JP2015005332A - 積層型電池 - Google Patents

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晴久 八木
哲也 椎崎
Tetsuya Shiizaki
哲也 椎崎
幹男 竹林
Mikio Takebayashi
幹男 竹林
雄大 秋元
Yudai Akimoto
雄大 秋元
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Abstract

【課題】短時間の放置時間で、電池容量を確保することを目的とする。
【解決手段】積層型電池を構成する積層体200の袋詰め正極201を、異なる幅のセパレータ116,117で形成することにより、袋詰め正極201が弓なり形状となり、電解液が積層体200へ入り込みやすく、負極111および袋詰め正極201の電解液の濡れ残り面積を減少でき、電池容量を確保することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の電極板をセパレータ等の絶縁体を介して積層する積層型電池に関するものである。
携帯電話やノートPC等の携帯用電子機器の電源として、二次電池等の電池が利用されている。二次電池は炭素質材料等の活物質を用いた負極と、LiCoO等の遷移金属とリチウムの複合酸化物を用いた活物質を用いた正極と、正極と負極を電気的に絶縁するセパレータとで構成されており、負極にリチウムを吸蔵・放出することで高電位かつ、高放電容量を実現している。近年、スマートフォン等の携帯用電子機器の急速な発展により、多機能化やコンパクト化が急激に進み、さらなる大容量化や長寿命化が望まれている。
これらは、銅箔やアルミニウム箔などの集電体上に、活物質等を塗料化した合剤塗料を塗布し、乾燥後にプレス機等で規定厚みまで圧縮する方法で作られた正極および負極を用いて、負極、セパレータ、正極、セパレータの順で積層する積層型電池で実現される。
従来の積層型電池の製造方法は、まずセパレータの外周部の一部が熱にて溶着されることで、袋状にされたセパレータに正極を収納する。次に正極が収納されたセパレータと負極とを交互に複数枚積層して積層体を作成する。そしてフィルムなどの外装体内に、作成された積層体と電解液とを収納し、外装体から外部に突出した複数枚の正極のリードと負極リードをそれぞれ正極と負極に接続し、外装体を封止して完成させた(例えば、特許文献1参照)。
図14は特許文献1に記載された従来の積層型電池の構成を示す図である。
図14(a)は、従来の積層型電池の外観図で、上部外装体101と下部外装体102と、上部外装体101及び下部外装体102の外部に突出した正極リード103と負極リード104で構成されている。上部外装体101と下部外装体102は、熱可塑性樹脂を配する金属箔との複合フィルムであり、熱により互いを溶着することで封止することが出来る。
図14(b)は、従来の積層型電池の展開図で、上部外装体101と下部外装体102に従来の積層体105が収納されている。従来の積層体105は、前述したようにセパレータに収納された正極と負極とを交互に複数枚積層されるので、積層の状態が崩れないようにテープ107で拘束している。
次に、図15(a)、図15(b)、図15(c)を用いて従来の積層型電池を構成する積層体105について述べる。図15は特許文献1に記載された従来の積層体の構成を説明する図である。
図15(a)は積層体105の積層構成図で、負極111とセパレータに包まれた袋詰め正極112で構成されている。袋詰め正極112は、2枚のセパレータを重ね合わせ、外周部を複数の溶着点114により袋状にし、その袋状のセパレータ内に正極を収納している。
図15(b)は袋詰め正極112のA−A’断面図である。袋詰め正極112は、正極115と上セパレータ116と下セパレータ120とで構成されている。上セパレータ116と下セパレータ120は正極115を挟んで溶着点114で重ねて溶着されている。上セパレータ116と下セパレータ120は、ポリエチレンやポリプロピレンなどの樹脂である。上セパレータ116と下セパレータ120は熱により溶着される。
図15(c)は袋詰め正極112の構成図で、上セパレータ116と下セパレータ120は同一の大きさで、正極115は、上セパレータ116と下セパレータ120よりも小さい。
次に、図16を用いて袋詰め正極の製造方法について述べる。
図16は従来の袋詰め正極の製造装置の構成を示す図である。
図16に示すように、従来の袋詰め正極の製造装置は、セパレータがロール状に捲かれた下セパレータフープ121と、セパレータを送り出す送り出しローラ122と、送り出されたセパレータを下セパレータ120となるように切断するカッタ123と、搬送ジグ124と、正極115が箱詰めされた正極ラック126と、正極115を搬送する正極チャック125と、セパレータがロール状に捲かれた上セパレータフープ127と、セパレータを送り出す送り出しローラ128と、送り出されたセパレータを上セパレータ116となるように切断するカッタ129と、セパレータを溶着する溶着機130とで構成されている。
次に、袋詰め正極の製造方法について述べる。搬送ジグ124は下セパレータ搭載位置A、正極搭載位置B、上セパレータ搭載位置C、溶着位置D、完成位置Eの順で進む。
下セパレータ搭載位置Aでは下セパレータフープ121から、送り出しローラ122より、セパレータが定寸分だけ送り出され、カッタ123で切断され、下セパレータ120となり、搬送ジグ124に供給される。次に、搬送ジグ124は正極搭載位置Bへ移動する。
正極搭載位置Bでは正極ラック126から正極チャック125により正極115が取り出され、搬送ジグ124上の下セパレータ120の上に載せられる。次に、搬送ジグ124は上セパレータ搭載位置Cに移動する。
上セパレータ搭載位置Cでは、上セパレータフープ127から、送り出しローラ128よりセパレータが定寸分だけ送り出され、カッタ129で切断され、上セパレータ116となり、搬送ジグ124上の正極115の上に載せられる。次に、搬送ジグ124は、溶着位置Dに移動する。
溶着位置Dでは溶着機130で下セパレータ120と上セパレータ116とが熱溶着により溶着される。そして、完成位置Eに進み、袋詰め正極112となる。
このように製造された袋詰め正極112を用いて積層型電池にするには、図17の工程フローが必要となる。図17は従来の積層型電池の製造方法を示す工程フロー図である。
ステップS10では袋詰め正極112と負極111が供給された状態である。
ステップS11は負極111、袋詰め正極112の順で交互に、積層されるステップである。積層回数は51回で、最上部は負極111である。
積層時の配置は正極リードとの接続部と負極リードの接続部が、積層体の同一の辺上にくるようにしている。
ステップS12は、袋詰め正極112と負極111が交互に積層されたものにテープ107を貼り付けて状態を保持するステップである。
ステップS13では、積層された袋詰め正極112の正極リード接続部と板形状の正極リード103とが、超音波溶着にて溶着されることで、電気的に接続された状態となり、正極リード103が装着される。また、同様に積層された負極111の負極リード接続部と板形状の負極リード104についても、電気的に接続された状態で、負極リード104が装着される。これにより、積層体105となる。
ステップS14は、積層体105に上部外装体101と下部外装体102を取り付けるステップで、注液に必要な場所以外は封止される。注液する場所は、リードの付いていないところが望ましい。例えば、リードがついている辺と対向する辺である。
積層体105は上部外装体101と下部外装体102の内部に収納される。
ステップS15は電解液を上部外装体101と下部外装体102の積層体105が収納されている内部に注入するステップである。このステップで電解液が積層体105に入り込む。
ステップS16は注液のために、封止をしなかった部分を封止するステップである。
