JP2014527122A - 材料を担体上に蒸着するための製造装置 - Google Patents

材料を担体上に蒸着するための製造装置 Download PDF

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Abstract

ガスケットが、担体上に材料を蒸着する製造装置で使用される。反応室は、製造装置の筐体と底板とによって画定される。ガスケットは、蒸着するべき材料又はその前駆体を含む蒸着組成物が、反応室から漏れ出るのを防止するために、筐体と底板との間に配置される。ガスケットは、ガスケットが前記反応室中の材料を汚染するのを防止するために、可撓性のグラファイト材料を含む。

Description

本発明は、概して材料を担体上に蒸着するための製造装置に関する。より具体的には、本発明は、製造装置で使用するためのガスケットに関する。
材料を担体上に蒸着するための製造装置は、当該技術分野において既知である。例えば、多結晶シリコンを生産するために、シリコンを担体上に蒸着する場合がある。不純物による材料の汚染が制限されるように、材料を高純度で蒸着することが望ましい。材料、特に高純度のシリコンの蒸着は、蒸着プロセスを取り囲む環境条件の注意深い制御をともなう。例えば、材料と直接的な物理的連通又は雰囲気的な連通関係にある何らかの物質は、潜在的に材料に不純物を与え、それによって材料を汚染する可能性がある。
ある特定の条件の下では、材料と直接的な物理的連通又は雰囲気的な連通関係にある物質は、更により大量の不純物の一因となる可能性がある。例えば、物質が加熱されているとき、その中に存在する多くの不純物は、この物質から放出される。物質によって放出された、この放出された不純物は、次いで反応室内に導入される可能性がある。放出された不純物が一旦反応室に入ると、放出された不純物は材料によって吸収される可能性があり、その結果材料を汚染する。このように、材料の存在下で加熱を受ける何らかの物質は、材料の汚染に著しい影響を有する可能性がある。従来の製造装置では、反応室を封止するために使用されるガスケットは、材料の潜在的な汚染点である。
一般に、従来の製造装置の運転中に、材料を担体上に蒸着するために材料を含む蒸着気体の存在下で、担体は加熱される。担体の加熱は、反応室の加熱をもたらし、その結果ガスケットの加熱をもたらす。典型的には、ガスケットは、材料中に見出された場合、不純物と考えられることになる物質を含む、Teflon(登録商標)含浸材料を含む。ガスケットの加熱及びガスケットの蒸着ガスへの暴露は、結果的にガスケットから反応室内への不純物の放出をもたらす。
反応室内へ放出された不純物は、担体上の材料を汚染し、このことは望ましくない。追加的に、ガスケットが加熱されるに従ってガスケットは可撓性を失い、ガスケットが反応室を適正に封止するのを妨げる広範なクリープ緩和を被る。反応室が適正に封止されない場合、反応室の外側からの不純物が反応室に入り、材料を汚染する場合がある。
従来の製造装置は、従来の製造装置の運転中、ガスケットを冷却するために水冷ジャケットなどの冷却デバイスを装備する場合がある。冷却デバイスは、ガスケットからの不純物の放出を防止し、かつガスケットの硬化及びクリープ緩和を防止するためにガスケットの加熱を制限する。しかしながら、冷却デバイスの使用に付随するコスト増加及び保守に起因して、冷却デバイスの使用から離れる業界の動向がある。このように、担体上に材料を蒸着するための製造装置のために、改善されたガスケットを提供する必要が残されている。
ガスケットが、担体上に材料を蒸着する製造装置で使用される。ガスケットは、製造装置の筐体と底板との間を封止する。反応室は、筐体と底板とによって画定される。ガスケットは、蒸着するべき材料又はその前駆体を含む蒸着組成物が、反応室から漏れ出るのを防止する。ガスケットは、可撓性のグラファイト材料を含む。可撓性のグラファイト材料は、反応室中の材料をガスケットが汚染するのを防止する。したがって、ガスケットは、高純度の材料を生産する製造装置で使用することができる。追加的に、ガスケットは、冷却デバイスを有しない製造装置で使用することができるが、それでも製造装置が高純度の材料を生産することができるように、材料への不純物の付与を更に最小限に抑える。
本発明の他の利点は容易に理解されるが、添付の図面と併せて考慮すると、以下の発明を実施するための形態を参照することによって、よりよく理解される。
