JP2014521601A - 分離方法 - Google Patents

分離方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014521601A
JP2014521601A JP2014519637A JP2014519637A JP2014521601A JP 2014521601 A JP2014521601 A JP 2014521601A JP 2014519637 A JP2014519637 A JP 2014519637A JP 2014519637 A JP2014519637 A JP 2014519637A JP 2014521601 A JP2014521601 A JP 2014521601A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lactic acid
lactide
aliphatic ester
mixture
aliphatic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP2014519637A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014521601A5 (ja
Inventor
マーシャル・エドワード・レスリー
オセイ−ツツ・ジェード・ジョセリン・アフリイ
スミス・スティーブン・アレキサンダー・コールダー
Original Assignee
プラクシカ・リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from GB201112296A external-priority patent/GB201112296D0/en
Priority claimed from GB201112297A external-priority patent/GB201112297D0/en
Priority claimed from GB201210275A external-priority patent/GB201210275D0/en
Application filed by プラクシカ・リミテッド filed Critical プラクシカ・リミテッド
Publication of JP2014521601A publication Critical patent/JP2014521601A/ja
Publication of JP2014521601A5 publication Critical patent/JP2014521601A5/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/62Carboxylic acid esters
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P41/00Processes using enzymes or microorganisms to separate optical isomers from a racemic mixture
    • C12P41/003Processes using enzymes or microorganisms to separate optical isomers from a racemic mixture by ester formation, lactone formation or the inverse reactions
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P17/00Preparation of heterocyclic carbon compounds with only O, N, S, Se or Te as ring hetero atoms
    • C12P17/02Oxygen as only ring hetero atoms
    • C12P17/06Oxygen as only ring hetero atoms containing a six-membered hetero ring, e.g. fluorescein
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/40Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a carboxyl group including Peroxycarboxylic acids
    • C12P7/56Lactic acid

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

分離方法
R,R−及びS,S−ラクチドの混合物の処理方法を提供する。この方法は、該ラクチド混合物を、脂肪族アルコール及び/又はアルコキシドと接触させて、R,R−及びS,S−ラクチル乳酸脂肪族エステルの混合物を調製すること、続いてR,R−及びS,S−ラクチル乳酸脂肪族エステルの混合物を、酵素と接触させて、一方のラクチドエナンチオマーに相当する乳酸脂肪族エステル及び他方のラクチドエナンチオマーに相当するラクチル乳酸脂肪族エステルを含む混合物を調製すること、並びに生成物を回収することを、含む。また、S−乳酸、S,S−ラクチド、ポリ−S−乳酸、R−乳酸、R,R−ラクチド、ポリ−R−乳酸及びステレオコンプレックス型ポリ乳酸の製造方法をも提供する。

