JP2015005611A - 電子部品の圧縮樹脂封止方法及び圧縮樹脂封止装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上型31に対して基板セットブロック31cを遊嵌(フローティング嵌合)すると共に、下型32のキャビティ側面部材32dに対してキャビティブロック32cを遊嵌する。また、上型均等加圧手段41を介して基板セットブロック31cの弯曲変形を防止すると共に、下型均等加圧手段42を介してキャビティブロック32cの弯曲変形を防止する。そして、この状態で、基板セットブロック31c或はキャビティブロック32cのいずれか一方側若しくはその両方を上下左右方向へ揺動させることによって、大形基板70の表面とキャビティブロック32cの上面とが平行するように、両者の位置若しくは傾きの修正を行う電子部品の圧縮樹脂封止方法及び装置。
【選択図】図5
Description
この圧縮成形方法を行うための装置は、例えば、図7に概略図示するように、少なくとも上型1と下型2とから成る圧縮成形用型を備えており、該上下両型1・2を適宜な型開閉機構を介して相対的に接合・離反するように配設している。
そして、このような樹脂封止装置を用いて大形基板3上の電子部品4を一括して樹脂封止するには、次のようにして行われる。
まず、図7(1) に示すように、上型1に大形基板3をその電子部品4の装着面が下向きとなる状態で供給セットすると共に、下型2のキャビティ5内に樹脂材料6を供給して加熱する。
次に、図7(2) に示すように、型開閉機構を介して上下両型1・2を型締めすることにより、上型1にセットした大形基板3上の電子部品4を下型キャビティ5内の溶融樹脂材料6a中に浸漬する。
この型締時において、下型2の上面が大形基板3の周縁部を押圧することになる。そして、この状態で、下型2のキャビティ底面部材5aを上動させて下型キャビティ5内の溶融樹脂材料6aを所定の樹脂圧にて押圧(圧縮成形)することにより、下型キャビティ5の形状に対応して成形されるパッケージ内に電子部品4を一括して樹脂封止することができる(特許文献1参照)。
即ち、図8に示す樹脂封止装置は、タイバー8を介して上下に固定した上側プラテン9及び下側プラテン10と、上側プラテン9と下側プラテン10との間に配置した固定プラテン11と、固定プラテン11の上面に固着した下型ベース12と、下型ベース12の上部に配置した複数の下型13と、上側プラテン9の下方位置に所定の間隔を介して配置した上型ベース14と、上型ベース14の下部に配置した複数の上型15と、上側プラテン9を上下動させて上下両型13・15の開閉を行うための型開閉機構16と、上型ベース14の上面に設けた盆形状収容部17と、盆形状収容部17内に収容した形状変形可能部材18と、形状変形可能部材18を多数の微小球18aと該微小球18aを包む網18b(多孔質部材)とから構成することにより、該微小球18aを網18b内で自由に移動させることで該形状変形可能部材18の形状を変形させることが可能となるように設けている。
従って、型締時において、上側プラテン9が弯曲変形した場合に、形状変形可能部材18は弯曲した上側プラテン9の形状に合わせた変形が可能となって上側プラテン9の下面に沿って当接することができるため、均一な型締を行うことができる(特許文献2参照)。
このため、大形基板用のキャビティ部を備えた圧縮成形型においては、上下両型の型締圧力が該上下両型の周辺部で大きく且つその中央部で小さくなって該上下両型が弯曲変形し易いと云う樹脂成形上の問題がある。
また、特許文献2に記載された樹脂封止装置は小形基板を用いるものであるため、大形基板の樹脂封止装置としてそのまま応用することができないのみならず、微小球を網で包む構成の形状変形可能部材はその製作や保守管理が面倒であると云った問題がある。
上型31に対して基板セットブロック31cを遊嵌(フローティング嵌合)させた状態で保持させる工程を行い、
また、下型32のキャビティ側面部材32dに対してキャビティブロック32cを遊嵌(フローティング嵌合)させた状態で保持させる工程を行い、
また、少なくとも、第二型締工程時において、上型均等加圧手段41を介して基板セットブロック31cの弯曲変形を防止する上型弯曲変形防止工程を行い、
