JP2014521353A - ワクシニアウィルスの生成のための方法および組成物 - Google Patents

ワクシニアウィルスの生成のための方法および組成物 Download PDF

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Abstract

特定の実施形態は、ワクシニアウィルスの大規模生産のためのウィルス生成方法に関する。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2011年8月5日出願の米国特許仮出願第61/515,724号の優先権の利益を主張するものであり、同仮出願の全体が参考として本明細書に援用される。
I.発明の分野
本発明の実施形態は、全体として、ウィルス学、医学およびウィルス治療学に関する。特定の実施形態は、ウィルス生成に関する。
II.背景
腫瘍退縮ウィルス(OV)は、腫瘍細胞内で特異的に成長して、腫瘍細胞を死滅させるように設計または選択される複製治療である。前臨床の動物モデルおよびヒトに対する初期の臨床データに基づいて、商業化の初期段階にある群も幾つか存在する。しかしながら、患者に供給できる医薬品グレードのウィルスを大量に生産する点でまだ問題がある。ウィルスは合成薬物ではなく生物体であるため、その製造工程には、感染力を維持したまま細胞内でウィルスを生産する工程およびその後の汚染細胞デブリを除去する工程を伴う。今日まで、全てではないが、ヒト使用のためのワクシニアウィルス製品の商業的製造は、ヒト以外の細胞培養物中のワクチンとしてであった。一般に、ワクチンの投与では、患者は、局所部位(筋肉内が多い)に低い供与量のウィルスを投与されるが、その際、汚染細胞タンパク質が、実際にアジュバントとして機能し、調製物の免疫原性を増加させる。これとは対照的に、腫瘍退縮ウィルス治療法では、ウィルスの供与量は、ワクチン投与と比べると、最高で1,000,000倍が必要であり、静脈内に、頭蓋内に、腹膜内に、または直接的腫瘍注入によって投与されうる。OVの場合、汚染非ヒト細胞デブリを出さずに、大量のウィルス製造を可能にすることが重要である。さらに、ワクシニアウィルスは、ウィルス膜中に宿主細胞タンパク質を組み入れるエンベロープウィルスである。ウィルス体膜内にヒトタンパク質が取込まれると、ヒト宿主免疫系によって検出されることなく、その移動能力が高められる。
腫瘍退縮ウィルスの大規模生産のためのさらなる方法および組成物が必要である。
ワクシニアウィルスは、懸濁培養で成長するHeLa細胞の中で生成していた。しかしながら、懸濁培養の条件は、今日のウィルスの大規模生産には適していない。したがって、HeLa細胞を用いたワクシニアウィルスの大規模または商業規模生産は、成功していなかった。さらに、接着HeLa細胞を用いて大規模生産に必要な数のワクシニアウィルスを生成することを保証するような、十分な数の細胞を生成する接着HeLa細胞株は予期されなかった。本出願は、接着HeLa細胞を用いたワクシニアウィルスの大規模生産プロセスを提供するものである。
特定の実施形態は、下記ステップの一つ以上を含むワクシニアウィルスを生成するための方法に関する。
特定の態様では、方法は、表面に接着したHeLa細胞をワクシニアウィルスと接触させることにより、接着HeLa細胞をワクシニアウィルスに感染させるステップを含む。好ましくは、ワクシニアウィルスは、米国特許出願公開第2009/0004723の段落[0028]〜[0052]に記載されるような組換え型ワクシニアウィルスであり、この文献の全体は、参考として本明細書に援用される。実施形態において、ペトリ皿に接着したHeLa細胞は、特許請求の範囲から特に除外される。実施形態において、本発明は、(a)表面に接着したHeLa細胞をワクシニアウィルスで感染させるステップと、(b)後代ウィルスの生成が可能な条件下で、感染させた細胞を培養するステップと、(c)培養物からワクシニアウィルスを取り入れるステップとを含む、ワクシニアウィルスを生成するための方法を提供する。
ある実施形態では、本発明は、(a)以下の全ての値および以下の間の範囲を含む、少なくとも1×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×1010、5×1010、1×1011、5×1011、1×1012、5×1012、1×1013、5×1013個またはそれ以上の接着HeLa細胞を、ワクシニアウィルス組成物と接触させることにより、表面に接着したHeLa細胞を組換え型ワクシニアウィルスに感染させるステップと、(b)細胞1個当たり、以下の全ての値および以下の間の範囲を含む50、60、70、80、90、100個またはそれ以上の組換え型ワクシニアウィルスの生成が可能な条件下で、感染させた細胞を培養するステップとを含む、ワクシニアウィルスを生成するための方法を提供する。好ましくは、上記方法に従いHeLa細胞1個当たり少なくとも50プラーク形成単位(pfu)のワクシニアウィルスを製造し、より好ましくは、HeLa細胞1個当たり少なくとも75pfuのワクシニアウィルスを製造する。
別の実施形態では、表面に接着したHeLa細胞は、0.001〜1.0、好ましくは0.005〜0.5、より好ましくは0.01〜0.1の感染多重度(m.o.i.)でワクシニアウィルスに感染する。特に好ましい実施形態では、m.o.i.は、0.01〜0.05であり、この全ての値および範囲を含むものである。別の好適な実施形態ではm.o.i.は、0.015〜0.03である。用語「感染多重度」または「m.o.i.」とは、感染の間にHeLa細胞1個当たり加えられるウィルスのプラーク形成単位(pfu)の割合をいう。
関連する実施形態では、接着したHeLa細胞は、上記方法に従い、約10〜約10個のHeLa細胞/cmの密度、好ましくは約10個のHeLa細胞/cmの密度でワクシニアウィルスに感染し、その際、ワクシニアウィルスの濃度は、10〜10pfu/ml、好ましくは約10pfu/mlである。
接着HeLa細胞の培養
本方法に従ったワクシニアウィルスによる感染のための接着HeLa細胞は、あらゆる適切な方法により培養することができ、ガラス容器およびプラスチック容器内での成長を含む(ただしこれに限定されない)ものであり、この場合の容器とは、例えば、培養フラスコ、ヌンクロン(Nunclon)(登録商標)セルファクトリー(Cell Factories)(商標)等のセルファクトリー、コーニングライフサイエンス社のセルキューブ(CELLCUBE)(登録商標)システム等のセルキューブ、ギブコ社(Gibco)(登録商標)またはランパイア社(Lampire)(登録商標)の細胞培養用バッグ等の、細胞支持マトリックスを充填した(注入液バッグのような)軟質プラスチックバッグ;ローラーボトル;マグナフレックス(Magna−Flex)(登録商標)スピナーフラスコ等のスピナーボトル;あるいは発酵用容器;セレックス・バイオサイエンス社(Cellex Biosciences)(アキュシスト(AcuSyst)(登録商標)中空線維リアクター、バイオヴェスト社(BioVest)(セルファーム(Cell−Pharm)(登録商標)システム100またはシステム2500)、ファイバーセル(Fibercell)(商標)の各社による細胞培養システム等各種材料の中空線維をはじめとするバイオリアクターが含まれる。バイオリアクターは温度およびpH等のパラメータを正確にモニターし制御できる点で、バイオリアクター内で培養を行うことが好ましい。