JP2015004145A - 液体柔軟剤組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、上記の液体柔軟剤組成物には、保存安定性、特に凍結復元性が低い(冬期に液体柔軟剤組成物が凍結し、その後、解凍した後に、凍結前の粘度に戻らないこと)という課題があった。凍結復元性が低い液体柔軟剤組成物は、使用性(液体柔軟剤組成物の容器からキャップへの注ぎ易さ、及び、洗濯機投入口への注ぎ易さ)に劣る。
凍結復元性の改善策として、特許文献1〜3の技術が知られている。
特許文献1では、特定の第4級アンモニウム塩に、特定のイソトリデシルアルコールエトキシレートと、1価及び/又は2価アルコールとを、それぞれ特定量配合することが提案されている。
特許文献2では、特定の第4級アンモニウム塩に、特定のモノ長鎖アルキルアミン又はモノアルキルアミンエトキシレートと、特定のエトキシレートとを、それぞれ特定量配合することが提案されている。
特許文献3では、特定のアミン化合物、その中和物、4級化物またはそれらの混合物に、変性シリコーンと、ノニオン界面活性剤と、1価及び/又は多価アルコールと、アルカノールアミン及び/又はその塩とを配合することが提案されている。
その他の改善策として、粘度調整剤として、塩化カルシウムや塩化ナトリウムなどの無機塩を配合して初期粘度(製造直後の粘度)を低く抑える方法が通常用いられている。
また、柔軟剤組成物で処理した繊維製品の香り立ちをより良好にする、香りの持続性を高める、或いは、繊維製品使用時の摩擦による発香効果を付与するために、柔軟剤組成物へカプセル化香料を配合することが行われている。
そこで、本発明は、高い凍結復元性とカプセル化香料の分散性とを兼ね備えた、液体柔軟剤組成物を提供することを目的とする。
(A)エステル基(−COO−)及び/又はアミド基(−NHCO−)で分断されている、炭素数10〜26の炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
(B)香料組成物、
(C)一般式(C)で表される4級アンモニウム塩
(式中、R1は炭素数4〜16の炭化水素基であり、R2及びR3はそれぞれ独立してメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基であり、Xは陰イオン基である。)、及び
(D)カプセル化香料
を含有する、液体柔軟剤組成物。
2.(C)成分に対する(B)成分の質量比((B)/(C))が0.2〜5である、前記1に記載の液体柔軟剤組成物。
3.(D)成分に対する(C)成分の質量比((C)/(D))が2〜15である、前記1又は2に記載の液体柔軟剤組成物。
4.(B)成分が、アルデヒド類の香料成分、ケトン類の香料成分、及び、ハイドロカーボン類の香料成分を含有する香料組成物である、前記1〜3のいずれかに記載の液体柔軟剤組成物。
5.一般式(C)において、R1が炭素数10〜14の炭化水素基である、前記1〜4のいずれかに記載の液体柔軟剤組成物。
6.(A)成分の配合量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して5〜15質量%である、前記1〜5のいずれかに記載の液体柔軟剤組成物。
7.(C)成分の配合量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.8〜2質量%である、前記1〜6のいずれかに記載の液体柔軟剤組成物。
8.更に、(E)両性界面活性剤を含む、前記1〜7のいずれかに記載の液体柔軟剤組成物。
9.(E)成分がスルホベタインである、前記8に記載の液体柔軟剤組成物。
(A)成分は、繊維製品へ柔軟性(風合い)を付与する効果(すなわち、柔軟剤本来の機能)を液体柔軟剤組成物へ付与するために配合される。
(A)成分は「エステル基(−COO−)及び/又はアミド基(−NHCO−)で分断されている、炭素数10〜26の炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物」である、カチオン界面活性剤である。
炭素数10〜26の炭化水素基(以下、本明細書において「長鎖炭化水素基」ということがある)の炭素数は、17〜26が好ましく、18〜24がより好ましい。炭素数が10以上であると柔軟性付与効果が良好であり、26以下であると液体柔軟剤組成物のハンドリング性が良好である。
長鎖炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよい。長鎖炭化水素基が不飽和である場合、二重結合の位置はいずれの箇所にあっても構わないが、二重結合が1個の場合には、その二重結合の位置は長鎖炭化水素基の中央であるか、中央値を中心に分布していることが好ましい。
長鎖炭化水素基は、鎖状の炭化水素基であっても、構造中に環を含む炭化水素基であってもよく、好ましくは鎖状の炭化水素基である。鎖状の炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよい。鎖状の炭化水素基としては、アルキル基またはアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
長鎖炭化水素基は、分断基によって分断されている。分断は1ヶ所でもよく、2ヶ所以上であってもよい。好ましくは1ヶ所である。
分断基はエステル基(−COO−)又はアミド基(−NHCO−)である。長鎖炭化水素基が分断基を2つ以上有する場合、各分断基は、同じであっても異なっていてもよい。
なお、分断基が有する炭素原子は、長鎖炭化水素基の炭素数にカウントするものとする。
長鎖炭化水素基は、通常、工業的に使用される牛脂由来の未水添脂肪酸、不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸、パーム椰子、油椰子などの植物由来の未水添脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、あるいは不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸又は脂肪酸エステル等を使用することにより導入される。
「エステル基(−COO−)又はアミド基(−NHCO−)で分断されている、炭素数10〜26の炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物(以下、本明細書において「アミン化合物」ということがある)」における長鎖炭化水素基の数は1〜3個である。好ましくは2個(2級アミン化合物)又は3個(3級アミン化合物)であり、より好ましくは3個である。
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立に、−CH2CH(Y)OCOR4(Yは水素原子又はCH3であり、R4は炭素数7〜21の炭化水素基である)、−(CH2)nNHCOR5(nは2又は3であり、R5は炭素数7〜21の炭化水素基である)、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、−CH2CH(Y)OH(Yは水素原子又はCH3である)、又は、−(CH2)nNH2(nは2又は3である)であり、
R1〜R3のうちの少なくとも1つは、−CH2CH(Y)OCOR4及び/又は−(CH2)nNHCOR5である。)
一般式(A1)における基「−CH2CH(Y)OCOR4」中、Yとしては水素原子が好ましい。
R4としては、炭素数15〜19の炭化水素基が好ましい。一般式(A1)で表される化合物中にR4が複数存在するとき、該複数のR4は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
R4の炭化水素基は、炭素数8〜22の脂肪酸(R4COOH)からカルボキシ基を除いた残基(脂肪酸残基)であり、R4のもととなる脂肪酸(R4COOH)は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、また、直鎖脂肪酸でも分岐脂肪酸でもよい。なかでも、飽和又は不飽和の直鎖脂肪酸が好ましい。柔軟処理した衣類に良好な吸水性を付与するために、R4のもととなる脂肪酸の飽和/不飽和比率(質量比)は、90/10〜0/100が好ましく、90/10〜40/60より好ましく、90/10〜70/30が特に好ましい。
R4が不飽和脂肪酸残基である場合、シス体とトランス体が存在するが、シス体/トランス体の質量比率は、40/60〜100/0が好ましく、70/30〜90/10が特に好ましい。
R4のもととなる脂肪酸として具体的には、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、部分水添パーム油脂肪酸(ヨウ素価10〜60)や、部分水添牛脂脂肪酸(ヨウ素価10〜60)などが挙げられる。中でも、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、エライジン酸、およびリノール酸から選ばれる2種以上を所定量ずつ組み合わせて、以下の条件(a)〜(c)を満たすように調整した脂肪酸組成物を用いることが好ましい。
(a)飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸の比率(質量比)が90/10〜0/100、より好ましくは90/10〜40/60、特に好ましくは90/10〜70/30である。
(b)シス体/トランス体の比率(質量比)が40/60〜100/0、より好ましくは70/30〜90/10である。
(c)炭素数18の脂肪酸が60質量%以上、好ましくは80質量%以上であり、炭素数20の脂肪酸が2質量%未満であり、炭素数21〜22の脂肪酸が1質量%未満である。
一般式(A1)における、基「−(CH2)nNHCOR5」中、nとしては3が好ましい。