Description

本発明は、乳酸、その環状二量体(ラクチド)又は乳酸エステルの単一の各エナンチオマーの製造に関する。特に、R,R−及びS,S−ラクチドの混合物をアルコール化し(alcoholising)、次いで得られたR,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)のアルキルエステルの混合物を、酵素の存在下に、立体選択的にアルコール化して、異なる乳酸誘導体の単一の各エナンチオマーを調製し、次いでそれらは容易に分離できる分離方法に関する。
乳酸(2−ヒドロキシプロパン酸)及びその環状二量体のラクチド(3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)は、化学及び医薬産業の構成ブロックとして益々重要になってきている。このことの例の一つは、ポリ乳酸を製造するためのラクチドの使用にある;そのポリマーの様々な再生可能な原料から製造できる能力及び生分解性能力により、それは、例えば食品や飲料の容器の製造におけるポリエチレンテレフタレートの様なより慣用の石油化学系ポリマーを、置き換えるための魅力的な候補になる。今日、ラクチドは、トウモロコシの様な作物及びその他の天然生産物に由来する単糖類の細菌発酵によって、一般的に順次製造される乳酸から、製造される。乳酸は、キラルであり、二種のエナンチオマーの形態(それぞれ、一方はL−乳酸(S−乳酸ともいう)で、他方はD−乳酸(R−乳酸ともいう)である)で製造される。ラクチドのような誘導体も、キラルである;ラクチドは、特に、二種のエナンチオマーの形態(S,S−ラクチド及びR,R−ラクチド)及び第三のジアステレオマーのR,S体(ときとしてメソ−ラクチドという)である。上記した従来の発酵技術は、主に、L−乳酸とごく僅かに形成されるD−乳酸とを生成する。しばしば遺伝子組み換えされた、異なるバクテリアを利用して、これらの技術を変更し、類似する選択的な方法によりD−乳酸を生産することが可能であるが、現在までのところ、該修飾バクテリア及びそれに関連する工程は高価で、大規模な工業的規模で信頼して用いるのは困難である。このことは、D−乳酸の比較的高い価格及び限られた入手可能性から、明らかである。
ポリ乳酸は、一般的に、先ず、乳酸を脱水して、ラクチドを調製し、次いで、より短いオリゴマーではなく、長いポリマー鎖を確実に生成できるように、注意深く制御された条件下に、重合するという二段階で製造される。上記で説明したように、最も容易に利用できる乳酸源は、L−乳酸であるので、現在までのところ、商業的に用いられるラクチドはS,S−ラクチドであり、そして製造されるポリマーはポリ−L−乳酸(PLLA)(ポリ−S−乳酸としても知られている)である。しかしながら、PLLAの物理的特性は、従来のポリマー(相当するポリ−D−乳酸(PDLA)(ポリ−R−乳酸としても知られている)の該特性)に比べて、限られており、現在までのところ、その有用性は、限られている。
これらの欠点は、例えばメルトブレンディングによって調製されたPLLAとPLDAの混合物を用いることによって、克服できることが見出されている。これらのいわゆる「ステレオコンプレックス型(stereocomplex)」ポリマー混合物においては、PLLA鎖及びPLDA鎖が、それらの相違するキラリティーによって誘引されて、密に詰まることで、ポリマーの結晶化度を改善して、上記した特性の改良に導くものと信じられている。これにより、ステレオコンプレックス型(stereocomplex)PLAはより広範囲に及ぶ耐久消費財に適用可能となり、ポリエチレンタフレート、ポリプロピレン及びポリスチレンの様な伝統的な商品用ポリマーに代わる実用的な代替になる。しかしながら、このアプローチは、大量のPDLAへのアクセスを必要とし、それゆえ結局は、大量のD−乳酸を必要とする。
発酵法の使用に加えて、従来の化学的変換法によって、乳酸を製造することが知られている。例えば、従来技術は、乳酸は広範な生物的物質に由来する単糖類を水性強塩基で処理することで調製できることを教示している。しかしながら、そのような方法は、立体選択的ではなく、2つのエナンチオマーがほぼ等量のラセミ混合物を生じる。それゆえ、それらは、ステレオコンプレックス型(stereocomplex)ポリ乳酸の前駆体を製造する方法として魅力的である。しかしながら、ポリ乳酸を製造するためにラセミ乳酸を用いると、得られるポリマーが非晶質となり、そのため加工特性が劣るという問題がある。それゆえ、ラセミラクチドの各エナンチオマーを、別々に重合し、その2つのキラルポリマーを最終工程でのみ混合することができるように、ラセミ乳酸に存在する各エナンチオマー又は相当する(corresponding)ラセミラクチドの各エナンチオマーを分離することが必要である。
ラセミ混合物を、その成分である各エナンチオマーに分離することは、一般的には、既知の試みで採用済の方法であり、その方法は分別結晶化及びクロマトグラフィーを包含する。しかしながら、特に処理量が多く、また操業コストを注意深くコントロールする必要のある商業規模のポリマー製造の様な大きなスケールにおいては、これらの方法は容易に行うことができない。そのため、スケールの面において、容易かつ再現性よく実行できる簡明な化学工業的解決策が求められている。
ジョン等(Jeon et al)は、Tetrahedron Letters 47(2006)6517-6520において、溶剤及び支持されたリパーゼ酵素Novozym 435の存在下に、ラセミラクチドを、種々のアルコールで、アルコール化して(alcoholised)、相当する(corresponding)R−乳酸アルキルエステル(R-alkyl lactate)及びS,S−ラクチル乳酸アルキルエステル(S,S-alkyl lactyllactate)の混合物を含む生成物を生成できるという実験的観察を開示している。
Tetrahedron Letters 47(2006)6517-6520
しかしながら、この文献は、それ以上の化学的記載をしていない。
我々は、ここに、ジョン等に記載された方法を、もしも、先ず脂肪族アルコールの存在下にラクチドエナンチオマーを開環して、R,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルのラセミ混合物を調製し、次いでそのように形成されたラセミ混合物を酵素で処理して、一方のラクチドエナンチオマーに相当する(corresponding)乳酸の脂肪族エステル、及び他方のラクチドエナンチオマーに相当する(corresponding)ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルを生成するという2段階で、行う場合には、その方法を顕著に改良できることを見出した。その後、2つの生成物は回収でき、好ましくは蒸留によって、分離できる。
一度これらの2つの成分が分離されると、それらは乳酸の異なるエナンチオマーと関連するという事実は、それらが、引続く化学的変換によって、それぞれ光学的に純粋なR,R−及びS,S−ラクチドに、又は、望むならば、非ポリマー製造分野に使用できる光学的に純粋なR−及びS−乳酸に変換できることを意味する。
従って、本発明によれば、下記の各工程によって特徴付けられる、R,R−及びS,S−ラクチドの混合物の処理方法が提供される:
(a) R,R−及びS,S−ラクチドの混合物を、脂肪族アルコール及び/又はアルコキシドと接触させてR,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルの混合物を調製する;
(b) 続いてR,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルの混合物を、脂肪族アルコール及び酵素と接触させて、一方のラクチドエナンチオマーに相当する乳酸の脂肪族エステル、及び他方のラクチドエナンチオマーに相当するラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルを含む混合物を調製する;並びに
(c) 工程(b)で調製した混合物から、乳酸の脂肪族エステル及び/又はラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルを、回収する。
本発明方法は、高いエナンチオマー純度で、乳酸誘導体を供給する。好ましくは、工程(c)から得られる乳酸の脂肪族エステルのエナンチオマー過剰率は、少なくとも90%であり、より好ましくは少なくとも95%であり、更に好ましくは少なくとも98%であり、更により好ましくは少なくとも99%である。好ましくは、工程(c)から得られるラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルのエナンチオマー過剰率は、少なくとも90%であり、より好ましくは少なくとも95%であり、更に好ましくは少なくとも98%であり、更により好ましくは少なくとも99%である。
本発明方法の工程(a)は、R,R−及びS,S−ラクチドの混合物を、脂肪族アルコール又はアルコキシドと接触させてR,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルの混合物を調製する。R,R−及びS,S−ラクチドの混合物は、ラセミ体又はスカレミック体(scalemic)であってよい。1つの態様では、R,R−及びS,S−ラクチドの混合物は、ラセミ体である。他の態様では、R,R−及びS,S−ラクチドの混合物は、スカレミック体(scalemic)(即ち非ラセミ体)である。この段階で使用するラクチドは、原則として、どんな起源に由来するものでもよいが、特に適するものは、単糖類(グルコース、フラクトース、キシロース、及びそれらの混合物を含む)又はいくつかの他の炭水化物(ホルムアルデヒド、グリセルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン及びグリセロールを含む)を、水性溶液中、高温で、塩基で処理することによって得られるラセミ乳酸である。特に好ましいのは、例えば、GB2484674で議論された従来技術において、及びUS7829740において、記載されている、I族A(Group IA)、II族A(Group IIA)又は4級アンモニウム塩基の使用である。典型的には、これらの方法で得られるラセミ乳酸は、この分野でよく知られている、脱水工程によって、ラセミラクチドに変換することができる。そのラクチドは、相当するR,Sジアステレオマー(メソラクチド)を含まないか、実質的に含まないことが好ましい。望ましくは、R,S−ラクチドは、R,R−及びS,S−ラクチドから、例えば当分野でよく知られている、常法によって、分離されてもよい。
