JP2013096844A - ノックセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 周波数に対するノックセンサ出力信号の特性のフラット化によって、ノッキング検出域を拡大することを課題とする。また、高周波数帯域でのばらつきが減り、周波数に対するノックセンサ出力信号の特性の不良を低減することを課題とする。
【解決手段】 ベース5のフランジ12の下面の座面接触面41と段差43との角部44をアール(R)面取り加工して凸曲面形状(R面取り形状)とすることにより、ベース5の角部44に発生する亜鉛メッキ皮膜8の盛り上がりを防止することができる。これによって、ベース5の座面接触面41をフラットな平面形状にすることができるので、シリンダブロック1の取付け座面2に対するノックセンサの取り付けが安定する。これに伴い、高周波数帯域で、ノックセンサ出力信号が著しく大きくなる共振現象が発生し難くなり、高周波数帯域でのノックセンサ出力信号の特性に不良が発生し難くなる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関の振動に対応した電気信号を発生する環状の圧電素子を主体とするセンサ本体の中心部を貫通するボルトにより内燃機関の取付け座面に締結固定されるセンターホール方式のノックセンサに関するものである。
[従来の技術]
従来より、中心部に内燃機関のシリンダブロックへ取り付けるためのボルト挿通孔を有する、所謂センターホール方式の非共振型ノックセンサ(以下ノックセンサと言う)が公知である(例えば、特許文献1参照)。
このノックセンサは、図4に示したように、鉄系の金属製の円筒状のベース(支持部材)101を備えている。このベース101のボルト挿通孔102には、内燃機関の取付け座部に形成される螺子孔に締め込まれるボルトが挿通する。また、ベース101には、ボルトの周囲を取り囲むように配置される円筒状のスリーブ103が設けられている。このスリーブ103の端部には、スリーブ103の軸線方向に対して垂直な半径方向の外側へ放射状に延伸した円環状のフランジ104が設けられている。
スリーブ103の雄ネジ105には、スリーブ103の外周(周囲)を取り囲むように配置されるセンサ本体を加圧(圧縮)するウェイト106を一体成形した金属製のナット107が締め込まれている。
センサ本体は、内燃機関の振動に対応したセンサ出力信号(電圧信号)を外部に対して出力する円環状の圧電素子109と、この圧電素子109の一端に重ね合わされる電極板111と、圧電素子109の他端に重ね合わされる電極板112と、ウェイト106およびナット107と電極板111との間を絶縁する絶縁板113と、ベース101のフランジ104と電極板112との間を絶縁する絶縁板114とを有している。
ノックセンサは、ベース101のフランジ104上にセンサ本体を搭載し、ナット107をスリーブ103の雄ネジ105に締め込むことで、ナット107に一体化されたウェイト106とベース101のフランジ104との間に、圧電素子109を含むセンサ本体を挟み付けて保持固定した後に、全体を樹脂成形体115によって樹脂モールド成形している。
ここで、ベース101のボルト挿通孔102の開口周縁には、図5に示したように、内燃機関の取付け座部の螺子溝の周囲に設けられる円環状の座面(取付け座面)に接触する円環状の座面接触面121が設けられている。この座面接触面121の周囲には、内燃機関の取付け座面との間に隙間が形成される円環状の座面逃げ面(逃げ部)122が設けられている。また、座面接触面121は、座面逃げ面122から取付け座面側へ1段隆起するように設けられている。つまり座面接触面121と座面逃げ面122との間には、円環状の段差123が設けられている。
そして、座面接触面121と段差123との角部(エッジ)124の断面形状は、ピン角形状(直角形状)に形成されている。
また、座面逃げ面122と段差123との角部(エッジ)125の断面形状は、ある中心点を中心とした曲率半径の凹曲面形状に形成されている。
なお、ベース101の表面には、防錆性および耐食性を向上させるという目的で、メッキ処理(例えば亜鉛メッキ処理)が施されている。
そして、以上のような構造(ベースピン角構造)のノックセンサが、内燃機関のシリンダブロックにボルト締結により固定され、内燃機関のシリンダブロックの振動をベース101を介して圧電素子109が受けると、圧電素子109から内燃機関のシリンダブロックの振動に対応した波形を有するノックセンサ出力信号(電圧信号)を外部に対して出力する。
なお、ノックセンサによるノッキングに伴う振動の誤検出を防止して、ノッキング検出精度を高めるには、ノックセンサの出力電圧特性が、特定の周波数帯域(特に周波数帯域)において著しく大きくなることなく、振動周波数に対してフラットな特性(電圧波形の傾きが略一定、あるいは急激に変化することがない出力電圧特性)となることが望ましい。
そこで、ノックセンサから安定した出力電圧特性、つまり振動周波数に対してフラットな特性を得るには、内燃機関のシリンダブロックの取付け座面に対して不完全な状態で取り付けられることなく、例えばベース101のフランジ104の座面接触面121に対してノックセンサのベース101の下面が傾斜して取り付けられることなく、ノックセンサを内燃機関にボルト締結により固定する必要がある。