また、少なくとも、第二型締工程時において、下型均等加圧手段42を介してキャビティブロック32cの弯曲変形を防止する下型弯曲変形防止工程を行い、
更に、第二型締工程時において、基板セットブロック31c或はキャビティブロック32cのいずれか一方側若しくはその両方を上下左右方向へ揺動させることにより、基板70の表面とキャビティブロック32cの上面とが平行するように、両者の位置若しくは傾きの修正工程を行うことを特徴とする。
更に、下型均等加圧手段42が、加圧力調節機構43により所要の加圧力に調節された圧力媒体44を作動流体経路42eを通してマニホールド42aの作動流体室42d内に導入し、マニホールド42aの各シリンダ42bの夫々に嵌装させたピストン42cを押動して、その各ピストンロッド42fの上端部をキャビティブロック32cの背面(下面)に接合させて押圧するように設定されていることを特徴とする。
前記上型均等加圧手段41における加圧力調節機構43にて前記作動流体経路42eを通して所要の加圧力に調節された圧力媒体44をマニホールド41aの作動流体室41d内に導入し、この圧力媒体44にて前記マニホールド41aの各シリンダ41bの夫々に嵌装させたピストン41cを押動してその各ピストンロッド41fの下端部を前記基板セットブロック31cの背面に接合させることにより前記上型面に供給された基板70を所定の圧力にて押圧し、
また、前記下型均等加圧手段42における加圧力調節機構43にて前記作動流体経路42cを通して所要の加圧力に調節された圧力媒体44をマニホールド42aの作動流体室42d内に導入し、この圧力媒体44にて前記マニホールド42aの各シリンダ42bの夫々に嵌装させたピストン42cを押動してその各ピストンロッド42fの上端部を前記キャビティブロック32cの背面に接合させることにより前記下型キャビティ33a内の樹脂を所定の圧力にて押圧することを特徴とする。
前記上型均等加圧手段41にて前記基板セットブロック31cを所定の圧力による押圧にて或いは所定の圧力より低い圧力による押圧にて保持し、
また、前記下型均等加圧手段42にて前記キャビティブロック32cを所定の圧力による押圧にて或いは所定の圧力より低い圧力による押圧にて保持し、
前記第二型締工程時に、前記基板セットブロック31c或は前記キャビティブロック32cのいずれか一方側若しくはその両方において、
前記上型均等加圧手段41にて前記基板セットブロック31cを所定の圧力による押圧にて保持し、
また、前記下型均等加圧手段42にて前記キャビティブロック32cを所定の圧力による押圧にて保持することを特徴とする。
上型31に対して基板セットブロック31cを遊嵌(フローティング嵌合)状態で保持させると共に、下型32のキャビティ側面部材32dに対してキャビティブロック32cを遊嵌(フローティング嵌合)状態で保持させて構成し、
更に、上下両型(31・32)の弯曲変形防止部材を兼ねる均等加圧手段40を備え、
また、均等加圧手段40は、上型均等加圧手段41と下型均等加圧手段42とを含み、
また、上型均等加圧手段41は、加圧力調節機構43により所要の加圧力に調節された圧力媒体44を作動流体経路41eを通してマニホールド41aの作動流体室41d内に導入すると共に、マニホールド41aの各シリンダ41bの夫々に嵌装させたピストン41cを押動して、その各ピストンロッド41fの下端部を基板セットブロック31cの背面(上面)に接合させて押圧するように構成されており、
また、下型均等加圧手段42は、加圧力調節機構43により所要の加圧力に調節された圧力媒体44を作動流体経路42eを通してマニホールド42aの作動流体室42d内に導入すると共に、マニホールド42aの各シリンダ42bの夫々に嵌装させたピストン42cを押動して、その各ピストンロッド42fの上端部をキャビティブロック32cの背面(下面)に接合させて押圧するように構成されていることを特徴とする。
このため、大形基板70上の電子部品71に対する樹脂封止成形は、該大形基板70の表面とキャビティブロック32cの上面とが平行に修正された状態で行われることになるから、成形されたパッケージの厚さ33bを均一な厚みに成形することができる。