ステップS17は、外装体の中に注入された電解液を積層体105に含浸させるステップであり、正極及び負極の表面の電解液が含浸されていない部分(以降、「濡れ残り面積」と称する)を減少させるための放置時間である。濡れ残りがあると、正極と負極との間に電解液が存在しないため、電池として機能しない部分となり、電池容量が仕様値よりも少なくなる。
放置時間は、数100個の試作を行い、試作品の全てが、積層型電池の電気容量の仕様を満たすための目標値として、負極の活物質が塗布された面積に対して濡れ残り面積が0.0135%未満となるように決められるが、材料や生産のバラツキにより、濡れ残りが発生するものがある。
負極のサイズが横幅193mm×縦幅192mm、袋詰め正極のセパレータ外形が横幅193mm×縦幅192mmの時、濡れ残り面積の目標値は、負極の活物質が塗布された面積に対して濡れ残り面積が0.0135%未満なので、その面積は5mm未満となる。
濡れ残り面積は、電解液が正極や負極に含浸した時の、色変化を利用した画像検出方法で測定する。
放置時間を長くすると濡れ残り面積は、減少すると推測されるが、工業生産の観点から有限であり、長時間は望まれない。工業生産の観点から要求される時間は30分以下である。
ステップS18は積層型電池として機能させるための充電放電のステップである。このステップにより積層型電池は電気容量を得られる。
この時、濡れ残り面積があると、積層型電池の電気容量は、仕様を満たさない。
特開2007−287724号公報
しかしながら、前記従来の構成では工業生産の観点から要求される放置時間の30分では、0.0135%以上の濡れ残りが発生するという課題を有していた。
その0.0135%以上の濡れ残りにより、濡れ残り部は電池として機能せず、電池容量が仕様値の99.59%に留まる場合があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、短時間の放置時間で、電池容量を確保することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の積層型電池は、矩形の第1のセパレータと矩形の第2のセパレータとで正極を挟んだ袋詰め正極と負極とを交互に積んだ積層体、および電解液を収納する積層型電池において、
前記袋詰め正極は、
前記第1のセパレータ(横幅W3、縦幅L3、W3≧L3)と、前記第2のセパレータ(横幅W4、縦幅L4、W4≧L4)とが
(数1)と(数2)の関係を満たすことを特徴とする。
(数1)1.0015<W3/W4≦1.0187
(数2)L3=L4
または、矩形の第1のセパレータと矩形の第2のセパレータとで正極を挟んだ袋詰め正極と負極とを交互に積んだ積層体、および電解液を収納する積層型電池において、
前記袋詰め正極は、
前記第1のセパレータ(横幅W3、縦幅L4、W3≧L3)と、前記第2のセパレータ(横幅W4、縦幅L4、W4≧L4)とが
(数3)と(数4)の関係を満たすことを特徴とする。
(数3)1.0015<L3/L4≦1.0187
(数4)W3=W4
以上のように、本発明の積層型電池によれば、積層型電池を構成する積層体の袋詰め正極を、異なる幅のセパレータで形成することにより、袋詰め正極が弓なり形状となり、電解液が積層体へ入り込みやすく、負極および袋詰め正極の電解液の濡れ残り面積を減少でき、電池容量を確保することができる。
本発明の積層型電池の構成を示す図 本発明の積層体の構成を説明する図 本発明の積層型電池における復路詰め正極と負極との積層構造を説明する図 本発明の濡れ残り面積と溶着点間隔の関係を説明する図 本発明の積層型電池の製造方法を示す工程フロー図 本発明の袋詰め正極の製造装置を示す図 本発明の積層体の積層方法を説明する図 本発明のリード板装着方法を説明する図 本発明の外装体の装着方法を説明する図 本発明の注液方法を説明する図 電解液の濡れ広がり実験を説明する図 本発明の積層型電池における袋詰め正極の構成例を示す図 本発明の袋詰め正極の構成と濡れ残り面積との関係を示す図 特許文献1に記載された従来の積層型電池の構成を示す図 特許文献1に記載された従来の積層体の構成を説明する図 従来の袋詰め正極の製造装置の構成を示す図 従来の積層型電池の製造方法を示す工程フロー図
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の積層型電池の構成を示す図である。図1において図14と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図1(a)は本発明の積層型電池の外観図である。積層型電池100は、上部外装体101と下部外装体102で構成されている。大きさは、例えば、横幅W100が196mm、縦幅L100が196mm、厚みt100が12mmで、外形の4辺のうちの1辺に正極リード103と負極リード104が取り付けられている。
図1(b)は本発明の積層型電池の展開図で、上部外装体101と下部外装体102との間に積層体200が収納される。例えば、上部外装体101は、アルミニウム芯材にポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系の樹脂でコートされ、横幅W101が196mm、縦幅L101が196mm、厚みt101が0.5mmとする。下部外装体102は、横幅W102が196mm、縦幅L102が196mm、厚みt102が11.5mmとする。この場合、積層体200を、厚みt200が10mm、横幅W200が193mm、縦幅L200が192mmとする。
積層体200は、積層の状態が崩れないように、例えば、幅L107が10mm、厚み0.05mmのポリイミド系のテープ107により拘束される。テープ107は、積層体200の4辺中の3辺に、それぞれ、1ヶ所ずつ、設けられる。残り1辺には横幅W103及び、W104が72mm、縦幅L103及び、L104が25mm、厚み1mmのアルミ製の正極リード103と銅材にニッケルメッキをした負極リード104が50mmの間隔W109をあけて、隣あい、溶着される。
次に、図2を用いて積層体200を構成する正極、負極、セパレータについて述べる。図2において図15と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図2は本発明の積層体の構成を説明する図であり、積層体200を構成する部材を示す図である。図2(a)は積層体200の断面図で、26枚のシート状の負極111と、セパレータに包まれた25枚の袋詰め正極201が、負極111、袋詰め正極201の順で積み重ねられ、最後に負極111を積んだ51層の構成が例示されている。
図2(b)は負極111とセパレータに包まれた袋詰め正極201の構成を説明する図である。
負極111はシート状の銅箔の集電体上に活物質が塗布されており、例えば、横幅W111が193mm(負極111の横幅W111をW1とする)、縦幅L111が192mm(負極111の縦幅L111をL1とする)、厚みt111が0.180mmである(W1>L1)。さらに、銅箔の集電体と一体化された、負極リード取り付け部118が設けられている。
負極リード取り付け部118は、例えば、横幅W118が72mm、縦幅L118が25mmである。
袋詰め正極201は、厚みが0.02mmの上セパレータ116と下セパレータ117と正極115で構成され、横幅W201が193mm、縦幅L201が192mmで正極リード取り付け部119が設けられる。
袋詰め正極201は、上セパレータ116と下セパレータ117が正極115を間に挟み、溶着点114により溶着される。袋詰め正極201のA−A’断面の断面図を図2(c)とする。また、積層時に負極111と袋詰め正極201の間の隙間を広く確保し、電解液の濡れ残り面積を減少する目的で、下セパレータ側を凸となる弓なりの形状にする。
次に、溶着点114について説明する。
