JP2014510868A - クイックリリース真空ポンプ - Google Patents

Abstract

【課題】 設計及び構造が複雑ではないとともに誤作動なしに一様で正確に動作する真空ポンプを提供する。
【解決手段】 本発明は主に真空移送システムに適用されるクイックリリース真空ポンプに関するものである。本発明の真空ポンプは、真空の発生のために供給される圧縮空気の一部をチャンバーに保存してから、移送が終われば真空解除用に用いられるようにするメカニズムを持つ。特に、真空解除の際に逆流する空気圧によってチェックバルブが移動し、このバルブは制御手段によって移動範囲が調節されるように構成される。一方、チェックバルブの下端部にはエアフィルターが配置される。本発明によれば、真空解除の速度が速く、制御可能となり、さらにフィルターの濾過及び掃除が自然になされる効果がある。
【選択図】 図３

Description

本発明は主に真空移送システムに適用される真空ポンプに係り、特に、真空の解除（ｒｅｌｅａｓｅ）が速やかになされ、真空解除時のストローク（ｓｔｒｏｋｅ）を調節するようになった真空ポンプに関するものである。

本発明において、真空ポンプとは高速で供給される圧縮空気と作用して吸着パッドの内部空間を排気する装置を言う。前記真空ポンプが動作すれば、吸着パッドの内部空間に真空及び負圧が形成され、真空移送システムはこのように得られた負圧を用いて対象物を把持した後、所定の場所に移送するようになるものである。

一般に、真空ポンプは一側流入口と他側排出口を持つケーシングと、前記ケーシングの内部に直列で配列されるノズルとを含み、例えば吸着パッドの内部空間はケーシングを通過してノズルの内部と連通する。したがって、圧縮空気が前記流入口に供給されて高速でノズルを通過して排出されるとき、前記内部空間の排気がなされると同時に移送のための真空及び負圧が形成されるものである。

一方、対象物の移送が完了すれば、吸着パッドは繰り返される後続作業のために対象物から速やかに分離しなければならない。しかし、ただ圧縮空気の供給を中断することによっては迅速な分離ができないので、前記吸着パッドと対象物の間の分離を強制することができる特別な設計及び方法が必要となる。

これに関連して知られた方法によれば、前記ノズルに連結される真空ラインの外に吸着パッドに連結される解除ラインを別に設計し、各ラインに圧縮空気を供給することができるようにし、各ラインの開閉を電子的に制御している。ここで、前記真空ラインへの圧縮空気の供給が中断されれば、解除ラインが開放して吸着パッドに圧縮空気が供給され、これにより内部空間の真空が解除（ｒｅｌｅａｓｅ）または破棄（ｂｒｅａｋｉｎｇ）されることにより、吸着パッドと対象物の間の分離がなされるものである。

このような方法が、圧縮空気を吸着パッドに供給することで吸着パッドと対象物の間の迅速な分離を行うことができるという点で、有用に使われていることは事実である。

しかし、その方法を実際に具現するにあたっては、その電子的・機械的設計及び構造が複雑な問題、誤作動が頻繁に発生する問題、過失の補償が難しいという問題などのため、経済性、生産性、作業性などのいろいろの面で大変不利である。そして、真空が解除されることにより、対象物に加わるストローク（ｓｔｒｏｋｅ）によって対象物が損傷される場合に対しては何らの対策がない。

本発明は前述したような従来の真空ポンプの問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、設計及び構造が複雑ではないとともに誤作動なしに一様で正確に動作する真空ポンプを提供することである。

本発明の他の目的は、真空の解除が速やかになされ、真空解除の際、対象物に加わるストロークを必要によって調節するようにした真空ポンプを提供することである。本発明のさらに他の目的は、適正位置にエアフィルターを配置することで、何の操作もなく濾過及び掃除が自然になされるようにした真空ポンプを提供することである。

本発明の真空ポンプは：
互いに対向する側面に形成された圧縮空気流入口と排出口、及び底面に形成された空気吸入口を含むケーシングと；
前記流入口と排出口の間を貫いて伸び、一側で前記吸入口と連通するシリンダー型ホール、及び両側端部がそれぞれ前記流入口と排出口に連通する状態で前記ホールの内部に装着されて前記ホールと連通するスロットを持ち、直列で配列されるノズルを含む真空ポンプ部と；
前記吸入口の上側に形成された支持管、空気圧によって上下に移動して前記支持管の上側を開閉するスカート型チェックバルブ、及び前記流入口に連通してチェックバルブのスカートを経て通路の末端に形成される圧力チャンバーを含むリリース部と；
前記ケーシングの上面を貫いてチェックバルブの上側に配置され、前記チェックバルブの移動範囲を調節するように備えられる制御手段と；を含む。