即ち、枠形のプレスフレーム20における上端部の下面側に圧縮成形用の上型31を配置すると共に、該上型31の下方位置には、後述する型開閉機構50によって上下動可能に設けた圧縮成形用の下型32を配置しており、この上型31及び下型32は圧縮成形用型30を構成している。
また、上型31の型面(下面)には、基板セットブロック31cの外方周囲に配置すると共に、後述する下型32の型面(図例では、キャビティ側面部材32dの上面)に接合させて上下両型(31・32)の型面間と該上下両型の外部との内外通気を遮断させるためのシール部材31eを備えている。
更に、基板セットブロック31cは上型ホールドブロック31bに設けた保持部31fに対して遊嵌(フローティング嵌合)されており、従って、該基板セットブロック31cは、上下水平方向への移動が可能となる状態、即ち、上型31の保持部31fに遊嵌された範囲内において上下水平方向へ揺動することが可能な状態に保持されている。
なお、上型31には、その型面(下面)に大形基板70を供給し且つその電子部品71の装着面側を下向きとして係着させるための適宜な係着手段(図示なし)を設けている。
また、上型31には、後述する上下両型(31・32)の型締時(図3参照)に、シール部材31eにてシール(通気遮断)した該上下両型の型面間と真空ポンプとの間を適宜な吸気経路を介して連通接続させた真空引機構(図示なし)を配設している。
即ち、下型32は、型開閉機構50の可動プラテン52上に所要の断熱部材(図示なし)を介して固着した下型ベース32aと、該下型ベース32aに内装した下型加熱用ヒータ32bと、下型ベース32aの上面側に固着した後述する均等加圧手段40と、該均等加圧手段40の上部に配置したキャビティブロック32cと、該キャビティブロック32cの外方周囲に嵌合させたキャビティ側面部材32dと、上記下型ベース32aとキャビティ側面部材32dとの間に介在させて該キャビティ側面部材32dを上方へ弾性押動させる弾性部材32eと、キャビティブロック32cに内装したキャビティブロック加熱用ヒータ32fとを備えている。
更に、キャビティブロック32cはキャビティ側面部材32dに対して遊嵌(フローティング嵌合)されており、従って、該キャビティブロック32cは、上下水平方向への移動が可能となる状態、即ち、下型32のキャビティ側面部材32dに遊嵌された範囲内において上下水平方向へ揺動することが可能な状態に保持されている。
そこで、上記した圧縮成形用型30には、後述する上下両型(31・32)の型締時において該上下両型の弯曲変形を防止するための弯曲変形防止部材を兼ねる均等加圧手段40を備えている。
該均等加圧手段40として、図では、上型31(より詳細には、基板セットブロック31c)に対する上型均等加圧手段41と、下型32(より詳細には、キャビティブロック32c)に対する下型均等加圧手段42とを備えた場合を例示している。
更に、上記各ピストン41cの下部に固着したピストンロッド41fの夫々は、作動流体室41d内に導入した圧力媒体44の圧力を受けて下方へ押動されるように設けられている。
そして、該各ピストンロッド41fの下端部は、基板セットブロック31cの背面(上面)に接合するように配設されている。
更に、上記各ピストン42cの上部に固着したピストンロッド42fの夫々は、作動流体室42d内に導入した圧力媒体44の圧力を受けて上方へ押動されるように設けられている。
そして、該各ピストンロッド42fの上端部は、キャビティブロック32cの背面(下面)に接合するように配設されている。
そして、上型均等加圧手段41の各ピストンロッド41fは、圧力媒体44の加圧力を受けることにより、その下方に配置される基板セットブロック31cの背面を均等圧にて押圧するように設けられている。
また、下型均等加圧手段42の各ピストンロッド42fは、圧力媒体44の加圧力を受けることにより、その上方に配置されるキャビティブロック32cの背面を均等圧にて押圧するように設けられている。
例えば、圧力媒体としてシリコーンオイルや水等の液体を用いる場合は、温度伝達機能が優れているため、型の加熱効率を高めることができると云った利点が有る。
即ち、圧縮成形用型30の下方位置となるプレスフレーム20の下部にベース51を固着すると共に、ベース51と該ベースの上方位置に設けた可動プラテン52とをリンク機構(トグル機構)によって連結し、更に、該リンクをサーボモータ53によって駆動することにより、上下両型(31・32)の型開閉を行うように構成している。
