JP2008100504A - 型締装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の型締装置に組付けることにより型締時の型盤の撓みの影響を小さくして金型の隙間の発生を防止し、既納の従来の標準仕様機に適用して容易に変形防止仕様の型締装置に改造することができる型締装置の提供、及び中心よりの狭い領域を介した力の伝達機構を有する型締装置における型盤の各受力盤の撓みを更に高精度に防止することを目的とする。
【解決手段】型盤は、締結力を受ける受力盤21、31と、当該受力盤の一の面に対して着脱可能であると共に可動金型11および/または固定金型10が取り付けられる金型取付盤22、32とからなる型締装置において、金型取付盤の反金型側は受力盤に向かって先細り錐台状または柱状の連結部22a、32aを、金型側は金型取付面を夫々形成すると共に、連結部の反金型側面と受力盤の金型側面を当接して一体に固定することにより、受力盤に生ずる曲がり変形を金型取付盤に伝えないようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、射出成形機等に用いられる型締装置の改良に関する。
従来から一般に用いられている射出成形機の型締装置100の構成を、図4によって説明する。図4において、101はベースフレーム(架台)、102はベースフレーム101に固定された固定型盤、103はベースフレーム101に固定されたレール104の上にリニアガイド105を介して摺動自在に載せられて、固定型盤102に対して接近、または離反動作をする可動型盤、106は固定型盤102と可動型盤103の4隅をそれぞれ繋ぐ4本のタイバー、106aはタイバー106の一端に設けられた雄ねじ部、107は可動型盤103の4隅に設けられたハーフナット、108は固定型盤102の4隅に設けられた型締用の油圧シリンダである型締シリンダ、108aは型締シリンダ108のラム(ピストン)、109は可動型盤103を移動させる移動シリンダ、110および111はそれぞれ固定型盤102および可動型盤103に取付けられた固定金型および可動金型である。
タイバー106の一端は型締シリンダ108のラム108aと連結しており、他端の雄ねじ部106aは可動型盤103に設けられた孔と、開いたハーフナット107の中を自由に通るようになっており、ハーフナット107が閉じるとタイバー106の雄ねじ部106aとハーフナット107の雌ねじ部が螺合してタイバー106と可動型盤103は連結されるようになっている。
図4は、型締装置100が型締め動作を行っているときの状態を示しており、待機状態にあるときは、ハーフナット107は左右(図面に垂直な方向)に開いてタイバー106との係合が解かれ、可動型盤103は移動シリンダ109によって可動金型111と共に左側に移動し、可動金型111の右側面と固定金型110の左側面は離れて対向している。射出成形を行うときには、まず移動シリンダ109によって、可動型盤103を図の右側に移動させ、可動金型111と固定金型110を当接させる(型閉)。ついでハーフナット107を閉じて可動型盤103とタイバー106を係合させ、型締シリンダ108に圧油を供給してタイバー106に張力を発生させ、固定金型110と可動金型111を強く締付ける(型締)。固定金型110と可動金型111の間には成形品に対応する図示省略のキャビティが形成され、このキャビティ内に図示省略の射出ユニットから溶融樹脂を射出して製品(成形品)を形成する。ついで金型内で樹脂を冷却し、型締シリンダ108を緩め、移動シリンダ109で可動型盤103を図の左側に移動させて固定金型110と動金型111の間を開いて(型開)成形品を取出す。