[従来の技術の不具合]
ところが、特許文献1に記載のノックセンサにおいては、取付け面であるハウジングは、材質が鉄であり、防錆性および耐食性を向上させるという目的で、亜鉛メッキ皮膜126が施されている。
そして、ベース101の座面接触面121と段差123との角部124の断面形状を、ピン角形状(直角形状)に形成している。つまりベース101の座面接触面121の角部形状をピン角としている。
これにより、ベース101の座面接触面121に亜鉛メッキ皮膜126を施すと、座面接触面121と段差123との角部124に形成される亜鉛メッキ皮膜126が内燃機関のシリンダブロックの取付け座面側に向かって凸となるように盛り上がる。つまりベース101の角部124に、亜鉛メッキ皮膜126の盛り上がりが発生する。
ベース101の表面に施された亜鉛メッキ皮膜126の一部が盛り上がることにより、内燃機関のシリンダブロックの取付け座面とベース101の座面接触面121との相性が悪くなり、内燃機関のシリンダブロックの取付け座面に対するノックセンサの取り付けが不安定となる。
これによって、図3に破線(ベースピン角)で示したように、特定の周波数帯域(例えば高周波数帯域)で、ノックセンサ出力信号(電圧)が著しく大きくなる現象(共振現象)が発生し、特定の周波数帯域(例えば高周波数帯域)でのノックセンサの出力電圧特性に不良が発生する。つまり特定の周波数帯域(例えば高周波数帯域)でのノックセンサの出力電圧特性がフラットな特性とならない。
したがって、特定の周波数帯域(例えば高周波数帯域)においては、内燃機関に発生した振動を、ノッキング振動であると誤検出する可能性があるため、ノックセンサにおけるノッキング検出域が狭いという問題が生じる。
ここで、亜鉛メッキ皮膜126の盛り上がりをなくすため、ベース101の素材を銅系に変更してメッキ処理を実施しないようにすることが考えられるが、鉄+亜鉛メッキ皮膜126よりもコストアップとなる。
特開2002−055013号公報
本発明の目的は、外部に対して出力される出力信号の特性を向上して、内燃機関のノッキングの検出精度を向上することのできるノックセンサを提供することにある。
また、幅広い周波数帯域に渡って、内燃機関のノッキングの検出精度を向上して、ノッキング検出域を飛躍的に拡大させることのできるノックセンサを提供することにある。
また、特定の周波数帯域でのばらつきを減らして、外部に対して出力される出力信号の特性の不良を低減することのできるノックセンサを提供することにある。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の座面にボルトにより固定されるノックセンサにおいて、内燃機関の振動に対応した信号を外部に対して出力する圧電素子を有するセンサ本体と、このセンサ本体を支持すると共に、内部にボルト挿通孔が形成されたセンサ支持体と、このセンサ支持体の表面全体に施された防錆または防食皮膜とを備えている。
センサ支持体は、内燃機関の座面に接触する環状の接触面、内燃機関の座面との間に隙間が形成される環状の逃げ面、および接触面と逃げ面との間に形成される環状の段差を有している。
接触面は、ボルト挿通孔の開口周縁に設けられている。
逃げ面は、接触面の周囲を囲むように設けられている。
センサ支持体は、接触面と段差との角部が(防錆または防食皮膜の盛り上がりを防止可能な)曲面形状または鈍角形状に形成されている。
請求項1に記載の発明によれば、センサ支持体の接触面と段差との角部を曲面形状または鈍角形状に形成することにより、接触面と段差との角部に発生する防錆または防食皮膜の盛り上がりを防止できる。
これによって、センサ支持体の接触面をフラットな(平坦な)平面形状にすることができるので、内燃機関の座面に対するノックセンサの取り付けが安定する。
これに伴い、特定の周波数帯域で、ノックセンサの出力信号が著しく大きくなる現象が発生し難くなり、特定の周波数帯域でのノックセンサの出力信号の特性に不良が発生し難くなる。この結果、ノックセンサの出力信号の特性が、フラットな特性となる。
したがって、外部に対して出力される出力信号の特性を向上できるので、内燃機関のノッキングの検出精度を向上することができる。
また、幅広い周波数帯域に渡って、内燃機関のノッキングの検出精度を向上できるので、ノッキング検出域を飛躍的に拡大させることができる。
また、特定の周波数帯域でのばらつきを減らして、外部に対して出力される出力信号の特性の不良を低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、センサ支持体の表面全体に施される防錆または防食皮膜とは、センサ支持体の防錆性または防食性を向上させる亜鉛メッキ皮膜のことである。なお、センサ支持体の表面全体に亜鉛クロメートメッキ皮膜を施しても良い。また、亜鉛メッキ皮膜の表面に、亜鉛メッキ皮膜の防錆性または防食性を向上させる防錆処理皮膜または防食処理皮膜を施しても良い。
ここで、センサ支持体は、例えば炭素鋼等の鉄系金属によって形成されている。このセンサ支持体は、鋳造成形、鍛造加工、切削加工、研削加工を用いて環状の接触面、環状の逃げ面および環状の段差が形成されている。