溶着点114は、重ねられた上セパレータ116と下セパレータ117の外周部で溶着され、例えば、横幅W114に47mm間隔で4点、縦幅L114に63mm間隔で3点、溶着されている。
図2(d)は溶着点114の配置を示した図である。上セパレータ116と下セパレータ117を溶着した状態を、上方から見た図である。例えば、溶着点114は縦幅L202が5mm、横幅W202が0.5mmとする。溶着点114は袋詰め正極201の外形端から横幅方向の溶着点の外形端までの長さW204が1.0mm、外形端から縦幅方向の溶着点の外形端までの長さL204が3.0mmで配置されている。
図2(e)は袋詰め正極201の構成図である。
正極115はアルミニウム箔の集電体上に活物質が塗布されており、例えば、横幅W115が189.5mm(正極115の横幅W115をW2とする)、縦幅L115が185mm(正極115の縦幅L115をL2とする)、厚みt115が0.180mmである(W2>L2)。さらに、アルミニウム箔の集電体と一体化された、正極リード取り付け部119が設けられている。
正極リード取り付け部119は横幅W119が72mm、縦幅L119が25mmである。
正極115を、縦幅L116が192mm、横幅W116が193mmの上セパレータ116と、縦幅L117が192mm、横幅W117が196.6mmの下セパレータ117が挟んでいる。
次に、袋詰め正極201の構成について図3を用いて述べる。図3は本発明の積層型電池における袋詰め正極と負極との積層構造を説明する図であり、袋詰め正極201の構成と負極を示す図である。図3において、図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図3(a)は、負極111と袋詰め正極201を重ねた状態の横幅方向の断面である。袋詰め正極201は、上セパレータ116と下セパレータ117とで正極115を間に挟み、溶着点114により溶着され、下セパレータ117が負極111と重なる。ここで、下セパレータ117の横方向の断面の長さを上セパレータ116より長くすることにより、下セパレータ側が凸となる弓なり形状となる。
この時、下セパレータ117と負極111の横幅方向とがなす角をθ1とする。弓なり形状を成している場合、θ1は0°<θ1となる。電解液の正極115及び負極111への濡れ性は接触角を越えると低下するので、θ1は電解液と下セパレータ117との接触角以下とすることが望ましい。例えば、接触角は濡れ性評価装置を用いて実測することができる。実測結果から、上記の構成例の場合、θ1の範囲は0°<θ1≦25°とすることが好ましい。
図3(b)は負極111と袋詰め正極201を重ねた状態を展開した図である。
ここでは、正極115の横幅W115をW2、負極111の横幅W111をW1とする。
溶着点114は正極115を囲うように形成される。上セパレータ116の縦幅L116方向に平行な2辺の外周部には、それぞれ溶着点114が所定の間隔で並んで形成され、2辺に並んだ溶着点114の横幅W116方向の間隔をW4とする。また、下セパレータ117の縦幅L117方向に平行な2辺の外周部には、それぞれ溶着点114が所定の間隔で並んで形成され、2辺に並んだ溶着点114の横幅W117方向の間隔をW3として説明する。この時、溶着点の間隔W3、W4は共に正極115の横幅W115方向の端面と接触し得る、溶着点の端面間の間隔とする。また上セパレータ116の平行な2辺に並んだ溶着点114の縦幅L116方向の間隔をL4、下セパレータ117の平行な2辺に並んだ溶着点114の縦幅L117方向の間隔をL3とする。ここでは、横幅方向と縦幅方向を明確にするため、溶着点の間隔を下セパレータではW3≧L3、上セパレータではW4≧L4と定義する。
袋詰め正極201は、上セパレータ116の横幅W116よりも下セパレータ117の横幅W117が長いので、上セパレータの外周と下セパレータの外周が重なるようにし、上セパレータと、下セパレータの外周から溶着点までの長さが等しくなるように溶着すると弓なり形状となる。この弓なり形状を展開すると、溶着点間隔W4とW3は異なる。
またここでは、上セパレータ116のL4とセパレータ117のL3は同じ幅となる(L3=L4)。
次に、W1、W2、W3、W4の関係について述べる。
W1は負極111の横幅W111で、例えば193mmである。W2は正極115の横幅W115で、例えば189.5mmである。この時、上セパレータの溶着点の間隔W4は193mmとなり、下セパレータの溶着点の間隔W3をW4より大きくし、例えば、193.6mmとする。この場合、W3/W4は1.0031である。
以上の条件で作成した積層体を用いて、粘度CP2の電解液を入れたポリエチレン製の容器に25℃、大気圧下で浸漬させ、30分後に濡れ残り面積を測定した。この時、濡れのり面積の目標値は、負極の活物質が塗布された面積に対して濡れ残り面積が0.0135%未満なので、その面積は5mm未満となる。
結果、濡れ残り面積は4.93mmで、0.0133%であった。あらかじめ、従来技術を用いて作成した積層体の濡れ残り面積を測定すると、142mmで0.383%であったことから、濡れ残り面積は改善したと判断できた。さらに、セパレータの皺の発生も確認されなかった。
さらに、積層体に正極リードと負極リードを電気的に繋げ、電池容量を測定した結果、従来技術で仕様値の99.59%に留まっていた電池容量が、99.98%まで改善した。
また、従来技術では濡れ残り領域は、袋詰め正極及び負極の略中央部に集中していたが、本条件では、濡れ残り領域は集中せず、分散していた。よって、弓なりの袋詰め正極を用いた積層体は、負極と袋詰め正極との隙間を広く得ることで、電解液は、積層体の外周部から袋詰め正極及び負極の略中央部までの浸入経路が確保されたため、濡れ残り面積が減少したものと推測される。これにより、電池として機能しない領域が減少し、電池容量が改善したと考えられる。
以上のように、袋詰め正極112と負極111とが積層されて構成される積層型電池において、上セパレータ116と上セパレータ116より幅の広い下セパレータ117とで正極115を挟み込み、上セパレータ116と下セパレータ117との幅方向の端部をそろえて溶着して袋詰め正極112を形成することにより、下セパレータ117が弓なりな形状となる。そのため、このような袋詰め正極112を用いて積層型電池を構成することにより、電解液が正極112および負極111に十分に濡れ広がり、短時間の放置時間で、負極111および袋詰め正極112の電解液の濡れ残り面積を減少させ、十分な電池容量を確保することができる。
なお、上記説明における数値は、動力用として一般的な製品として要求される電池サイズより、W1は、110mm<W1<310mm、W2が110mm<W2<310mmを想定して例示している。
充放電を行う積層型の電池の安全性の観点からW2<W1は必須の条件で、この条件を満たさない場合は、充電時に正極から出たイオンが負極に入りきらず、マイクロショートを起こす。
また、正極へのダメージを与えない条件としては、W2≦W4であることが必要である。この条件を満たさない場合は、正極が曲がり、充放電を繰り返すと正極にヒビなどの傷が入る。
次に、W3とW4の最大最小範囲は
1.0026×W2<W4≦W1
1.0015×W4<W3<1.022×W1
である。それぞれの範囲の算出方法について、次に述べる。
1.0026×2<W4は、W2<W4が厳守すべき条件なので、セパレータの収縮率を考慮し、セパレータが仮に収縮してもW2≦W4を満たす条件である。
厚み20μmのポリオレフィン系のセパレータの弾性率は、3333N/mである。厚み20μmのポリオレフィン系のセパレータは2Nを超えるテンションがかかるとセパレータにダメージが残り、絶縁性能が劣化する。
そこで、この条件を加味するとセパレータには最大の2Nのテンションがかかった時にセパレータが伸びる量を考慮しなくてはならない。セパレータに2Nのテンションを掛けると弾性率から計算すると0.6mm伸びる。