R5としては、炭素数15〜19の炭化水素基が好ましい。一般式(A1)で表される化合物中にR5が複数存在するとき、該複数のR5は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
R5としては、R4と同様のものが具体的に挙げられる。
R1〜R3のうち、1つ又は2つが−CH2CH(Y)OCOR4及び/又は−(CH2)nNHCOR5)である場合、残りの2つ又は1つは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、−CH2CH(Y)OH(Yは水素原子又はCH3である)、又は、−(CH2)nNH2(nは2又は3である)であり、炭素数1〜4のアルキル基、−CH2CH(Y)OH、又は、−(CH2)nNH2であることが好ましい。ここで、炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。−CH2CH(Y)OHにおけるYは、−CH2CH(Y)OCOR4中のYと同様である。−(CH2)nNH2におけるnは、−(CH2)nNHCOR5中のnと同様である。
((A1−1)〜(A1−7)の各式中、R9はそれぞれ独立に、炭素数7〜21の炭化水素基であり、(A1−6)〜(A1−7)の各式中、R10はそれぞれ独立に、炭素数7〜21の炭化水素基である。)
アミン化合物の塩は、該アミン化合物を酸で中和することにより得られる。アミン化合物の中和に用いる酸としては、有機酸でも無機酸でもよく、例えば塩酸、硫酸や、メチル硫酸等が挙げられる。アミン化合物の中和は、公知の方法により実施できる。
アミン化合物の4級化物は、該アミン化合物に4級化剤を反応させて得られる。アミン化合物の4級化に用いる4級化剤としては、例えば、塩化メチル等のハロゲン化アルキルや、ジメチル硫酸等のジアルキル硫酸などが挙げられる。これらの4級化剤をアミン化合物と反応させると、アミン化合物の窒素原子に4級化剤のアルキル基が導入され、4級アンモニウムイオンとハロゲンイオン又はモノアルキル硫酸イオンとの塩が形成される。4級化剤により導入されるアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。アミン化合物の4級化は、公知の方法により実施できる。
例えば、一般式(A1−1)で表される化合物(以下「化合物(A1−1)」と言う)及び一般式(A1−2)で表される化合物(以下「化合物(A1−2)」と言う)は、一般式(1)のR4の欄で説明した脂肪酸組成物、または該脂肪酸組成物における脂肪酸を該脂肪酸のメチルエステルに置き換えた脂肪酸メチルエステル組成物と、メチルジエタノールアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、柔軟性付与を良好にする観点から、「化合物(A1−1)/化合物(A1−2)」で表される存在比率が、質量比で99/1〜50/50となるように合成することが好ましい。
更に、その4級化物を用いる場合には、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。その際、柔軟性付与の観点から「化合物(A1−1)の4級化物/化合物(A1−2)の4級化物」で表される存在比率が、質量比で99/1〜50/50となるように合成することが好ましい。
また、その4級化物を用いる場合には、4級化反応を十分に進行させる点で、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。化合物(A1−3)、(A1−4)、(A1−5)の各4級化物の存在比率は、柔軟性付与の観点から質量比で、化合物(A1−3)の4級化物が1〜60質量%、化合物(A1−4)の4級化物が5〜98質量%、化合物(A1−5)の4級化物が0.1〜40質量%であることが好ましく、化合物(A1−3)の4級化物が30〜60質量%、化合物(A1−4)の4級化物が10〜55質量%、化合物(A1−5)の4級化物が5〜35質量%であることがより好ましい。
なお、化合物(A1−3)、(A1−4)、(A1−5)を4級化する場合、一般的に4級化反応後も4級化されていないエステルアミンが残留する。その際、「4級化物/4級化されていないエステルアミン」の比率は70/30〜99/1の質量比率の範囲内であることが好ましい。
またその4級化物を用いる場合には、4級化剤として塩化メチルを用いることが好ましく、「化合物(A1−6)の4級化物/化合物(A1−7)の4級化物」で表される存在比率が、質量比で99/1〜50/50となるように合成することが好ましい。
一般式(A1)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、
一般式(A1−1)〜(A1−7)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、
一般式(A1−3)〜(A1−5)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種がさらに好ましい。
(A)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、4〜25質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましく、6〜9質量%が特に好ましい。4質量%以上であると、柔軟剤としての機能を発揮しつつ、充分な香り持続性付与効果が得られる。25質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の保存安定性がより良好である。
(B)成分は、繊維製品に香気を付与するために配合される。
(B)成分は、繊維製品用処理剤組成物、例えば、繊維製品用仕上げ剤組成物又は柔軟剤組成物に一般的に使用される香料成分を1種類以上含む香料組成物である。
香料成分の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルデヒド類、フェノール類、アルコール類、エーテル類、エステル類、ハイドロカーボン類、ケトン類、ラクトン類、ムスク類、テルペン骨格を有する香料、天然香料、動物性香料などが挙げられる。
各香料の具体例は以下の通りである。
アルデヒド類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウンデシレンアルデヒド、ラウリルアルデヒド、アルデヒドC−12MNA、ミラックアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、シトラール、シトロネラール、エチルバニリン、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、オクタナール、リグストラール、リリアール、リラール、トリプラール、バニリンや、ヘリオナールなどが挙げられる。
フェノール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オイゲノールや、イソオイゲノールなどが挙げられる。
アルコール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シトロネロール、ジハイドロミルセノール、ジハイドロリナロール、ゲラニオール、リナロール、ネロール、サンダロール、サンタレックス、ターピネオール、テトラハイドロリナロール、メントール、ボルネオール、1−デカナール、バクダノールや、フェニルエチルアルコールなどが挙げられる。
エーテル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セドランバー、グリサルバ、メチルオイゲノールや、メチルイソオイゲノールなどが挙げられる。
エステル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シス−3−ヘキセニルアセテート、シス−3−ヘキセニルプロピオネート、シス−3−ヘキセニルサリシレート、p−クレジルアセテート、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、アミルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、アミルサリシレート、ベンジルサリシレート、ベンジルベンゾエート、ベンジルアセテート、セドリルアセテート、シトロネリルアセテート、デカハイドロ−β−ナフチルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エリカプロピオネート、エチルアセトアセテート、エリカアセテート、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ヘディオン、リナリルアセテート、β−フェニルエチルアセテート、ヘキシルサリシレート、スチラリルアセテート、ターピニルアセテート、ベチベリルアセテート、o−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、マンザネートや、アリルヘプタノエートなどが挙げられる。
ハイドロカーボン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リモネン(特に、d−リモネン)、α−ピネン、β−ピネン、ミルセン、カンフェンや、テルピノーレン等が挙げられる。
ケトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α−ヨノン、β−ヨノン、メチル−β−ナフチルケトン、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、ダマセノン、シス−ジャスモン、メチルヨノン、アリルヨノン、カシュメラン、ジハイドロジャスモン、イソイースーパー、ベルトフィックス、イソロンジフォラノン、コアボン、カルボン、ローズフェノン、ラズベリーケトン、ダイナスコンやマルトールなどが挙げられる。
ラクトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、γ−ノナラクトン、γ−ドデカラクトン、クマリンや、アンブロキサンなどが挙げられる。
ムスク類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シクロペンタデカノライド、エチレンブラシレート、ガラクソライド、ムスクケトン、トナリッド、トナライドや、ニトロムスク類などが挙げられる。
テルペン骨格を有する香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゲラニオール(ゼラニオール)、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、ミント、シトロネラール、ミルセン、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、テレピネロール、カルボン、ヨノン(例えばβ−ヨノン)、カンフェンや、ボルネオールなどが挙げられる。
天然香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オレンジ油、レモン油、ライム油、プチグレン油、ユズ油、ネロリ油、ベルガモット油、ラベンダー油、ラバンジン油、アビエス油、アニス油、ベイ油、ボアドローズ油、イランイラン油、シトロネラ油、ゼラニウム油、ペパーミント油、ハッカ油、スペアミント油、ユーカリ油、レモングラス油、パチュリ油、ジャスミン油、ローズ油、シダー油、ベチバー油、ガルバナム油、オークモス油、パイン油、樟脳油、白檀油、芳樟油、テレピン油、クローブ油、クローブリーフ油、カシア油、ナツメッグ油、カナンガ油や、タイム油などの精油が挙げられる。
動物性香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、じゃ香、霊猫香、海狸香や、竜涎香などが挙げられる。
アルデヒド類
ウンデシレンアルデヒド、ラウリルアルデヒド、アルデヒドC−12MNA、ミラックアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、シトラール、シトロネラール、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、オクタナール、リグストラール、リリアール、リラール、トリプラール、バニリン、エチルバニリン、ヘリオナール
ケトン類
α−ヨノン、β−ヨノン、メチル−β−ナフチルケトン、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、シス−ジャスモン、メチルヨノン(メチルイオノン)、アリルヨノン(アリルイオノン)、カシュメラン、ジハイドロジャスモン、イソイースーパー、ベルトフィックス、イソロンジフォラノン、コアボン、ローズフェノン、ラズベリーケトン、ダイナスコン、マルトール、
ハイドロカーボン類
リモネン、α−ピネン、β−ピネン、ミルセン、テルピノーレン
より好ましい香料組成物の具体例としては、α−アミルシンナミックアルデヒド、アニスアルデヒド、オクタナール、バニリン、エチルバニリン、ヘリオナール、β−ヨノン、α−ダマスコン、β−ダマスコン、ラズベリーケトン、マルトール、リモネン、α−ピネン、β−ピネン及びミルセンを含むものが挙げられる。
更に好ましい香料組成物の具体例としては、α−アミルシンナミックアルデヒド、アニスアルデヒド、オクタナール、バニリン、ヘリオナール及びマルトールを含むものが挙げられる。
香料組成物が、香料成分としてアルデヒド類と、ケトン類と、ハイドロカーボン類とを含む場合、凍結復元性の観点で、これらの香料成分の総質量は、香料組成物の総質量に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、特に好ましくは50質量%以上である。
溶剤の配合量は、香料組成物の総質量に対して、例えば0.1〜30質量%、好ましくは1〜20質量%である。
酸化防止剤の配合量は、香料組成物の総質量に対して、例えば0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
(C)成分は、他の必須成分(A)、(B)及び(D)と共に配合されることで、液体柔軟剤組成物に高い凍結復元性とカプセル化香料の分散性とを与えるために用いられる。
(C)成分は、下記一般式(C)で表される4級アンモニウム塩である。
(式中、R1は炭素数4〜16の炭化水素基であり、R2及びR3はそれぞれ独立してメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基であり、Xは陰イオン基である。)
R1の炭化水素基の炭素数は4〜16、好ましくは10〜14、より好ましくは12である。炭素数が4〜16であると液体柔軟剤組成物の凍結復元性を高めることができ、更にカプセル化香料の分散性を高めることができる。
R2及びR3は、それぞれ独立してメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基であり、好ましくはメチル基である。
Xとしては、メチル硫酸、臭素や塩素等が挙げられ、塩素が好ましい。
(C)成分は、1種類の一般式(C)で表される化合物を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
(C)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.4〜5質量%、より好ましくは0.6〜3質量%、さらに好ましくは0.8〜2質量%である。0.4質量%以上であると、より良好な凍結復元性を得ることができる。5質量%以下であると、高温下でより良好な保存安定性を得ることができる。
(D)成分のカプセル化香料は、液体柔軟剤組成物で処理した繊維製品の香り立ちをより良好にする、香りの持続性を高める、又は、繊維製品使用時の摩擦による発香効果を付与するために配合される。
カプセル化香料は、芯物質と、当該芯物質を覆う壁物質とから構成される。
香料組成物は、液体柔軟剤組成物分野において用いられているものを特に制限はなく用いることができ、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、衣類用柔軟剤や衣類用の洗剤等に一般的に使用されるエッセンシャルオイル、アブソリュート、並びに、炭化水素類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、エーテル類、アセタール類、ケタール類及びニトリル類等の合成香水成分等が挙げられる。
香料組成物に配合される好ましい香料成分の例は、特開2010−520928号公報に記載されており、例えば、Agrumex、Aldron、Ambrettolide、Ambroxan、ケイ皮酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、Boisambrene、セドロール、酢酸セドリル、Celestolide/Crysolide、Cetalox、シトロネリルエトキサレート、Fixal、Fixolide、Galaxolide、Guaiacwood Acetate、サリチル酸シス−3−ヘキセニル、ヘキシルケイ皮アルデヒド、サリチル酸ヘキシル、IsoE Super、安息香酸リナリル、ケイ皮酸リナリル、フェニル酢酸リナリル、Javanol、メチルセドリルケトン、Moskene、Musk、Musk Ketone、Musk Tibetine、Musk Xylol、Myraldyl Acetate、酢酸ネロリジル、Novalide、Okoumal、カプリル酸パラクレシル、フェニル酢酸パラクレシル、Phantolid、ケイ皮酸フェニルエチル、サリチル酸フェニルエチル、Rose Crystals、Rosone、Sandela、テトラデカニトリル、Thibetolide、Traseolide、Trimofix O、2−メチルピラジン、アセトアルデヒドフェニルエチルプロピルアセタール、アセトフェノン、アルコールC6(以下において、表記法Cnは、n個の炭素原子および1つのヒドロキシル官能を有するすべての物質を含む)、アルコールC8、アルデヒドC6(以下において、表記法Cnは、n個の炭素原子および1つのアルデヒド官能を有するすべての異性体を包含する)、アルデヒドC7、アルデヒドC8、アルデヒドC9、ノネニルアルデヒド(nonenylic aldehyde)、グリコール酸アリルアミル、カプロン酸アリル、酪酸アミル、アルデヒドアニシック(anisique)、ベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、ベンジルアセトン、ベンジルアルコール、酪酸ベンジル、ギ酸ベンジル、イソ吉草酸ベンジル、ベンジルメチルエーテル、プロピオン酸ベンジル、Bergamyl