図4は型締して樹脂の射出を行っている状態を示しているが、固定型盤102および可動型盤103には、4隅からタイバー106によって互いに近づく方向に力を受け、また中央部は固定金型110および可動金型111によって夫々互いに反力を受ける。この両方の力は固定型盤102および可動型盤103の両方に対して、図中に破線で誇張して示すように3次元的な曲げ撓みを発生させる。このとき固定金型110および可動金型111に着目すると、互いの接触面では固定金型110および可動金型111も同様に内側の合わせ面が破線で示すように撓み、隙間から射出時にキャビティに充填される溶融樹脂が流れ出して所謂バリを形成し、製品の精度を落とすとともにバリの除去作業が必要となるという問題を生ずる。
このような問題は、4隅をタイバーで繋がれた2個の固定型盤の間に摺動自在に案内された可動型盤を配設し、可動型盤と一方の固定型盤の間にトグル装置を、また可動型盤と他方の固定型盤の間に固定金型および可動金型をそれぞれ配設した構成のトグル式型締装置において、固定金型を取付けた固定型盤に発生し、またトグル装置の出力側のリンクの先端が、可動型盤の中央部から大きく離れてタイバーの近くに取付けられている場合には、同様に可動型盤にも発生する。
上述の問題を改善するために種々の提案が開陳されている。例えば特許文献1では、図4に示したものと同様の構成の型締装置において、固定型盤および可動型盤のそれぞれを、タイバーから締結力(型締力)を受ける受力盤と、この受力盤の一面に着脱可能に取付けた金型取付部材(以下金型取付盤と呼ぶ)とで構成し、固定金型および可動金型はこの金型取付盤に取付けるようにしている。金型取付盤は、受力盤の一面の中央部に突出形成したリング状で外周が金型取付盤の外周より小さい締結力伝達部(以下連結部と呼ぶ)を介してボルトによって連結してある。
この型締装置で型締を行うと、固定側および可動側受力盤はタイバーから4隅に大きな張力を受けて、前述のように(図4の破線参照)曲げ撓みを生ずるが、金型取付盤を押圧する締結力は中央部で接触している連結部の小さな天面、つまり、受力盤に当接する面を通して伝えられるので、金型取付盤に伝わる曲げ撓みの影響は軽減され、さらに別体の金型取付盤を通して金型に伝わるため、金型に伝わる撓み変形量は充分除去され、固定金型と可動金型の間の隙間の発生を防止することができる。
また、例えば特許文献2では、互いに対向し、4隅を4本のタイバーで間を隔てて固定された2つの固定型盤(ステーショナリープラテンとリアプラテン)との間に、4隅を同じタイバーで案内されて摺動する可動型盤(ムービングプラテン)を配設し、一方の固定型盤(リアプラテン)と可動型盤(ムービングプラテン)の間にダブルトグル装置を、また可動型盤(ムービングプラテン)と他の固定型盤(ステーショナリープラテン)の間に可動金型と固定金型を配設した型締装置に対して、型締時に固定型盤(ステーショナリープラテン)と可動型盤(ムービングプラテン)に生ずる撓みを除く機構が開陳されている。この型締装置では、4隅でタイバーから受ける締結力(型締力)を固定型盤(ステーショナリープラテン)の外側(金型の反対側)の中心寄りの狭い範囲に伝達するためと、4隅でトグル装置のリンクの先端の受金(ステープル)から受ける力を可動型盤(ムービングプラテン)の中心寄りの狭い範囲に伝達するために、それぞれ先細りの4角錘台状の支持機構(力伝達部材)を設け、底面の4隅に型締力を受け、狭くなった天面、つまり、可動型盤(ムービングプラテン)を取付ける面から固定型盤(ステーショナリープラテン)および可動型盤(ムービングプラテン)に伝えるようにしたものである。
特開2001−1381号公報(図1) 特許第3591908号公報(図2)
近時、成形製品の精度の向上や、バリの発生防止のために、図4に示すように、固定型盤と可動型盤に直接固定金型と可動金型を取付け、型盤の4隅をタイバーで締付ける方式の従来の型締装置100に対して、金型の変形の防止対策実施のニーズが大きくなっている。