また、テンションがかかる方向の幅×0.0026分だけ縮む。よって、2Nのテンションがかかり、縮んだ時でもW2<W4を厳守するために、縮む量を考慮すると、1.0026×W2<W4が必要となる。
W4≦W1は、W1をW4が超えた場合、必要以上に電池外形が大きくなってしまうため、実用的ではない。
1.0015×W4<W3は実験より濡れ残り面積の減少が顕著に現れた条件から決定した。
W3<1.022×W1は実験より皺が発生した条件から決定した。
次に、W3とW4の長さ比が濡れ残り面積に、どのように関係しているかを確認するために、実験を行った。
実験について、図3、図4を用いて述べる。図4は濡れ残り面積と溶着点間隔の関係を説明する図であり、図4(a)は含浸していない濡れ残り領域を示す図である。
図4において、S1は負極の略中央に発生する負極111の濡れ残り面積、S2は袋詰め正極201の略中央に発生する袋詰め正極201の濡れ残り面積である。濡れ残り面積は正極、負極対向面での差はなかったが観察がしやすい負極111の濡れ残り面積S1で実験を行った。
また、濡れ残り面積の測定方法は極板全体を400万画素以上のカメラで上方から、負極全体が200万画素となるように撮影し、ピクセル数で濡れ残り量を測定する。
濡れ残り部分は濡れている部分に比べて色が薄い。負極の場合、濡れている部分は黒色、濡れていない部分は灰色なので、0〜256階調のグレースケール画像で判別した。実験の結果、濡れている部分の黒色部は0〜50の範囲に、灰色部は116〜133の範囲にあった。よって、グレースケール画像の0〜50の範囲を濡れている部分、116〜133範囲を濡れていない部分とし、200万画素中にある、濡れている部分の個数と濡れていない部分の個数をカウントし、1ピクセルあたりの面積を掛けて算出した。
1ピクセルあたりの面積は、測定する負極111の寸法を光学測定顕微鏡で測定し、負極全体の面積を200万画素で割って求めた。
実験では、負極のサイズが横幅193mm×縦幅192mm、袋詰め正極のセパレータ外形が横幅193mm×縦幅192mmの時、濡れ残り面積の目標値は、負極の活物質が塗布された面積に対して濡れ残り面積が0.0135%未満なので、その面積は5mm未満となる。
また、5mm以上で性能劣化があることが確認されているので、5mm以上を濡れ残り面積の判断基準とした。
負極のサイズが横幅193mm×縦幅192mm、袋詰め正極のセパレータ外形が横幅193mm×縦幅192mmのものを使用して、W3の長さを変えたサンプルを作成し、粘度CP2の電解液を入れたポリエチレン製の容器に25℃、大気圧下で浸漬させ、30分後に濡れ残り面積を測定した。
図4(b)はW3とW4の長さ比と濡れ残り面積と、皺の有無の関係を示す結果である。図4の(b)の横軸はW3とW4との比で縦軸は濡れ残り面積S2で単位はmmである。
図ではW3/W4を変化させた時の濡れ残り面積S2の変化を示す。
W3/W4が1以上1.0015以下間は濡れ残り面積の減少量は小さく、W3/W4が0.0015変化する間に、10mmしか減少していない。
W3/W4が1.0015を超えて1.022以下の間は、濡れ残り面積が減少量は大きく125mmも減少し、W3/W4が1.022の時は濡れ残り面積S2が4.8mmであった。
よって、W3/W4が1.0015を超えないと濡れ残り面積の抑制効果が薄いと判断し、1.0015×W4<W3を条件とした。
次に、W3/W4が1.0015を超えると、濡れ残り面積は減少していくが、W3/W4の比が大きくなりすぎると、皺が発生するので、皺の発生しない領域の検討を行った。
皺については、袋詰め正極のセパレータの皺を観察した。皺のない所は、電解液により正極とセパレータが密着して、セパレータ越しに正極が透けて見えるが、皺のある所は、正極とセパレータが密着せず、線形上にセパレータ越しに正極が見えない部分が発生する。
これを評価基準とし、線形上にセパレータ越しに正極が見えない部分の幅が2.2mm以上の時を皺発生とした。測定はデジタルノギスで行った。
この評価基準で判断すると、W3/W4が1.022を超えたところから皺が発生した。
皺の発生は、W3/W4を大きくすると、下セパレータと負極の横幅方向の接線角θ1が大きくなり、やがて、電解液とセパレータまたは、電解液と負極との接触角を越え、表面張力により、液が広がらなくなり、セパレータ上及び負極上で電解液がムラとなることにより発生すると推測される。
よって、W3<1.022×W1の条件を決定した。
実験より、従来は、負極のサイズが横幅193mm×縦幅192mm、袋詰め正極のセパレータ外形が横幅193mm×縦幅192mmのものに対し、放置時間が30分の場合、濡れ残り面積は140mmあったが、実験では、W3/W4が1.0015を超えると濡れ残り面積が大きく減少し、W3/W4が1.022では、25℃、大気圧下での浸漬時間30分とすると、濡れ残り面積が4.8mmとなり、目標値の5mm未満を達成したので、効果が確認できた。さらに、W3/W4を大きくした時に、発生する皺は、W3/W4比が1.022を超えると起きることが確認された。
前記で実施した条件をW3とW4の長さ比と濡れ残り面積と、皺の有無の関係の実験結果に当てはめてみると、W3/W4は1.0189で濡れ残り面積が4.93mmで、セパレータの皺は発生していなかったので、W3とW4の最大最小範囲を満たしているものと推測する。
濡れ残り面積が5mm未満となる条件は、図4(b)の縦軸が5mm未満となるのは、横軸のW3/W4が1.0179より大きく、セパレータの皺が発生しない1.022以下の範囲である。
次に、本発明の積層型電池の製造方法について、図5を用いて説明する。図5は本発明の積層型電池の製造方法を示す工程フロー図である。
図5において、図1、図2、図3と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図5において、まず、弓なりの袋詰め正極201と負極111が供給される(ステップS1)。
次に、弓なりの袋詰め正極201と負極111が交互に積層される。この時、積層する段数は任意であるが、最上段が負極111となるように積層する。また、積層時には、積層される袋詰め正極201の正極リード103との接続部がそれぞれ積層体200の同一の辺上にくるように配置し、積層される負極111の負極リード104との接続部がそれぞれ積層体200の同一の辺上にくるように配置する(ステップS2)。
次に、交互に積層された弓なりの袋詰め正極201と負極111に対し、積層状態を保持するために、少なくとも一部の周囲にテープ107を貼り付ける(ステップS3)。
次に、積層された袋詰め正極112の正極リード接続部と板形状の正極リード103とを超音波溶着にて溶着して電気的に接続することにより、正極リード103を袋詰め正極112に装着する。また、同様に積層された負極111の負極リード接続部に板形状の負極リード104を電気的に接続し、負極リード104を負極111に装着する。これにより、積層型電地に用いられる積層体200が形成される(ステップS4)。
次に、弓なりの積層体200に上部外装体101と下部外装体102を取り付ける。この時、注液に必要な場所以外は封止され、積層体200は上部外装体101と下部外装体102の内部に収納される。なお、注液する場所は、リードの着いていないところが望ましい。例えば、リードがついている辺と対向する辺である(ステップS5)。
次に、積層体200が収納されている上部外装体101と下部外装体102の内部に電解液を注入する。この工程により電解液が積層体200に入り込む(ステップS6)。
次に、注液のために封止をしなかった部分を封止する(ステップS7)。
次に、電解液を積層体200内に入り込ませるため、一定時間放置する。これにより、正極115及び負極111の表面に電解液を十分に含浸させ、濡れ残り面積を減少させることができる(ステップS8)。
最後に、積層型電池として機能させるため、充電放電を行う。この工程により積層型電池は電気容量が得られる(ステップS9)。
