JP2014506279A - ヒドロキシル基担持ポリマーの修飾法 - Google Patents

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Abstract

本発明の主題は、それに応じて、一般式(I)
Figure 2014506279

の反復構造単位を有するヒドロキシル基担持ポリマーA)[式中、Dは、ポリマー骨格とヒドロキシル基との間の直接結合、C〜C−アルキレン基、C〜C12−アリーレン基、式−O−R−のオキシアルキレン基、式−C(O)−O−R−のエステル基、または式−C(O)−N(R)R−のアミド基、Rは、C〜C10−アルキレン残基、Rは、水素、または場合によっては置換されたC〜C10−アルキル残基、およびnは、3〜5000の間の数を意味する]を、式(II)のカルボン酸B1)または式(III)のカルボン酸エステルB2)
Figure 2014506279

[式中、Rは、2〜50個のC原子を含む炭化水素残基を意味し、Rは、C〜C−アルキル残基を意味する]と、ヒドロキシル基担持ポリマーA)に式(II)のカルボン酸または式(III)のカルボン酸エステルの存在下および水の存在下にマイクロ波を照射し、反応混合物をマイクロ波照射により100℃超の温度に加熱することによって、変換反応させる方法である。

Description

本発明は、マイクロ波場中においてポリマー水性溶液をポリマーアナログ(polymeranalog)エステル化することにより、ヒドロキシル基担持付加重合体を修飾する方法に関する。
例えばポリ(ビニルアルコール)のような、複数のヒドロキシル基を担持する高分子量合成ポリマーは、その融点を超えると、高粘性の物質に転移する、非イオン性、水溶性の熱可塑性プラスチックである。その際、ポリマーの水溶性は、中でも、ポリマー中のヒドロキシル基の濃度に依存し、ポリ(ビニルアルコール)の特殊な場合には、その製造に使用されたポリ(酢酸ビニル)の加水分解度の関数でもある。したがって、例えば、加水分解度の高いポリ(ビニルアルコール)は、高結晶性であって、熱水にしか溶解しない。ポリ(ビニルアルコール)は、層形成、膜形成、乳化挙動、および粘着のような、ポリ(ビニルアルコール)を複数の技術適用のために興味深くする、注目すべき物理化学特性を有する。さらに、ポリ(ビニルアルコール)は、非常に高い引張強度を有するが、例えば大気湿度が上昇する場合のような、含水量の上昇とともに、弾性の上昇に抗しきれず、このことは、例えば、膜のより激しい伸縮性という形で現れる。
化学修飾により、ヒドロキシル基担持ポリマーの特性に広い範囲で影響を及ぼすことができる。つまり、例えば、疎水性修飾により、化学物質および溶媒に対する、その抵抗力が、その温度安定性と同様に改善され得る。他方では、例えば、疎水性修飾後のポリ(ビニルアルコール)では、大気湿度が高い場合にも、水溶性が失われることもなく引張強度が維持されたままである。特に、長鎖アルキル残基を用いた修飾により、ポリマーは、実用技術上非常に興味をひく内部可塑化を受ける。例えば製紙工業および繊維工業における様々な適用に関しては、特に冷水にあまり溶けないポリビニルアルコールが有利であろうが、それというのも、そのポリビニルアルコールは、表面塗装の耐水性を改善するであろうからである。疎水化するための慣例の方法は、例えば、アルデヒドによる、特にブチルアルデヒドによるアセタール化である。
しかしながら、アルデヒドは、化学的には条件付きでのみ安定であるため、その取扱いは特別な注意を要求する。さらに、特に長鎖アルキル残基を含むアルデヒドの工業的規模での入手可能性は限られているので、修飾可能性の幅は非常に制限されている。その上、疎水性修飾されたポリ(ビニルアルコール)の製造は、多大な技術的労力、それゆえ高コストを伴う。つまり、4個を超えるC原子のアルデヒド鎖長の場合、アルデヒドが非水溶性となり、過剰のアルデヒドの洗浄および修飾ポリマーの浄化をきわめて困難にする。過剰のアルデヒド、特に過剰のアルデヒド混合物の処理も非常に労力がかかる。このように修飾されたポリマーは、実験室では入手可能であるが、工業的規模での製造には労力がかかりすぎ、高価すぎる。その上、アセタール化度が高い場合、特に遊離OH基の含有量がわずかなポリマーの場合、分子間アセタール化によるポリマーの架橋もしばしば起こり、この誘導体化法の使用可能性を制限する。