特定の態様では、セルバインド社(CellBind)(商標)のプラスチックウェア(www.sigmaaldrich.com)を用いることが可能である。細胞培養は、細胞集団の形態、例えばマイクロキャリアビーズ上のスフェロイド、スカフォード(例えば生物分解可能なスカフォード)上の細胞、組織、または組織オルガノイド等の形態であってもよい。特定の態様では、接着HeLa細胞は、マイクロキャリア、セルキューブ、セルファクトリー、T型フラスコ、またはローラーボトルベッセル内で培養される。好適な実施形態では、接着HeLa細胞は、例えばローラセル40装置(セロン社,ルクセンブルク)を用いて、一つ以上のローラーボトル内で培養される。用いられる容器は、以下の間の全ての範囲および値を限定なしで含む、およそ、少なくとも、あるいは多くても1,700;5,000;10,000;25,000;50,000;100,000;150,000;200,000;500,000cmの累積培養面積を備えていてもよい。特定の態様では、容器は少なくとも168,000cmの累積培養面積を有する。
ワクシニアウィルスに感染させようとする接着HeLa細胞は、成長、維持および細胞支持体表面への付着を促進する全ての適切な培地中で培養することができ、非限定的な例としては、BME(イーグル基礎培地)、MEM(イーグル最小培地)、199培地、DMEM(ダルベッコイーグル改変培地)、GMEM(グラスゴー改変イーグル培地)、DMEM−HamF12およびHam−F10、イスコフ改変ダルベッコ培地、マッコイ5A培地、またはRPMI 1640を挙げることができる。この培地は、規定の培地であることが好ましい。一つの態様では、この培地は実質的に無血清である。HeLa細胞の用途に最適化された無血清培地の非限定的な例としては、VP−SFM(Gibco BRL/ライフテクノロジー社)、Ex−Cell(登録商標)HeLa無血清培地(SFM)(シグマアルドリッチ社)、およびQuantum 101(GEヘルスケア社)を挙げることができる。他の実施形態では、この培地は、ウシ胎児血清(FBS)等の動物血清を含んでいてもよい。例えば、培地は、5%〜10%の血清(例えばFBS)を含んでもよいかまたは5%未満の血清(例えばFBS)含んでもよいか、あるいは、これらの間の全ての範囲または値であってもよい。一つの実施形態としては、培地は、5%〜10%のFBS、例えば10%のFBSが補充されたDMEMである。
用語「マイクロキャリア」とは、細胞の培養用および細胞の付着用に用いられる小さい個々の粒子のことをいう。マイクロキャリアは、例えば棒状、球状等、全ての適切な形状をとることができる。多くの実施形態においては、マイクロキャリアは、細胞培養に適する表面を提供するようにコーティングされているマイクロキャリアベースを含む。ポリペプチドは、結合、グラフトその他の方法で、表面コーティングに付着される。マイクロキャリアは、付着依存細胞を高収率で提供する目的で、細胞培養に使われる。マイクロキャリアは通常、細胞培養培地中で撹拌されるかまたは激しくかき混ぜられ、従来の培養機器に対して体積比で非常に大きな付着成長表面積を提供する。マイクロキャリアの詳細な例としては、米国特許出願公開公報2011/0027889号を参照すべきであり、この全体が参考として本明細書に援用される。
特定の実施形態では、ワクシニアウィルスは、ワクシニアウィルスのIHD−J株、ワイス(Wyeth)株、ウェスタンリザーブ株、またはコペンハーゲン株である。特定の態様では、ワクシニアウィルスが組換え型ワクシニアウィルスである。組換え型ワクシニアウィルスは、異種のコード領域を含んでもよい。本明細書で用いられる場合、この異種のコード領域とは、ワクチニアウィルスのゲノムには自然に存在しないコード領域である。特定の態様では、異種のコード領域は、免疫促進性ポリペプチドをコードすることができる。免疫促進性ポリペプチドは、サイトカインであってもよく、非限定的な例としては、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)を挙げることができる。
特定の態様では、組み換え型ワクシニアウィルスは、腫瘍細胞において選択的に複製する。この組み換え型ワクシニアウィルスは、内因性遺伝子中に突然変異を含んでいてもよい。突然変異は、核酸配列の欠失、核酸残基の置換、またはワクシニアウィルスの機能もしくは発現に影響を及ぼす一つ以上の核酸残基の組込みであってもよい。この突然変異の結果として、腫瘍細胞中の選択的成長、非腫瘍細胞中の成長の低下、または腫瘍細胞中の成長の増大、あるいはこれらの組み合せが生じうる。内因性遺伝子中に突然変異を含む組み換え型ワクシニアウィルスは、チミジンキナーゼ欠損(Tk)ワクシニアウィルス(すなわち、チミジンキナーゼをコードする遺伝子中にコードされたポリペプチドを機能不全にする突然変異を有しているワクシニアウィルス)であってもよい。特定の態様においては、内因性遺伝子中に突然変異を含む組み換え型ワクシニアウィルスとしては、ワクシニアウィルスのIHD−J株、ワイス株、ウェスタンリザーブ株、またはコペンハーゲン株であり、かつ/あるいは、異種のコード領域を含む。さらなる実施形態では、内因性遺伝子中に突然変異を含むワクシニアウィルスは、異種のコード領域を含み、非限定的な例としては、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子ポリペプチドコード領域を挙げることができる。
感染したHeLa細胞の培養
ワクシニアウィルスと接触させられた接着HeLa細胞は、後代ワクシニアウィルスの生成が可能な条件下で培養される。培養条件は、非限定的な例としては、規定の感染培地、規定のpH、規定の培養容器、規定の温度または温度範囲、規定の菌体数、規定の細胞集密度、規定の物理操作(例えば、酵素処理または化学処理、回転数、振盪速度その他)、規定の気相条件、規定の培養時間、規定の細胞播種密度、および規定の細胞継代数を挙げることができる。一つの態様では、用いられるHeLa細胞培地にウィルスを単に加えて接着HeLa細胞を調製してもよく、その場合には、培地および感染培地を同じものにすればよい。他の態様では、接着HeLa細胞の調製に用いた培地を感染ステップで除去し、ワクシニアウィルスと接触させられたHeLa細胞を新たな感染培地とともに、後代ウィルスが生成されるまで培養するが、この感染培地は血清を含んでもまたは実質的に無血清であってもよい。非限定的な適切な感染媒質の例としては、BME、MEM、199培地、DMEM、GMEM、DMEM−HamF12およびHam−F10、イスコフ改変ダルベッコ培地、マッコイ5A培地、またはRPMI 1640を挙げることができ、これらのいずれかは、任意で、血清が添加されていてもよい。例えばVP−SFM、Ex−Cell(登録商標)HeLa無血清培地(SFM)およびQuantum 101等の無血清培地も、感染培地としての使用に適している。
