JP2017122877A - 磁性キャリア、二成分系現像剤、画像形成方法、補給用現像剤 - Google Patents

磁性キャリア、二成分系現像剤、画像形成方法、補給用現像剤 Download PDF

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Abstract

【課題】高温高湿環境下において長期間使用しても、樹脂被覆層の削れや剥がれを抑制し、安定した帯電付与能を保ち、高温高湿環境から常温低湿環境への変動に対して、画像濃度及び色味安定性が向上した磁性キャリアを提供することにある。【解決手段】磁性体と結着樹脂とを有する磁性体分散型樹脂キャリア芯材、及び前記磁性体分散型樹脂キャリア芯材の表面に樹脂被覆層を有する磁性キャリアであって、前記樹脂被覆層は、表面樹脂層と、前記磁性体分散型樹脂キャリア芯材と前記表面樹脂層との間に存在する樹脂組成物とを有し、前記樹脂組成物は、(i)樹脂と、(ii)親水性処理された金属元素の酸化物粒子、親水性処理されたシリカ粒子、及び親水性処理されたカーボンブラックから選択される一種または二種以上の親水性処理された粒子とを含有することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法を用いて静電荷像を顕像化するための画像形成方法に使用される磁性キャリアに関するものである。
近年、複写装置やプリンタは、より高速で、より信頼性が高いことが厳しく追求されてきている。一方、複写装置本体は種々な点でよりシンプルな要素で構成されるようになってきている。その結果、現像剤に要求される性能はより高度になり、現像剤の性能向上が達成できなければ、より優れた複写装置本体が成り立たなくなってきている。
静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、トナーを用いて現像する方法のうち、トナーを磁性キャリアと混合した二成分系現像剤を使用する二成分系現像方法が高画質を要求されるフルカラー複写機又はプリンタに好適に用いられている。二成分系現像方法において、磁性キャリアは摩擦帯電により適当量の正又は負の帯電量をトナーに付与し、また、該摩擦帯電の静電引力により磁性キャリア表面にトナーを担持する。
上記二成分系現像剤を構成する磁性キャリアとトナーに対して要求される特性は種々あるが、磁性キャリアに対して特に重要な特性として、適当な帯電付与性、交番電圧に対する耐圧性、耐衝撃性、耐摩耗性、耐スペント性、現像性等が挙げられる。
磁性キャリアには、粉体特性、電気特性及び磁気特性といった特性があり、現像システムに合わせた各性能が要求される。近年では、環境安定性及び耐久性向上のためにコア材(芯材)をコート樹脂(被覆材)で被覆したキャリアが広く使用されている。
例えば、芯材に少なくとも2層以上の樹脂被覆層を有し、最表層にカーボンブラックを含み、芯材に最も近い樹脂被覆層に金属化合物子、カーボンブラックを含有する提案がなされている(特許文献1)。これにより、長期の使用によっても表面の電荷の漏洩がなく、安定した帯電付与能力を維持させている。
また、最表層にカーボンブラックを含み、芯材に最も近い樹脂被覆層にAlを含む化合物が含有する提案がなされている(特許文献2)。これにより、画像へのキャリア付着を抑制し、且つ画像部における白抜けの発生が抑制させている。
また、中間樹脂層にアルミニウム、マグネシウム、亜鉛及び鉛のうち少なくとも一種の金属酸化物を有し、最表面の被覆樹脂層に水酸基、カルボキシル基を有するモノマーを共重合させる提案がなされている(特許文献3)。これにより、負帯電維持性の向上、且つ、塗膜強度が強く、被覆樹脂の剥離を防止し、長寿命化を達成させている。
しかし、昨今、現像器の小型化に伴う現像剤容量の減少や出力速度の高速化による現像剤撹拌スピードの高速化等、現像器内での現像剤にかかる負担は増大する傾向にある。その結果、特に高温高湿環境下においては、磁性キャリアとトナー間にて働く水架橋力によって、磁性キャリア表面にはトナーや外添剤のスペントが進行し、磁性キャリアの帯電付与性が低下する。また、磁性キャリア表面に対する水分吸着が進行し、磁性キャリア被覆樹脂の強度が一時的に低下することによって、磁性キャリア被覆樹脂の剥がれ・削れが発生し、帯電付与能が低下するといった課題が生じる。これらを満足する磁性キャリア、二成分系現像剤、及びそれを用いた画像形成方法の開発が急務となった。
特開2009−217059号公報 特開2009−217055号公報 特開平8−6309号公報
本発明の目的は、上記のごとき問題点を解決した磁性キャリアを提供するものである。具体的には、高温高湿環境下において長期間使用しても、樹脂被覆層の削れや剥がれを抑制し、安定した帯電付与能を保ち、高温高湿環境から常温低湿環境への変動に対して、画像濃度及び色味安定性が向上した磁性キャリアを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のキャリアは、磁性体と結着樹脂とを有する磁性体分散型樹脂キャリア芯材、及び前記磁性体分散型樹脂キャリア芯材の表面に樹脂被覆層を有する磁性キャリアであって、
前記樹脂被覆層は、表面樹脂層と、前記磁性体分散型樹脂キャリア芯材と前記表面樹脂層との間に存在する樹脂組成物とを有し、
前記樹脂組成物は、
(i)樹脂と、
(ii)親水性処理された金属元素の酸化物粒子、親水性処理されたシリカ粒子、及び親水性処理されたカーボンブラックから選択される一種または二種以上の親水性処理された粒子
とを含有することを特徴とする磁性キャリアに関する。
また、本発明は、前記親水性処理された粒子のメタノール濡れ性が、85%以下である磁性キャリアに関する。
また、本発明は、前記親水性処理された粒子はその表面にエステル基またはカルボキシル基を有し、前記エステル基または前記カルボキシルの官能基濃度が20%以上である磁性キャリアに関する。
また、本発明は、前記親水性処理された金属元素の酸化物粒子が、TiO2、Al23、MgO、及びSrTiO3から選択される一種または二種以上である磁性キャリアに関する。
また、本発明は、前記親水性処理された粒子の一次粒子の体積平均径は、10nm以上1000nm以下である磁性キャリアに関する。
また、本発明は、前記樹脂組成物が、前記樹脂を100質量部としたとき、前記親水性処理された粒子を1.0質量部以上20.0質量部以下含有する磁性キャリアに関する。
また、本発明は、前記樹脂被覆層の膜厚は、0.01μm以上4.00μm以下である磁性キャリアに関する。
また、本発明は、前記樹脂組成物の樹脂は、アクリル酸エステルモノマー又はメタクリル酸エステルモノマーを含むモノマーを重合して得られる重合体及び/または熱硬化性シリコーン樹脂である磁性キャリアに関する。
また、本発明は、前記樹脂被覆層は、アクリル酸エステルモノマー又はメタクリル酸エステルモノマーを含むモノマーを重合して得られる重合体を含有する磁性キャリアに関する。
また、本発明は、温度30℃、湿度80%の環境下に24時間放置したときの前記磁性キャリアの水分率(A)質量%と、温度30℃、湿度80%の環境下に24時間放置後、温度23℃、湿度5%の環境下に24時間放置したときの前記磁性キャリアの水分率(B)質量%との水分率変化(A−B)が0.80質量%以下である磁性キャリアに関する。
また、本発明は、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー粒子を有するトナーと、前記磁性キャリアとを含有する二成分系現像剤に関する。
また、本発明は、静電潜像担持体を帯電する帯電工程、前記静電潜像担持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、前記静電潜像を前記二成分系現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像工程、前記トナー像を中間転写体を介して又は介さずに、転写材に転写する転写工程、及び転写された前記トナー像を前記転写材に定着する定着工程を有する画像形成方法に関する。
また、本発明は、静電潜像担持体を帯電する帯電工程、静電潜像担持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、前記静電潜像を現像器内の二成分系現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像工程、前記トナー像を中間転写体を介して又は介さずに、転写材に転写する転写工程、転写されたトナー像を転写材に定着する定着工程を有し、現像器内の二成分系現像剤のトナー濃度の低減に応じて、補給用現像剤が現像器に補給され、現像器内で過剰になった前記磁性キャリアが必要に応じて現像器から排出される画像形成方法に使用するための補給用現像剤であって、
前記補給用現像剤は、補給用磁性キャリアと、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー粒子を有するトナーとを含有し、
前記補給用現像剤は、前記補給用磁性キャリア1質量部に対して前記トナーを2質量部以上50質量部以下の配合割合で含有している補給用現像剤に関する。
また、本発明は、静電潜像担持体を帯電する帯電工程、静電潜像担持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、前記静電潜像を現像器内の二成分系現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像工程、前記トナー像を中間転写体を介して又は介さずに、転写材に転写する転写工程、転写されたトナー像を転写材に定着する定着工程を有し、現像器内の二成分系現像剤のトナー濃度の低減に応じて、補給用現像剤が現像器に補給され、現像器内で過剰になった前記磁性キャリアが必要に応じて現像器から排出される画像形成方法であって、
前記補給用現像剤は、補給用磁性キャリアと結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー粒子を有するトナーとを含有し、
前記補給用現像剤は、前記補給用磁性キャリア1質量部に対して前記トナーを2質量部以上50質量部以下の配合割合で含有している画像形成方法に関する。
本発明のキャリアを用いることにより、高温高湿環境下において長期間使用しても、樹脂被覆層の耐摩耗性に優れ、安定した帯電付与能を保ち、高温高湿環境から常温低湿環境への変動に対して、画像濃度及び色味安定性が向上した磁性キャリアを得ることができる。
本発明で用いた画像形成装置の概略図である。 本発明で用いた画像形成装置の概略図である。 磁性体分散型樹脂キャリア芯材粒子の比抵抗を測定する装置の概略的断面図である。(a)は、試料を入れる前のブランク状態における図であり、(b)は試料を入れた時の状態を表す図である。
以下、本発明の実施形態について述べる。
<キャリア>
本発明の磁性キャリアは、磁性体と結着樹脂とを有する磁性体分散型樹脂キャリア芯材、及び前記磁性体分散型樹脂キャリア芯材の表面に樹脂被覆層を有する磁性キャリアであって、
前記樹脂被覆層は、表面樹脂層と、前記磁性体分散型樹脂キャリア芯材と前記表面樹脂層との間に存在する樹脂組成物とを有し、
前記樹脂組成物は、
(i)樹脂と、
(ii)親水性処理された金属元素の酸化物粒子、親水性処理されたシリカ粒子、及び親水性処理されたカーボンブラックから選択される一種または二種以上の親水性処理された粒子
とを含有する。以下の説明において、前記キャリア芯材と前記表面樹脂との間に存在する樹脂組成物による層を、中間樹脂層と称する。
本発明に用いられる前記親水性処理された粒子のメタノール濡れ性は、好ましくは85%以下であり、より好ましくは80%以下である。メタノール濡れ性とは、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ性試験において、親水性処理された粒子の全量が溶液中に懸濁されるメタノール濃度のことを示している。
この範囲であることで、粒子表面に存在するカルボキシ基もしくはエステル基と表面樹脂層中の水分子とが水素結合を形成し、その相互作用によって中間樹脂層と表面樹脂層との密着性が向上する。高温高湿環境下において長期間使用した場合でも、樹脂被覆層の削れや剥がれが抑制され、安定した帯電付与能を保つことができる。すなわち、長期間にわたりトナーの帯電特性が安定するため、混色の色味変動、ガサツキ性(ドット再現性)、現像性、階調の変化が安定する。更に、磁性キャリア自体の電荷が小さい場合に顕著に現れるベタ画像におけるキャリア付着も発現しにくい傾向となる。また、表面樹脂層中の水分子を保持するため、環境が変化した場合でも、磁性キャリアの水分率は変化しにくい。このため、高温高湿環境から常温低湿環境への変動に対して、キャリアの帯電特性に大きく影響する水分量が変化しにくいため、環境変動が小さく安定した帯電付与能を保つことができる。これにより、環境が変化した際の白ぬけや階調の変化が向上する。