さらに、ポリマーおよび誘導体化剤の異なる溶解度は、均質な生成物を製造する際に、分取上の著しい困難を引き起こす。ポリマーアナログ反応の場合、反応されるべきポリマーは、均質な反応を保証するためには、可溶性の形状、または少なくとも膨潤した形状にもたらされる必要がある。ポリマーが、反応媒体中において不溶性である場合、表面反応のみが可能であって、ポリマーが反応媒体中で膨潤している場合は、反応速度は、ポリマーマトリックスの細孔中への官能基の接近可能性に依存する。その上、結晶領域での拡散過程は非常に遅いことから、部分結晶性ポリマー中では、反応は、事実上、非結晶領域でしか起こらない。
例えばポリビニルアルコールのようなヒドロキシル基担持ポリマーは、溶媒フリーの形状では、固体または高粘性の物質であって、均一系の化学反応のためには熱によるか、または溶媒を利用するかのいずれか一方により流動化される必要がある。たいていのヒドロキシル基担持ポリマーにとって好ましい溶媒は水である。しかしながら、縮合反応に関しては、水は、原料に有利になるように反応平衡をずらすため、溶媒として通例はあまり適さない。例えばポリ(ビニルアルコール)のようなポリマーは、通例は、例えばジメチルスルホキシド、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、およびリン酸トリスジメチルアミドのような非プロトン性極性溶媒にも溶解することができるが、反応が行われた後にこれらの高沸点溶媒を除去する際には、ポリマーが通例は熱損傷を受けるため、さらなる使用のためにそのポリマーをしばしば役に立たなくする。
特許文献1によると、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、またはそれらの誘導体のようなヒドロキシル基担持ポリマーは、アルキルケテンダイマーとの反応によっても疎水化ないし内部可塑化することができる。もっともこの場合も、技術的に使用可能な誘導体化剤の選択は限られている。その際、反応は、好ましくは有機溶媒中または溶媒フリーで100℃超の温度におき押出機内で行われる。
長鎖アルキル残基担持モノマーを、例えば酢酸ビニルと(共)重合することによる、対応する(コ)ポリマーの製造も同様に、限界があるが、それというのも、例えば長鎖カルボン酸のアルキルビニルエステルのような適したモノマーが、技術上限定的にしか入手できず、たいていの場合は非常に高価であるからである。その上、続いて起こるアシル基の、ヒドロキシル基への加水分解の際に、長鎖エステルも少なくとも部分的に加水分解される。したがって、このような、疎水性修飾されたヒドロキシル基担持ポリマーの工業的使用は、これまでのところわずかな適用に限られている。
望ましいであろうことは、ヒドロキシル基を担持するゆえ、非イオン性の水溶性ポリマーを、低価格ならびにその置換基を幅広く変化させて入手可能である上に架橋する傾向のない単官能性試薬で修飾することである。そのために適した方法は、例えば、モノカルボン酸とのエステル化であろう。従来技術によると、例えば酸無水物、酸塩化物、またはエステルのような反応性酸誘導体による、疎水性長鎖カルボン酸とのヒドロキシル基担持ポリマーのポリマーアナログエステル化が可能である。しかしながら、その際少なくとも等モル量のカルボン酸、塩、ないしアルコールが生成し、それらは分離および処分ないし処理される必要があり、高コストを引き起こす。例えば、ポリ(ビニルアルコール)のようなヒドロキシル基担持ポリマーは、本質的には水にしか溶けないため、その際、反応性酸誘導体と水との反応により望ましくないさらなる副産物が生成する。