JP2015000467A - ボールエンドミル - Google Patents

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【課題】金型などの平面及び傾斜壁面の仕上げ加工に適したボールエンドミルを提供する。【解決手段】回転軸線回りに回転方向Rで回転されるエンドミル本体の先端部に、エンドミル本体の平面視でエンドミル本体の先端部から最外周部へ延びる円弧状切れ刃を備え、この円弧状切れ刃は、回転軸線方向からの正面視でS字形状をなしているボールエンドミルであって、回転軸線と円弧状切れ刃の円弧中心点から円弧状切れ刃に向かって放射状に延びる放射直線とがなす角度を放射角度と定義したとき、放射角度が5?における放射方向すくい角をα、放射角度が90?における放射方向すくい角をβ、S字形状をなす円弧状切れ刃が回転方向Rの前方側に最も突出する位置となる最突出部における放射方向すくい角をγとしたときに、放射方向すくい角α、β、及びγはいずれも負角に設定され、各すくい角の絶対値は、|γ|≰|α|<|β|、となるように設定されている。【選択図】 図6

Description

本発明は、被削材に3次元の仕上げ加工を行うために、工具本体の先端部に円弧状の切れ刃を備えたボールエンドミル、特に刃先交換式のボールエンドミルに関するものである。
金型などを製造する加工工程において、被削材に平面及び曲面を含む3次元加工を行うためのフライス加工工具として従来からボールエンドミルが使用されている。ボールエンドミルを用いて被削材に3次元加工を行うときに、切削加工に寄与する円弧状の切れ刃(ボール刃)は、工具本体の先端部に位置する切れ刃を含め広範囲の領域にわたる。工具本体の回転軸線及びその近傍の切れ刃の回転速度は0または0に極めて近くなるので、平面加工を行うときには、回転軸線近傍の切れ刃には大きな切削加工負荷が作用する。このため、回転軸線近傍の切れ刃にはチッピングや欠損が発生し易くなり、その結果、被削材の加工面の表面粗さが劣化する。また、ボールエンドミルを用いて被削材に3次元の加工を行う場合、特に傾斜面や立ち壁の加工を行う場合には、工具本体の回転軸線近傍から離れた外周側に近い位置にある切れ刃を用いた加工が実施される。
ボールエンドミルを用いて被削材に3次元の仕上げ加工を行う場合には、仕上げ加工面の表面粗さを良好にするために、ビビリ振動の発生を抑制するとともに、切屑の排出性を向上させて、切れ刃にチッピングや欠損が発生しないようにする必要がある。このためには、ボールエンドミルが備えているボール刃となる円弧状の切れ刃の全領域についてその切れ刃の構成、特に、円弧状の切れ刃についてそのすくい角を如何に設定するかが重要な課題になる。
従来からボールエンドミルの上記した課題を改善するために、円弧状の切れ刃のすくい角の構成に関する発明が提案されている。例えば、下記の特許文献1〜5に記載の発明が提案されている。
特許文献1(特開平10−80815号公報)には、金型などの3次元曲面加工に適するボールエンドミルに関する発明が提案されている。特許文献1に記載の発明は、ボール刃の円弧中心点から放射方向の断面におけるすくい角を、外周切れ刃近傍においては切れ刃強度を強化するために負の値(−2°〜−20°)に設定し、ノーズ近傍(工具軸心近傍)においては切屑排出性を良くするために0または正の値(0°〜+10°)に設定したボールエンドミルである。
特許文献2(特開2008−110437号公報)には、ボール刃全体のチッピングを抑制し、長寿命なCBNボールエンドミルに関する発明が提案されている。特許文献2に記載の発明は、ボール刃と外周刃とを設け、このボール刃の法線方向すくい角は、R10度で−5度〜−15度、R50度〜R70度で−5度〜+3度、且つ、ピークを示し、R90度で−10度〜0度とし、さらにこのすくい角を、R10度よりR50度〜R70度に向け漸次プラス方向に、ピークよりR90度に向け漸次マイナス方向に設けたCBN製ボールエンドミルである。
また、特許文献2の段落0006には、法線方向すくい角は、R10度で−5度〜−15度に設けることにより、ボール刃の強度を高め、回転中心軸方向の切削抵抗がボール刃に大きく作用した場合でもチッピングや欠損に耐えることができる。さらに、法線方向すくい角をピークの位置よりR90度へ向かって漸次マイナス方向に設けることにより、切削速度が最も高く、エンドミルの振動の影響を最も受ける外周側のボール刃の強度を高め、チッピングを抑制できる、ことが記載されている。
特許文献3(特開2004−181563号公報)には、強度と切屑排出性を向上させたボールエンドミルに関する発明が提案されている。特許文献3に記載の発明は、エンドミルの中心部にボール刃と連続してボール刃のすくい面同士で形成された中心刃を有し、ボール刃の逃げ面と中心刃の逃げ面の境界に段差を有し、ボール刃の逃げ角が中心刃の逃げ角より小さくしたボールエンドミルである。
また、特許文献3の請求項4には、ボール刃の法線方向のすくい角がエンドミル中心から外周方向に漸次正側に大きくした構成を備えていることが記載されている。さらに、段落0006には、「ボール刃については、ボール刃の逃げ角が中心刃の逃げ角より小さくしたことから、切れ刃強度が得られるため、ボール刃の法線方向のすくい角をエンドミル中心から外周方向に漸次正側に大きくすることができ、ボール刃における切削性や切り屑の排出性を向上することができる」と記載されている。さらに、段落0007には実施例1として、「ボール刃2の法線方向のすくい角を−45°〜−10°に中心から外周方向に漸次正側に大きくしている。」ことが記載されている。
特許文献4(特開2010−105092号公報)、特許文献5(特開2010−105093号公報)には、切れ刃の強度向上と、円滑な切削及び切屑の円滑な排出の効果を高めたボールエンドミルに関する発明が提案されている。特許文献4、5に記載の発明は、ボール刃の円弧中心から放射方向の断面におけるすくい角γが、−10度〜0度の範囲で設定され、また、すくい角γの負の値は、ボール刃の先端及びそのボール刃の径方向外端から径方向中間地点に向かって増大させて、1/4円の略中間地点において最大に設定されたボールエンドミルである。
ここで、すくい角γの負の値が最大に設定されたとは、段落0029や図4の記載より、ボール刃の先端の位置では−3度、1/4円の略中間地点の位置では−5度、ボール刃の径方向外端の位置では−3度、に設定されていることから、すくい角γの負の値の絶対値が最大に設定されていることを意味しているといえる。これによって、切削速度の大きいボール刃の径方向中間地点付近を強化することで、切れ刃の強度を高め、また回転中心軸近傍のボール刃の先端の位置では、すくい角を大きくして切れ味低下を抑えて、切削性を確保していることが記載されている。
特開平10−80815号公報 特開2008−110437号公報 特開2004−181563号公報 特開2010−105092号公報 特開2010−105093号公報
上記特許文献1から特許文献5に記載されているボールエンドミルは、切屑排出性の向上、切れ刃の強度を向上させてチッピングや欠損の発生を防止するために、ボール刃となる円弧状切れ刃のすくい角となる放射(法線)方向すくい角は、円弧状切れ刃の最先端部(又は最外周部)において負の角度(負角)としたボールエンドミルか、又は最先端部や中間地点を正角とし、最外周部を負角としたボールエンドミルである。また、特許文献2、特許文献3、特許文献4及び特許文献5には、円弧状切れ刃の切れ刃領域において放射(法線)方向すくい角を変化させることも提案されている。
本発明の目的は、円弧状切れ刃を備えたボールエンドミルについて、この円弧状切れ刃が備えている放射(法線)方向すくい角、及び軸線方向すくい角を負の角度に設定し、円弧状切れ刃の切れ刃領域にわたって、漸次、適切に連続的に変化させることにより、高硬度な被削材による3次元の仕上げ加工を実施しても、切れ刃の食付き時の衝撃を緩和させ、切れ刃の強度を確保して耐欠損性を改善し、同時に切屑排出性も高めることによって、その加工面の表面粗さを良好にすることができるボールエンドミルを提供することにある。