特定の態様では、感染させた細胞は、pH約7、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9または8、好ましくはpH7.1超、より好ましくはpH7.2超、最も好ましくはpH約7.3で、血清(例えばウシ胎児血清(FBS))5〜10%を含む感染培地中で培養される。別の態様では、細胞は、約7、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9または8、好ましくはpH7.1超、より好ましくはpH7.2超、最も好ましくはpH約7.3で、血清(例えばFBS)5%未満、例えば血清(例えばFBS)0%を含む感染培地中で培養される。関連する態様では、細胞は、血清(例えばFBS)0%〜10%を含む感染培地中で、pH約7.3で培養される。別の実施形態では、細胞は、血清(例えばFBS)0%〜10%を含む感染培地中で、pH7.2以上7.6未満で培養される。好適な実施形態では、感染培地は、DMEM、任意で100〜300mMのグルタミンを含む。細胞は、約30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、または40℃の温度で培養してもよい。好適な実施形態では、細胞は、36℃〜37.5℃の温度、好ましくは37℃で培養される。特定の態様では、感染培地は、硫酸デキストラン、Pluronic F−68、Tween−80および/または大豆タンパク質加水分解物の一つ以上を特に排除する。好適な実施形態では、感染培地は、特に、硫酸デキストランを排除し、また、Pluronic F−68、Tween−80および/または大豆タンパク質加水分解物のうちの少なくとも一つを排除する。別の好適な実施形態では、感染培地は、これらの成分全てをほぼ含まない。
本方法は、感染の前、最中または後に、HeLa細胞培養物を増大させるステップをさらに含んでもよい。HeLa細胞は、少なくとも1本、2本、3本、4本、5本、またはそれ以上の培養容器、例えば、ローラーボトル培養容器を通過させてもよい。特定の態様では、細胞は、例えばHyQtase(登録商標)等のプロテアーゼおよび/またはコラーゲン分解酵素を含む剥離溶液と処理することにより表面から剥離させる。各容器は、直前の培養容器に比べて増加した培養面積を有してもよい。特定の態様では、これら培養容器の全培養面積は、少なくとも84,000cm〜1,000,000cmである。特定の態様では、最終通路は、少なくとも168,000cmの培養面積を有する培養容器である。
特定の実施形態では、培養容器の播種と、感染との間の時間間隔は、以下の間の全ての値および範囲を含み、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、またはそれ以上である。特定の態様では、接着HeLa細胞は、以下の間の全ての値および範囲を含む1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10pfu/mlのワクシニアウィルスと接触させる。好適な実施形態では、約10〜約10個のHeLa細胞/cmの密度、好ましくは約10個のHeLa細胞/cmの密度の接着HeLa細胞は、10〜10pfu/mlのワクシニアウィルス、さらに好ましくは約10pfu/mlのワクシニアウィルスと接触させる。
特定の態様では、本方法は、接着HeLa細胞により生成されるワクシニアウィルスを分離するステップを含む。採取されたワクシニアウィルスは、当業者に知られた方法に従い、濃縮および精製されてもよい。本発明の他の実施形態としては、米国特許出願公開第2009/0004723の段落[0295]〜[0303]に記載されている方法によって生成されるワクシニアウィルス組成物に関するものであり、この文献の全体は、参考として本明細書に援用される。
本発明の別の実施形態は、本出願の全体を通して検討される。本発明の一つの態様に関して検討されるあらゆる実施形態は、本発明の別の態様にも適用され、その逆も適用される。実施例の項における実施形態は、本発明の全ての態様に適用可能な本発明の実施形態であると理解されるべきである。
特許請求の範囲および/または明細書における用語「含む(comprising)」とともに用いる語「一つの(a)]、「一つの(an)」の使用は、「一つ」という意味を持つ場合もあるが、「一つ以上」、「少なくとも一つ」、「一つまたは複数の」の意味を持つ場合もある。
本明細書で検討される全ての実施形態は、本発明の全ての方法または組成物に対して適用可能であり、またその逆も適用可能であることを意図するものである。さらに、本発明の組成物およびキットを、本発明の方法を実現するために用いてもよい。
本出願全体を通して、用語「約」は、その値が、その値を決定するために使用される装置または方法に起因する誤差の標準偏差を含むことを示すために用いるものである。
特許請求の範囲における用語「または」の使用は、別の意味のみが明確に示されない限りあるいはこの別の意味が相互排除的でない限り、「および/または」を意味するために用いられるものであるが、本願の開示が、別の意味だけを意味する場合と「および/または」を意味する定義を支持している。また、用語「または」を用いて列挙されるどの名詞も、特定的に除外できると意図されるものである。
本明細書および特許請求の範囲で用いられる語「含む(comprising)」(および、「含む(comprise)」および「含む(comprises)」などを含む任意の形)、「有する(having)」の語(および、「有する(have)」および「有する(has)」などを含む任意の形)、「含む(including)」(および、「含む(includes)」および「含む(include)」などを含む任意の形)、または「含有する(containing)」(および、「含有する(contains)」および「含有する(contain)」などを含む任意の形)は、非排他的または非制限的であり、記載していない成分または方法のステップまたは工程を排除するものではない。
本発明の他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかになる。しかしながら、本発明では特定の実施形態を示しているが、詳細な説明および特定の各実施例は、例示目的にのみ示すものであると理解されるべきであり、この理由は、本発明の主旨およびその範囲内での各種の変形および変更は、この詳細な説明から当業者に明らかになるからである。
以下の図面は、本明細書の一部を成し、本発明の特定の態様をさらに明示するものである。これらの図面のうち一つ以上を、ここに示される特定の実施形態の詳細な説明と共に参酌すれば、本発明がさらに理解されよう。
各種ヒト細胞系における組み換え型ワクシニアウィルス株JX−594(pfu/細胞)の生産を例示する図である。細胞の感染を、感染多重度0.1および感染後72時間において行い、溶菌液を収集し、力価をU−2 OS細胞で測定した。 接着HeLa細胞における組み換え型ワクシニアウィルス株JX−594の生産性に対する感染培地のpHの影響を例示する図である。細胞の感染を、示したpHの培地中で感染多重度0.1および感染後72時間において行い、溶菌液を収集し、ウィルス力価をU−2 OS細胞で測定した。
発明の詳細な説明
ワクシニアウィルスは、外側膜中に異なる4種の感染型を発する外膜ウィルスであり、これら4種の感染型は、細胞内成熟ウィルス粒子(IMV)、細胞内外膜ウィルス粒子(IEV)、細胞関連外膜ウィルス粒子(CEV)、および細胞外の外膜ウィルス粒子(EEV)である。EEV型は、補体活性化の宿主調節因子を外側のEEV膜に取り込む宿主細胞取込みを行うため、補体に耐性を示す(Vanderplasschen et al, (1997) PNAS 95:7544−7549)。補体失活を回避する能力および宿主免疫系による認識を回避する能力は、患者での全身送達における有効性に関する重要な特徴となっている。