詳述すると、サーボモータ53とベース51の中心位置に回転可能に立設させたスクリュウ軸54とは、サーボモータ53の出力軸53aとスクリュウ軸54の下端プーリー53bとの間に架設したベルト53cを介して連結させている。
また、スクリュウ軸54にはナット部材55を螺装しており、スクリュウ軸54を回転させることによってナット部材55が上下方向へ移動するように設けている。そして、このナット部材55にベース51と可動プラテン52とを連結するリンクを係合させることにより、ナット部材55の上下動に伴って可動プラテン52を上下動させるように設けている。
なお、ベース51と可動プラテン52との間を連結するリンクは、第1リンク板56aと、第2リンク板56b及び第3リンク板56cとから構成している。
そして、軸51aを介してベース51と第2リンク板56bの下端とを軸支し、また、軸52aを介して可動プラテン52と第3リンク板56cの上端とを軸支し、また、軸52bを介して第2リンク板56bの上端と第3リンク板56cの下端とを軸支している。
また、第1リンク板56aの一端をナット部材55に軸支すると共に、第1リンク板56aの他端を第2リンク板56bにおける中間位置(軸51aと軸52bとの中間位置)に軸支させている。このため、第1リンク板56aは、ナット部材55の上下動による駆動力を第2リンク板56bと第3リンク板56cに伝達するための駆動リンクとして作用することになる。
従って、サーボモータ53にてスクリュウ軸54を回転させることにより、ナット部材55、及び、第1リンク板56a・第2リンク板56b・第3リンク板56cを介して可動プラテン52を上下動させて上下両型(31・32)の型開閉を行うことができる。
即ち、キャビティブロック32cの上面と、キャビティ側面部材32dの上面開口部とによって構成される凹所は樹脂成形用の下型キャビティ33aとして設けられている。
更に、離型フイルム供給セット機構にて離型フイルム60を張設した下型キャビティ33a部に、顆粒状の樹脂材料、粉末状の樹脂材料、液状の樹脂材料、ペースト状の樹脂材料、シート状の樹脂材料、或は、透明樹脂材料、半透明樹脂材料、不透明樹脂材料等から必要に応じて適宜に選択することができる樹脂材料80を供給するための樹脂供給機構(図示なし)を併設している。
なお、この樹脂材料80の供給量は、下型キャビティ33a内において大形基板70上の電子部品71を所定厚みに一括して圧縮樹脂封止成形するために必要とされる量である。
より具体的には、例えば、大形基板上の電子部品71を断面 0.3mmの厚さのパッケージ内に一括して圧縮樹脂封止成形する場合は、下型キャビティ33a内に断面 0.5mmの厚さ(深さ)に相当する量の樹脂材料を供給することが好ましい。
次に、この型開時において、適宜な係着手段(図示なし)を介して、上型31の型面(即ち、基板セットブロック31cの下面)に大形基板70を供給すると共に、その電子部品71の装着面側を下向きとして係着させる。
また、離型フイルム供給セット機構(図示なし)を介して、下型キャビティ33a部を含む下型32の型面(即ち、キャビティブロック32c及びキャビティ側面部材32dの上面)に離型フイルム60を張設する。
更に、離型フイルム60を張設した下型キャビティ33a部に、樹脂供給機構(図示なし)を介して、樹脂材料80を供給する。
なお、この樹脂材料80はキャビティブロック32cに内装したキャビティブロック加熱用ヒータ32fによって加熱されることにより、該下型キャビティ33a内において溶融樹脂材料80aとなる(図4参照)。
この上下両型(31・32)の第一型締時においては、離型フイルム60及び大形基板70を介して上型31の型面(基板セットブロック31cの下面)と下型32の型面(キャビティ側面部材32dの上面)とが圧接される。
また、離型フイルム60を介して樹脂成形部33(下型キャビティ33a部)に供給した樹脂材料80は、キャビティブロック32cに内装したキャビティブロック加熱用ヒータ32fによって加熱されて溶融化される(例えば、溶融樹脂材料80a、或いは流動性を有する樹脂材料となる)。
