーを得た。
・工程4(造粒工程)
上記仮焼フェライトスラリーに、100質量部に対し、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部、バインダーとしてポリビニルアルコール1.5質量部の割合で添加した後、スプレードライヤー(大川原化工機社製)で球状粒子に造粒、乾燥した。得られた造粒物に対して、粒度調整を行った後、ロータリー式電気炉を用いて700℃で2時間加熱し、分散剤やバインダー等の有機物を除去した。
・工程5(焼成工程)
トンネル式電気炉において、窒素雰囲気下(酸素濃度1.0体積%)で、室温から焼成温度(1100℃)になるまでの時間を2時間とし、温度1100℃で4時間保持し、焼成した。その後、8時間をかけて温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
・工程6(選別工程)
凝集した粒子を解砕した後に、目開き150μmの篩で篩分して粗大粒子を除去、風力分級を行い微粉を除去し、さらに磁力選鉱により低磁力分を除去して多孔質磁性コア1を得た。得られた多孔質磁性コア粒子1の物性を表1に示す。
[多孔質磁性コア粒子2の製造例]
・工程1(秤量・混合工程)
Fe 68.3質量%
MnCO 28.5質量%
Mg(OH) 2.0質量%
SrCO 1.2質量%
上記フェライト原材料を秤量し、フェライト原料80質量部に水20質量部を加え、その後、直径(φ)10mmのジルコニアを用いてボールミルで3時間湿式混合しスラリーを調製した。スラリーの固形分濃度は、80質量%とした。
・工程2(仮焼成工程)
混合したスラリーをスプレードライヤー(大川原化工機社製)により乾燥した後、バッチ式電気炉で、窒素雰囲気下(酸素濃度1.0体積%)、温度1050℃で3.0時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
・工程3(粉砕工程)
仮焼フェライトをクラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、水を加え、スラリーを調製した。スラリーの固形分濃度を70質量%とした。1/8インチのステンレスビーズを用いた湿式ボールミルで3時間粉砕し、スラリーを得た。さらにこのスラリーを直径1mmのジルコニアを用いた湿式ビーズミルで4時間粉砕し、体積基準の50%粒子径(D50)が1.3μm仮焼フェライトスラリーを得た。
・工程4(造粒工程)
上記仮焼フェライトスラリーに、100質量部に対し、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部、バインダーとしてポリビニルアルコール1.5質量部の割合で添加した後、スプレードライヤー(大川原化工機社製)で球状粒子に造粒、乾燥した。得られた造粒物に対して、粒度調整を行った後、ロータリー式電気炉を用いて700℃で2時間加熱し、分散剤やバインダー等の有機物を除去した。
・工程5(焼成工程)
トンネル式電気炉において、窒素雰囲気下(酸素濃度0.8体積%)で、室温から焼成温度(1100℃)になるまでの時間を2時間とし、温度1100℃で4時間保持し、焼成した。その後、8時間をかけて温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
・工程6(選別工程)
凝集した粒子を解砕した後に、目開き150μmの篩で篩分して粗大粒子を除去、風力分級を行い微粉を除去し、さらに磁力選鉱により低磁力分を除去して多孔質磁性コア1を得た。得られた多孔質磁性コア粒子1の物性を表1に示す。
[多孔質磁性コア粒子3の製造例]
・工程1(秤量・混合工程)
Fe 68.3質量%
MnCO 28.5質量%
Mg(OH) 2.0質量%
SrCO 1.2質量%
上記フェライト原材料を秤量し、フェライト原料80質量部に水20質量部を加え、その後、直径(φ)10mmのジルコニアを用いてボールミルで3時間湿式混合しスラリーを調製した。スラリーの固形分濃度は、80質量%とした。
・工程2(仮焼成工程)
混合したスラリーをスプレードライヤー(大川原化工機社製)により乾燥した後、バッチ式電気炉で、窒素雰囲気下(酸素濃度1.0体積%)、温度950℃で2.0時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
・工程3(粉砕工程)