IMVの原形質膜は、その構築の間、多数の宿主細胞タンパク質を組み入れる。IMVが感染性後代の大部分ということになるので、腫瘍退縮ウィルス療法標的患者と同じ生物種由来の生成細胞は、ウィルスの免疫原性が低いため患者の体内への全身拡散に有利である。また、これらIMV原形質膜の宿主細胞タンパク質は、感染プロセスに対しても有利である。
IMVが感染性後代の大部分をなすが、ウィルスのEEV型は細胞培養調製物中に含まれないということが明確に確定されたわけではない。標的患者と同じ生物種からの補体活性化調節タンパク質は、補体活性化の抑制、すなわち宿主免疫系による免疫クリアランスの回避に対して、大きな役割を演じうる。したがって、本発明者らは、ヒト細胞成分を用いてワクシニアウィルスを大量生成するためのシステムを開発した。
歴史的に、ワクチンとして用いるワクシニアウィルスは、ヒトのかさぶたより生成していたが、その後、仔ウシ、ヒツジおよび水牛の皮膚上、ニワトリ胚の漿尿膜中、あるいは初代ウシ胚繊維芽細胞上で生成するようになった(Ellner, 1998)。痘瘡根絶という全世界の一致団結した取り組みにおいては、仔ウシの皮膚の乱切法による感染により、株を生成していた(Fenner, 1977)。ウィルス株を仔ウシリンパから調製していたが、この製剤は、ライセンスを受けかつ利用可能な唯一ワクチンであり、DRYVAX(登録商標)(ワイス社)として知られている。ウィルス調製物を濃縮して凍結乾燥することで、その安定性を確保していた(Fenner, 1977)。それは、少なくとも10pfu/mlの凍結乾燥材料濃度で生成されていた。これを、50%グリセリンおよび0.25%フェノールを含む注射用無菌水中で再構成し、分岐針を用いることによって400人ものワクチン接種を受けた人へ皮内に送達されていた(Fenner, 1977)が、この際の供与量は約2.5×10pfuであり、これは、腫瘍退縮ウィルスとしてのワクシニアウィルスの標準的な供与量である10pfu(またはこれ以上)より少なくとも10倍低い値であった。
腫瘍退縮ワクシニアウィルスの有力な臨床的候補は、GM−CSF(Jennerex、JX−594)を発現するチミジンキナーゼ不活化ワクシニアウィルスである。しかしながら、別のワクシニアウィルス変異株および菌種を、ここに記載される方法により生成してもよい。例えば、JX−963は、組み換え型ワクシニアウィルスであり、Tk遺伝子の除去に伴って、ウェスタンリザーブ社のワクシニアバックボーン上で構成されるワクシニア成育因子(VGF)遺伝子の付加的な欠失を有している。この二重欠失ワクシニアウィルス(vvDD)は、腫瘍に特異的かつ動物モデルの抗腫瘍活性を有していることが示された(McCart et al., 2001; Thorne et al., 2007; Naik et al., 2006)。第2のvvDD変異株は、JX−929であり、全身送達の後の111In−ペンテトレオチドを用いた分子イメージングを容易にするヒトソマトスタチン受容体(SSTR2)を感染細胞中に有しかつ発現する(McCart et al., 2004)。
I.細胞培養
DRYVAX(登録商標)ワクチン接種の代替およびウィルス性免疫療法ならびに遺伝子治療分野に用いるワクシニアウィルスの産生の目的で、細胞ベースのウィルス産生の試験を行った。ACAM2000と称されるサル腎臓細胞ラインベロ細胞中で成長する、第二世代のワクシニアウィルスワクチン株を、開発した。これらの研究において、細胞培養物からウィルスを効果的に精製した。さらに、腫瘍特異性抗原(すなわちPSA、CEA)および免疫促進性分子(すなわちB7.1、ICAM−1およびLFA−1)と組み合せてワクシニアウィルスを使用する癌ワクチンを、細胞中に生成し、臨床試験の第I相および第II相の患者に投与した(Li, et al., 2005; Guo and Bartlett, 2004)。しかしながら、これら上記ケースの双方ともに、患者は、ウィルス調製物の全身投与よりも局所投与を受け、しばしば、全ウィルス供与量のうちインビボにおける腫瘍退縮効率に必要な分を受けていた。
腫瘍退縮ウィルス候補として提案された別のウィルスと比較すれば、ワクシニア等のポックスウィルスは、大規模な生産および精製における固有の課題を露呈する。自然界の最も大きい種類のウィルスとしてのポックスウィルスは、光学顕微鏡法によって可視であり、かつ、200〜400nmの長さで測定される(Moss, Fields' virology B. N. Fields, D. M. Knipe, P. M. Howley, D. E. Griffin, Eds.(Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, 2001)pp. 2849−2883)。その大型のサイズのため、ワクシニアウィルスは、濾過による滅菌はできず、そのため、全ての製造プロセスは、通常閉鎖されている。
宿主細胞原形質内で生じる生活環全体において、感染性粒子のバルクは、細胞の培地に放出されずに感染細胞内に保持されるので、精製は、感染細胞の細胞溶解、および細胞デブリからのウィルス粒子の精製を必要とする。
ポックスウィルスの形態形成においては、形態形成の早い段階でデノボ膜合成から膜を取得するとともに、後の段階でも、宿主ゴルジ体から付加的な膜を取得する(Moss, in Fields' virology B. N. Fields, D. M. Knipe, P. M. Howley, D. E. Griffin, Eds.(Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, 2001)pp. 2849−2883)。
本方法は、癌試験用GMPグレードウィルスを生成するために開発された接着細胞プロセスに関する。接着細胞処理は、血清なしの条件下で行ってもまたは血清の存在下で行ってもよい。本明細書で説明した製造プラットフォームの生産目標値は、少なくとも30、100、125、150、200pfu/細胞またはそれ以上であり、1供与量当たりの推定ウィルス濃度は、約10pfu/mlである。
本発明の一実施形態は、細胞培養における高力価JX−594の産生手順に関する。様々なヒト細胞系を試験し、HeLa細胞、すなわちヒト子宮頸部癌細胞系が、接着培養物中でのウィルス複製を着実に行うことを支援することが見出された。本方法はHeLa細胞に限定されず、別の接着細胞を産生プロセスに用いてもよいが、現時点では、HeLa細胞は、ワクシニアウィルスの産生における最良の形態の細胞系を提供するものである。
ウィルス生産性を評価するための代表的なアプローチは、系列希釈を行った後、2〜3日間プラークが形成するまで待機し、その後、力価を算出することを含む、標準的なプラークアッセイ法を実施することである。代替的な方法としては、定量的PCRアプローチ(Q−PCR)を規格化することにより、感染の後に生成されるウィルスゲノムの数の定量を可能にする方法が挙げられる。増幅プライマーを最適化することにより、感染細胞中のウィルスのE9L遺伝子の複写の数を定量化することが可能になり、また、これらの結果を本発明者らの標準的なプラークアッセイ法データに関連させることが可能になる。このアプローチの利点は、それが96個のウェルのフォーマットに適合することが可能であること、および、数日かかるデータが数時間で入手可能であることである。したがって、96個のウェルプレートを用いて、培地および補充物の標準的な初期スクリーニング、採取までの時間および入力ウィルスの濃度の影響を、迅速に実施し分析することが可能となる。初期スクリーニングに続いて、全ての陽性「ヒット」を古典的なプラークアッセイ法で確認した。
