JP2015004657A - ノッキングセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】製造時の金属粉の発生を防止して圧電素子の絶縁性を確保すると共に、コストを低減したノッキングセンサを提供する。【解決手段】筒状部13と該筒状部の一端側に位置し、筒状部の周方向外側に向かって突出する鍔部15とを有する主体金具9と、筒状部の外周に嵌め込まれ、鍔部に面する側と反対側に天面19aを有する環状のウェイト19と、筒状部の外周に嵌め込まれ、鍔部とウェイトとの間に挟まれる環状の圧電素子17と、鍔部と圧電素子との間に介在する絶縁体25とを備えたノッキングセンサ1であって、筒状部の外周面には、筒状部の内面から周方向外側に向かって塑性変形しつつ突出し、ウェイトの天面に直接又は他部材29を介して接して該ウェイトを係止する突出部13pが設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、圧電素子を用いたノッキングセンサに関する。
自動車等の内燃機関のノッキング現象を検出するノッキングセンサが知られており、ノッキングセンサの検出に応じて点火プラグの点火時期の遅角制御が行われている。
上記したノッキングセンサとして、内燃機関のシリンダブロック等へ取付けるための取付孔を中心部に有する、いわゆるセンターホール式非共振型のノッキングセンサが知られている。このノッキングセンサは、筒状部と筒状部の一端に位置する鍔部とを有する主体金具を備え、筒状部の外周に鍔部側から順に、それぞれ環状の絶縁部材、圧電素子、ウェイト、及びナットを嵌め込んで構成されている。そして、筒状部の外周面の雄ネジ部にナットを螺合することによりウェイトを係止し、鍔部とウェイトとの間に圧電素子を挟んで固定している。さらに、主体金具に絶縁部材、圧電素子、ウェイト等を組み付けた内部部品全体が樹脂によって被覆されることで、ノッキングセンサは構成されている。なお、筒状部の内面が上記した取付孔となっている。
特開2010−101696号公報
しかしながら、従来のノッキングセンサは、上述のようにナットを用いてウェイトを主体金具に係止するため、ナットを螺合する際に金属粉が発生し、圧電素子の周囲に付着して、圧電素子と主体金具間との間での絶縁性を低下させるおそれがある。又、ナットの部品コストが高いという問題がある。
そこで、本発明は、製造時の金属粉の発生を防止して圧電素子の絶縁性を確保すると共に、コストを低減したノッキングセンサの提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のノッキングセンサは、筒状部と該筒状部の一端側に位置し、筒状部の周方向外側に向かって突出する鍔部とを有する主体金具と、前記筒状部の外周に嵌め込まれ、前記鍔部に面する側と反対側に天面を有する環状のウェイトと、前記筒状部の外周に嵌め込まれ、前記鍔部と前記ウェイトとの間に挟まれる環状の圧電素子と、前記鍔部と前記圧電素子との間に介在する絶縁体とを備えたノッキングセンサであって、前記筒状部の外周面には、前記筒状部の内面から周方向外側に向かって塑性変形しつつ突出し、前記ウェイトの天面に直接又は他部材を介して接して該ウェイトを係止する突出部が設けられている。
このノッキングセンサによれば、ナットを用いず、筒状部自身の塑性変形によって形成された突出部によってウェイトを主体金具に係止している。これにより、ウェイトを主体金具に係止するにあたってナットを主体金具の筒状部に対して回動させる必要がなく、ナットを螺合する際の金属粉の発生を防止して、圧電素子と主体金具間での絶縁性を良好に確保することができる。又、ナットの部品コストを削減し、コストを低下することができ、安価なノッキングセンサを提供することができる。
また、筒状部の外周面に直接加工を施した場合には、金属粉が発生して当該金属粉が圧電素子の周囲に付着して圧電素子の絶縁性を低下させるおそれがあるが、筒状部の内面を加工することで、仮に金属粉が発生しても筒状部の内面からセンサ外部へ脱落するので、金属粉が圧電素子に付着する不具合を防止することができる。
本発明のノッキングセンサでは、前記筒状部の外周面にメッキ層が設けられていてもよい。
このノッキングセンサによれば、メッキ層により筒状部の外周面を保護して防錆性等が向上する。そして、メッキ層の反対面である筒状部の内面から加工を行うことで、筒状部の外側からメッキ層に直接加工を行う場合に比べてメッキ層への衝撃が小さくなり、メッキ層が剥がれて防錆機能等が低下したり、剥がれたメッキ層が金属粉と共に圧電素子に付着して絶縁性を低下させることを抑制することができる。