反応室を画定するために底板に連結された、筐体を有する製造装置で、材料を担体上に蒸着するための製造装置の部分断面図である。 底板によって筐体のフランジから延在する凸部(finger)と底板との間に画定される、溝中に配置される、ガスケットをともなう製造装置の部分の断面図である。 筐体のフランジと底板との間で、かつまた反応室と底板の溝との間に配置されるガスケットをともなう製造装置の部分の断面図である。 筐体のフランジと底板との間で、かつまた底板と筐体を底板に連結するボルトとの間に配置されるガスケットをともなう製造装置の部分の断面図である。 凸部と底板との間の、底板の溝内に配置される第1のガスケットと、筐体のフランジと底板との間で、かつまた底板の溝と筐体を底板に連結するボルトとの間に配置される第2のガスケットと、をともなう製造装置の部分の断面図である。 ガスケットのセグメントの平面図である。 ガスケットを形成するようにセグメントが重なった、複数の図6Aのセグメントの平面図である。 陥凹部を画定する第1の端部及びそこから延在する脚部を有する第2の端部を有するガスケットの、代替的なセグメントの平面図である。 ガスケットを形成するようにセグメントが連結する、複数の図7Aのセグメントの平面図である。 それぞれがノッチを画定する、第1の端部及び第2の端部を有する、ガスケットの別の代替的なセグメントの平面図である。 ガスケットを形成するように連結するセグメントをともなう、図8Aの複数のセグメントの平面図である。
いくつかの図面を通して同様の参照番号が同様の又は対応する部品を示す図を参照すると、製造装置は、一般に10で示される。製造装置10の運転中、材料は、担体12の上に蒸着される。例えば、製造装置10は、ジーメンス(Siemens)タイプの化学蒸着反応器などの、高純度多結晶を生産するように、シリコンを担体12上に蒸着するための化学蒸着反応器であってもよい。担体12は、実質的にU字型の外形を有してもよい。しかしながら、担体12がU字型の外形以外の外形を有してもよいことを理解するべきである。追加的に、蒸着するべき材料がシリコンであるとき、担体12は、典型的には高純度多結晶シリコンを生産するためにシリコン四角棒の上にシリコン蒸着された、高純度シリコンを含むシリコン四角棒である。
図1を参照すると、製造装置10は、底板14と、反応室18を画定するように底板14と連結するための筐体16と、を備える。筐体16は、少なくとも1つの壁20を有し、壁20は、典型的には筐体16の円筒状の外形を示す。しかしながら、筐体16が円筒状以外の、立方体の外形などの外形を有してもよいことを理解するべきである。筐体16は、筐体16の内側にアクセスできるようにするために開口する端部22を有する。底板14は、反応室18を画定するように端部22をカバーするために開口する、筐体16の端部22に連結される。概して、底板14は、底板14が筐体16と連結されるときに、筐体16の壁20に対して横断方向である。追加的に、底板14は、典型的には、筐体16の壁20を越えて底板の端部24まで延在する。
図1〜図5を参照すると、筐体16は、筐体16の壁20から延在するフランジ26を有する。より具体的には、フランジ26は、筐体16の壁20からフランジ端部28へと横断方向に延在する。底板14が、筐体16と連結されるとき、底板端部24とフランジ端部28は、典型的には底板14に平行なフランジ26と相互に整列される。典型的には、底板14が筐体16と連結されるとき、フランジ26は底板14と平行である。フランジ26は、底板14が筐体16と連結できるようにする。典型的には、フランジ26と底板14との両方は、筐体16を底板14に固定するために、ボルトなどの締結具32を受容するための穴30を画定する。別の言い方をすれば、締結具32は、筐体16と底板14とが相互に対して移動するのを防止する。底板14とフランジ26との穴30は、締結具32のネジ山を受容するために螺刻されていてもよいことを理解するべきである。
図2〜図5に最も良好に図示されるように、底板14は、溝34を画定することができる。溝34は、底板14の周辺の周りに画定される。追加的に、筐体16のフランジ26は、底板14の溝34と係合するためのフランジ26から延在する凸部36を有してもよい。フランジ26の凸部36の底板14の溝34との係合は、筐体16を底板14に連結するとき、底板14と筐体16とが適正に整列することを確実にする。