次に、積層体電池を構成する積層体内の弓なり袋詰め正極の製造について説明する。
本発明の弓なり袋詰め正極の製造方法について、図6を用いて説明する。図6は本発明の袋詰め正極の製造装置を示す図である。図6において図1〜図4と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図6に示すように、正極供給ユニット530は、正極115を、正極115が集積された正極ラック126から正極搬送ベルト502に供給する機構で、正極チャック125と、正極115収納した正極ラック126と、正極送り出しリブ501が搭載された正極搬送ベルト502で構成されている。
セパレータ供給ユニット531は、下セパレータと上セパレータを溶着送り出しローラ513及び514に供給する機構である。
下セパレータは下セパレータフープ121と、下セパレータフープ121のテンションを制御する下セパテンション制御機構510と、セパレータを引きだす引き出しローラ512とで構成され、溶着送り出しローラ514に供給される。
下セパテンション制御機構510は、2本の固定ローラ507、509と1本の可動ローラ508で構成されている。
上セパレータは上セパレータフープ127と上セパレータフープ127のテンションを制御する上セパテンション制御機構506と、セパレータを引きだす引き出しローラ511とで構成され、溶着送り出しローラ513に供給される。
上セパテンション制御機構506は、2本の固定ローラ503,505と1本の可動ローラ504で構成されている。
溶着ユニット532は、下セパレータと上セパレータを溶着する機構で、溶着送り出しローラ513、514と溶着機130と溶着機130から引きだす溶着引き出しローラ515、516とで構成されている。
切断ユニット534は、溶着されたセパレータを切断する機構で、セパレータを切断する刃517を搭載した切断ローラ518と、刃517を受ける受け519を搭載した受けローラ520とで構成されている。
箱詰め機構535は、袋詰め正極201を正極ラック522に箱詰めする機構で、袋詰め正極201を搬送する袋詰め正極搬送ベルト521と、搬送ベルト521上の袋詰め正極201を袋詰め正極ラック522に搬送する袋詰め正極チャック523とで構成されている。
次に袋詰め正極の製造装置の動作について説明する。下セパレータフープ121は下セパテンション機構510を通り、引き出しローラ512により引き出され、溶着引き出しローラ514に供給される。一方、上セパレータフープ127は上セパテンション機構506を通り、引き出しローラ511により引き出され、溶着引き出しローラ513に供給される。また、正極115は正極チャック125と、正極搬送ベルト502と、下セパテンション機構510と、引き出しローラ512により、溶着引き出しローラ513、514の間に供給される。溶着引き出しローラ513、514の間に供給された正極115は上セパレータと下セパレータに挟まれた状態で溶着機130に搬送され、溶着機130で溶着される。溶着された上セパレータと下セパレータと正極115は、溶着引き出しローラ515、516にて、切断ローラ518と受けローラ520の刃517と受け519で切断され、袋詰め正極搬送ベルト521と袋詰め正極チャック523にて袋詰め正極ラック522に搬送される。
次にテンション制御について説明する。
上セパテンション制御機構506は、2本の固定ローラ503と505と可動ローラ504で構成されている。
上セパレータは固定ローラ503、可動ローラ504、固定ローラ505の順に通っていく。上セパレータのテンション制御は、可動ローラ504に一定のテンションを掛けることで可能となる。同様に、下セパテンション制御機構510は固定ローラ507,509と可動ローラ508で構成され、可動ローラ508に一定のテンションを掛けることで下セパレータのテンション制御が可能となる。
次に弓なりの形成について説明する。弓なりの形成は、上下のセパレータが一定のテンションに制御された場合、引き出しローラ511、512と溶着引き出しローラ513、514の周長差を利用することで可能となる。引き出しローラ511と溶着引き出しローラ513、引き出しローラ512と溶着引き出しローラ514は、それぞれは同じ周長である。引き出しローラ512および溶着引き出しローラ514の周長を、引き出しローラ511および溶着引き出しローラ513の周長より長くする。そうすることにより、同一の回転周期で回転させると、上セパレータに比べ、下セパレータが長く引き出されることになる。上セパレータと長く引き出された下セパレータとの間に正極115を挟み、端部をそろえて溶着することにより、弓なりの袋詰め正極201を形成することができる。
次に製造条件について説明する。
横幅193mm×縦幅192mmの負極と、外形が横幅193mm×縦幅192mmの袋詰め正極201のセパレータで積層体を形成する場合を例に説明する。この時、濡れ残り面積の目標値は、負極の活物質が塗布された面積に対して濡れ残り面積が0.0135%未満とする必要があるので、その面積は5mm未満となる。
引き出しローラ511の直径をΦ511、引き出しローラ512の直径をΦ512、溶着引き出しローラ513の直径をΦ513、溶着引き出しローラ514の直径をΦ514、溶着引き出しローラ515の直径をΦ515、溶着引き出しローラ516の直径をΦ516、溶着機130の幅をW130として説明する。
この時、図3に示すように、上セパレータ116の平行な2辺に並んだ溶着点114の横幅W116方向の間隔をW4、下セパレータ117の平行な2辺に並んだ溶着点114の横幅W117方向の間隔をW3として説明する。この時、溶着点の間隔W3,W4は共に正極115の横幅W115方向の端面と接触し得る、溶着点の端面間の間隔とする。
濡れ残り面積が4.93mmで皺の発生が確認されなかった時の条件の、W3とW4との比が1.0189を実現するためには、直径Φ511が61.434mm、直径Φ512が62.595mm、直径Φ513が61.434mm、直径Φ514が62.595mm、直径Φ515が61.434mm、直径Φ516が61.434mmで、幅W130が187mmとすることで可能である。
次に、原理について説明する。まずは、上セパレータから説明する。
引き出しローラ511により、上セパレータフープ127から引き出しローラ511の円周分の193mmが引き出され、溶着引き出しローラ513に供給される。溶着引き出しローラ513と引き出しローラ511の円周は同じなので、193mmが溶着機130に送り込まれる。
一方、下セパレータは、引き出しローラ512の円周分の62.595mmが引き出され、溶着引き出しローラ514に供給される。この時、下セパレータと正極115は一緒に溶着機130に送り込まれる。
溶着引き出しローラ514と引き出しローラ512の円周は同じなので、62.595mmが正極115と一緒に溶着機構130に送り込まれる。
溶着機130に送り込まれた上セパレータと下セパレータとで正極115を挟んで、溶着機130の幅W130の長さである187mmにわたって、所定の間隔の溶着点で溶着される。
正極115を挟み、溶着された上セパレータと下セパレータは、溶着引き出しローラ515と516により、切断ユニット534に送り込まれる。
溶着引き出しローラ515と516の円周は共に193mmなので、193mmの長さ分だけ切断ユニット534に送り込まれ、弓なり袋詰め正極201の幅が193mmとなるように上セパレータと下セパレータが重なったまま切断される。
これにより、上セパレータ116の幅が193mmで溶着点間隔W4が187mmで、下セパレータ117の幅が196.648mmで溶着点間隔W3が190.648mmの袋詰め正極201を構成できる。
下セパレータ117の幅は、上セパレータ116の幅より長い状態で、端部をそろえて溶着機130によりW130の幅で溶着されるので、弓なり形状となる。