仮焼フェライトをクラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、水を加え、スラリーを調製した。スラリーの固形分濃度を70質量%とした。1/8インチのステンレスビーズを用いた湿式ボールミルで2時間粉砕し、スラリーを得た。さらにこのスラリーを直径1mmのジルコニアを用いた湿式ビーズミルで3時間粉砕し、体積基準の50%粒子径(D50)が2.3μm仮焼フェライトスラリーを得た。
・工程4(造粒工程)
上記仮焼フェライトスラリーに、100質量部に対し、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部、バインダーとしてポリビニルアルコール1.5質量部の割合で添加した後、スプレードライヤー(大川原化工機社製)で球状粒子に造粒、乾燥した。得られた造粒物に対して、粒度調整を行った後、ロータリー式電気炉を用いて650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダー等の有機物を除去した。
・工程5(焼成工程)
トンネル式電気炉において、窒素雰囲気下(酸素濃度0.8体積%)で、室温から焼成温度(1100℃)になるまでの時間を2.7時間とし、温度1100℃で3.3時間保持し、焼成した。その後、8時間をかけて温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
・工程6(選別工程)
凝集した粒子を解砕した後に、目開き150μmの篩で篩分して粗大粒子を除去、風力分級を行い微粉を除去し、さらに磁力選鉱により低磁力分を除去して多孔質磁性コア1を得た。得られた多孔質磁性コア粒子1の物性を表1に示す。
<磁性体分散型樹脂キャリアの製造例>
[磁性体粒子A−1の調製]
Feを、湿式ボールミルで10時間混合、粉砕する。ポリビニルアルコール1質量部を加え、スプレードライヤーで造粒乾燥させる。電気炉にて酸素濃度0.0体積%窒素雰囲気化下で焼成を900℃、10時間行う。
得られた磁性体を乾式ボールミルで5時間粉砕する。風力分級機(エルボジェットラボEJ−L3、日鉄鉱業社製)で分級して、微粉及び粗粉を同時に分級除去し、磁性体粒子A−1を得る。
得られた磁性体粒子A−1と、シラン系カップリング剤(3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン)(マグネタイト微粒子の100質量部に対して0.2質量部)とを、容器に導入する。そして、該容器内において100℃で1時間高速混合撹拌して、磁性体粒子A−1を表面処理する。
[磁性体粒子A−2の調製]
磁性体粒子A−1の粉砕分級条件を変える以外、磁性体粒子A−1と同様にして、シラン系カップリング剤(3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン)(マグネタイト微粒子の100質量部に対して1.1質量部)にて表面処理を施す。
[磁性体粒子A−3の調製]
磁性体粒子A−1の粉砕分級条件を変える以外、磁性体粒子A−1と同様にして、シラン系カップリング剤(3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン)(マグネタイト微粒子の100質量部に対して0.1質量部)にて表面処理を施す。
[磁性体粒子B−1の調製]
ガス吹き込み管を有する反応槽に窒素ガスを20L/分で通気しながら、Fe2+1.5モル/Lを含む硫酸第一鉄水溶液26.7L及びSi4+0.2モル/Lを含むケイ酸ソーダ3号水溶液1.0Lを3.4Nの水酸化ナトリウム水溶液22.3Lに加え、pHを6.8、温度90℃まで昇温させる。さらに3.5Nの水酸化ナトリウム水溶液1.2Lを添加し、pHを8.5に調整し、撹拌を続け、ガスを空気に変え、100L/分で90分間通気する。pHを希硫酸を用いて、pH7に中和し、生成粒子を水洗、濾過、乾燥、粉砕を行い、磁性体粒子B−1を得る。
得られた磁性体粒子B−1と、シラン系カップリング剤(3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン)(マグネタイト微粒子の100質量部に対して1.2質量部)とを、容器に導入する。そして、該容器内において100℃で1時間高速混合撹拌して、磁性体粒子B−1を表面処理する。
[磁性体粒子B−2の調製]
磁性体粒子B−1の反応温度、反応場のpH、反応時間、ケイ酸塩添加により、磁性体粒子の形状及び粒度分布を変えた磁性体粒子を得る。得られた磁性体粒子B−2に対して、シラン系カップリング剤(3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン)(マグネタイト微粒子の100質量部に対して1.1質量部にて表面処理を施す。