Acetate、酢酸ブチル、樟脳、3−メチル−5−プロピル−2−シクロヘキセノン、ケイ皮アルデヒド、シス−3−ヘキセノール、酢酸シス−3−ヘキセニル、ギ酸シス−3−ヘキセニル、イソ酪酸シス−3−ヘキセニル、プロピオン酸シス−3−ヘキセニル、チグリン酸シス−3−ヘキセニル、シトロネラール、シトロネロール、シトロネリルニトリル、2−ヒドロキシ−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オン、クミンアルデヒド、シクラールC、酢酸(シクロヘキシルオキシ)−2−プロペニルエステル、ダマセノン、アルファ−ダマスコン、ベータ−ダマスコン、ギ酸デカヒドロベータ−ナフチル、マロン酸ジエチル、ジヒドロジャスモン、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジヒドロテルピネオール、アントラニル酸ジメチル、ジメチルベンジルカルビノール、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、ジメチルオクテノン、ジメトール(Dimetol)、ジミルセトール、エストラゴール、酢酸エチル、アセト酢酸エチル、安息香酸エチル、ヘプタン酸エチル、エチルリナロール、サリチル酸エチル、酪酸エチル2−メチル、オイカリプトール、オイゲノール、酢酸フェンキル、フェンキルアルコール、4−フェニル−2,4,6−トリメチル1,3−ジオキサン、2−オクチン酸メチル、4−イソプロピルシクロヘキサノール、2−sec−ブチルシクロヘキサノン、酢酸スチルアリル、ゲラニルニトリル、酢酸ヘキシル、アルファ−イオノン、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、イソ−シクロシトラール、ジヒドロイソジャスモン、イソ−メントン、イソ−ペンチレート、イソ−プレゴール、シスジャスモン、左旋性カルボン、フェニルアセトアルデヒドグリセリルアセタール、カルビン(carbinic)酸3−ヘキセニルメチルエーテル、1−メチル−シクロヘキサ−1,3−ジエン、リナロール、リナロールオキシド、ペンタン酸2−エチルエチルエステル、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、メントール、メントン、メチルアセトフェノン、メチルアミルケトン、安息香酸メチル、アルファ−メチルケイ皮アルデヒド、メチルヘプテノン、メチルヘキシルケトン、メチルパラクレゾール、酢酸メチルフェニル、サリチル酸メチル、ネラール、ネロール、4−tert−ペンチル−シクロヘキサノン、パラ−クレゾール、酢酸パラ−クレシル、パラ−t−ブチルシクロヘキサノン、パラ−トルイルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、酢酸フェニルエチル、フェニルエチルアルコール、酪酸フェニルエチル、ギ酸フェニルエチル、イソ酪酸フェニルエチル、プロピオン酸フェニルエチル、酢酸フェニルプロピル、フェニルプロピルアルデヒド、テトラヒドロ−2,4−ジメチル−4−ペンチル−フラン、4−メチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)テトラヒドロピラン、5−メチル−3−ヘプタノンオキシム、プロピオン酸スチルアリル、スチレン、4−メチルフェニルアセトアルデヒド、テルピネオール、テルピノレン、テトラヒドロ−リナロール、テトラヒドロ−ミルセノール、トランス−2−ヘキセナール、酢酸ベルジルやViridine等が挙げられる。
香料組成物には、1種類の香料成分を配合してもよく、2種類以上の香料成分を配合してもよい。
なお、(D)成分の香料組成物と、(B)成分の香料組成物とは同一であってよく、異なっていてもよい。(D)成分として揮発性の高い香料成分を用い、(B)成分として揮発性の低い香料成分を用いると、香りの持続効果をより高めることができる。
カプセル化香料が破壊された際の発香性の観点から、壁物質は、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂或いは尿素−ホルムアルデヒド樹脂からなるアミノプラストポリマー、ポリアクリル酸系或いはポリメタクリル酸系ポリマーであることが好ましい。特開2010−520928号公報に記載されているようなアミノプラストポリマーが特に好ましい。具体的には、ポリアミン由来の部分/芳香族ポリフェノール由来の部分/メチレン単位、ジメトキシメチレン及びジメトキシメチレンを有するアルキレンおよびアルキレンオキシ部分からなるターポリマーであることが好ましい。
(D)成分は、1種類のカプセル化香料を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
(D)成分の配合量((D)成分中の香料の量としての配合量)は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、香料の量として、好ましくは0.05〜3質量%、より好ましくは0.1〜2質量%、特に好ましくは0.2〜1質量%である。配合量が0.05〜3質量%であると、液体柔軟剤組成物においてより良好な凍結復元性を維持しつつ、好ましい香り持続性を付与することができる。
本発明の液体柔軟剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記(A)〜(D)の必須成分以外の他の成分を含有してもよい。
本発明の液体柔軟剤組成物には、両性界面活性剤である(E)成分を任意に配合することができる。両性界面活性剤は、凍結復元性の更なる向上のために配合される。
両性界面活性剤としては、例えば、ベタイン、N−アルキルアミノ酸、N−アルケニルアミノ酸や、それらの塩などが挙げられる。
ベタインとしては、アルキルベタイン、カルボベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン、アミドスルホベタイン、イミダゾリニウムベタインや、ホスホベタイン等がある。
N−アルキルアミノ酸又はN−アルケニルアミノ酸は、窒素原子にアルキル基またはアルケニル基が結合し、さらに1つまたは2つの「−R−COOH」(式中、Rは2価の炭化水素基を示し、好ましくはアルキレン基であり、特に炭素数1〜2であることが好ましい)で表される基が結合した構造を有する。「−R−COOH」が1つ結合した化合物においては、窒素原子にはさらに水素原子が結合している。「−R−COOH」が1つのものをモノ体、2つのものをジ体という。(E)成分としては、これらモノ体、ジ体のいずれも用いることができる。N−アルキルアミノ酸及びN−アルケニルアミノ酸にそれぞれおいて、アルキル基及びアルケニル基は直鎖状でも分岐鎖状であってもよい。
(E)成分は、好ましくはスルホベタイン又はアミドスルホベタインであり、より好ましくは、下記一般式(E1)で表されるスルホベタイン又はその混合物である。
(式中、
R1は炭素数9〜23の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、
Qはエステル基又はアミド基であり、
pは1〜4の整数であり、
R2は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、
R3は−(CH2)q−T又は−CH2CH(OH)CH2−T(式中、qは0〜4であり、Tは−COO-、−SO3 -、−OSO3 -又は−O-である)であり、
R4はR1−S−(CH2)p−、R2又はR3である)。
Qは、好ましくはエステル基である。
R2の具体例としては、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基や、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
R3におけるqは、好ましくは2〜3である。
(各式中、R1の定義は、一般式(E1)のR1と同じである)
R1の元となる脂肪酸組成のヨウ素価は、好ましくは0〜100、より好ましくは0〜70、更に好ましくは20〜45である。
(E)成分は、1種類の両性界面活性剤を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。例えば、一般式(E1)で表されるスルホベタインの複数種類からなる混合物や、一般式(E1−1)〜(E1−3)で表されるスルホベタインの任意の組み合わせからなる混合物を用いることができる。
一般式(E1)で表されるスルホベタインの複数種類からなる混合物において、各スルホベタインを構成するアルケニル基に基づく幾何異性について、シス体の比率が25〜95%、好ましくは40〜90%であると、液体柔軟剤組成物の粘度を適度なものとすることができる。
(E)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.01〜3質量%、より好ましくは0.05〜2質量%、さらに好ましくは0.1〜1質量%である。配合量が0.01質量%以上であるとより良好な凍結復元性を得ることができ、3質量%以下であると高温下でより良好な保存安定性を得ることができる。
本発明の液体柔軟剤組成物は、好ましくは水を含む水性組成物である。
水としては、水道水、イオン交換水、純水、蒸留水など、いずれも用いることができる。中でもイオン交換水が好適である。
水の配合量は特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。配合量が50質量%以上であると、ハンドリング性がより良好となる。
ノニオン界面活性剤は、液体柔軟剤組成物の安定性の更なる向上、特に凍結復元性の更なる向上のために配合する。
ノニオン界面活性剤としては、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。例えば、アルコール、アミン又は脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物を用いることができる。
アルコール、アミン及び脂肪酸の各炭素鎖部分は、分岐していても直鎖でもよく、不飽和があってもよい。また、炭素鎖に分布があってもよい。炭素鎖の炭素数は、好ましくは6〜20、より好ましくは8〜18である。炭素鎖が直鎖である場合には、その炭素数は好ましくは6〜14、より好ましくは8〜12、最も好ましくは8〜10である。炭素鎖が分岐鎖である場合には、その炭素数は好ましくは6〜18、より好ましくは9〜18、最も好ましくは13である。
ノニオン界面活性剤の原料としては、エクソン化学製エクサール、BASF社製LUTENSOL(ルテンゾール)シリーズ、協和発酵工業製オキソコール、HoechstAG社製GENAPOLシリーズや、Shell社製DOBANOLシリーズなどを使用することができる。ノニオン界面活性剤がアルコールのアルキレンオキシド付加物である場合には、1級アルコール及び2級アルコールのいずれも使用することができる。炭素数13のアルコールは、例えばドデセンを原料として製造されるが、その出発原料としてはブチレンでもプロピレンでもよい。