本発明のノッキングセンサでは、前記筒状部の外周面には、ネジ部が形成されていないことが好ましい。
このノッキングセンサによれば、筒状部自身の塑性変形によって形成された突出部によってウェイトを主体金具に係止する構成を有するが故に、ナットの主体金具への螺合自体不要となるため、筒状部の外周面にネジ部を設ける必要がなく、製造コストがさらに低下し、よりノッキングセンサを安価に提供することができる。
本発明のノッキングセンサでは、前記突出部を軸方向に沿って切断した断面の形状は、周方向外側に向かって凸に湾曲し、かつ滑らかに繋がる凸状曲面になっていることが好ましい。
このノッキングセンサによれば、突出部に角部が生じないので、ノッキングセンサのケースを構成する樹脂モールド材料が突出部の表面に確実に流動し、突出部への樹脂の付き回り性が向上する。又、筒状部の外周面にメッキ層を設ける場合には、突出部に角部が生じないので突出部からメッキ層が剥がれ難くなる。
前記突出部が周方向に3つ以上に分離していることが好ましい。
このノッキングセンサによれば、各突出部の周方向の間に切れ目が形成され、ノッキングセンサのケースを構成する樹脂モールド材料が切れ目を通って軸方向に流動するので、突出部への樹脂の付き回り性が向上する。
前記他部材は皿バネであり、前記皿バネの内周面の角部のうち前記突出部側の角部と前記鍔部側の角部とが前記筒状部の外周面から同じ距離にあるか、又は前記突出部側の角部が前記鍔部側の角部よりも前記筒状部の外周面の近くに配置されるとよい。
突出部に接するのは皿バネの突出部側の角部であるため、この角部を筒状部の外周面に近付けることによって、突出部の径方向外側への張り出し量がその分だけ少なくて済み、皿バネを突出部に確実に接しさせることができると共に、突出部の加工も容易となる。さらに、上記構成を図ることにより、皿バネの内径の寸法精度を厳密に管理しなくても皿バネを突出部に確実に接しさせることができ、皿バネの生産性が向上し、ノッキングセンサの生産上の管理も容易となる。
この発明によれば、製造時の金属粉の発生を防止して圧電素子の絶縁性を確保すると共に、コストを低減したノッキングセンサが得られる。
本発明の実施形態に係るノッキングセンサの外観を示す正面図である。 本発明の実施形態に係るノッキングセンサの断面図である。 本発明の実施形態に係るノッキングセンサの内部構造の分解図である。 本発明の実施形態に係るノッキングセンサの製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の実施形態に係るノッキングセンサの製造に用いるプレス治具の上面図である。 突出部の変形例を示す断面図である。 図6の上面図である。 他部材の変形例を示す断面図である。 他部材の構成を示す拡大断面図である。 他部材のさらに別の変形例を示す断面図である。
以下、図1〜図3を参照し、本発明の実施形態に係るノッキングセンサについて説明する。
図1はノッキングセンサの外観を示し、図2はノッキングセンサを軸方向に破断した断面図を示し、図3はノッキングセンサの内部構造の分解図を示している。
図1において、ノッキングセンサ1は、内燃機関のシリンダブロック等へ取付けるための取付孔11(図2参照)を中心部に有する、いわゆるセンターホール式非共振型のノッキングセンサである。ノッキングセンサ1は、樹脂モールド材料である合成樹脂(例えばナイロン66)製のケース3により覆われている。このケース3は、上部がテーパ状に成形された円柱形状の素子収納部5と、図示しない点火時期制御装置からのコネクタを接続するコネクタ部7とから構成されている。
図2及び図3に示すように、ノッキングセンサ1は、金属材料(例えばSPHD、SWCH25K)からなる主体金具9を備えており、主体金具9は、ボルトを挿通するための取付孔11を有する円筒形状の筒状部13と、筒状部13の一端側(図1の下側)にて外周面から周方向外側に張り出す鍔部15とを有している。さらに、主体金具9(筒状部13の外周面を含む)の外面には、防錆のため、亜鉛メッキ等からなるメッキ層50が設けられ、メッキ層50の表面には、メッキ層50の腐食の防止を図る目的からクロメート層(図示せず)が形成されている。
この主体金具9の鍔部15の厚み方向の一面(図1の上面)側には、筒状部13の外周に嵌められる環状(円筒形状)で、圧電セラミックス(例えばPZT)からなる圧電素子17が載置されている。