[磁性体粒子B−3の調製]
磁性体粒子B−1の反応温度、反応場のpH、反応時間、ケイ酸塩添加により、磁性体粒子の形状及び粒度分布を変えた磁性体粒子を得る。得られた磁性体粒子B−3に対して、シラン系カップリング剤(3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン)(マグネタイト微粒子の100質量部に対して1.0質量部にて表面処理を施す。
[磁性体分散型樹脂キャリアコア1の製造例]
・フェノール 10質量部
・ホルムアルデヒド溶液 15質量部
(ホルムアルデヒド37質量%水溶液)
・表面処理した磁性体粒子A−3(マグネタイト、不定形状、個数平均径1.70μm)
60質量部
・表面処理した磁性体粒子B−3(マグネタイト、球形、個数平均径0.15μm)
40質量部
上記材料と、28%アンモニア水5質量部、水20質量部をフラスコに入れ、40℃において、攪拌、混合する。その後、攪拌しながら平均昇温速度1.5℃/分で、85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて、生成するフェノール樹脂を硬化させた。このときの攪拌翼の周速は、1.96m/秒とする。
その後、30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5hPa以下)、60℃の温度で乾燥して、磁性体が分散された状態の球状の磁性体分散型樹脂キャリアコア1を得た。得られた磁性体分散型樹脂キャリアコア1の物性を表1に示す。
[磁性体分散型樹脂キャリアコア2の製造例]
・フェノール 10質量部
・ホルムアルデヒド溶液 15質量部
(ホルムアルデヒド37質量%水溶液)
・表面処理した磁性体粒子A−2(マグネタイト、不定形状、個数平均径0.50μm)
40質量部
・表面処理した磁性体粒子B−2(マグネタイト、球形、個数平均径0.05μm)
60質量部
・28%アンモニア水 5質量部
・水 20質量部
上記の材料を用いる以外は、磁性体分散型樹脂キャリアコア1の製造例と同様にして、磁性体が分散された状態の球状の磁性体分散型樹脂キャリアコア2を得た。得られた磁性体分散型樹脂キャリアコア2の物性を表1に示す。
[磁性体分散型樹脂キャリアコア3の製造例]
・フェノール 10質量部
・ホルムアルデヒド溶液 15質量部
(ホルムアルデヒド37質量%水溶液)
・表面処理した磁性体粒子A−1(マグネタイト、不定形状、個数平均径1.48μm)
70質量部
・表面処理した磁性体粒子B−1(マグネタイト、球形、個数平均径0.25μm)
30質量部
・28%アンモニア水 5質量部
・水 20質量部
上記の材料を用いる以外は、磁性体分散型樹脂キャリアコア1の製造例と同様にして、磁性体が分散された状態の球状の磁性体分散型樹脂キャリアコア3を得た。得られた磁性体分散型樹脂キャリアコア3の物性を表1に示す。
Figure 2015090443
[磁性キャリア1の製造例]
・工程1 (充填工程)
多孔質磁性キャリアコア1、100質量部を混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌機NDMV型)の撹拌容器内に入れ、60℃に温度を保ち、2.3kPaまで減圧しながら窒素を導入し、表2に示す樹脂溶液1を多孔質磁性コア粒子1に滴下した。滴下量は多孔質磁性キャリアコア100質量部対し、樹脂成分の固形分として5.0質量部となるように調整した。
滴下終了後、2時間そのまま撹拌を続けた後、70℃まで温度を上げ、減圧下で溶剤を除去して、多孔質磁性キャリアコア1の粒子内に樹脂溶液1から得られる樹脂組成物を充填した。
冷却後、得られた充填コア粒子を回転可能な混合容器内に、スパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下で、2℃/分の昇温速度で、攪拌機の設定温度220℃に昇温した。この温度で1.0時間加熱撹拌を行い、樹脂を硬化させ、さらに1.0時間、200℃を保持しながら攪拌を続けた。
その後、室温まで冷却し、樹脂が充填、硬化されたフェライト粒子を取り出し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除いた。さらに、振動篩にて粗大粒子を取り除き樹脂が充填された樹脂充填型磁性コア粒子を得た。