一方、メタノール濡れ性が85%を超えると、親水性処理が不十分であり、粒子表面に存在するカルボキシ基もしくはエステル基と表面樹脂層中の水分子とが水素結合の相互作用が発現しにくくなるため、中間樹脂層と表面樹脂層との密着性が向上し難くなる。高温高湿環境下において長期間使用した場合に、樹脂被覆層の削れや剥がれが発生することで、安定した帯電付与能を維持できなくなりやすい。すなわち、トナーの帯電特性が長期間にわたり維持できないため、混色の色味変動、ガサツキ性(ドット再現性)、現像性、階調の変化が悪化しやすい。更に、磁性キャリア自体の電荷が小さい場合に顕著に現れるベタ画像におけるキャリア付着も悪化する傾向となる。また、表面樹脂層中の水分子を保持しにくくため、環境が変化した場合において、磁性キャリアの水分率は変化が大きくなる。このため、高温高湿環境から常温低湿環境への変動に対して、磁性キャリアの帯電特性に大きく影響する水分量の変化が大きくなるため、環境変動が大きくなり安定した帯電付与能を保つことができない。これにより、環境が変化した際の白ぬけや階調の変化が悪化しやすい。
本発明に用いられる前記親水性処理された粒子は、その表面にエステル基またはカルボキシル基を有し、前記エステル基及び/または前記カルボキシル基の官能基濃度が好ましくは20%以上であり、より好ましくは30%以上である。官能基濃度とは、X線光電子分光(以下、XPS)測定において、粒子由来の元素に対する、エステル基もしくはカルボキシル基の割合を示したものである。
この範囲であることにより、粒子表面に存在するカルボキシ基もしくはエステル基と表面樹脂層中の水分子とが水素結合を形成し、その相互作用によって中間樹脂層と表面樹脂層との密着性が向上する。また、樹脂被覆層中にアクリル樹脂を用いた場合、アクリル樹脂中のπ結合部と粒子表面に存在するカルボキシ基もしくはエステル基とでπ−π相互作用が生じ、中間樹脂層と表面被覆層との密着性が向上する。また、粒子表面官能基と磁性体分散型樹脂キャリア芯材粒子表面のヒドロキシ基との相互作用によって、中間樹脂層と磁性体分散型樹脂キャリア芯材粒子との密着性は向上する。その結果、高温高湿環境下において長期間使用した場合でも、樹脂被覆層の削れや剥がれが抑制されることで、安定した帯電付与能を保つことができる。すなわち、長期間にわたりトナーの帯電特性が安定するため、混色の色味変動、ガサツキ性(ドット再現性)、現像性、階調の変化が安定する。更に、磁性キャリア自体の電荷が小さい場合に顕著に現れるベタ画像におけるキャリア付着も発現しにくい傾向となる。また、表面樹脂層中の水分子を保持するため、環境が変化した場合でも、磁性キャリアの水分率は変化しにくい。このため、高温高湿環境から常温低湿環境への変動に対して、磁性キャリアの帯電特性に大きく影響する水分量が変化しにくいため、環境変動が小さく安定した帯電付与能を保つことができる。これにより、環境が変化した際の白ぬけや階調の変化が向上する。
一方、20%未満の場合は、粒子表面に存在するカルボキシ基もしくはエステル基の数が少ないことにより、表面樹脂層中の水分子との相互作用が小さくなる。その結果、中間樹脂層と表面樹脂層との密着性が低減する。また、樹脂被覆層中にアクリル樹脂を用いた場合、アクリル樹脂中のπ結合部と粒子表面に存在するカルボキシ基もしくはエステル基とでπ−π相互作用が小さくなり、中間樹脂層と表面樹脂層との密着性が低減する。また、粒子表面官能基と磁性体分散型樹脂キャリア芯材表面のヒドロキシ基との相互作用が小さくなり、中間樹脂層と磁性体分散型樹脂キャリア芯材粒子との密着性は低減する。その結果、高温高湿環境下において長期間使用した場合でも、樹脂被覆層の削れや剥がれが発生し、安定した帯電付与能を保つことができない。すなわち、長期間にわたりトナーの帯電特性が安定せず、混色の色味変動、ガサツキ性(ドット再現性)、現像性、階調の安定性が低減しやすく、更に、磁性キャリア自体の電荷が低減し、キャリア付着が発現しやすい。また、表面樹脂層中の水分子を保持しにくく、環境が変化した場合に磁性キャリアの水分率の変化は大きくなる。このため、高温高湿環境から常温低湿環境への変動に対して、磁性キャリアの帯電特性に大きく影響する水分量が変化し、帯電付与能の安定性が低減しやすく、その結果、環境が変化した際の白ぬけや階調の変化が悪化しやすい。
本発明に用いられる前記親水性処理された金属元素の酸化物粒子が、TiO2、AlO3、MgO及びSrTiO3から選択される一種または二種以上であることが好ましい。
上記以外の粒子を用いた場合、粒子自体の水分吸着能によりキャリアの水分率変化が大きくなる。このため、高温高湿環境から常温低湿環境への変動に対して、キャリアの帯電特性に大きく影響する水分量が変化し、帯電付与能の安定性が低減しやすい。その結果、環境が変化した際の白ぬけや階調の変化が悪化する。また、キャリアとして適正な抵抗範囲とならず、安定した帯電付与能を有することができないため、混色の色味変動、ガサツキ性(ドット再現性)、現像性、階調の安定性、キャリア付着が悪化しやすい。また、本発明に有機微粒子を用いることは好ましくない。有機微粒子として熱硬化性樹脂を用いた場合、その製法上、樹脂分子鎖が乱雑に絡み合い、親水性を示す官能基が樹脂表層には配向しないと考えられる。そのため、密着性向上による耐久性、及び環境安定性等の本発明の効果が発現され難い。熱可塑性樹脂を用いた場合においては、樹脂溶液中に一部が溶解してしまう可能性があり、均一なコート層を形成できず、やはり本発明の効果を得難い。
本発明に用いられる前記親水性処理された粒子の一次粒子の体積平均径は、10nm以上1000nm以下であることが好ましい。
10nmより小さい場合、粒子同士が凝集しやすく、中間樹脂層中に凝集塊の状態で分散される。そのため、中間樹脂層から凝集塊の脱離が生じやすくなり、その部分で帯電付与能が低下する。すなわち、トナーの帯電特性が長期間にわたり維持できないため、混色の色味変動、ガサツキ性(ドット再現性)、現像性、階調の変化が悪化しやすい。更に、磁性キャリア自体の電荷が小さい場合に顕著に現れるベタ画像におけるキャリア付着も悪化する傾向となる。また、凝集塊の脱離によって表面樹脂層中の水分子を安定的に保持しにくくため、環境が変化した場合において、磁性キャリアの水分率は変化が大きくなる。このため、高温高湿環境から常温低湿環境への変動に対して、磁性キャリアの帯電特性に大きく影響する水分量の変化が大きくなり、環境変動が大きくなり安定した帯電付与能を保つことができない。その結果、環境が変化した際の白ぬけや階調の変化が悪化しやすい。
1000nmより大きい場合、中間樹脂層から粒子の脱離が生じやすくなり、帯電付与能が低下する。すなわち、トナーの帯電特性が長期間にわたり維持できないため、混色の色味変動、ガサツキ性(ドット再現性)、現像性、階調の変化が悪化しやすい。更に、磁性キャリア自体の電荷が小さい場合に顕著に現れるベタ画像におけるキャリア付着も悪化する傾向となる。また、凝集塊の脱離によって表面樹脂層中の水分子を安定的に保持しにくくため、環境が変化した場合において、磁性キャリアの水分率は変化が大きくなる。このため、高温高湿環境から常温低湿環境への変動に対して、磁性キャリアの帯電特性に大きく影響する水分量の変化が大きくなり、環境変動が大きくなり安定した帯電付与能を保つことができない。その結果、環境が変化した際の白ぬけや階調の変化が悪化しやすい。
本発明に用いられる前記樹脂組成物が、前記樹脂を100質量部としたとき、前記親水性処理された粒子を1.0質量部以上20.0質量部以下含有することが好ましい。
1.0質量部より少ない場合、表面樹脂層中の水分子と相互作用する粒子表面官能基の絶対量が少なくなるため、中間樹脂層と表面樹脂層との密着性は向上しない。その結果、高温高湿環境下において長期間使用した場合に、樹脂被覆層の削れや剥がれが発生し、安定した帯電付与能を維持できなくなる。すなわち、トナーの帯電特性が長期間にわたり維持できないため、混色の色味変動、ガサツキ性(ドット再現性)、現像性、階調の変化が悪化しやすい。更に、磁性キャリア自体の電荷が小さい場合に顕著に現れるベタ画像におけるキャリア付着も悪化する傾向となる。また、表面樹脂層中の水分子を保持する作用がなくなるため、環境が変化した場合に磁性キャリアの水分率変化は上昇する。その結果、高温高湿環境から常温低湿環境への変動に対して、磁性キャリアの帯電特性に大きく影響する水分量の変化が大きくなるため、環境変動が大きくなり安定した帯電付与能を保つことができない。これにより、環境が変化した際の白ぬけや階調の変化が悪化しやすい。
一方、20.0質量部より多い場合、表面樹脂層の水分子と相互作用する粒子表面官能基の絶対量が多くなるため、水分子がより中間樹脂層方向に引き付けられると考えられる。これにより、表面樹脂層の極表層付近の水分子が減少し、空気中の水分子を吸着することで、樹脂全体の水分率が上昇する。その結果、高温高湿環境下において長期間使用した場合に、樹脂被覆層の削れや剥がれが発生し、安定した帯電付与能を維持できなくなる。すなわち、トナーの帯電特性が長期間にわたり維持できないため、混色の色味変動、ガサツキ性(ドット再現性)、現像性、階調の変化が悪化しやすい。更に、磁性キャリア自体の電荷が小さい場合に顕著に現れるベタ画像におけるキャリア付着も悪化する傾向となる。また、磁性キャリアの水分率が上昇することによって、環境が変化した場合において、磁性キャリアの水分率変化が大きくなる。その結果、高温高湿環境から常温低湿環境への変動に対して、磁性キャリアの帯電特性に大きく影響する水分量の変化が大きくなるため、環境変動が大きくなり安定した帯電付与能を保つことができない。これにより、環境が変化した際の白ぬけや階調の変化が悪化しやすい。
本発明に用いられる前記表面樹脂層の膜厚は、0.01μm以上4.00μm以下であることが好ましい。
表面樹脂層の膜厚において、0.01μm未満の領域が存在する場合、親水性処理された粒子の影響を受け、環境変化の際に磁性キャリアの水分率変化が上昇する。その結果、高温高湿環境から常温低湿環境への変動に対して、磁性キャリアの帯電特性に大きく影響する水分量の変化が大きくなるため、環境変動が大きくなり安定した帯電付与能を保つことができない。これにより、環境が変化した際の白ぬけや階調の変化が悪化しやすい。
一方、表面樹脂層の膜厚において、4.0μmを超える領域が存在する場合、表面樹脂層の水分脱着の影響を受け、環境変化の際に磁性キャリアの水分率変化が上昇する。その結果、高温高湿環境から常温低湿環境への変動に対して、磁性キャリアの帯電特性に大きく影響する水分量の変化が大きくなるため、環境変動が大きくなり安定した帯電付与能を保つことができない。これにより、環境が変化した際の白ぬけや階調の変化が悪化しやすい。
本発明の磁性キャリアは、温度30℃、湿度80%の環境下に24時間放置したときの前記磁性キャリアの水分率(A)質量%と、温度30℃、湿度80%の環境下に24時間放置後、温度23℃、湿度5%の環境下に24時間放置したときの前記磁性キャリアの水分率(B)質量%との水分率変化(A−B)が0.80質量%以下であることが好ましい。
水分率変化が0.80質量%を超える場合、高温高湿環境から常温低湿環境への変動に対して、磁性キャリアの帯電特性に大きく影響する水分量の変化が大きくなるため、環境変動が大きくなり安定した帯電付与能を保つことができない。これにより、環境が変化した際の白ぬけや階調の変化が悪化しやすい。
次に、本発明の粒子の親水性処理方法について説明する。
<粒子の親水性処理方法>
本発明の充填材に含有される金属元素の酸化物粒子、シリカ粒子、及びカーボンブラックは、粒子表面を親水性処理することを要件とする。
親水性処理方法の一つとして、例えば、中性若しくは塩基性カーボンブラックまたは酸性カーボンブラックに対しては、酸化処理を行うことによって親水性基を導入することができる。
酸化処理法の具体例としては、空気接触による酸化法では窒素酸化物やオゾンとの反応による気相酸化法等がある。また、硝酸、過マンガン酸カリウム、重クロム酸カリウム、唖塩素酸、過塩素酸、次亜ハロゲン塩酸、過酸化水素、臭素水溶液、オゾン水溶液等の酸化剤を用いる液相酸化法等が挙げられる。その他、プラズマ処理等により表面を酸化処理したカーボンブラックについても同様に適用することができる。
前記のように粒子表面を酸化処理することによって、親水性基を導入する方法は種々あるが、例えば、次のような方法をとることが好ましい。液相酸化法を行う場合、適当な容器にカーボンブラックをいれ、硝酸水溶液を加え還流した後、洗浄及び乾燥を行うことで親水性処理された粒子を得ることができる。気相酸化法を行う場合、各粒子を筒状のオゾン処理器に入れ、オゾン発生器にてオゾンを発生させ、粒子をオゾン雰囲気下にさらすことによって、親水性処理された粒子を得ることができる。
