JP2015003463A - 印刷が施されてなる積層不織布 - Google Patents
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Abstract
【課題】 不織布が有する独特の表面形態や繊維製品の柔らかな感触、繊維の素材感を保持しながら、意匠性も併せ持つ不織布を提供することを課題とする。
【解決手段】 木綿繊維によって構成された木綿不織布の表面側に、目付20g/m2以上の熱可塑性合成繊維不織布が積層されてなり、
前記木綿不織布は、構成繊維同士が三次元的に交絡することにより形態保持してなり、
前記熱可塑性合成繊維不織布の片面に、顔料による印刷が施されており、かつ該印刷は、熱可塑性合成繊維不織布の印刷面側に印刷用の表面処理が施されることなく、熱可塑性合成繊維不織布に直接印刷がなされたものであることを特徴とする印刷が施されてなる積層不織布。
【選択図】 なし
【解決手段】 木綿繊維によって構成された木綿不織布の表面側に、目付20g/m2以上の熱可塑性合成繊維不織布が積層されてなり、
前記木綿不織布は、構成繊維同士が三次元的に交絡することにより形態保持してなり、
前記熱可塑性合成繊維不織布の片面に、顔料による印刷が施されており、かつ該印刷は、熱可塑性合成繊維不織布の印刷面側に印刷用の表面処理が施されることなく、熱可塑性合成繊維不織布に直接印刷がなされたものであることを特徴とする印刷が施されてなる積層不織布。
【選択図】 なし
Description
本発明は、印刷が施されてなる不織布に関するものである。
印刷される基材(被印刷物)は、表面が平滑であることを要するため、基材の多くは紙である。しかしながら、紙は、強度の点で限界があるため、長繊維が堆積してなる長繊維不織布を印刷の基材として用いることもある。
不織布は、繊維が堆積してなるものであり、繊維径による凹凸が必ず存在するため、その状態で印刷基材として用いることはできない。なぜなら、表面が平滑ではなく凹凸が存在するため、デザインや文字の線が正確に印刷されず鮮明性に劣るからである。そのため、不織布等の布帛に印刷する場合は、印刷面に目止め層を設けることにより表面を平滑にし、さらにインキ定着層を設けて印刷がなされている。また、特許文献1には、未延伸ポリエチレンテレフタレート長繊維不織布を用いて、全面に熱圧着を施すことにより、繊維の凹凸をなくして表面平滑にして、目止め層を設けることなくインキ定着層を付与して印刷基材とする方法が提案されている。
しかしながら、凹凸をなくすために樹脂コーティングによる目止め層を設ける方法や、特許文献1記載のように不織布全面に熱圧着を施して表面平滑にする方法では、不織布独特の繊維の風合いや柔軟性、表面外観が失われてしまい、繊維独特の暖かみのある素材感がなくなってしまう。
本発明は、不織布が有する独特の表面形態や繊維製品の柔らかな感触、繊維の素材感を保持しながら、意匠性も併せ持つ不織布を提供することを課題とする。
本発明の上記課題を達成するものであって、木綿繊維によって構成された木綿不織布の表面側に、目付20g/m2以上の熱可塑性合成繊維不織布が積層されてなり、
前記木綿不織布は、構成繊維同士が三次元的に交絡することにより形態保持してなり、
前記熱可塑性合成繊維不織布の片面に、顔料による印刷が施されており、かつ該印刷は、熱可塑性合成繊維不織布の印刷面側に印刷用の表面処理が施されることなく、熱可塑性合成繊維不織布に直接印刷がなされたものであることを特徴とする印刷が施されてなる積層不織布を要旨とするものである。
前記木綿不織布は、構成繊維同士が三次元的に交絡することにより形態保持してなり、
前記熱可塑性合成繊維不織布の片面に、顔料による印刷が施されており、かつ該印刷は、熱可塑性合成繊維不織布の印刷面側に印刷用の表面処理が施されることなく、熱可塑性合成繊維不織布に直接印刷がなされたものであることを特徴とする印刷が施されてなる積層不織布を要旨とするものである。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明の積層不織布は、木綿繊維によって構成された木綿不織布と熱可塑性合成繊維不織布とが積層されてなる。