また、図1に示す型開状態から図3に示す第一型締状態に至る間において、真空引機構(図示なし)の真空ポンプを作動させて該型面間(樹脂成形部33)を真空引き(減圧)することができる。
従って、後述する樹脂成形時において、真空引機構により、上下両型面間(樹脂成形部33)を減圧してエアやガス類を外部へ排出した状態で樹脂成形する、所謂、真空成形(減圧成形)を行うことができる。
このとき、該基板セットブロック31cは上型ホールドブロック31bの保持部31fに対して遊嵌されており、また、該基板セットブロック31cの背面は圧力媒体44による均等な加圧力を受ける多数のピストンロッド41fによって押圧されている。
従って、上記した上下両型(31・32)の第一型締工程時において、上型31を上方へ弯曲変形させるような型締圧力が加えられても、基板セットブロック31cは各ピストンロッド41fによって均等な下方への加圧力を受ける状態で押圧されることにより、該基板セットブロック31cが上方へ弯曲変形されるのを効率良く且つ確実に防止することができる。
このとき、該キャビティブロック32cはキャビティ側面部材32dに対して遊嵌されており、また、該キャビティブロック32cの背面は圧力媒体44による均等な加圧力を受ける多数のピストンロッド41fによって押圧されている。
従って、上記した上下両型(31・32)の第一型締工程時において、下型32を下方へ弯曲変形させるような型締圧力が加えられても、キャビティブロック32cは各ピストンロッド42fによって均等な上方への加圧力を受ける状態で押圧されることにより、該キャビティブロック32cが下方へ弯曲変形されるのを効率良く且つ確実に防止することができる。
即ち、上型31(基板セットブロック31c)及び下型32(キャビティブロック32c)の弯曲変形を防止することができると共に、該上下両型(31・32)の型面間の平行性(図例では、水平性)を保持することができる。
従って、このとき、大形基板70は上型31の基板セットブロック31c面と平行に係着された状態となり、また、下型32のキャビティブロック32cの上面も基板セットブロック31c面と平行な面となる状態で上動することになる。
その結果、該下型32のキャビティブロック32cの上面に構成される下型キャビティ33aの底面が大形基板70の表面と平行性を保った状態で上動する。
また、このとき、大形基板70表面の電子部品71は相対的に下動して下型キャビティ33a内の溶融樹脂材料80a中に浸漬される。そして、下型32のキャビティブロック32cを所定の高さ位置にまで上動させることにより、溶融樹脂材料80aを所定の成形圧にて圧縮することができると共に、大形基板70上に装着した電子部品71を樹脂材料80により一括して封止し且つ均一な厚みのパッケージ厚さ33b(図5参照)として成形することができる。
例えば、第一型締工程時における型締め最終位置を、型開閉機構50によって下型32を上動させる限度(上死点)の位置と合致させるようにしてもよい(図5等参照)。
また、第二型締工程時における型締め最終位置を、大形基板70上の電子部品71を樹脂封止するパッケージの厚さ33bを基準として設定するようにしてもよい。
ところで、大形基板70の厚みが均一でない(平行に成形されていない)場合、例えば、その一面側がテーパー面として成形されているようなときは、該大形基板70上の電子部品71を樹脂封止するパッケージの厚さ33bがそのテーパー面に対応して成形されるので、均一なパッケージ厚みを得ることができない。
しかしながら、本実施例では、大形基板70の厚みに若干のバラツキが発生しているような場合においても、パッケージの厚さ33bを効率良く且つ確実に均一な厚みとして成形することができる。
従って、大形基板70の厚みが平行でないために、基板セットブロック31cに係着された大形基板70の表面(電子部品71の装着面)とキャビティブロック32cの上面とが平行に配置されないような場合であっても、第二型締工程時において、基板セットブロック31c或はキャビティブロック32cのいずれか一方側が、若しくは、その両方が上下左右方向へ揺動することにより、該大形基板70の表面とキャビティブロック32cの上面とが平行するように、両者の位置若しくは傾きの修正が行われる。
