JP6531072B2 - ノッキングセンサ - Google Patents
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Description
上記したノッキングセンサとして、内燃機関のシリンダブロック等へ取付けるための取付孔を中心部に有する、いわゆるセンターホール式非共振型のノッキングセンサが知られている(特許文献1)。
このノッキングセンサは、筒状部と筒状部の一端に位置する鍔部とを有する主体金具を備え、筒状部の外周に鍔部側から順に、それぞれ環状の絶縁部材、圧電素子、ウェイト、及びナットを嵌め込んで構成されている。そして、筒状部の外周面の雄ネジ部にナットを螺合することによりウェイトを係止し、鍔部とウェイトとの間に圧電素子を挟んで固定している。さらに、主体金具に絶縁部材、圧電素子、ウェイト等を組み付けた内部部品全体が樹脂によって被覆されることで、ノッキングセンサは構成されている。なお、筒状部の内面が上記した取付孔となっている。
又、筒状部の周方向に溝を設け、ウェイト上の皿バネをこの溝よりも鍔部側まで押し込んだ状態で、溝にストッパリングを嵌めて固定するノッキングセンサも知られている(特許文献2)。
そこで、本発明は、製造時の金属粉の発生を防止して圧電素子の絶縁性を確保すると共に、コストを低減したノッキングセンサの提供を目的とする。
又、この突出部は、例えば筒状部の他端側の内面にカシメ刃を挿入して単純に拡径することで形成することができるので、突出部が筒状部の軸方向の中間に位置する場合のように複雑な工具や金型を用いて拡径する必要がなく、製造もより容易になるので、この点でもコストがさらに低下する。
なお、この突出部を、例えば筒状部の他端側の内面にカシメ刃を挿入して拡径することで塑性変形させて形成すれば、仮に金属粉が発生しても筒状部の内面からセンサ外部へ脱落するので、金属粉が圧電素子に付着する不具合を防止することができる。
ノッキングセンサは、筒状部にボルトを挿通し、取付対象材(シリンダブロック等)にボルトをネジ止め等して固定される。この際、筒状部の他端側の上面にボルトの頭部を係止させる(抜け止めする)ためには、筒状部の他端の内径d2が頭部の内周円の直径よりも小さくなっている必要がある。
一般的なボルトやネジは、頭部の内周円の直径が軸部の直径の1.5倍未満であるから、d1<d2≦1.5×d1とすれば、一般的な汎用のボルトやネジでノッキングセンサを容易に固定できる。
図1はノッキングセンサの外観を示し、図2はノッキングセンサを軸方向に破断した断面図を示し、図3はノッキングセンサの内部構造の分解図を示している。
この主体金具9の鍔部15の厚み方向の一面(図1の上面)側には、筒状部13の外周に嵌められる環状(円筒形状)で、圧電セラミックス(例えばPZT)からなる圧電素子17が載置されている。
また、圧電素子17の上面側には、筒状部13の外周に嵌められる環状(円筒形状)で、錘としての効果を発揮する比重を有する金属材料(例えばSMF4050)からなるウェイト19が載置されている。
また、鍔部15と出力端子21との間、及び出力端子23とウェイト19との間には、絶縁性を有するフィルム状の合成樹脂(例えばPET)からなる環状の絶縁体25、27がそれぞれ配置され、出力端子21、23が主体金具9の鍔部15やウェイト19と短絡しないようにされている。
なお、ウェイト19の上面(図1の上面)19aに板バネ29の下面の少なくとも一部が接しており、ウェイト19の上面19aが特許請求の範囲の「天面」に相当する。又、板バネ29が特許請求の範囲の「他部材」に相当する。又、鍔部15と出力端子21との間の絶縁体25が特許請求の範囲の「絶縁体」に相当する。
そして、突出部13pの外周面13bが板バネ29の上面に接点Pで接することによって、板バネ29が下方に押圧され、さらに板バネ29の弾性力によりウェイト19が係止され、ウェイト19と鍔部15との間の積層構造体(圧電素子17、出力端子21、23、絶縁体25、27)が主体金具9に固定される。
つまり、本実施形態においては、突出部13pが板バネ29を介してウェイト19の天面19aに接し、主体金具9の鍔部15に向けてウェイト19を押圧するようにして、ウェイト19を間接的に主体金具9に係止している。