また、親水性処理方法の一つとして、例えば、低級脂肪酸の親水性エステル化剤もしくはカルボキシル化処理を行うことで、粒子表面のヒドロキシ基に対して低級脂肪酸の親水性エステル基若しくはカルボキシル基を導入する方法が挙げられる。
親水性のエステル化剤の具体例としては、例えば、無水酢酸、酢酸塩化物、酢酸、無水プロピオン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルギン酸等が挙げられる。これらの低級脂肪酸の親水性エステル化剤若しくはカルボキシル化剤は、二種類以上混合して使用しても良い。
前記のような親水性処理方法として、低級脂肪酸の親水性エステル化剤若しくはカルボキシル化処理を行うことで、粒子表面のヒドロキシ基に対して低級脂肪酸の親水性エステル基若しくはカルボキシル基を導入する方法種々存在する。例えば、次のような方法をとることが好ましい。適当な容器に各粒子種を入れ、系中を窒素雰囲気下とした後、無水トルエン、トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジン、無水酢酸を加え、室温にて反応させることで、化学修飾粒子を得る。その後、適当な容器に得られた化学修飾粒子を入れ、メタノール、炭酸カルシウムを加え、室温にて反応させる、その後、反応停止処理を行い、洗浄及び乾燥を行うことで親水性処理された粒子を得ることができる。
次に、本発明の磁性体分散型樹脂キャリア芯材粒子の製造方法について説明する。
<磁性体分散型樹脂キャリア芯材粒子の製造方法>
本発明に用いられる磁性キャリアコアは、結着樹脂中に磁性体を分散させた磁性体分散型樹脂キャリア芯材粒子であれば、混練粉砕法、重合法のいずれで製造したものでもよい。
本発明に用いられる磁性体粒子は、磁性無機化合物粒子と非磁性無機化合物粒子とがある。磁性無機化合物粒子としては、マグネタイト粒子粉末、マグヘマイト粒子粉末、これらにケイ素の酸化物、ケイ素の水酸化物、アルミニウムの酸化物又はアルミニウムの水酸化物の1種又は2種以上を有する磁性鉄酸化物粒子粉末、バリウム、ストロンチウム又はバリウム−ストロンチウムを含むマグネトプランバイト型フェライト粒子粉末、マンガン、ニッケル、亜鉛、リチウム及びマグネシウムから選ばれた1種又は2種以上を含むスピネル型フェライト粒子粉末の如き各種磁性鉄化合物粒子粉末が使用できる。これらの中でも、マグネタイト粒子粉末の如き、磁性鉄酸化物粒子粉末が好ましく使用できる。非磁性無機化合物粒子粉末としては、ヘマタイト粒子粉末の如き非磁性鉄酸化物粒子粉末、ゲータイト粒子粉末の如き非磁性含水酸化第二鉄粒子粉末、酸化チタン粒子粉末、シリカ粒子粉末、タルク粒子粉末、アルミナ粒子粉末、硫酸バリウム粒子粉末、炭酸バリウム粒子粉末、カドミウムイエロー粒子粉末、炭酸カルシウム粒子粉末、亜鉛華粒子粉末が使用できる。これらの中でも、非磁性鉄酸化物粒子粉末が好ましく使用できる。
磁性体の製造方法としては、湿式法、乾式法の従来公知の製造方法により製造できる。具体的には、製造方法は、窒素ガスで置換した反応槽内に、濃度2モル/L以上5モル/L以下の水酸化アルカリ水溶液及び濃度0.5モル/L以上2.0モル/L以下の硫酸鉄水溶液及び硫酸亜鉛水溶液を、水酸化アルカリと硫酸鉄とのモル比率(水酸化アルカリのモル数/硫酸鉄のモル数)が1.0以上5.0以下となるように添加して混合溶液とする。次いで、所望のpHになるようにさらに水酸化アルカリを添加する。上記混合溶液を70℃以上100℃以下の温度に維持しつつ、上記反応槽内に酸化性ガス(空気)を吹き込みながら、7時間以上15時間以下で撹拌混合し、マグネタイトを生成させる。さらに、生成されたマグネタイトを含む上記混合溶液を、濾過、水洗、乾燥、解砕してマグネタイトを得る。上記混合溶液に添加される硫酸鉄水溶液の濃度により、反応スラリー粘度をコントロールでき、生成マグネタイトの粒度分布を調節する。また、上記硫酸鉄水溶液には、Zn2+、Mn2+、Ni2+、Cr2+又はCu2+等の二価の金属イオンが含有されていてもよい。上記二価の金属イオン源としては、それらの硫酸塩、塩化物、硝酸塩が挙げられる。また、SiO2も必要に応じて含有してもよく、ケイ酸塩を原料とする。
また、本発明の磁性キャリアは、誘電物質を含有してもよい。誘電物質を含有することで、現像性が良化し、安定した画像が長期にわたって提供できる。誘電物質としては、酸化チタン、チタン酸塩及びジルコン酸塩等が挙げられる。具体的には、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸鉛、二酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸鉛などが挙げられる。
本発明で用いられる結着樹脂としては、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂及びポリエーテル樹脂の如き樹脂が挙げられる。樹脂は、一種であっても、二種以上の混合樹脂であってもよい。特に、フェノール樹脂は、比較的大きな磁性体を保持するようキャリアコアの強度アップの点で好ましい。キャリアコアの磁気力を高めるため、また比抵抗をコントロールするためには、磁性体の量を増量する。具体的には、マグネタイト粒子の場合、キャリアコアに対して80質量%以上90質量%以下で添加することが好ましい。
水性モノマーであるフェノールとアルデヒドとを塩基性触媒下の水系媒体中で付加重合反応させ、フェノールレゾール樹脂として硬化させる。この際に磁性体を水系媒体中に入れ、モノマーと磁性体とを均一にスラリー化させ、反応が進み樹脂が硬化する際に磁性体を取り込むことでコアができる。
上記のようにして得られたキャリアコアの体積分布基準50%粒径(D50)は、最終的な磁性キャリアの粒径を20.0μm以上80.0μm以下にするため、18.0μm以上78.0μm以下であることが好ましい。これにより、トナーへの摩擦帯電付与性を良好にし、ハーフトーン部の画質を満足し、カブリの抑制とキャリア付着の防止ができる。
キャリアコアは、後述する比抵抗測定法において、電界強度300V/cmにおける比抵抗が、1.0×106Ω・cm以上1.0×109Ω・cm以下であることが、現像性を高くできることから好ましい。
<樹脂組成物被覆粒子の製造方法>
磁性体分散型樹脂キャリア芯材粒子表面を樹脂組成物で被覆する方法としては、特に限定されないが、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、乾式法、及び流動床の如き塗布方法により被覆する方法が挙げられる。被覆する樹脂の量としては、磁性体分散型樹脂キャリア芯材粒子100質量部に対し、0.1質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。
樹脂組成物の樹脂としては、熱可塑性樹脂でも、熱硬化性樹脂のいずれでもよいが、アクリル酸エステルモノマー又はメタクリル酸エステルモノマーを含むモノマーを重合して得られる重合体か、もしくはシリコーン樹脂である。(メタ)アクリル酸エステルモノマーとして使用可能なものは、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ノルマルブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸テトラデシル、アクリル酸ペンタデシル、アクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸ヘプタデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ノルマルブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸テトラデシル、メタクリル酸ペンタデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘプタデシル及びメタクリル酸オクタデシルなどが挙げられる。ストレートシリコーン樹脂では、信越化学社製のKR−271、KR−251、KR−255、東レ・ダウコーニング社製のSR2400、SR2405、SR2410,SR2411。変性シリコーン樹脂では、信越化学社製のKR206(アルキッド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、SR2110(アルキッド変性)などが挙げられる。
次に、磁性キャリアの製造方法について説明する。
<磁性キャリアの製造方法>
樹脂組成物被覆粒子の表面を樹脂被覆層組成物で被覆する方法としては、特に限定されないが、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、乾式法、及び流動床の如き塗布方法により処理する方法が挙げられる。
樹脂被覆層の樹脂は、アクリル酸エステルモノマー又はメタクリル酸エステルモノマーを含むモノマーを重合して得られる重合体である。また、分子構造中に環式炭化水素基を有するビニル系モノマーと他のビニル系モノマーとの共重合体であるビニル系樹脂が好ましい。上記ビニル系樹脂を被覆することで、高温高湿環境下における、帯電量の低減を抑制することができる。
なお、上記ビニル系樹脂を被覆することで、高温高湿環境下における、帯電量の低減を抑制する原因は、以下のように考える。上記ビニル系樹脂を樹脂組成物被覆粒子の表面に被覆する場合、上記ビニル系樹脂を有機溶剤中に溶解させたものと、樹脂組成物被覆粒子とを混合及び脱溶媒するような被覆工程を経る。当上記工程において、環式炭化水素基が樹脂被覆層の表面に配向しながら溶媒が除去されていき、完成した磁性キャリアの表面には、高疎水性の環式炭化水素基が配向された状態で樹脂被覆層が形成されるからである。
環式炭化水素基の具体例としては、炭素数3以上10以下の環式炭化水素基が挙げられ、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、アダマンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、イソボニル基、ノルボニル基、ボロニル基等である。なかでも、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、アダマンチル基が好ましく、構造上安定であることにより充填コア粒子との密着性が高いという観点からシクロヘキシル基が特に好ましい。
また、ガラス転移温度(Tg)を調整するために、さらにその他のモノマーをビニル系樹脂の構成成分として含有させてもよい。
ビニル系樹脂の構成成分として用いられるその他のモノマーとしては、公知のモノマーが用いられるが、例えば次のようなものが挙げられる。スチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルメチルケトンなどが挙げられる。
さらに、被覆層に用いられるビニル系樹脂が、グラフト重合体であることが、磁性体分散型樹脂キャリア芯材粒子との濡れ性がさらに良化し、均一な被覆層が形成されるため好ましい。
グラフト重合体を得るには、幹鎖を形成後グラフト重合する方法や、モノマーとしてマクロモノマーを用いて共重合する方法があるが、マクロモノマーを共重合して用いる方法が、枝鎖の分子量を容易にコントロールできるために好ましい。
用いられるマクロモノマーとしては特に限定されないが、磁性体分散型樹脂キャリア芯材粒子との濡れ性がさらに良化することから、メチルメタクリレートマクロモノマーが好ましい。
上記マクロモノマーを重合する際に使用する量は、ビニル系樹脂の幹鎖の共重合体100質量部に対して、10質量部以上50質量部以下が好ましく、20質量部以上40質量部以下がより好ましい。
また、樹脂被覆層組成物に、導電性を有する粒子や荷電制御性を有する粒子や材料を含有させて用いてもよい。導電性を有する粒子としては、カーボンブラック、マグネタイト、グラファイト、酸化亜鉛、酸化錫が挙げられる。その中でも、カーボンブラックのフィラー効果を好適に作用させることで、樹脂被覆層組成物の表面張力を好適に作用させることができ、樹脂被覆層組成物の被覆性を向上させる観点から好ましい。
なお、カーボンブラックのフィラー効果を好適に作用させることで、樹脂被覆層組成物の被覆性を向上させることできる理由は、カーボンブラックの一次粒子径と凝集性に由来する。すなわち、カーボンブラックは、小さい一次粒子径が小さいため、大きい比表面積を示す。一方、カーボンブラックは、凝集性が高いため、凝集粒子として、大きい粒子として存在する。この一次粒子径と凝集性により、粒子径と比表面積の関係を大きく逸脱する粒子となりうる。すなわち、樹脂被覆層組成物の表面張力が作用する粒径であり、かつ比表面積の大きさから接触点が大きいため、樹脂被覆層組成物の表面張力が作用しやすいためである。