本発明の請求項1に記載のボールエンドミルは、回転軸線回りに回転方向Rで回転されるエンドミル本体の先端部に、前記エンドミル本体の平面視で、前記エンドミル本体の最先端部から最外周部へ延びる円弧状切れ刃を備え、前記円弧状切れ刃は、前記回転軸線方向からの正面視でS字形状をなし、前記円弧状切れ刃は、前記回転方向Rの前方側に形成された前記円弧状切れ刃のすくい面を備えたボールエンドミルにおいて、前記円弧状切れ刃の放射方向すくい角は、前記円弧状切れ刃の円弧中心点から前記円弧状切れ刃に向かって放射状に延びる放射直線が、前記円弧状切れ刃と交差する位置において前記放射直線と前記円弧状切れ刃の前記すくい面とがなす角度と定義し、また、前記回転軸線を基準として、前記回転軸線と前記放射直線とがなす角度を放射角度と定義したとき、前記放射角度が5度(°)における前記放射方向すくい角をα、前記放射角度が90度(°)における前記放射方向すくい角をβ、前記S字形状をなす円弧状切れ刃が前記回転方向Rの前方側に最も突出する位置となる最突出部における前記放射方向すくい角をγとしたときに、 前記放射方向すくい角α、前記放射方向すくい角β、及び前記放射方向すくい角γはいずれも負角であり、前記放射方向すくい角α値、β値、γ値の絶対値を、それぞれ|α|、|β|、|γ|としたとき、|γ|≦|α|<|β|、となるように設定されていることを特徴としている。
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のボールエンドミルに係り、前記放射方向すくい角の絶対値は、前記円弧状切れ刃の前記最先端部から前記最突出部の間に最小値となる箇所が設定され、前記最小値は、前記放射角度が15度から30度の位置にあって、 前記放射方向すくい角の絶対値は、前記最突出部から前記最外周部にかけて連続的に増大するように設定されていることを特徴としている。
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のボールエンドミルに係り、前記放射方向すくい角α、前記放射方向すくい角β及び前記放射方向すくい角γは、−6°≦α≦−0.5°、−10°≦β≦−2°、−6°≦γ≦−0.5°、を満足するように設定されていることを特徴としている。
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のボールエンドミルに係り、前記放射角度が30°から47°となる前記円弧状切れ刃の位置に、前記最突出部が形成されていることを特徴としている。
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載のボールエンドミルに係り、前記最突出部を基準として、前記最突出部から前記最外周部近傍までの放射方向すくい角をθ1とし、前記最突出部から前記最先端部近傍までの放射方向すくい角をθ2としたときに、前記放射方向すくい角θ1値、θ2値の絶対値を、それぞれ|θ1|、|θ2|としたとき、|θ1|>|θ2|、を満足するように設定されていることを特徴としている。
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載のボールエンドミルに係り、前記ボールエンドミルの側面視において、前記円弧状切れ刃上の接線が前記回転軸線となす角度を軸方向すくい角としたときに、前記軸方向すくい角は、前記円弧状切れ刃の前記最先端部から前記最突出部に達するまでは負の値に設定され、前記最突出部を超えて前記最外周部までは正の値に設定されている、ことを特徴としている。
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1に記載のボールエンドミルに係り、前記ボールエンドミルは、前記エンドミル本体の先端部に、着脱自在の円弧状の切れ刃を有するインサートが装着され、前記ボールエンドミルの正面図において、前記インサートは、回転軸線対象の位置に少なくとも2つのクーラント用流路の出口を有し、前記クーラント用流路は、円弧状の切れ刃の逃げ面部から底側面部(5f)へ貫通し、前記エンドミル本体へ連通していること、を特徴としている。
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のボールエンドミルに係り、前記クーラント用流路は、回転軸線に対して傾斜角度を有していることを特徴としている。
本発明のボールエンドミルは次の3つの効果を備えている。
(1)円弧状切れ刃に形成している放射方向すくい角α、β及びγをいずれも負角とし、かつ、前記放射方向すくい角α値、β値、γ値の絶対値を、それぞれ|α|、|β|、|γ|としたとき、|γ|≦|α|<|β|となるように設定しているので、円弧状切れ刃の全切れ刃領域にわたって切れ刃強度が強化される。このため、硬さが45HRC以上の高硬度材料を被削材とした切削加工においても、切れ刃の耐欠損性が改善される。特に、外周切れ刃近傍は切れ刃強度が強化される。一方、工具軸心近傍においては切削抵抗の低減効果と切屑排出性を良くするための配慮がなされ、すくい角α値の絶対値は小さく設定している。その結果、ビビリ振動の発生も抑制されるので、主として被削材の3次元仕上げ加工に適した2枚刃からなるボールエンドミルを提供することができる。
(2)ボールエンドミルの軸方向すくい角を、円弧状切れ刃の最先端部から最突出部Qまでは負の値とし、最突出部Qから最外周部Sまでは正の値にし、さらに、最突出部Qにおける軸方向すくい角を「0」にしている。
本発明は、軸方向すくい角をこのように設定していることにより、円弧状切れ刃が被削材と接触する最初の領域が最突出部Qとなり、その後、切れ刃の回転により、被削材との接触領域は、切れ刃の最先端部と最外周部Sの両方へ広がっていく。そして、負の値を持った放射方向すくい角の絶対値を、円弧状切れ刃の最先端部から最突出部Qにかけて小さい値に設定させていることにより、軸方向すくい角が負の値であっても、切削抵抗の低減をはかることができる。
また、円弧状切れ刃の軸方向すくい角を、最外周部S近傍において正値(+20°程度)としているので、被削材の傾斜面を最外周部S近傍の円弧状切れ刃により切削加工を行っても、切屑は円弧状切れ刃の回転軌跡の接線と垂直な方向へ放出され、切屑排出性が良好となって切屑詰りの発生も抑制されるので、被削材の傾斜面の仕上げ加工の面粗さを良好にすることができる。
(3)本発明のインサートにクーラント用流路を設けて切削加工時のインサート温度の上昇を回避することは、超硬合金製インサートの塑性変形に対する抵抗力の低下を妨げたり、硬度の低下を回避することができるため、特に高硬度材料を被削材とした切削加工に適している。また、この様な切削加工における切れ刃近傍の温度上昇は、被削材から発生する切屑が切れ刃に溶着するといった現象を誘発させる。これによって切れ刃の耐摩耗性が損なわれることからも、インサート温度の上昇を回避することは有効である。更に、クーラント用流路を通して切屑界面に供給されるクーラント(例えば、水溶性切削液、油性切削液、液体窒素等)の流れは、切屑を効果的に排出させることができるため、被削材の加工面性状が良好となり、仕上げ加工の面粗さを良好にすることができる。
本発明のボールエンドミルについて、その一実施形態を示す刃先交換式ボールエンドミルの斜視図である。 図1に示すインサートの斜視図である。 図1に示す刃先交換式ボールエンドミルについて、インサートを装着していないときのエンドミル本体を、回転軸線方向からみた正面図である。 図3に示すエンドミル本体の先端部における側面図である。 図3に示すエンドミル本体の先端部における平面図である。 (a)は図2に示すインサートの平面図、(b)は図2に示すインサートの正面図、(c)は図2に示すインサートの側面図である。 図1に示す刃先交換式ボールエンドミルを、回転軸線方向からみた正面図である。 図1に示す刃先交換式ボールエンドミルの先端部における側面図である。 図1に示す刃先交換式ボールエンドミルの先端部における平面図である。 円弧状切れ刃について、本発明例が備えている放射方向すくい角の構成を説明するための図である。 円弧状切れ刃について、本発明が備えている軸方向すくい角の構成例を説明するための図である。 本発明例が備えている放射方向すくい角の構成について、この放射方向すくい角を放射角度に対応して変化させている状況を示すグラフである。 本発明例が備えている軸方向すくい角の構成について、軸方向すくい角を放射角度に対応して変化させている状況を示すグラフである。 本発明のボールエンドミルを用いて被削材の平面を切削加工したときに、切れ刃のすくい面と逃げ面の状態を示す図である。 本発明のボールエンドミルを用いて被削材の傾斜壁面を切削加工したときに、切れ刃の逃げ面の状態を示す図である。 本発明のボールエンドミルを用いて被削材の傾斜壁面を切削加工したときに、切れ刃のすくい面と逃げ面の状態を示す図である。 図1に示すインサートの別の実施例における斜視図である。 (a)は図17に示すインサートの平面図、(b)は図17に示すインサートの正面図、(c)は図17に示すインサートの側面図である。 図17に示すインサートを装着した刃先交換式ボールエンドミルを、回転軸線方向からみた正面図である。 図17に示すインサートを装着した刃先交換式ボールエンドミルの先端部における側面図である。