好ましくは、前記真空ポンプは：
前記吸入口と支持管の間に配置され、前記ポンプ部の動作の際、吸入される排気空気を上側に通過させて濾過し、前記ポンプ部の停止の際、圧力チャンバーから支持管を通じて下側吸入口に供給される空気によって掃除されるフィルター材；をさらに含む。

また好ましくは、前記ノズルは壁に通孔が形成されたシリンダー型ボディーの内部に装着されて一つのポンプカートリッジを構成し、前記カートリッジを介して前記ホールの内部に装着される。

本発明によれば、圧縮空気がポンプ部に供給され始めるとき、その一部が圧力チャンバーを満たすようになり、圧縮空気の供給が中断されれば、直ぐ圧力チャンバー内の空気が逆流してチェックバルブを移動させ、これによって真空が解除される。したがって、本発明の真空ポンプは従来のものに比べて単純に設計及び具現可能であり、誤作動なしにいつも一様で正確に動作することができる効果がある。

また、真空解除のために、線路の開閉と解除用圧縮空気の供給及びこのための電子的回路動作などの先行動作が不必要であるので、真空の解除がより速やかに遂行できる効果がある。特に、前記制御手段を操作することで、真空解除の際、作業対象物に加わるストロークを必要によって調節することができる効果がある。

一方、真空解除の際には圧力チャンバー内の空気がフィルター材を通じて排出される。この際、空気圧によって真空時にフィルター材の底面に付いていた異物がはたかれて除去されるので、別に掃除しなくてもフィルター材の濾過及び掃除が連続的に繰り返される効果がある。

本発明による真空ポンプの外形を示した斜視図である。 図１の“Ａ−Ａ”線についての拡大断面図である。 図１の“Ｂ−Ｂ”線についての拡大断面図である。 本発明による真空ポンプの真空動作を説明するための図である。 本発明による真空ポンプの解除動作を説明するための図である。

以上記載したかまたは記載しなかった本発明の特徴と効果は、以下に添付図面を参照して説明する実施例の記載によってより明らかになるであろう。図面において、本発明による真空ポンプは符号１０で表示される。

図１〜図３を参照すれば、本発明による真空ポンプ１０は、一定形態のケーシング２０とその内部に構成及び形成される要素とからなる。前記ケーシング２０は、互いに対向する側面に形成された圧縮空気流入口２１と排出口２２、及び底面に形成された吸入口２３を含む。そして、前記ケーシング２０の内部構成要素として、真空ポンプ部３０、リリース部４０、及びフィルター材５０が含まれる。

前記真空ポンプ部３０は、前記ケーシング２０の吸入口２３に連結された吸着パッドその他の内部空間を排気して真空及び負圧を形成するための構成である。

前記真空ポンプ部３０は、前記ケーシング２０両側面の流入口２１と排出口２２の間を貫いて伸び、一側で前記吸入口２３と連通するように形成された中空シリンダー型ホール３１と、両側端部がそれぞれ流入口２１と排出口２２に連結及び連通する状態で前記ホール３１の内部に装着され、スロット３３を挟んで直列で配列されるノズル３２ａ、３２ｂ、３２ｃとを含む。

本実施例において、前記ノズル３２ａ、３２ｂ、３２ｃは２以上のノズルを含み、内径が段々拡大する形態のいわゆる“多段ノズル”（ｍｕｌｔｉ−ｓｔａｇｅ ｎｏｚｚｌｅｓ）である。もちろん、他の実施例においては、単ノズルを適用することも可能であろう。図において、符号３７はケーシング２０の排出口２２側に装着される消音機（ｓｉｌｅｎｃｅｒ）である。

前記ノズル３２ａ、３２ｂ、３２ｃがホール３１の内部に直接装着されるように設計することもできるが、本実施例において、前記ノズル３２ａ、３２ｂ、３２ｃはシリンダー型ボディー３４を介して前記ホール３１の内部に装着される。具体的に、ノズル３２ａ、３２ｂ、３２ｃはボディー３４内部に直列で配列され、前記ボディー３４は壁に形成された通孔３５を含み一つのポンプカートリッジ３６を構成する。

このポンプカートリッジ３６が前記ホール３１に装着されることにより、ノズル３２ａ、３２ｂ、３２ｃもホール３１の内部に適切に配列及び固定されるものである。そして、前記ホール３１は通孔３５を介してカートリッジ３６の内部及びノズル３２ａ、３２ｂ、３２ｃと連通可能となる。この構造は、ノズル３２ａ、３２ｂ、３２ｃを直接ホール３１に装着する構造に比べ、装着性、組立性、安全性の側面で有利であると言える。