しかし、前述の特許文献1(図1)、特許文献2(図2)のように金型の変形を防止する変形防止仕様の型締装置は、固定型盤と可動型盤を、タイバー、またはトグル装置のリンクから型締力を受ける受力盤と、固定金型および可動金型を取付ける金型取付盤と、受力盤に形成された両者を繋ぐ断面積の小さい締結力伝達部(以下連結部と呼ぶ)で構成されているので、既納機等の製造済みの変形防止仕様でない従来の標準仕様の型締装置に適用して変形防止仕様の型締装置に改造する場合には、従来の型盤から連結部を備えた受力盤への改造が困難なために従来の型盤の利用ができなかった。変形防止仕様の型締装置に改造するためには、固定型盤および可動型盤をそれぞれそっくり連結部を有する固定型盤および可動型盤と、金型取付盤より成る専用の固定型盤ユニットおよび専用の可動型盤ユニットに交換しなければならず、変更を要する部材の範囲が大きくなり、したがって改造にかかるコストと時間が大きくなるという問題がある。
また、特許文献2においては、可動型盤または固定型盤の中央部に型締力が負荷される為、型締力による直接的な曲げモーメントは作用しないが、固定型盤の支持部及び図示されていないリアプラテンには型締力の反力による曲げモーメントが発生するので、金型側に凹の撓みが発生する。また、4本のタイバーは、固定型盤の支持部及びリアプラテンの4隅に固着されていることから、固定型盤の支持部の撓み及びリアプラテンの撓みがタイバーに伝達されて、タイバーに金型側に凸の曲げ変形(内反り)が発生する。タイバーが内反り変形するため、4隅にタイバーを遊挿している可動型盤及び固定型盤は、タイバーの内反り変形に沿うように型盤の4隅に曲げ変形を強いられ、型盤の撓みが発生する不具合がある。これは、特に高精度化の為にタイバーとタイバー遊挿用の穴とのクリアランスを小さくした固定型盤、及び可動型盤や、低剛性の型盤に発生し易い。
本発明は、従来の型締装置に組付けることにより型締時の固定型盤および可動型盤の撓みの影響を小さくして、金型の隙間の発生を防止するとともに、既納の従来の標準仕様機に適用して容易に変形防止仕様の型締装置に改造することができる型締装置を提供すること、及び中心よりの狭い領域を介した力の伝達機構を有する型締装置における固定型盤及び可動型盤の各受力盤の撓みを更に高精度に防止することを目的としている。
上記の課題に対し、本発明は以下の手段により解決を図る。
(1)第1の手段の型締装置は、固定金型が取り付けられた固定型盤と、当該固定型盤に近接・離隔可能であると共に可動金型が取り付けられた可動型盤とを有し、前記可動型盤を前記固定型盤に近接させるように締結力を加えて、前記可動型盤と前記固定型盤とを締め付ける型締装置であって、前記可動型盤および/または前記固定型盤は、前記締結力を受ける受力盤と、当該受力盤の一の面に対して着脱可能であると共に前記可動金型および/または前記固定金型が取り付けられる金型取付盤とからなる型締装置において、前記金型取付盤の反金型側は前記受力盤に向かって先細り錐台状または柱状の連結部を、金型側は金型取付面を夫々形成すると共に、前記連結部の反金型側面と前記受力盤の金型側面を当接して一体に固定することにより、前記受力盤に生ずる曲がり変形を前記金型取付盤に伝えないようにしたことを特徴とする。
(2)第2の手段の型締装置は、上記第1の手段の型締装置において、前記固定型盤の前記受力盤と前記可動型盤の前記受力盤とを連結可能な複数のタイバーを備え、前記固定型盤の前記受力盤は、前記各タイバーを軸方向に移動させる油圧シリンダを有することを特徴とする。
(3)第3の手段の型締装置は、上記第1の手段または第2の手段の型締装置において、架台に固設されるとともに4隅をそれぞれタイバーで固定型盤と連結されたトグル支持盤と、該トグル支持盤および固定型盤との間に配設された前記タイバーで案内されて摺動する可動型盤と、該可動型盤と前記トグル支持盤の間に配設されたトグル装置とで成り、前記可動型盤と固定型盤の対向する面にそれぞれ可動金型と固定金型を取付けるようにしたことを特徴とする。
(4)第4の手段の型締装置は、上記第1の手段〜第3の手段の型締装置において、前記金型取付盤のみを追加固定することにより変形防止仕様の型締装置に改造することを特徴とする。