さらに、ヒドロキシル基担持ポリマーを遊離脂肪酸と直接的な方法でエステル化することは、ポリマーと酸の異なる粘度ゆえに、ならびに他方ではポリマーの有機溶媒中での不溶性ゆえに困難である。特許文献2によると、ポリ(ビニルアルコール)を、そのヒドロキシル基に対して少なくとも等モル量の、少なくとも14個のC原子を含むエチレン性不飽和カルボン酸を用いて、フェノール、クレゾール、またはキシレノールのような溶媒中でエステル化することに成功する。その際、エステル化は、150と250℃との間の温度を必要とし、2〜5時間かかる。その際に得られた生成物は、強度に褐色に着色されており、一方では高分子架橋部分を、他方では低分子分解生成物を含有している。得られた生成物は、処理後にも、難揮発性の、毒物学上懸念すべき溶媒の残量をなおも含有している。
化学合成の最近のアプローチは、マイクロ波場での反応である。その際、反応の明らかな促進がしばしば観察され、それはこの方法を経済的にも生態学的にも非常に興味深くさせる。したがって、従来技術では、炭水化物の様々なエステル化が開示されており、このエステル化は、ほぼ例外なく、遊離酸よりも高い反応性を有するカルボン酸エステルと実施されたが、それにもかかわらず、あまりにわずかなアシル化度しかもたらさない。特許文献3は、高温において炭水化物を酸と変換反応させると、同時にポリマーの分解が起こり、それは、使用された原料および選択された反応条件に依存して、特性が激しく揺らぐ生成物をもたらすことを教示する。
独国特許出願公開第102009001382号明細書 米国特許第2601561号 中国特許第1749279号
したがって、その方法によると前記非イオン性ポリマーの特性を容易かつ低コストなやり方で技術的に興味をひく量で修飾することが可能である、ヒドロキシル基担持主鎖ポリマーのポリマーアナログ修飾法(polymeranalogen Modifizierung)を提供するという課題が存在する。その際、特に興味をひくのは、二級ヒドロキシル基担持直鎖状付加重合体の、特に、C−C結合のみから構成された骨格を有する二級ヒドロキシル基担持直鎖状付加重合体のエステル化である。その結果、特に、ポリマーの結晶性、極性溶媒および無極性溶媒中での溶解度、熱安定性、および/または可塑性が、影響を受け得るものである。その際、一つの反応混合物内でも様々な反応混合物間でも一定の生成物特性を達成するためには、修飾は、できるだけ均質に、つまりポリマー全体にわたって統計的分布で行われるべきである。さらに、その際、ポリマー骨格において、特にポリマー分解のような反応が起こらないべきであって、言うに値する量の、毒物学的および/または生態学的に懸念のある副産物が生成しないべきである。
意外なことに、ヒドロキシル基担持高分子量ポリマーを、水性溶液中、および/または水および水と混合可能な、遊離カルボン酸を有する有機溶媒からなる溶液中で、マイクロ波の影響下に100℃超の温度においてエステル化できることが見出された。このやり方で、ヒドロキシル基担持ポリマーを、例えば疎水性にも親水性にも修飾することができる。このように修飾されたポリマーの溶解度は、より大きな親水性ないし疎水性ポリマーブロックの存在を示唆しない。複数の様々なカルボン酸が低価格かつ技術的な量で入手可能であるため、前記ポリマーの特性を幅広い範囲で修飾することが可能である。その際、ポリマー鎖の分解は起こらない。
それに応じて、本発明の主題は、一般式(I)
Figure 2014506279
の反復構造単位を有するヒドロキシル基担持ポリマーA)
[式中、
Dは、ポリマー骨格とヒドロキシル基との間の直接結合、C〜C−アルキレン基、C〜C12−アリーレン基、式−O−R−のオキシアルキレン基、式−C(O)−O−R−のエステル基、または式−C(O)−N(R)R−のアミド基、
は、C〜C10−アルキレン残基、
は、水素、または場合によっては置換されたC〜C10−アルキル残基、および
nは、3〜5000の間の数を意味する]を、
式(II)のカルボン酸B1)または式(III)のカルボン酸エステルB2)