好適には、脂肪族アルコールは、C〜Cアルコール、好ましくはC2〜Cアルコール、より好ましくはC3〜Cアルコール、最も好ましくはC3〜C4アルコールである。脂肪族アルコールは、好ましくはアルキルアルコール、より好ましくはC2〜Cアルキルアルコール、更に好ましくはC3〜Cアルキルアルコール、更により好ましくはC3〜C4アルキルアルコールである。そのアルコールは、例えば、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、i−ブタノール又は2−エチルへサノールであってよい。好ましいアルコールとしては、例えば、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、及びn−ブタノールを包含する。より好ましいアルコールは、i−プロパノール、n−プロパノール又はn−ブタノールである。更により好ましいアルコールは、n−プロパノール又はn−ブタノールである。1つの特に好ましい態様では、アルキルアルコールは、n−ブタノールである。他の態様では、脂肪族アルコールは、i−プロパノールである。他の態様では、脂肪族アルコールは、n−プロパノールである。
工程(a)は、好ましい場合には、溶剤として、R,R−及びS,S−ラクチドの混合物を、完全に又は部分的に混和できるように選ばれた脂肪族アルコールを用いて、行うことができる。従って、1つの態様では、工程(a)は、脂肪族アルコール以外の溶剤の実質的不存在下で行われる(即ち、その場合は、アルコール、ラクチド及び/又は酵素は、水の様ないくらかの残余の溶剤を含んでもよい)。他の態様では、工程(a)において、脂肪族アルコールに加えて、他の溶剤(助溶剤等)が存在してもよい。例えば、溶剤/脂肪族アルコールと混和性がある助溶剤である。もしも、R,R−及びS,S−ラクチドの混合物が、アルコールと、混和できないか又は低い混和性しか有しない場合は、両成分が混和できる溶剤/助溶剤を用いることが、可能であり、又多くの場合には好ましい。溶剤/助溶剤の使用は、工程(c)において、更なる工程処理上の利点(processing advantages)に導くことができる。溶剤/助溶剤の代表的な好ましい例は、非反応性酸素含有溶剤、例えば、ジアルキルエーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル又はMTBE)、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、グリコールエーテル類、ポリアルキレングリコールエーテル類等を包含する。ケトン溶剤/助溶剤は、特に好ましい。好ましいケトン溶剤は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及び、特に、アセトンを包含する。そのようなケトン溶剤は、工業的スケールで工程を行うのに特に好適であり、そこでは、良い溶解性が有利であろう。追加的炭化水素溶剤/助溶剤も又有利に加えることができる。脂肪族アルコール又は脂肪族アルコール/助溶剤混合物は、水を含んでいてもよい。代表的には、用いられる脂肪族アルコール又は脂肪族アルコール/助溶剤混合物は、工程(b)において酵素が最適に機能することを保証するように、1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満の水を含んでいる。ある好ましい態様では、この工程で分子篩が用いられる。
その工程は、過剰な脂肪族アルコールと共に、追加の溶剤/助溶剤を用いて、行うことができる。その工程は、化学量論的又はほぼ化学量論的な量の脂肪族アルコールを用いて行うことができること、そして他の溶剤は主要な又は単一の溶剤であってよいことが、理解されるであろう。
工程(a)は、アルコーリシスによるラクチドの開環を必須的に含み、例えば、脂肪族アルコールの存在下で、R,R−及びS,S−ラクチドの混合物を加熱するか、又はアルコキシド好ましくはラセミラクチドに強い求核的挙動を示す相当するアルコキシドを単独で若しくは追加的に使用することによって、行うことができる。ある態様では、工程(a)は、触媒無しで、行われる。代替的に又は追加的に、工程(a)は、塩酸、p−トルエンスルホン酸等の強酸の触媒量の存在下に、行うことができる。全ての場合に、ラクチル乳酸脂肪族エステル生成物が乳酸脂肪族エステルに更にアルコーリシスされることを避けるために、この工程の条件が注意深くモニターされるべきである。この理由のために、工程(b)のための適切な供給原料として、ラクチル乳酸(lactyllactic acid)のアルキルエステル(メジャー成分)及び未反応ラクチド(マイナー成分)の混合物を生成するように、工程(a)は、全変換にならないまで、行うのが好ましい。好ましくは、工程(a)は、R,R−及びS,S−ラクチドの混合物の60〜90%が消費されるまで、より好ましくはR,R−及びS,S−ラクチドの混合物の70〜85%が消費されるまで、続ける。反応自体は、15〜140℃、好ましくは50〜120℃の範囲内の温度で、好適に行われる。工程(a)は、代表的には、酵素の不存在下で行われる。工程(a)を行った後、反応が酸触媒された場合には、例えば塩基を加えることによって、生成混合物を中和するのが好ましい。代表的には、工程(a)で使用される脂肪族アルコールの量は、ラクチドに対する脂肪族アルコールのモル比が0.5:1〜10:1、より好ましくは0.5:1〜5:1、更に好ましくは0.5:1〜4:1、更により好ましくは0.5〜3:1、更にもっとより好ましくは0.5:1〜2:1、最も好ましくは0.75:1〜1.5:1の範囲である。
工程(b)において、そうして得られたR,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルの混合物を、酵素及び必要であれば更に脂肪族アルコールと接触させる。例えば、酵素を、工程(a)からの反応生成物に、加えてもよいし、工程(a)からの反応生成物を、酵素に、加えてもよい。酵素は、ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルを脂肪族アルコールと反応させて、乳酸脂肪族エステルを生成する反応を、立体選択的に触媒することができるエステラーゼを、好適に包含する。より好ましくは、そのエステラーゼはリパーゼである。その酵素(例えば、エステラーゼ、リパーゼ)は、好ましくは、多孔質担体例えばポリマー樹脂ビーズ、又はシリカ、アルミナ若しくはアルミノシリケートのビーズに、化学的又は物理的に固定化されたものである。1つの特に好ましい例は、リパーゼB(Lipase B)、特にカンジダ・アンタクチカ(Candida antarctica)のリパーゼB、2級アルコールエステルの加水分解に対する公知のエナンチオ選択性を有するセリンヒドラーゼ(serine hydrolase)である。本発明のこの側面において、例えば、ジョン等(Jeon et al)の開示において用いられた、市販されている物質のNovozym 435の場合のように、リパーゼBは、例えば官能基化されたスチレン/ジビニルベンゼン又はポリアクリレート樹脂等のポリマー樹脂製のミクロ又はナノビーズに、最も好適に化学的又は物理的に結合されている。ジョンが示したように、この特に支持された酵素を使用するときは、優先的に生成する脂肪族乳酸エステルエナンチオマーは、D−乳酸に由来するものであり、そして残りの脂肪族ラクチル乳酸エステルエナンチオマー(aliphatic lactyllactate ester enantiomer)は、L−乳酸に由来するものである。他の好ましい酵素としては、IMMCALB-T2-150、カンジダ・アンタクチカ(Candida antarctica)からのリパーゼBを乾燥アクリルビーズに共有結合で付加した固定化リパーゼB、キラルビジョン(Chiralvision)社製;IMMCALBY-T2-150、カンジダ・アンタクチカ(Candida antarctica)からのリパーゼBを乾燥アクリルビーズに共有結合で付加した一般的なリパーゼB、キラルビジョン(Chiralvision)社製;IMMCALB-T1-350、カンジダ・アンタクチカ(Candida antarctica)からのリパーゼBを乾燥ポリプロピレンビーズに吸収させたもの、キラルビジョン(Chiralvision)社製;カンジダ・アンタクチカ(Candida antarctica)からのリパーゼBの架橋された凝集体、クレア(CLEA)社製;及び、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)からのリパーゼBのカンジダ・アンタクチカ(Candida antarctica)の組換え体、シグマ・アルドリッチ社(Sigma Aldrich)製(非固定化)、を包含する。
工程(b)は、R,R−及びS,S−ラクチドの混合物が完全に又は部分的に混和するように脂肪族アルコールが選ばれている好ましい場合には、その脂肪族アルコールを溶剤として用いて行うことができる。従って、1つの態様では、工程(b)は脂肪族アルコール以外の溶剤の実質的不存在下で、行われる。他の態様では、工程(b)において、溶剤/助溶剤、例えば工程(a)で使用するものとして上記した溶剤/助溶剤を、用いることができる。アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン溶剤は、やはり、特に好ましい。
工程(b)は、一方で反応速度が重要であることを、又他方で酵素が長期間の使用で劣化しないことを保証するために、15〜140℃の範囲内の温度で、好適に行われる。好ましくは、採用される温度は、25〜80℃の範囲内であり、最も好ましくは、30〜70℃の範囲内である。
代表的には、カンジダ・アンタクチカ(Candida antarctica)のリパーゼB(例えばNovozym 435)のような酵素を用いたとき、乳酸の脂肪族エステル及びラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルは、それぞれ、R−乳酸の脂肪族エステル及びS,S−ラクチル乳酸の脂肪族エステルである。反応条件の変化によって、酵素の選択性を変えることができる。従って、それほど好ましくはないが、他の態様では、酵素はカンジダ・アンタクチカ(Candida antarctica)のリパーゼBであり、そして、乳酸の脂肪族エステル及びラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルは、それぞれ、S−乳酸の脂肪族エステル及びR,R−ラクチル乳酸の脂肪族エステルである。
工程(a)及び(b)は、多くの手段で、工業的規模で実施することができる。例えば、支持された酵素を使用する場合、それらの工程は、単一の撹拌タンク又は高逆混合タンク(highly back-mixed tank)中で、バッチ法で行うことができ、そこでは、工程(a)の後で中和が完了したときに、支持された酵素を加える。一度工程(b)が完了したら、次いで支持された酵素を、濾過又はハイドロサイクロンを用いて分離し、そして精製された液体を、工程(c)が行われる、例えば蒸留塔(distillation column)の釜に供給する。そのような場合において、工程(a)及び(b)のための撹拌タンク中の全滞留時間は、代表的には24時間まで、好ましくは10時間まで、より好ましくは1〜8時間であり、支持された酵素の使用量は、用いたラセミラクチドの10重量%まで、好ましくは5重量%までであろう。