・工程2(樹脂被覆工程)
引き続き、減圧下(1.5kPa)、温度60℃で維持されている遊星運動型混合機(ホソカワミクロン社製のナウタミキサVN型)に、表2に示す樹脂溶液2を、多孔質磁性コア100質量部に対して、樹脂成分の固形分として2.0質量部になるように投入した。投入の仕方として、1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間溶媒除去及び塗布操作を行った。次いで、さらに1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間溶媒除去及び塗布操作を行い、さらに1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間溶媒除去及び塗布操作を行った。
その後、被覆樹脂組成物で被覆された磁性キャリアを回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移す。混合容器を1分間に10回転させて撹拌しながら、窒素雰囲気下に温度120℃で2時間熱処理した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口150μmの篩を通した後、風力分級器で分級した。上記の操作により体積分布基準の50%粒径(D50)40.1μmの磁性キャリア1を得た。得られた磁性キャリア1の物性を表3に示す。
[磁性キャリア3、5の製造例]
キャリアコアを多孔質磁性コア2、多孔質磁性コア3にそれぞれ変更する以外は磁性キャリア1の製造例と同様にして、磁性キャリア3、5を作製した。
得られた磁性キャリア3、5の物性を表3に示す。
[磁性キャリア2]
磁性体分散型樹脂キャリアコア1を減圧下(1.5kPa)、温度60℃で維持されている遊星運動型混合機(ホソカワミクロン社製のナウタミキサVN型)に、表2に示す樹脂溶液2を、磁性キャリアコア100質量部に対して、樹脂成分の固形分として1.2質量部になるように投入した。投入の仕方として、1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間溶媒除去及び塗布操作を行った。次いで、さらに1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間溶媒除去及び塗布操作を行い、さらに1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間溶媒除去及び塗布操作を行った。
その後被覆樹脂組成物で被覆された磁性キャリアを回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移す。混合容器を1分間に10回転させて撹拌しながら、窒素雰囲気下に温度120℃で2時間熱処理した。得られた磁性キャリア粒子を、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口150μmの篩を通した後、風力分級器で分級した。上記の操作により体積分布基準の50%粒径(D50)38.5μmの磁性キャリア2を得た。得られた磁性キャリア2の物性を表3に示す。
[磁性キャリア4、6の製造例]
キャリアコアを磁性体分散型樹脂キャリアコア2、磁性体分散型樹脂キャリアコア3にそれぞれ変更する以外は磁性キャリア2の製造例と同様にして、磁性キャリア4、6を作製した。得られた磁性キャリア4、6の物性を表3に示す。
[磁性キャリア7]
磁性体分散型樹脂キャリアコア1を万能攪拌器に投入し、磁性体分散型樹脂キャリアコア100質量部に対して、樹脂成分の固形分として1.2質量部となるように、樹脂溶液3を、70℃下、撹拌しながら投入した。70℃で2時間撹拌した後、窒素ガス雰囲気下において、180℃で2時間撹拌することによって熱処理を行った。その後、冷却、解砕し、200メッシュの篩で分級して、磁性キャリア7を得た。得られた磁性キャリア7の物性を表3に示す。
[磁性キャリア8、9の製造例]
キャリアコアを磁性体分散型樹脂キャリアコア2、磁性体分散型樹脂キャリアコア3にそれぞれ変更する以外は磁性キャリア7の製造例と同様にして、磁性キャリア8、9を作製した。得られた磁性キャリア8、9の物性を表3に示す。
Figure 2015090443
Figure 2015090443
[トナーの製造例]