以下、図面に基づいて本発明に係るボールエンドミルの実施形態について説明する。本発明のボールエンドミルは、ソリッド型のボールエンドミル、及び刃先交換式のボールエンドミル(以下、「刃先交換式ボールエンドミル」と記載する)に適用することができる。以下に説明する本発明の実施形態は、ボール刃となる円弧状切れ刃を備えたインサートをエンドミル本体に着脱自在に装着した刃先交換式ボールエンドミルを例にして説明する。
図1は回転軸線L(以下、「軸線L」という。)を中心として回転する本発明の実施形態の一例を示す刃先交換式ボールエンドミル(1)について、その構成例を示す斜視図である。図2は図1に示す刃先交換式ボールエンドミル(1)に装着しているインサートの斜視図、図3は図1に示すエンドミル本体のインサート取付座にインサートを装着していないとき、軸線Lの前方からエンドミル本体の先端部を見たときの正面図、図4は同じくエンドミル本体の先端部の側面図、図5は同じくエンドミル本体の先端部の平面図である。以下の説明において、刃先交換式ボールエンドミル(1)を単に「ボールエンドミル(1)」と記載する場合がある。
(刃先交換式ボールエンドミルの構成)
図1に示すように、刃先交換式ボールエンドミル(1)は、エンドミル本体(2)と、エンドミル本体(2)の後端側に、このエンドミル本体(2)と一体に形成されているシャンク部(3)と、エンドミル本体(2)の先端部(2a)からエンドミル本体(2)の後方に向けて形成されたインサート取付座(4)(図4参照)に着脱自在に装着され、切れ刃を備えたインサート(5)と、インサート取付座(4)にインサート(5)をネジ締付けにより固定するためのクランプネジ(6)から構成されている。エンドミル本体(2)とシャンク部(3)は、例えば、SKD61等の合金工具鋼から製造されている。
図3及び図4に示すように、インサート取付座(4)は、エンドミル本体(2)の先端部(2a)に開口し、さらに、エンドミル本体(2)の径方向に延びてエンドミル本体(2)の外周面に開口するとともに、エンドミル本体(2)の先端部(2a)から後方のシャンク部(3)の方向に向かって軸線Lを含んで所定の長さほど形成されたスリット状の嵌合溝(8)から構成されている。図4に示す符号「7」は、シャンク部2の端部に設けた傾斜縮径部である。
図4に示すように、嵌合溝(8)(インサート取付座(4))は、互いに平行な2つの内側面部(8a)及び内側面部(8b)と、底部となる底面部(8c)から構成され、内側面部(8a)と内側面部(8b)との間の溝部の中間位置を軸線Lが底面部(8c)に向けて通るように、機械加工により形成されている。なお、以下の説明において、内側面部(8a)を一方の内側面部(8a)、内側面部(8b)を他方の内側面部(8b)と記載する場合がある。
エンドミル本体(2)の先端部(2a)から軸線Lを含むようにスリット状の嵌合溝(8)を形成したことにより、エンドミル本体(2)の先端部(2a)は底面部(8c)を基準位置として2つに分割された先端半体部(9a)と先端半体部(9b)が構成されることになる。そして、先端半体部(9a)、(9b)の一方の表面部から、嵌合溝(8)と交差して他方の先端半体部9b(又は9a)内に達するインサート固定用ネジ穴(10)(図3参照)を形成している。このインサート固定用ネジ穴(10)の向きは、図3に示す通り、エンドミル本体(2)のインサート嵌合溝(8)がエンドミル本体(2)の径方向に延びる向きと直交する方向に形成されている。
また、一方の先端半体部(9a)を通って、他方の先端半体部(9b)内に達するインサート固定用ネジ穴(10)の内周面には、インサートクランプネジ(6)の雄ネジ部とネジ嵌合させるための雌ネジ部が刻設されている。
(インサートの構成)
切れ刃を備えているインサート(5)の構成例を、図2及び図6を参照して説明する。なお、図6(a)、(b)及び(c)は、それぞれ図2に示すインサート(5)の平面図、正面図及び側面図である。
インサート(5)は、例えば、炭化タングステン(WC)とコバルト(Co)を含む超硬合金(以下、「WC基超硬合金」という。)から製造されている。インサート(5)は図6(c)に示すように厚さ(T)を有し、略平板形状をなしている。また、図6に示すとおり、平面状の外側面部(5g)と、この外側面部(5g)と対向する位置に配置された平面状の外側面部(5h)を備え、側面視では図6(c)に示すように略4角形状をなしている。一対の外側面部(5g)と外側面部(5h)は平行になるように形成されている。
図2及び図6に示す符号「5a」は、インサート(5)の最先端部である。最先端部(5a)はインサート(5)をエンドミル本体(2)のインサート取付座4(嵌合溝8)に装着したときに、軸線Lと交差する部位であって、刃先交換式エンドミル1の軸線L方向における最下点(最先端部)になる。
インサート(5)は、上記した一対の外側面部(5g)と外側面部(5h)とを繋ぐ側面部として、図6(b)に示すように、最先端部(5a)から紙面の左右方向に円弧状に形成された円弧状側面部(第2側面部)(5b1)、(5b2)と、円弧状側面部(第3側面部)(5c1)、(5c2)が形成されている。さらに、インサート(5)の後端部には、図6(a)に示すように、底側面部(5f)が形成されている。底側面部(5f)は、インサート(5)をインサート取付座(4)に装着したときに、嵌合溝(8)の底面部(8c)と密着する側面部になる。
図6(a)に示す直線L1は、インサート(5)の最先端部(5a)と円弧中心点Oとを通る直線であって、インサート(5)をエンドミル本体(2)のインサート取付座4に装着したときには、この直線L1はエンドミル本体(2)の軸線Lに一致するように装着される。なお、上記した円弧中心点Oとは、後述するインサート(5)が備えている円弧状の切れ刃の円弧の中心を示す。また、図6(a)に示す直線Mは、円弧中心点Oを通り直線L1と直交する直線である。
また、図2及び図6(a)に示すように、インサート(5)は一方の外側面部(5g)から他方の外側面部(5h)に向けて貫通するネジ挿通穴(5p)を備えている。ネジ挿通穴(5p)は、インサート(5)をインサート取付座4に装着して固定するときに、クランプネジ6を挿通させるための穴である。なお、上記した円弧中心点Oは、ネジ挿通穴(5p)の中心線の中点であって、かつ、インサート(5)の厚さTの中央部に位置する点である。
続いて、本発明のボールエンドミルが備えている特徴となる構成であって、被削材に切削加工を行うためにインサート(5)が備えている切れ刃について説明する。エンドミル本体(2)のインサート取付座(4)に装着するインサート(5)は、一対のボール刃となる円弧状切れ刃と、一対のねじれ形状を有する外周切れ刃を備えている。ここで、ねじれ形状を有する外周切れ刃とは、インサート(5)がンサート取付座4に装着されてエンドミル本体(2)が軸線Lの回りに回転したとき、この外周切れ刃の回転軌跡が略円筒状をなすように形成されている切れ刃である。
上記した一対の円弧状切れ刃は、図2、図6(b)に示すように、インサート(5)の最先端部(5a)から形成された、一方の逃げ面となる側面部(5b1)とすくい面(5d)との稜線部に沿って形成された円弧状の切れ刃(5i1)と、他方の逃げ面となる傾斜側面部(5b2)とすくい面(図6(a)には図示されない)との稜線部に沿って形成された円弧状の切れ刃(5i2)とから構成されている。これら一対の円弧状切れ刃(5i1)と(5i2)は最先端部(5a)を介して一体の切れ刃として形成されているが、1個のインサート(5)を装着した刃先交換式ボールエンドミル(1)は、2枚の円弧状の切れ刃を備えた2枚刃のボールエンドミルと言われている。
なお、以下の説明において、これら円弧状の切れ刃(5i1)と(5i2)のことを、単に円弧状切れ刃(5i1)、及び円弧状切れ刃(5i2)と記載する。
この一対の円弧状切れ刃(5i1、5i2)は、図2、図6(b)に示すように、傾斜側面部(5b1、5b2)の稜線部であって刃先交換式エンドミル1の回転方向Rの前方側に向かって凸形状をなし、直線L1の前方側からみた正面視においては、円弧状の切れ刃(5i1、5i2)は最先端部(5a)を中心とした略S字形状をなすように形成されている。