(5)第5の手段の型締装置は、上記第1の手段〜第4の手段の型締装置において、前記金型取付盤の4隅に切欠きを設けてタイバーと干渉しないようにしたことを特徴とする。
(6)第6の手段の型締装置は、固定金型が取り付けられた固定型盤と、当該固定型盤に近接・離隔可能であると共に可動金型が取り付けられた可動型盤とを有し、架台に固設されるとともに4隅をそれぞれタイバーで固定型盤と連結されたトグル支持盤と、該トグル支持盤および固定型盤との間に配設された前記タイバーで案内されて摺動する可動型盤と、該可動型盤と前記トグル支持盤の間に配設されたトグル装置とで成り、前記可動型盤を前記固定型盤に近接させるように締結力を加えて、前記可動型盤と前記固定型盤とを締め付けるダブルトグル式の型締装置であって、前記可動型盤および/または前記固定型盤は、前記締結力を受ける受力盤と、当該受力盤の一の面に対して着脱可能であると共に前記可動金型および/または前記固定金型が取り付けられる金型取付盤とを具備してなり、前記金型取付盤の反金型側は前記受力盤に向かって先細り錐台状または柱状の連結部と、金型側は金型取付面とを夫々有すると共に、前記連結部の反金型側面と前記受力盤の金型側面を当接して一体に固定してなることを特徴とする。
請求項1〜3に係る発明は、受力盤の4隅に加わるタイバーからの型締力は中央部の金型取付盤の連結部の接触面から離れているので、受力盤に対して曲げモーメントを発生し、受力盤は金型側に凹に変形するが、金型取付盤の連結部の面積は狭くなっており、この領域を通して伝達される曲げモーメントは小さくなり、金型取付盤の曲げ変形は緩和され、金型取付盤に取付けられた金型の曲げ変形は防止され、変形に伴う不具合を解消することができる。
請求項4に係る発明は、受力盤と金型取付盤とを繋ぐ連結部は金型取付盤に形成されていることから、変形防止機能の無い型締装置を変形防止仕様の型締装置に改造する場合に、既に組付いている可動型盤または固定型盤を前記専用の可動型盤ユニットまたは専用の固定型盤ユニットに丸ごと交換する必要が無く、前記金型取付盤を直接型盤の金型取付面に追加締結固定することにより変形防止仕様の型盤に改造できることから、改造にかかるコストと時間を大幅に低減できる。
請求項5に係る発明は、金型取付盤の4隅に切欠きを設けてタイバーと干渉しないように形成されていることから、型締時の受力盤の撓みに伴うタイバーの内反り変形が金型取付盤へ伝達されて、金型取付盤がタイバーの内反り変形に沿って撓んでしまう不具合を防止できる。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態として、固定型盤および可動型盤の両方に適用した場合を図1及び図2によって説明する。
図1は、図4に示す変形防止仕様でない従来の型締装置100に対応する本発明の変形防止仕様の型締装置200の正面図、図2は図1のA−A断面図である。両図において、1はベースフレーム(架台)、2はベースフレーム1に固定された固定型盤、3はベースフレーム1に固定されたレール4の上にリニアガイド5を介して摺動自在に載せられて、固定型盤2に対して接近または離反動作をする可動型盤、6は固定型盤2と可動型盤3の4隅をそれぞれ繋ぐ4本のタイバー、6aはタイバー6の一端に設けられた雄ねじ部、7は可動型盤3の4隅に設けられたハーフナット、8は固定型盤2に設けられた型締シリンダ、8aはタイバー6の他端に設けられた型締シリンダ8のラム、9は可動型盤3を移動させる移動シリンダである。
また、10および11は固定金型取付盤22と、可動金型取付盤32にそれぞれ取付けられた固定金型および可動金型である。
固定型盤2は、タイバー6と結合している固定受力盤21と、この固定受力盤21と沈頭ボルト(六角穴付ボルト)35で結合された固定金型取付盤22で構成され、同様に可動型盤3は可動受力盤31と、この可動受力盤31に沈頭ボルト(図示せず)で結合された可動金型取付盤32で構成されている。