導電性を有する粒子の添加量としては、樹脂被覆層100質量部に対し、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが磁性キャリアの抵抗を調整するためには好ましい。荷電制御性を有する粒子としては、有機金属錯体の粒子、有機金属塩の粒子、キレート化合物の粒子、モノアゾ金属錯体の粒子、アセチルアセトン金属錯体の粒子、ヒドロキシカルボン酸金属錯体の粒子、ポリカルボン酸金属錯体の粒子、ポリオール金属錯体の粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂の粒子、ポリスチレン樹脂の粒子、メラミン樹脂の粒子、フェノール樹脂の粒子、ナイロン樹脂の粒子、シリカの粒子、酸化チタンの粒子、アルミナの粒子など挙げられる。荷電制御性を有する粒子の添加量としては、樹脂被覆層100質量部に対し、0.5質量部以上50.0質量部以下であることが摩擦帯電量を調整するためには好ましい。
次に、本発明においてその目的を達成するに好ましいトナーの構成を説明する。
<トナーの構成>
本発明においてその目的を達成するに好ましいトナーの構成を以下に詳述する。
本発明に用いられる結着樹脂としては、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。中でもビニル系樹脂とポリエステル系樹脂が帯電性や定着性でより好ましい。
本発明において、ビニル系モノマーの単重合体または共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等を、必要に応じて前述した結着樹脂に混合して用いることができる。
2種以上の樹脂を混合して、結着樹脂として用いる場合、より好ましい形態としては分子量の異なるものを適当な割合で混合するのが好ましい。
結着樹脂のガラス転移温度は好ましくは45乃至80℃、より好ましくは55乃至70℃であり、数平均分子量(Mn)は2,500乃至50,000、重量平均分子量(Mw)は10,000乃至1,000,000であることが好ましい。
結着樹脂としては以下に示すポリエステル樹脂も好ましい。
ポリエステル樹脂は、全成分中45乃至55mol%がアルコール成分であり、55乃至45mol%が酸成分である。
ポリエステル樹脂の酸価は好ましくは90mgKOH/g以下、より好ましくは50mgKOH/g以下であり、OH価は好ましくは50mgKOH/g以下、より好ましくは30mgKOH/g以下であることが良い。これは、分子鎖の末端基数が増えるとトナーの帯電特性において環境依存性が大きくなる為である。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度は好ましくは50乃至75℃、より好ましくは55乃至65℃である。数平均分子量(Mn)は好ましくは1,500乃至50,000、より好ましくは2,000乃至20,000である。重量平均分子量(Mw)は好ましくは6,000乃至100,000、より好ましくは10,000乃至90,000である。
本発明のトナーを磁性トナーとして用いる場合、磁性トナーに含まれる磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe,Co,Niのような金属、あるいは、これらの金属とAl,Co,Cu,Pb,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,Cd,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのような金属との合金、およびこれらの混合物等が挙げられる。
具体的には、磁性材料としては、四三酸化鉄(Fe34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄亜鉛(ZnFe24)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe512)、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄ガドリニウム(Gd3Fe512)、酸化鉄銅(CuFe24)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル(NiFe24)、酸化鉄ネオジム(NdFe23)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウム(MgFe24)、酸化鉄マンガン(MnFe24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が挙げられる。
これらは結着樹脂100質量部に対して、磁性体20質量部以上150質量部以下、好ましくは50質量部以上130質量部以下、更に好ましくは60質量部以上120質量部以下使用するのが良い。
本発明で使用される非磁性の着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調整したものが挙げられる。
マゼンタトナー用着色顔料しては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、150、163、166、169、177、184、185、202、206、207、209、220、221、238、254、269;C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35が挙げられる。
着色剤には、顔料単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点から好ましい。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.Iソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの如き塩基性染料。
シアントナー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、2、3、7、15:2、15:3、15:4、16、17、60、62、66;C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチルを1乃至5個置換した銅フタロシアニン顔料。
イエロー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物。具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74,83、93、95、97,109、110、111、120、127、128、129、147、155、168、174、180、181、185、191;C.I.バットイエロー1、3、20が挙げられる。また、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、ソルベントイエロー162などの染料も使用することができる。
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して好ましくは0.1質量部以上30質量部以下であり、より好ましくは0.5質量部以上20質量部以下であり、最も好ましくは3質量部以上15質量部以下である。
また、上記トナーにおいて、結着樹脂に予め、着色剤を混合し、マスターバッチ化させたものを用いることが好ましい。そして、この着色剤マスターバッチとその他の原材料(結着樹脂及びワックス等)を溶融混練させることにより、トナー中に着色剤を良好に分散させることが出来る。
本発明のトナーは、その帯電性をさらに安定化させる為に必要に応じて荷電制御剤を用いることができる。荷電制御剤は、結着樹脂100質量部当り0.5質量部以上10質量部以下使用するのが好ましい。0.5質量部未満となる場合には、十分な帯電特性が得られない場合があり好ましくなく、10質量部を超える場合には、他材料との相溶性が悪化したり、低湿下において帯電過剰になったりする場合があり好ましくない。
荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。
トナーを負荷電性に制御する負荷電性制御剤として、例えば有機金属錯体又はキレート化合物が有効である。モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属錯体、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体が挙げられる。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、その無水物、又はそのエステル類、又は、ビスフェノールのフェノール誘導体類が挙げられる。
トナーを正荷電性に制御する正荷電性制御剤としては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのキレート顔料として、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン酸、フェロシアン化合物等)、高級脂肪酸の金属塩として、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキシド等のジオルガノスズオキサイドやジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレートが挙げられる。
本発明において、必要に応じて一種又は二種以上の離型剤を、トナー粒子中に含有させてもかまわない。離型剤としては次のものが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスが好ましく使用できる。また、酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、または、それらのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。
離型剤の量は、結着樹脂100質量部あたり0.1質量部以上20質量部以下、好ましくは0.5質量部以上10質量部以下が好ましい。
また、該離型剤の示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の最大吸熱ピーク温度で規定される融点は、65乃至130℃であることが好ましい。より好ましくは80乃至125℃であることがよい。融点が65℃未満の場合は、トナーの粘度が低下し、感光体へのトナー付着が発生しやすくなり、融点が130℃超の場合は、低温定着性が悪化してしまう場合があり好ましくない。
本発明のトナーには、トナー粒子に外添することにより、流動性が添加前後を比較すると増加し得る微粉体を流動性向上剤として用いてもかまわない。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナ等をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施し、疎水化処理したものが好ましい。
本発明における無機微粒子は、トナー100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下、好ましくは0.2質量部以上8質量部以下用いるのが良い。
本発明のトナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、その際のキャリア混合比率は、現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下、好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低下しやすく、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が発生しやすい。
また、現像器内の二成分系現像剤のトナー濃度の低下に応じて現像器に補給するための補給用現像剤では、補給用磁性キャリア1質量部に対しトナー量は2質量部以上50質量部以下である。
次に本発明の磁性キャリア、二成分系現像剤及び補給用現像剤を用いる現像装置を備えた画像形成装置について例を挙げて説明するが、本発明の現像方法に使用される現像装置はこれに限るものではない。
<画像形成方法>