炭素鎖が不飽和基を含む場合、その炭素数は18であるものが特に好ましい。不飽和基の立体異性体構造は、シス体又はトランス体であっても、両者の混合物であってもよいが、特にシス体/トランス体の比率が25/75〜100/0(質量比)であることが好ましい。
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド(EO)が好ましいが、EOとともにプロピレンオキサイド(PO)またはブチレンオキサイド(BO)を付加したものであってもよい。EOの平均付加モル数としては10〜100モルが好適であり、より好ましくは20〜80モル、特に好ましくは40〜70モルである。また、EOとともに付加するPO又はBOの平均付加モル数としては1〜5が好適であり、より好ましくは1〜3モルである。この際、EOを付加した後、PO又はBOを付加しても、あるいはPO又はBOを付加した後、EOを付加してもよい。
ノニオン界面活性剤の具体例としては、ノニルアルコールの平均EO9PO1付加物、一級イソノニルアルコールの平均EO40モル付加物、一級イソデシルアルコールの平均EO20モル付加物、ラウリルアルコールの平均EO20モル付加物、一級イソへキサデシルアルコールの平均EO60モル付加物、一級イソトリデシルアルコールの平均EO60モル付加物、トリデシルアルコールの平均EO50モル付加物、牛脂アルキルアミンの平均EO60付加物、牛脂アルキルアミンの平均EO60付加物、オレイルアミンの平均EO50付加物や、ラウリン酸の平均EO20モル付加物などが挙げられる。市販品としては、日本エマルジョン製エマレックスシリーズ、三洋化成製エマルミンシリーズ、ライオン化学製TDAシリーズ、エソミンシリーズ、日本触媒製ソフタノールシリーズや、BASF社製LUTESOLシリーズなどを使用することができる。
なお、ノニオン界面活性剤に対する(C)成分の質量比((C)/ノニオン界面活性剤)は、好ましくは0.05〜15、より好ましくは0.1〜10、さらに好ましくは0.2〜5である。質量比が0.05〜15の範囲にあると、より良好な凍結復元性を得ることができる。
水溶性溶剤は、液体柔軟剤組成物の安定性の更なる向上、特に凍結復元性の更なる向上のために配合する。
水溶性溶剤としては、炭素数1〜4のアルコール、グリコールエーテル系溶剤、多価アルコールからなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。具体的には、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、及び、下記一般式(X)で表わされる水溶性溶剤から選ばれる溶媒成分を配合することが好ましい。
R4−O−(C2H4O)y−(C3H6O)Z−H ・・・(X)
(式中、R4は、炭素数1〜6、好ましくは2〜4のアルキル基又はアルケニル基であり、yおよびzはそれぞれ平均付加モル数であり、yは1〜10、好ましくは2〜5であり、zは0〜5、好ましくは0〜2である。)
上記に挙げた中でも、エタノール、エチレングリコール、ブチルカルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルや、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
水溶性溶剤の配合量は特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0.01〜25質量%、さらに好ましくは0.1〜20質量%である。
糖系化合物は、液体柔軟剤組成物の安定性の更なる向上、特に凍結復元性の更なる向上のために配合する。
糖系化合物としては、糖骨格の繰り返し単位の数(重合度)が1〜40のものが好ましく、1〜20が更に好ましく、1〜5(すなわち、単糖及び重合度1超5以下のオリゴ糖)が特に好ましい。好ましい糖系化合物としては、単糖、二糖、オリゴ糖や糖アルコールが挙げられる。
糖の具体例としては、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノース、リボース、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、タロース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、及び、天然多糖の部分加水分解から得られるオリゴ糖、並びに、これらの糖に置換基を導入した化合物(糖誘導体)が挙げられる。導入可能な置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、アミン基、4級アンモニウム基や、カルボキシル基等が挙げられ、これらの中でも、特にアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基が挙げられる。置換基としては、炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がさらに好ましく、炭素数1〜3のアルキル基が最も好ましい。
糖としては、重合度が1〜5の単糖及びオリゴ糖、並びに、重合度が1〜5の単糖及びオリゴ糖において少なくとも一つの水酸基の水素原子がアルキル基で置換された化合物から選ばれる1種以上が好ましい。上記に挙げた中でも、凍結復元性の観点からは、トレハロースが好ましい。
糖アルコールとしては、エリトリトール、トレイトール、ペンチトール、ヘキシトール、ダルシトール、ソルビトール、マンニトール、ボレミトール、ペルセイユトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール等が挙げられる。
糖系化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
糖系化合物の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜7質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
シリコーン化合物は、香り持続性の更なる向上を主目的として配合する。
シリコーン化合物は、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。
シリコーン化合物の分子構造は、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよいし、また、架橋していてもよい。また、シリコーン化合物は変性シリコーン化合物であってもよい。変性シリコーン化合物は、1種以上の有機官能基により変性されたものであってもよい。
シリコーン化合物は、オイルの状態で使用することができ、また任意の乳化剤によって分散された乳化物の状態でも使用することができる。
シリコーン化合物の具体例としては、例えば、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーンや、アミノ変性シリコーンなどが挙げられる。
これらの中でも、汎用性や香り持続性の向上の観点からは、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーンや、ジメチルシリコーンが好ましい。香り持続性の更なる向上効果や製造時の取り扱いの観点からは、ポリエーテル変性シリコーンやアミノ変性シリコーンが好ましい。
好ましいポリエーテル変性シリコーンとしては、ジメチルシロキサンとポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンや、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム又はブロック共重合体等)との共重合体が挙げられる。具体例としては、例えば、下記一般式(I)で表される化合物が挙げられる。
(式中、M、N、a及びbは、それぞれ独立して平均重合度であり、Rは水素又はアルキル基である)
一般式(I)中、Mは、10〜10,000、好ましくは100〜300である。
Nは、1〜1,000、好ましくは1〜100である。更に、M>Nであることが好ましい。
aは、2〜100であり、好ましくは2〜50である。
bは、0〜50であり、好ましくは0〜10である。
Rは、水素又は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
一般式(I)で表されるポリエーテル変性シリコーンは、一般に、Si−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、例えば、ポリオキシアルキレンアリルエーテル等の炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルとを、白金触媒下、付加反応させることにより製造することができる。この場合、生成物中に未反応のポリオキシアルキレンアルキルエーテルやSi−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンがわずかに含まれる場合がある。Si−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは反応性が高いため、前記ポリエーテル変性シリコーン中での存在量としては、30ppm以下(Si−Hの量として)であることが好ましい。
(式中、A、B、h及びiは、それぞれ平均重合度であり、Rはアルキル基であり、R’は水素又はアルキル基である。)
一般式(II)中、Aは5〜10,000であり、
Bは、2〜10,000であり、
hは、2〜100であり、
iは、0〜50である。