また、圧電素子17の上面側には、筒状部13の外周に嵌められる環状(円筒形状)で、錘としての効果を発揮する比重を有する金属材料(例えばSMF4050)からなるウェイト19が載置されている。
鍔部15と圧電素子17との間、及びウェイト19と圧電素子17との間、即ち圧電素子17の厚み方向の両側には、導電材料(例えば黄銅)からなる出力端子21、23が、それぞれ圧電素子17と接するように配置されている。なお、出力端子21、23のうち圧電素子17と接する部分は環状である。
また、鍔部15と出力端子21との間、及び出力端子23とウェイト19との間には、絶縁性を有するフィルム状の合成樹脂(例えばPET)からなる環状の絶縁体25、27がそれぞれ配置され、出力端子21、23が主体金具9の鍔部15やウェイト19と短絡しないようにされている。
なお、圧電素子17とウェイト19と出力端子21、23(環状部分)と絶縁体25、27との内周面と、筒状部13の外周面との間には、環状の空間20が形成されており、この環状の空間20にも上記合成樹脂が充填されている。更に、主体金具9には、金属材料(例えばSK−5M)からなり、ウェイト19を鍔部15方向(同図下方)へ押圧する環状の板バネ29が取り付けられている。
なお、ウェイト19の上面(図1の上面)19aに板バネ29の下面の少なくとも一部が接しており、ウェイト19の上面19aが特許請求の範囲の「天面」に相当する。又、板バネ29が特許請求の範囲の「他部材」に相当する。又、鍔部15と出力端子21との間の絶縁体25が特許請求の範囲の「絶縁体」に相当する。
さらに、板バネ29の上側の位置において、筒状部13の外周面には、筒状部13の内面13aから周方向外側に向かって塑性変形して突出する突出部13pが設けられている。又、突出部13pに対応する筒状部13の内面13aには凹部13rが形成されている。
そして、突出部13pが板バネ29の上面に接することによって、板バネ29が下方に押圧され、さらに板バネ29の弾性力によりウェイト19が係止され、ウェイト19と鍔部15との間の積層構造体(圧電素子17、出力端子21、23、絶縁体25、27)が主体金具9に固定される。
つまり、本実施形態においては、突出部13pが板バネ29を介してウェイト19の天面19aに接し、主体金具9の鍔部15に向けてウェイト19を押圧するようにして、ウェイト19を間接的に主体金具9に係止している。
なお、突出部13pは、筒状部13の外周面から0.1〜0.2mm程度突出していればよい。
以上のように、ナットを用いず、筒状部13に設けた突出部13pによってウェイト19を主体金具9に係止することで、ナットを螺合する際の金属粉の発生を防止して圧電素子17と主体金具9との間の絶縁性を良好に確保することができる。又、ナットの部品コストを削減し、ノッキングセンサ1のコストを低下することができる。
なお、ナットを用いずに筒状部13の外周面に直接プレス加工等を行って突起部を形成することで、ウェイト19を主体金具9に係止することも可能である。しかしながら、この場合には、筒状部13の外周面に加工を施す際、やはり金属粉が発生して圧電素子17の周囲に金属粉が付着し、圧電素子17と主体金具9との間の絶縁性を低下させることがある。又、主体金具9の外周面にメッキ層50が形成されている場合、筒状部13の外周面に直接加工を施すと、メッキ層50が剥がれて防錆機能が低下したり、剥がれたメッキ層50が圧電素子の周囲に付着して絶縁性を低下させることがある。
このようなことから、筒状部13の内面13aから周方向外側に向かって加工(塑性変形)を施すことで、仮に金属粉が発生しても取付孔11から外部へ脱落するので、金属粉が圧電素子に付着する不具合を防止することができる。又、メッキ層50の反対面である筒状部13の内面13aから加工を行うことで、筒状部13の外側からメッキ層50に直接加工を行う場合に比べてメッキ層50への衝撃が小さくなり、メッキ層50の剥離を抑制することができる。
次に、図4、図5を参照し、本実施形態のノッキングセンサ1の製造方法の一例を説明する。