市販の無血清培地に見出される成分を、ウィルス生産性へのそれらの影響について試験した。HeLa S3細胞系を懸濁液中の成長に適用することにより、培地含有血清中で接着細胞を成長させたのと同様に、本発明者らは、これら細胞系をEX−CELL(商標)HeLa無血清懸濁培地(SAFCバイオサイエンス)内で成長させた。しかしながら上記の通り、高い細胞発育特性にもかかわらず、本発明者らは、この培地中での非常に乏しいウィルス成長を観察した(感染細胞1個当たりのウィルス粒子は1未満)。EX−CELL(商標)HeLa無血清懸濁培地の正確な配合は知的所有権下にあるが、この無血清培地の既知の成分としては、硫酸化多糖類、硫酸デキストランであり、細胞クランピング防止のために加えられると考えられる。しかしながら、硫酸デキストランは、レトロウィルス、ヘルペスウィルス、ラブドウィルス、およびアレナウィルスを含む多種多様な外膜ウィルスの複製を抑制することが知られている(De Clercq, 1993)。EX−CELL培地には、硫酸デキストランが約20mg/l含まれている。硫酸デキストランの濃度を様々に変えて、上記の高速アッセイ法で評価を行った。硫酸デキストランがウィルス生産性に対して供与量に依存するマイナスの影響を与えることが見出され、この所見はその後古典的な力価アッセイ法を用いることにより確認された。硫酸デキストランを除去することでウィルス生産性が改善されるが、培地含有血清中での接着HeLa細胞でルーチン的に実現される生産性よりもまだ低い。ウィルス生産性に影響を及ぼす他の培地成分としては、一般に細胞に対して非毒性の二官能性ブロックコポリマー界面活性剤Pluornic F−68、一般に用いられる洗浄剤のTween−80、および大豆加水分解物を挙げることができる。特定の態様では、培地は、硫酸デキストラン、Pluornic F−68、Tween−80、および大豆加水分解物の一つ以上を欠如している。実施例におけるこれらの培地の配合および血清補充物の一部を、表1に示す。
(表1)培地の配合および補充物
Figure 2014521353
ワクシニアウィルスの効率的な拡散のためには、細胞接触が好ましいため、ウィルスの細胞伝搬が低いことにより、懸濁細胞培養が制限を受けることもあり得る。特定の態様では、細胞のクランピングを促進してもよいか、あるいは、マイクロキャリア上で細胞を成長してもよいか、あるいは、接着培養がウィルス産生に十分であることが可能である。
非限定的な一つの例として、常に100pfu/細胞を超える力価が得られるよう、JX−594の成長のために以下の条件を用いた。細胞を、4×10個の細胞/cmでローラーボトル内に準備し、培養物中で2日間成長させる。その際、成長培地を除去し、JX−594を10pfu/ml含む新しい培地を加える。さらに60〜70時間、細胞を維持し、その後、細胞を収集し、ウィルスを採取する。この準備により、JX−594を約170用量(10pfu/用量)生成することが可能である。このプロセスの間、本発明者らは、予測されない因子が、ウィルスの生産量に対して劇的な影響を及ぼすことを見出した。例えば、培地のpHが、JX−594複製に影響を与える。ウィルス産生は、pH7.3において十分に緩衝化された培地中で最適化された。接着培養物による生産性は、全ての懸濁培養物での試みに比べて非常に高い。
汚染生成物を全く含まない高品質ウィルス調製物の生産を確保するために、アッセイ法を多数行い、ウィルス純度および/または品質の解析を行ってもよい。多くのアッセイ法を行うことにより、ウィルスの調製を、別の確認されたロットにおけるウィルス調製の比較することを確保し、プロセスが成功していることが確認できるようになる。
Figure 2014521353
特定の実施形態では、ワクシニアウィルスの分離および精製を行ってもよい。ワクシニアウィルスを精製するための方法は、a.液相の中に含まれるワクシニアウィルスによる固相マトリックスを充填するステップと、b.マトリックスを洗浄するステップと、c.ワクシニアウィルスを溶出するステップとを含むことができる。
特定の態様では、マトリックスは、ワクシニアを結合するリガンドを含んでもよい。リガンドは、マトリックスへの結合またはカップリングにより、固相マトリックスに結合させてもよい。リガンドとウィルスの間の作用は、可逆型の複合体を生成し、したがって、ウィルスは、マトリックスによって可逆的に保持される。特定の態様では、グルコサミングリカン(GAG)、特にヘパラン硫酸またはヘパリン、またはGAG類似物質を、リガンドに用いることができる。本明細書で用いられる例では、「グリコサミノグリカン類」(GAG)は、長鎖の分枝のない多糖類であり、二糖繰り返し単位から成る。
リガンドは、生体分子であってもよく、例えば、ペプチドおよび/またはレクチンおよび/または抗体および/または、好ましくは、炭水化物である。リガンドは、また、硫酸エステルを含有してもまたは硫酸エステルを含んでもよい。さらなる実施形態では、リガンドは、一つ以上の負に荷電した硫酸基を含む。
特定の態様では、リガンドは、疎水性分子であり、例えば、芳香剤フェニル基、PPG基、ブチル基、またはヘキシル基である。
一つの態様では、本方法は、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)によるワクシニアウィルスの精製を含む。さらなる実施形態では、本方法は、アフィニティークロマトグラフィーと共にHICを用いたワクシニアウィルスの精製を含む。HICを用いることにより、ウィルス収率を増加させ、DNAおよびタンパク質のコンタミネーションを大きく低減させる。DNAコンタミネーションのレベルは、初期出発原料の0.01%まで低減でき、また、タンパク質コンタミネーションのレベルは、0.1%以下まで低減できる。
特定の態様では、HICフェニルカラムクロマトグラフィーに硫酸化セルロースを用いて、高収率および高純度レベルでウィルス粒子を生成してもよい。
特定の態様では、ワクシニアウィルスの精製の前または後に、DNAを分解または除去してもよい。ヌクレアーゼ処理、例えばベンゾナーゼ(登録商標)等の処理によって、DNAを除去してもよい。ヌクレアーゼ処理は、ワクチンの確率、完全なオンコジーンを含んでいるウィルスベクター、あるいはさらなる機能的なDNA塩基配列を低減する。
関連する態様において、ワクシニアウィルスの精製の前または後に、タンパク質を分解または除去する。タンパク質は、TrypLE(商標)Select処理等のプロテアーゼ処理によって除去してもよい。好ましくは、ヌクレアーゼとプロテアーゼ処理の組み合せを用いて、HeLa DNAおよびタンパク質のコンタミネーションを低減または排除する。
マトリックスは、ゲル、ビーズ、ウェル、膜、コラム、その他の形態であってもよい。本発明の好適な実施形態としては、固相は膜であり、特にセルロース膜である。ウィルスを結合することが可能な広い範囲の変性ポリマーを用いてもよい。このポリマーの例としては、セルロース誘導体(セルロースエステル、セルロース水和物、酢酸セルロース、ニトロセルロース);アガロースおよびその誘導体;キチンまたはキトサン等の多糖類;ポリオレフィン(ポリプロピレン);ポリサルホン;ポリエーテルサルホン;ポリスチレン;芳香剤アミドおよび脂肪族ポリアミド;ポリサルホンアミド;ハロゲン化ポリマー(ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン);ポリエステル;アクリロニトリルのホモポリマーおよびコポリマーを挙げることができる。