請求項3に記載の発明によれば、ノックセンサのセンサ支持体に、ボルトが内燃機関に締め込まれた際に、内燃機関の座面に当接する(環板状の)フランジ(鍔部)を備えている。
請求項4に記載の発明によれば、ノックセンサのセンサ支持体に、内燃機関(の取付け座部)へのボルトの締結方向に対して垂直な径方向の外側へ延伸した(環板状の)フランジ(鍔部)を備えている。
なお、センサ支持体の接触面、逃げ面および段差は、フランジの座面側面に形成されている。つまりセンサ支持体の接触面は、逃げ面および段差を伴って、センサ支持体のフランジの板厚方向の一端面(座面側面)に設けられている。
請求項5に記載の発明によれば、ノックセンサは、センサ支持体に螺子締結により固定されて、センサ支持体のフランジとの間にセンサ本体を保持(挟み込んで固定、挟持)するウェイトを備えている。
請求項6に記載の発明によれば、ノックセンサは、センサ支持体に螺子締結により固定されて、センサ本体をセンサ支持体のフランジ側へ向けて加圧(押圧)するウェイトを備えている。
なお、ウェイトは、例えば炭素鋼等の鉄系金属によって形成されている。このウェイトは、鋳造成形、鍛造加工、切削加工、研削加工を用いて各部が形成されている。
請求項7に記載の発明によれば、センサ支持体(のフランジの座面側面)に、ボルトが内燃機関に締め込まれた際に、内燃機関の座面に面接触する接触面を設けている。
請求項8に記載の発明によれば、センサ支持体(のフランジの座面側面)に、逃げ面から内燃機関の座面側に隆起する接触面を設けている。
なお、センサ支持体は、内燃機関に対するボルトの締結方向に延びるスリーブを備えている。また、センサ本体は、センサ支持体のスリーブの周囲を周方向に取り囲むように設置されている。
請求項9に記載の発明によれば、ノックセンサは、センサ本体の圧電素子と外部(電子制御装置等の外部回路や外部電源等)との接続を行う(センサ)コネクタを備えている。 請求項10に記載の発明によれば、ノックセンサは、圧電素子の軸線(加圧)方向の一端に電気接続する第1導体、圧電素子の軸線(加圧)方向の他端に電気接続する第2導体、および第1導体と第2導体を保持する成形体を有する(センサ)コネクタを備えている。
なお、一対の第1、第2導体は、成形体の導体配線部の内部にモールド樹脂材によるインサート成形により固定(埋設保持)されている。
第1導体は、圧電素子の軸線(加圧)方向の一端に重ね合わされる第1電極を有している。また、第2導体は、圧電素子の軸線(加圧)方向の他端に重ね合わされる第2電極を有している。
請求項11に記載の発明によれば、センサ本体は、(ウェイトにより圧縮される環状の圧電素子、この)圧電素子の軸線(加圧)方向の一端に重ね合わされる第1電極、圧電素子の軸線(加圧)方向の他端に重ね合わされる第2電極、第1電極の板厚(加圧)方向の一端面に重ね合わされる第1絶縁体、および第2電極の板厚(加圧)方向の他端面に重ね合わされる第2絶縁体を備えている。
なお、第1電極は、圧電素子の軸線(加圧)方向の一端に電気的に接続される環状の電極板である。また、第2電極は、圧電素子の軸線(加圧)方向の他端に電気的に接続される環状の電極板である。
第1絶縁体は、例えばウェイトと圧電素子との間を電気的に絶縁する環状の絶縁板(インシュレータ)である。また、第2絶縁体は、例えば圧電素子とセンサ支持体のフランジとの間を電気的に絶縁する環状の絶縁板(インシュレータ)である。
請求項12に記載の発明によれば、センサ本体は、接触面と段差との角部を面取り加工して凸曲面形状(アール面取り形状)を形成している。
なお、アール面取り形状とは、所定の曲率半径(例えばφ0.5mm以上)を有する凸曲面形状(R面取り形状)のことである。
また、センサ本体は、接触面と段差との角部を面取り加工して鈍角形状(テーパ(傾斜)面取り形状)を形成しても良い。
(a)はノックセンサの取付け構造を示した断面図で、(b)は(a)の拡大図である(実施例1)。 (a)はノックセンサの取付け構造の主要部を示した断面図で、(b)は(a)の拡大図である(実施例1)。 ノックセンサのセンサ出力信号の電圧波形を示した説明図である(実施例1)。 ノックセンサを示した断面図である(従来の技術)。 (a)はノックセンサの主要部を示した断面図で、(b)は(a)の拡大図である(従来の技術)。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
本発明は、外部に対して出力される出力信号の特性を向上して、内燃機関のノッキングの検出精度を向上するという目的、また、周波数に対するノックセンサ出力信号の特性のフラット化によって、ノッキング検出域を拡大するという目的、また、特定の周波数帯域(例えば高周波数帯域)でのばらつきが減り、周波数に対するノックセンサ出力信号の特性の不良を低減するという目的を、センサ支持体の接触面の角部を曲面形状または鈍角形状にして、接触面と段差との角部に発生する防錆または防食皮膜の盛り上がりを防止することで実現した。
[実施例1の構成]
図1ないし図3は本発明の実施例1を示したもので、図1および図2はノックセンサの取付け構造を示した図で、図3は振動周波数に対するノックセンサの出力電圧特性を示した図である。
