JP2008206402A - 乳酸エステルの製造方法 - Google Patents

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雅典 東都
Satoshi Hasegawa
智 長谷川
Jiro Ishiguro
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Abstract

【課題】乳酸を水と混ざらない有機溶媒によって抽出し、それを逆抽出することなく(すなわち水相に戻さずに)直接にエステル合成反応を行なう方法を提供し、乳酸精製の収率および経済性を高める。
【解決手段】粗製乳酸液1から、水と混ざらずに乳酸を溶解・混和する能力を有する有機溶媒2を用いて乳酸を抽出し、得られた乳酸を含む抽出液を分離し、これに合成用アルコール3を加えて混合した後、エステル合成反応を触媒するリパーゼやエステラーゼなどの酵素を固定化したカラムによってエステル合成を行って、乳酸エステル4を製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は乳酸エステルの製造方法に関し、より詳しくは、糖質を含むサトウキビや甜菜大根または澱粉質を含む米などの農産物を原料として製造した乳酸をエステル化して乳酸エステルを製造する方法に関する。この方法は乳酸の分離・精製を行う処理方法としても適用可能である。
従来から米などの澱粉質や糖質を含む農産物を原料として発酵により乳酸の製造が行われている。発酵によって得られた粗製乳酸は、精製を行なって乳酸にする。この精製の手段としてエステル化の工程があり、そのエステル合成においては乳酸とブタノールあるいはプロパノールとを約120℃にて反応させて脱水縮合することにより乳酸エステルを作る。この乳酸エステルを溶剤によって抽出し、蒸留・分離することによって、不純物を取り除き、さらにその加水分解反応にて精製乳酸を製造する。
精製乳酸は、食品添加物や医薬品、化粧品の原料などに用いられると共に、現在普及しつつある生分解性プラスチックであるポリ乳酸の原料にもなる。
乳酸エステルは、香料として用いられるばかりか乳化剤・保湿剤として医薬品、化粧品や食品への添加物として広く利用されているほか、近年は生分解性のある溶剤として接着剤や塗料に用いられ、さらには精密機械製造工程における洗浄剤としても注目されている。
上記のような乳酸発酵工程を主体にした製造方法は、大別すると、乳酸カルシウムから乳酸に精製する方法と、乳酸発酵によって得られたアンモニア型の粗製乳酸から乳酸に精製する方法が実用化されている。
前者については古くから乳酸製造に用いられてきた方法であり、ここで述べることはない。後者に関しては、乳酸発酵によって得られたアンモニア型の粗製乳酸から直接にブタノールを用いてエステル化反応を行い、製造工程を簡易化、効率化する方法が特許文献1に開示されている。
特開平6‐311886号公報
この特許文献1記載の方法においての問題は、エステル化工程においては水分の存在が合成反応効率を低減することから、その前あるいは反応において粗製乳酸の水分および反応にて発生する水分の脱水と濃縮を行なう必要があり、その脱水と濃縮操作に要する熱エネルギーが大きくなり、処理コストが嵩むことである。
そこで、発明者らは、乳酸の分離や濃縮に熱エネルギーを用いずに有機溶剤による抽出だけで行う手法が過去に考案されてきたことに注目した。たとえば、特許文献2には、発酵液から、クエン酸、乳酸または抗生物質などを有機溶媒溶液またはアルキルアミン類含有の有機溶媒溶液によって抽出し、その抽出液から水によって逆抽出するという方法が開示されている。
特開昭49−63659号公報
しかしながら、特許文献2に記載されるような有機溶媒による抽出法においても、抽出後には乳酸を含む有機溶媒溶液から水を用いて逆抽出する。すなわち、精製乳酸は多量の水を含む水溶液として得られ、これを脱水・濃縮のための熱エネルギーを多大に要することになる。
従来の乳酸エステルの製造法では、反応原料液中あるいは反応時における水の存在がエステル反応および変換効率を著しく低下させることがわかっており、そのために多大な熱エネルギーをかけて脱水や蒸留をしてきた。それは脱水縮合反応における不可避な反応の基本条件である。また、合成反応においては、100℃から130℃という反応熱と約6時間程度の還流撹拌処理が必要であり、これがまた大きな熱エネルギーを消費する。