固定受力盤21および可動受力盤31はそれぞれ従来の型盤と同程度の剛性を有し、固定受力盤21には図示省略の射出ユニットのノズル部が挿入される孔36や、固定金型取付盤22との連結用の雌ねじが設けられ、また可動受力盤31には図示省略のエジェクタピン装置用の孔や、可動金型取付盤32との連結用の雌ねじが設けられている。
固定金型取付盤22および可動金型取付盤32は平面形が矩形の適宜の剛性を有する盤で、両者が互いに対向する面はそれぞれ金型取付面となっていて、金型の取付けに必要なT溝37、図示省略の雌ねじ穴、金型吸着用のマグネット装置等の金型取付用の手段、および固定受力盤21又は可動受力盤31との連結用沈頭ボルト35の深座ぐり付きボルト穴が設けられており、この金型取付面の裏面には、適宜の高さの先細りの円錐台状の、または多角錐台状の連結部22aおよび連結部32aが設けられていて、面積の小さい方の天面をそれぞれ固定受力盤21と可動受力盤31に当接させて、深座ぐり付ボルト穴を通して沈頭ボルト35で結合されている。連結部22aおよび32aの底面の面積は使用する最大の金型の取付け面積より若干小さく、また天面の面積は使用する最小の金型の取付け面積より若干大きい程度とするのがよい。
また、固定金型取付盤22および可動金型取付盤32の正面面積が大きくなる場合には、4隅に切り欠き22b、32b(図1、図2参照)を設けてタイバー6と干渉しないようにしておく。
なお、円錐台状、または多角錐台状の連結部22aおよび連結部32aを多角柱または円柱とする場合は、断面の大きさを円錘台または多角錘台の底面と天面の中間の大きさにするのがよい。
上記構成の型締装置200の型締時の作用を説明する。連結部22aおよび連結部32aの形状が錐台状の場合を説明するが、柱状形状の場合も同様である。
まず、移動シリンダ9によって可動型盤3を固定型盤2に近づけ、可動金型11を固定金型10に当接させる。ついで型締シリンダ8によってタイバー6に張力を発生させ、固定金型10と可動金型11を強く締付ける。いま、固定受力盤21に着目すると、固定受力盤21は4隅にタイバー6から内側(図1の左側)に向いた力(集中力)を受け、中央部に固定金型取付盤22の連結部22aから外側(図1の右側)に向いた反力(分布力)を受けて曲げモーメントを発生し、固定受力盤21は固定金型10側に凹に変形する。次に固定金型取付盤22に着目すると、外側を固定受力盤21の中央部によって、また内側を固定金型10によって挟まれて圧縮力を受けるが、連結部22aの天面、つまり、固定受力盤21に当接する面は面積が小さく、かつ固定受力盤21とは別体で形成されているので、固定受力盤21の曲がり変形の影響は緩和され、固定金型取付盤22は十分平面を保つことができ、同様にして可動金型取付盤32も十分平面を保つことができるので、固定金型10と可動金型11との間の隙間の発生が抑制され、バリの発生を防止することができる。
なお、特に、固定金型取付盤22および可動金型取付盤32に設けられた連結部22aおよび連結部32aが錘台の場合は、金型の取付面積が大きい場合に発生する金型に対して凸に曲げようとするモーメントに対して抵抗する効果が大きい。
また、固定受力盤21、可動受力盤31として前記のような金型取付手段を有する従来の標準仕様の型盤102,103を利用しても支障ない。即ち、受力盤と金型取付盤とを繋ぐ連結部は金型取付盤に形成されていることから、変形防止機能の無い型締装置を変形防止仕様の型締装置に改造する場合に、既に組付いている可動型盤または固定型盤を前記専用の可動型盤ユニットまたは専用の固定型盤ユニットに丸ごと交換する必要が無く、前記連結部を有する金型取付盤を直接型盤の金型取付面に追加締結固定することにより変形防止仕様の型盤に改造できることから、改造にかかるコストと時間を大幅に低減できる。