図1において、静電潜像担持体1は図中矢印方向に回転する。静電潜像担持体1は帯電手段である帯電器2により帯電され、帯電した静電潜像担持体1表面には、静電潜像形成手段である露光器3により露光させ、静電潜像を形成する。現像器4は、二成分系現像剤を収容する現像容器5を有し、現像剤担持体6は回転可能な状態で配置され、且つ、現像剤担持体6内部に磁界発生手段をしてマグネット7を内包している。マグネット7の少なくとも一つは潜像担持体に対して対向の位置になるように設置されている。二成分系現像剤は、マグネット7の磁界により現像剤担持体6上に保持され、規制部材8により、二成分系現像剤量が規制され、静電潜像担持体1と対向する現像部に搬送される。現像部においては、マグネット7の発生する磁界により磁気ブラシを形成する。その後、直流電界に交番電界を重畳してなる現像バイアスを印加することにより静電潜像はトナー像として可視像化される。静電潜像担持体1上に形成されたトナー像は、転写帯電器11によって記録媒体12に静電的に転写される。ここで、図2に示すように、静電潜像担持体1から中間転写体9に一旦転写し、その後、転写材(記録媒体)12へ静電的に転写してもよい。その後記録媒体12は、定着器13に搬送され、ここで加熱、加圧されることにより、記録媒体12上にトナーが定着される。その後、記録媒体12は、出力画像として装置外へ排出される。尚、転写工程後、静電潜像担持体1上に残留したトナーは、クリーナー15により除去される。その後、クリーナー15により清掃された静電潜像担持体1は、前露光16からの光照射により電気的に初期化され、上記画像形成動作が繰り返される。
図2は、本発明の画像形成方法をフルカラー画像形成装置に適用した概略図の一例を示す。
図中のK、Y、C、Mなどの画像形成ユニットの並びや回転方向を示す矢印は何らこれに限定されるものではない。ちなみにKはブラック、Yはイエロー、Cはシアン、Mはマゼンタを意味している。図2において、静電潜像担持体1K、1Y、1C、1Mは図中矢印方向に回転する。各静電潜像担持体は帯電手段である帯電器2K、2Y、2C、2Mにより帯電され、帯電した各静電潜像担持体表面には、静電潜像形成手段である露光器3K、3Y、3C、3Mにより露光し、静電潜像を形成する。その後、現像手段である現像器4K、4Y、4C、4Mに具備される現像剤担持体6K、6Y、6C、6M上に担持された二成分系現像剤により静電潜像はトナー像として可視像化される。さらに転写手段である中間転写帯電器10K、10Y、10C、10Mにより中間転写体9に転写される。さらに転写手段である転写帯電器11により、記録媒体12に転写され、記録媒体12は、定着手段である定着器13により加熱圧力定着され、画像として出力される。そして、中間転写体9のクリーニング部材である中間転写体クリーナー14は、転写残トナーなどを回収する。本発明の現像方法としては、具体的には、現像剤担持体に交流電圧を印加して、現像領域に交番電界を形成しつつ、磁気ブラシが感光体に接触している状態で現像を行うことが好ましい。現像剤担持体(現像スリーブ)6と感光ドラムとの距離(S−D間距離)は、100μm以上1000μm以下であることが、キャリア付着防止及びドット再現性の向上において良好である。100μmより狭いと現像剤の供給が不十分になりやすく、画像濃度が低くなる。1000μmを超えると磁極S1からの磁力線が広がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性が劣ったり、磁性コートキャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生じやすくなる。
交番電界のピーク間の電圧(Vpp)は300V以上3000V以下、好ましくは500V以上1800V以下である。また周波数は500Hz以上10000Hz以下、好ましくは1000以上7000Hz以下であり、それぞれプロセスにより適宜選択して用いることができる。この場合、交番電界を形成するための交流バイアスの波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty比を変えた波形が挙げられる。ときにトナー像の形成速度の変化に対応するためには、非連続の交流バイアス電圧を有する現像バイアス電圧(断続的な交番重畳電圧)を現像剤担持体に印加して現像を行うことが好ましい。印加電圧が300Vより低いと十分な画像濃度が得られにくく、また非画像部のカブリトナーを良好に回収することができない場合がある。また、3000Vを超える場合には磁気ブラシを介して、潜像を乱してしまい、画質低下を招く場合がある。
良好に帯電したトナーを有する二成分系現像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めることができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbackは、現像システムにも依るが200V以下、より好ましくは150V以下が良い。コントラスト電位としては、十分な画像濃度が出るように100V以上400V以下が好ましく用いられる。
また、周波数が500Hzより低いと、プロセススピードにも関係するが、静電潜像担感光体の構成としては、通常、画像形成装置に用いられる感光体と同じで良い。例えば、アルミニウム、SUS等の導電性基体の上に、順に導電層、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、必要に応じて電荷注入層を設ける構成の感光体が挙げられる。
導電層、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層は、通常、感光体に用いられるもので良い。感光体の最表面層として、例えば電荷注入層あるいは保護層を用いてもよい。
<無機粒子もしくはカーボンブラックの一次粒子の体積平均粒子径の測定方法>
本発明における親水性処理された粒子の一次粒子の体積平均粒子径は、透過型電子顕微鏡にて観察し、粒子の長軸と短軸の平均値を粒径とした。また粒子100個の粒径を測定してその平均値を一次粒子の体積平均粒子径とした。
<磁性キャリア、磁性キャリアコアの体積平均粒径(D50)の測定方法>
粒度分布測定は、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)にて測定を行った。
磁性キャリア、多孔質磁性体分散型樹脂キャリア芯材粒子の体積平均粒径(D50)の測定には、乾式測定用の試料供給機「ワンショットドライ型サンプルコンディショナーTurbotrac」(日機装社製)を装着して行った。Turbotracの供給条件として、真空源として集塵機を用い、風量約33l/sec、圧力約17kPaとした。制御は、ソフトウエア上で自動的に行う。粒径は体積平均の累積値である50%粒径(D50)を求める。制御及び解析は付属ソフト(バージョン10.3.3−202D)を用いて行う。測定条件は下記の通りである。
SetZero時間 :10秒
測定時間 :10秒
測定回数 :1回
粒子屈折率 :1.81%
粒子形状 :非球形
測定上限 :1408μm
測定下限 :0.243μm
測定環境 :23℃、50%RH
<トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いた。実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れる。この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、分析/個数統計値(算術平均)画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
<微粉量の算出方法>
トナー中の個数基準の微粉量(個数%)は、以下のようにして算出する。例えば、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%は、前記のMultisizer 3の測定を行った後、(1)専用ソフトでグラフ/個数%に設定して測定結果のチャートを個数%表示とする。(2)書式/粒径/粒径統計画面における粒径設定部分の「<」にチェック、その下の粒径入力部に「4」を入力する。そして、(3)分析/個数統計値(算術平均)画面を表示したときの「<4μm」表示部の数値が、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%である。
<粗粉量の算出方法>
トナー中の体積基準の粗粉量(体積%)は、以下のようにして算出する。例えば、トナー中の10.0μm以上の粒子の体積%は、前記のMultisizer 3の測定を行った後、(1)専用ソフトでグラフ/体積%に設定して測定結果のチャートを体積%表示とする。(2)書式/粒径/粒径統計画面における粒径設定部分の「>」にチェック、その下の粒径入力部に「10」を入力する。そして、(3)分析/体積統計値(算術平均)画面を表示したときの「>10μm」表示部の数値が、トナー中の10.0μm以上の粒子の体積%である。
<親水性処理した粒子のメタノール濡れ性の測定方法>
500mlビーカーに親水性処理をした粒子0.20gを精量する。続いて純粋50mlを加え、マグネチックスターラーで撹拌しながら、親水性処理した粒子が液面に浮いた状態で液面下にメタノールを4.0ml/minの滴下速度で連続的に添加しながら注入する。親水性処理した粒子全量が溶液中に懸濁し、液面上に親水性処理した粒子が認められなくなったときを終点として、添加したメタノール量からメタノール濡れ性を算出し、親水性処理した粒子の親水性を示す指標とした。
メタノールの添加量をXとし、次式に従ってメタノール濡れ性を求める。
メタノール濡れ性(%)=X/(50+X)・100
<磁性キャリアの水分率変化の測定方法>
磁性キャリアをステンレス皿に精密天秤で10g秤量し、設定温度60℃、減圧した乾燥機に5時間放置したときのキャリア質量をW1とする。その後、得られた磁性キャリアを温度30℃、湿度80%の雰囲気下に24時間放置したときのキャリア質量をW2とする。また、このときの磁性キャリアの水分率を(A)質量%とする。その後、続けて温度23℃、湿度5%の環境下に24時間放置したときのキャリア質量をW3とする。また、このときの磁性キャリアの水分率を(B)質量%とする。下記式(1)に従い、磁性キャリアの水分率変化を算出した。
磁性キャリアの水分率変化(質量%)
=[(W2−W1)×100/W1]−[(W3−W1)×100/W1]
=[A]−[B]
=(A−B) (式1)
<磁性キャリアの中間樹脂層および表面樹脂層膜厚の測定方法>
中間樹脂層および表面樹脂層の膜厚の測定方法は、磁性キャリアの断面を透過電子顕微鏡(TEM)(各50,000倍)で観察し、樹脂被覆層の厚みを計測した。
具体的には、磁性キャリアをアルゴンイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製、商品名E−3500)を用いた。ビーム径が半値幅で400μm、イオンガン5kV(加速電圧:5kV、放電電圧:4kV、放電電流:463μA、照射電流量:90μA/cm3/1min)の条件でイオンミリングし、透過電子顕微鏡(TEM)(各50,000倍)にて、磁性キャリア断面の表面樹脂層の厚みを任意に10点測定した。磁性キャリア100点に対して同様の測定を行い、得られた表面樹脂層の厚み測定値1000点の中から最小値及び最大値を選出し、最小膜厚(μm)及び最大膜厚(μm)とした。また、中間樹脂層厚みにおいても同様の方法にて、最小膜厚(μm)及び最大膜厚(μm)を測定した。本発明の磁性キャリアでは、中間樹脂層と表面樹脂層に含有される粒子種、及びその量が異なるため、該測定方法でも中間樹脂層と表面樹脂層とを断定することができる。
<粒子の表面官能基濃度の測定法>
・カルボキシル基濃度の測定法
インジウム箔上に粒子10mg張り付ける。その際、インジウム箔部が露出しないように粒子を均一に張り付ける。30mlスクリュー管瓶に2,2,2−トリフルオロエタノール1.0mlを滴下し、系中を蒸気で飽和させる。系中にインジウム箔ごと粒子を入れ、2,2,2−トリフルオロエタノール雰囲気中に粒子を晒した状態で12時間放置する。この際、粒子が2,2,2−トリフルオロエタノール液に直接付着しないように注意する。粒子をインジウム箔ごと系中から取り出し、設定温度25℃、減圧した乾燥機中に6時間放置した。得られた粒子に対して、XPS分析を行うと、2,2,2−トリフルオロエチルエステル由来のC1SXPSピーク(P1)と粒子由来元素のXPSピーク(P2)が検出されるため、下記式(2)に従い、粒子の表面官能基濃度を算出した。尚、測定条件は以下の通りである。
装置 :PHI5000VERSAPROBEII(アルバック・ファイ
株式会社)
照射線 :Al Kd線
出力 :25W 15kV
PassEnergy:29.35eV
Stepsize :0.125eV
XPSピーク(P2):C1S(CB)、Ti2P(TiO2、SrTiO2)、Al2P(Al23)、Si2P(SiO2)、Mg2P(MgO)、Zn2P3/2(ZnO)