乳酸エステルの製造においては、原料に(1)多量の水を含んだままの粗乳酸を用いる方法と、(2)含水率の低い精製乳酸を用いる方法があるが、(1)の方法では前述のように水がエステル合成反応を妨害し、収率を低下させる。また(2)の方法では水溶液として得られる精製乳酸を脱水・濃縮するために多大な熱エネルギーコストをかける必要があった。
そこで、発明者らはこのエステル化までの工程において熱エネルギーをかけない方法を開発することがもっとも大きな課題であり、ここでかけてきた熱量を無駄にしないことにより乳酸の精製コストが大きく低減するものと考えた。
そのために乳酸エステルの原料の処理については、原料には最初から水分を含まない処理の方法として、水と混ざらない有機溶媒による乳酸の抽出条件の確立が第一の課題になった。
次にエステル化工程については、反応のための加温も還流撹拌のための加熱もする必要の無い方式として、酵素反応を適用することとし、その反応条件の確立が第二の課題になった。
つまり、本発明が解決しようとする課題は、乳酸を水と混ざらない有機溶媒によって抽出し、それを逆抽出することなく(すなわち水相に戻さずに)直接にエステル合成反応を行なう方法を提供することである。
熱エネルギーをかけないエステル化の方法として、発明者らはリパーゼあるいはエステラーゼの酵素触媒法を鋭意研究しており、その方法の効率的な反応条件を見出すことが本研究における重要な開発課題となっていた。その条件とは、(1)酵素固定化触媒に対する乳酸の負荷量およびその乳酸量に対するアルコールの添加量の比率、(2)適切な反応溶媒の選定、(3)その反応溶媒における酵素触媒能力の維持安定性、(4)反応最適温度に関することなどであった。
通常の加熱によるエステル合成反応では、乳酸1容量に対し、アルコール2から10容量が適切な範囲であり、適切な酸触媒例えば強酸性イオン交換樹脂の存在下では合成転換率は85%以上を得ることができる。
発明者らは、本開発に当たって酵素法によるエステル化について多くの文献や特許などを調査、検討したが、乳酸と低分子量のアルコール(C1〜C4)のように強酸性物質と低分子化合物同士のエステル反応を高濃度と高効率で実施、成功し得た例はこれまでに無く、その条件の検討には多大な時間と手間を要した。
まず、酵素法では反応系における乳酸濃度が低く限定されること。何故なら乳酸が高濃度になると酵素はその強酸性のために失活してしまい、エステル合成の触媒作用が発揮できなくなってしまう。そこで、酸緩和能力の高い溶媒を用いれば、乳酸濃度が高い条件であっても酵素活性を維持し高いエステル変換率を得ることができるであろうと考えた。
つまり、乳酸のエステル合成反応に適切な溶媒としての必要条件として、(1)乳酸の溶解・混和性が高いこと、(2)酸の緩和能力が高いこと、(3)酵素活性の維持安定性が高いこと、(4)エステル合成反応を妨害しないこと、が挙げられた。
これらの知見に基づいて反応条件を最適化することによって、1モル以上の乳酸濃度においても酵素活性を維持し、高いエステル変換率を得るような溶媒を見出すことができた。この酵素法によるエステル合成反応に適した溶媒として、アセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アルコール類(C4〜10)などが見いだされた。
それらの溶媒の中から、酵素活性の維持安定性と取扱い上の安全面を考慮してアセトンを溶媒として主に試験したところ、アセトン溶媒系にて40℃での固定化酵素カラムでの反応系を確立することに成功し、例えば乳酸エチル合成では67%、乳酸ブチル合成では53%の合成変換率まで得ることができた。
しかし、そこで大きな問題はアセトンが両性溶媒であり、水、油脂、有機酸、エステル、とアルコールもすべてを溶解してしまう点にあった。
エステル反応後は、アセトンとアルコールを水よりはるかに低温で容易に蒸留しエステルを得ることができる。しかしながら、アセトンのような両性溶媒では反応主原料である乳酸を例えば発酵粗乳酸液から分離・抽出することは不可能であり、つまり反応原液を得るために従来のように水分の蒸発と濃縮操作に熱エネルギーを費やさなくてはならない。
そこで、発明者らは適切な溶媒としての当初の必要な条件(1)〜(4)に、さらに(5)水と容易に混和しない(疎水性が高い)という条件をも加えて、鋭意研究を進めた。