Rは、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。
R’は、水素又は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
一般式(II)で表される線状ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体は、反応性末端基を有するポリオキシアルキレン化合物と、該化合物の反応性末端基と反応する末端基を有するジヒドロカルビルシロキサンとを反応させることにより製造することができる。このようなポリエーテル変性シリコーンは、側鎖のポリオキシアルキレン鎖が長く、ポリシロキサン鎖の重合度が大きいものほど粘度が高くなるので、製造時の作業性改善及び水性組成物への配合を容易にするために、水溶性有機溶剤とのプレミックスの形で配合に供することが好ましい。水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、ジプロピレングリコール、ブチルカルビトール等が挙げられる。
アミノ変性シリコーンは、オイルの形態でも良く、ノニオン界面活性剤やカチオン界面活性剤を乳化剤として用いて乳化させたアミノ変性シリコーンエマルジョンの形態でも良い。
好ましいアミノ変性シリコーンのオイル、又はエマルジョンにおける基油オイルは、次の一般式(III)で表される化合物である。
(式中、R1及びR6は互いに同一でも、異なっていてもよい、メチル基、水酸基又は水素であり、
R2は、−(CH2)n−A1、又は、−(CH2)n−NHCO−(CH2)m−A1(各式中、A1は、−N(R3)(R4)、−N+(R3)(R4)(R5)・X-(各式中、R3、R4及びR5は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基又は−(CH2)n−NH2(式中、nは0〜12である)であり、X-は、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸メチルイオン又は硫酸エチルイオンである)であり、m及びnの値は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、0〜12の整数である)であり、
p及びqはそれぞれポリシロキサンの重合度を表し、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、pは0〜20000、好ましくは10〜10000であり、qは1〜500、好ましくは1〜100である。)
アミノ変性シリコーンオイルとしては、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社からSF―8417、BY16−892や、BY16−890で販売されているもの、信越化学工業株式会社からKF−864、KF−860、KF−8004、KF−8002、KF−8005、KF−867、KF−861、KF−880や、KF−867Sで販売されているもの等が挙げられる。
アミノ変性シリコーンエマルジョンタイプとしては、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社からSM8904、BY22−079、FZ−4671や、FZ−4672で販売されているもの、信越化学工業株式会社からPolonシリーズで販売されているPolonMF−14、PolonMF−29、PolonMF−14D、PolonMF−44、PolonMF−14ECや、PolonMF−52と、旭化成ワッカーシリコーン(株)からWACKER FC201で販売されているもの等があげられる。
シリコーン化合物の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜8質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
染料及び顔料は、それぞれ液体柔軟剤組成物の外観を向上するために配合する。
染料及び顔料共に、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。添加できる染料の具体例は、染料便覧(有機合成化学協会編,昭和45年7月20日発行,丸善株式会社)などに記載されている。また、特開平6−123081号公報、特開平6−123082号公報、特開平7−18573号公報、特開平8−27669号公報、特開平9−250085号公報、特開平10−77576号公報、特開平11−43865号公報、特開2001−181972号公報や特開2001−348784号公報などに記載されている染料も用いることができる。
好ましくは、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料及び媒染・酸性媒染染料から選ばれる、赤色、青色、黄色もしくは紫色系の水溶性染料の1種以上である。
液体柔軟剤組成物の保存安定性や繊維に対する染着性の観点からは、分子内に水酸基、スルホン酸基、アミノ基及びアミド基から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有する酸性染料、直接染料又は反応性染料が好ましい。
染料及び顔料のそれぞれについて、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。また、染料と顔料とを併用してもよい。
染料及び顔料の各配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは1〜50ppm、より好ましくは1〜30ppmである。
防腐剤は、主に、液体柔軟剤組成物の防腐力や殺菌力を強化し、長期保存中の防腐性を保つために配合する。
防腐剤としては、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。具体例としては、例えば、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物、安息香酸類、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
イソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−ブチル−3−イソチアゾロン、2−ベンジル−3−イソチアゾロン、2−フェニル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4,5−ジクロロイソチアゾロン、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンや、これらの混合物などが挙げられる。なかでも、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが好ましく、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの混合物がより好ましく、前者が約77質量%と後者が約23質量%との混合物やその希釈液(例えば、イソチアゾロン液)が特に好ましい。
ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン、類縁化合物としてジチオ−2,2−ビス(ベンズメチルアミド)や、これらの混合物などが挙げられる。中でも、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンが特に好ましい。
安息香酸類としては、安息香酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルや、パラオキシ安息香酸ベンジル等が挙げられる。
防腐剤の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.0001〜1質量%である。0.0001質量%以上であると、防腐剤の配合効果が十分に得られ、1質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の高い保存安定性を十分に維持することができる。
紫外線吸収剤は、液体柔軟剤組成物を紫外線から保護するために配合する。
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収し、赤外線や可視光線等に変換して放出することで、紫外線防御効果を発揮する成分である。
紫外線吸収剤としては、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。具体例としては、例えば、p−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸グリセリルや、p−ジメチルアミノ安息香酸アミル等のアミノ安息香酸誘導体;サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸オクチルや、サリチル酸ミリスチル等のサリチル酸誘導体;ジイソプロピルケイ皮酸メチル、p−メトキシケイ皮酸エチル、p−メトキシケイ皮酸イソプロピル、p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシルや、p−メトキシケイ皮酸ブチル等のケイ皮酸誘導体;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸や、2、2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;ウロカニン酸や、ウロカニン酸エチル等のアゾール系化合物;4−t−ブチル−4'−メトキシベンゾイルメタン等が挙げられる。
紫外線吸収剤の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.001〜5質量%である。
抗菌剤は、液体柔軟剤組成物の保存性を高めるために配合する。