製造装置10は、少なくとも部分的に反応室18中に配置される電極38を含む。電極38は、典型的には、底板14を通して配置される。担体12は、反応室18中の電極38と連結される。典型的には、電極38は、少なくとも14×10ジーメンス/メートル、すなわちS/mの室温での最低導電率を有する導電性材料を含む。例えば、電極38は、そのそれぞれが上記の伝導度パラメーターに適合する、銅、銀、ニッケル、インコネル及び金のうち少なくとも1つを含むことができる。追加的に、電極38は、上記の伝導度パラメーターに適合する合金を含むことができる。より典型的には、電極38の導電性材料は、約58×10S/mの室温での最低導電率を有する。電極38は、典型的には、電極38の重量に基づいて約100重量%の量の銅が存在する銅を含む。銅は、酸素を含まない電気銅グレードUNS 10100とすることができる。
電極38は、電極38を通る電流の通過によって反応室18中で加熱される。電極38の加熱の結果として、担体12は、ジュール加熱として知られるプロセスを通して、蒸着温度に加熱される。典型的には、反応室18中の担体12の蒸着温度は、約800℃〜約1,250℃、より典型的には約900℃〜約1,150℃、更により典型的には約950℃〜約1,100℃である。担体12のジュール加熱は、結果的に担体12と連通関係にある反応室18及び他の材料の放射/対流加熱をもたらす。典型的には、製造装置10の運転中、反応室18の運転温度は、おおよそ室温から約400℃、より典型的には約150℃〜約350℃、更により典型的には約150℃〜約350℃である。製造装置10の運転中、運転温度は一定ではなく、運転中に運転温度は一般に増加することを理解するべきである。
反応室18の放射/対流加熱は一般に、蒸着組成物の熱分解を容易にする。蒸着組成物は、担体12上に蒸着するべき材料又はその前駆体を含む。例えば、蒸着するべき材料は、シリコンであってもよく、蒸着組成物は、クロロシラン又はブロモシランなどのハロシランを含んでもよい。蒸着組成物は、水素を更に含んでもよい。しかしながら、蒸着組成物は、他の前駆体、特にシラン、シリコンテトラクロリド、トリブロモシラン、及びトリクロロシランなどのシリコン含有分子を含んでもよいことを理解するべきである。典型的には、蒸着するべき材料がシリコンである場合、担体12は、シリコン四角棒であり、かつ蒸着組成物は、トリクロロシランを含む。シリコンは、トリクロロシランの熱分解に起因して担体12上に蒸着される。しかしながら、製造装置10を使用して、シリコン以外の材料を担体12上に蒸着することができることを理解するべきである。追加的に、蒸着するべき材料は、2つ以上の材料を含む組成物であってもよいことを理解するべきである。
概して、不純物が材料を汚染するのを防止することは有用である。本明細書で一般に使用される用語としては、不純物(単数又は複数)は、蒸着される材料中のその存在が望ましくない元素又は化合物として定義される。例えば、蒸着するべき材料がシリコンであるとき、考慮するべき不純物としては、典型的には、アルミニウム、ヒ素、ホウ素、リン、鉄、ニッケル、銅、クロム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。一般に、担体12上に蒸着される材料中に存在する不純物を制限することは、結果的に材料の高純度をもたらす。本明細書で使用される用語としては、高純度は、材料が、1原子百万分率以下の含有量の不純物を有することを意味する。しかしながら、蒸着するべき材料がシリコンである場合、不純物含有量の逐次的な低減に基づいて作成することができる、蒸着されるシリコンの間に追加的な区別があることを理解するべきである。高純度を有するものとして材料を特徴付けるための上記の閾値は、不純物含有量に対して上限を提供するが、蒸着されるシリコンは、上記の閾値より実質的に低い不純物含有量の高純度として更に特徴付けることができる。
図1を参照すると、製造装置10は、筐体16によって画定される、蒸着組成物を反応室18内へ導入するための入口42も備える。入口42は、底板14によって画定されてもよいことを理解するべきである。典型的には、入口パイプ44は、気体状の状態の蒸着組成物を反応室18へ送達するために入口42へと接続される。製造装置10は、蒸着組成物又はそれらの反応副産物を反応室18から除去することができるように、筐体16によって画定される出口46をまた備えてもよい。
一般に、フランジ26と底板14との間の機械的な相互作用は、蒸着組成物が反応室18から漏れ出るのを防止するためには、不十分である。更に、フランジ26と底板14との間の機械的な相互作用は、反応室18の外側の周囲大気中の不純物などの反応室18の外の不純物が、反応室18に入るのを防止するには、典型的には不十分である。したがって、製造装置10は、筐体16と底板14との間の封止のために、底板14と筐体16との間に配置される少なくとも1つのガスケット48を更に備える。