木綿不織布を構成する木綿繊維は、晒し加工の施されていないコーマ糸、晒し加工の施された晒し綿、または織物や編物から得られた反毛等のいずれのものを用いてもよい。また、木綿繊維の繊維長は、一般的に使用されているものでよく、具体的には10〜50mm程度のものである。なお、本発明に用いる木綿不織布には、強力や伸度等の機械物性やその他の不織布物性を所望のものとするため、あるいは、抗菌、防臭、難燃等の機能性を付与することを目的として、木綿繊維以外の繊維を混合してもよい。また、所望の機能性を付与するために界面活性剤や機能性粒子等を付与してもよい。
木綿不織布は、構成繊維同士が三次元的に交絡することにより形態保持している。三次元的に交絡する手段としては、ニードルパンチ処理、高圧液体流処理(スパンレース処理)が挙げられる。本発明においては、構成繊維同士の交絡度合がより緻密であり、柔軟性が良好であることから、高圧液体流処理を施すことにより得られる不織布が好ましい。高圧液体流処理を施す際に、孔開き支持体を用いるが、この孔開き支持体として粗目織物を用いる場合の織物の目開きは、18〜100メッシュ程度のものを用いるとよい。18〜30メッシュ程度の比較的大きい目開きの粗目織物の場合は、支持体のナックルや孔の形状に応じて、得られる不織布に明瞭な孔や凹凸模様が付与される。一方、70〜100メッシュ程度の比較的小さい目開きの粗目織物の場合は、支持体の形状が多少付与されるものの細かいために、比較的、表面が平滑な不織布が得られる。
木綿不織布の目付は、本発明の積層不織布の用途に応じて適宜選択すればよい。一般に30〜250g/m2程度がよい。特に、目付80g/m2以上とすることにより、適度な厚みを有するものとなり、適度なクッション性、吸湿性、吸音性を発揮することができる。なお、250g/m2を超えると、厚みが大きくなりすぎるため、取り扱い性が低下し、木綿不織布内部にて層間剥離等が生じやすくなる傾向にある。
木綿不織布は、公知の方法により得ることができる。例えば、以下のように製造する。まず、多数の木綿繊維が堆積してなる不織ウェブを準備するが、カード機の進行方向に配列したパラレルウェブ、パラレルウェブのクロスレイドされたウェブ、ランダムに配列したランダムウェブあるいは中程度に配列したセミランダムウェブのいずれであってもよい。次いで、不織ウェブに高圧液体流処理を施すために、開孔を有する支持体上に不織ウェブを担持させる。開孔を有する支持体とは、噴射される高圧水流を排出しうる開孔を多数備えるものであり、具体的には、粗目織物が用いられ、織物の目が孔となり、経糸および緯糸の交点が凸部(ナックル)となるものである。粗目織物としては、経糸および緯糸として金属線または太繊度の合成樹脂製フィラメント等を用いて、平織組織または綾織組織、杉綾織組織等の任意の織組織で製織されたものが採用される。また、粗目織物の目の大きさは上記したように任意である。
開孔を有する支持体に担持した不織ウェブに向けて、高圧液体流を噴射する。この高圧液体流は、孔径0.05〜2.0mmの噴射孔が、0.05〜10mmの間隔で一列または複数列配置されている噴射装置を用い、高圧液体流が不織ウェブに直接当たるようにする。高圧液体流は、噴射ノズルから高圧で水を噴射すれば、容易に得ることができる。噴射圧力としては、3〜10MPa程度がよい。噴射圧力が3MPa以上とすることにより、得られる木綿不織布は実用的な引張強度を保持できるものとなり、また良好な形態安定性を持つことができる程度に構成繊維間に十分な交絡を施すことが可能となる。また、噴射圧力を10MPa以下とすることにより、構成繊維間の交絡が緊密でかつ強固になりすぎず、程良いクッション性が付与される。高圧液体流は、不織ウェブに一回または複数回施してもよく、また、不織ウェブの表裏からそれぞれ一回または複数回を施してもよい。
本発明の積層不織布は、前記木綿不織布の表面側に、目付20g/m2以上の熱可塑性合成繊維不織布(以下、「合成繊維不織布」ということもある。)が積層されている。熱可塑性合成繊維不織布は、積層不織布の表側に位置するものであり、人の目につく側に位置し、意匠性を担う働きをする。また、木綿不織布の表面を保護する役割も担い、木綿不織布表面が摩耗により毛羽立つことを防止し、また、埃等の汚れが付着しにくくし、美観を維持することができる。合成繊維不織布は、繊維端のない連続してなる長繊維から構成されるものであっても、一定の繊維長を有する短繊維から構成されるものであってもよいが、耐摩耗性や機械的強度が優れることから、長繊維不織布を好ましく用いることができる。不織布としては、多数の繊維が堆積してなり、部分的に熱と圧力が付与されることにより構成繊維同士が一体化してなる不織布、いわゆる熱エンボス加工が施されてなる不織布を好ましく用いることができる。なお、不織布の全面に熱カレンダー処理が施され、不織布表面に存在する繊維を熱と圧力により変形させて、不織布表面を鏡面加工された不織布は、繊維独特の暖かみや風合いが失われる傾向にあるため本発明の目的を達成するものではなく、本発明においては、不織布表面に存在する繊維が、繊維形態を維持し、熱による鏡面加工が施されてないものを用いる。なお、熱可塑性合成繊維不織布の目付の上限は、特に限定しないが100g/m2程度がよい。