ワクシニアウィルスを無菌条件の下で精製することにより、活動的であり安定でありかつ純度の高いウィルスの調製を実現することができる。ワクシニアウィルスは、天然型でも組み換え型でもよい。
本明細書で用いられる例では、「汚染物」とは、ウィルス成長のために用いられる宿主細胞(例えば宿主細胞DNAまたはタンパク質)から生じうるか、あるいは上流(例えばゲンタミシン)および下流(例えばベンゾナーゼ)を含む製造プロセス中に用いられるあらゆる添加剤から生じうる、あらゆる不要な物質を包含するものである。
本明細書で用いられる例では、ワクシニアウィルスまたは組み換え型ワクシニアウィルスの「工業規模」または「大規模」の生産は、1バッチ(生産稼働)当たり少なくとも1.0×10個のウィルス粒子(最低限で5.0×1012個のウィルス粒子)の50,000用量を提供できる方法を含む。
本明細書で用いられる例では、ワクシニアウィルス調製またはワクチンの「純度」は、不純DNA、タンパク質、ベンゾナーゼおよびゲンタミシンの含量に関して調べられる。純度は、特定の不純物に対して、1用量当たりの各不純物の量(例えばng DNA/用量)で表される。
本明細書で用いられるように、「安定度」は、ウィルス調製の品質(バルク薬物物質(BD)または最終薬物製品(FDP))が、例えば温度、湿度および光等の様々な環境因子の影響でどのように経時変化するかの尺度を意味し、BDSに対して再試験の期間を確定するか、またはFDPに対して推奨の貯蔵条件での有効期間を確定する。
リガンドは、結合したワクシニアウィルスの溶出を、ワクシニアウィルスが生物学的活性度を完全に保持できるような穏やかな条件下で可能にするものである。これは、ウィルスは感染性を有していることを意味するものである。精製中にワクシニアウィルスの感染性を保持することが可能であるので、初期TCID50(50%組織培養感染量)の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%が、精製中にも保持される。好ましくは、初期TCID50の少なくとも30%が精製中に保持される。
一実施形態では、固相マトリックスは、ゲルまたは膜であり、その細孔径は、0.25μm、好ましくは0.25μm超、さらに好ましくは1.0〜3.0μmであり、10cm/分〜20cm/分の実際の精製条件下での直線流速を示すものである。マトリックスの細孔径は、0.25〜0.5μm、0.5〜0.75μm、0.75〜1.0μm、1.0〜2.0μm、2.0〜3.0μm、または3.0μmよりも大きくしてもよい。
バッチ、コラムまたは膜のアプローチにより、固相をリガンドで充填することを実施してもよい。
膜のアプローチでは、ワクシニアウィルスのような大きいウィルスの精製に対していくつかの利点を与えることができる。膜の表面における大きい細孔径およびリガンドの有効性により、大きなウィルス粒子の結合能を高めることができる。
一実施形態では、ウィルスは、例えば、0.2M、0.4M、0.6M、0.8M、1.0M、1.2M、1.4M、1.6M、1.8M、または2.0Mの硫酸アンモニウム中で、リガンドに結合される。
リガンドまたはマトリックスに対してワクシニアウィルスまたは組み換え型ウィルスの結合が十分に進行したとき、ワクシニアウィルスが結合されるマトリックスを、適切な洗浄培地で洗浄することにより、液相中に残留する宿主細胞汚染物(特に、宿主細胞DNAおよびタンパク質)を除去することができる。一つの態様では、マトリックスは、0.2M、0.4M、0.6M、0.8M、1.0M、1.2M、1.4M、1.6M、1.8M、または2.0Mの硫酸アンモニウムで洗浄される。
結合したワクシニアウィルスまたは組み換え型ウィルスを、マトリックスから溶出させてもよい。リガンドまたはマトリックスとワクシニアウィルスとの間の特異的な相互作用を特異的に阻害する作用物質により、あるいはリガンドまたはマトリックスと表面タンパク質との間の静電的相互作用を非特異的に阻害する作用物質により、捕捉されたワクシニアウィルスの溶出が行われてもよい。一つの態様では、この作用物質は、硫酸アンモニウムである。さらなる態様では、ワクシニアウィルスを、GAGまたはGAG類似リガンドにより溶出してもよい。また別の態様では、この作用物質は、塩化ナトリウムであり、より好ましくは、NaCl濃度勾配は0.15M〜2.0Mの範囲で上昇する。
マトリックスの充填に先立ち、特に液相培養物中のワクシニアウィルスから汚染物を除去するため、ウィルス懸濁液の前処理を実施してもよい。この場合の前処理は、以下のステップの一つ以上を単独でまたは組み合せで行うことができる:宿主細胞のホモジナイゼーション、超音波処理、凍結/融解、低浸透圧細胞溶解、高圧処理、遠心分離、ろ過、ヌクレアーゼ処理、プロテアーゼ処理、カチオン交換処理、選択的沈降処理。
ワクシニアウィルスまたは組み換え型ウィルスの溶出に用いる作用物質によっては、ウィルス調製の純度を高めるため、後処理を行ってもよい。この後処理は、不純物をさらに除去するための限外ろ過/ダイアフィルトレーションとしてもよく、かつ/または溶出に用いる特異的または非特異的作用物質としてもよい。
通常、pH値は、ウィルスの溶出の後に、特に最高でpH9以上に上昇し、特に、pH7.5、7.6、7.8、8.0、8.2、8.4、8.5、8.6、8.8、9.0、9.2、9.4、9.5、9.6、9.8、10.0、10.2、10.4または10.5に上昇する。
本発明の実施は、従来技術の当業者の範囲における分子生物学、タンパク質分析および微生物学の技術を用いる。これらの技術は、例えば、Ausubel et al. 1995, eds, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York に十分に説明されている。
II.実施例
以下の各実施例は、本発明の各種実施形態を例示する目的で示すものであり、何らか様式で本発明を限定する意図するものではない。本発明は、本願に説明される目的を遂行して結果および利益を得るように十分に適合しており、またこれは、本願に内在する目的、結果および利益についても同様であることが、当業者には容易に理解されよう。本願の各実施例は、ここに記載される方法とともに好適な各実施形態をここに示すものであり、また、例示的でもあり、本発明の範囲を限定する意図ではない。特許請求の範囲で画定される本発明の趣旨に含まれる変更および別の応用も、当業者には自明のものである。
JX−594の生産について、様々なヒト細胞系を試験した。簡潔には、接着HeLa細胞、A549細胞、MCF−7細胞、M14細胞、U−2 OS細胞、懸濁HeLa S3細胞および接着HeLa S3細胞を、0.1の感染多重度でJX−594に感染させ、感染後72時間において溶菌液を収集し、ウィルスの力価を、U−2 OS細胞で測定した。その結果を図1に示す。驚くべきことに、接着HeLa細胞で良好な結果が得られた。