図2〜図5を参照すると、ガスケット48は、筐体16と底板14との間を封止する。一般に、ガスケット48は、蒸着組成物が反応室18から漏れ出るのを防止するように、反応室18を封止するために、フランジ26と底板14との間で圧縮される。例えば、蒸着組成物がトリクロロシランを含むとき、蒸着組成物は気体であり、ガスケット48は、トリクロロシランが反応室18から漏れ出るのを防止する。追加的に、ガスケット48は、製造装置10の運転中に反応室18の外の不純物が反応室18に入るのを防止する。図2に示すように、ガスケット48は、筐体16と底板14との間を封止するためにガスケット48を圧縮するように、凸部36がガスケット48に接触して、底板14の溝34内に配置されてもよい。図3に示すように、更に、筐体16と底板14との間を封止するために、ガスケット48は、反応室18中の溝34に隣接して、フランジ26がガスケット48を圧縮するようにガスケット48に接触して、底板14上に配置されてもよい。更に、図4に示すように、筐体16と底板14との間を封止するために、ガスケット48は、ガスケット48を圧縮するようにフランジ26がガスケット48に接触して、底板14上で、溝34に隣接して反応室18の外側に、配置されてもよい。
図5を参照すると、少なくとも1つのガスケット48は、第1のガスケット48A及び第2のガスケット48Bとして更に画定されてもよい。典型的には、第1のガスケット48Aは、溝34内に配置され、第2のガスケット48Bは、底板14上に溝34に隣接して配置される。第2のガスケット48Bは、反応室18の外側であっても又は反応室18中であってもよい。凸部36は、筐体16と底板14との間を封止するために、第1のガスケット48Aを圧縮するように第1のガスケット48Aに接触する。フランジ26は、筐体16と底板14との間を更に封止するために、第2のガスケット48Bに接触して、第2のガスケット48Bを圧縮する。
図6A〜図8Bを参照すると、ガスケット48は、ガスケット48を形成するように、隣接するセグメント50が相互に順次接触する、複数のセグメント50を備えてもよい。一般に、セグメント50は、第1の端部52と、第1の端部52から離隔された第2の端部54と、を有する。図6A〜図6Bに示すように、セグメント50は、ガスケット48を形成するために相互に重なってもよい。例えば、セグメント50のうちの1つの第1の端部52は、別の1つのセグメント50の第2の端部54の上に積み重ねられてもよい。代替的には、図7A及び図7Bに示すように、セグメント50のそれぞれの第1の端部52は、陥凹部54を画定してもよく、第2の端部56は、脚部58を有してもよい。かかる実施形態では、ガスケット48を形成するようにセグメント50を連結するために、セグメント50のうちの1つの脚部58は、セグメント50のうちの別の1つの陥凹部54と係合する。別の代替として図8A及び図8Bに示すように、セグメント50の第1の端部52及び第2の端部56は、セグメント50と連結してガスケット48を形成するように、セグメント50のうちの1つの、ノッチ60と係合する、セグメント50のうちの別の1つの第1の端部52とセグメント50のそれぞれの反対側のノッチ60を画定してもよい。ガスケット48は、ガスケット48が様々な直径及び厚さに形成され得るように、複数のセグメント50を備える。例えば、ガスケット48の直径を増加するように、追加的なセグメント50が連結される。代替的には、ガスケット48の直径を減少するように、より少ないセグメント50が連結される。
製造装置10の運転中に、反応室18中の圧力は、運転圧力へと増加する場合がある。反応室18中の圧力は、運転圧力に達する場合があるが、ガスケット48は、それでも筐体16と底板14との間を封止する能力を有する。典型的には、運転圧力は、約1520kPa(約15気圧)未満、より典型的には約203kPa〜約811kPa(約2気圧〜約8気圧)、更により典型的には約304kPa〜約709kPa(3気圧〜約7気圧)である。凸部36の溝34との係合は、反応器室18の側面噴出を防止する。別の言い方をすれば、凸部36と溝34との係合は、反応室18中の圧力の増加にともなってガスケット48が破裂するのを防止する。更に、凸部36の溝34との係合は、ガスケット48をより薄くすることを可能にする。