Figure 2014506279
[式中、
は、2〜50個のC原子を有する炭化水素残基を意味し、
は、C〜C−アルキル残基を意味する]と、
ヒドロキシル基担持ポリマーA)に式(II)のカルボン酸または式(III)のカルボン酸エステルの存在下および水の存在下にマイクロ波を照射し、反応混合物をマイクロ波照射により100℃超の温度に加熱することによって反応させる方法である。
本発明のもう一つの主題は、一般式(I)
Figure 2014506279
の反復構造単位を有するヒドロキシル基担持ポリマーA)
[式中、
Dは、ポリマー骨格とヒドロキシル基との間の直接結合、C〜C−アルキレン基、C〜C12−アリーレン基、式−O−R−のオキシアルキレン基、式−C(O)−O−R−のエステル基、または式−C(O)−N(R)R−のアミド基、
は、C〜C10−アルキレン残基、
は、水素、または場合によっては置換されたC〜C10−アルキル残基、および
nは、3〜5000の間の数を意味する]と、
式(II)のカルボン酸B1)または式(III)のカルボン酸エステルB2)
Figure 2014506279
[式中、
は、2〜50個のC原子を有する炭化水素残基を意味し、
は、C〜C−アルキル残基を意味する]との反応であって、
ヒドロキシル基担持ポリマーA)に式(II)のカルボン酸または式(III)のカルボン酸エステルの存在下および水の存在下にマイクロ波を照射し、反応混合物をマイクロ波照射により100℃超の温度に加熱する反応によって製造された、ヒドロキシル基担持ポリマーのエステルである。
好ましいヒドロキシル基担持ポリマーAは、そのポリマー骨格がC−C結合のみから構成されており、それに応じてヘテロ原子を含有しない主鎖ポリマーである。もっとも、好ましいヒドロキシル基担持ポリマーAは、鎖末端に、例えば重合の最中に開始剤および/または調整剤によりポリマー内へと達するヘテロ原子を有する基を含有することが可能である。好ましくは、ポリマーAは、全体として少なくとも5個、特に好ましくは少なくとも10個、特に少なくとも15個、特に少なくとも20個のヒドロキシル基担持モノマー単位を含有し、つまりnは、少なくとも5、10、15または20である。これらのモノマー単位は、コポリマーにおいて、別のモノマーから誘導された構造単位と組み合わされていても、それらによって中断されていてもよい。
Dは、好ましくは、ポリマー骨格とヒドロキシル基との間の直接結合を意味する。この場合、式(I)の構造単位は、ビニルアルコールから誘導されている。さらなる好ましい一実施形態では、Dは、直鎖状または分岐状のアルキレン残基である。このアルキレン残基は、好ましくは1個、2個、3個、または4個のC原子を有する。それは、例えば、アリルアルコールから、または3−ブテン−1−オール、3−ブテン−1−オール、1−ペンテン−3−オール、もしくは4−ペンテン−1−オールから誘導された構造単位である。さらなる好ましい一実施形態では、Dは、式中Rが好ましくは、2個、3個、または4個のC原子を有するアルキレン基を意味するオキシアルキレン基を意味する。このような構造単位(I)は、好ましくは、例えばヒドロキシエチルビニルエーテルまたはヒドロキシブチルビニルエーテルのようなヒドロキシアルキルビニルエーテルから誘導することができる。さらなる好ましい一実施形態では、Dは、エステル基を意味する。好ましくは、Rは、2個または3個のC原子を有するアルキレン基を意味する。このような構造単位(I)は、例えば、アクリル酸およびメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステルから、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、およびヒドロキシプロピルメタクリレートから誘導される。さらなる好ましい一実施形態では、Dは、R基を介してヒドロキシル基と結合しているアミド基を意味する。好ましくは、この場合、Rは、2つまたは3つのC原子を有するアルキル基を意味する。