本実施例のノッキング検出装置は、非共振型のノックセンサと、このノックセンサから出力されたノックセンサ出力信号(電気信号:例えば電圧信号)から内燃機関(エンジン)のノッキングを検出するエンジン制御装置(電子制御装置:ECU)とを備えている。 ノックセンサは、エンジンのシリンダブロック1の取付け座面2にボルト3により締結固定されている。このボルト3は、シリンダブロック1の取付け座面2にノックセンサを締結(締め付け)により固定する締結体である。
ノックセンサは、エンジンの振動に対応したノックセンサ出力信号を外部(ECU等の外部回路)に対して出力するPZT素子4を含んで構成されるセンサ本体と、このセンサ本体を支持する円筒状のセンサ支持体(ベース)5と、このベース5との間でセンサ本体を挟み込むウェイト6と、PZT素子4と外部(ECU等の外部回路、電源回路等)との電気的な接続を行うセンサコネクタ7とを備えている。
ベース5は、ボルト3の締結方向(センサ本体の軸線方向)へ真っ直ぐに延びる円筒状のスリーブ11、およびシリンダブロック1へのボルト3の締結方向に対して垂直な半径方向の外側へ延びる(拡がる)円環状(鍔状)のフランジ12を有している。
スリーブ11の外周面には、ウェイト6に一体的に形成されたナット13を螺子締結するための雄ネジ14が形成されている。
スリーブ11およびフランジ12の内部には、シリンダブロック1の螺子孔(雌ネジ孔)に締め込まれるボルト3が、その軸線方向に挿通する円形状のボルト挿通孔15が形成されている。これにより、本実施例のノックセンサは、センサ構成部品(センサ本体、ベース5およびウェイト6等)の中心部にボルト挿通孔15が貫通形成されたセンターホール式のノックセンサを構成する。
なお、ベース5の詳細は、後述する。
センサ本体は、PZT素子4を主体として構成されて、PZT素子4の他に、一対の第1、第2電極板21、22および一対の第1、第2絶縁板23、24を備えている。
PZT素子4は、圧電効果を有する材料(チタン酸ジルコン酸鉛(PZT))からなる。なお、圧電効果を有する材料として、チタン酸バリウム等の各種セラミックス、水晶等の各種結晶、ポリフッ化ビニリデン等の各種有機材料等を使用して、圧電素子を構成しても良い。
PZT素子4は、ベース5のフランジ12の図示上端面(上面)側に配置されている。このPZT素子4は、ベース5を介して伝達される軸線方向の振動をノックセンサ出力信号(電圧信号)として外部へ出力する測定素子である。
第1電極板21は、PZT素子4の軸線方向の一端に当接するように設置されて、PZT素子4の軸線方向の一端に電気的に接続する電極部である。
第2電極板22は、PZT素子4の軸線方向の他端に当接するように設置されて、PZT素子4の軸線方向の他端に電気的に接続する電極部である。
第1絶縁板23は、第1電極板21に当接するように設置されて、ウェイト6と第1電極板21との間を電気的に絶縁する円環シート状の絶縁体(インシュレータ、絶縁シート)である。
第2絶縁板24は、第2電極板22に当接するように設置されて、ベース5のフランジ12と第2電極板22との間を電気的に絶縁する円環シート状の絶縁体(インシュレータ、絶縁シート)である。
ウェイト6は、例えば炭素鋼等の鉄系金属によって円環状に形成されている。このウェイト6は、鋳造成形、鍛造加工またはプレス加工、切削加工、研削加工等を用いて各部が形成されている。また、ウェイト6の図示上部には、円環状のナット13が一体的に形成されている。このナット13の内周には、ベース5のスリーブ11に形成されている雄ネジ14と螺合(螺子結合)する雌ネジが設けられている。
ナット13は、外周形状が多角形(例えば六角形)に形成されており、工具を用いてベース5のスリーブ11に締め付け固定できるように構成されている。
ウェイト6は、PZT素子4をフランジ12との間に挟み込むことで、PZT素子4に対して荷重を印加するために設置されている。
ウェイト6は、ベース5のフランジ12の図示上端面(反エンジン側面、上面)との間に所定の軸方向距離を隔てて対向して配置される対向部を有している。
ここで、ウェイト6は、第1電極板21の上面(板厚方向の一端面)に配置されて、スリーブ11の周囲を円周方向に取り囲むように円環形状(または円筒形状)に形成されている。
センサコネクタ7は、複数の電線(ワイヤーハーネス)を介して、外部回路であるECUのA/D変換回路や電源回路等にそれぞれ電気接続される一対の第1、第2導体(第1、第2センサターミナル)、およびこれらの第1、第2センサターミナルの各センサリード31を保持する樹脂成形体32を備えている。
センサコネクタ7の樹脂成形体32には、円筒状の樹脂充填部33、角筒状のコネクタケース34、導体配線部(ターミナル配線部)35およびセンサ被覆部36が一体的に設置されている。
コネクタケース34は、そのフード部分が、相手側コネクタとの嵌合方向(接続方向)へ向けて延設されている。
ターミナル配線部35は、一対の第1、第2センサターミナルの各センサリード31を保持する部分である。
センサ被覆部36は、ベース5のスリーブ11およびセンサ本体の外周側を被覆する部分である。
一対の第1、第2センサターミナルは、樹脂成形体32のターミナル配線部35の内部にモールド樹脂材(例えば絶縁性を有する合成樹脂)によるインサート成形により固定(埋設保持)されている。