ガスケット48は、可撓性のグラファイト材料を含む。一般に、可撓性のグラファイト材料は、担体12上に蒸着される材料を汚染する場合がある不純物の反応室18内への導入を最小限にし、又は更には防止する一方で、ガスケット48が反応室18を適切に封止することを可能にするように使用される。別の言い方をすれば、可撓性のグラファイト材料は、ガスケット48がそれによって反応室18を封止する筐体16及び底板14の表面を調整することを可能にする。追加的に、ガスケット48の可撓性のグラファイト材料は、筐体16と底板14との間の材料が圧縮されるべき硬さを有する。別の言い方をすれば、ガスケット48の可撓性のグラファイト材料は、筐体16と底板14との間でガスケット48を圧縮することができる程度に十分に軟らかい。
一般に、ガスケット48は、反応室18と雰囲気的な連通関係にある。このように、ガスケット48は、反応室18の運転温度の結果加熱され、これは経時的に、ガスケット48を損傷する可能性がある。更に、ガスケット48は、ガスケット48が反応室18中の運転圧力に暴露されても反応室18の封止を維持する。ガスケット48の運転温度及び運転圧力への暴露は、ガスケット48が反応室18を封止するのを妨げる可能性があるクリープ緩和をもたらす可能性がある。しかしながら、可撓性のグラファイト材料から作製されたガスケット48は、反応室18中の運転温度及び運転圧力に暴露されても、反応室18を封止するために必要とされる圧縮強さを、Teflon(登録商標)などの他の材料から作製された他の先行技術のガスケットと比較してより長期間にわたって維持することができる。一般に、ガスケット48の可撓性のグラファイト材料は、ガスケット48が確実に反応室18の封止を維持するように、3%未満のクリープ緩和を有する。典型的には、クリープ緩和は、BSI−F125の方法を使用して試験することができる。
ガスケット48はまた、反応室18中の担体12と雰囲気的な連通関係にあり、したがって材料が担体12上に蒸着される際に、材料と雰囲気的な連通関係にある。したがって、ガスケット48が反応室18内への不純物の一因とならないように注意しなければならない。このように、ガスケット48の可撓性のグラファイト材料は、運転温度に暴露されたときに、不純物の反応室18内への導入をもたらす可能性がある、分解を防止するために、適切な熱的な安定性を有する。更に、ガスケット48の分解を通して反応室18内への不純物の一因となる場合があり、これは運転温度及び蒸着ガスに暴露された結果として生じる可能性がある。別の言い方をすれば、運転温度にさらされるときにガスケット48は、分解しない。更に、ガスケット48の可撓性のグラファイト材料は、クロロシランのような塩素含有気体などの蒸着ガスに暴露されたとき、結果的に不純物の反応室18内への導入をもたらす可能性がある、ガスケット48の分解を防止するために適切な耐化学性を有する。
ガスケット48の可撓性のグラファイト材料の熱的な安定性及び耐化学性は、結果的に、可撓性のグラファイト材料が担体12と雰囲気的な連通関係にあるとはいえ、可撓性のグラファイト材料が、反応室18内の不純物の一因となることがあったとしても、それは最低限である。別の言い方をすれば、ガスケット48の可撓性のグラファイト材料は、反応室18の蒸着気体及び運転温度に暴露されるとき、分解に抵抗することができるので、ガスケット48内に存在する場合がある不純物の導入は、ともに制限又は防止される。
典型的には、担体12上に蒸着される材料が高純度であるべきとき、ガスケット48の可撓性のグラファイト材料は、担体12上に蒸着される材料の1原子百万分率未満である量の不純物の一因となる。しかしながら、担体12上に蒸着される材料が高純度でないときでさえも、ガスケット48の可撓性のグラファイト材料は、Teflon(登録商標)含浸材料から製造されたガスケットなどの先行技術で既知のガスケットより少ない量の不純物の一因となる。担体12上に蒸着される材料を汚染する、ガスケット48中の不純物の制限又は防止は、上記の高純度閾値に適合する/これを超えるように、担体12、特に多結晶シリコン上に材料を蒸着することを可能にする。更に、製造装置10は、ガスケット48の加熱を低減するための冷却デバイスを装備していないという事実にもかかわらず、ガスケット48からの不純物による、担体12上に蒸着される材料の汚染の制限又は防止を達成することができる。しかしながら、可撓性のグラファイト材料の汚染を制限する効果を更に高めるために、水冷ジャケットなどの冷却デバイスが使用されてもよいことを理解するべきである。