すなわち、疎水性の有機溶媒を用いた乳酸の抽出法について検討をしつつ、その疎水性の有機溶媒を酵素触媒法に適用するための試験をも重ねて実施することにした。溶媒による有機酸の抽出法は1930年代からアメリカ合衆国にて検討がなされていたが、抽出後に水相に逆抽出することが前提であり、そこで抽出回収率が著しく低くなる欠点と再び抽出後に水分を蒸留しなければならないという欠点があった。
前出の特許文献2は上記の文献調査の過程において見出されたものであるが、この方法も逆抽出操作を含む上に、アミン類を添加回収するという手間まで加わっていた。ことにアミン類は、例えば発酵液などから直接抽出するにおいては、乳酸菌に対する細胞毒性を有しているので、抽出後の液を工程に戻して回収率を上げるようなケースではその使用に耐えられない毒物である。また、微量であっても酵素反応においては不可逆的な酵素反応阻害物質になるため、使用するべきでない。
そこで発明者らは、エーテル類、好適にはジエチルエーテル、ジイソピルエーテルと、ターシャリブチルメチルエーテルと、低分子であるが疎水性の高いC6〜10程度のアルコール類、好適にはヘキサノールとイソアミルアルコールと、ケトン類、好適にはエチルメチルケトンとメチルイソブチルケトンを選択して、乳酸の抽出と酵素触媒反応適性の試験を継続した。その結果として、ことにターシャリブチルメチルエーテル溶媒を用いることにより、1回の抽出処理での回収率13%と35℃にて固定化酵素カラムによる乳酸エチル合成の合成変換率84%を得ることに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、乳酸を含む発酵液または精製を経た乳酸溶液から有機溶媒を用いて乳酸を抽出する第一工程と、得られた乳酸を含む抽出液に低級アルコール類を加えて、エステル合成反応を触媒する酵素を固定化したカラムによって乳酸エステルを製造する第二工程と、を含むことを特徴とする乳酸エステルの製造方法である。
本発明の好適な一実施形態として、この方法の第一工程において用いる有機溶媒は、水と混ざらずに乳酸を溶解・混和する能力を有するエーテル類、アルコール類およびケトン類からなる群から選ばれる。
本発明の他の好適な一実施形態として、この方法の第一工程において用いる有機溶媒は、エステル合成活性を有する酵素活性の維持安定性が高く、エステル合成反応を妨害しないエーテル類、アルコール類およびケトン類からなる群から選ばれる。
本発明の他の好適な一実施形態として、この方法の第一工程において有機溶媒としてアルコール類を用いて乳酸抽出を行う場合において、そのアルコール類がエステル合成原料になる性質を有するものであるときは、第二工程において低級アルコール類を加えることをせずにエステル合成を行なう。
本発明の他の好適な一実施形態として、この方法の第二工程において乳酸を含む抽出液に加える低級アルコール類は、第一工程において用いる水と混ざらない有機溶媒への溶解性があり、エステル合成原料になる性質を有する。
本発明の他の好適な一実施形態として、この方法の第二工程において用いるエステル合成反応を触媒する酵素固定化カラムは、リパーゼまたはエステラーゼを固定化した担体を用いた反応層である。
本発明においては、乳酸エステルの原料の処理について、原料には最初から水分を含まない処理の方法として、水と混ざらない有機溶媒による乳酸の抽出条件を確立し、かつエステル化工程については、反応のための加温も還流撹拌のための加熱もする必要の無い方式として、酵素反応を適用することとし、その反応条件を確立した。つまり、本発明による乳酸エステルの製造方法は、乳酸を水と混ざらない有機溶媒によって抽出し、それを逆抽出することなく(水相に戻さずに)直接にエステル合成反応を行なう方法である。
したがって、エステル化工程における操作手順を単純化し、かつ熱エネルギーを無駄にしないことにより乳酸エステルの製造コストを大きく低減することができる。
図1は本発明による乳酸エステルの製造方法の理想的な処理形態を示すフロー図である。すなわち、乳酸を含む発酵液または精製を経た乳酸溶液(粗製乳酸液1)から、水と混ざらずに乳酸を溶解・混和する能力を有する有機溶媒2を用いて乳酸を抽出し、得られた乳酸を含む抽出液を分離し、これに合成用アルコール3を加えて混合した後、エステル合成反応を触媒するリパーゼやエステラーゼなどの酵素を固定化したカラムによってエステル合成を行って、乳酸エステル4を製造する。