合成繊維不織布を構成する熱可塑性合成繊維としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維が挙げられるが、耐摩耗性や強度に優れることから、ポリエステル繊維を好ましく用いることができる。
本発明においては、熱可塑性合成繊維不織布として、なかでも、延伸熱可塑性長繊維によって構成されたものであり、該繊維は軸方向が縦方向となるように実質的に配列してなる不織ウェブと軸方向が横方向となるように実質的に配列してなる不織ウェブとが積層して一体化したものを用いることが好ましい。このような長繊維不織布としては、JX日鉱日石エネルギー社製のミライフ(登録商標)TYグレードなる名前で市販されているポリエステル系の長繊維不織布を用いることが好ましい。この長繊維不織布は、繊維が縦方向と横方向との二方向に実質的に配列してなるものであることから、視覚的に織物ライクなものであり、意匠性により優れる。
本発明においては、熱可塑性合成繊維不織布の片面に、顔料による印刷が施されている。印刷は、意匠性を考慮した各種模様や絵柄等のデザインであっても、文字や商標等が印刷されたものであっても、どのようなものでもよい。
従来から、一般に、印刷される基材(被印刷物)は、表面が平滑であることが要される。表面が平滑でなく、凹凸が存在すると、デザインや文字の線が明瞭に印刷できず鮮明性に劣ってしまい、所望の印刷を施すことができないからである。また、被印刷物が不織布の場合は、不織布が多数の繊維を堆積したものであるため、どれほど均一に堆積させたとしても、不織布表面には、構成繊維の繊維径による凹凸が生じることは避けられず、さらには、不織布表面に繊維が毛羽として発生することもあるため、通常、不織布の印刷面には印刷用の表面処理、すなわち、表面平滑にするために目止め層(アンダーコート層)を設けて印刷する、あるいは、目止め層の上にさらにインキ定着層を設けて印刷することが行われている。本発明においては、表面に繊維による凹凸や毛羽を有するような不織布に印刷するものであるが、目止め層を設ける等の印刷用の表面処理を施すことなく、熱可塑性合成繊維不織布の上に直接印刷を施す。直接印刷を施すことにより、不織布の本来の風合いや柔軟性、繊維独特の温かみのある表面観を保持することができるのである。
本発明においては、合成繊維不織布の上に直接印刷を施すが、インクジェット捺染方式による印刷を採用する。具体的には、長瀬産業社のデジタル捺染システム「DENATEX(デナテックス)」を採用し、合成繊維不織布の表面に印刷用の表面処理を施さず、不織布に直接印刷を行う。このデジタル捺染システムによれば、後処理として必須であった蒸気処理や水洗処理も不要となる。よって、合成繊維不織布表面に、直接、印刷した後、熱処理をするだけで不織布の風合いを維持した状態で、鮮明な柄や文字を捺染することができる。また、被印刷物の表面に凹凸を有している場合であっても、鮮明な印刷が可能である。印刷する合成繊維不織布として、熱エンボス加工にて付与されたエンボス部が存在しても鮮明な印刷を施すことができ、印刷する柄を適宜選定することによって、不織布に付与されたエンボス模様と印刷柄とが相互作用して優れた意匠性を呈するものが得られる。
印刷方法として、具体的には、長瀬産業社のデジタル捺染システム「DENATEX(デナテックス)」を用いて、所望のデジタル画像をインクジェット捺染方式で、合成繊維不織布表面に直接印刷し、その後、インクの定着と発色をより鮮明にするために、乾燥機にて乾燥する。乾燥機は、ピンテンター付き乾燥機、加熱ロール接触型の乾燥機等、一般に不織布の乾燥目的で使用されている設備を使用すればよい。乾燥温度としては、インク定着と発色をさせるために、120℃〜150℃の範囲がよい。