また、金型取付盤22、32の4隅に切欠き22b,32bを設けて、タイバー6と干渉しないように形成されていることから、型締時の受力盤21、31の撓みに伴うタイバー6の内反り変形が金型取付盤22、32に伝達されて、金型取付盤22、32がタイバー6の内反り変形に沿って撓んでしまう不具合を防止できる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態として、第1の実施の形態と同じく、固定型盤および可動型盤の両方に適用した場合を図3によって説明する。
図3は、本発明の型盤をダブルトグル式の型締装置300に適用した場合を示す正面図である。図3において、41は固定型盤(ステーショナリープラテン)、42はトグル支持盤(リアプラテン)、43は可動型盤、44はタイバー、45はトグル装置、46および47はそれぞれ固定金型および可動金型である。
固定型盤41とトグル支持盤42は図示省略のベースフレーム(架台)と4本のタイバー44によって固定されており、可動型盤43は両者の間に配設されたタイバー44に案内されて摺動する。固定金型46および可動金型47は固定型盤41および可動型盤43の対向する面に取付けられる。
トグル装置45は、駆動モータ48によって駆動され、出力側の4つのリンク49の先端を移動させ、可動型盤43に設けた受金(ステープル)53aを介して力を伝達して型閉じおよび型締めを行う。4つのリンク49の相隣る2つの間は、エジェクタ装置等の部材を収容するために受金53aの互いの距離は大きくしてあり、受金53aの位置はタイバー44の位置に近づくことが多い。このため、固定型盤41と同様に可動型盤43においても4隅から受ける締付け力によって曲げ変形が生じるので、この曲げ変形の影響を防止するために第1の実施の形態の固定型盤2および可動型盤3と同様の構造としたものである。固定型盤2に対応する固定型盤41は、固定受力盤21に対応する固定受力盤51と、固定金型取付盤22に対応する固定金型取付盤52とで形成し、両者は固定金型取付盤52に設けた連結部52aの天面を固定受力盤51に当接させて沈頭ボルト35で連結されており、固定型盤41の作用は固定型盤2の作用と同じである。
また、可動型盤43は可動受力盤53と可動金型取付盤54とで形成されており、可動受力盤53は4隅をタイバー44に案内されて摺動し、一面にトグル装置45のリンク49の先端(ピン)を受ける受金53aを互いに大きく離して設けられた型盤で、可動金型取付盤54は一面に連結部54aを有し、反対側の面には可動金型47を取付ける手段を有し、周囲はタイバー44と接触しないようになっている。この可動型盤43の作用も固定型盤2の作用と同じである。
なお、可動型盤43のトグル装置側に設けたリンク49の受金53aの位置が可動受力盤53の4隅から離れて中心部に近づいた場合には、可動受力盤53には大きな曲げモーメントは発生しないので特に対策を施さないでもよい。
また、第1の実施の形態と同様に、受力盤51,53として前記金型取付手段を有する従来の標準仕様の型盤を利用しても支障ない。即ち、受力盤と金型取付盤とを繋ぐ連結部は金型取付盤に形成されていることから、変形防止機能の無い型締装置を変形防止仕様の型締装置に改造する場合に、既に組付いている可動型盤または固定型盤を前記専用の可動型盤ユニットまたは専用の固定型盤ユニットに丸ごと交換する必要が無く、前記金型取付盤を直接型盤の金型取付面に追加締結固定することにより変形防止仕様の型盤に改造できることから、改造にかかるコストと時間を大幅に低減できる。
また、金型取付盤52、54の4隅に切欠き52b,54bを設けて、タイバー44と干渉しないように形成されていることから、型締時の受力盤51、53の撓みに伴うタイバー44の内反り変形が金型取付盤52、54に伝達されて、金型取付盤52、54がタイバー44の内反り変形に沿って撓んでしまう不具合を防止できる。
以上のように、本発明に係る型締装置は、金型取付盤の曲げ変形は緩和され、金型取付盤に取付けられた金型の曲げ変形は防止され、変形に伴う不具合を解消することができ、型盤に用いて適している。