接着HeLa細胞内でのウィルス生産を最適化する取り組みの中で、各種パラメータを試験した。感染培地のpHがウィルス産生に予期せぬ劇的な影響を及ぼす(図2参照)ことが、見出された。JX−594の生産は、下記以外は同一の条件下で、感染培地pH7.1における約12pfu/細胞から、pH7.3の感染培地における約60pfu/細胞まで増加した。感染培地のpHが7.1未満の場合は、ウィルス産生物はほとんど存在しなかった。さらに、感染多重度が0.005〜0.05の範囲内、特に0.01と0.03の間にあった時に、ならびに、温度が感染中および感染後36℃〜37.5℃の間に維持され処理を行った時に、ウィルス産生の改善が観察された。プラスチックのローラーボトルを接着表面として使用したことも、ウィルス収率を高めることに貢献した。
感染前の接着HeLa細胞の培養に用いる培地中の血清の存在およびその量を、ウィルス収率に影響を及ぼすように決定した。培地がFBSを10%含んでいた時に最適な収量が得られたが、この際、培地中に血清量は減っており、その分に対応して、ウィルス収率が低下した。にもかかわらず、いくらか減少した血清中濃度に起因した収率の損失は、別のパラメータ(例えばpH、感染多重度、接着表面)の最適化により打ち消される。
しかしながら、感染培地中の血清の存在および量は、ウィルス収率に実質的に影響を及ぼさなかった。したがって、本発明に従い、接着HeLa細胞中でワクシニアウィルスの驚くほど良好な収率を得るためには、感染培地は、血清を含んでいてもまた実質的に血清無しでもよい。
最適化された上流プロセスの非限定的な例を概説する工程図は、以下の通りである。
JX−594上流プロセス
Figure 2014521353
Figure 2014521353
バイアル解凍および接種物増大
セルバンクから十分な数のバイアルを解凍することにより、上流プロセスは開始する。得られた細胞懸濁液は、ポリスチレン細胞培養容器(636cm)中で培養される(Nunc Nalgene)。細胞の成長は、汎用の細胞培養プロトコールを用いて目視による評価で決定された特定の集密度(約80〜95%)となるように行われる。
経路1では、培地を除去し、細胞をPBSでリンスし、培養容器から剥離させる。Vi−Cell XR(ベックマンコールター社)または血球計数器を用いて生存細胞を計数した後、各200mlの100培地を含む4本ポリスチレン培養容器(全面積2544cm)に、1×10〜6×10個の細胞/cmの密度で播種される。培養物を、37℃でインキュベーションする。
培養物を2×10で播種した場合は、次の経路の目標日時は、播種4日後である。培養物を4×10で播種した場合は、次の経路の目標日時は、播種3日後である。各々の経路の時点で、およそ1×10個の細胞/cmとなるように、プロセスを調整する。
ローラーボトル細胞培養物増大
経路2の目標日時では、培地を除去し、PBSで細胞をリンスし、ポリスチレン培養容器から剥離させる。
RC−40ローラーボトル装置(シンセコン社、全表面積8400cm)内の2本の拡大表面(ES)ポリスチレンローラーボトル(RB、セロン社)に1×10〜6×10個の細胞/cmの密度で、細胞を播種する。900mlの100培地を含む各ボトルは培養され、細胞培養物を、RC−40インキュベーター(三洋電機株式会社)内で、37℃でインキュベーションする。
経路3の目標日時では、細胞培養培地を除去し、PBSで細胞をリンスし、剥離させる。細胞懸濁液をESボトルから回収し、100培地を1:1で混合し、生存細胞を計数する。次いで、適当量の細胞懸濁液を4本のES RB(全表面積16800cm)に1×10〜6×10個の細胞/cmで播種する。各ボトルにつき培地900mlとして、細胞培養物を37℃でインキュベーションする。
経路4の間、細胞培養物を10本のRB(全表面積42000cm)へ移し替え、経路5の間、細胞培養物を20本のRB(全表面積84000cm)までに増大させる。経路6は、JX−594産生プロセスの第1の重要なステップであり、この理由は、細胞培養物は40本のRB(全表面積168000cm)までに増大するからである。40本のRBの播種密度は、JX−594の産生において重要であり、その目標値は4×10個の細胞/cmである。DNAフィンガープリント法および付随的な作用物質試験のために、細胞懸濁液および条件培地のサンプルを経路6で収集する。産生用播種の間、細胞培養物の温度は37℃に制御される。
感染およびJX−594産生
40本のRBの播種から、マスターウィルスバンクまたはワーキングウィルスバンクのいずれか由来のJX−594のバイアルによる感染までの間隔の目標は、72時間である。感染の日時には、培地を細胞培養物から除去し、JX−594ウィルスを1×10pfu/mL含む新たな100培地で置換する。感染培地の力価は、重要なプロセスパラメータであり、1×10pfu/mLの画定した目標値を有する。菌体密度は、感染の時点で計数しないが、しかし、経路履歴に基づき1×10個の細胞/cmと予想される。感染の継続時間は、40〜80時間の範囲内に制御され、かつ好ましくは約44時間である。感染中の細胞培養物の温度は、重要なプロセスパラメータであり、37℃に制御される。
100pfu/細胞を超えるウィルス力価が通常、本プロセスに従って得られる。
JX−594下流プロセス
細胞由来ポックスウィルスの小規模調製のための古典的な方法は、低張細胞溶解に続いて、凍結融解および音波処理のラウンドが含まれていた。本発明者らは、凍結/融解および音波処理がともに不必要なステップであり、しばしばウィルス力価を低下させることを見出した。従って、JX−594の下流処理では、ヌクレアーゼ(ベンゾナーゼ)処理を用いてHeLa DNAを消化し、プロテアーゼ(TrypLE(商標)Select)処理を行いHeLaタンパク質を消化し、次いで、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)を行う。ベンゾナーゼによる天然培養物(低張細胞溶解緩衝液中にウィルスおよび細胞のデブリを含む)の処理により、製剤中の宿主(HeLa)DNA汚染が非常に少なくなった(図3参照)。したがって、ヌクレアーゼ処理をTFFと組み合わせて行うことにより、製剤中の宿主DNAおよびタンパク質の汚染を大きく低減し、かつ、ウィルスの感染に要する力価を保持しながら、純度の非常に高いウィルス製剤を得ることができる。特に、DNA汚染を40μg DNA/用量から3μg DNA/用量へと低減し、タンパク質汚染を12mgタンパク質/用量から4mgタンパク質/用量へ低減することが、ヌクレアーゼ/プロテアーゼ処理とTFFの組み合せを用いて実現される(用量=1×10pfu JX−594)。一つ以上のクロマトグラフィーステップを用いることで、これらをさらに低減することも可能である。一つの態様では、一つ以上のクロマトグラフィーステップは、イオン交換クロマトグラフィーを含む。別の態様では、一つ以上のクロマトグラフィーステップは、ワクシニアウィルスA27Lタンパク質のヘパリン結合能を利用するヘパリン(もしくはヘパリン類似分子)または硫酸化セルロースに基づくことが好ましい、疑似アフィニティークロマトグラフィーを含む。さらに別の態様では、一つ以上のクロマトグラフィーステップは、膜吸着クロマトグラフィー、例えば膜アフィニティークロマトグラフィーを含む。好適な膜は、少なくとも3μMの細孔径を有する微孔構造を有すると考えられる。
参考文献
以下の参考文献は、本願に述べた事項への補足として、例示的な手順の詳細または別の詳細を提供する限度において、参照事項として本願に包含される。
Figure 2014521353
Figure 2014521353

Claims (40)

  1. ワクシニアウィルスを生成するための方法であって、