Rは、例えばヒドロキシル基のような置換基を担持してもよい。好ましくは、Rは、水素、メチル、エチル、またはヒドロキシエチルである。このような構造単位(I)は、例えばアクリル酸およびメタクリル酸のヒドロキシアルキルアミドから、例えば、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリルアミド、ヒドロキシプロピルアクリルアミド、ヒドロキシプロピルメタクリルアミドから誘導される。複数の、例えば2個、3個、4個またはそれ以上の様々な、式(I)の構造単位を含有するポリマーもまた、本発明に適している。本発明による方法は、特に、二級OH基担持ポリマーのエステル化に適している。
特に好ましい、式(I)の構造単位は、ビニルアルコールから誘導される。
本発明による方法は、式(I)のヒドロキシル基担持単位に加えて、一つまたは複数の、ヒドロキシル基を担持しないさらなるモノマーから誘導されている構造要素を有する、ヒドロキシル基担持モノマーのコポリマーを修飾するためにも適している。好ましいさらなるモノマーは、オレフィン、アクリル酸およびメタクリル酸のエステルおよびアミド、ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルアミン、アリルアミン、ならびにそれらの誘導体である。好ましいコモノマーの例は、エテン、プロペン、スチレン、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ならびにアクリル酸およびメタクリル酸の、2〜24個のC原子を有するアルコールとのエステルである。好ましくは、コポリマーは、ヒドロキシル基担持モノマーから誘導される構造単位(I)を10mol%超、特に好ましくは15〜99.5mol%、特に20〜98mol%、特に50〜95mol%、例えば70〜90mol%含有する。
適したコポリマーA)の例は、例えばポリ酢酸ビニルの部分ケン化により入手可能であるような、特に酢酸ビニルとビニルアルコールのコポリマーのようなビニルエステルとビニルアルコールのコポリマーである。好ましいのは、ビニルアルコールのほかに0.5〜60mol%、特に好ましくは1〜50mol%、例えば1.5〜10mol%の酢酸ビニルを含有するコポリマーである。したがって、部分加水分解されたポリ(酢酸ビニル)を起点に、本発明の方法によると、酢酸ビニル、ビニルアルコール、および本発明により式(II)のカルボン酸および/または式(III)のカルボン酸エステルでエステル化されたビニルアルコール、からなるターポリマーも製造できる。さらに、コポリマーA中に存在するエステル基を、本発明による方法において、完全または部分的にエステル交換することができる。
さらなる適したコポリマーA)の例は、ビニルアルコールとエチレン、ビニルアルコールとスチレンからなるコポリマー、ならびにヒドロキシエチルメタクリレートとメチルメタクリレートからなるコポリマーである。
好ましいコポリマーA)は、水中、または水および水と混合可能な有機溶媒からなる溶媒混合物中で、40℃超の温度、例えば、50℃、60℃、70℃、80℃または90℃において、均質に可溶性であるか、または少なくとも膨潤可能である。さらに好ましくは、コポリマーA)は、少なくとも1重量%、特に5〜90重量%、例えば20〜80重量%の濃度で、40℃超の温度、例えば、50℃、60℃、70℃、80℃または90℃において、水中、または水および水と混合可能な有機溶媒からなる溶媒混合物中で均質に可溶性ないし膨潤可能である。
特に好ましい、ヒドロキシル基担持主鎖ポリマーAは、ポリ(ビニルアルコール)である。ポリ(ビニルアルコール)とは、本発明によると、ビニルアルコールのホモポリマーとも、ビニルアルコールの、別のモノマーとのコポリマーとも理解される。特に好ましいコポリマーは、0.5〜20mol%、好ましくは1〜15mol%のビニルエステルを含有するようなものである。このコポリマーは、通例は、ビニルアルコールのエステルを低級カルボン酸と重合ないし共重合し、続いてエステルを加水分解することによって製造される。ビニルアルコールの好ましいエステルは、酢酸ビニルである。ポリマーの加水分解は、完全に起こっても部分的に起こってもよい。