・結着樹脂(ポリエステル樹脂、Tg58℃、酸価15mgKOH/g、水酸基価15mgKOH/g、メインピーク分子量5800、数平均分子量3350、重量平均分子量94000) 100.0質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 4.5質量部
・1,4−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5質量部
・ノルマルパラフィンワックス(融点:78℃) 6.0質量部
上記の処方の材料を、ヘンシェルミキサー(FM−75J型、三井鉱山(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機(PCM−30型、池貝鉄鋼(株)製)にて10kg/hのFeed量で混練(吐出時の混練物温度は約150℃)した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗砕した後、機械式粉砕機(T−250:ターボ工業(株)製)にて15kg/hrのFeed量で微粉砕した。そして、重量平均粒径が5.5μmであり、粒径4.0μm以下の粒子を55.6個数%含有し、且つ粒径10.0μm以上の粒子を0.8体積%含有する粒子を得た。
得られた粒子に対して、回転式分級機(TTSP100、ホソカワミクロン(株)製)にて、微粉及び粗粉をカットする分級を行った。分級の結果、重量平均粒径が6.3μmであり、粒径4.0μm以下の粒子の存在率が25.8個数%、且つ粒径10.0μm以上の粒子を2.4体積%含有するシアントナー粒子1を得た。
さらに、下記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、日本コークス社製)に投入し、回転羽根の周速を35.0(m/sec)とし、3分間混合することにより、シアントナー粒子1の表面に、シリカと酸化チタンを付着させてシアントナー1を得た。
・シアントナー粒子1 100.0質量部
・シリカ微粒子 3.5質量部
(ゾルゲル法で作製したシリカ微粒子にヘキサメチルジシラザン1.5質量%で表面処理したもの。一次粒子の個数平均粒径110nm)
・酸化チタン微粒子 0.5質量部
(アナターゼ形の結晶性を有するメタチタン酸をオクチルシラン化合物で表面処理したもの。一次粒子の個数平均粒径50nm)
また、シアントナー粒子1を得る際の処方において、C.I.ピグメントブルー15:3 4.5質量部を、C.I.ピグメントイエロー74 7.0質量部に変更して、イエロートナー1を得た。
同様に、シアントナー粒子1を得る際の処方において、C.I.ピグメントブルー15:3 4.5質量部を、C.I.ピグメントレッド122 6.3質量部に変更して、マゼンタトナー1を得て、カーボンブラック 5.0質量部に変更して、ブラックトナー1を得た。
トナーの処方及び物性値を表4に示す。
Figure 2015090443
<実施例1>
91質量部の磁性キャリア1に対し、各色トナー1を9質量部加え、振とう機(YS−8D型:(株)ヤヨイ製)にて振とうし、二成分系現像剤300gを調製した。振とう機の振幅条件は200rpm、2分間とした。
一方、10質量部の磁性キャリア1に対し、各色トナー1を90質量部加え、常温常湿23℃/50%RHの環境において、V型混合機により5分間混合し、補給用現像剤を得た。
この二成分系現像剤および補給用現像剤を用いて以下の評価を行った。評価結果を表6に示す。
画像形成装置として、キヤノン製カラー複写機imageRUNNER ADVANCE C9075 PRO改造機を用いた。
また、本実施例で使用した現像装置構成1を表5に示した。
Figure 2015090443
また、本体内部において、現像装置の空回転が行えるよう改造した。
各色現像器に二成分系現像剤を入れ、各色補給用現像剤を入れた補給用現像剤容器をセットし、画像を形成し、耐久試験前後での各種評価を行った。
耐久試験においては、温度23℃/湿度5RH%(以下「N/L」)の環境下では、画像比率1%のFFH出力のチャートを用い、温度30℃/湿度80RH%(以下「H/H」)の環境下では、画像比率40%のFFH出力のチャートを用いた。FFHとは、256階調を16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFHが256階調の256階調目(ベタ画像)である。
画像出力枚数は、各評価項目によって変更した。
条件:
紙 レーザービームプリンター用紙CS−814(81.4g/m
(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