代替的な好ましい態様では、例えば、R,R−ラクチル乳酸ブチル及びS,S−ラクチル乳酸ブチル、アルキルアルコール(例えばn−ブタノール)及び溶剤/助溶剤(例えばアセトン)を含む混合物を、酵素(例えばカラム中に存在)の充填床(packed bed)に通すことによって、酵素(例えばNovozym 435のような固定化酵素)と接触させることができる。そのようなフローの方法で、滞留時間は、高い変換を保証するように、選択される。特に好ましい態様では、充填床は縦型で、混合物はカラムの頂上から供給される。ケトン溶剤は、このような方法と共に用いるのに特に好ましい。
一つの好ましい態様において、工程(a)は、撹拌された又は逆混合された(back-mixed)タンク反応器中で連続的に行われ、工程(b)は、その下流側に結合されたタワー反応器中で行われる。2つの反応器は、例えば、工程(a)の液体生成物を連続的に滴り落として、支持された酵素を含む固定又は流動床(fixed or fluidised bed)を通すことによって、行うことができる。次いで、乳酸脂肪族エステル、ラクチル乳酸脂肪族エステル及び任意に未反応ラクチド、未反応アルコール及び溶剤/助溶剤の生成物混合物を、塔の底部から回収して、ステージ(c)に供給することができる。この配置において、反応物の床(bed)との接触時間は、代表的には24時間までの範囲内である。好ましくは、滞留時間(反応物と床との接触時間)は、10分〜4時間の範囲内であり、より好ましくは10分〜2時間の範囲内である。このタイプの配置は、フロー操業による生産物の連続的又は半連続的な製造を可能にする。工程(c)において、乳酸の脂肪族エステル及び/又はラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルが、回収される。好ましくは、乳酸脂肪族エステル及び/又はラクチル乳酸脂肪族エステルを回収する更なる処理の前に、酵素を、工程(b)から得られた反応生成物から(例えば濾過又はデカンティングによって)酵素が分離され、該回収及び酵素の再使用(即ちリサイクル)が促進される。その方法をバッチ型の反応器で行う場合には、酵素は、例えば、乳酸脂肪族エステル及びラクチル乳酸脂肪族エステルを含む混合物から、酵素の濾過によって、又は液体混合物のデカントもしくはサイホンによって、混合物の蒸留に先立って、分離することができる。好ましくは、バッチ法の場合には、酵素は、少なくとも1回、より好ましくは2回、更に好ましくは少なくとも5回、更により好ましくは少なくとも10回、最も好ましくは少なくとも20回、再使用される。
ラクチル乳酸脂肪族エステル及びアルコールを、酵素の充填床を通過させる連続的方法(即ち連続的又は半連続的フロー工程)の場合には、生成物と酵素は、互いに、連続的に分離させられ、酵素は連続的にリサイクルされる。好ましくは、乳酸脂肪族エステル及び/又はラクチル乳酸脂肪族エステルは、蒸留、より好ましくは減圧蒸留によって、回収される。例えば、乳酸脂肪族エステル(例えば乳酸n−ブチル、乳酸i−プロピル、乳酸n−プロピル)は、ラクチル乳酸脂肪族エステル(例えばラクチル乳酸n−ブチル、ラクチル乳酸i−プロピル、ラクチル乳酸n−プロピル)から分別蒸留により分離されるが、その際の圧力は、100Pa(1mbar)〜10,000Pa(100mbar)、好ましくは1,000Pa(10mbar)〜5,000Pa(50mbar)、より好ましくは2,000Pa(20mbar)〜4,000Pa(40mbar)であり、及びその際の温度は、40℃〜170℃、好ましくは50℃〜120℃、より好ましくは75〜110℃である。
その場合において、少なくともより低沸点の乳酸脂肪族エステル分画は、更に使用又は処理のために、塔頂留出物として除去され、それによって、2つの乳酸エナンチオマーの分離に間接的に効果を及ぼす。好ましい態様では、乳酸脂肪族エステルは、蒸留によって、塔頂留出物として除去され、蒸留残渣はラクチル乳酸脂肪族エステルを含み、側留を介して(via a side stream)、除去できる。代替的な態様においては、乳酸脂肪族エステル及びラクチル乳酸脂肪族エステルの両者が、蒸留によって、塔頂留出物として除去される(例えば、それらは、例えば異なる温度及び/又は圧力で、分離された塔頂生成物流として、収集される。)。
用いられる蒸留塔(分留塔(fractionating column)としても知られる)は、その機能を発揮するために(即ち、ラクチル乳酸脂肪族エステルからの乳酸脂肪族エステルの分離を可能にするために)、必要な理論段数を有していなければならない。反応がバッチ法で行われる場合には、反応が完結し、蒸留塔のボイラー中の残油は一般に、ラクチル乳酸脂肪族エステル分画を含んでおり、それは、それ自体の更なる処理及び使用のために、次いで側留によって(by a side stream)、除去することができる。もしも、工程(a)及び(b)が連続的に行われる場合には、次いで工程(c)における蒸留塔も又、定常状態で、そのR−又はS−乳酸脂肪族エステル及び/又はR,R−又はS,S−ラクチル乳酸脂肪族エステルを、定量的に及び光学的に純粋な形態で、回収できることを、保証するために、連続的に工程(a)又は(b)に循環して操作されるだろう。この連続的に運転する場合において、蒸留は、1つの蒸留塔でも直列に配列した一連の蒸留塔でも、行うことができる。代表的には、工程(c)で用いる蒸留塔は、5,000Paより低い圧力で運転される。
本発明の1つの態様において、工程(c)で回収された乳酸脂肪族エステルの単一のエナンチオマーは、相当する乳酸のエナンチオマーにも、相当するラクチドのエナンチオマーにも、変換することができる。いずれの場合にも、脂肪族アルコールが遊離し、それは分離して工程(a)又は工程(b)のいずれかにリサイクルすることができる。例えば、使用する支持された酵素がNovozym 435で、アルコールがn−ブタノールで、溶剤がアセトンである場合、生成したR−乳酸ブチルを、R−乳酸又はR,R−ラクチドに変換することができる。もしも、R,R−ラクチドが生成したならば、次いでそれを重合して光学的に純粋なPDLAを製造することができる。同様に、工程(c)でラクチル乳酸脂肪族エステルの単一のエナンチオマーが純粋な形態で回収された場合には、それは、相当する乳酸又はラクチドのエナンチオマーに逆に変換することができるので、例えば、もしも、ラクチル乳酸脂肪族エステルがS,S−ラクチル乳酸n−ブチルであるならば、それを加水分解してS−乳酸にし、又はS,S−ラクチドに変換して、次いでそれを重合して光学的に純粋なPLLAを製造することができる。
かくして、本発明の第一の更なる態様によれば、R,R−及びS,S−ラクチドの混合物を、脂肪族アルコール及び/又はアルコキシド(例えば、C〜Cアルキルアルコール/アルコキシド)と接触させて、R,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルの混合物を調製する;続いてR,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルの混合物を、脂肪族アルコール及び酵素と接触させて、一方のラクチドエナンチオマーに相当する乳酸脂肪族エステル、及び他方のラクチドエナンチオマーに相当するラクチル乳酸脂肪族エステルを含む混合物を調製する;乳酸脂肪族エステルを、ラクチル乳酸脂肪族エステルから、分別蒸留によって分離する;並びに、ラクチル乳酸脂肪族エステルがS,S−ラクチル乳酸脂肪族エステルである場合には、そのS,S−ラクチル乳酸脂肪族エステルを加水分解してS−乳酸を製造するか、又は乳酸脂肪族エステルがS−乳酸脂肪族エステルである場合には、そのS−乳酸脂肪族エステルを加水分解してS−乳酸を製造する:各工程によって、特徴付けられる、S−乳酸の製造方法が提供される。好ましくは、この方法で用いられるR,R−及びS,S−ラクチドの混合物は、R−及びS−乳酸の混合物から調製される。この方法で製造されるS−乳酸は、好ましくは、少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、更に好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは少なくとも99%のエナンチオマー過剰率を、有している。
代替的に、本発明の第二の更なる態様によれば、R,R−及びS,S−ラクチドの混合物を、脂肪族アルコール及び/又はアルコキシド(例えば、C〜Cアルキルアルコール/アルコキシド)と接触させて、R,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルの混合物を調製する;続いてR,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルの混合物を、脂肪族アルコール及び酵素と接触させて、一方のラクチドエナンチオマーに相当する乳酸脂肪族エステル、及び他方のラクチドエナンチオマーに相当するラクチル乳酸脂肪族エステルを含む混合物を調製する;乳酸脂肪族エステルを、ラクチル乳酸脂肪族エステルから、分別蒸留によって分離する;並びに、ラクチル乳酸脂肪族エステルがR,R−ラクチル乳酸脂肪族エステルである場合には、そのR,R−ラクチル乳酸脂肪族エステルをR,R−ラクチドに変換するか、又は乳酸脂肪族エステルがR−乳酸脂肪族エステルである場合には、そのR−乳酸脂肪族エステルをR,R−ラクチドに変換する、各工程によって、特徴付けられる、R,R−ラクチドの製造方法が提供される。好ましくは、この方法で用いられるR,R−及びS,S−ラクチドの混合物は、R−及びS−乳酸の混合物から調製される。この方法で製造されるR,R−ラクチドは、好ましくは、少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、更に好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは少なくとも99%のエナンチオマー過剰率を、有している。
代替的に、本発明の第三の更なる態様によれば、R,R−及びS,S−ラクチドの混合物を、脂肪族アルコール及び/又はアルコキシド(例えば、C〜Cアルキルアルコール/アルコキシド)と接触させて、R,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルの混合物を調製する;続いてR,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルの混合物を、脂肪族アルコール及び酵素と接触させて、一方のラクチドエナンチオマーに相当する乳酸脂肪族エステル、及び他方のラクチドエナンチオマーに相当するラクチル乳酸脂肪族エステルを含む混合物を調製する;乳酸脂肪族エステルを、ラクチル乳酸脂肪族エステルから、分別蒸留によって分離する;並びに、ラクチル乳酸脂肪族エステルがR,R−ラクチル乳酸脂肪族エステルである場合には、そのR,R−ラクチル乳酸脂肪族エステルを加水分解して、R−乳酸を製造するか、又は乳酸脂肪族エステルがR−乳酸脂肪族エステルである場合には、そのR−乳酸脂肪族エステルを加水分解してR−乳酸を製造する:各工程によって、特徴付けられる、R−乳酸の製造方法が提供される。好ましくは、この方法で用いられるR,R−及びS,S−ラクチドの混合物は、R−及びS−乳酸の混合物から調製される。この方法で製造されるR−乳酸は、好ましくは、少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、更に好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは少なくとも99%のエナンチオマー過剰率を、有している。