粒子の表面官能基濃度[%]=P1/P2×100 (式2)
・エステル基(カルボニル基)濃度の測定法
反応試薬を2,2,2−トリフルオロエタノールからジアミンに変更する以外は、エステル基(カルボキシル基)濃度の測定と同様の方法にて、XPS分析を行った。イミノ基由来のN1SXPSピーク(P3)が検出されるため、下記式(3)に従い、粒子の表面官能基濃度を算出した。
粒子の表面官能基濃度[%]=P3/P2×100 (式3)
<磁性キャリアおよび磁性キャリアコアの真密度の測定方法>
真密度は、乾式自動密度計オートピクノメータ(ユアサアイオニクス社製)を用いて測定した。
<磁性キャリアコア粒子の比抵抗測定>
磁性キャリアコア粒子の抵抗は、図3に概略される測定装置を用いて測定する。電界強度300(V/cm)における比抵抗を測定する。
抵抗測定セルAは、断面積2.4cm2の穴の開いた円筒状容器(PTFE樹脂製)17、下部電極(ステンレス製)18、支持台座(PTFE樹脂製)19、上部電極(ステンレス製)20から構成される。支持台座19上に円筒状容器18を載せ、試料21を厚さ約1mmになるように充填し、充填された試料5に上部電極20を載せ、試料の厚みを測定する。図3(a)に示す如く、試料のないときの間隙をd1とし、図3(b)に示す如く、厚さ約1mmになるように試料を充填したときの間隙d2とすると、試料の厚みdは下記式で算出される。
d=d2−d1(mm)
このとき、試料の厚みdが0.95mm以上1.04mm以下となるように試料の質量を適宜変える。
電極間に直流電圧を印加し、そのときに流れる電流を測定することによって試料の比抵抗を求めることができる。測定には、エレクトロメーター22(ケスレー6517A ケスレー社製)及び制御用に処理コンピュータ23を用いる。
制御用の処理コンピュータにナショナルインスツルメンツ社製の制御系と制御ソフトウエア(LabVEIW ナショナルインスツルメンツ社製)を用いた。
測定条件として、試料と電極との接触面積S=2.4cm2、試料の厚み0.95mm以上1.04mm以下になるように実測した値dを入力する。また、上部電極の荷重270g、最大印加電圧1000Vとする。
比抵抗(Ω・cm)=(印加電圧(V)/測定電流(A))×S(cm2)/d(cm)
電界強度(V/cm)=印加電圧(V)/d(cm)
磁性キャリアコア粒子の前記電界強度における比抵抗は、グラフ上の前記電界強度における比抵抗をグラフから読み取る。
以下、実施例を参照して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
<磁性体分散型樹脂キャリア芯材1の製造例>
個数平均粒径0.30μmのマグネタイト粉と、個数平均粒径0.30μmのヘマタイト粉に対して、それぞれ4.0質量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内にて100℃以上で高速混合撹拌し、それぞれの微粒子を処理した。
・フェノール 10質量部
・ホルムアルデヒド溶液 6質量部
(ホルムアルデヒド40%、メタノール10%、水50%)
・処理したマグネタイト 80質量部
・処理したヘマタイト 4質量部
上記材料と、28%アンモニア水5質量部、水20質量部をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら30分間で85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて、生成するフェノール樹脂を硬化させた。その後、硬化したフェノール樹脂を30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)、60℃の温度で乾燥して、磁性体が分散された状態の球状の磁性体含有樹脂キャリアコア粒子を得た。
得られた磁性体含有樹脂キャリアコア粒子100.0質量部に対して、1.0質量部のステアリン酸クロリド、及び200質量部のo−キシレンを入れて撹拌した。撹拌しながら、反応温度を120℃まで徐々に上げ、3時間かけて反応させた。
反応後、減圧濾過、水洗、風乾、減圧乾燥により、磁性体分散型樹脂キャリア芯材粒子1を得た。
<添加粒子1乃至5、7及び8の製造例>
添加粒子1を次のように調製した。
容積500mlの擦り合わせ丸底フラスコにチタン酸ストロンチウム(商品名:SW540、チタン工業社製)100質量部を入れ、系中を窒素雰囲気とした後、無水トルエン300質量部を加えた。これを氷冷後、トリエチルアミン5質量部、ジメチルアミノピリジン10質量部、無水酢酸10質量部を加え、25℃まで昇温し2時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100質量部を加えて反応を停止し、水、トルエン溶媒により洗浄し、風乾、減圧乾燥により化学修飾粒子を得た。
得られた化学修飾粒子100質量部を容積500mlの擦り合わせ丸底フラスコに入れ、メタノール200質量部を加えた。これを氷冷後、炭酸カルシウム30質量部を加え、25℃まで昇温し2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液100質量部を加えて反応を停止し、水により洗浄し、風乾、減圧乾燥により添加粒子1を得た。
また、粒子、または処理剤を変更する以外は、添加粒子1と同様の処理を行い、添加粒子2乃至5、7及び8を得た。得られた添加粒子1乃至5、7及び8の処理条件を表1に示す。
<添加粒子6の製造例>
添加粒子6を次のように調製した。
容積500mlの擦り合わせ丸底フラスコにカーボンブラック(#4400、東海カーボン社製)100質量部を筒状のオゾン処理器に入れた。続いて、オゾン発生器(コトヒラ工業株式会社製KQS−120)にて、1時間当たりオゾン5質量部を発生させ、オゾン雰囲気下、処理温度は40℃に保ち2時間酸化処理を実施し、添加粒子6を得た。
得られた添加粒子6の処理条件を表1に示す。
<添加粒子9乃至15の製造例>
添加粒子9を以下のように調製した。
容積500mlの擦り合わせ丸底フラスコに酸化亜鉛粉末100質量部を入れ、系中を窒素雰囲気とした後、無水トルエン300質量部を加えた。これを氷冷後、トリエチルアミン5質量部、ジメチルアミノピリジン10質量部、ギ酸塩化物10質量部を加え、25℃まで昇温し2時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100質量部を加えて反応を停止し、水、トルエン溶媒により洗浄し、風乾、減圧乾燥により添加粒子9を得た。
また、処理剤、及び処理量を変更する以外は、添加粒子9と同様の処理を行い、添加粒子10乃至15を得た。得られた添加粒子9乃至15の処理条件を表1に示す。
<添加粒子16の製造例>
添加粒子16は、チタン酸ストロンチウム(商品名:SW540、チタン工業社製)を特別な処理をしない状態で使用した。得られた添加粒子16の処理条件を表1に示す。
<添加粒子17の製造例>
添加粒子17を以下のように調製した。
容積500mlの擦り合わせ丸底フラスコにチタン酸ストロンチウム(商品名:SW540、チタン工業社製)100質量部を入れ、系中を窒素雰囲気とした後、無水ジメチルホルムアミド300質量部を加えた。これを氷冷後、イミダゾール10質量部、t−ブチルジメチルシリル塩化物10質量部を加え、25℃まで昇温し20時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100質量部を加えて反応を停止し、水、トルエン溶媒により洗浄し、風乾、減圧乾燥により添加粒子17を得た。得られた添加粒子17の処理条件を表1に示す。
Figure 2017122877
<磁性キャリア1乃至21の製造例>
(中間樹脂層形成工程)
減圧下(1.5kPa)、温度60℃で維持されている遊星運動型混合機(ホソカワミクロン社製のナウタミキサVN型)に、表3に示す樹脂溶液5を磁性体分散型樹脂キャリア芯材粒子100質量部に対して、樹脂成分の固形分として2.0質量部になるように投入した。投入の仕方として、1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間溶媒除去及び塗布操作を行った。次いで、さらに1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間溶媒除去及び塗布操作を行い、さらに1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間溶媒除去及び塗布操作を行った。
その後、樹脂組成物で被覆された樹脂組成物被覆粒子を回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移す。混合容器を1分間に10回転させて撹拌しながら、窒素雰囲気下に温度120℃で2時間熱処理した。得られた樹脂組成物被覆粒子を、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口150μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、樹脂組成物被覆粒子1を得た。
同様に、表3に示す樹脂溶液を用いて、樹脂組成物被覆粒子2乃至20を得た。
(表面樹脂層形成工程)
減圧下(1.5kPa)、温度60℃で維持されている遊星運動型混合機(ホソカワミクロン社製のナウタミキサVN型)に、表4に示す樹脂溶液1を前述の樹脂組成物被覆粒子1、100質量部に対して、樹脂成分の固形分として2.0質量部になるように投入した。投入の仕方として、1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間溶媒除去及び塗布操作を行った。次いで、さらに1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間溶媒除去及び塗布操作を行い、さらに1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間溶媒除去及び塗布操作を行った。
その後、表面被覆された磁性キャリアを回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移す。混合容器を1分間に10回転させて撹拌しながら、窒素雰囲気下に温度120℃で2時間熱処理した。得られた磁性キャリア1を磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口150μmの篩を通した後、風力分級器で分級することで磁性キャリア1を得た。
得られた磁性キャリア1の各工程の製造条件を表5、各物性値を表6に示す。
更に、表5に示す製造条件とした磁性キャリア2乃至21を作製し、これらの各物性値を表6に示す。
Figure 2017122877
Figure 2017122877
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Figure 2017122877
Figure 2017122877
<トナー1の製造例>
・結着樹脂(ポリエステル樹脂) 100質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 4.5質量部
・1,4−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5質量部
・ノルマルパラフィンワックス(融点:78℃) 6質量部
上記の処方の材料を、ヘンシェルミキサー(FM−75J型、三井鉱山(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機(PCM−30型、池貝鉄鋼(株)製)にて10kg/hのFeed量で混練(吐出時の混練物温度は約150℃)した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗砕した後、機械式粉砕機(T−250:ターボ工業(株)製)にて15kg/hrのFeed量で微粉砕した。そして、重量平均粒径が5.5μmであり、粒径4.0μm以下の粒子を55.6個数%含有し、且つ粒径10.0μm以上の粒子を0.8体積%含有する粒子を得た。
得られた粒子を回転式分級機(TTSP100、ホソカワミクロン(株)製)にて、微粉及び粗粉をカットする分級を行った。重量平均粒径が6.4μmであり、粒径4.0μm以下の粒子の存在率が25.8個数%、且つ粒径10.0μm以上の粒子を2.5体積%含有するシアントナー粒子1を得た。
さらに、下記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、日本コークス社製)に投入し、回転羽根の周速を35.0(m/sec)とし、混合時間3分で混合することにより、シアントナー粒子1の表面に、シリカと酸化チタンを付着させシアントナー1を得た。