    (a)表面に接着したHeLa細胞を0.005〜1.0プラーク形成単位(pfu)/細胞の感染多重度(m.o.i.)でワクシニアウィルスと接触させることにより、該HeLa細胞をワクシニアウィルスに感染させるステップと、
    (b)pH7.1超を有する感染培地中で、感染させた該細胞を培養するステップと、
    (c)培養物からワクシニアウィルスを採取するステップと
    を含む、方法。
  2. ステップ(a)の間、接着したHeLa細胞の密度が、10〜10個のHeLa細胞/cmである、請求項1に記載の方法。
  3. ステップ(a)の間、接着したHeLa細胞の密度が、約10個のHeLa細胞/cmである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記HeLa細胞が、セルキューブ、セルファクトリー、T型フラスコ、ローラーボトル、またはマイクロキャリアに接着している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記HeLa細胞が、一つ以上のプラスチックのローラーボトル容器に接着している、請求項4に記載の方法。
  6. 前記一つ以上のローラーボトルが少なくとも168,000cmの培養面積を備えている、請求項5に記載の方法。
  7. ステップ(a)の間、ワクシニアウィルスの濃度が10〜10pfu/mlである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. ステップ(a)の間、ワクシニアウィルスの濃度が約10pfu/mlである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記感染培地のpHが、7.2超であり、かつ好ましくは約7.3である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. ステップ(a)およびステップ(b)が、36℃〜37.5℃の温度で、好ましくは37℃で実施される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. ステップ(b)が、40〜80時間、好ましくは約44時間の期間実施される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. HeLa細胞1個当たり少なくとも50pfuのワクシニアウィルスが生成され、好ましくは、HeLa細胞1個当たり少なくとも75pfuのワクシニアウィルスが生成される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記培地が、硫酸デキストラン、Pluronic(登録商標)F−68、ポリソルベート80、および大豆加水分解物のうちの一つ以上を含まない、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記培地が硫酸デキストランを含まない、請求項13に記載の方法。
  15. 前記培地が、硫酸デキストラン、Pluronic(登録商標)F−68、ポリソルベート80、および大豆加水分解物を欠如している、請求項14に記載の方法。
  16. 前記培地がウシ胎児血清を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記培地が10%未満のウシ胎児血清を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記培地が血清を含まない、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  19. ステップ(a)のm.o.i.が、約0.01〜0.5pfu/細胞であり、かつ好ましくは約0.02pfu/細胞である、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 採取された前記ウィルスが一つ以上の精製ステップに供される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記精製が、HeLa細胞核酸を除去するためのヌクレアーゼによる前記採取されたウィルスの処理、および/またはHeLa細胞タンパク質を除去するためのプロテアーゼによる該採取されたウィルスの処理を含む、請求項19に記載の方法。
  22. 前記精製がタンジェンシャルフロー濾過ステップを含む、請求項19または20に記載の方法。
  23. 前記精製が、ヘパリンアフィニティークロマトグラフィーステップを含む、請求項19〜21のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記精製が、膜吸収クロマトグラフィーステップを含む、請求項19〜22のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記ワクシニアウィルスが、ワクシニアウィルスのIHD−J株、ワイス株、ウェスタンリザーブ株、またはコペンハーゲン株である、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記ワクシニアウィルスが組み換え型ワクシニアウィルスである、請求項24に記載の方法。
  27. 前記組み換え型ワクシニアウィルスが、免疫促進性ポリペプチドをコードする異種のコード領域を含む、請求項25に記載の方法。
  28. 前記免疫促進性ポリペプチドがサイトカインである、請求項26に記載の方法。
  29. 前記サイトカインが顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)である、請求項27に記載の方法。
  30. 前記組み換え型ワクシニアウィルスが腫瘍細胞において選択的に複製する、請求項28に記載の方法。
  31. 前記組み換え型ワクシニアウィルスが内因性遺伝子中に突然変異を含んでいる、請求項29に記載の方法。
  32. 前記組み換え型ワクシニアウィルスが機能性チミジンキナーゼ遺伝子を欠如している、請求項30に記載の方法。
  33. 前記組み換え型ワクシニアウィルスが、ワクシニアウィルスのIHD−J株、ワイス(Wyeth)株、ウェスタンリザーブ株、またはコペンハーゲン株である、請求項31に記載の方法。
  34. 前記組み換え型ワクシニアウィルスが、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子ポリペプチドをコードする、請求項32に記載の方法。
  35. 感染の前にHeLa培養物を増大させることをさらに含む、請求項1〜33のいずれか1項に記載の方法。
  36. 前記HeLa細胞が、少なくとも一つのローラーボトル培養容器を通過し、該ローラーボトル培養容器が、直前の培養容器と比べて増加した培養面積を有する、請求項34に記載の方法。
  37. 前記ローラーボトル培養容器が少なくとも850cmの培養面積を有する、請求項35に記載の方法。
  38. 最終通路が、少なくとも168,000cmの培養面積を有するローラーボトル培養容器である、請求項35に記載の方法。
  39. 前記ローラーボトル培養容器の播種と、感染との間の間隔が、48〜96時間である、請求項37に記載の方法。
  40. 前記接着HeLa細胞を2×10〜1×10個の組み換え型複製コンピテントワクシニアウィルス/mlと接触させる、請求項38に記載の方法。
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