最後に、R,R−及びS,S−ラクチドの混合物を、脂肪族アルコール及び/又はアルコキシド(例えば、C〜Cアルキルアルコール/アルコキシド)と接触させて、R,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルの混合物を調製する;続いてR,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルの混合物を、脂肪族アルコール及び酵素と接触させて、一方のラクチドエナンチオマーに相当する乳酸脂肪族エステル、及び他方のラクチドエナンチオマーに相当するラクチル乳酸脂肪族エステルを含む混合物を調製する;乳酸脂肪族エステルを、ラクチル乳酸脂肪族エステルから、分別蒸留によって分離する;並びに、ラクチル乳酸脂肪族エステルがS,S−ラクチル乳酸脂肪族エステルである場合には、そのS,S−ラクチル乳酸脂肪族エステルをS,S−ラクチドに変換するか、又は乳酸脂肪族エステルがS−乳酸脂肪族エステルである場合には、そのS−乳酸脂肪族エステルをS,S−ラクチドに変換する、各工程によって、特徴付けられる、S,S−ラクチドの製造方法が提供される。好ましくは、この方法で用いられるR,R−及びS,S−ラクチドの混合物は、R−及びS−乳酸の混合物から調製される。この方法で製造されるS,S−ラクチドは、好ましくは、少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、更に好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは少なくとも99%のエナンチオマー過剰率を、有している。
R−及びS−乳酸の混合物のR,R−及びS,S−ラクチドへの変換は、R,R−及びS,S−ラクチドとともに、R,S−ラクチドを形成する結果になるかもしれない。もしも望むならば、R,S−ラクチドは、当該技術分野でよく知られた常法によって、R,R−及びS,S−ラクチドから、分離することができる。
好ましくは、上記に示した第二又は第四の更なるそれぞれの態様において、製造されるR,R−及びS,S−ラクチドは、別個に、重合して、実質的に光学的に純粋なPDLA又はPLLAを生成する。PDLA及びPLLAは、例えば溶融ブレンド法により、様々な割合で複合化して、PDLA又はPLLAいずれか単独に比して、改良された光学的及び形状安定性に関連した範囲を持つステレオコンプレックス型(stereocomplex)ポリ乳酸の範囲の調合を調製する。これらの2つのポリマーの相対的割合は、広範に変動し得るが、これらの調合のPLLA含有量は、PLLA及びPDLAの合計重量に基づいて、40〜60%の範囲にあるのが好ましい。このステレオコンプレックス型ポリマーは、以前PLLAでは可能ではなかった、広い範囲の耐久性用途を含む広範な用途に使用できる。
本発明は、以下の実施例を参照して、説明されるであろう。
実施例1〜3
ヘプタン/THF中でのラセミラクチドの立体選択的アルコーリシス(バッチ法)
ガラス製反応器に、ラセミラクチド(1当量)、n−ブタノール(1.5当量)、Novozym 435(ラセミラクチドの3重量%)及び様々な量の90:10(重量比)のヘプタン/THF助溶剤[n−ブタノールの使用量に基づく量(volumes)]を仕込んだ。その混合物を、室温で24時間撹拌し、次いでH NMR分光法及びキラルHPLCにより、R−乳酸ブチル、S−乳酸ブチル、S,S−ラクチル乳酸ブチル及びR,R−ラクチル乳酸ブチルを分析して、乳酸エステル成分の組成を測定した。結果を、下記表に示した。表中、Ndは検出されなかったことを示す。
Figure 2014521601
実施例1〜3は比較用である。
実施例4〜12
pTSA酸触媒を用いた、ラセミラクチドのラクチル乳酸ブチルへの変換
これらの実施例において、1当量のラセミラクチドを、触媒量(1モル%)のp−トルエンスルホン酸の存在下(実施例4〜7)又は不存在下(実施例8〜12)に、様々な当量のn−ブタノールと、撹拌反応器中で、様々な時間及び様々な温度で、接触させることによって、ラセミラクチドの開環を調べた。結果を、下記表に示した。得られた生成物の分析は、H NMRを用いて、行った。
Figure 2014521601
実施例13
ブタノール中でのラセミラクチドのラセミラクチル乳酸ブチルへの非触媒変換
代表的方法においては、2Lのガラス反応器(Radley’s Reactor Ready range)に、500.8gのラセミラクチド(Sigma)及び772.0gのn−ブタノール(Sigma)を仕込んだ。そのスラリーを、オーバーヘッドスターラ(overhead stirrer)を用いて撹拌し、オイルを満たしたジャケットを介して、加熱し還流(約120℃)させた。反応を、20及び50時間の間又はH NMR分光法から判断してラセミラクチドが消費されるまで、還流して維持した。
実施例を通して、28時間後に得られた反応溶液のH NMR分析は、混合物の組成が、67.2%のラクチル乳酸ブチル、2.5%の乳酸ブチル及び30.3%の未反応ラクチドであることが明らかになった。42時間後に得られた反応溶液のNMR分析は、混合物の組成が、85.8%のラクチル乳酸ブチル、13.4%の乳酸ブチル及び0.8%の未反応ラクチドであることが明らかになった。
次いで、混合物を、室温まで冷却し、ロータリーエバポレーターに移した。過剰のブタノールを、70及び80℃に設定したウオーターバスを用いて、20〜30mbarで除去した。
次いで、液体残渣を、短い充填塔(packed column)を備えた1リットルの丸底フラスコに、傾けて入れ、それを真空下に蒸留した。20〜92℃の間で、1.4mbarで、最初のメジャー分画を収集し、それは、ラセミ乳酸ブチル及び痕跡量のラセミラクチル乳酸ブチルからなっていた。次いで、充填塔を外し、主生成物を蒸留して、1.4mbarで、92〜95℃の間で代表的(最適化されていない)収率75〜90%で、ラセミラクチル乳酸ブチルを収集した。代替的に、ラセミラクチル乳酸ブチルは、30mbarの場合には、158〜162℃の間で収集できる。
実施例14
ブタノール中でのラセミラクチドのラセミラクチル乳酸ブチルへの非触媒変換
大気圧下に還流するため設定した、清浄な乾燥した60Lの反応器(厚壁のQVF硼珪酸ガラス)に、n−ブタノール(15.0kg、18.5L)を仕込んだ。その容器を、窒素でパージし、内容物を75〜80℃に加熱した。固体のS,S−ラクチド(7.830kg、54.326mol)、次いで、固体のR,R−ラクチド(7.830kg、54.326mol)を、その溶液中に素早く仕込むと、白色のスラリーとなった。更に、n−ブタノール(1.2kg、1.5L)をリンスとして使用し、全n−ブタノールの仕込み量を16.2kg、20L、218.6mlとした。
その容器を、再度窒素でチャージし、加熱還流した。内部温度が89℃を超えたとき、全固形物が溶解し、還流が113℃で最初に達成されたが、この温度は反応が進行するにつれてゆっくりと上昇した。17.5時間の還流後、内部温度は127℃まで上昇し、そしてGC分析のためサンプルを取り出し、以下の結果を与えた。
Figure 2014521601
次いで、混合物は、室温まで冷却された。120℃を超えた、全時間は、19時間であった。次いで、得られた混合物は、以下のGC分析結果を与えた。
Figure 2014521601
得られた生成物溶液=30.64kg(予測される理論量31.86kgの96.2%)
実施例15〜17
ヘプタン/THF混合物中でのラセミラクチル乳酸ブチルの立体選択的アルコーリシス(バッチ法)
ガラス製反応器に、R,R−及びS,S−ラクチル乳酸ブチルのラセミ混合物(1当量)、n−ブタノール(1.5当量)、Novozym 435(ラセミラクチル乳酸ブチルの3重量%)及び様々な量の90:10(重量比)のヘプタン/THF助溶剤[n−ブタノールの使用量に基づく量(volumes)]を仕込んだ。その混合物を、室温で24時間撹拌し、次いでH NMR分光法及びキラル液体クロマトグラフィーにより、R−乳酸ブチル、S−乳酸ブチル、S,S−ラクチル乳酸ブチル及びR,R−ラクチル乳酸ブチルを分析して、乳酸エステル成分の組成を測定した。結果を、下記表に示した。
Figure 2014521601
実施例15〜17の結果を、前記の実施例1〜3で得られた収率と比較すると、ラクチド供給原料に対立して、ラクチル乳酸アルキルエステルを用いたことによって起こった酵素変換工程における改良が分かる。
実施例18
酵素として、Novozym 435に代えて、IMMCALB-T2-150、IMMCALBY-T2-150、IMMCALB-T1-350、カンジダ・アンタクチカ(Candida antarctica)からのリパーゼBの架橋された凝集体、又はアスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)からのリパーゼBのカンジダ・アンタクチカ(Candida antarctica)の組換え体を用いて、実施例15〜17に記載されたのと同様の実験を行った。これらの酵素は、Novozym 435と同様のレベルの立体選択性を示した。
実施例19〜21
ブタノール/溶剤混合物中でのラセミラクチル乳酸ブチルの立体選択的アルコーリシス及び酵素のリサイクル(バッチ法)
35℃に設定したパラレル合成ブロック(parallel synthesis block)中で、ラセミラクチル乳酸ブチル(1.58g)、n−ブタノール(3.0モル当量)、Novozym 435(ラクチル乳酸ブチルの3重量%、0.047g)及び4.8mlのtert−ブタノール、アセトン又はアセトニトリルを、撹拌した。
20時間後、各反応を止め、R−乳酸ブチルへの変換を、分析した。次いで、シリンジで、固定化酵素から、反応液を注意深く分離し、その酵素をそれぞれの溶剤で洗浄し、次の反応に再使用した。その酵素は、R−乳酸ブチルへの変換率が、アセトン、ヘプタン及びトルエンで、80〜98%で維持されている間、10回の反応に繰り返し再使用した。最終回後、キラル液体クロマトグラフィー分析により、R−乳酸ブチル生成物が99%を超えるエナンチオマー過剰率であることが確認された。
1回目及び10回目の反応後の変換率は、次の通りであった(H NMR及びキラル液体クロマトグラフィーにより測定)。
Figure 2014521601