又、「突出部13pが接点Pから筒状部13の他端13eに向かって拡径している」とは、接点Pから他端13eに向かって突出部13pの外周面13bが縮径することなく広がり、他端13eで最大外径となることをいう。従って、突出部13pが筒状部13の軸方向の中間に形成され、他端13eで突出部13pよりも縮径する場合は含まないが、突出部13pの外周面13bが他端13eに向かって拡径しつつ、他端13eへ繋がるストレート部(軸方向に平行な部位)、又は他端13eとの間にストレート部を有する場合を含む。
なお、ナットを用いずに筒状部13の外周面13bに直接プレス加工等を行って突起部を形成することで、ウェイト19を主体金具9に係止することも可能である。しかしながら、この場合には、筒状部13の外周面13bに加工を施す際、やはり金属粉が発生して圧電素子17の周囲に金属粉が付着し、圧電素子17と主体金具9との間の絶縁性を低下させることがある。
そこで、詳しくは後述するが、例えば筒状部13の他端13e側の取付孔11にカシメ刃を挿入し、筒状部13を内面13a側から塑性変形させて拡径することで、仮に金属粉が発生しても取付孔11から外部へ脱落するので、金属粉が圧電素子に付着する不具合を防止することができる。
六角ボルト等の一般的なボルトやネジは、頭部101の内周円の直径が軸部102の直径の1.5倍未満であるから、筒状部13の接点Pよりも一端13f側の内径d1に対し、d1<d2≦1.5×d1とすれば、一般的な汎用のボルトやネジでノッキングセンサを容易に固定できる。
まず、主体金具粗形材9xを用意する。この主体金具粗形材9xは、外周面13bに突出部13pが形成されていない筒状部13xと、筒状部13xの一端13f側(下側)に上述の鍔部15とを有している(図3参照)。そして、筒状部13xの外周側に嵌めるようにして、鍔部15上に、絶縁部材25、出力端子21、圧電素子17、出力端子23、絶縁部材27、ウェイト19、板バネ29を順次載置する。なお、筒状部13xの他端13eの端面13xeは、一端13f側に向かって窄まるテーパ状をなしているが、これは、後述するように筒状部13xの上端側(他端13e側)を押し広げて拡径した際に、端面13xeを水平に近付けるためである。
次に、円筒ピン120を上方から下ろし、円筒ピン120の下面にて板バネ29を押圧し、板バネ29の上面が水平になるように弾性変形させる(図4(a))。
なお、カシメ刃130sを筒状部13xの取付孔に挿入すると、筒状部13xに外周側へ向かう押圧力が働き、板バネ29との接点P近傍を支点として外側へ曲がるように塑性変形する。
このようにしてノッキングセンサ1を組み立てた後、主体金具9を含む上述の積層構造体を覆うように樹脂モールド材料(合成樹脂)を射出し固化させることにより、ケース3を形成し、ノッキングセンサ1が完成する。
絶縁体の種類としては、上述のフィルム状の合成樹脂の他、セラミック材でもよく、絶縁性接着剤を塗布してもよい。又、上記実施形態では、突出部13pが板バネ29を介してウェイト19の天面19aに接し、ウェイト19を係止したが、これは合成樹脂製の絶縁体25、27が熱クリープにより薄くなって軸方向に隙間が生じることから、この隙間を板バネ29の弾性変形で埋めるためである。一方、熱クリープが生じないセラミック等の絶縁体を用いる場合には、板バネ29を用いず、突出部13pをウェイト19の天面19aに直接接しさせてウェイト19を係止してもよい。
9 主体金具
13 筒状部
13a 筒状部の内面
13b 筒状部の外周面
13e 筒状部の他端
13f 筒状部の一端
13p 突出部
15 鍔部
17 圧電素子
19 ウェイト
19a ウェイトの天面
25 絶縁体
29 他部材
P 突出部とウェイトの天面又は他部材との接点
Claims (2)
- 筒状部と該筒状部の一端側に位置し、筒状部の周方向外側に向かって突出する鍔部とを有する主体金具と、
前記筒状部の外周に嵌め込まれ、前記鍔部に面する側と反対側に天面を有する環状のウェイトと、
前記筒状部の外周に嵌め込まれ、前記鍔部と前記ウェイトとの間に挟まれる環状の圧電素子と、
前記鍔部と前記圧電素子との間に介在する絶縁体とを備えたノッキングセンサであって、
前記筒状部の外周面には、周方向外側に向かって突出し、前記ウェイトの天面に直接又は他部材を介して接して該ウェイトを係止する突出部が一体に設けられ、
該突出部の外周面は、当該外周面と、前記ウェイトの天面又は前記他部材との接点から前記筒状部の他端に向かって拡径しているノッキングセンサ。 - 前記筒状部の前記接点よりも前記一端側の内径d1に対し、前記突出部の前記他端の内径d2がd1<d2≦1.5×d1である請求項1記載のノッキングセンサ。
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