図6(a)に示すように、インサート(5)の最先端部(5a)から一対の円弧状の切れ刃(5i1、5i2)に連なって、ねじれ形状を有する外周切れ刃(5k1、5k2)が形成されている。これら、一対のねじれ形状を有する外周切れ刃のうち、外周切れ刃(5k1)は、最先端部(5a)から形成されている円弧状の切れ刃(5i1)の端部Sから一体に繋がって形成されている。同様に、外周切れ刃(5k2)は、最先端部(5a)から形成されている円弧状の切れ刃(5i2)の端部Sから一体に繋がって形成されている。
上記した円弧状の切れ刃(5i1)の端部Sは、図6(a)に示す直線Mがそれぞれ円弧状の切れ刃(5i1、5i2)と交差する点であって、円弧状の切れ刃(5i1)と外周切れ刃(5k1)とを繋ぐ繋ぎ部になり、他方の端部Sは円弧状の切れ刃(5i2)の端部と外周切れ刃(5k2)とを繋ぐ繋ぎ部になる。さらに、インサート(5)の平面視において、これら端部S、Sは円弧状の切れ刃(5i1、5i2)の最外周部に相当する。また、インサート(5)をエンドミル本体(2)に装着したときには、これら端部Sは、エンドミル本体(2)の最外周部になる。従って、以下の説明においてこれら端部Sのことを、「繋ぎ部S」又は「最外周部S」と記載する場合がある。
これら、ねじれ形状を有する外周切れ刃(5k1、5k2)は、被削材の隅部加工を行うときに、被削材の立ち壁面の近傍に作用するために設けられた切れ刃であり、被削材の立ち壁面における仕上げ加工の面性状を良好に維持するために有効な切れ刃である。
なお、図6(a)に示すインサート(5)の平面図において、ねじれ形状を有する外周切れ刃(5k1、5k2)は直線状となり、直線L1とねじれ形状を有する外周切れ刃(5k1、5k2)との関係は、平行な直線関係である。これにより、インサート取付座(4)にインサート(5)を装着して刃先交換式ボールエンドミル(1)を軸線L回りにR方向に回転させると、一対の円弧状の切れ刃(5i1、5i2)の回転軌跡は略半円状をなし、一対の外周切れ刃(5k1、5k2)の回転軌跡は略円筒状をなすことになる。
図6(c)に示すように、円弧状切れ刃(5i1)を横側面側からみた稜線は、繋ぎ部Sを通ってねじれ形状を有する外周切れ刃(5k1)に繋がっている。同様に、切れ刃(5i2)を横側面側からみた稜線も、繋ぎ部Sを通ってねじれ形状を有する外周切れ刃(5k2)に繋がっている。また、図2、図6(a)に示すように、円弧状切れ刃(5i1、5i2)の回転方向Rの前面側には、すくい面(5d)となる緩やかな凸形状をなす曲面部が形成されている。
なお、図6、図7に示す符号「Q」は、円弧状切れ刃(5i1、5i2)が回転方向Rの前方側に向かって最も突出している位置を示している。以下の説明においてこの円弧状の切れ刃(5i1、5i2)が回転方向Rの前方に最も突出している位置Qのことを、「円弧状切れ刃が回転方向Rの前方側に向かって最も突出している最突出部Q」又は単に「最突出部Q」と記載する場合がある。なお、図6(a)に示すKは、円弧中心点Oと最突出部Qとを結ぶ直線である。
(インサート取付座にインサートを固定したときの状態)
本発明の実施形態を示す刃先交換式エンドミル(1)は、エンドミル本体(2)の先端部(2a)に形成したインサート取付座(4)に、クランプネジ(6)を用いてインサート(5)を着脱自在に固定している。図7、図8、図9は、それぞれ図3、図4、図5に対応させて、エンドミル本体(2)のインサート取付座(4)に一つのインサート(5)を装着して固定したときの状態を示す図面である。
インサート取付座(4)に一つのインサート(5)を装着して固定したときには、インサート(5)の外側面部(5g)、(5h)はそれぞれインサート嵌合溝(8)の一方の内側面部8aと、他方の内側面部(8b)に強固に密着し、インサート(5)の底側面部5fはインサート嵌合溝(8)の底面部8cに密着して、インサート(5)の固定位置が所定の精度を確保するようになされる。
そして、インサート取付座(4)にインサート(5)を装着して固定したときには、
インサート(5)の最先端部(5a)は軸線L上に沿ってインサート取付座(4)から突出させ、さらに、一対の円弧状の切れ刃(5i1、5i2)、一対の外周切れ刃(5k1、5k2)、及び第2横側面部(5b1、5b2)、第3横側面部(5c1、5c2)もインサート取付座(4)から外側方向に若干突出している。
前記したように、本発明の実施形態となる刃先交換式ボールエンドミル(1)においては、図6(a)や図9に示すように、円弧状の切れ刃(5i1、5i2)はそのそれぞれの端部Sに連なるねじれ形状を有する外周切れ刃(5k1)と、(5k2)を設けていることも重要な特徴になる。
図11に示すように、円弧状の切れ刃(5i1、5i2)の接線と外周切れ刃(5k1、5k2)とは、軸線Lに対して傾斜させた設定にしている。この傾斜している状態を「ねじれ形状を有する」と表現している。
この理由は、前記したように、本発明の実施形態となる刃先交換式ボールエンドミル(1)を用いて彫り込み加工を行う際、特に隅部加工において、ねじれ形状を有する一対の外周切れ刃(5k1、5k2)が設けられていることにより、隅部の立ち壁面における仕上げ加工面の性状を良好な面粗さで加工することが可能となるからである。これに対して、インサート(5)の平面視において、この一対の外周切れ刃がそれぞれ円弧形状を有する場合には、切削抵抗の低減化には有効であるものの、加工面に削り残しによる段差部が発生して、加工面の表面粗さが低下するといった不都合が生じる。
また、図6(a)に示すように、インサート(5)は直線形状の外周切れ刃(5k1、5k2)を備えていることによって、インサート(5)の切れ刃に再研摩処理を施すことが可能となり、繰り返し再生利用することができる。これに対して、外周切れ刃が円弧形状を有する場合は、切れ刃に再研摩処理を施すことによって切れ刃の外径寸法は変化し、これによって外径寸法が減少してしまうため、再研摩処理を施すことが困難である。
(円弧状切れ刃のすくい角の特徴)
続いて、本発明のボールエンドミルが備えている構成上の特徴となる、円弧状切れ刃(5i1、5i2)のすくい角について説明する。本発明において、この円弧状切れ刃のすくい角とは、「放射方向すくい角」と「軸方向すくい角」の2種のすくい角を示す。
このうち、「放射方向すくい角」とは、円弧状切れ刃(5i1、5i2)の円弧中心点Oからこの円弧状切れ刃に向かって放射状に延びる直線(放射直線)に対するすくい面(d)の角度を示す。なお、この「放射方向すくい角」のことを「法線方向のすくい角」と呼ばれる場合もある。
ここで「放射方向すくい角」が負の値とは、図10に示すように、円弧状切れ刃(5i1)のすくい面(5d)が、円弧状切れ刃(5i1)の回転軌跡における半球の中心(O)と円弧状切れ刃(5i1)とを結んだ直線に対して、工具回転方向Rと同じは反対の方向に設定されているときを、「放射方向すくい角」が負の値とする。一方、「放射方向すくい角」が正の値とは、上記と逆に、工具回転方向Rとは反対の方向に設定されているときのことを言う。
また、「軸方向すくい角」とは、円弧状切れ刃(5i1、5i2)の側面視において、円弧状切れ刃(5i1、5i2)上の接線がボールエンドミルの軸線Lとなす角度を示す。
ここで「軸方向すくい角」が正の値とは、図11に示すように、円弧状切れ刃(5i1)のすくい面の傾斜角度が、回転軸線Lに対して、工具回転R方向とは反対の方向に設定されているときを、「軸方向すくい角」が正の値とする。一方、「軸方向すくい角」が負の値とは、上記と逆に設定されているときのことを言う。
円弧状切れ刃(5i1)が備えている「放射方向すくい角」の構成例を、図10を参照して説明すると次のようになる。
図10は、一対の円弧状切れ刃(5i1、5i2)のうちの切れ刃(5i1)について「放射方向すくい角」の構成例を示す図である。図10では、円弧状切れ刃(5i1)の最先端部(5a1)と外周切れ刃(5k1)との繋ぎ部(最外周部)Sとの間の切れ刃領域にわたって、円弧中心点Oから円弧状切れ刃(5i1)に向かう放射直線が、円弧中心点Oと最先端部(5a1)とを結ぶ直線、すなわち、インサート(5)をエンドミル本体(2)に装着したときの軸線Lを基準として、この放射直線がなす角度を放射角度とし、この放射角度の値が5°、15°、30°、45°、60°、75°、90°について、「放射方向すくい角」の値を例示した図である。
図10に示しているように、本発明においては「放射方向すくい角」を、円弧状切れ刃(5i1)の全領域にわたって変化させていることに特徴がある。例えば、図10に示すように、放射角度5°における放射方向すくい角α値を−2.5°、放射角度30°では−2.0°に、放射角度45°における放射方向すくい角γ値を−2.5°に、放射角度90°では放射方向すくい角β値を−6.5°に設定している。一対の円弧状切れ刃のうち他方の円弧状切れ刃(5i2)についても、図10に示す円弧状切れ刃(5i1)と同一になるように円弧状切れ刃(5i2)の全領域にわたって「放射方向すくい角」の値を変化させている。「放射方向すくい角」を放射角度に対応させて変化させている状態については後述する。