Claims (25)

  1. 下記の各工程によって特徴付けられるR,R−及びS,S−ラクチドの混合物の処理方法:
    (a) R,R−及びS,S−ラクチドの混合物を、脂肪族アルコール及び/又はアルコキシドと接触させてR,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルの混合物を調製する;
    (b) 続いてR,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルの混合物を、脂肪族アルコール及び酵素と接触させて、一方のラクチドエナンチオマーに相当する乳酸の脂肪族エステル、及び他方のラクチドエナンチオマーに相当するラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルを含む混合物を調製する;並びに
    (c) 工程(b)で調製した混合物から、乳酸の脂肪族エステル及び/又はラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルを、回収する。
  2. 回収された乳酸の脂肪族エステル及び/又はラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルが、少なくとも90%のエナンチオマー過剰率を有することによって特徴付けられる請求項1に記載の方法。
  3. 工程(a)及び/又は工程(b)において、脂肪族アルコールと混和する溶剤を用いることによって特徴付けられる請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 工程(a) 及び/又は工程(b)において、C〜Cの脂肪族アルコール、好ましくはn−ブタノールを用いることによって特徴付けられる前記のいずれか1つの請求項に記載の方法。
  5. 工程(a)において、ラセミラクチドに対する、C1〜Cの脂肪族アルコールのモル比が、0.5:1〜4:1の範囲内であることによって特徴付けられる前記のいずれか1つの請求項に記載の方法。
  6. 酵素が、カンジダ・アンタクチカ(Candida antarctica)のリパーゼBであり、工程(c)で回収される乳酸脂肪族エステル及びラクチル乳酸脂肪族エステルが、それぞれR−乳酸脂肪族エステル及びS,S−ラクチル乳酸脂肪族エステルであることによって特徴付けられる前記のいずれか1つの請求項に記載の方法。
  7. 酵素が、多孔質担体上に、化学的又は物理的に固定化されていることによって特徴付けられる前記のいずれか1つの請求項に記載の方法。
  8. ラクチル乳酸脂肪族エステル及び乳酸脂肪族エステルの一方又は両方を、相当するラクチドのR,R−又はS,S−エナンチオマー及び/又は相当する乳酸のR−又はS−エナンチオマーに変換する更なる工程(d)によって特徴付けられる前記のいずれか1つの請求項に記載の方法。
  9. 工程(a)で用いられるR,R−及びS,S−ラクチドの混合物が、R−及びS−乳酸の混合物から調製されることによって特徴付けられる前記のいずれか1つの請求項に記載の方法。
  10. R−及びS−乳酸の混合物が、単糖類又はグリセロールを塩基で処理して調製されることによって特徴付けられる請求項9に記載の方法。
  11. 工程(a)が酸触媒されることによって特徴付けられる前記のいずれか1つの請求項に記載の方法。
  12. R,R−及びS,S−ラクチドの混合物を、脂肪族アルコール及び/又はアルコキシドと接触させて、R,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルの混合物を調製する;続いてR,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルの混合物を、脂肪族アルコール及び酵素と接触させて、一方のラクチドエナンチオマーに相当する乳酸脂肪族エステル、及び他方のラクチドエナンチオマーに相当するラクチル乳酸脂肪族エステルを含む混合物を調製する;乳酸脂肪族エステルを、ラクチル乳酸脂肪族エステルから、分別蒸留によって分離する;並びに、ラクチル乳酸脂肪族エステルがS,S−ラクチル乳酸脂肪族エステルである場合には、そのS,S−ラクチル乳酸脂肪族エステルを加水分解してS−乳酸を製造するか、又は乳酸脂肪族エステルがS−乳酸脂肪族エステルである場合には、そのS−乳酸脂肪族エステルを加水分解してS−乳酸を製造する:各工程によって、特徴付けられるS−乳酸の製造方法。
  13. R,R−及びS,S−ラクチドの混合物が、R−及びS−乳酸の混合物から調製されることによって特徴付けられる請求項12に記載の方法。
  14. この方法で製造されるS−乳酸が、少なくとも90%のエナンチオマー過剰率を有していることによって特徴付けられる請求項12又は請求項13に記載の方法。
  15. R,R−及びS,S−ラクチドの混合物を、脂肪族アルコール及び/又はアルコキシドと接触させて、R,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルの混合物を調製する;続いてR,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルの混合物を、脂肪族アルコール及び酵素と接触させて、一方のラクチドエナンチオマーに相当する乳酸脂肪族エステル、及び他方のラクチドエナンチオマーに相当するラクチル乳酸脂肪族エステルを含む混合物を調製する;乳酸脂肪族エステルを、ラクチル乳酸脂肪族エステルから、分別蒸留によって分離する;並びに、ラクチル乳酸脂肪族エステルがR,R−ラクチル乳酸脂肪族エステルである場合には、そのR,R−ラクチル乳酸脂肪族エステルを加水分解して、R−乳酸を製造するか、又は乳酸脂肪族エステルがR−乳酸脂肪族エステルである場合には、そのR−乳酸脂肪族エステルを加水分解してR−乳酸を製造する:各工程によって、特徴付けられるR−乳酸の製造方法。
  16. R,R−及びS,S−ラクチドの混合物が、R−及びS−乳酸の混合物から調製されることによって特徴付けられる請求項15に記載の方法。
  17. この方法で製造されるR−乳酸が、少なくとも90%のエナンチオマー過剰率を有していることによって特徴付けられる請求項15又は請求項16に記載の方法。
  18. R,R−及びS,S−ラクチドの混合物を、脂肪族アルコール及び/又はアルコキシドと接触させて、R,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルの混合物を調製する;続いてR,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルの混合物を、脂肪族アルコール及び酵素と接触させて、一方のラクチドエナンチオマーに相当する乳酸脂肪族エステル、及び他方のラクチドエナンチオマーに相当するラクチル乳酸脂肪族エステルを含む混合物を調製する;乳酸脂肪族エステルを、ラクチル乳酸脂肪族エステルから、分別蒸留によって分離する;並びに、ラクチル乳酸脂肪族エステルがR,R−ラクチル乳酸脂肪族エステルである場合には、そのR,R−ラクチル乳酸脂肪族エステルをR,R−ラクチドに変換するか、又は乳酸脂肪族エステルがR−乳酸脂肪族エステルである場合には、そのR−乳酸脂肪族エステルをR,R−ラクチドに変換する、各工程によって、特徴付けられる、R,R−ラクチドの製造方法。
  19. R,R−及びS,S−ラクチドの混合物が、R−及びS−乳酸の混合物から調製されることによって特徴付けられる請求項18に記載の方法。
  20. この方法で製造されるR,R−ラクチドが、少なくとも90%のエナンチオマー過剰率を有していることによって特徴付けられる請求項18又は請求項19に記載の方法。
  21. R,R−及びS,S−ラクチドの混合物を、脂肪族アルコール及び/又はアルコキシドと接触させて、R,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルの混合物を調製する;続いてR,R−及びS,S−ラクチル乳酸(lactyllactic acid)の脂肪族エステルの混合物を、脂肪族アルコール及び酵素と接触させて、一方のラクチドエナンチオマーに相当する乳酸脂肪族エステル、及び他方のラクチドエナンチオマーに相当するラクチル乳酸脂肪族エステルを含む混合物を調製する;乳酸脂肪族エステルを、ラクチル乳酸脂肪族エステルから、分別蒸留によって分離する;並びに、ラクチル乳酸脂肪族エステルがS,S−ラクチル乳酸脂肪族エステルである場合には、そのS,S−ラクチル乳酸脂肪族エステルをS,S−ラクチドに変換するか、又は乳酸脂肪族エステルがS−乳酸脂肪族エステルである場合には、そのS−乳酸脂肪族エステルをS,S−ラクチドに変換する、各工程によって、特徴付けられるS,S−ラクチドの製造方法。
  22. R,R−及びS,S−ラクチドの混合物が、R−及びS−乳酸の混合物から調製されることによって特徴付けられる請求項21に記載の方法。
  23. この方法で製造されるS,S−ラクチドが、少なくとも90%のエナンチオマー過剰率を有していることによって特徴付けられる請求項21又は請求項22に記載の方法。
  24. 調製されたR,R−ラクチド又はS,S−ラクチドを重合して、それぞれポリ−R−乳酸及び/又はポリ−S−乳酸を製造することによって特徴付けられる請求項18〜23のいずれか1つに記載の方法。
  25. 調製されたポリ−S−乳酸及び/又はポリ−R−乳酸を溶融ブレンドして、ステレオコンプレックス型ポリ乳酸を形成することによって特徴付けられる請求項24に記載の方法。