抗菌剤としては、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。具体例としては、例えば、ダイクロサン、トリクロサン、塩化ベンザルコニウム、ビス−(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、8−オキシキノリン、ビグアニド系化合物(例えば、ポリヘキサメチレンビグアニド)、塩酸クロロヘキシジンや、ポリリジン等が挙げられる。これらの中でも、塩化ベンザルコニウム、ビグアニド系化合物や、塩酸クロロヘキシジンが好ましい。
抗菌剤の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.001〜5質量%である。
前記の任意成分以外にも、液体柔軟剤組成物の香気や色調の安定性を向上させるための酸化防止剤や還元剤、乳濁剤(ポリスチレンエマルジョンなど)、不透明剤、縮み防止剤、洗濯じわ防止剤、形状保持剤、ドレープ性保持剤、アイロン性向上剤、酸素漂白防止剤、増白剤、白化剤、布地柔軟化クレイ、帯電防止剤、移染防止剤(ポリビニルピロリドンなど)、高分子分散剤、汚れ剥離剤、スカム分散剤、蛍光増白剤(4,4−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルジナトリウム(チバスペシャルティケミカルズ製チノパールCBS−X)など)、染料固定剤、退色防止剤(1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンなど)、染み抜き剤、繊維表面改質剤(セルラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼや、ケラチナーゼなどの酵素)、抑泡剤、水分吸放出性など絹の風合い・機能を付与する成分(シルクプロテインパウダー、それらの表面改質物、乳化分散液、具体的にはK−50、K−30、K−10、A−705、S−702、L−710、FPシリーズ(出光石油化学)、加水分解シルク液(上毛)、シルクゲンGソルブルS(一丸ファルコス))や、汚染防止剤(アルキレンテレフタレート及び/又はアルキレンイソフタレート単位とポリオキシアルキレン単位とからなる非イオン性高分子化合物、例えば、互応化学工業製FR627、クラリアントジャパン製SRC−1など)などを適宜配合することができる。
液体柔軟剤組成物のpHは特に限定されないが、保存経日に伴う(A)成分の加水分解を抑制する等の観点から、25℃におけるpHが1〜6の範囲内であることが好ましく、2〜4の範囲内であることがより好ましい。
pH調整には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジメチルアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩や、アルカリ金属珪酸塩などのpH調整剤を用いることができる。
液体柔軟剤組成物の粘度は、その使用性を損なわない限り特に限定されないが、1000mPa・s未満であることが好ましい。
保存経日による粘度上昇を考慮すると、製造直後の粘度は800mPa・s未満であるのがより好ましく、500mPa・s未満であるのがさらに好ましい。800mPa・s未満であると、洗濯機への投入の際のハンドリング性等の使用性が良好である。使用性の観点からは粘度の下限は特に制限されない。
なお、本発明の液体柔軟剤組成物の粘度をコントロールする目的で、無機又は有機の水溶性塩類を用いることができる。具体的には、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウムや、クエン酸ナトリウム等を用いることができるが、中でも塩化カルシウム、塩化マグネシウムや、クエン酸ナトリウムが好ましい。これらの水溶性塩類は、カプセル化香料の分散性を損なわない量で配合することができ、その配合量は、例えば、液体柔軟剤組成物の総質量に対し0〜0.5質量%、好ましくは0〜0.3質量%、さらに好ましくは0〜0.1質量%である。水溶性塩類は、液体柔軟剤組成物製造のどの工程で配合しても構わない。
本発明における液体柔軟剤組成物の粘度とは、B型粘度計(例えば、ブルックフィールド社のアナログ粘度計T)を用いて25℃にて測定される値をいう。
本発明の液体柔軟剤組成物の調製方法は特に限定されない。液体柔軟剤組成物の公知の調製方法、例えば、主剤として陽イオン界面活性剤を用いる従来の柔軟剤組成物の調製方法と同様の方法により製造することができる。
例えば、(A)成分及び(B)成分を含む油相と、水を含む水相とを、(A)成分の融点以上の温度条件下で混合して乳化物を調製し、その後、(C)成分と(D)成分を得られた乳化物に添加して、混合することにより製造することができる。
油相は、(A)成分の融点以上の温度で、(A)成分と(B)成分と、必要に応じて任意成分とを混合することにより調製することができる。
水相は、水と、必要に応じて任意成分とを混合することにより調製できる。
(C)成分は、油相や水相へ混合してもよい。(C)成分の配合効果をより高めるためには、(A)成分及び(B)成分を含む油相と、水からなる水相とを(A)成分の融点以上の温度条件下で混合して乳化物を調製した後、得られた乳化物へ、(C)成分を添加し、混合することが好ましい。
本発明の液体柔軟剤組成物の使用方法に特に制限はなく、一般の柔軟剤組成物と同様の方法で使用することができる。例えば、洗濯のすすぎの段階ですすぎ水へ本発明の液体柔軟剤組成物を溶解させて被洗物を柔軟処理する方法や、本発明の液体柔軟剤組成物をたらいのような容器中の水に溶解させ、更に被洗物を入れて浸漬処理する方法がある。
下記のA−1及びA−2を使用した。
A−1:特開2003−12471号公報の実施例4に記載のカチオン界面活性剤。A−1は、一般式(A1−3)、(A1−4)及び(A1−5)で表される化合物(各式中、R9は炭素数15〜17のアルキル基及びアルケニル基である)をジメチル硫酸で4級化したものを含む組成物である。
A−2:特開2002−167366号公報の実施例1に記載のカチオン界面活性剤。(A−2)は、一般式(A1−3)、(A1−4)及び(A1−5)で表される化合物(各式中、R9は炭素数15〜17のアルキル基及びアルケニル基である)をジメチル硫酸で4級化したものを含む組成物である。
(B)成分
下記表に示す組成を有する香料組成物B−1〜B−4を使用した。表中の各香料成分の数値は、香料組成物の総質量に対する質量%である。
下記のC−1〜C−6を使用した。
C−1:オクチルトリメチルアンモニウムクロライド(東京化成工業製)。C−1は、一般式(C)において、R1が炭素数8の炭化水素基であり、R2がメチル基であり、R3がメチル基であり、Xが塩素である化合物である。
C−2:デシルトリメチルアンモニウムクロライド(東京化成工業製)。C−2は、一般式(C)において、R1が炭素数10の炭化水素基であり、R2がメチル基であり、R3がメチル基であり、Xが塩素である化合物である。
C−3:ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド(東京化成工業製)。C−3は、一般式(C)において、R1が炭素数12の炭化水素基であり、R2がメチル基であり、R3がメチル基であり、Xが塩素である化合物である。
C−4:テトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド(東京化成工業製)。C−4は、一般式(C)において、R1が炭素数14の炭化水素基であり、R2がメチル基であり、R3がメチル基であり、Xが塩素である化合物である。
C−5:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド(東京化成工業製)。C−5は、一般式(C)において、R1が炭素数16の炭化水素基であり、R2がメチル基であり、R3がメチル基であり、Xが塩素である化合物である。
C−6:オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド(東京化成工業製)。C−6は、一般式(C)において、R1が炭素数18の炭化水素基であり、R2がメチル基であり、R3がメチル基であり、Xが塩素である化合物である。一般式(C)におけるR1の要件(炭素数4〜16)を満たさない点で、C−6は比較例として使用した。
以下のD−1〜D−3を使用した。
D−1:GREEN BREEZE CAPS:GIVAUDAN社製。
D−2:ORCHARD GARDEN CAPS:GIVAUDAN社製。
D−3:RAINBOW CAPS:GIVAUDAN社製。
D−1、D−2及びD−3のいずれも、香料組成物を芯物質とし、メラミン−ホルムアルデヒド系樹脂をカプセル壁とするカプセル化香料である。
以下のE−1〜E−4を使用した。
E−1:両性界面活性剤(特開2009−57656号公報の表3のC−1として記載の化合物)。E−1は、一般式(E1−1)で表される化合物である。
E−2:両性界面活性剤(特開2009−57656公報の表3のC−2として記載の化合物)。E−2は、一般式(E1−2)で表される化合物である。
E−3:両性界面活性剤(特開2009−57656公報の表3のC−3として記載の化合物)。E−3は、一般式(E1−3)で表される化合物である。
E−4:オレイル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム(川研ファインケミカル社製、商品名ソフタゾリンOSF)。
以下のF−1又はF−2を使用した。
F−1:
ノニオン界面活性剤:ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテルEO60モル(BASF社製ルテンゾールTO3にエチレンオキサイドを付加させたもの(EO60モルは、エチレンオキサイドの平均付加モル数が60であることを示す))。配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して3質量%であった。