以下に実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例によってその技術的な範囲を限定されるものではない。
溶媒中における酵素活性の維持安定性に関する試験を行ない、溶媒選定の基準にした。
試験方法は、固定化酵素としてNOVOZYMES社製のNOVOZYM435を10mgとり、各溶媒1mLに浸漬し、30℃の恒温槽にて30日間放置した。その後、各溶媒を廃棄しアセトンでの置換洗浄を5回繰り返した。そして室温での乾燥後に1モル/Lの乳酸をエタノールに溶解した反応原液1mLを加えて、30℃で100rpmの振とう反応を2時間行って、乳酸エチルへの変換量を分析定量した。
未処理の酵素担体におけるエステル変換量を100%とみなして、各30日浸漬後の活性値を分析し、それらを%換算して表1に示した。
これらの結果から、試薬としての取り扱い易さ、価格および毒性などを考慮して、まずアセトンと1,4−ジオキサンを選定し、以降のエステル合成試験用の溶媒に主に用いることにした。
Figure 2008206402
各種の溶媒における乳酸とエタノールの濃度と反応時間に関する試験を行ない、固定化酵素カラムでの処理条件の参考にした。
試験方法は、固定化酵素としてNOVOZYMES社製のNOVOZYM435を10mgとり、各濃度条件に調整した反応原液1mLを加えて、30℃で100rpmの振とう反応を8時間行って、2時間後、4時間後および8時間後の反応時における乳酸エチルへの変換量を分析定量した。
反応原液としてのエタノールに乳酸を各濃度溶解したもの、そしてアセトンと1,4−ジオキサンに関しては、各乳酸濃度およびその濃度に対するエタノールの混合比率を3通り変えたものを用いた。各エステル量を分析定量した結果を表2に示した。
これらの結果より、この反応系における適切な乳酸濃度は1モル/Lから1.5モル/L程度に在り、エタノールと乳酸の濃度比率は1から2の間、また反応時間は4時間で充分な合成効果が得られることが考察できた。
Figure 2008206402
各溶媒における反応温度とエステル反応速度に関する試験を行ない、固定化酵素カラムでの処理条件の参考にした。
試験方法は、固定化酵素としてNOVOZYMES社製のNOVOZYM435を10mgとり、各溶媒に1モル/Lの乳酸と2モル/Lのエタノールを溶解した反応原液1mLを加えて、各温度条件で100rpmの振とう反応を4時間行って、2時間後および4時間後の反応時における乳酸エチルへの変換量を分析定量した。
各溶媒での反応温度ごとに得た2時間後と4時間後のエステル変換量を反応速度として表記し、表3に示した。
これらの結果より、これらの溶媒中では反応は40℃以上で行うことが効果的であること、および2時間以内の反応であっても充分にエステル合成が行なわれていることがわかった。
Figure 2008206402
アセトンを溶媒にして、カラム反応速度を変化させて、固定化酵素カラム通液での乳酸エチル合成試験を行なった。
試験方法は、溶媒で湿潤状態の7.5mLのNOVOZYMES社製のNOVOZYM435を液クロ用の硝子カラムに充填し、そこに1モル/Lの乳酸、1.5モル/Lのエタノールを溶解した溶液を、アセトンでは40℃の恒温槽にて通液して、反応後の乳酸エチルへの変換量を分析定量した。また、脱水処理とはこのカラム反応で得た乳酸エチル溶液を原液にして、そこに再び1モル/Lの乳酸と1.5モル/Lのエタノール濃度になるように乳酸とエタノールを添加し、その液を脱水剤;モレキュラシーブ3Aとよく混ぜて1時間放置後に脱水剤を取り除き、再びカラム通液したものである。
湿潤状態のアセトン溶媒についてカラム通液速度を4,2,1mL/h・g酵素の3通りに変化させ、脱水状態のアセトン溶媒についてカラム通液速度を2,1.5,1mL/h・g酵素の3通りに変化させたときの各乳酸エチルへの合成変換率を表4に示した。
表4の結果から分かるように、固定化酵素カラムに通液することで、容易に60%以上のエステル変換率を得る乳酸エチルの合成に成功した。
Figure 2008206402
アセトンを溶媒にして、カラム反応速度を変化させて、固定化酵素カラム通液での乳酸ブチル合成試験を行なった。
試験方法は、溶媒で湿潤状態の7.5mLのNOVOZYMES社製のNOVOZYM435を液クロ用の硝子カラムに充填し、そこに1モル/Lの乳酸、1.5モル/Lのブタノールを溶解した溶液を、40℃の恒温槽にて通液して、反応後の乳酸ブチルへの変換量を分析定量した。