典型的には、ガスケット48の可撓性のグラファイト材料は、可撓性のグラファイト材料の100重量部に対して、少なくとも99.75重量部、より典型的には少なくとも99.88重量部、更により典型的には少なくとも99.95重量部のグラファイトを含む。別の言い方をすれば、可撓性のグラファイト材料は、少なくとも99.92パーセントのグラファイトを含む。更に別の言い方をすれば、可撓性のグラファイト材料は、典型的には、2,500原子百万分率未満、より典型的には1,200原子百万分率未満、更により典型的には600原子百万分率未満の不純物含有量を有する。不純物に対するグラファイトの高い百分率のために原子炉級グラファイトとも呼ばれる場合がある可撓性のグラファイト材料は、可撓性のグラファイト材料を原子炉で使用するために適切なものにする。この可撓性のグラファイト材料の不純物含有量は低いので、可撓性のグラファイト材料は、約10原子百万分率未満、より典型的には約5原子百万分率未満、更により典型的には約1原子百万分率未満の不純物の、担体12上に蒸着される材料への一因となる。
可撓性のグラファイト材料内に存在するわずかな百分率の不純物にもかかわらず、可撓性のグラファイト材料中のホウ素及びリンの不純物含有量は、担体12上に蒸着される材料の汚染を防止するために更に最低限にされる。蒸着される材料がシリコンであるとき、ホウ素及びリンは、多結晶シリコンの生産で考慮すべき可能性がある2つの不純物なので、これは特に有益である。典型的には、可撓性のグラファイト材料は、10.0原子百万分率未満、より典型的には6.0原子百万分率未満、更により典型的には1.0原子百万分率未満の量のリンを含む。可撓性のグラファイト材料は、可撓性のグラファイト材料からリンを除去するために、塩素で精製されてもよいことを理解するべきである。別の言い方をすれば、可撓性のグラファイト材料は、可撓性のグラファイト材料からリンを除去するために塩素ガスに暴露されてもよい。追加的に、可撓性のグラファイト材料は、典型的には1.0原子百万分率未満、より典型的には0.8原子百万分率未満、更により典型的には0.5原子百万分率未満の量のホウ素を含む。更に、ガスケット48の可撓性のグラファイト材料は、実質的にホウ素及び/又はリンを含まない。
上記に紹介したように、可撓性のグラファイト材料は、ガスケット48が反応室18を適切に封止するのを可能にする。更に、可撓性のグラファイト材料は、ガスケット48が反応室18の運転温度に暴露されるとき、反応室18内へと不純物を放出しない。したがって、ガスケット48は、高純度を有する材料を蒸着するために、製造装置10中で使用することができる。例えば、多結晶シリコンを生産するために蒸着される材料がシリコンであるとき、ガスケット48が可撓性のグラファイト材料を含むので、ガスケット48による可能性のある汚染が制限、又は除去さえもされているので、多結晶シリコンは高純度で生産される。
明らかに本発明の多くの修正及び変更が上記教示から可能である。前述の発明は、関連する法的基準により記載されており、したがって説明は、事実上制限ではなく、むしろ例示である。開示された実施形態への変更及び修正は、当業者には明らかとなる場合があり、明らかに本発明の範囲内に含まれる。したがって、本発明に付与される法的な保護の範囲は、下記の特許請求の範囲を検討することによってのみ決定される場合がある。

Claims (36)

  1. 材料を担体上に蒸着するための製造装置であって、
    底板と、
    反応室を画定するように前記底板と連結するためのフランジを有する筐体と、
    前記材料又はその前駆体を含む蒸着組成物を、前記反応室内へと導入するために前記筐体によって画定される入口と、
    前記蒸着組成物が、前記反応室から漏れ出るのを防止するために、前記底板と前記筐体との間に配置される、前記筐体と前記底板との間を封止するための少なくとも1つのガスケットと、を備え、
    前記ガスケットが、前記反応室中の前記材料を汚染するのを防止するために、前記ガスケットが、可撓性のグラファイト材料を含む、製造装置。
  2. 前記可撓性のグラファイト材料が、前記担体上に蒸着される前記材料の、10原子百万分率未満の不純物の一因となる、請求項1に記載の製造装置。
  3. 前記可撓性のグラファイト材料が、10原子百万分率未満の量のリンを含む、請求項1又は2に記載の製造装置。
  4. 前記可撓性のグラファイト材料からリンを除去するために、前記可撓性のグラファイト材料が塩素で精製される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造装置。
  5. 前記可撓性のグラファイト材料が、本質的にグラファイトからなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造装置。