このため、大形基板70上の電子部品71に対する樹脂封止成形は、該大形基板70の表面とキャビティブロック32cの上面とが平行性を保つように修正された状態で行われることになるから、成形されたパッケージの厚さ33bを均一な厚みに成形することができる。
また、大形基板70上に装着した多数個の電子部品71を樹脂により一括して封止成形する場合において、下型キャビティ33a内における溶融樹脂材料80aに対する圧縮作用を、より低速度で且つ低圧にて行うことにより、溶融樹脂材料80aの流動作用に基因するワイヤスイープ等の発生を効率良く防止することができる。
即ち、前記上型均等加圧手段41における加圧力調節機構43にて、前記作動流体経路42eを通して所要の加圧力に調節された圧力媒体44をマニホールド41aの作動流体室41d内に導入し、この圧力媒体44にて前記マニホールド41aの各シリンダ41bの夫々に嵌装させたピストン41cを押動してその各ピストンロッド41fの下端部を前記基板セットブロック31cの背面に接合させることにより、前記上型面に供給された基板70を所定の均等な圧力にて押圧することができ、この所定の均等な圧力による押圧にて基板70を保持(保圧)することができる。
また、前記下型均等加圧手段42における加圧力調節機構43にて、前記作動流体経路42cを通して所要の加圧力に調節された圧力媒体44をマニホールド42aの作動流体室42d内に導入し、この圧力媒体44にて前記マニホールド42aの各シリンダ42bの夫々に嵌装させたピストン42cを押動してその各ピストンロッド42fの上端部を前記キャビティブロック32cの背面に接合させることにより、前記下型キャビティ33a内の樹脂を所定の均等な圧力にて押圧することができ、この所定の均等な圧力による押圧を保持(保圧)することができる。
従って、前記第二型締工程時に、前記上型均等加圧手段41(加圧力調節機構43)を作動させることにより、前記基板セットブロック31cにて基板70を所定の均等な圧力で(成形圧力で)保圧することができる。
また、前記第二型締工程時に、前記下型均等加圧手段42(加圧力調節機構43)を作動させることにより、前記キャビティブロック32cにて前記下型キャビティ33a内の樹脂を所定の均等な圧力で(成形圧力で)保圧することができる。
即ち、前記実施例において、まず、前記上下両型(31・32)を閉じる第一型締工程の前に、前記加圧力調節機構43を作動させることにより、前記上型均等加圧手段41にて前記基板セットブロック31cを押圧することができ、前記下型均等加圧手段42にて前記キャビティブロック32cを押圧することができる。
このとき、前記基板セットブロック31cを或いは前記キャビティブロック32cを、所定の均等な圧力による押圧にて或いはこの所定の均等な圧力より低い圧力による押圧にて保持することができる。
例えば、前記基板セットブロック31cを(或いは前記キャビティブロック32cを)、前記第二型締工程時に前記基板セットブロック31c(或いは前記キャビティブロック32c)に加えられる均等な圧力による押圧にて、或いは、前記第二型締工程時に前記基板セットブロック31c(或いは前記キャビティブロック32cを)に加えられる均等な圧力より低い均等な圧力による押圧にて保持することができる。
次に、前記第二型締工程時に、前記加圧力調節機構43を作動させることにより、前記上型均等加圧手段41にて前記基板セットブロック31c(基板70)を所定の均等な圧力の押圧にて保持することができ、前記下型均等加圧手段42にて前記キャビティブロック32c(前記下型キャビティ33a内の樹脂)を所定の均等な圧力による押圧にて保持することができる。
従って、前記加圧力調節機構43を作動させることにより、常時、前記上型均等加圧手段41にて前記基板セットブロック31cを所定の均等な圧力による押圧にて保持することができ、前記下型均等加圧手段42にて前記キャビティブロック32cを所定の均等な圧力による押圧にて保持することができる。
30 圧縮成形用型
31 上型
31a 上型ベース
31b 上型ホールドブロック
31c 基板セットブロック
31d 上型加熱用ヒータ
31e シール部材
31f 保持部
32 下型
32a 下型ベース
32b 下型加熱用ヒータ
32c キャビティブロック
32d キャビティ側面部材
32e 弾性部材
32f キャビティブロック加熱用ヒータ
33 樹脂成形部