次に、図7を用いて本発明の上セパレータ,下セパレータ,正極の積層方法について説明する。図7は本発明の積層体の積層方法を説明する図である。図7において図6と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図7に示すように、本発明の積層体の積層装置は、負極111が積まれた負極ラック601と、負極ラック601から負極111を積層ラック603まで搬送する負極チャック602と、積層ラック603に搬送する途中で負極の位置を検出する2台のカメラ604、605が搭載された負極位置検出装置606と、袋詰め正極201が積まれた袋詰め正極ラック522と、袋詰め正極201を正極ラック522から積層ラック603まで搬送する袋詰め正極チャック523と、積層ラック603に搬送する途中で袋詰め正極の位置を検出する2台のカメラ607、608が搭載された袋詰め正極位置検出装置609と、積層終了後に積層状態を固定するためにテープを貼り付ける機構610、611で構成されている。
次に積層装置の動作について説明する。負極チャック602は負極ラック601から負極111を取り出し、負極位置検出位置Cに移動する。負極位置検出位置Cでは取り出された負極111と仕様上の積層位置からのズレ量が測定される。測定終了後、負極チャック602は積層位置Bに移動し、負極位置検出位置Cにて測定されたズレ量を補正し、積層ラック603に置かれ、再び、負極ラック601からの負極111の取り出し作業にかかる。一方、袋詰め正極チャック523は正極ラック522から袋詰め正極201を取り出し、袋詰め正極位置検出位置Aに移動する。袋詰め正極位置検出位置Aでは取り出された袋詰め正極201と仕様上の積層位置からのズレ量が測定される。測定終了後、袋詰め正極チャック523は積層位置Bに移動し、袋詰め正極位置検出位置Aにて測定されたズレ量を補正し、積層ラック603に置かれ、再び、正極ラック522からの袋詰め正極201の取り出し作業にかかる。積層は負極111、袋詰め正極201の順で行われるので、負極チャック602と袋詰め正極チャック523は交互に積層位置Bへ移動し、規定の枚数になるまで繰り返し積層していく。やがて、規定の枚数となり、積層終了となる。続いてテープを貼り付ける機構の610、611により、テープ107が積層したものに貼られる。
次に位置検出について説明する。負極位置検出装置606は2台のカメラ604、605が搭載されており、その配置は負極111の向かい合う角に配置され、位置ズレ量を測定している。同様に袋詰め正極位置検出装置609もカメラ607、608が袋詰め正極201の向かい合う角に配置され、位置ズレ量を測定している。
次に積層について述べる。積層は負極111、袋詰め正極201の順で行われる。この時、袋詰め正極201は凸となった側が下に向く姿勢で積層される。
次にリード板装着について図8を用いて説明する。図8は本発明のリード板装着方法を説明する図である。図8において、図1、図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図8に示すように、本発明のリード板装着は、リード装着前の積層体700(図8(a))に正極リードラック701の正極リード103を搬送する正極リードチャック702と負極リードラック703から負極リード104を搬送する負極リードチャック704と、正極リード103を溶着する正極リード溶着機構705と、負極リード104を溶着する負極リード溶着機構706とで構成されている。
次に動作について説明する。リード装着前の積層体700(図8(a))に正極リードチャック702により正極リードラック701から取り出された正極リード103および、負極リードチャック704により取り出された負極リード104を載せ(図8(b))、正極リード溶着機構705と負極リード溶着機構706で押圧しながら、正極に正極リード103を溶着し(図8(c))、負極に負極リード104を溶着して、積層体200を形成する(図8(d))。
次にリード板取り付け位置について説明する。正極リード103はリード装着前の積層体700の正極リード取り付け部708に装着される。また、負極リード104は負極リード取り付け部709に装着される。
次に外装体装着について図9を用いて説明する。図9は本発明の外装体の装着方法を説明する図である。図9において、図1、図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図9に示すように、本発明の外装体の装着装置は、下部外装体ラック801から下部外装体102を搬送ベルト802まで運ぶ4個の下部外装体チャック803と、積層体ラック804から積層体200を搬送ベルト802まで運ぶ積層体チャック805と、上部外装体ラック806から上部外装体101を搬送ベルト802まで運ぶ上部外装体チャック807と、上部外装体101と下部外装体102を溶着する溶着機構808とで構成されている。
次に本発明の外装体の装着装置の動作について説明する。下部外装体102は下部外装体チャック803により、下部外装体ラック801から取り出され、搬送ベルト802上に置かれ、積層体供給位置Aに搬送される。積層体供給位置Aでは、積層体チャック805により、積層体ラック804から取り出された積層体200が下部外装体102内に収納される。そして、上部外装体供給位置Bに移動する。上部外装体供給位置Bでは、上部外装体チャック807により、上部外装体ラック806から取り出された上部外装体101が下部外装体102に装着される。そして、3辺溶着位置Cに移動する。3辺溶着位置Cでは、溶着機構808により、上部外装体101と下部外装体102の外周部の3辺を重ねて溶着される。そして、1辺分の未溶着部810がある注液前品809となる。
次に未溶着部について説明する。未溶着部810は正極リード103と負極リード104が取り付けられた辺に対向する辺である。
次に注液について図10を用いて述べる。図10は本発明の注液方法を説明する図である。図10において、図1、図9と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図10に示すように、本発明の注液装置は、電解液を収納しているタンク901と、ポンプ902と、タンク901とポンプ902とをつなぐ供給チューブ903と、ポンプ902から塗出ヘッド904までつなぐ塗出チューブ905と、注液前品809の未溶着部810を溶着する上溶着バー906と、下溶着バー907とで構成されている。
次に本発明の注液装置の動作について説明する。電解液はタンク901から供給チューブ903をとおり、ポンプ902に供給される。ポンプ902に供給された電解液は塗出チューブ905をとおり塗出ヘッド904に供給される。塗出ヘッド904に供給された電解液は、注液前品809の内部に未溶着部810によりできた開口から注液される。規定の量になるまで段階的に注液をし、規定の量となったら、未溶着部810によりできた開口908を上溶着バー906と、下溶着バー907で挟み、溶着され、開口908が塞がれる。
次に、未溶着部810によりできた開口908を溶着する方法について説明する。開口908の形成は、下部外装体102側が大きく広げられるので、開口908を溶着する際に上溶着バー906と、下溶着バー907が同時に挟むと皺になることがある。そこで、開口908を塞ぐ際には、上溶着バー906が先に挟み動作に入り、続いて下溶着バー907が挟み動作に入るようにしている。
ここまでで、積層型電池の組み立ては終了となり、この組み立てられた電池の積層体200に電解液を含浸させるための放置を行い、積層型電池として機能させるために必要な充電放電を施し、電気容量が与えられ、完成となる。