JP2014519637A 2011-07-15 2012-07-16 分離方法 Ceased JP2014521601A (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB1112297.5 2011-07-15
GB201112296A GB201112296D0 (en) 2011-07-15 2011-07-15 Separation process
GB1112296.7 2011-07-15
GB201112297A GB201112297D0 (en) 2011-07-15 2011-07-15 Separation process
GB201210275A GB201210275D0 (en) 2012-06-11 2012-06-11 Lactate production process
GB1210275.2 2012-06-11
PCT/GB2012/051696 WO2013011296A2 (en) 2011-07-15 2012-07-16 Separation process

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014521601A true JP2014521601A (ja) 2014-08-28
JP2014521601A5 JP2014521601A5 (ja) 2015-08-20

Family

ID=46582015

Family Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014519636A Active JP6340496B2 (ja) 2011-07-15 2012-07-16 分離方法
JP2014519638A Pending JP2014522652A (ja) 2011-07-15 2012-07-16 分離方法
JP2014519637A Ceased JP2014521601A (ja) 2011-07-15 2012-07-16 分離方法

Family Applications Before (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014519636A Active JP6340496B2 (ja) 2011-07-15 2012-07-16 分離方法
JP2014519638A Pending JP2014522652A (ja) 2011-07-15 2012-07-16 分離方法

Country Status (11)