カラム通液速度を2,1mL/h・g酵素にしたときの各乳酸ブチルへの合成変換率を表5に示した。
この結果から分かるように、固定化酵素カラムに通液することで、容易に53%のエステル変換率を得る乳酸ブチルの合成に成功した。
Figure 2008206402
主に疎水性有機溶媒中における酵素活性の維持安定性に関する試験を行ない、溶媒選定の基準にした。
試験方法は、固定化酵素としてNOVOZYMES社製のNOVOZYM435を10mgとり、各溶媒1mLに浸漬し、30℃の恒温槽にて30日間放置した。その後、各溶媒を廃棄しアセトンでの置換洗浄を5回繰り返した。そして室温での乾燥後に1モル/Lの乳酸をエタノールに溶解した反応原液1mLを加えて、30℃で100rpmの振とう反応を2時間行って、乳酸エチルへの変換量を分析定量した。
未処理の酵素担体におけるエステル変換量を100%とみなして、各30日浸漬後の活性値を分析し、それらを%換算して表6に示した。
これらの結果から、試薬としての取り扱い易さおよび毒性などを考慮して、ターシャリブチルメチルエーテル、メチルイソブチルケトンやヘキサノールを選定し、以降のエステル合成試験用の溶媒に主に用いることにした。
Figure 2008206402
疎水性の有機溶媒であるエーテル類、ケトン類とアルコール類を抽出溶媒に用いて、乳酸の水溶液からの抽出試験を行なった。
試験方法は、10%と20%濃度の乳酸水溶液を用意し、1mLを採り、それぞれ溶液と同量1mLの各有機溶媒を混合し、3分間手でよく振り混ぜ抽出した。その後、水相と有機溶媒相についてそれぞれの乳酸濃度を分析定量した。さらに、有機溶媒相に関して水分含量を分析定量して示した。
各乳酸濃度に対する各有機溶媒の抽出量を表6に示した。また、20%乳酸の試験における分配係数、および20%乳酸の試験における有機溶媒に移行した水分量も表7に記載した。
この結果から、ターシャリブチルメチルエーテル、メチルイソブチルケトンやヘキサノールといった有機溶媒が、高い乳酸抽出能力を持つことが明確になった。ただし、ブタノールは水分までも溶媒相に多く取り込むことから、本発明方法で用いる溶媒としての適性に欠けるため、除外して考える。
Figure 2008206402
エーテルやケトン溶媒における乳酸とエタノールの濃度と反応時間に関する試験を行ない、固定化酵素カラムでの処理条件の参考にした。
試験方法は、固定化酵素としてNOVOZYMES社製のNOVOZYM435を10mgとり、各濃度条件に調整した反応原液1mLを加えて、30℃で100rpmの振とう反応を8時間行って、2時間後、4時間後および8時間後の反応時における乳酸エチルへの変換量を分析定量した。
ターシャリブチルメチルエーテル(t-BME)とメチルイソブチルケトン(MiBK)に関して、各濃度およびその濃度に対するエタノールの混合比率を3通り変えて、その上に反応時間ごとのエステル量を定量した数値を表8に示した。
これらの結果より、この反応系における適切な乳酸濃度は2モル/L程度にあり、エタノールと乳酸の濃度比率は1から2の間、また反応時間は4時間で充分な合成効果が得られるであろうことが考察できた。また、アセトンやジオキサンと比較して ターシャリブチルメチルエーテル(t-BME)とメチルイソブチルケトン(MiBK)は大きなエステル合成効果を持つ有機溶媒であることが明確になった。
Figure 2008206402
各エーテル、ケトン類の溶媒における反応温度とエステル反応速度に関する試験を行ない、固定化酵素カラムでの処理条件の参考にした。
試験方法は、固定化酵素としてNOVOZYMES社製のNOVOZYM435を10mgとり、各溶媒に1モル/Lの乳酸と2モル/Lのエタノールを溶解した反応原液1mLを加えて、各温度条件で100rpmの振とう反応を4時間行なって、2時間後および4時間後の反応時における乳酸エチルへの変換量を分析定量した。
各溶媒での反応温度ごとに得た2時間後と4時間後のエステル変換量を反応速度として表記し、表9に示した。
この結果より、これらの溶媒中では40℃以上で反応させることが効果的であること、および2時間以内の反応であっても充分にエステル合成が行なわれていることがわかった。
Figure 2008206402
ターシャリブチルメチルエーテルを溶媒にして、カラム反応速度を変化させて、固定化 酵素カラム通液での乳酸エチル合成試験を行なった。