33a 下型キャビティ
33b パッケージ厚さ
40 均等加圧手段
41 上型均等加圧手段
41a マニホールド
41b シリンダ
41c ピストン
41d 作動流体室
41e 作動流体経路
41f ピストンロッド
42 下型均等加圧手段
42a マニホールド
42b シリンダ
42c ピストン
42d 作動流体室
42e 作動流体経路
42f ピストンロッド
43 加圧力調節機構
44 圧力媒体
50 型開閉機構(トグル機構)
51 ベース
51a 軸
52 可動プラテン
52a 軸
53 サーボモータ
53a 出力軸
53b プーリー
53c ベルト
54 スクリュウ軸
55 ナット部材
56a 第1リンク
56b 第2リンク
56c 第3リンク
60 離型フイルム
70 大形基板
71 電子部品
80 樹脂材料
80a 溶融樹脂材料
Claims (13)
- 少なくとも、上型と下型とから成る電子部品の圧縮成形用型を用いて、
前記上型面に基板を供給し且つその電子部品の装着面側を下向きとして係着させる工程と、
前記下型の樹脂成形部を含む下型面に離型フイルムを被覆する工程と、
前記離型フイルムを被覆した樹脂成形部における下型キャビティ内に樹脂材料を供給して加熱する工程と、
前記上下両型を閉じる第一型締工程と、
前記上型における基板セットブロックを下動させ、前記下型におけるキャビティブロックを上動させることにより前記基板の電子部品を前記下型キャビティ内の樹脂中に浸漬させ、次に、前記下型キャビティ内の樹脂に所定の樹脂圧を加えることにより前記基板上に装着した電子部品を樹脂により一括して封止成形する第二型締工程とを行う電子部品の圧縮樹脂封止方法であって、
前記上型に対して前記基板セットブロックを遊嵌させた状態で保持させる工程を行い、
また、前記下型のキャビティ側面部材に対して前記キャビティブロックを遊嵌させた状態で保持させる工程を行い、
また、少なくとも、前記した第二型締工程時において、上型均等加圧手段を介して前記基板セットブロックの弯曲変形を防止する上型弯曲変形防止工程を行い、
また、少なくとも、前記した第二型締工程時において、下型均等加圧手段を介して前記キャビティブロックの弯曲変形を防止する下型弯曲変形防止工程を行い、
更に、前記した第二型締工程時において、前記基板セットブロック或は前記キャビティブロックのいずれか一方側若しくはその両方を上下左右方向へ揺動させることにより、前記基板の表面とキャビティブロックの上面とが平行するように、両者の位置若しくは傾きの修正工程を行うことを特徴とする電子部品の圧縮樹脂封止方法。 - 前記上型均等加圧手段が、加圧力調節機構により所要の加圧力に調節された圧力媒体を作動流体経路を通してマニホールドの作動流体室内に導入し、前記マニホールドの各シリンダの夫々に嵌装させたピストンを押動して、その各ピストンロッドの下端部を前記基板セットブロックの背面に接合させて押圧するように設定されており、
また、前記下型均等加圧手段が、加圧力調節機構により所要の加圧力に調節された圧力媒体を作動流体経路を通してマニホールドの作動流体室内に導入し、前記マニホールドの各シリンダの夫々に嵌装させたピストンを押動して、その各ピストンロッドの上端部を前記キャビティブロックの背面に接合させて押圧するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品の圧縮樹脂封止方法。 - 前記圧力媒体として流体を用いることを特徴とする請求項2に記載の電子部品の圧縮樹脂封止方法。
- 前記圧力媒体としてシリコーンオイルを用いることを特徴とする請求項2に記載の電子部品の圧縮樹脂封止方法。
- 前記上型均等加圧手段におけるマニホールドの作動流体室内及び前記下型均等加圧手段におけるマニホールドの作動流体室内の夫々に、同じ加圧力調節機構にて所要の加圧力に調節した圧力媒体を導入することを特徴とする請求項2に記載の電子部品の圧縮樹脂封止方法。
- 前記上型均等加圧手段におけるマニホールドの作動流体室内及び前記下型均等加圧手段におけるマニホールドの作動流体室内の夫々に、異なる加圧力調節機構にて所要の加圧力に調節した圧力媒体を導入することを特徴とする請求項2に記載の電子部品の圧縮樹脂封止方法。
- 前記第二型締工程時に、前記基板セットブロック或は前記キャビティブロックのいずれか一方側若しくはその両方において、