Country Link
US (3) US9045781B2 (ja)
EP (3) EP2732042A1 (ja)
JP (3) JP6340496B2 (ja)
KR (2) KR20140053129A (ja)
CN (3) CN103649323B (ja)
AU (2) AU2012285565B2 (ja)
BR (3) BR112014000901B1 (ja)
CA (2) CA2841930A1 (ja)
ES (1) ES2684506T3 (ja)
WO (3) WO2013011296A2 (ja)
ZA (3) ZA201309692B (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BR112014000901B1 (pt) * 2011-07-15 2021-02-02 Plaxica Limited processo para tratamento de uma mistura de r,r- e s,s-lactídeo
GB201311780D0 (en) * 2013-07-01 2013-08-14 Plaxica Ltd Lactate production process
GB201322785D0 (en) * 2013-12-20 2014-02-05 Solvert Ltd Manufacture of lactic acid
CN111118073B (zh) * 2019-12-27 2022-02-15 宜昌东阳光生化制药有限公司 酶法合成依米他韦中间体的方法
JP2024504157A (ja) * 2021-06-10 2024-01-30 エルジー・ケム・リミテッド ラクチドラセミ体の分離方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2371281A (en) * 1945-03-13 Lactyuactic esters and process of
WO2007001043A1 (ja) * 2005-06-29 2007-01-04 Hitachi Zosen Corporation 乳酸の製造方法および乳酸製造装置
WO2008006076A2 (en) * 2006-07-06 2008-01-10 Stepan Company Alkyl lactyllactates and processes of making the same
JP2009144258A (ja) * 2007-12-11 2009-07-02 Teijin Fibers Ltd ポリ乳酸直接延伸糸およびその製造方法
JP2009195149A (ja) * 2008-02-20 2009-09-03 Daiso Co Ltd 乳酸エステルを光学分割する方法
JP2014522652A (ja) * 2011-07-15 2014-09-08 プラクシカ・リミテッド 分離方法

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2610196A (en) * 1950-03-27 1952-09-09 Charles H Fisher Esters of acylated hydroxycarboxylic acids
US4835293A (en) * 1987-02-24 1989-05-30 E. I. Du Pont De Nemours And Company Atmospheric pressure process for preparing pure cyclic esters
US5274127A (en) * 1990-09-18 1993-12-28 Biopak Technology, Ltd. Lactide production from dehydration of aqueous lactic acid feed
US6005067A (en) 1992-01-24 1999-12-21 Cargill Incorporated Continuous process for manufacture of lactide polymers with controlled optical purity
JP3502419B2 (ja) * 1993-03-02 2004-03-02 株式会社武蔵野化学研究所 乳酸および乳酸エステルの製造方法
JPH07165753A (ja) * 1993-12-08 1995-06-27 Musashino Kagaku Kenkyusho:Kk ラクチドの精製方法
JP2560259B2 (ja) * 1994-10-21 1996-12-04 工業技術院長 ラクチドの製造方法
JP2002030523A (ja) * 2000-07-14 2002-01-31 Toray Ind Inc ポリ乳酸繊維
WO2004081220A2 (en) 2003-03-07 2004-09-23 Novus International Inc. A process for enzymatically resolving an enantiomeric mixture of alpha-hydroxy acids
KR100622280B1 (ko) 2004-04-27 2006-09-18 한국화학연구원 리파제를 이용한 알킬 에스-(엘)-락테이트 및 알킬알-(디)-오-아실락테이트의 제조방법
KR100592794B1 (ko) 2005-01-06 2006-06-28 한국화학연구원 리파제를 이용하여 락타이드로부터 알킬 락테이트를제조하는 방법
JP2008206402A (ja) * 2007-02-23 2008-09-11 Ccy:Kk 乳酸エステルの製造方法
JP2009142217A (ja) * 2007-12-14 2009-07-02 Tohoku Biomass Giken:Kk 酵素による乳酸エステルの合成法
KR101012483B1 (ko) 2008-07-08 2011-02-09 김용환 효소 전환반응을 이용한 광학순수형 락티드 제조방법 및광학순수형 유산 또는 알킬 락테이트의 분리방법
EP2321294B1 (de) 2008-08-29 2015-09-30 Uhde Inventa-Fischer GmbH Verfahren zur herstellung eines gemisches von lactid-derivaten
CN102439001B (zh) 2009-03-13 2014-09-17 自然工作有限责任公司 由内消旋-丙交酯流回收乳酸值
KR101154029B1 (ko) * 2009-05-20 2012-06-07 한국화학연구원 젖산에스테르로부터 락타이드의 직접 전환용 촉매 및 이를 이용한 락타이드의 제조방법
GB2484674A (en) 2010-10-18 2012-04-25 Plaxica Ltd Process for producing a lactic acid-amine complex

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2371281A (en) * 1945-03-13 Lactyuactic esters and process of
WO2007001043A1 (ja) * 2005-06-29 2007-01-04 Hitachi Zosen Corporation 乳酸の製造方法および乳酸製造装置
WO2008006076A2 (en) * 2006-07-06 2008-01-10 Stepan Company Alkyl lactyllactates and processes of making the same
JP2009144258A (ja) * 2007-12-11 2009-07-02 Teijin Fibers Ltd ポリ乳酸直接延伸糸およびその製造方法
JP2009195149A (ja) * 2008-02-20 2009-09-03 Daiso Co Ltd 乳酸エステルを光学分割する方法
JP2014522652A (ja) * 2011-07-15 2014-09-08 プラクシカ・リミテッド 分離方法
JP2014522651A (ja) * 2011-07-15 2014-09-08 プラクシカ・リミテッド 分離方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN7015002919; Tetrahedron Letters 47(37), 2006, pp. 6517-6520 *

Also Published As

Publication number Publication date
US20140141475A1 (en) 2014-05-22
US9045783B2 (en) 2015-06-02
US9045781B2 (en) 2015-06-02
CN103649323A (zh) 2014-03-19
ZA201400119B (en) 2015-06-24
EP2732043A2 (en) 2014-05-21
WO2013011296A3 (en) 2013-07-25
CN103649324A (zh) 2014-03-19
CA2841930A1 (en) 2013-01-24
US20140342413A1 (en) 2014-11-20
NZ619163A (en) 2015-08-28
WO2013011295A1 (en) 2013-01-24
BR112014000848B1 (pt) 2021-03-09
AU2012285562B2 (en) 2015-09-17
ZA201309692B (en) 2014-08-27
CN103649323B (zh) 2016-05-25
CN103687955A (zh) 2014-03-26
CA2841929A1 (en) 2013-01-24
US20140147898A1 (en) 2014-05-29
BR112014000848A2 (pt) 2017-02-21
NZ619106A (en) 2015-08-28
EP2732041A1 (en) 2014-05-21
JP6340496B2 (ja) 2018-06-13
AU2012285562A1 (en) 2014-01-16
ZA201309691B (en) 2014-08-27
WO2013011296A2 (en) 2013-01-24
CN103687955B (zh) 2016-05-11
WO2013011298A1 (en) 2013-01-24
EP2732041B1 (en) 2018-04-11
JP2014522651A (ja) 2014-09-08
AU2012285565A1 (en) 2014-01-16
KR20140077877A (ko) 2014-06-24
BR112014000901B1 (pt) 2021-02-02
JP2014522652A (ja) 2014-09-08
US9045782B2 (en) 2015-06-02
AU2012285565B2 (en) 2015-09-17
BR112014000885B1 (pt) 2020-12-01
BR112014000885A2 (pt) 2017-02-21
EP2732042A1 (en) 2014-05-21
ES2684506T3 (es) 2018-10-03
BR112014000901A2 (pt) 2017-02-21
CN103649324B (zh) 2016-05-25
KR20140053129A (ko) 2014-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20180155747A1 (en) Lactate Production Process
US9045783B2 (en) Process for the production of optically-active esters of lactic acid and lactyllactic acid
JP2014521601A5 (ja)
JP2014522652A5 (ja)
JP2005524401A (ja) 所定の環状エステルオリゴマーの製造
WO2014045036A1 (en) Lactate production process
NZ619163B2 (en) Separation process
NZ619106B2 (en) Separation process
JP2008545439A (ja) 酵素触媒による大環状ポリエステルオリゴマーの製造方法
WO2015001330A1 (en) Lactate production process
JP2006524989A (ja) ポリエステル環状オリゴマーを製造するための連続バイオリアクター方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150626

A524 Written submission of copy of amendment under article 19 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524

Effective date: 20150703

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151026

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160125

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160712

A045 Written measure of dismissal of application [lapsed due to lack of payment]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045

Effective date: 20161202