  6. 前記底板が溝を画定し、前記底板の前記溝と係合するために、凸部が前記筐体の前記フランジから延在する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造装置。
  7. 前記筐体と前記底板との間を封止するために、前記凸部が、前記ガスケットを圧縮するように前記ガスケットと接触して、前記ガスケットが、前記底板の前記溝内に配置される、請求項6に記載の製造装置。
  8. 前記筐体と前記底板との間を封止するために、前記ガスケットを圧縮するように前記フランジが前記ガスケットと接触して、前記ガスケットが、前記反応室中の前記溝に隣接して前記底板の上に配置される、請求項6に記載の製造装置。
  9. 前記筐体と前記底板との間を封止するために、前記ガスケットを圧縮するように前記ガスケットに前記フランジが接触して、前記反応室の外側で前記溝に隣接して前記底板上に前記ガスケットが配置される、請求項6に記載の製造装置。
  10. 前記少なくとも1つのガスケットが、前記溝内に配置される第1のガスケットとして更に画定され、第2のガスケットが、前記溝に隣接して前記反応室の外側で前記底板上に配置される、前記筐体と前記底板との間を封止するために、前記第1のガスケットを圧縮するように前記凸部を前記第1のガスケットに接触させて、かつ前記筐体と前記底板との間を更に封止するために、前記第2のガスケットを圧縮するように前記フランジが前記第2のガスケットに接触する、請求項6に記載の製造装置。
  11. 前記ガスケットが、複数のセグメントを備え、前記セグメントのそれぞれが、前記ガスケットを形成するように互いに接触する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造装置。
  12. 前記セグメントのそれぞれが、互いに重なり、前記ガスケットを形成する、請求項11に記載の製造装置。
  13. 前記セグメントのそれぞれが、陥凹部を画定する第1の端部と、脚部を有する第2の端部と、を備え、前記セグメントのうちの1つの前記脚部が、前記ガスケットを形成するように前記セグメントと連結するために、前記セグメントのうちの別の1つの陥凹部と係合する、請求項11に記載の製造装置。
  14. 前記セグメントのそれぞれは、第1の端部と、第2の端部と、を備え、前記端部のそれぞれが、前記セグメントの反対側の上にノッチを画定し、前記ガスケットを形成するように前記セグメントを連結するために、前記セグメントのうちの1つの前記第1の端部が、前記セグメントのうちの別の1つの前記ノッチと係合する、請求項11に記載の製造装置。
  15. 材料を担体上に蒸着する製造装置で使用するためのガスケットであって、前記製造装置が、反応室を画定する筐体と底板とを含み、前記材料又はその前駆体を含む蒸着組成物が、前記反応室から漏れ出るのを防止するように、前記ガスケットが、前記製造装置の前記筐体と前記底板との間を封止し、前記ガスケットが、前記担体上に蒸着される前記材料の、10原子百万分率未満の不純物の一因となる可撓性のグラファイト材料を含む、ガスケット。
  16. 前記可撓性のグラファイト材料が、10原子百万分率未満の量のリンを含む、請求項15に記載のガスケット。
  17. 前記可撓性のグラファイト材料からリンを除去するように、前記可撓性のグラファイト材料が塩素で精製される、請求項15及び16のいずれか一項に記載のガスケット。
  18. 前記可撓性のグラファイト材料が、本質的にグラファイトからなる、請求項15〜17のいずれか一項に記載のガスケット。
  19. 複数のセグメントを備え、前記セグメントのそれぞれが、前記ガスケットを形成するように相互に接触する、請求項15〜18のいずれか一項に記載のガスケット。
  20. 前記セグメントのそれぞれが、前記ガスケットを形成するために互いに重なる、請求項19に記載のガスケット。
  21. 前記セグメントのそれぞれが、陥凹部を画定する第1の端部と、脚部を有する第2の端部と、を備え、前記ガスケットを形成するように前記セグメントを連結するために、前記セグメントのうちの1つの前記脚部が、前記セグメントのうちの別の1つの前記陥凹部と係合する、請求項19に記載のガスケット。
  22. 前記セグメントのそれぞれが、第1の端部と、第2の端部と、を備え、前記端部のそれぞれが前記セグメントの反対側にノッチを画定し、前記ガスケットを形成するように前記セグメントを連結するために、前記セグメントのうちの1つの前記第1の端部が、前記セグメントのうちの別の1つの前記ノッチと係合する、請求項19に記載のガスケット。