さらなる特に好ましいコポリマーは、エチレンとビニルアルコールからなるコポリマーである。特に好ましいのは、15〜70mol%、特に20〜60mol%、例えば25〜50mol%の、エチレンから誘導された構造単位を含有するようなものである。
アセチル化サンプルを用いてゲル浸透クロマトグラフィーおよび静的光散乱により決定された、好ましいポリマーAの重量平均分子量Mは、好ましくは、10000〜500000、特に12000〜300000、特に15000〜250000g/molである。修飾ポリマーの分子量は、そのエステル化度およびアシル残基の分子量に応じて高まっている。
カルボン酸B1)としては、一般的には、少なくとも一つのカルボキシル基を有する化合物が適している。したがって、本発明による方法は、例えば二つ、三つ、四つ、またはそれ以上のカルボキシル基を有するカルボン酸を反応させるためにも適している。好ましいカルボン酸は、一つのカルボキシル基を有する。カルボン酸は、天然起源であっても合成起源であってもよい。その際、特に好ましいのは、2〜30個のC原子、特に3〜24個、例えば4〜22個のC原子を有する炭化水素残基Rを担持するようなカルボン酸である。炭化水素残基は、好ましくは、脂肪族、脂環式、芳香族、または芳香脂肪族である。炭化水素残基は、それらの置換基が反応条件下には安定であって、例えば脱離反応のような副反応が起こらないという条件付きで、一つまたは複数の、例えば二つ、三つ、四つ、またはそれ以上のさらなる置換基、例を挙げると、例えば、メトキシ基のようなアルコキシ基、アミド基、シアノ基、ニトリル基、ニトロ基、スルホン酸基、および/または例えばフェニル基のようなC〜C20−アリール基を担持してもよい。炭化水素残基Rは、例えば、酸素、窒素、リン、および/またはイオウのようなヘテロ原子も含有することができるが、好ましくは、2つのC原子あたり一つのヘテロ原子を超えない。
第一の好ましい一実施形態では、カルボン酸B1)は、脂肪族炭化水素残基を担持する。特に好ましいのは、2〜36個、特に3〜24個、特に6〜22個、例えば10〜20個のC原子を有する脂肪族炭化水素残基である。この脂肪族炭化水素残基は、直鎖状、分岐状、または環状であってもよい。カルボキシル基は、一級、二級、または三級のC原子に結合されていることが可能である。炭化水素残基は、飽和であっても不飽和であってもよい。不飽和炭化水素残基は、一つまたは複数の、好ましくは一つ、二つ、または三つのC=C二重結合を含有する。好ましくは、起こり得る二重結合は、カルボキシル基に対して共役していない。したがって、本発明による方法は、特に、不飽和、特にポリ不飽和脂肪酸のエステルを製造するために有効であると実証されたが、不飽和脂肪酸の二重結合は、本発明による方法の反応条件下では攻撃されないからである。特に好ましい一実施形態では、脂肪族炭化水素残基は、非置換のアルキル残基またはアルケニル残基である。さらなる特に好ましい一実施形態では、脂肪族炭化水素残基は、前記置換基の一つまたは複数、例えば二つ、三つ、またはそれ以上を担持する。
好ましい脂環式炭化水素残基は、2〜24個、特に3〜20個のC原子を有する脂肪族炭化水素残基である。この脂肪族炭化水素残基は、場合によっては、一つまたは複数のヘテロ原子、例えば、窒素、酸素、またはイオウを含有していてもよい。特に好ましい脂環式炭化水素残基は、4個、5個、6個、7個、8個、またはそれ以上の環原子を含む少なくとも一つの環を有する。その際、カルボキシル基は環の一つに結合している。