印刷が施された熱可塑性合成繊維不織布は、上記した木綿不織布と積層して積層不織布とするが、積層不織布を使用するにあたって、熱可塑性合成繊維不織布が表面となるにように使用するものである。積層する際には、合成繊維不織布の印刷面は、積層不織布の表側に位置するように積層してもよい。あるいは、合成繊維不織布の印刷面が、木綿不織布側に位置するように積層してもよい。印刷面が、木綿不織布側に位置するように積層した場合、印刷が施されてない合成繊維不織布面側を通して、印刷柄や印刷デザインを確認することとなり、印刷模様が透かし模様のごとく優しい印象を与え、良好な美観を呈するものとなる。また、印刷面が使用での表面摩擦等を受けることがなく、長期に亘って美観を呈することができる。合成繊維不織布の印刷面が木綿不織布側に位置するように積層して積層不織布を得る場合、熱可塑性合成繊維不織布の目付は、30〜60g/m2がよい。目付の上限が60g/m2を超えると、合成繊維不織布の厚みが増すため、印刷面の反対面側から印刷模様や印刷文字等を確認するにあたり、模様等が確認しにくくなるからである。なお、この場合の印刷柄は、裏側から見た状態となるように印刷を施す必要があることは言うまでもなく、文字等を印刷する場合は、逆印刷することを要する。
本発明の積層不織布は、適宜の手段により、前記した木綿不織布と熱可塑性合成繊維不織布とを積層すればよい。例えば、接着剤を介して積層することが挙げられる。このとき、木綿不織布や合成繊維不織布の風合いや繊維製品独特の通気性等を損ねないためには、部分的に接着することが好ましい。接着剤としては、熱を付与することにより溶融するホットメルト系の接着剤を好ましく用いることができ、ホットメルトパウダー、ホットメルト繊維、ホットメルトシートが挙げられる。また、熱可塑性樹脂が微粒子となって水系媒体に分散してなる水性接着剤を用いることもできる。このようなホットメルト系の熱可塑性樹脂としては、低融点ポリエステル、低融点ポリアミド、またはポリオレフィン等が挙げられる。接着剤の付与量は、5〜40g/m2程度がよい。接着剤の量が少ない場合は、接着強度が低く剥離しやすくなり、一方、接着剤の量が多すぎると、得られる積層不織布の柔軟性が低下し、風合いが損なわれ、また、表面の長繊維不織布の表側にまで、接着剤が染み出す恐れもある。ホットメルト系の接着剤を用いたときの加熱手段としては、従来公知のものを用いればよく、熱風循環装置、熱カレンダー、熱ロール、熱板等が挙げられ、適宜選択すればよい。なお、熱カレンダーのように熱と圧力とを同時に加える方法は、木綿不織布が保有する空隙が加圧により押し潰されて不織布の風合いが保持できない場合があるので、低圧にて処理することが好ましい。熱風循環装置での加熱処理や熱ロールや熱板に沿わせて加熱処理した後に、一対のロール間に通して軽く押さえることにより、接着強度を上げることもできる。この場合の線圧は、木綿不織布の空隙の保持や、接着剤の浸み出し防止を考慮すると、1kg/cm以下がよい。
また、積層一体化する方法としては、接着剤以外の方法として、縫合手段や所定形状の型枠を用いて一体化したものであってもよい。すなわち、積層不織布の用途に応じた適宜の大きさに裁断した木綿不織布と合成繊維不織布とを重ねて、少なくとも端部を縫合して積層一体化してもよい。適宜の大きさに裁断した木綿不織布と合成繊維不織布とを、所定の形状の型枠(フレーム等)に嵌め込んで積層一体化してもよい。また、木綿不織布と合成繊維不織布とを、キルティング加工のごとく、一定の間隔をおいて全面を縫合することにより、一体化してもよい。
なお、木綿不織布と合成繊維不織布とを積層するにあたっては、上記したように、合成繊維不織布に印刷が施された面側が積層不織布の表側となるように木綿不織布と積層してもよいし、また、合成繊維不織布の印刷が施された印刷面側が木綿不織布側に位置するように積層して、印刷が施された面と反対側の面を表側として用いるように積層してもよい。
本発明の積層不織布は、熱可塑性合成繊維不織布の表面形態を維持しながら、印刷が付与されて、繊維製品独自の風合いを維持した状態で印刷模様による意匠性が付与されたものであり、また、その裏面に木綿不織布を積層することにより、クッション性等の機能性も付与されたものである。本発明の積層不織布は、従来、繊維製品が用いられた様々な分野にて用いることができる。特に美観性や意匠性が向上するため、カーテン、間仕切りカーテン、ブラインドカーテン、パーテーションボード、壁材、天井材、椅子やソファーの部材、テーブルクロス、各種マットやカバー類等の人の居住空間である住まいやオフィス、公共の建物内、車両や船舶等の乗り物等内装材、屋内装置品の表装材等に好ましく使用することができる。