かかる構成によれば、図1〜図10に示すように、正極115を収納する上セパレータ116と下セパレータ117の長さを変えることにより、袋詰め正極201を弓なりの形状にすることで、積層時に負極111と袋詰め正極201との隙間が広く得られ、電解液が負極111と袋詰め正極201との隙間に入り、電解液が略中央部にも含浸しやすくなる。よって、負極111および袋詰め正極201の電解液の濡れ残り領域を減少することができる。例えば、通常の積層型電池の条件で、負極のサイズを横幅193mm×縦幅192mm、袋詰め正極201のセパレータ外形を横幅193mm×縦幅192mmとした場合、W3とW4との比が1.0189の時、25℃、大気圧下で、30分後の負極の濡れ残り面積を4.8mmとすることができ、濡れ残り面積の割合を0.0130%まで減少させ、濡れ残り面積の割合を0.0135%未満にすることができる。
さらに、積層体200に正極リード103と負極リード104を電気的に繋げ、電池容量についても、従来技術で、仕様値の99.59%に留まっていた電池容量を、99.98%まで改善することができる。
また、W3とW4の長さ比と電解液152の濡れ広がりがどのように関係しているか検討するため、実験を行った。
実験について図4及び図11を用いて説明する。図11は電解液の濡れ広がり実験を説明する図である。
図11において、図4と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図11(a)は実験手順を示す。
まず、電動ピペット151で電解液152を負極111の表面の中央に塗布する。ここで、塗布後の電解液152の塗布面積をSBとする(手順1)。
次に、電解液152を塗布された負極111の上方に、袋詰め正極201を載せる(手順2)。
次に、負極111上に袋詰め正極201を載せたまま、袋詰め正極201の自重、ここでは17gで押圧されたまま放置する。この時の袋詰め正極201の面積を37056mmとする(手順3)。
そして、負極111上に載せた袋詰め正極201を取り除く。取り除いた後の負極111上の電解液152の濡れ広がり面積をSAとする(手順4)。
次に実験の条件について説明する。手順1で塗布する電解液152の量は負極111全体に濡れ広がる量で、例えば1ccとする。また、負極111に塗布する際には、塗布位置のバラツキを押さえるため、電動ピペット151を固定し、さらに負極111の外形で規制し、塗布する。さらに塗布面積SBを、濡れ残り面積の測定方法を用いて測定し、バラツキが0.1mm以下とする。手順3の放置時間は量産時の工程タクトから判断し、1秒とする。手順4の負極111上の電解液152の濡れ広がり面積SAも、濡れ残り面積の測定方法を用いて測定し、実験結果図11(b)とする。
図11(b)の横軸はW3とW4との比で(図3参照)、縦軸は袋詰め正極201を載せ、取り除いた後の負極111上の電解液152の濡れ広がり面積SAを負極111全体に濡れ広がった時点での正規化した濡れ広がり面積SAの率である。
図11(b)からわかるように、W3とW4との比が1.0015から1.0187の間では濡れ広がり面積は増加傾向にある。そして、W3/W4が1.0187を超えると減少傾向となる。これは、袋詰め正極201のセパレータに皺が発生したため、皺により電解液152を負極111上に濡れ広げられなかったためである。
以上のことから、負極111上での電解液152の濡れ広がりは、W3とW4との比によることが判明した。ここで図4(b)の、実験結果と合わせて考察すると、下セパレータの長さにより、負極111とセパレータとの隙間の形成状態が変わり、電解液105の濡れ広がり量が異なる。これにより、負極111および袋詰め正極201の外周部より浸入した電解液152が負極111中央部に達するかどうかが決まるため、濡れ残り面積が下セパレータの長さにより改善したと推測され、セパレータが負極111上に電解液152を濡れ広げられる範囲で濡れ残り面積が減少すると考える。よって、本発明の注液方法や注液時の姿勢に依存しないと推測される。
実験について図2、図3、図4および図12を用いて説明する。図12は本発明の積層型電池における袋詰め正極の構成例を示す図である。この時、濡れ残り面積の目標値は、負極の活物質が塗布された面積に対して濡れ残り面積が0.0135%未満とする必要があるので、その面積は5mm未満とする。
図12において、図2、図3、図4と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図12(a)は負極111と袋詰め正極201の重ねた状態を展開した図である。
ここでは、正極115の縦幅L115をL2、負極111の縦幅L111をL1、上セパレータ116の平行な2辺に並んだ溶着点114の縦幅L116方向の間隔をL4、下セパレータ117の平行な2辺に並んだ溶着点114の縦幅L117方向の間隔をL3として説明する。この時、溶着点の間隔L3、L4は共に正極115の縦幅L115方向の端面と接触し得る、溶着点の端面間の間隔とする。横幅について、W3,W4は図3と同様である。
図12(b)〜図12(h)は図12(a)のW3、W4、L3、L4の条件を変えることで構成される袋詰め正極201の構成例である。
図12(b)は下セパレータ117の横幅が弓になるようにW3をW4に比べて長くした場合の構成である。
図12(c)は上セパレータ116の横幅が弓になるようにW4をW3に比べて長くした場合の構成である。
図12(d)は下セパレータ117の縦幅が弓になるようにL3をL4に比べて長くした場合の構成である。
図12(e)は上セパレータ116の縦幅が弓になるようにL4をL3に比べて長くした場合の構成である。
図12(f)は下セパレータ117の横幅と縦幅の両方が弓になるように、W3をW4に比べて長くし、L3をL4に比べて長くした場合の構成である。
図12(g)は下セパレータ117の縦幅が弓になるようにL3をL4に比べて長くし、上セパレータ116の横幅が弓になるようにW4をW3に比べて長くした場合の構成である。
図12(h)は上セパレータ116の縦幅が弓になるようにL4をL3に比べて長くし、下セパレータ117の横幅が弓になるようにW3をW4に比べて長くした場合の構成である。
このような構成の袋詰め正極201を用いて作成した積層体によって、効果にどのような差異がみられるか検証実験を行った。検証の方法は、先の図4の説明で説明した方法と同様に、粘度CP2の電解液を入れたポリエチレン製の容器に25℃、大気圧下で積層体を浸漬させ、30分後に濡れ残り面積を測定した。
その結果を図13、図12、図4を用いて説明する。図13は本発明の袋詰め正極の構成と濡れ残り面積との関係を示す図である。図13において図12と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図13(a)は図12(b)の袋詰め正極を用いた積層体の濡れ残り面積とW3とW4との比の関係を示す図である。図13(a)からわかるように、濡れ残り面積の減少が顕著に現れる条件はW3/W4が1.0015を超えて1.022以下の間である。また、濡れ残り面積が5mm未満となる条件は、図13(a)より、W3/W4が1.0179より大きく、セパレータの皺が発生しない1.022以下の範囲である。
図13(b)は図12(c)の袋詰め正極を用いた積層体の濡れ残り面積とW4とW3との比の関係を示す図である。図13(b)からわかるように、濡れ残り面積の減少が顕著に現れる条件はW4/W3が1.0015を超えて1.022以下の間である。また、濡れ残り面積が5mm未満となる条件は、図13(b)より、W4/W3比が1.0179より大きく、セパレータの皺が発生しない1.022以下の範囲である。
図13(a)と図13(b)からわかるように、W3が長い場合でも、W4が長い場合でも、W4とW3の長さの比が1.0015を超えて1.022以下の間で濡れ残り面積の減少の効果があると判断できる。
図13(c)は図12(d)の袋詰め正極を用いた積層体の濡れ残り面積とL3とL4との比の関係を示す図である。図13(c)からわかるように、濡れ残り面積の減少が顕著に現れる条件はL3/L4が1.0015を超えて1.022以下の間である。また、濡れ残り面積が5mm未満となる条件は、図13(c)よりL3/L4が1.0187より大きく、セパレータの皺が発生しない1.022以下の範囲である。