第1センサターミナルは、PZT素子4の軸線(加圧)方向の一端に重ね合わされる第1電極板21、およびこの第1電極板21の半径方向の外側に向けて延伸したセンサリード31を有している。このセンサリード31は、外部回路との接続のための第1端子部である。
第2センサターミナルは、PZT素子4の軸線(加圧)方向の他端に重ね合わされる第2電極板22、およびこの第2電極板22の半径方向の外側に向けて延伸したセンサリードを有している。このセンサリードは、外部回路との接続のための第2端子部である。
一対のセンサリード31は、樹脂成形体32のターミナル配線部35にインサート成形されている。また、これらのセンサリード31の先端は、樹脂成形体32のコネクタケース34内に形成される内部空間で露出している。
なお、第1センサターミナルのセンサリード31と第2センサターミナルのセンサリードとは、抵抗素子37を介して電気的に接続されている。
PZT素子4、第1、第2電極板21、22および第1、第2絶縁板23、24は、ベース5のスリーブ11の周囲を円周方向に取り囲むように円環状(または円筒状)に形成されており、ベース5のスリーブ11の外周側に設置されている。
ベース5のフランジ12とウェイト6の対向部との間には、ウェイト6側から順に、第1絶縁板23、第1電極板21、PZT素子4、第2電極板22、第2絶縁板24が挟み込まれている。そして、ベース5のスリーブ11の雄ネジ14に対するウェイト6の捩じ込み量(捩じ込み位置)を調整することにより、ベース5のフランジ12とウェイト6の対向部との間に挟み込まれる第1絶縁板23、第1電極板21、PZT素子4、第2電極板22、第2絶縁板24に加わる荷重が調整される。
ベース5、PZT素子4、ウェイト6、第1、第2電極板21、22および第1、第2絶縁板23、24の半径方向の外側は、樹脂成形体32のセンサ被覆部36によって覆われている。
なお、ウェイト6の下面(PZT素子4側の円環状端面)には、ウェイト6の内周側と外周側とを連通する複数の径方向溝(放射状溝または十字溝)39が設けられている。これにより、PZT素子4を含むセンサ本体およびウェイト6の内周側とベース5のスリーブ11の外周面との間に形成される円筒隙間にも、樹脂成形体32を形成するモールド樹脂材(樹脂充填部33)が充填される(回り込む)。
[実施例1の特徴]
ここで、非共振型のノックセンサは、例えば炭素鋼等の鉄系金属製のベース5の下面が、エンジンのシリンダブロック1の取付け座面2に接触するように取り付けられて使用されている。これにより、ベース5は、シリンダブロック1と電気的に接続することになる。また、ベース5のスリーブ11に直接組み付けられるウェイト6もベース5を介して、シリンダブロック1と電気的に接続することになる。
そこで、非共振型のノックセンサにおいては、センサ本体の構成部品として、ウェイト6と第1電極板21とを電気的に絶縁する第1絶縁板23と、ベース5のフランジ12と第2電極板22とを電気的に絶縁する第2絶縁板24とを用いて、PZT素子4を含むセンサ本体を支持するベース5、およびPZT素子4に荷重を与えるウェイト6に対する、PZT素子4および第1、第2電極板21、22の絶縁を確保している。
なお、PZT素子4を含むセンサ本体およびウェイト6の内周側とベース5のスリーブ11の外周面との間に形成される円筒隙間には、絶縁性を有するモールド樹脂材(樹脂充填部33)が充填されており、PZT素子4および第1、第2電極板21、22が、ベース5のスリーブ11に電気的に接続するのを防止している。
次に、本実施例のベース5の詳細を図1ないし図3に基づいて説明する。
ベース5は、例えば炭素鋼等の鉄系金属によって円筒状に形成されている。このベース5は、スリーブ11およびフランジ12を備えている。
スリーブ11の外周面には、ナット13の雌ネジが螺合する雄ネジ14が形成されている。このスリーブ11の内部には、ボルト挿通孔15が形成されている。また、スリーブ11の軸線方向の一端面、つまりボルト挿通孔15の開口周縁には、ボルト3の頭部が着座する円環状の着座面16が形成されている。
スリーブ11の外周には、スリーブ11の軸線方向の一端側から他端側へ向けて順番に、ウェイト6、第1絶縁板23、第1電極板21、PZT素子4、第2電極板22、第2絶縁板24が嵌め合わされている。
ベース5のスリーブ11の軸線方向の一端側の外周、およびフランジ12の外周には、樹脂成形体32との密着性を高めるための周方向凹溝17、18が設けられている。
ベース5のフランジ12は、スリーブ11の軸線方向の他端側に設けられている。このフランジ12の図示下端面には、シリンダブロック1の取付け座面側に配置されるベース底面(以下ベース5の下面と言う)が形成されている。
ベース5の下面には、シリンダブロック1の取付け座面2に当接する円環状の座面接触面41、およびシリンダブロック1の取付け座面2との間に僅かな環状隙間(微小隙間)が形成される円環状の座面逃げ面42が設けられている。なお、座面接触面41と座面逃げ面42との間には、円環状の段差43が設けられている。
なお、ベース5の表面全体には、ベース5の母材である鉄系金属の防錆性および防食性を向上させるための防錆および防食皮膜(亜鉛メッキ皮膜)8が所定の膜厚(例えば10μm)で施されている。