まず、主体金具粗形材9xを用意する。この主体金具粗形材9xは、内面13aに凹部13rが形成されず、外周面に突出部13pが形成されていない筒状部13xと、筒状部13xの一端側(下側)に上述の鍔部15とを有している(図3参照)。そして、筒状部13xの外周側に嵌めるようにして、鍔部15上に、絶縁部材25、出力端子21、圧電素子17、出力端子23、絶縁部材27、ウェイト19、板バネ29を順次載置する。さらに、筒状部13xの内面に、鍔部15側(下方)からプレス治具110を挿入する(図4(a))。プレス治具110は、後述する4つの切り欠き部110sによって4つに分割された個片から構成され、各個片の下端側に位置する張出部110fを1つの環状保持リング140によって保持させた集合体より形成されており、内側に後述するピストン130を内挿可能な略円形の孔を有する略円筒状の形態をなしている。なお、プレス治具110を構成する各個片の張出部110fが鍔部15の下面に当接して挿入深さを位置決めするようになっている。
又、図5に示すように、プレス治具110(各個片)の上端側には周方向外側に突出する凸部110pと、軸方向に延びる4つの切り欠き部110sとが形成されており、凸部110pは切り欠き部110sで周方向に4つに分離されている。従って、切り欠き部110sが閉じたり開いたりすることにより、凸部110pが周方向に縮径及び拡径可能になっていて、プレス治具110を筒状部13xの内面に挿入した際には筒状部13xの内面に押圧されて凸部110pが周方向に縮径する。
次に、円筒ピン120を上方から下ろし、円筒ピン120の下面にて板バネ29を押圧し、板バネ29の上面が水平になるように弾性変形させる(図4(b))。
次に、円筒ピン120を下ろした状態で、プレス治具110の上端側(プレス治具110の内側の孔)に、上方からピストン130を挿入する(図4(c))。ピストン130は先端に向かって狭まるテーパ状をなし、プレス治具110にピストン130を挿入すると、プレス治具110の上端側が押し広げられ、各個片が周方向外側に向かって移動し、凸部110pが拡径する(図4(d))。このため、凸部110pに接する筒状部13xの内面が周方向外側に向かって塑性変形して突出し、凹部13rを形成する。この際、凹部13rの位置(すなわち、凸部110pの位置)は、押圧された状態の板バネ29の上面とほぼ同一であるので、板バネ29の上面側に突出部13pが形成される。そして、円筒ピン120を離すと、板バネ29が弾性的に戻り、突出部13pに接しながら板バネ29の弾性力によりウェイト19の天面19aを鍔部15側へ押圧し、上述の積層構造体が主体金具9に固定される。
このようにしてノッキングセンサ1を組み立てた後、主体金具9を含む上述の積層構造体を覆うように樹脂モールド材料(合成樹脂)を射出し固化させることにより、ケース3を形成し、ノッキングセンサ1が完成する。
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
絶縁体の種類としては、上述のフィルム状の合成樹脂の他、セラミック材でもよく、絶縁性接着剤を塗布してもよい。又、上記実施形態では、突出部13pが板バネ29を介してウェイト19の天面19aに接し、ウェイト19を係止したが、これは合成樹脂製の絶縁体25、27が熱クリープにより薄くなって軸方向に隙間が生じることから、この隙間を板バネ29の弾性変形で埋めるためである。一方、熱クリープが生じないセラミック等の絶縁体を用いる場合には、板バネ29を用いず、突出部13pをウェイト19の天面19aに直接接しさせてウェイト19を係止してもよい。
又、突出部の断面形状を図6に示すようにしてもよい。図6は突出部の変形例を示す断面図であり、ノッキングセンサを軸方向に破断した断面図である。図6のノッキングセンサ1xにおいて、突出部13pxの断面の形状は、周方向外側に向かって凸に湾曲し、かつ滑らかに繋がる凸状曲面になっている。又、突出部13pxに対応する筒状部13の内面13aには凹部13rxが形成され、凹部13rxの周方向の深さは、突出部13pxの周方向外側への張り出しよりも大きい。なお、突出部13pxが板バネ29の上面に接することによって、板バネ29が下方に押圧される点は、図2の場合と同様である。
このように、突出部13pxの断面の形状を滑らかに繋がる凸状曲面とすることで、突出部13pxに角部が生じないので、ケース3を構成する樹脂モールド材料が突出部13pxの表面に確実に流動し、突出部13pxへの樹脂の付き回り性が向上する。又、主体金具9の外面にメッキ層50を設ける場合には、突出部13pxに角部が生じないので突出部13pxからメッキ層50が剥がれ難くなる。
図7は、図6のノッキングセンサ1xの上面図を示す。突出部13pxが周方向に3つ以上(図7の例では4つ)に分離していて、各突出部13pxの周方向の間に切れ目Cが形成されている。