・シアントナー粒子1 100質量部
・シリカ 3.5質量部
(ゾルゲル法で作製したシリカ微粒子にヘキサメチルジシラザン処理1.5質量%で表面処理した後、分級によって所望の粒度分布に調整したもの。)
・酸化チタン 0.5質量部
(アナターゼ形の結晶性を有するメタチタン酸をオクチルシラン化合物で表面処理したもの。)
また、シアントナー粒子1のうち、C.I.ピグメントブルー15:3:5質量部に変えて、C.I.ピグメントイエロー74:7.0質量部、C.I.ピグメントレッド122:6.3質量部、カーボンブラック:5.0質量部使用して、それぞれイエロー、マゼンタ、及びブラックトナー粒子1を得た。
さらに、シアントナー1と同様にして、それぞれイエロー、マゼンタ、及びブラックトナー1を得た。
得られたトナーの処方、及び物性値を表7に示す。
Figure 2017122877
〔実施例1〕
90質量部の磁性キャリア1に対し、各色トナー1を10質量部加え、振とう機(YS−8D型:(株)ヤヨイ製)にて振とうし、二成分系現像剤300gを調製した。振とう機の振幅条件は200rpm、2分間とした。
一方、10質量部の磁性キャリア1に対し、各色トナー1を90質量部加え、常温常湿23℃/50%RH(以下 N/N)環境において、V型混合機により5分間混合し、補給用現像剤を得た。
上記二成分系現像剤および補給用現像剤100質量部に対して、25℃、減圧環境下で、5時間撹拌しながら乾燥処理を行った。
上記二成分系現像剤および補給用現像剤を用いて以下の評価を行った。
画像形成装置として、キヤノン製カラー複写機imageRUNNER ADVANCE C9075 PRO改造機を用いた。各色現像器に二成分系現像剤を入れ、各色補給用現像剤を入れた補給用現像剤容器をセットし、画像を形成し、各種評価を行った。
複写機の放置環境としては、温度30℃/湿度80RH%(以下「H/H」)にて24時間放置した環境から、温度23℃/湿度5RH%(以下「N/L」)に24時間かけて変更したときの環境状態をH/Haとする。
耐久試験として、耐久試験として、温度23℃/湿度5RH%(以下「N/L」)の印刷環境の下で、画像比率1%のFFH出力のチャートを用いた。また、温度30℃/湿度80RH%(以下「H/H」)の印刷環境の下では、画像比率40%のFFH出力のチャートを用いた。FFHとは、256階調を16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFHが256階調の256階調目(ベタ部)である。
出力画像の種類や出力枚数は、各評価項目によって変更した。
条件:
紙 レーザービームプリンター用紙CS−814(81.4g/m2
(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
画像形成速度 A4サイズ、フルカラーで80(枚/min)で出力できるように改造し
た。
現像条件 現像コントラストを任意値で調整可能にし、本体による自動補正が作動し
ないように改造した。
交番電界のピーク間の電圧(Vpp)は、周波数2.0kHz、Vppが
0.7kVから1.8kVまで0.1kV刻みで変えられるように改造し
た。
各色とも、単色で画像が出力できるように改造した。
各評価項目を以下に示す。
(1)白抜け
H/Ha環境下で初期、及び連続通紙2000枚直後、転写紙の搬送方向に対して、ハーフトーン横帯(30H 幅10mm)とベタ横帯(FFH 幅10mm)を交互に並べたチャートを出力する。その画像をスキャナで読みとり、二値化処理を行う。二値化画像の搬送方向におけるあるラインの輝度分布(256階調)をとった。そのときのハーフトーンの輝度に接線を引き、ベタ部輝度と交わるまでのハーフトーン部後端の接線からずれた輝度の領域(面積:輝度数の和)をもって、白抜け度とし、以下の基準に基づき評価した。評価はシアン単色で行った。
A:20未満
B:20以上30未満
C:30以上40未満
D:40以上50未満
E:50以上
(2)H/Haでの階調の変化
H/Ha環境下で各パターンを以下に示す濃度に設定した画像を10枚出力する。画像はX−Riteカラー反射濃度計(Color reflection densitometer X−Rite 404A)により、H/Ha環境下で出力した、10枚の画像の各パターンの平均値を算出する。
パターン1:0.10乃至0.15
パターン2:0.25乃至0.30
パターン3:0.45乃至0.50
パターン4:0.65乃至0.70
パターン5:0.85乃至0.90
パターン6:1.05乃至1.10
パターン7:1.25乃至1.30
パターン8:1.45乃至1.50
判断基準は、以下の通りである。
A:すべてのパターン画像が上記の濃度範囲を満足する
B:一つのパターン画像が上記の濃度範囲をはずれる
C:二つのパターン画像が上記の濃度範囲をはずれる
D:三つのパターン画像が上記の濃度範囲をはずれる
E:四つ以上のパターン画像が上記の濃度範囲をはずれる
(3)耐久後の混色の色味変動
イエローとマゼンタの混色である、レッドの色味変動を評価した。
耐久試験前に、各色単色の紙上のベタ画像反射濃度が1.5となるように、現像コントラストを調整した。その後、初期のレッドのベタ画像、及び、H/H環境下で2万枚連続通紙直後のレッドのベタ画像を出力し、耐久前後における色味変動の度合いを確認した。
<色味変動差の測定方法>
色味変動差はa*、b*をSpectroScan Transmission(GretagMacbeth社製)を用いて測定することによって求められる。以下に具体的な測定条件の一例を示す。
(測定条件)
観測光源:D50
観測視野:2°
濃度:DIN NB
白色基準:Pap
フィルター:なし
一般に、a*、b*とは、色を数値化して表現するのに有用な手段であるL***表色系で用いられている値である。a*及びb*は、両者で色相を表す。色相とは、赤、黄、緑、青、紫等、色あいを尺度化したものである。a*及びb*のそれぞれは、色の方向を示しており、a*は赤−緑方向、b*は黄−青方向を表している。本発明において色味変動の差(ΔC)を以下のように定義した。
ΔC={(HH環境耐久後の画像のa*−HH環境の初期画像のa*2
+(HH環境耐久後の画像のb*−HH環境の初期画像のb*21/2
測定は、画像中の任意の5点を測定してその平均値を求めた。評価方法は、それぞれの環境で出力したベタ画像のa*、b*を測定し、上記式によってΔCを求めた。
A:0≦ΔC<2.0
B:2.0≦ΔC<3.5
C:3.5≦ΔC<5.0
D:5.0≦ΔC<6.5
E:6.5≦ΔC
(4)耐久後キャリア付着
H/H環境下耐久画像出力評価を行った後、キャリア付着を評価した。00H画像、及びFFH画像を出力し、画像出力途中で電源を切り、クリーニングされる前の静電潜像担持体上を透明な粘着テープを密着させてサンプリングした。そして、3cm×3cm中の静電荷潜像担持体上に付着していた磁性キャリア粒子の個数をカウントし、1cm2当りの付着キャリア粒子の個数を算出し、以下の基準により評価した。評価はシアン単色で行った。
A:2個以下
B:3個以上4個以下
C:5個以上6個以下
D:7個以上8個以下
E:8個以上
(5)ハーフトーン画像の耐久後ガサツキ性
H/H環境下で初期、及び耐久画像出力評価(5万枚)を行った後、ハーフトーン画像(30H)をA4で1枚印刷した。画像はデジタルマイクロスコープVHX−500(レンズワイドレンジズームレンズVH−Z100 キーエンス社製)を用い、ドット1000個の面積を測定した。ドット面積の個数平均(S)とドット面積の標準偏差(σ)を算出し、ドット再現性指数を下記式により算出した。そして、ハーフトーン画像のガサツキをドット再現性指数(I)とし、初期との差を比較した。
ドット再現性指数(I)=σ/S×100
ガサツキの評価基準としては、シアン単色で、以下の基準により評価した。
A:初期との差が3.0未満
B:初期との差が3.0以上5.0未満
C:初期との差が5.0以上8.0未満
D:初期との差が8.0以上10.0未満
E:初期との差が10.0以上
(6)耐久後現像性
耐久後現像性の評価は、H/H環境下、初期Vppを1.3kVに固定し、シアン単色ベタ画像の濃度が1.50(反射濃度)になるときのコンストラスト電位を設定した。その設定で2万枚耐久後、Vppは1.3kVで、画像濃度1.50になるコントラスト電位を求め、初期との差を比較した。評価はシアン単色で行った。反射濃度は、分光濃度計500シリーズ(X−Rite社製)を用いて測定した。
現像性の評価基準
A:初期との差が、40V未満
B:初期との差が、40V以上60V未満
C:初期との差が、60V以上80V未満
D:初期との差が、80V以上100V未満
E:初期との差が、100V以上
(7)耐久前後の階調の変化
初期設定で、各パターンを以下に示す濃度に設定した画像を、H/H環境下で、2000枚通紙直後に、出力し、初期と2000枚通紙直後の階調性のズレを確認した。画像はX−Riteカラー反射濃度計(Color reflection densitometer X−Rite 404A)によりそれぞれの画像濃度を測定することにより判断した。評価はシアン単色で行った。
パターン1:0.10乃至0.13
パターン2:0.25乃至0.28
パターン3:0.45乃至0.48
パターン4:0.65乃至0.68
パターン5:0.85乃至0.88
パターン6:1.05乃至1.08
パターン7:1.25乃至1.28
パターン8:1.45乃至1.48
判断基準は、以下の通りである。
A:すべてのパターン画像が上記の濃度範囲を満足する
B:一つのパターン画像が上記の濃度範囲をはずれる
C:二つのパターン画像が上記の濃度範囲をはずれる
D:三つのパターン画像が上記の濃度範囲をはずれる
E:四つ以上のパターン画像が上記の濃度範囲をはずれる
(8)総合判定
上記評価項目(1)乃至(7)における評価ランクを数値化し、合計値を以下の基準により判定を行った。尚、評価項目(6)以外の評価ランクは、「A=5、B=4、C=3、D=2、E=0」とし、評価項目(6)の評価ランクは、「A=10、B=8、C=6、D=4、E=2」とする。
A:35以上
B:28以上34以下
C:20以上27以下
D:15以上19以下
E:14以下
実施例1では、いずれの評価においても、非常に良好な結果であった。評価結果を表8に示す。
〔実施例2、3、4〕
実施例1と同様に、磁性キャリア2、3、4を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
実施例2、3、4では、実施例1と比較して、添加粒子種が異なるが、いずれの評価においても、非常に良好な結果であった。評価結果を表8に示す。
〔実施例5、6〕
実施例1と同様に、磁性キャリア5、6を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
実施例5、6では、実施例1と比較して、添加粒子種及び中間樹脂層の樹脂種が異なるが、いずれの評価においても、非常に良好な結果であった。評価結果を表8に示す。
〔実施例7〕
実施例1と同様に、磁性キャリア7を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
実施例7では、実施例1と比較して、添加粒子を二種含有させていることで異なるが、いずれの評価においても、非常に良好な結果であった。評価結果を表8に示す。
〔実施例8〕
実施例1と同様に、磁性キャリア8を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
実施例8では、実施例1と比較して、表面樹脂層の樹脂種が異なる。表面樹脂層にポリスチレン樹脂を用いている。そのため、水分率変化の値が大きくなった。その結果、NL環境下での白抜け、諧調変化、HH環境下での耐久後の色味変化での評価結果に僅かな影響が出たが、それ以外の評価は非常に良好な結果であった。評価結果を表8に示す。
〔実施例9〕
実施例1と同様に、磁性キャリア9を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
実施例9では、実施例8と比較して、中間樹脂層の樹脂種が異なる。中間樹脂層にポリスチレン樹脂を用いている。そのため、水分率変化の値がより大きくなった。その結果、NL環境下での白抜け、諧調変化、HH環境下での耐久後の色味変化、ガサツキ、ベタキャリ着での評価結果に僅かな影響が出たが、それ以外の評価は非常に良好な結果であった。評価結果を表8に示す。
〔実施例10、11〕
実施例1と同様に、磁性キャリア10、11を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