座面接触面41は、ボルト挿通孔15の開口周縁に設けられている。この座面接触面41は、ボルト3がシリンダブロック1の雌ネジ孔に締め込まれた際に、シリンダブロック1の取付け座面2に面接触するように平面形状に設けられている。また、座面接触面41は、座面逃げ面42からシリンダブロック1の取付け座面側に1段隆起するように設けられている。また、座面接触面41は、ボルト3の頭部の外径よりも僅かに大きい外径を有している。
座面逃げ面42は、座面接触面41の周囲を円周方向に取り囲むように設けられている。この座面逃げ面42は、座面接触面41から反取付け座面側に1段凹むように設けられている。また、座面逃げ面42は、ボルト3の頭部の外径よりも遥かに大きい外径を有している。
ここで、本実施例のベース5は、例えば鋳造成形、鍛造加工、切削加工、研削加工を用いてスリーブ11、フランジ12、座面接触面41、座面逃げ面42および段差43が形成されている。
また、ベース5は、座面接触面41と段差43との角部44をアール(R)面取り加工して凸曲面形状(R面取り形状)を形成している。つまりベース5の座面接触面41と段差43との角部44の断面形状は、亜鉛メッキ皮膜8の盛り上がりを防止することが可能な凸曲面形状(所定の曲率半径R(例えばφ0.5mm以上)を有するR面取り形状)となっている。
[実施例1の製造方法]
次に、本実施例のノックセンサの製造方法を説明する。
先ず、炭素鋼等の鉄系金属を鋳造することで、センサ本体を支持するベース(センサ支持体)用のインゴット(金属塊)を作り、このインゴットを鍛造型に入れて冷間鍛造(または熱間鍛造)する。これにより、円筒状のスリーブ11および円環状のフランジ12を有する鍛造成形品(母材)が形成される。
次に、鍛造成形品に切削加工等を施すことにより、スリーブ11の外周面に、ウェイト6に一体的に形成されたナット13を螺子締結するための雄ネジ14が形成される。なお、鍛造成形品に切削加工等を施すことにより、ボルト3が挿通する円形状のボルト挿通孔15を形成しても良い。
また、鍛造成形品の下面に設けられる、ボルト挿通孔15と同心状を成す円筒状の隆起部(座面逃げ面42から下方(エンジン側)へ隆起した部分)の下面に切削加工や研削加工等を施すことにより、鍛造成形品の下面に座面接触面41を形成する。
次に、鍛造成形品に切削加工や研削加工等を行った母材表面全体に、所定のメッキ厚さの亜鉛メッキ皮膜8を施すことにより、円筒状のベース5が製造される。
亜鉛メッキ皮膜8とは、その膜厚(メッキ厚さ)が、例えば2μm〜30μm程度または例えば3μm〜15μm程度の亜鉛または亜鉛合金からなるメッキ皮膜(防錆処理皮膜または防食処理皮膜)のことである。この亜鉛メッキ皮膜8は、通常の電気メッキ法(電解亜鉛メッキ法)により形成することができる。ベース5の金属母材上に亜鉛メッキを析出させるには、硫酸浴、アンモン浴、カリ浴等の酸性浴、アルカリノーシアン浴、アルカリシアン浴等のアルカリ浴のいずれでも良い。
なお、亜鉛メッキ皮膜8のメッキ厚さが2μm未満であると、例えば炭素鋼等の鉄系金属製のベース(母材)5の耐錆性および耐食性を十分に発揮できなくなる。
また、亜鉛メッキ皮膜8のメッキ厚さが30μmを越えると、亜鉛メッキ皮膜8の剥がれが発生し易くなり、メッキ時間も長くなる。
ここで、亜鉛メッキ皮膜(層)8の表面を、更に亜鉛よりも酸化され難い金属成分を含むクロメート皮膜で被覆して、亜鉛メッキ皮膜8の腐食や変色等の不具合を回避するようにしても良い。クロメート皮膜は、その膜厚が0.05μm〜0.18μm程度で、三価クロメート皮膜を形成するための処理溶液を用いた方法により形成できる。
次に、本実施例のノックセンサの組付手順(組付方法)を説明する。
先ず、ベース5のスリーブ11の外周を取り囲むように、図示下端側(他端側)から図示上端側(一端側)へ向けて、ベース5のフランジ12の上面(搭載面)上に、第2絶縁板24、第2電極板22、PZT素子4、第1電極板21、第1絶縁板23およびウェイト6を順次積層する。このとき、第1センサターミナルのセンサリード31と第2センサターミナルのセンサリードとを、抵抗素子37を介して電気的に接続する。
次に、ウェイト6に一体化されたナット13の雌ネジをベース5のスリーブ11の雄ネジ14に螺子結合し、ベース5のフランジ12の上面とウェイト6の対向部との間で、センサ本体(第2絶縁板24、第2電極板22、PZT素子4、第1電極板21および第1絶縁板23)を挟持固定する。
その後、ベース5およびセンサ本体を射出成形用金型内にセットし、ベース5およびセンサ本体を覆うように、モールド樹脂材を射出成形して、樹脂成形体32を形成することにより、非共振型のノックセンサが製造される。
ここで、ノックセンサは、樹脂成形体32のエンジン側端面(他端面、図示下端面(下面45))からベース5の下面(座面接触面41、座面逃げ面42および段差43)が露出し、また、樹脂成形体32の反エンジン側端面(一端面、図示上端面)からベース5のスリーブ11の一端部が露出するように形成される。
以上のように製造されたノックセンサは、センサ本体およびベース5を貫通するボルト挿通孔15にボルト3を挿通し、このボルト3の軸部の雄ネジをシリンダブロック1の雌ネジ孔に締め込むことにより、ベース5の下面(特に座面接触面41)が、シリンダブロック1の取付け座面2に面接触(当接)するように、シリンダブロック1に対して取り付けられる。つまりシリンダブロック1に対してノックセンサが固定される。