図13(d)は図12(e)の袋詰め正極を用いた積層体の濡れ残り面積とL4とL3との比の関係を示す図である。図13(d)からわかるように、濡れ残り面積の減少が顕著に現れる条件はL4/L3が1.0015を超えて1.022以下の間である。また、濡れ残り面積が5mm未満となる条件は、図13(d)よりW4/W3が1.0187より大きく、セパレータの皺が発生しない1.022以下の範囲である。
図13(c)と図13(d)からL3が長い場合でも、L4が長い場合でも、L4とL3の長さの比が1.0015を超えて1.022以下の間で濡れ残り面積の減少の効果があると判断できる。W3とW4の長さの比が異なり、W4/W3またはW3/W4が、1.0015〜1.022の範囲である場合、濡れ残り面積が減少し、電気容量が改善したことから、L3とL4の長さの比が異なり、L4/L3またはL3/L4が、1.0015〜1.0187の範囲である場合も、同様に電池容量が改善すると推測できる。つまり、横幅方向の弓なりで効果があるので、縦幅方向の弓なりでも同様に効果があると推測できる。
また、図13(a)と図13(b)と図13(c)と図13(d)から弓にするセパレータは上下に限定されず縦方向でも横方向でも効果があると判断できる。
図13(e)は図12(f)の袋詰め正極を用いた積層体の濡れ残り面積とL3とL4との比の関係を示す図である。図12(f)の袋詰め正極は下セパレータ117の横幅と縦幅の両方が弓になるように、W3がW4に比べて長く、L3がL4に比べて長い構成なので、W3/W4が1.0000,1.0015,1.0055,1.00125,1.0200の時のL3/L4と濡れ残り面積との関係を測定した。図13(e)からわかるように、濡れ残り面積の減少が顕著に現れる条件はL3/L4が1.0015を超えて1.022以下の間であった。
濡れ残り面積が5mm未満となる条件は、L3/L4が1.00185から1.022以下の範囲でW3/W4で異なる。W3/W4の条件内での濡れ残り面積が5mm未満となる共通の範囲としては、L3/L4が1.0187より大きく、セパレータの皺が発生しない1.022以下の範囲である。
図13(e)から、下セパレータ117の横幅と縦幅の両方を弓にしてもL4とL3の長さの比が1.0015を超えて1.022以下の間で濡れ残り面積の減少の効果があると判断できる。
そして、図13(a)と図13(b)と図13(c)と図13(d)と図13(e)から図12(g)の袋詰め正極の下セパレータ117の縦幅が弓になるようにL3がL4に比べて長く、上セパレータ116の横幅が弓になるようにW4がW3に比べて長い構成であっても、L4とL3の長さの比、W4とW3の長さの比が1.0015を超えて1.022以下の間で濡れ残り面積の減少の効果があると推測できる。
また、図12(h)の袋詰め正極の上セパレータ116の縦幅が弓になるようにL4がL3に比べて長く、下セパレータ117の横幅が弓になるようにW3がW4に比べて長い構成であっても、L4とL3の長さの比、W4とW3の長さの比が1.0015を超えて1.022以下の間で同様の効果があると推測できる。
なお、上記の説明においては、環境について明記していないが、ドライ環境のように、温度湿度が管理されていれば、窒素環境、減圧環境であっても特に問題ない。また、上セパレータ116と下セパレータ117との接合を溶着により行う場合を例に説明をしたが、接着、粘着によるものでも同様の効果が得られる。そして、袋詰め正極201の積層時の姿勢について、凸となった側が下に向く姿勢としたが、凸となった側が上に向く姿勢であっても、特に問題ないとする。また、W3とW4の比、L3とL4の比が1.0015を超えて1.0187以下であれば、セパレータと負極111の間に電解液を挟み込んだ時に、電解液が負極111上で濡れ広がりやすいので本発明の注液方法や注液時の姿勢は濡れ残り面積に影響しないと考えられる。
本発明は、短時間の放置時間で、電池容量を確保することができ、複数の電極板をセパレータ等の絶縁体を介して積層する積層型電池等に有用である。
100 積層型電池
101 上部外装体
102 下部外装体
103 正極リード
104 負極リード
105 積層体
107 テープ
111 負極
112 袋詰め正極
114 溶着点
115 正極
116 上セパレータ
117 下セパレータ
118 負極リード取り付け部
119 正極リード取り付け部
120 下セパレータ
121 下セパレータフープ
122,128 送り出しローラ
123 カッタ
124 搬送ジグ
125 正極チャック
126 正極ラック
127 上セパレータフープ
129 カッタ
130 溶着機
151 電動ピペット
152 電解液
200 積層体
201 袋詰め正極
501 正極送り出しリブ
502 正極搬送ベルト
503、505、507、509 固定ローラ
504、508 可動ローラ
506 上セパテンション制御機構
510 下セパテンション制御機構
511、512 引き出しローラ
513、514 溶着送り出しローラ
515、516 溶着引き出しローラ
517 刃
518 切断ローラ
519 受け
520 受けローラ
521 袋詰め正極搬送ベルト
522 正極ラック
523 正極チャック
530 正極供給ユニット
531 セパレータ供給ユニット
532 溶着ユニット
534 切断ユニット
535 箱詰め機構
601 負極ラック
602 負極チャック
603 積層ラック
604、605、607、608 カメラ
606 負極位置検出装置
609 袋詰め正極位置検出装置
610、611 テープを貼り付ける機構
700 リード装着前の積層体
701 正極リードラック
702 正極リードチャック
703 負極リードラック
704 負極リードチャック
705 正極リード溶着機構
706 負極リード溶着機構
708 正極リード取り付け部
709 負極リード取り付け部
801 下部外装体ラック
802 搬送ベルト
803 下部外装体チャック
804 積層体ラック
805 積層体チャック
806 上部外装体ラック
807 上部外装体チャック
808 溶着機構
809 注液前品
810 未溶着部
901 タンク
902 ポンプ
903 供給チューブ
904 塗出ヘッド
905 塗出チューブ
906 上溶着バー
907 下溶着バー

Claims (4)

  1. 矩形の第1のセパレータと矩形の第2のセパレータとで正極を挟んだ袋詰め正極と負極とを交互に積んだ積層体、および電解液を収納する積層型電池において、
    前記袋詰め正極は、
    前記第1のセパレータ(横幅W3、縦幅L3、W3≧L3)と、前記第2のセパレータ(横幅W4、縦幅L4、W4≧L4)とが
    (数1)と(数2)の関係を満たすことを特徴とする積層型電池。

    (数1)1.0015<W3/W4≦1.0187
    (数2)L3=L4
  2. 矩形の第1のセパレータと矩形の第2のセパレータとで正極を挟んだ袋詰め正極と負極とを交互に積んだ積層体、および電解液を収納する積層型電池において、
    前記袋詰め正極は、
    前記第1のセパレータ(横幅W3、縦幅L4、W3≧L3)と、前記第2のセパレータ(横幅W4、縦幅L4、W4≧L4)とが
    (数3)と(数4)の関係を満たすことを特徴とする積層型電池。

    (数3)1.0015<L3/L4≦1.0187
    (数4)W3=W4
  3. 前記袋詰め正極において、前記第1のセパレータと前記第2のセパレータの外周部を熱溶着したことを特徴とする請求項1または2に記載の積層型電池。
  4. 前記第1のセパレータと前記第2のセパレータは、ポリオレフィン系の樹脂であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の積層型電池。
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