実施例10、11では、実施例9と比較して、表面樹脂層の膜圧、添加粒子の質量部及び添加粒子の平均径の点で異なる。そのため、水分率変化の値がより大きくなった。その結果、NL環境下での白抜け、諧調変化の評価結果に僅かな影響が出たが、それ以外の評価は良好な結果であった。評価結果を表8に示す。
〔実施例12、13〕
実施例1と同様に、磁性キャリア12、13を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
実施例12、13では、実施例10、11と比較して、官能基種、表面樹脂層の膜圧、添加粒子の質量部及び添加粒子の平均径の点で異なる。そのため、水分率変化の値がより大きくなった。その結果、HH環境下での耐久後の色味変化、ガサツキ、現像性での評価結果に僅かな影響が出たが、それ以外はやや良好な結果であった。評価結果を表8に示す。
〔実施例14〕
実施例1と同様に、磁性キャリア14を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
実施例14では、実施例13と比較して、添加粒子表面の官能基濃度が低いことで異なる。そのため、水分率変化の値がより大きくなった。その結果、耐久後の諧調変化、ベタキャリ着での評価結果に僅かな影響が出たが、それ以外はやや良好な結果であった。評価結果を表8に示す。
〔実施例15〕
実施例1と同様に、磁性キャリア15を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
実施例15では、実施例14と比較して、添加粒子表面の官能基濃度が低いことで異なる。そのため、水分率変化の値がより大きくなった。その結果、NL環境下での白抜けでの評価結果に影響が出たが、それ以外はやや良好な結果であった。評価結果を表8に示す。
〔実施例16〕
実施例1と同様に、磁性キャリア16を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
実施例16では、実施例15と比較して添加粒子表面の官能基濃度が低いことで異なる。そのため、水分率変化の値が大きくなった。その結果、HH環境下での耐久後の色味変化、ガサツキでの評価結果に影響が出たが、それ以外はやや良好な結果であった。評価結果を表8に示す。
〔実施例17〕
実施例1と同様に、磁性キャリア17を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
実施例17では、実施例16と比較してメタノール濡れ性が高い点で異なる。そのため、水分率変化の値がより大きくなった。その結果、HH環境下での耐久後の諧調変化、ガサツキでの評価結果に影響が出たが、それ以外は問題ない結果であった。評価結果を表8に示す。
〔実施例18〕
実施例1と同様に、磁性キャリア18を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
実施例18では実施例17と比較して、メタノール濡れ性が高い点で異なる。そのため、水分率変化の値がより大きくなった。その結果、NL環境下での諧調変化、HH環境下でのベタキャリ着での評価結果が悪化したが、それ以外は問題ない結果であった。評価結果を表8に示す。
〔比較例1〕
実施例1と同様に、磁性キャリア19を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
比較例1では、実施例1と比較して、中間樹脂層に添加粒子を含有していないことで異なる。そのため、表面樹脂中の水分保持力が低下するため、水分脱着が顕著となり、水分率変化の値がより大きくなった。その結果、各評価結果において悪化した。評価結果を表8に示す。
〔比較例2〕
実施例1と同様に、磁性キャリア20を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
比較例2では、実施例1と比較して、添加粒子に対する親水性処理を行っていない点で異なる。そのため、メタノール濡れ性の値が大きくなり、また、水分率変化の値がより大きくなった。その結果、各評価結果において悪化した。評価結果を表8に示す。
〔比較例3〕
実施例1と同様に、磁性キャリア21を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤及び補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
比較例3では、実施例1と比較して、添加粒子に対し、疎水性処理を行っている点で異なる。そのため、メタノール濡れ性の値が大きくなり、また、水分率変化の値がより大きくなった。その結果、各評価結果において悪化した。評価結果を表8に示す。
Figure 2017122877
1、1K、1Y、1C、1M:静電潜像担持体、2、2K、2Y、2C、2M:帯電器、3、3K、3Y、3C、3M:露光器、4、4K、4Y、4C、4M:現像器、5:現像容器、6、6K、6Y、6C、6M:現像剤担持体、7:マグネット、8:規制部材、9:中間転写体、10K、10Y、10C、10M:中間転写帯電器、11:転写帯電器、12:転写材(記録媒体)、13:定着器、14:中間転写体クリーナー、15、15K、15Y、15C、15M:クリーナー、16:前露光

Claims (14)

  1. 磁性体と結着樹脂とを有する磁性体分散型樹脂キャリア芯材、及び前記磁性体分散型樹脂キャリア芯材の表面に樹脂被覆層を有する磁性キャリアであって、
    前記樹脂被覆層は、表面樹脂層と、前記磁性体分散型樹脂キャリア芯材と前記表面樹脂層との間に存在する樹脂組成物とを有し、
    前記樹脂組成物は、
    (i)樹脂と、
    (ii)親水性処理された金属元素の酸化物粒子、親水性処理されたシリカ粒子、及び親水性処理されたカーボンブラックから選択される一種または二種以上の親水性処理された粒子
    とを含有することを特徴とする磁性キャリア。
  2. 前記親水性処理された粒子のメタノール濡れ性が、85%以下である請求項1に記載の磁性キャリア。
  3. 前記親水性処理された粒子は、その表面にエステル基、または、カルボキシル基を有し、前記エステル基または前記カルボキシル基の官能基濃度が20%以上である請求項1または2に記載の磁性キャリア。
  4. 前記親水性処理された金属元素の酸化物粒子が、TiO2、Al23、MgO、及びSrTiO3から選択される一種または二種以上である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の磁性キャリア。
  5. 前記親水性処理された粒子の一次粒子の体積平均径は、10nm以上1000nm以下である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁性キャリア。
  6. 前記樹脂組成物が、前記樹脂を100質量部としたとき、前記親水性処理された粒子を1.0質量部以上、20.0質量部以下含有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の磁性キャリア。
  7. 前記樹脂被覆層の膜厚は、0.01μm以上4.00μm以下である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の磁性キャリア。
  8. 前記樹脂組成物の樹脂は、アクリル酸エステルモノマー又はメタクリル酸エステルモノマーを含むモノマーを重合して得られる重合体または熱硬化性シリコーン樹脂である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の磁性キャリア。
  9. 前記樹脂被覆層は、アクリル酸エステルモノマー又はメタクリル酸エステルモノマーを含むモノマーを重合して得られる重合体を含有する請求項1乃至8のいずれか一項に記載の磁性キャリア。
  10. 前記磁性キャリアは、温度30℃、湿度80%の環境下に24時間放置したときの前記磁性キャリアの水分率(A)と、温度30℃、湿度80%の環境下に24時間放置後、温度23℃、湿度5%の環境下に24時間放置したときの前記磁性キャリアの水分率(B)との水分率変化(A−B)が0.80質量%以下である請求項1乃至9のいずれか一項に記載の磁性キャリア。
  11. 結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー粒子を有するトナーと、磁性キャリアとを含有する二成分系現像剤であって、
    前記磁性キャリアが、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の磁性キャリアであることを特徴とする二成分系現像剤。
  12. 静電潜像担持体を帯電する帯電工程、前記静電潜像担持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、前記静電潜像を二成分系現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像工程、前記トナー像を中間転写体を介して又は介さずに、転写材に転写する転写工程、及び転写された前記トナー像を前記転写材に定着する定着工程を有する画像形成方法であって、
    前記二成分系現像剤として、請求項11に記載の二成分系現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
  13. 静電潜像担持体を帯電する帯電工程、静電潜像担持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、前記静電潜像を現像器内の二成分系現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像工程、前記トナー像を中間転写体を介して又は介さずに、転写材に転写する転写工程、転写されたトナー像を転写材に定着する定着工程を有し、現像器内の二成分系現像剤のトナー濃度の低下に応じて、補給用現像剤が現像器に補給され、現像器内で過剰になった磁性キャリアが必要に応じて現像器から排出される画像形成方法に使用するための補給用現像剤であって、
    前記補給用現像剤は、補給用磁性キャリアと、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー粒子を有するトナーとを含有し、
    前記補給用現像剤は、前記補給用磁性キャリア1質量部に対して前記トナーを2質量部以上50質量部以下の配合割合で含有しており、
    前記補給用磁性キャリアは、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の磁性キャリアであることを特徴とする補給用現像剤。
  14. 静電潜像担持体を帯電する帯電工程、静電潜像担持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、前記静電潜像を現像器内の二成分系現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像工程、前記トナー像を中間転写体を介して又は介さずに、転写材に転写する転写工程、転写されたトナー像を転写材に定着する定着工程を有し、現像器内の二成分系現像剤のトナー濃度の低下に応じて、補給用現像剤が現像器に補給され、現像器内で過剰になった磁性キャリアが必要に応じて現像器から排出される画像形成方法であって、
    前記補給用現像剤は、補給用磁性キャリアと結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー粒子を有するトナーとを含有し、
    前記補給用現像剤は、補給用磁性キャリア1質量部に対して前記トナー量を2質量部以上50質量部以下の配合割合で含有しており、
    前記補給用磁性キャリアは、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の磁性キャリアであることを特徴とする画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114618506A (zh) * 2020-12-11 2022-06-14 中国科学院大连化学物理研究所 一种3d打印辅助的甲醇氧化制甲醛铁钼催化剂的制备方法及应用

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CN114618506A (zh) * 2020-12-11 2022-06-14 中国科学院大连化学物理研究所 一种3d打印辅助的甲醇氧化制甲醛铁钼催化剂的制备方法及应用

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