[実施例1の作用]
次に、本実施例のノックセンサの作動を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。
本実施例のノックセンサは、センサ本体およびベース5の中心部をその軸線方向(締結方向)に貫通するボルト3によって、エンジンのシリンダブロック1の取付け座面2に締め付け固定されている。
エンジンに発生する振動は、シリンダブロック1に取り付けられたノックセンサのベース5のフランジ12に伝達される。
ベース5に伝達されたエンジンの振動は、ベース5のスリーブ11からウェイト6に伝達される。
そして、ウェイト6に伝達されたエンジンの振動は、ウェイト6により増幅されて、PZT素子4に伝達される。
すなわち、ノックセンサは、ベース5の下面が、シリンダブロック1の取付け座面2に接触するように装着されている。これにより、ベース5およびこのベース5に接続するウェイト6は、エンジンに発生する振動と一体となって振動する。
このとき、エンジンより発生する振動加速度に比例した力がPZT素子4に加わり、PZT素子4の軸線方向の両側の第1、第2電極板21、22間に歪みに比例した電圧が発生する。つまりPZT素子4に加わる応力が電気的なノックセンサ出力信号(電圧信号)に変換される。
この結果、一対の第1、第2センサターミナルの各センサリード31からは、エンジンに発生する振動と同様な波形を有する電圧信号が外部に出力される。
そして、ECUは、ノックセンサから出力された電圧信号を入力(取得)し、この取得した電圧信号が、予め設定された設定値を越えたら、エンジンにノッキング振動が発生していると判断して、点火プラグの遅角制御や、インジェクタの噴射時期制御を行う。
[実施例1の効果]
以上のように、本実施例のノックセンサにおいては、ベース5の下面の座面接触面41と段差43との角部44の断面形状を、曲率半径Rを有するR面取り形状とすることにより、ベース5の下面の角部44に発生する亜鉛メッキ皮膜8の盛り上がりを防止することができる。これによって、ベース5の座面接触面41をフラットな(平坦な)平面形状にすることができるので、シリンダブロック1の取付け座面2に対するノックセンサの取り付けが安定する。
これに伴い、特定の周波数帯域(例えば高周波数帯域)で、外部に対して出力されるノックセンサ出力信号の特性、つまりノックセンサより外部に対して出力されるノックセンサ出力信号(電圧信号)が著しく大きくなる現象(共振現象)が発生し難くなり、特定の周波数帯域(例えば高周波数帯域)でのばらつきが減る。これにより、特定の周波数帯域(例えば高周波数帯域)でのノックセンサの出力電圧特性(振動周波数に対する出力電圧特性)に不良が発生し難くなる。この結果、ノックセンサの出力電圧特性が、図3に実線で示したようなフラットな特性となる。
ここで、本実施例のノックセンサは、ベース5のフランジ12の下面(特に座面接触面41)が、シリンダブロック1の取付け座面2に接触するように固定される非共振型のノックセンサである。
横軸を振動周波数とし、縦軸をセンサ出力電圧とするグラフ上に、従来例のノックセンサおよび実施例のノックセンサのセンサ出力信号の電圧波形(センサ出力波形)を表した実験結果を、図3に示す。
なお、図3の実線で示した電圧波形が、実施例のノックセンサのセンサ出力波形であり、また、図3の破線で示した電圧波形が、従来例のノックセンサのセンサ出力波形である。
実験結果から分かるように、従来例のノックセンサのセンサ出力波形は、高周波数帯域において、振動周波数の変化に対する出力電圧の変化量が、著しく大きいことが分かる。また、実施例のノックセンサのセンサ出力波形は、高周波数帯域においても、振動周波数の変化に対する出力電圧の変化量が小さいことが分かる。
以上の結果により、本実施例のノックセンサにおいては、ノックセンサの出力電圧特性が、特定の周波数帯域(特に高周波数帯域)において著しく大きくなることなく、振動周波数に対してフラットな特性(電圧波形の傾きが略一定、あるいは急激に変化することがない出力電圧特性)となるので、ノックセンサによるノッキングに伴う振動の誤検出を防止することができ、ノッキング検出精度が高くなる。
したがって、ノックセンサの出力電圧特性を向上できるので、エンジンのノッキングの検出精度を向上することができる。
また、幅広い周波数帯域に渡って、エンジンのノッキングの検出精度を向上できるので、ノッキング検出域を飛躍的に拡大させることができる。
また、特定の周波数帯域(例えば高周波数帯域)でのばらつきを減らすことができるので、外部に対して出力される出力信号、つまりノックセンサより外部に対して出力される出力信号(電圧信号)の特性の不良を低減することができる。
[変形例]
本実施例では、センサ支持体であるベース5の表面全体に施される防錆または防食皮膜として、ベース5の防錆性および防食性を向上させる亜鉛メッキ皮膜8を採用しているが、センサ支持体の表面全体に施される防錆または防食皮膜として、ベース5の防錆性または防食性を向上させる亜鉛クロメートメッキ皮膜を施しても良い。