  23. 高純度多結晶シリコンを生産するための、シリコーンをシリコン四角棒の上に蒸着するためのシーメンスタイプの化学蒸着反応器であって、
    底板と、
    反応室を画定するように前記底板と連結するためのフランジを有する筐体と、
    前記シリコン又はその前駆体を含む蒸着組成物を、前記反応室内へ導入するために前記筐体によって画定される入口と、
    前記蒸着組成物が前記反応室から漏れ出るのを防止するために、前記底板と前記筐体との間に配置される、前記筐体と前記底板との間を封止するための少なくとも1つのガスケットと、を備え、
    前記ガスケットが、前記反応室中の前記シリコン四角棒上に蒸着される前記シリコンを汚染するのを防止するために、前記ガスケットが、可撓性のグラファイト材料を含む、シーメンスタイプの化学蒸着反応器。
  24. 前記可撓性のグラファイト材料が、前記シリコン四角棒上に蒸着される前記シリコンの、10原子百万分率未満の不純物の一因となる、請求項23に記載のシーメンスタイプの化学蒸着反応器。
  25. 前記可撓性のグラファイト材料が、10原子百万分率未満の量のリンを含む、請求項23及び24のいずれか一項に記載のシーメンスタイプの化学蒸着反応器。
  26. 前記可撓性のグラファイト材料からリンを除去するように、前記可撓性のグラファイト材料が塩素で精製される、請求項23〜25のいずれか一項に記載のシーメンスタイプの化学蒸着反応器。
  27. 前記可撓性のグラファイト材料が、本質的にグラファイトからなる、請求項23〜26のいずれか一項に記載のシーメンスタイプの化学蒸着反応器。
  28. 前記底板が溝を画定し、前記底板の前記溝と係合するために、凸部が前記筐体の前記フランジから延在する、請求項23〜27のいずれか一項に記載のシーメンスタイプの化学蒸着反応器。
  29. 前記筐体と前記底板との間を封止するために、前記凸部が、前記ガスケットを圧縮するように前記ガスケットと接触して、前記ガスケットが、前記底板の前記溝内に配置される、請求項28に記載のシーメンスタイプの化学蒸着反応器。
  30. 前記筐体と前記底板との間を封止するために、前記ガスケットを圧縮するように前記フランジが前記ガスケットと接触して、前記ガスケットが、前記反応室中の前記溝に隣接して前記底板の上に配置される、請求項28に記載のシーメンスタイプの化学蒸着反応器。
  31. 前記筐体と前記底板との間を封止するために、前記ガスケットを圧縮するように前記ガスケットに前記フランジが接触して、前記反応室の外側で前記溝に隣接して前記底板上に前記ガスケットが配置される、請求項28に記載のシーメンスタイプの化学蒸着反応器。
  32. 前記少なくとも1つのガスケットが、前記溝内に配置される第1のガスケットとして更に画定され、第2のガスケットが、前記溝に隣接して前記反応室の外側で前記底板上に配置される、前記筐体と前記底板との間を封止するために、前記第1のガスケットを圧縮するように前記凸部を前記第1のガスケットに接触させて、かつ前記筐体と前記底板との間を更に封止するために、前記第2のガスケットを圧縮するように前記フランジが前記第2のガスケットに接触する、請求項28に記載のシーメンスタイプの化学蒸着反応器。
  33. 前記ガスケットが、複数のセグメントを備え、前記ガスケットを形成するように前記セグメントのそれぞれが相互に接触する、請求項23〜32のいずれか一項に記載のシーメンスタイプの化学蒸着反応器。
  34. 前記セグメントのそれぞれが、前記ガスケットを形成するために互いに重なる、請求項33に記載のシーメンスタイプの化学蒸着反応器。
  35. 前記セグメントのそれぞれが、陥凹部を画定する第1の端部と、脚部を有する第2の端部と、を備え、前記セグメントのうちの1つの前記脚部が、前記ガスケットを形成するように前記セグメントを連結するために、前記セグメントのうちの別の1つの前記陥凹部と係合する、請求項33に記載のシーメンスタイプの化学蒸着反応器。
  36. 前記セグメントのそれぞれは、第1の端部と、第2の端部と、を備え、前記端部のそれぞれが、前記セグメントの反対側の上にノッチを画定し、前記ガスケットを形成するように前記セグメントを連結するために、前記セグメントのうちの1つの前記第1の端部が、前記セグメントのうちの別の1つの前記ノッチと係合する、請求項33に記載のシーメンスタイプの化学蒸着反応器。
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