このように、突出部13pxの周方向の間に切れ目Cを形成すると、ケース3を構成する樹脂モールド材料が切れ目Cを通って軸方向に流動するので、突出部13pxへの樹脂の付き回り性が向上する。
又、上記実施形態のノッキングセンサ1を構成する環状の板バネ29に代えて、図8に示す環状の皿バネ29yを用いるようにしてもよい。図8は、特許請求の範囲の「他部材」に相当する皿バネ29yを用いた変形形態としてのノッキングセンサ1yを示す断面図(ノッキングセンサを軸方向に破断した断面図)である。そして、図9(a)に示すように、皿バネ29yは、外周面から斜めに立ち上がる円錐台形状の脚部29aと、脚部29aから径方向内側へ向かって水平に延びる水平部29bとを備えており、水平部29bの内周面29cは皿バネ29yの軸方向に略平行になっている。
そして、この皿バネ29yを主体金具9の筒状部13の外周に嵌め、図4(b)と同様に円筒ピン(図示せず)の下面にて皿バネ29yを押圧すると、脚部29aが撓んで水平に弾性変形する(図9(b))。さらに、図4(d)と同様に、筒状部13のうち、押圧された状態の皿バネ29yの上面に位置する部位に突出部13px(凹部13rx)を形成し、円筒ピンを離すと、皿バネ29yが弾性的に戻り、皿バネ29yが突出部13pxに接する。このとき、内周面29cは皿バネ29yの軸方向に略平行(つまり、筒状部の外周面13bとも略平行)であるので、皿バネ29yの内周面29cの角部のうち突出部13px側の角部P1と、鍔部15側の角部P2とが筒状部の外周面13bからそれぞれ同じ距離d1、d2にある。そして、突出部13pxに接するのは角部P1であるため、角部P1を筒状部の外周面13bに近付けることによって、突出部13pxの径方向外側への張り出し量がその分だけ少なくて済み、皿バネ29yを突出部13pxに確実に接しさせることができる。
なお、角部P1、P2との距離を規定する際の「筒状部の外周面13b」とは、突出部13pxを除く塑性変形していない部分をいう。
又、上述のように突出部13pxに接するのは角部P1であるため、角部P1を角部P2よりも筒状部の外周面13bに近付けるように皿バネ29yを主体金具9の筒状部13の周囲に配置させ、距離d1、d2の関係をd1>d2として、皿バネ29yを突出部13pxに確実に接しさせるようにしてもよい。
さらに、図10に示すように、上述の皿バネ29yの代わりに、水平部を有さず、外周面から斜めに立ち上がる円錐台形状の一般的な形状の皿バネ29zを用い、皿バネ29zの内周面29dを皿バネ29zの軸方向に平行に形成しても、皿バネ29yと同様の効果が得られる。
1、1x、1y ノッキングセンサ
9 主体金具
13 筒状部
13b 筒状部の外周面
13p、13px 突出部
15 鍔部
17 圧電素子
19 ウェイト
19a ウェイトの天面
25 絶縁体
29、29y、29z 他部材
50 メッキ層

Claims (6)

  1. 筒状部と該筒状部の一端側に位置し、筒状部の周方向外側に向かって突出する鍔部とを有する主体金具と、
    前記筒状部の外周に嵌め込まれ、前記鍔部に面する側と反対側に天面を有する環状のウェイトと、
    前記筒状部の外周に嵌め込まれ、前記鍔部と前記ウェイトとの間に挟まれる環状の圧電素子と、
    前記鍔部と前記圧電素子との間に介在する絶縁体とを備えたノッキングセンサであって、
    前記筒状部の外周面には、前記筒状部の内面から周方向外側に向かって塑性変形しつつ突出し、前記ウェイトの天面に直接又は他部材を介して接して該ウェイトを係止する突出部が設けられているノッキングセンサ。
  2. 前記筒状部の外周面にメッキ層が設けられている請求項1記載のノッキングセンサ。
  3. 前記筒状部の外周面には、ネジ部が形成されていない請求項1又は2記載のノッキングセンサ。
  4. 前記突出部を軸方向に沿って切断した断面の形状は、周方向外側に向かって凸に湾曲し、かつ滑らかに繋がる凸状曲面になっている請求項1〜3のいずれかに記載のノッキングセンサ。
  5. 前記突出部が周方向に3つ以上に分離している請求項1〜4のいずれかに記載のノッキングセンサ。
  6. 前記他部材は皿バネであり、前記皿バネの内周面の角部のうち前記突出部側の角部と前記鍔部側の角部とが前記筒状部の外周面から同じ距離にあるか、又は前記突出部側の角部が前記鍔部側の角部よりも前記筒状部の外周面の近くに配置される請求項1〜5のいずれかに記載のノッキングセンサ。
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