前記上型均等加圧手段における加圧力調節機構にて前記作動流体経路を通して所要の加圧力に調節された圧力媒体をマニホールドの作動流体室内に導入し、この圧力媒体にて前記マニホールドの各シリンダの夫々に嵌装させたピストンを押動してその各ピストンロッドの下端部を前記基板セットブロックの背面に接合させることにより前記上型面に供給された基板を所定の圧力にて押圧し、
また、前記下型均等加圧手段における加圧力調節機構にて前記作動流体経路を通して所要の加圧力に調節された圧力媒体をマニホールドの作動流体室内に導入し、この圧力媒体にて前記マニホールドの各シリンダの夫々に嵌装させたピストンを押動してその各ピストンロッドの上端部を前記キャビティブロックの背面に接合させることにより前記下型キャビティ内の樹脂を所定の圧力にて押圧することを特徴とする請求項1に記載の電子部品の圧縮樹脂封止方法。 - 前記上下両型を閉じる第一型締工程の前に、前記基板セットブロック或は前記キャビティブロックのいずれか一方側若しくはその両方において、
前記上型均等加圧手段にて前記基板セットブロックを所定の圧力による押圧にて或いは所定の圧力より低い圧力による押圧にて保持し、
また、前記下型均等加圧手段にて前記キャビティブロックを所定の圧力による押圧にて或いは所定の圧力より低い圧力による押圧にて保持し、
前記第二型締工程時に、前記基板セットブロック或は前記キャビティブロックのいずれか一方側若しくはその両方において、
前記上型均等加圧手段にて前記基板セットブロックを所定の圧力による押圧にて保持し、
また、前記下型均等加圧手段にて前記キャビティブロックを所定の圧力による押圧にて保持することを特徴とする請求項1に記載の電子部品の圧縮樹脂封止方法。 - 少なくとも、上型と下型とから成る電子部品の圧縮成形用型を用いて、前記上型面に基板を供給し且つその電子部品の装着面側を下向きとして係着させ、離型フイルムを被覆した下型キャビティ内に樹脂材料を供給して加熱し、次に、前記上下両型を閉じる第一型締めを行い、次に、前記上型における基板セットブロックを下動させ、前記下型におけるキャビティブロックを上動させることにより前記基板の電子部品を前記下型キャビティ内の樹脂中に浸漬させ、更に、前記下型キャビティ内の樹脂に所定の樹脂圧を加えることにより前記基板上に装着した電子部品を樹脂により一括して封止成形する第二型締めを行う電子部品の圧縮樹脂封止装置であって、
前記上型に対して基板セットブロックを遊嵌状態で保持させ、前記下型のキャビティ側面部材に対してキャビティブロックを遊嵌状態で保持させて構成し、
更に、前記上下両型の弯曲変形防止部材を兼ねる均等加圧手段を備え、
また、前記均等加圧手段は、上型均等加圧手段と下型均等加圧手段とを含み、
また、前記上型均等加圧手段は、加圧力調節機構により所要の加圧力に調節された圧力媒体を作動流体経路を通してマニホールドの作動流体室内に導入し、前記マニホールドの各シリンダの夫々に嵌装させたピストンを押動して、その各ピストンロッドの下端部を前記基板セットブロックの背面に接合させて押圧するように構成されており、
また、前記下型均等加圧手段は、加圧力調節機構により所要の加圧力に調節された圧力媒体を作動流体経路を通してマニホールドの作動流体室内に導入し、前記マニホールドの各シリンダの夫々に嵌装させたピストンを押動して、その各ピストンロッドの上端部を前記キャビティブロックの背面に接合させて押圧するように構成されていることを特徴とする電子部品の圧縮樹脂封止装置。 - 前記圧力媒体として流体を用いることを特徴とする請求項9に記載の電子部品の圧縮樹脂封止装置。
- 前記圧力媒体としてシリコーンオイルを用いることを特徴とする請求項9に記載の電子部品の圧縮樹脂封止装置。
- 前記上型均等加圧手段の加圧力調節機構と、前記下型均等加圧手段の加圧力調節機構とを兼用させて構成したことを特徴とする請求項9に記載の電子部品の圧縮樹脂封止装置。
- 前記上型均等加圧手段の加圧力調節機構と、前記下型均等加圧手段の加圧力調節機構とを個別に配置して構成したことを特徴とする請求項9に記載の電子部品の圧縮樹脂封止装置。
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