前記リリース部４０は、前記真空ポンプ部３０の作動によって形成された真空及び負圧を速やかに解除または破棄するための構成である。

前記リリース部４０は、ケーシング２０の吸入口２３の上側に突出した支持管４１と、前記支持管４１の上側に配置され、空気圧によって上下に移動して前記支持管４１の上側開口を開閉するスカート（ｓｋｉｒｔ）型チェック（ｃｈｅｃｋ）バルブ４２と、前記吸入口２３からバルブスカート４３部分を経る通路４４の末端に形成される圧力チャンバー４５とを含んでなる。

図示のように、前記バルブ４２の下端部４２ａは漏斗状になって支持管４１の上側開口に挿入される。この形態は、移動するバルブ４２と前記支持管４１の間のシーリング（ｓｅａｌｉｎｇ）を好適に維持して不要な空気の流れを防止するのに最適なものであると判断される。

この構造において、流入口２１に供給されて前記通路４４を流れる圧縮空気はスカート４３部分を押しながらバルブ４２を通って圧力チャンバー４５に入ることができる。しかし、圧力チャンバー４５内の充填された空気は逆方向に復帰することができなく、バルブ４２のエアリフト（ａｉｒ−ｌｉｆｔ）によって上側開口が開放する支持管４１を通じて吸入口２３側に流れるようになる。

本発明において、前記リリース部４０は、前記ケーシング２０の上面を貫いてバルブ４２の上側に配置され、前記バルブ４２の移動範囲を調節するように備えられる制御手段４６をさらに含む。具体的に、前記制御手段４６はスクリューであり、左右に回転させてスクリューの端部とバルブ４２のヘッドとの距離（ｄ）を可変させることでバルブ４２の移動範囲を調節することができる。

一方、前記フィルター材５０は、吸入口２３を通じて流入した空気を濾過してから前記ホール３１に流入するようにする濾過材である。

ここで適用されるフィルター材５０は、形態の面でパッド型でもしわ型でも構わない。前記フィルター材５０は前記吸入口２３上に配置され、吸入口２３を通じて流入した空気を濾過する。具体的に、前記フィルター材５０は吸入口２３と支持管４１の間に配置され、フィルター材５０の安定的な装着のために、前記吸入口２３の上端には装着用リブ５１が形成される。

設計の面では、前記リブ５１が空気の流れを邪魔しないようにしなければならない。図において、符号５２はガスケットである。

図２及び図４を参照すれば、ケーシング２０の吸入口２３には吸着パッド（図示せず）が連結され、当たり前に前記吸着パッドは移送対象物の表面に接触しているはずである。この状態で、ケーシング２０の流入口２１を通じて圧縮空気を供給すれば、真空ポンプ部３０が動作する。圧縮空気はカートリッジ３６の内部に装着されたノズル３２ａ、３２ｂ、３２ｃを順に高速で通過した後、排出口２２側に結合された消音機３７を通じて外部へ排出される（図２の矢印１参照）。

この過程で、ノズル３２ａ、３２ｂ、３２ｃの間の部分で圧力降下が発生し、これによって吸着パッドの内部空気は吸入口２３−フィルター材５０−ホール３１−通孔３５−スロット３３を順に経た後、ノズル３２ａ、３２ｂ、３２ｃの内部に流入する。そして、圧縮空気とともに外部に排出される（図４の矢印２参照）。

このような排気によって吸着パッドの内部空間に真空及び負圧が発生し、このように発生した負圧によって対象物を把持して移送することができるようになるものである。

一方、流入口２１に供給された初期圧縮空気の一部は流入口２１側から始まる通路４４を流れ、前記バルブ４２のヘッド部分を加圧して支持管４１を閉鎖するとともに外側スカート４３部分を加圧しながら圧力チャンバー４５内に流れ続ける。究極に、圧力チャンバー４５が圧力空気で充填され（図４の矢印３参照）、この空気はリリース用に用いられる。

図５を参照すれば、対象物の移送が完了すれば、圧縮空気の供給が中断され、よって真空ポンプ部３０の動作も停止される。すると、バルブ４２のヘッド部分を加圧していた大きな力が消滅されることによって圧力チャンバー４５内の空気が逆流するようになる。

この際、スカート４３及びバルブ４２は逆流する圧力空気によって浮上し、これにより支持管４１の上側開口が開放して、圧力空気が圧力チャンバー４５から支持管４１−フィルター材５０−吸入口２３を順に通過して吸着パッドの内部空間に投入される（矢印４参照）。これにより、本装置によって発生した真空及び負圧が瞬く間に解除されるものである。