試験方法は、溶媒で湿潤状態の7.5mLのNOVOZYMES社製のNOVOZYM435を液クロ用の硝子カラムに充填し、そこに1モル/Lの乳酸、1.5モル/Lのエタノールを溶解した溶液を、ターシャリブチルメチルエーテルでは40℃の恒温槽にて通液して、反応後の乳酸エチルへの変換量を分析定量した。また、脱水処理とはこのカラム反応で得た乳酸エチル溶液を原液にして、そこに再び1モル/Lの乳酸と1.5モル/Lのエタノール濃度になるように乳酸とエタノールを添加し、その液を脱水剤;モレキュラシーブ3Aとよく混ぜて1時間放置後に脱水剤を取り除き、再びカラム通液したものである。
カラム通液速度を湿潤状態および脱水状態のt−BME溶媒についてそれぞれ4,2,1mL/h・g酵素の3通りにしたときの各乳酸エチルへの合成変換率を表10に示した。
この結果に示されるように、固定化酵素カラムに通液することで、容易に70%以上のエステル変換率を得る乳酸エチルの合成に成功した。
Figure 2008206402
ターシャリブチルメチルエーテルを用いた乳酸の抽出と酵素法によるエステル合成を連続して行なった。
試験方法は、約20%の粗製乳酸溶液50mLに50mLのターシャリブチルメチルエーテル(t−BME)を混ぜて抽出ロートを用いて振とう撹拌器120rpmにて10分間、乳酸抽出した。その抽出した50mLのt−BME溶媒をとり5mLのエタノールを加えた。この溶液を25mLずつに分けて、一方は対照としてそのまま、もう一方は10gの脱水剤;モレキュラシーブ3Aとよく混ぜて1.5時間放置後に脱水剤を取り除く脱水処理を施した。溶媒で湿潤状態の7.5mLのNOVOZYMES社製のNOVOZYM435を充填した液クロ用の硝子カラムを準備し、そこに前述の各溶媒溶液を、35℃の恒温槽内にて1mL/h・g酵素の通液量で処理して、反応後の乳酸エチルへの変換量を分析定量した。
各処理ごとにおける乳酸濃度、水分量と抽出率、合成変換率などを算出して、表11に示した。
この結果に示されるように、本発明法に基づく、抽出とエステル合成の連続試験に成功した。
Figure 2008206402
本発明による乳酸エステルの製造方法の理想的な処理形態を示すフロー図である。
符号の説明
1 粗製乳酸液
2 有機溶媒
3 低級アルコール
4 乳酸エステル

Claims (6)

  1. 乳酸を含む発酵液または精製を経た乳酸溶液から有機溶媒を用いて乳酸を抽出する第一工程と、得られた乳酸を含む抽出液に低級アルコール類を加えて、エステル合成反応を触媒する酵素を固定化したカラムによって乳酸エステルを製造する第二工程と、を含むことを特徴とする乳酸エステルの製造方法。
  2. 第一工程において用いる有機溶媒は、水と混ざらずに乳酸を溶解・混和する能力を有するエーテル類、アルコール類およびケトン類からなる群から選ばれるものであることを特徴とする、請求項1記載の乳酸エステルの製造方法。
  3. 第一工程において用いる有機溶媒は、エステル合成活性を有する酵素活性の維持安定性が高く、エステル合成反応を妨害しないエーテル類、アルコール類およびケトン類からなる群から選ばれるものであることを特徴とする、請求項1記載の乳酸エステルの製造方法。
  4. 第一工程において有機溶媒としてアルコール類を用いて乳酸抽出を行う場合において、そのアルコール類がエステル合成原料になる性質を有するものであるときは、第二工程において低級アルコール類を加えることをせずにエステル合成を行なうことを特徴とする、請求項2または3記載の乳酸エステルの製造方法。
  5. 第二工程において乳酸を含む抽出液に加える低級アルコール類は、第一工程において用いる水と混ざらない有機溶媒への溶解性があり、エステル合成原料になる性質を有することを特徴とする、請求項2記載の乳酸エステルの製造方法。
  6. 第二工程において用いるエステル合成反応を触媒する酵素固定化カラムは、リパーゼまたはエステラーゼを固定化した担体を用いた反応層であることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか記載の乳酸エステルの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014522651A (ja) * 2011-07-15 2014-09-08 プラクシカ・リミテッド 分離方法

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