図11は、円弧状切れ刃(5i1、5i2)のうちの切れ刃(5i1)について「軸方向すくい角」の構成例を示す図である。図11では、円弧状切れ刃(5i1)の側面視で、上記した放射直線の放射角度に対応する円弧状切れ刃(5i1)上の位置における接線がボールエンドミルの軸線Lとなす角度を「軸方向すくい角」として、放射角度の5°、15°、30°、45°、60°、75°ごとに「軸方向すくい角」の値を例示している。例えば、図11に示すように、放射角度5°における「軸方向すくい角」は−48.409°、放射角度45°では.0°、放射角度60°では+12.069°に設定している。
なお、前記したように「軸方向すくい角」は、ボールエンドミルの円弧状切れ刃の側面視において、円弧状切れ刃(5i1)上の任意の位置における円弧の接線がボールエンドミルの軸線Lとなす角度であり、この円弧状切れ刃(5i1)上の任意の位置は放射角度と関係付けを行うことができる。従って、図10に示す「放射方向すくい角」に係る放射角度と、図11に示す「軸方向すくい角」に係る放射角度とは、同一の内容(定義)を示すものである。
図12は図10に示す「放射方向すくい角」を連続的に変化させている状態、すなわち、放射角度(縦軸)と放射方向すくい角(横軸)との関係を曲線F1として、円弧状切れ刃(5i1)の最先端部(5a)近傍から最外周部(繋ぎ部)Sまで示した図である。図12に示されているように、「放射方向すくい角」は、円弧状切れ刃(5i1)の全領域にわたって負(負角)に設定され、かつ、「放射方向すくい角」の絶対値が最大になる放射角度を設定している。
また、図13は図11に示す「軸方向すくい角」を連続的に変化させている状態、すなわち、放射角度(縦軸)と軸方向すくい角(横軸)との関係を曲線F2として、円弧状切れ刃(5i1)の最先端部(5a)近傍から最外周部(繋ぎ部)Sまで示した図である。図13に示されているように、「軸方向すくい角」は、負(負角)に設定された円弧状切れ刃(5i1)の領域と、正(正角)に設定された円弧状切れ刃(5i1)の領域、及び「軸方向すくい角」が0になる領域を設けている。
なお、一対の円弧状切れ刃(5i1、5i2)のうちの他の円弧状切れ刃(5i2)の「放射方向すくい角」及び「軸方向すくい角」について、放射角度に対応させて連続的に変化させている状態も、それぞれ図12及び図13に示す曲線F1、F2の変化状態と同一にしている。
図17は、図1に示すインサートの別の実施例における斜視図である。この別の実施例におけるインサートは、回転軸線対象の位置に2つのクーラント用流路の出口を有し、クーラント用流路は、円弧状の切れ刃(5i1、5i2)の逃げ面部(5e)から底側面部(5f)へ貫通し、エンドミル本体(2)へ連通している。また、このクーラント用流路は、回転軸線に対して傾斜角度を設定することも可能である。切屑の排出性を重視する場合の傾斜角度は、回転軸線に対して外周方向へ設定することが好ましく、またクーラント供給を重視する場合の傾斜角度は、切れ刃の軸心近傍でのインサート温度の上昇を回避するため、回転軸線方向へ設定することが好ましい。図18は、図17に示すインサートの平面図、正面図、側面図である。また図19は、図17に示すインサートを装着した刃先交換式ボールエンドミルを回転軸線方向からみた正面図、図20は、側面図である。
本発明においては、円弧状切れ刃(5i1、5i2)の上記2種のすくい角、すなわち、「放射方向すくい角」と「軸方向すくい角」は、下記(特徴1)〜(特徴6)に記載の特徴を備え、また「クーラント用流路」は(特徴7)、(特徴8)に記載の特徴を備えている。
(特徴1)
円弧状切れ刃の最先端部(5a)近傍となる放射角度5°における「放射方向すくい角」をαとし、円弧状切れ刃の最外周部Sとなる放射角度90°における「放射方向すくい角」をβとし、円弧状切れ刃が回転方向Rの前方側に最も突出している最突出部Qにおける「放射方向すくい角」をγとしたときに、「放射方向すくい角」α、β及びγは、いずれも負角に設定し、かつ、前記放射方向すくい角α値、β値、γ値の絶対値を、それぞれ|α|、|β|、|γ|としたとき、|γ|≦|α|<|β|、となるように設定している。
(特徴2)
円弧状切れ刃の「放射方向すくい角」の絶対値は、円弧状切れ刃の最先端部(5a)近傍から最突出部Qの間に最小値となる箇所が設定されている。また「放射方向すくい角」の絶対値は、この最突出部Qから最外周部Sにかけて連続的に増大するように設定している。
(特徴3)
円弧状切れ刃の最先端部(5a)近傍となる放射角度5°(5度)における「放射方向すくい角」αは、−6°≦α≦−0.5°に、放射角度が90°になる円弧状切れ刃の最外周部Sにおける「放射方向すくい角」βは、−10°≦β≦−2°に、最突出部Qにおける「放射方向すくい角」γは、−6°≦γ≦−0.5°を満足するように設定している。また、「放射方向すくい角」γの値は−6°以上に設定するようにしている。
(特徴4)
円弧状切れ刃が回転方向Rの前方側に最も突出している最突出部Qの位置は、放射角度が30°から47°に相当する円弧状切れ刃の位置に設定している。
(特徴5)
最突出部Qを基準として、最突出部Qから最外周部近傍Sまでの間におけるいずれかの放射方向すくい角をθ1とし、最突出部Qから最先端部(5a)近傍までの間におけるいずれかの放射方向すくい角をθ2としたときに、前記放射方向すくい角θ1値、θ2値の絶対値を、それぞれ|θ1|、|θ2|としたとき、|θ1|>|θ2|、を満足するように設定している。
(特徴6)
ボールエンドミルの軸方向すくい角は、円弧状切れ刃の最先端部(5a)から最突出部Qに達するまでは負の値(負角)とし、最突出部Qを超えて最外周部Sまでは正の値(正角)にし、最突出部Qにおいては0にしている。さらに、最先端部(5a)から最突出部Qまでは負の軸方向すくい角を、漸次、正方向に増加させるように変化させ、最突出部Qを超えて最外周部Sまでは、正の軸方向すくい角を漸次増加させるように変化させている。
また、図13に示すように、円弧状切れ刃の最先端部(5a)近傍における軸方向すくい角は−70°〜−80°程度、最外周部Sにおける軸方向すくい角は+20°程度に設定するようにしている。
上記した円弧状切れ刃(5i1、5i2)における最先端部(5a)、最外周部S、最突出部Qとは、それぞれ最先端部(5a)、最外周部S、最突出部Qの位置を含むその近傍の切れ刃の位置を示すものである。
なお、非接触式3次元デジタイザ等を用いて円弧状切れ刃の放射方向すくい角と軸方向すくい角の値を、高精度に測定することが困難な場合があるので、上記最先端部(5a)の位置を、最先端部(5a)から放射角度5°をなす円弧状切れ刃の位置としてもよい。
(特徴7)
本発明のボールエンドミルは、エンドミル本体の先端部に、着脱自在の円弧状の切れ刃を有するインサートが装着され、ボールエンドミルの正面図において、インサートは、回転軸線対象の位置に少なくとも2つのクーラント用流路の出口を有し、クーラント用流路は、円弧状の切れ刃の逃げ面部から底側面部(5f)へ貫通し、エンドミル本体へ連通している。
(特徴8)
本発明のボールエンドミルは、着脱自在インサートが装着され、クーラント用流路は、回転軸線に対して傾斜角度を有している。
(特徴1)〜(特徴6)において、各すくい角の大小、及びその数値の範囲を限定する理由、及び(特徴7)、(特徴8)において、クーラント用流路を設ける理由を説明すると次のようになる。
上記した(特徴1)、すなわち、「放射方向すくい角」α、β及びγをいずれも負角と設定し、かつ、放射方向すくい角α値、β値、γ値の絶対値を、それぞれ|α|、|β|、|γ|としたとき、|γ|≦|α|<|β|となるように設定する理由は、次の(1)〜(3)に記載の通りである。
(1)放射方向すくい角のα、β及びγを負角値にすることにより、円弧状切れ刃の全切れ刃領域にわたって切れ刃強度が強化される。このため、硬さが45HRC以上の高硬度材料を被削材とした切削加工においても、切れ刃の耐欠損性が改善される。但し、負角値にすると切れ刃の切削抵抗の低減効果と切屑排出性が劣るが、本発明のボールエンドミルの用途は主として高硬度材料を被削材とした仕上げ加工用であるため、切込み量は荒加工、中仕上げ加工と比べて小さく設定するので、切削抵抗の増大幅は小さく、切屑排出性についても問題はない。