なお、亜鉛メッキ皮膜8の表面に、亜鉛メッキ皮膜の防錆性または防食性を向上させる防錆処理皮膜または防食処理皮膜を施しても良い。
本実施例では、ベース5のフランジ12の下面に設けられる角部44にR面取り加工を施して、角部44の形状を所定の曲率半径R(例えばφ0.5mm以上)を有するR面取り形状としているが、ベース5のフランジ12の下面に設けられる角部44にテーパ(傾斜)面取り加工を施して、角部44の形状を鈍角形状としても良い。
この場合、テーパ(傾斜)面取り加工により形成される傾斜面は、座面接触面41に対して所定の傾斜角度(0°<θ≦10°程度)で傾斜し、また、段差43に対して所定の傾斜角度(0°<θ≦10°程度)で傾斜している。
1 シリンダブロック
2 取付け座面
3 ボルト
4 PZT素子(圧電素子)
5 ベース(センサ支持体)
6 ウェイト
7 センサコネクタ
8 亜鉛メッキ皮膜(防錆または防食皮膜)
11 スリーブ
12 フランジ
13 ナット
14 雄ネジ
15 ボルト挿通孔
21 第1電極板
22 第2電極板
23 第1絶縁板
24 第2絶縁板
41 座面接触面
42 座面逃げ面
43 段差
44 角部

Claims (12)

  1. 内燃機関の座面にボルトにより固定されるノックセンサにおいて、
    前記内燃機関の振動に対応した信号を外部に対して出力する圧電素子を有するセンサ本体と、
    このセンサ本体を支持すると共に、内部にボルト挿通孔が形成された筒状のセンサ支持体と、
    このセンサ支持体の表面全体に施された防錆または防食皮膜と
    を備え、
    前記センサ支持体は、前記ボルト挿通孔の開口周縁に設けられて、前記内燃機関の座面に接触する環状の接触面、この接触面の周囲を囲むように設けられて、前記内燃機関の座面との間に隙間が形成される環状の逃げ面、および前記接触面と前記逃げ面との間に形成される環状の段差を有し、
    前記接触面と前記段差との角部が曲面形状または鈍角形状に形成されていることを特徴とするノックセンサ。
  2. 請求項1に記載のノックセンサにおいて、
    前記防錆または防食皮膜とは、防錆性または防食性を有する亜鉛メッキ皮膜のことであることを特徴とするノックセンサ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のノックセンサにおいて、
    前記センサ支持体は、前記ボルトが前記内燃機関に締め込まれた際に、前記内燃機関の座面に当接するフランジを有していることを特徴とするノックセンサ。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載のノックセンサにおいて、
    前記センサ支持体は、前記内燃機関への前記ボルトの締結方向に対して垂直な径方向の外側へ延びるフランジを有していることを特徴とするノックセンサ。
  5. 請求項4に記載のノックセンサにおいて、
    前記センサ支持体に螺子締結により固定されて、前記フランジとの間に前記センサ本体を保持するウェイトを備えたことを特徴とするノックセンサ。
  6. 請求項4または請求項5に記載のノックセンサにおいて、
    前記センサ支持体に螺子締結により固定されて、前記センサ本体を前記フランジ側へ向けて加圧するウェイトを備えたことを特徴とするノックセンサ。
  7. 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載のノックセンサにおいて、
    前記接触面は、前記ボルトが前記内燃機関に締め込まれた際に、前記内燃機関の座面に面接触するように設けられていることを特徴とするノックセンサ。
  8. 請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載のノックセンサにおいて、
    前記接触面は、前記逃げ面から前記内燃機関の座面側に隆起するように設けられていることを特徴とするノックセンサ。
  9. 請求項1ないし請求項8のうちのいずれか1つに記載のノックセンサにおいて、
    前記圧電素子と外部との接続を行うコネクタを備えたことを特徴とするノックセンサ。
  10. 請求項9に記載のノックセンサにおいて、
    前記コネクタは、前記圧電素子の軸線方向の一端に電気接続する第1導体、前記圧電素子の軸線方向の他端に電気接続する第2導体、および前記第1導体と前記第2導体を保持する成形体を有していることを特徴とするノックセンサ。
  11. 請求項1ないし請求項10のうちのいずれか1つに記載のノックセンサにおいて、
    前記センサ本体は、前記圧電素子の軸線方向の一端に重ね合わされる第1電極、前記圧電素子の軸線方向の他端に重ね合わされる第2電極、前記第1電極の板厚方向の一端面に重ね合わされる第1絶縁体、および前記第2電極の板厚方向の他端面に重ね合わされる第2絶縁体を有していることを特徴とするノックセンサ。
  12. 請求項1ないし請求項11のうちのいずれか1つに記載のノックセンサにおいて、
    前記センサ本体は、前記接触面と前記段差との角部を面取り加工して凸曲面を有していることを特徴とするノックセンサ。
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