画像形成速度 A4サイズ、フルカラーで80(枚/min)で出力できるように改造した。
現像条件 ・現像コントラストを任意値で調整可能にし、本体による自動補正が作動しないように改造した。
・交番電界のピーク間の電圧(Vpp)は、周波数2.0kHz、Vppが0.7kVから1.8kVまで0.1kV刻みで変えられるように改造した。
・各色とも、単色で画像が出力できるように改造した。
各評価項目を以下に示す。
(1)混色の色味変動
イエローとマゼンタの混色である、レッドの色味変動を評価した。
耐久試験前に、各色単色の紙上のベタ画像反射濃度が1.5となるように、現像コントラストを調整した。その後、N/L環境下で2000枚連続通紙直後のレッドのベタ画像、及び、H/H環境下で2000枚連続通紙直後のレッドのベタ画像を出力し、環境差における色味変動の度合いを確認した。
<色味変動差の測定方法>
色味変動差はa、bをSpectroScan Transmission(GretagMacbeth社製)を用いて測定することによって求められる。以下に具体的な測定条件の一例を示す。
(測定条件)
観測光源:D50
観測視野:2°
濃度:DIN NB
白色基準:Pap
フィルター:なし
一般に、a、bとは、色を数値化して表現するのに有用な手段であるL表色系で用いられている値である。a及びbは、両者で色相を表す。色相とは、赤、黄、緑、青、紫等、色あいを尺度化したものである。a及びbのそれぞれは、色の方向を示しており、aは赤−緑方向、bは黄−青方向を表している。本発明において色味変動の差(ΔC)を以下のように定義した。
ΔC={(HH環境の画像のa−NL環境の画像のa
+(HH環境の画像のb−NL環境の画像のb1/2
測定は、画像中の任意の5点を測定してその平均値を求めた。評価方法は、それぞれの環境で出力したベタ画像のa、bを測定し、上記式によってΔCを算出した。評価基準は以下の通りである。
A:ΔCが0以上、2.0未満(非常に良好)
B:ΔCが2.0以上、3.5未満(良好)
C:ΔCが3.5以上、5.0未満(やや良好)
D:ΔCが5.0以上、6.5未満(欠陥が気になる)
E:ΔCが6.5以上、8.0未満(欠陥がやや目立つ)
F:ΔCが8.0以上(欠陥が目立つ)
(2)カブリ
耐久後、A4全面ベタ白画像をカラーレーザーコピアペーパーで出力した。カブリは白地部分の白色度をリフレクトメーター(東京電色社製)により測定し、その白色度と転写紙の白色度の差からカブリ濃度(%)を算出し、評価した。評価基準は次の通りである。
A:0.5%未満(非常に良好)
B:0.5%以上、1.0%未満(良好)
C:1.0%以上、1.5%未満(やや良好)
D:1.5%以上、2.5%未満(欠陥が気になる)
E:2.5%以上、3.0%未満(欠陥がやや目立つ)
F:3.0%以上(欠陥が目立つ)
(3)ハーフトーン画像の耐ガサツキ性
H/H環境下で初期、及び耐久画像出力評価(5万枚)を行った後、ハーフトーン画像(30H)をA4で1枚印刷した。画像はデジタルマイクロスコープVHX−500(レンズワイドレンジズームレンズVH−Z100 キーエンス社製)を用い、ドット1000個の面積を測定した。ドット面積の個数平均(S)とドット面積の標準偏差(σ)を算出し、ドット再現性指数を下記式により算出した。そして、ハーフトーン画像のガサツキをドット再現性指数(I)で評価した。
ドット再現性指数(I)=σ/S×100
ガサツキの評価基準としては、シアン単色で、以下の基準により評価した。
A:Iが3.0未満(非常に良好)
B:Iが3.0以上6.0未満(良好)
C:Iが6.0以上8.0未満(やや良好)
D:Iが8.0以上10.0未満(欠陥が気になる)
E:Iが10.0以上12.0未満(欠陥がやや目立つ)
F:Iが12.0以上(欠陥が目立つ)
(4)コート不良
A4全面ベタ白画像を5万枚出力した。その後、ベタ黒、ハーフトーン、ライン画像など各種画像を確認し、現像スリーブ上の波状ムラ、ブロッチ(斑点状ムラ)等、スリーブ上での現像剤のコート不良に起因する画像ムラ(波状、ブロッチ状等)を参考にし、評価基準結果を下記の指標で示した。
A:全く現れない(非常に良好)
B:数十枚〜数百枚に1枚程度画像を透かしてみると確認できる(良好)
C:数枚〜数十枚に1枚程度画像を透かしてみると確認できる(やや良好)
D:ハーフトーン画像またはベタ黒画像の1枚目のスリーブ一周目に波状あるいは斑点状ムラが確認される。(劣る)
(5)総合判定