ところで、真空解除の際、対象物に加わる圧力またはストロークがあまり高ければ、対象物が飛び出すとか破損される問題が発生することができ、逆にあまり低ければ、真空解除の速度が遅くなって円滑な移送作業を邪魔する問題が発生することができる。本発明において、このような問題は、制御手段４６を操作してバルブ４２の移動範囲を適宜調節することで解決する。

前述したように、バルブ４２の移動範囲は、制御手段４６としてのスクリューを回転させて（矢印５参照）スクリューの端部とバルブ４２のヘッドとの距離を可変させることで調節されるものである。図４及び図５は実際にバルブ４２の移動範囲が、図３に比べ、小さく調節された状態を示す。

本発明の装置１０は、真空用圧縮空気の一部を別に保存し、真空停止の際に当然解除用に用いられるようにする真空／解除メカニズムを持つ。したがって、真空／解除のいずれも電子的メカニズムに寄り掛かる従来の設計に比べ、単純に設計及び具現できる。また、いつも一様で正確に動作することができ、真空の解除が速やかになることができる。特に、前記制御手段４６を備えることにより、真空解除時のストロークを必要によって適宜調節することができる。

一方、真空ポンプ部３０の動作の際、吸着パッドの排気空気は上側にフィルター材５０を通過しながら濾過される。したがって、前記フィルター材５０の底面には異物がくっつくしかない（図４参照）。ところで、前記真空ポンプ部３０の動作が停止すれば、支持管４１を通過した圧力空気が前記フィルター材５０を上側から下側に通過して吸入口２３に流れるようになる。

この過程で、真空の際、フィルター材５０の底面に付いていた異物がはたかれて除去される。よって、別途に掃除しなくてもフィルター材５０の掃除が自然に繰り返されてなされるものである。迅速なリリース及び効果的なフィルターの掃除のための構造として、前記チェックバルブ４２、支持管４１、フィルター材５０、吸入口２３は上下関係に一直線上に形成され、これは他のどんな形態よりも有利なものであると判断される。

１０ 真空ポンプ
２０ ケーシング
２１ 流入口
２２ 排出口
２３ 吸入口
３０ 真空ポンプ部
３１ ホール
３２ａ、３２ｂ、３２ｃ ノズル
３３ スロット
３４ ボディー
３５ 通孔
３６ カートリッジ
４０ リリース部
４１ 支持管
４２ チェックバルブ
４３ スカート
４４ 通路
４５ 圧力チャンバー
４６ 制御手段
５１ リブ

Claims (7)

1. 互いに対向する側面に形成された圧縮空気流入口と排出口、及び底面に形成された空気吸入口を含むケーシングと；
   前記流入口と排出口の間を貫いて伸び、一側で前記吸入口と連通するシリンダー型ホール、及び両側端部がそれぞれ前記流入口と排出口に連通する状態で前記ホールの内部に装着されて前記ホールと連通するスロットを持ち、直列で配列されるノズルを含む真空ポンプ部と；
   前記吸入口の上側に形成された支持管、空気圧によって上下に移動して前記支持管の上側を開閉するスカート型チェックバルブ、及び前記流入口に連通してチェックバルブのスカートを経て通路の末端に形成される圧力チャンバーを含むリリース部と；
   前記ケーシングの上面を貫いてチェックバルブの上側に配置され、前記チェックバルブの移動範囲を調節するように備えられる制御手段と；を含むことを特徴とする、クイックリリース真空ポンプ。
2. 前記ノズルは壁に通孔が形成されたシリンダー型ボディーの内部に装着されて一つのポンプカートリッジを構成し、前記カートリッジを介して前記ホールの内部に装着されることを特徴とする、請求項１に記載のクイックリリース真空ポンプ。
3. 前記チェックバルブの下端部は漏斗状となって支持管の上側開口に挿入されることを特徴とする、請求項１に記載のクイックリリース真空ポンプ。
4. 前記制御手段はスクリューであり、左右に回転させてスクリューの端部と前記チェックバルブヘッドとの距離を可変させることでバルブの移動範囲を調節するようになったことを特徴とする、請求項１に記載のクイックリリース真空ポンプ。
5. 前記真空ポンプは前記吸入口と支持管の間に配置され、前記ポンプ部の動作の際、吸入される排気空気を上側に通過させて濾過し、前記ポンプ部の停止の際、圧力チャンバーから支持管を通じて下側吸入口に供給される空気によって掃除されるフィルター材；を含むことを特徴とする、請求項１に記載のクイックリリース真空ポンプ。
6. 前記フィルター材の安定的な装着のために、前記吸入口の上端には装着用リブが形成されたことを特徴とする、請求項５に記載のクイックリリース真空ポンプ。
7. 前記チェックバルブ、支持管、フィルター材、及び吸入口は上下の関係で一直線上に形成されたことを特徴とする、請求項５に記載のクイックリリース真空ポンプ。

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