本発明の第1の実施の形態に係る型締装置を示す正面図である。 図1のA−A断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る型締装置を示す正面図である。 従来の型締装置の概略を示す正面図である。
符号の説明
2、41 固定型盤
3、43 可動型盤
6、44 タイバー
8 型締シリンダ
10、46 固定金型
11、47 可動金型
21、51 固定受力盤
22、52 固定金型取付盤
22a、32a、52a、54a 連結部
22b、32b、52b、54b 切欠き
31、53 可動受力盤
32、54 可動金型取付盤
42 トグル支持盤(リアプラテン)
45 トグル装置
200、300 型締装置

Claims (6)

  1. 固定金型が取り付けられた固定型盤と、当該固定型盤に近接・離隔可能であると共に可動金型が取り付けられた可動型盤とを有し、前記可動型盤を前記固定型盤に近接させるように締結力を加えて、前記可動型盤と前記固定型盤とを締め付ける型締装置であって、前記可動型盤および/または前記固定型盤は、前記締結力を受ける受力盤と、当該受力盤の一の面に対して着脱可能であると共に前記可動金型および/または前記固定金型が取り付けられる金型取付盤とからなる型締装置において、前記金型取付盤の反金型側は前記受力盤に向かって先細り錐台状または柱状の連結部を、金型側は金型取付面を夫々形成すると共に、前記連結部の反金型側面と前記受力盤の金型側面を当接して一体に固定することにより、前記受力盤に生ずる曲がり変形を前記金型取付盤に伝えないようにしたことを特徴とする型締装置。
  2. 請求項1に記載の型締装置において、前記固定型盤の前記受力盤と前記可動型盤の前記受力盤とを連結可能な複数のタイバーを備え、前記固定型盤の前記受力盤は、前記各タイバーを軸方向に移動させる油圧シリンダを有することを特徴とする型締装置。
  3. 請求項1、請求項2に記載の型締装置において、架台に固設されるとともに4隅をそれぞれタイバーで固定型盤と連結されたトグル支持盤と、該トグル支持盤および固定型盤との間に配設された前記タイバーで案内されて摺動する可動型盤と、該可動型盤と前記トグル支持盤の間に配設されたトグル装置とで成り、前記可動型盤と固定型盤の対向する面にそれぞれ可動金型と固定金型を取付けるようにしたことを特徴とする型締装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の型締装置において、前記金型取付盤のみを追加固定することにより変形防止仕様の型締装置に改造することを特徴とする型締装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載の型締装置において、前記金型取付盤の4隅に切欠きを設けてタイバーと干渉しないようにしたことを特徴とする型締装置。
  6. 固定金型が取り付けられた固定型盤と、当該固定型盤に近接・離隔可能であると共に可動金型が取り付けられた可動型盤とを有し、架台に固設されるとともに4隅をそれぞれタイバーで固定型盤と連結されたトグル支持盤と、該トグル支持盤および固定型盤との間に配設された前記タイバーで案内されて摺動する可動型盤と、該可動型盤と前記トグル支持盤の間に配設されたトグル装置とで成り、
    前記可動型盤を前記固定型盤に近接させるように締結力を加えて、前記可動型盤と前記固定型盤とを締め付けるダブルトグル式の型締装置であって、
    前記可動型盤および/または前記固定型盤は、
    前記締結力を受ける受力盤と、当該受力盤の一の面に対して着脱可能であると共に前記可動金型および/または前記固定金型が取り付けられる金型取付盤とを具備してなり、
    前記金型取付盤の反金型側は前記受力盤に向かって先細り錐台状または柱状の連結部と、金型側は金型取付面とを夫々有すると共に、
    前記連結部の反金型側面と前記受力盤の金型側面を当接して一体に固定してなることを特徴とする型締装置。
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