上記評価項目(1)乃至(4)における評価ランクを数値化し(A=5、B=4、C=3、D=2、E=1、F=0)、合計値を以下の基準により判定を行った。
A:19以上20以下
B:16以上18以下
C:13以上15以下
D:10以上12以下
E:7以上9以下
F:6以下
<実施例2>
実施例1と同様に、磁性キャリア2を使用して実施例1と同じ比率で二成分現像剤、及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例2では、色味安定性に優れ、総合評価も非常に良好な結果が得られた。詳細を表6に示す。
<実施例3>
実施例1と同様に、磁性キャリア3を使用して実施例1と同じ比率で二成分現像剤、及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例3では、色味安定性に優れ、総合評価も非常に良好な結果が得られた。詳細を表6に示す。
<実施例4>
実施例1と同様に、磁性キャリア4を使用して実施例1と同じ比率で二成分現像剤、及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例4では、流動性の低下に起因して、帯電の立ち上がり性が低下した。また、表面粗さに起因して、磁性キャリア表面に汚染生じ、帯電量が低下した。その結果、色味安定性に影響が生じた。それ以外は、良好な結果であり、総合評価も良好であった。詳細を表6に示す。
<実施例5>
実施例1と同様に、磁性キャリア5を使用して実施例1と同じ比率で二成分現像剤、及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例5では、表面粗さに起因した安息角の増大によって、流動性の低下し、帯電の立ち上がり性が低下した。また、それに伴って、トナー汚染が進行した。その結果、色味安定性に若干の影響が生じた。しかし、それ以外は、良好な結果であり、総合評価も良好であった。詳細を表6に示す。
<実施例6>
実施例1と同様に、磁性キャリア6を使用して実施例1と同じ比率で二成分現像剤、及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例6では、いずれの評価においても、非常に良好な結果であった。評価結果を表6に示す。
<実施例7>
実施例1と同様に、磁性キャリア7を使用して実施例1と同じ比率で二成分現像剤、及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例7では、シリコーン樹脂に起因した流動性が低下によって、わずかにトナー汚染に関して劣る結果となった。また、流動性の低下によって、帯電の立ち上がり性が低下し、かつトナー汚染によって、帯電量が低下した。その結果、色味安定性、画像のガサツキ性に影響が生じた。しかし、それ以外は、良好な結果であり、総合評価もやや良好であった。詳細を表6に示す。
<実施例8>
実施例1と同様に、磁性キャリア8を使用して実施例1と同じ比率で二成分現像剤、及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例8では、シリコーン樹脂に起因した流動性が低下によって、わずかにトナー汚染に関して劣る結果となった。また、流動性の低下によって、帯電の立ち上がり性が低下し、かつトナー汚染によって、帯電量が低下した。その結果、色味安定性、画像のガサツキ性に影響が生じた。しかし、それ以外は、良好な結果であり、総合評価もやや良好であった。詳細を表6に示す。
<実施例9>
実施例1と同様に、磁性キャリア9を使用して実施例1と同じ比率で二成分現像剤、及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例9では、シリコーン樹脂に起因した流動性が低下によって、わずかにトナー汚染に関して劣る結果となった。また、流動性の低下によって、帯電の立ち上がり性が低下し、かつトナー汚染によって、帯電量が低下した。その結果、色味安定性に影響が生じた。しかし、それ以外は、良好な結果であり、総合評価も良好であった。詳細を表7に示す。
<比較例1>
実施例1と同様に、磁性キャリア1を使用して実施例1と同じ比率で二成分現像剤、及び補給用現像剤を調製した。また、本比較例で使用した現像装置構成2を表5に示した。上記現像装置及び得られた現像剤を用いる以外は、実施例1と同様にして評価を行った。