(2)S字形状をなす円弧状切れ刃が回転方向Rの前方側に最も突出する位置となる最突出部における放射方向すくい角γの絶対値|γ|を、|γ|≦|α|<|β|、の関係とするのは、円弧状切れ刃においては放射方向すくい角γの位置が、高硬度な被削材と接触する最初の領域となるため、切れ刃強度を強化して耐欠損性を保ちつつ、被削材への食付き性も良好とするためである。
(3)放射方向すくい角の値であるαとβについて、α値、β値の絶対値を、それぞれ|α|、|β|、としたとき、|α|<|β|となるように設定する理由は、円弧状切れ刃の最先端部分(5a)での切削抵抗をできるだけ小さくして被削材への食付き性を良好に保ち、一方で、円弧状切れ刃の最外周部Sでは切屑厚みが増大するため、より切れ刃強度を確保するためである。
上記した(特徴2)、すなわち、円弧状切れ刃の「放射方向すくい角」の絶対値は、円弧状切れ刃の最先端部(5a)近傍から最突出部Qの間に最小値となる箇所が設定される。円弧状切れ刃の全領域における「放射方向すくい角」の最小値は、放射角度が15°から30°の位置となるように設定する。また「放射方向すくい角」の絶対値は、この最突出位置Qから最外周部Sにかけては連続的に増大するように設定する理由は次に通りである。
円弧状切れ刃に最突出部Qを設けることにより、円弧状切れ刃が被削材と接触する最初の領域が最突出部Qとなり、その後、切れ刃の回転により、被削材との接触領域は、切れ刃の最先端部(5a)と最外周部Sの両方へ広がっていく。このため、放射方向すくい角の絶対値を、円弧状切れ刃の最先端部(5a)近傍から減少させてゆき、最先端部(5a)近傍から最突出部Qの間に最小値となる箇所が設定されることにより、軸方向すくい角が負の値であっても、切削抵抗の低減をはかることができる。円弧状切れ刃の全領域における「放射方向すくい角」の最小値は、放射角度が15°から30°の位置となるように設定することが望ましい。この理由は、円弧状切れ刃においては放射方向すくい角が最小になる位置が、円弧状切れ刃における最突出部Q近傍となることから、切れ刃強度を強化して耐欠損性をを保ちつつ、被削材への食付き性も良好とするためである。また最突出位置Qから最外周部Sにかけて連続的に増大するように設定することによって、切れ刃の強度確保をはかることができるためである。
上記した(特徴3)、すなわち、円弧状切れ刃の先端部における「放射方向すくい角」αを、−6°≦α≦−0.5°、最外周部Sにおける「放射方向すくい角」βを、−10°≦β≦−2°、最突出部Qにおける「放射方向すくい角」γを、−6°≦γ≦−0.5°に設定する理由は次の(1)〜(3)に記載の通りである。
(1)放射方向すくい角αを、−6°≦α≦−0.5°、に設定することによって、切れ刃強度維持を可能としつつ、最先端部(5a)とその近傍部分での切削抵抗が小さく、被削材への食付き性を良好に保つことが可能になる。これに対して、α>−0.5°の場合は、最先端部分(5a)での切れ刃強度が弱いために、切れ刃の欠損などの不都合が生じる。また、α<−6°の場合は、最先端部(5a)及びその近傍部分での円弧状切れ刃の切削抵抗増大により、切れ味が劣化して、発熱が顕著になる。このため超硬合金の強度低下、磨滅、切屑の溶着物の発生や、被削材の加工面の面性状悪化といった不都合が生じる。
(2)放射方向すくい角βを、−10°≦β≦−2°に設定することによって、最外周部Sでの切れ刃強度を確保できる。これに対して、β>−2°の場合は、最外周部Sでの円弧状切れ刃の強度維持が困難となり、欠損しやすくなる。また、β<−10°の場合は、最外周部Sでの切削抵抗が大きくなって、エンドミル本体(2)にビビリ振動が発生したり、発熱が顕著になる。そのため、被削材の加工面の面性状を良好に保つことができなくなる。
(3)放射方向すくい角γを、−6°≦γ≦−0.5°、に設定することによって、切れ刃が被削材と接触する最初の領域である最突出部Qの近傍における切れ刃強度維持ができるとともに、工具軸心方向にかかる背分力を適正に制御して、工具姿勢を安定化させる効果があるため、特に高硬度材の切削加工に有効である。これに対して、γ>−0.5°の場合は、最突出部Qにおける切れ刃強度維持が困難となる。また、γ<−6°の場合は、最突出部Qにおける切削抵抗が大きく、被削材への食付き性を良好にたもつことができない。
上記した(特徴4)、すなわち、円弧状切れ刃の最突出部Qの位置は、放射角度が30°から47°に相当する円弧状切れ刃の位置に設定する理由は次に通りである。
最突出部Qの位置を、放射角度が30°から47°に相当する円弧状切れ刃の位置に設定することにより、側面視でS字形状をなす円弧状切れ刃の軸方向すくい角が負の値となる領域を少なくして、正の値となる領域を広くすることができるからである。軸方向すくい角が、負の値となる領域を少なくすることにより、切削抵抗が高いながらも円弧状切れ刃の強度を維持することができ、また、軸方向すくい角が、正の値となる領域を広くすると、円弧状切れ刃の強度を維持しつつも、切屑の排出を良好に保つことができるといった、両者をバランス良く保つのに好都合となるからである。
上記した(特徴5)、すなわち、円弧状切れ刃の最突出部Qを基準として、最突出部Qから最外周部S近傍までの間におけるいずれかの放射方向すくい角をθ1とし、最突出部Qから最先端部(5a)近傍までの間におけるいずれかの放射方向すくい角をθ2としたときに、前記放射方向すくい角θ1値、θ2値の絶対値を、それぞれ|θ1|、|θ2|としたとき、|θ1|>|θ2|、を満足するように設定した理由は次に通りである。なお、上記最先端部(5a)近傍とは、放射角度が5°未満を除いた最先端部(5a)近傍の円弧状切れ刃の位置を示す。換言すれは、θ1は図13において軸方向すくい角が正値の範囲における放射方向すくい角の値を示し、θ2は軸方向すくい角が負値の範囲における放射方向すくい角の値を示している。
前記したように、軸方向すくい角が負の値をとる領域での切削抵抗は小さくしている。切れ刃強度維持のために、|θ1|>|θ2|となる円弧状切れ刃の領域を長くなるように確保している。また、円弧状切れ刃の最外周側S近傍では、切屑厚みが厚肉となるので円弧状切れ刃の強度を確保するために、図12に示すように、最突出部Qと最外周部Sの中間位置の近傍から最外周部Sまでは、放射方向すくい角θ1を「|θ1|>|θ2|」に設定している。
上記した(特徴6)、すなわち、ボールエンドミルの軸方向すくい角を、円弧状切れ刃の最先端部(5a)から最突出部Qに達するまでは負の値とし、最突出部Qを超えて最外周部Sまでは正の値にする。さらに、最先端部(5a)から最突出部Qに達するまでは負の軸方向すくい角を正(+)方向に漸次増加させるように変化させて、最突出部Qにおける軸方向すくい角を「0」にする。また、最突出部Qを超えて最外周部Sまでは正の軸方向すくい角を、漸次増加させる。
(1)前記したように、円弧状切れ刃に最突出部Qを設けたことにより、円弧状切れ刃が被削材と接触する最初の領域が最突出部Qとなり、その後、切れ刃の回転により、被削材との接触領域は、切れ刃の最先端部(5a)と最外周部Sの両方へ広がっていく。このため、放射方向すくい角の絶対値を、円弧状切れ刃の最先端部(5a)から最突出部Qにかけて連続的に減少させることにより、軸方向すくい角が負の値であっても、切削抵抗の低減をはかることができる。
また、最突出部Qの位置を前記したように放射角度が30°から47°となる円弧状切れ刃の位置に設定することにより、軸方向すくい角が正の値となる領域を広くすることができ、円弧状切れ刃の強度を維持しつつも、切屑の排出を良好に保つことができる。
(2)最先端部(5a)の近傍における軸方向すくい角は−70°〜−80°程度、最外周部S近傍における軸方向すくい角は+20°程度に設定する理由は、次の(a)、(b)に記載の通りである。
(a)軸方向すくい角を最外周部S近傍において、正値(+20°程度)とすることにより、切屑は工具回転軌跡の接線と垂直な方向へ放出され、切屑排出性が良好となる。これに対して、最外周部S近傍における軸方向すくい角が+20°よりも小さい値のときは、切屑排出性の効果が小さくなる。また、+20°よりも大きい値のときは、切れ刃の肉厚が薄くなるため、円弧状切れ刃の剛性を維持することができなくなる。
(b)軸方向すくい角を最先端部(5a)の近傍において、負値(−70°〜−80°程度)とすることにより、被削材に対する切削加工時の応力は回転軸線L方向のエンドミル本体(2)側に作用するので、エンドミル本体(2)の回転軸線のたわみを低減することができる。但し、負側に大きすぎる値のときは、切屑排出性が困難となるが、−70°〜−80°程度であれば、困難性は問題ない程度である。軸方向すくい角が、−80°よりも負側に大きいときは、切屑排出性が困難となる。