水溶性溶剤:95%合成エタノール(純正化学)。配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して2質量%であった。
防腐剤:イソチアゾロン液(ダウケミカル社製 商品名:ケーソンCG−ICP)。配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して100ppm(0.01質量%)であった。
粘度コントロール剤:塩化カルシウム((株)トクヤマ製、商品名:粒状塩化カルシウム)。配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.05質量%であった。
抗菌剤:ポリヘキサメチレンビグアニド(ロンザ・ジャパン社製、商品名:プロキセルIB)。配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.02質量%であった。
F−2:
ノニオン界面活性剤:ポリオキシエチレンラウリルエーテルEO20モル(日本エマルジョン社製、商品名エマレックス720。ラウリルアルコールの平均20モル付加物)。配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して3質量%であった。
水溶性溶剤:95%合成エタノール(純正化学)。配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して2質量%であった。
防腐剤:イソチアゾロン液(ダウケミカル社製 商品名:ケーソンCG−ICP)。配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して100ppm(0.01質量%)であった。
粘度コントロール剤:塩化カルシウム((株)トクヤマ製、商品名:粒状塩化カルシウム)。配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.05質量%であった。
抗菌剤:ポリヘキサメチレンビグアニド(ロンザ・ジャパン社製、商品名:プロキセルIB)。配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.02質量%であった。
内径100mm、高さ150mmのガラス容器と、攪拌機(アジターSJ型、島津製作所製)を用い、各成分の配合量を、表1に記載の通りに調整して、次の手順により柔軟剤組成物を調製した。表1中、(A)、(B)、(C)及び(E)の各成分の数値は、液体柔軟剤組成物の総質量に対する配合量(質量%)である。(D)成分の数値は、液体柔軟剤組成物の総質量に対する、香料としての配合量(質量%)である。
また、表1中、「(B)/(C)」は(C)成分に対する(B)成分の質量比を示し、「(C)/(D)」は(D)成分に対する(C)成分の質量比を示し、「(C)/(E)」は(E)成分に対する(C)成分の質量比を示す。
まず、(A)成分及び(B)成分と、(E)成分、ノニオン界面活性剤及び水溶性溶剤とを混合攪拌して、油相混合物を得た。一方、防腐剤をバランス用イオン交換水に溶解させて水相混合物を得た。ここで、バランス用イオン交換水の質量は、980gから油相混合物と防腐剤との合計量を差し引いた残部に相当した。
次に、(A)成分の融点以上に加温した油相混合物をガラス容器に収納して攪拌しながら、(A)成分の融点以上に加温した水相混合物を2度に分割して添加し、攪拌した。ここで、水相混合物の分割比率は30:70(質量比)とし、攪拌は回転速度1,000rpmで、1回目の水相混合物添加後に3分間、2回目の水相混合物添加後に2分間行った。得られた乳化物へ、(C)成分と(D)成分とを添加し、粘度コントロール剤と抗菌剤を添加し、必要に応じて、塩酸(試薬1mol/L、関東化学)又は水酸化ナトリウム(試薬1mol/L、関東化学)を適量添加してpH2.5(25℃)に調整し、更に全体質量が1,000gになるようにイオン交換水を添加して、目的の液体柔軟剤組成物を得た。
得られた各液体柔軟剤組成物の「香り持続性」、「凍結復元性」及び「(D)成分の分散性」を以下の手順で評価した。
香り持続性の評価
1.評価用布の前処理
前処理として、市販の綿タオル(東進社製)を、市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン社製)で、二槽式洗濯機(東芝製VH−30S)を用いて、以下の前処理を3回行った。
前処理:洗剤標準使用量、浴比30倍、45℃の水道水での洗浄10分間と、続く注水すすぎ10分間とのサイクルを2回。
2.洗濯時すすぎ工程における液体柔軟剤組成物による処理
前処理洗浄した綿タオル(東進社製)1.0kgを、二槽式洗濯機(東芝製VH−30S)を用いて、市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン社製)で10分間洗浄し(標準使用量、標準コース、浴比30倍、25℃の水道水使用)、その後、1分間の脱水を行い、次いで1回目のすすぎを3分間行った。1回目のすすぎの後、1分間の脱水を行い、次いで2回目のすすぎを3分間行った。この2回目のすすぎの開始時に、上記の各例で得た液体柔軟剤組成物を添加して、3分間の柔軟処理(液体柔軟剤組成物6.67mL、浴比20倍、25℃の水道水使用)を行った。柔軟処理後、脱水を1分間行った。
処理後、二槽式洗濯機から綿タオルを取出し、20℃、40%RHの恒温恒湿条件下で18時間乾燥させ、下記に示す評価に供した。
3.処理布の香り持続性の評価
乾燥後、20℃、40RHの条件下で5日間保管した後の処理布(綿タオル)の香気強度を、下記の6段階臭気強度表示法に準拠して官能評価した。専門パネラー8人の平均点(小数点第1位まで算出)により、下記判定基準で香り持続性を判定した。商品価値上、○以上を合格とした。結果を表1−1及び表1−2の「香り持続性」の欄に示す。
<6段階臭気強度表示法>
0:無臭
1:やっと検知できる程度の香り
2:何の香りか分かる程度の香り
3:楽に感知できる香り
4:強い香り
5:強烈な香り
<判定基準>
◎◎◎:3.0点以上
◎◎:2.9〜2.5点
◎:2.4〜2.0点
○:1.9〜1.5点
△:1.4〜1.0点
×:0.9点以下
各液体柔軟剤組成物を軽量ガラスビン(PS−No.11、田沼硝子工業所製)に80mL入れて密栓したものを評価用サンプルとし、以下の耐久試験を行った。
サンプルを−15℃で40時間保持(凍結)し、その後、25℃で8時間保持(溶解)するサイクルを3回繰り返した。
耐久試験後のサンプルについて、25℃における液状態を目視で観察し、下記評価基準により評価した。専門パネラー8人の平均点(小数点第1位まで算出)により、下記の判定基準で凍結復元性を判定した。商品価値上、△以上を合格とした。結果を表1−1及び表1−2の「凍結復元性」の欄に示す。
<評価基準>
5:流動性が充分にあり、かつ、耐久試験前と比較して変化がほとんど認められない
4:耐久試験前と比較して粘度の上昇が認められるが、流動性は充分にある
3:耐久試験前と比較して粘度の上昇が認められるが、流動性は認められる
2:耐久試験前と比較して粘度が上昇し、あまり流動性がない
1:耐久試験前と比較して粘度が著しく上昇し、ほとんど流動性がない
0:耐久試験前と比較して粘度が著しく上昇し、流動性が全くない
<判定基準>
◎◎◎:4.0点以上
◎◎:3.5〜3.9点
◎:3.0〜3.4点
○:2.5〜2.9点
△:2.0〜2.4点
×:1.9点以下
各液体柔軟剤組成物を軽量PSガラスビン(PS−No.11、田沼硝子工業所製)に80mL入れて密栓したものを評価用サンプルとし、以下の分散性評価を行った。
(D)成分の分散性を、下記の評価基準に従い目視評価した。専門パネラー8人の平均点(小数点第1位まで算出)により、下記判定基準で(D)成分の分散性を判定した。商品価値上、△以上を合格とした。結果を表1−1及び表1−2の「(D)成分の分散性」の欄に示す。
<評価基準>
4:保存前のサンプルと同等と認められるもの
3:わずかに浮遊が認められるもの
2:浮遊が認められるが、軽い振とうにより容易に再分散するもの
1:浮遊が認められ、ガラスビンへの付着もあり軽い振とうでは再分散が困難なもの
<判定基準>
◎◎◎:3.5点以上
◎◎:3.0〜3.4点
◎:2.5〜2.9点
○:2.0〜2.4点
△:1.5〜1.9点
×:1.4点以下
Claims (9)
- (C)成分に対する(B)成分の質量比((B)/(C))が0.2〜5である、請求項1に記載の液体柔軟剤組成物。
- (D)成分に対する(C)成分の質量比((C)/(D))が2〜15である、請求項1又は2に記載の液体柔軟剤組成物。
- (B)成分が、アルデヒド類の香料成分、ケトン類の香料成分、及び、ハイドロカーボン類の香料成分を含有する香料組成物である、請求項1〜3のいずれかに記載の液体柔軟剤組成物。
- 一般式(C)において、R1が炭素数10〜14の炭化水素基である、請求項1〜4のいずれかに記載の液体柔軟剤組成物。
- (A)成分の配合量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して5〜15質量%である、請求項1〜5のいずれかに記載の液体柔軟剤組成物。
- (C)成分の配合量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.8〜2質量%である、請求項1〜6のいずれかに記載の液体柔軟剤組成物。
- 更に、(E)両性界面活性剤を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の液体柔軟剤組成物。
- (E)成分がスルホベタインである、請求項8に記載の液体柔軟剤組成物。
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