本発明によれば、熱可塑性合成繊維不織布表面に印刷用の表面処理を施すことなく、直接印刷したものであるため、不織布独特の風合いが保持され、また、裏面には木綿不織布積層した積層不織布であることから、さらに機能性も向上する。
以下、本発明について、実施例に基づき詳細に説明する。
実施例
木綿不織布として、木綿繊維のみから構成され高圧液体流処理が施されてなる目付150g/m2のスパンレース不織布(C150S/A07、ユニチカ社製)を用意した。この不織布は、高圧液体流処理の際に、90メッシュの粗目織物を用いて得られたものである。
実施例
木綿不織布として、木綿繊維のみから構成され高圧液体流処理が施されてなる目付150g/m2のスパンレース不織布(C150S/A07、ユニチカ社製)を用意した。この不織布は、高圧液体流処理の際に、90メッシュの粗目織物を用いて得られたものである。
熱可塑性合成繊維不織布として、ポリエステルからなる延伸熱可塑性長繊維が、軸方向が縦方向となるように実質的に配列してなる不織ウエブ(目付20g/m2)と、軸方向が横方向となるように実質的に配列してなる不織ウエブ(目付20g/m2)とが積層一体化してなる直交積層不織布(JX日鉱日石エネルギー社製 商品名「ミライフ TY2020FE」)を用意した。
この熱可塑性合成繊維不織布に、長瀬産業社のデジタル捺染システム「DENATEX インク搭載インクジェットプリンター(DENATEX-IJ)」を用いて、幾何学模様がデザインされた模様のデジタル画像を印刷した。その後、150℃にて熱風処理を行った。この熱処理は、印刷顔料の定着と発色促進を目的とするものである。これにより、不織布表面上に鮮明な模様が印刷された合成繊維不織布を得た。
接着剤としては、低融点ポリアミド製ホットメルトシート(呉羽テック社製 商品名「ダイナックシート PA250」融点120℃ 目付20g/m2)を用意した。
合成繊維不織布/接着シート/木綿不織布の順に積層し、合成繊維不織布側が加熱側となるように積層体を送り出し、温度150℃の加熱板上を通過させて熱処理を施し、次いでゴムロールで加圧(線圧1kg/cm)して熱接着することにより各層同士を接着して一体化した。なお、積層する際には、合成繊維不織布の印刷面が接着シート側に接し、木綿不織布側に位置するように積層し、本発明の積層不織布を得た。
得られた積層不織布は、合成繊維不織布に付与された模様が、合成繊維不織布の印刷を施していない面を通して確認することができ、模様は透かし模様のごとく優しい印象を与え、良好な美観を呈する意匠的にも優れたものであるとともに、裏面に木綿不織布を積層しているためクッション性を有する風合いの良好なものであった。
Claims (5)
- 木綿繊維によって構成された木綿不織布の表面側に、目付20g/m2以上の熱可塑性合成繊維不織布が積層されてなり、
前記木綿不織布は、構成繊維同士が三次元的に交絡することにより形態保持してなり、
前記熱可塑性合成繊維不織布の片面に、顔料による印刷が施されており、かつ該印刷は、熱可塑性合成繊維不織布の印刷面側に印刷用の表面処理が施されることなく、熱可塑性合成繊維不織布に直接印刷がなされたものであることを特徴とする印刷が施されてなる積層不織布。 - 熱可塑性合成繊維不織布の片面に施された印刷が、インクジェット捺染方式による印刷であることを特徴とする請求項1記載の積層不織布。
- 木綿不織布が、高圧液体流処理が施されることによって、構成繊維同士が三次元的に交絡していることを特徴とする請求項1または2記載の積層不織布。
- 熱可塑性合成繊維不織布の目付が20g/m2以上60g/m2以下であり、熱可塑性合成繊維不織布に施された印刷面側が、木綿不織布側に位置するように積層され、印刷が施された面と反対側の面を表側の面として用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の積層不織布。
- 熱可塑性合成繊維不織布が、長繊維不織布であって、延伸熱可塑性長繊維によって構成されたものであり、該長繊維は軸方向が縦方向となるように実質的に配列してなる不織ウェブと軸方向が横方向となるように実質的に配列してなる不織ウェブとが積層一体化したものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の積層不織布。
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