上記した(特徴7)、すなわち、本発明のボールエンドミルは、エンドミル本体(2)の先端部に、着脱自在の円弧状の切れ刃を有するインサートが装着され、ボールエンドミルの正面図において、インサートは、回転軸線対象の位置に少なくとも2つのクーラント用流路の出口を有し、クーラント用流路は、円弧状の切れ刃(5i1、5i2)の逃げ面部(5e)から底側面部(5f)へ貫通し、エンドミル本体(2)へ連通している。この様にする理由は次に通りである。
本発明のボールエンドミルは、特に高硬度材料を被削材とした切削加工に適用するため、インサートにクーラント用流路を設けて切削加工時のインサート温度の上昇を回避する対策を施すことができる。これによって、超硬合金製インサートの塑性変形に対する抵抗力の低下を妨げたり、硬度の低下を回避することができる。
上記した(特徴8)、すなわち、本発明のボールエンドミルは、インサートに設けたクーラント用流路が回転軸線に対して傾斜角度を有している。この様にする理由は次に通りである。切屑の排出性を重視する場合の傾斜角度は、回転軸線に対して外周方向へ設定することが好ましく、またクーラント供給を重視する場合の傾斜角度は、切れ刃の軸心近傍でのインサート温度の上昇を回避するため、回転軸線方向へ設定することが好ましい。 クーラント用流路を通して切屑界面に供給されるクーラントの流れは、切屑を効果的に排出させることができるため、被削材の加工面性状が良好となり、仕上げ加工の面粗さを良好にすることができる。
(インサートの製造方法)
続いて、本発明のボールエンドミルの一実施形態を示す刃先交換式ボールエンドミルに装着するインサート(5)の製造方法について説明する。WC基超硬合金製のインサート(5)は、例えば、次の手順(1)〜(4)に基づいて製造することができる。
(手順1):
炭化タングステン粉末とコバルト粉末と、必要に応じて添加物を加えて作製した混合造粒粉末を、従来から広く採用されている金型を用いた粉末成形法などの製造技術を用いて、インサートの成形体を成形する。この金型成形時において、ネジ挿通穴の原形となる穴を形成する。インサート(5)の成形体を焼結すると20%〜30%収縮するので、これを考慮したインサート(5)の成形体を金型成形により製造する。
(手順2):
続いて、金型成形により成形したインサート(5)の成形体を、所定の温度(1300℃〜1400℃程度)に加熱した加熱炉に装入して焼結(焼成)処理を行う。
(手順3):
続いて、焼結したインサート(5)の成形体に、NC制御による3次元研削(研磨)加工機などを用いて必要とする各部位に研削加工を行う。この研削加工としては、焼結したインサート(5)の円弧状の切れ刃(5i1、5i2)、ねじれ形状を有する外周切れ刃(5k1、5k2)について、ダイヤモンド砥粒を有する回転砥石を用いて研削加工を行う。また、焼結したインサート(5)の底側面部(5f)にも仕上げ加工を行う。
なお、円弧状切れ刃に前記した、放射角度に対応した放射方向すくい角、及び軸方向すくい角の形成は、薄板形状からなるダイヤモンド回転砥石等を用いたNC制御の加工により実施する。
(手順4):
研削加工が完了したインサート(5)について、ネジ挿通穴を除いた表面に、耐摩耗性と耐熱性を付与するための被膜をコーティングする。この被膜の材質は、例えば、Ti−Al系窒化物、Ti−Si系窒化物、Ti−B系窒化物などからなる被膜のいずれかとし、例えば、PVD法により被膜を形成する。
また、エンドミル本体(2)にも上記と同様に、耐摩耗性を付与するための被膜をコーティングすることによって、本発明の刃先交換式エンドミルの長寿命化に有効である。特に、エンドミル本体(2)の表面に、耐摩耗性に加えて潤滑性も有するTi−B系窒化物をコーティングすることによって、切屑との摩擦抵抗が低減され、好ましい。
(実施例)
続いて、本発明のボールエンドミルの一実施形態となる刃先交換式ボールエンドミルを製作してマシニングセンタに取付け、冷間ダイス鋼(SKD11材(60HRC))からなる被削材について切削加工を実施して、円弧状の切れ刃の損傷状態について評価してみた。
製作したボールエンドミルの工具本体は、刃先径が30mm、シャンク径が32mm、全長200mm、首下長さ120mmのシャンクタイプの形状である。
エンドミル本体は、その基体部を超硬合金材とし、先端部にSKD61相当材をロウ付けによって接合したものを使用した。また、NC加工機にチャッキング固定するためのシャンク部は超硬合金材とし、研磨加工により仕上げた。エンドミル本体の先端部のインサート着座面などは、SKD61相当材を旋盤加工により外観形状を整えて表面硬度HRC38から40に調質した後、マシニングセンタにてフライス加工により形成した。
工具本体のインサート着座面に装着する超硬合金製のインサートは、円弧状切れ刃の半径寸法が15mm、厚さTが7.2mm、ねじれ形状を有する外周切れ刃の長さを3.0mmとした3種のインサート(インサート番号1〜3)を製作した。製作した3種のインサートについてその番号1〜3について、放射角度ごとの放射方向すくい角及び軸方向すくい角を、表1に示すように設定した。表1に示すように、インサート1は、α値を−2.5°、β値を−6.5°、円弧状切れ刃の最突出部におけるγ値を−2.5°に設定した。またインサート2のβ値を−3.0°、インサート3のβ値を+3.0°に設定した。ここで、インサート番号1を装着したボールエンドミルが本発明例に相当し、インサート番号2および3を装着したボールエンドミルが比較例に相当するボールエンドミルになる。
この切削加工では、SKD11材(60HRC)の被削材について、平面の加工と、傾斜角85°の壁面の加工を行うために、円弧状切刃の最外周部近傍の切れ刃を使用した切削加工を行うようにマシニングセンタの作動を制御した。なお、表1に示す各インサートの円弧状切れ刃に形成した、放射角度に対応した放射方向すくい角と軸方向すくい角の測定は、市販されている光学式3次元データ取得装置(非接触式3次元デジタイザ)を用いて測定した。
上記したボールエンドミルにおいて、平面加工と傾斜角度85°からなる壁面加工の切削条件は次の通りとした。
(1)平面加工における切削条件
加工方法 :乾式切削(エアーブロー)
切削速度(Vc) :400[m/min]
回転数(n) :4244[min−1
送り速度(Vf) :2550[mm/min]
1刃当たりの送り量(fz):0.3[mm/tooth]
軸方向切込み量(ap) :0.3[mm]
径方向切込み量(ae) :0.5[mm]
工具突き出し量(OH) :120[mm]
(2)傾斜角度85°壁面加工における切削条件
加工方法 :乾式切削(エアーブロー)
切削速度(Vc) :400[m/min]
回転数(n) :4244[min−1
送り速度(Vf) :2550[mm/min]
1刃当たりの送り量(fz):0.3[mm/tooth]
径方向切込み量(ae) :0.1[mm]、0.3[mm]
ピックフィード(pf) :0.3[mm]
工具突き出し量(OH) :120[mm]
上記径方向切込み量(ae)については、ae=0.1[mm]と、ae=0.3[mm]に設定した2種の切削加工を実施した。
上記した実施例の結果を図14から図16に示している。図14は、平面加工における加工距離が650mに達したときの切れ刃の状態をすくい面方向と逃げ面方向から観察した写真図と、切れ刃の最大逃げ面摩耗幅の値を示している。図15は、傾斜角度85°壁面加工における、径方向切込み量(ae)について、ae値が0.1[mm]での切れ刃の状態を逃げ面方向から観察した写真図と、切れ刃の最大逃げ面摩耗幅の値である。図16は、傾斜角度85°壁面加工における、径方向切込み量(ae)について、ae値が0.3[mm]での切れ刃の状態をすくい面方向と逃げ面方向から観察した写真図と、切れ刃の最大逃げ面摩耗幅の値である。図15および図16の傾斜角度85°壁面加工における加工距離は90mを目標に加工を進めたが、インサート番号3については、切削距離10mに達したとき火花の発生を確認したため加工を中止した。
自動車鋼板成形用金型のなかで、高張力鋼板や厚い鋼板を成形する金型は、金型寿命の向上を目的に、全面、あるいは部分的に高硬度材が使用される。一般的な加工工程は、粗加工、中仕上げ加工を経て焼き入れ処理を行い仕上げ加工を実施する。そのため、仕上げ加工は、焼き入れによる寸法変化もあり不均一な切込みになる。よって、平面加工においては軸方向切込み(ap)を0.3[mm]、傾斜角度85°壁面加工においては径方向切込み(ae)を0.3[mm]とした切削条件を用いて評価を行った。図14から図16に示す切削加工の結果から次の事項が明らかになった。