比較例1では、現像器構成に起因して、コート不良が発生し、流動性も低下した。また、流動性の低下によって、磁性キャリアとトナー間において、所望の摩擦が得られず、帯電立ち上がり性が低下した。その結果、色味安定性、カブリ、画像のガサツキ性、コート性が低下した。詳細を表6に示す。
<比較例2>
実施例1と同様に、磁性キャリア6を使用して実施例1と同じ比率で二成分現像剤、及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は、比較例1と同様にして評価を行った。
比較例2では、現像器構成に起因して、コート不良が発生し、流動性も低下した。また、流動性の低下によって、磁性キャリアとトナー間において、所望の摩擦が得られず、帯電立ち上がり性量が低下した。その結果、色味安定性、カブリ、画像のガサツキ性、コート性が低下した。詳細を表6に示す。
Figure 2015090443
1、1K、1Y、1C、1M 静電潜像担持体
2、2K、2Y、2C、2M 帯電器
3、3K、3Y、3C、3M 露光器
4、4K、4Y、4C、4M 現像器
5 現像容器
6、6K、6Y、6C、6M 現像剤担持体
7 マグネット
8 規制部材
9 中間転写体
10K、10Y、10C、10M 中間転写帯電器
11 転写帯電器
12 転写材(記録媒体)
13 定着器
14 中間転写体クリーナー
15、15K、15Y、15C、15M クリーナー
16 前露光
17 円筒状容器
18 下部電極
19 支持台座
20 上部電極
21 磁性キャリア又はキャリアコア
22 エレクトロメーター
23 処理コンピュータ
d1 試料が無い時の間隙
d2 試料を充填した時の間隙

Claims (2)

  1. 静電潜像担持体を帯電手段により帯電する帯電工程、
    帯電された前記静電潜像担持体を露光して静電潜像を形成する露光工程、
    現像装置を用いて、トナーと磁性キャリアとを含む現像剤により前記静電潜像を現像し、トナー像を形成する現像工程、
    前記トナー像を、中間転写体を介して又は介さずに転写材に転写する転写工程、及び
    転写されたトナー像を転写材に定着する定着工程、
    を有する画像形成方法であって、
    前記現像装置は、
    i)前記現像剤を担持するためのスリーブ状の現像剤担持体、
    ii)前記現像剤担持体の内側に設けられ、前記現像剤担持体の回転方向に複数の磁極を備えたマグネット、
    iii)前記現像剤を収容し、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給するための現像室、
    iv)前記現像剤担持体にコートされる現像剤量を規制するための非磁性の規制ブレード部材、及び
    v)前記現像室内において、前記規制ブレード部材よりも前記現像剤担持体の回転方向上流側で、前記規制ブレード部材及び前記現像剤担持体に対向して設けられ、前記現像室内の前記現像剤が前記現像剤担持体に供給される際に、前記現像剤が重力方向上方から前記現像剤担持体へ供給されるようにガイドするガイド部材を有し、
    前記ガイド部材によって前記現像剤担持体に現像剤が供給される位置のうち現像剤担持体の回転方向の最も上流側の位置から前記規制ブレード部材までの前記現像剤担持体の回転方向に関する距離が2mm以上であり、
    前記現像剤担持体の表面における前記現像剤担持体の法線方向の磁気力をFrとしたとき、前記ガイド部材によって前記現像剤担持体に現像剤が供給される位置のうち現像剤担持体の回転方向の最も上流側の位置から前記規制ブレード部材までの前記磁気力Frを積分した積分値(FrAll)に対する、前記現像剤担持体の回転方向に関して前記ブレード部材から前記ブレード部材よりも2mm上流側の位置までの前記磁気力Frを積分した積分値(FrNear)が、60%以上となるように前記複数の磁極が設けられており、
    前記磁性キャリアは、
    i)多孔質磁性粒子を用いたキャリアもしくは磁性体分散型樹脂粒子を有するキャリアであり、
    ii)安息角が23°以上35°以下である、
    ことを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記磁性キャリアが、キャリアコア粒子表面を被覆樹脂で被覆したものであって、
    前記被覆樹脂がアクリル樹脂もしくはシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
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