(1)図14に示す平面加工における結果では、放射角度5°における放射方向すくい角のα値を−2.5°に設定したインサート番号1の本発明例のインサートを装着したボールエンドミルの切れ刃の状態は、損傷が少なく良好であった。これに対し、α値を+1.0°に設定したインサート番号2と、α値を+7.0°に設定したインサート番号3においては、切れ刃の損傷が著しく激しかった。特に、α値が+7.0°のインサート番号3については、すくい面方向への欠損も激しかった。
(2)図15に示すように、傾斜角度85°壁面加工における結果では、径方向切込み(ae)を0.1[mm]とした切削条件においては、β値を+3.0°に設定したインサート番号3を含めた全てのインサートにおいて、切れ刃は定常摩耗状態を示しており良好であった。
(3)図16に示すように、傾斜壁面加工において、径方向切込み(ae)を0.3[mm]とした切削条件においては、β値を−6.5°、−3.0°に設定したインサート番号1および2を装着したボールエンドミルは、切削距離90mまで加工することができた。このときの切れ刃の状態は、逃げ面側に発生した定常摩耗形態を示しており良好であった。これに対し、β値を+3.0°に設定したインサート番号3のインサートは、切削距離10mに達したとき火花の発生と切屑の巻き付きを確認したため加工を中止した。このときの切れ刃の損傷状態を確認すると、すくい面方向への欠損が発生していた。
上記(1)から(3)より、高張力鋼板や厚い鋼板を成形する自動車鋼板成形用金型の高硬度材部分を想定したSKD11材(60HRC)の加工においては、α値を−2.5°、β値を−6.5°、γ値を−2.5°に設定した本発明例の工具が最も優れいると判断できる。従って本発明の構成の様に、α値、β値、γ値をいずれも負角とし、これらの絶対値の関係が、|γ|≦|α|<|β|、となるように設定することによって、切れ刃の食付き時の衝撃を緩和させ、切れ刃の強度を確保して耐欠損性を改善し、同時に切屑排出性も高めることができる。更に、被削材の加工面の表面粗さを良好にすることができる信頼性の高い放射方向すくい角と考えられる。
以上に説明した本発明の実施形態は、円弧状切れ刃を有するインサートを1個装着した2枚刃からなるボールエンドミルについて説明したが、本発明は、超硬合金製からなる2枚刃からなるソリッド型のボールエンドミルについても適用することができる。本発明を2枚刃からなるソリッド型のボールエンドミルに適用する場合には、円弧状切れ刃の放射方向すくい角、及び軸方向すくい角の形成については、特に下記の事項を考慮するとよい。
(1)ソリッド型のボールエンドミルの工具先端近傍を除く部分の芯厚は、エンドミルの工具径をD(mm)としたとき、0.2Dから0.5Dに設定することが好ましい。これによってソリッド型のボールエンドミルの強度を維持しながら刃溝の深さを十分に確保することができるからである。
(2)ソリッド型のボールエンドミルにおける回転軸線近傍の円弧状切れ刃は、芯上がり量を適宜、適正な値に設定することによって、先端部の強度と切屑排出性が良好になるといった効果を有する。
1:刃先交換式ボールエンドミル(ボールエンドミル)
2:エンドミル本体
2a:エンドミル本体の先端部
3:シャンク部
4:インサート取付座
5:インサート
5a:最先端部、
5b1、5b2:第2側面部、
5c1、5c2:第3側面部、
5d:すくい面部、
5e:逃げ面部、
5f:底側面部、
5g:外側面部、
5h:外側面部、
5i1、5i2:円弧状の切れ刃、
5k1、5k2:ねじれ形状を有する外周切れ刃、
5p:ネジ挿通穴、
6:クランプネジ、
7:傾斜縮径部、
8:インサート嵌合溝、
8a、8b:内側面部、
8c:底面部、
9a、9b:先端半体部、
10:インサート固定用ネジ穴、
F1:放射方向すくい角の変化状態を示す曲線、
F2:軸方向すくい角の変化状態を示す曲線、
K:円弧中心点Oと最突出部Qとを結んだ直線、
L:回転軸線(軸線)、
L1:インサートの先端部(5a)と円弧中心点Oとを通る直線、
L2:直線L1と平行な直線、
M:円弧状の切れ刃の円弧中心点を通り、回転軸線と直交する直線、
O:円弧状切れ刃の円弧中心点、
Q:円弧状切れ刃の最突出部、
S:直線Mと円弧状切れ刃とが交差する点(繋ぎ部S、又は最外周部S)、
T:インサートの厚さ。

Claims (8)

  1. 回転軸線回りに回転方向Rで回転されるエンドミル本体の先端部に、前記エンドミル本体の平面視で、前記エンドミル本体の最先端部から最外周部へ延びる円弧状切れ刃を備え、前記円弧状切れ刃は、前記回転軸線方向からの正面視でS字形状をなし、前記円弧状切れ刃は、前記回転方向Rの前方側に形成された前記円弧状切れ刃のすくい面を備えたボールエンドミルにおいて、前記円弧状切れ刃の放射方向すくい角は、前記円弧状切れ刃の円弧中心点から前記円弧状切れ刃に向かって放射状に延びる放射直線が、前記円弧状切れ刃と交差する位置において前記放射直線と前記円弧状切れ刃の前記すくい面とがなす角度と定義し、また、前記回転軸線を基準として、前記回転軸線と前記放射直線とがなす角度を放射角度と定義したとき、前記放射角度が5度(°)における前記放射方向すくい角をα、前記放射角度が90度(°)における前記放射方向すくい角をβ、前記S字形状をなす円弧状切れ刃が前記回転方向Rの前方側に最も突出する位置となる最突出部における前記放射方向すくい角をγとしたときに、前記放射方向すくい角α、前記放射方向すくい角β、及び前記放射方向すくい角γはいずれも負角であり、前記放射方向すくい角α値、β値、γ値の絶対値を、それぞれ|α|、|β|、|γ|としたとき、
    |γ|≦|α|<|β|、
    となるように設定されていることを特徴とするボールエンドミル。
  2. 前記放射方向すくい角の絶対値は、前記円弧状切れ刃の前記最先端部から前記最突出部の間に最小値となる箇所が設定され、前記最小値は、前記放射角度が15度から30度の位置にあって、前記放射方向すくい角の絶対値は、前記最突出部から前記最外周部にかけて連続的に増大するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のボールエンドミル。
  3. 前記放射方向すくい角α、前記放射方向すくい角β及び前記放射方向すくい角γは、
    −6°≦α≦−0.5°、
    −10°≦β≦−2°、
    −6°≦γ≦−0.5°、
    を満足するように設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のボールエンドミル。
  4. 前記放射角度が30°から47°となる前記円弧状切れ刃の位置に、前記最突出部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のボールエンドミル。
  5. 前記最突出部を基準として、前記最突出部から前記最外周部近傍までの放射方向すくい角をθ1とし、前記最突出部から前記最先端部近傍までの放射方向すくい角をθ2としたときに、前記放射方向すくい角θ1値、θ2値の絶対値を、それぞれ|θ1|、|θ2|としたとき、
    |θ1|>|θ2|、
    を満足するように設定されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のボールエンドミル。
  6. 前記ボールエンドミルの側面視において、前記円弧状切れ刃上の接線が前記回転軸線となす角度を軸方向すくい角としたときに、
    前記軸方向すくい角は、前記円弧状切れ刃の前記最先端部から前記最突出部に達するまでは負の値に設定され、前記最突出部を超えて前記最外周部までは正の値に設定されている、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のボールエンドミル。
  7. 請求項1に記載のボールエンドミルにおいて、前記ボールエンドミルは、前記エンドミル本体(2)の先端部に、着脱自在の円弧状の切れ刃を有するインサートが装着され、前記ボールエンドミルの正面図において、前記インサートは、回転軸線対象の位置に少なくとも2つのクーラント用流路の出口を有し、前記クーラント用流路は、円弧状の切れ刃(5i1、5i2)の逃げ面部(5e)から底側面部(5f)へ貫通し、前記エンドミル本体(2)へ連通していること、を特徴とするボールエンドミル。
  8. 前記クーラント用流路は、回転軸線に対して傾斜角度を有していることを特徴とする請求項7に記載のボールエンドミル。
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