適した脂肪族ないし脂環式カルボン酸B1)は、例えば、プロピオン酸、酪酸、iso−酪酸、ペンタン酸、iso−ペンタン酸、ピバル酸、ヘキサン酸、シクロヘキサン酸、へプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、イソノナン酸、ネオノナン酸、デカン酸、イソデカン酸、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ネオウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、12−メチルトリデカン酸、ペンタデカン酸、13−メチルテトラデカン酸、12−メチルテトラデカン酸、ヘキサデカン酸、14−メチルペンタデカン酸、へプタデカン酸、15−メチルヘキサデカン酸、14−メチルヘキサデカン酸、オクタデカン酸、イソオクタデカン酸、イコサン酸、ドコサン酸、およびテトラコサン酸、ならびにミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ヘキサデカジエン酸、デルタ−9−cis−へプタデセン酸、オレイン酸、ペトロセリン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、ガドレイン酸、ゴンド酸、イコサジエン酸、アラキドン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ドコサジエン酸、およびテトラコセン酸である。さらに適しているのは、天然脂肪および天然油、例えば綿実油、ヤシ油、落花生油、紅花油、コーン油、パーム核油、菜種油、ヒマシ油、オリーブオイル、カラシ油、ダイズ油、ヒマワリ油、ならびに獣脂油、骨油、および魚油から獲得された脂肪酸混合物である。本発明による方法用の脂肪酸ないし脂肪酸混合物として同じく適しているのは、トール油脂肪酸、ならびに、樹脂酸、ナフテン酸である。
さらなる好ましい一実施形態では、カルボン酸B1)は、芳香族炭化水素Rを担持する。芳香族カルボン酸とは、芳香族系(アリール残基)に結合した少なくとも一つのカルボキシル基を担持する化合物と理解される。芳香族系とは、(4n+2)π電子を有する環状、スルー共役系と理解され、式中nは、自然整数であって、好ましくは、1、2、3、4または5である。芳香族系は、単環式、または多環式、例えば二環式または三環式であってもよい。芳香族系は、好ましくは、炭素原子から形成されている。さらなる好ましい一実施形態では、この芳香族系は、炭素原子のほかに、一つまたは複数のヘテロ原子、例えば、窒素、酸素、および/またはイオウを含有する。そのような芳香族系の例は、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フラン、およびピリジンである。この芳香族系は、カルボキシル基のほかに、一つまたは複数の、例えば、一つ、二つ、三つ、またはそれ以上の同一または異なるさらなる置換基を担持してもよい。適したさらなる置換基は、例えば、アルキル残基、アルケニル残基、およびハロゲン化アルキル残基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、シアノ基、ニトリル基、ニトロ基、および/またはスルホン酸基である。これらの置換基は、芳香族系の任意の位置に結合していてよい。しかしながら、アリール残基は、最大限、そのアリール残基の原子価の数だけ置換基を担持する。
芳香族カルボン酸B1)の好ましい例は、例えばアルキルフェニルカルボン酸のようなアルキルアリールカルボン酸である。それは、カルボキシル基を担持するアリール残基が付加的に少なくとも一つのアルキル残基またはアルキレン残基を担持する芳香族カルボン酸である。
特に好ましいのは、1〜20個のC原子、特に1〜12個のC原子、例えば1〜4個のC原子を有する少なくとも一つのアルキル残基を担持するアルキル安息香酸である。
適した芳香族カルボン酸は、例えば、安息香酸、ナフタレンカルボン酸の様々な異性体、ピリジンカルボン酸、メトキシ安息香酸の様々な異性体、ならびにo−トリル酸、m−トリル酸、p−トリル酸、o−エチル安息香酸、m−エチル安息香酸、p−エチル安息香酸、o−プロピル安息香酸、m−プロピル安息香酸、p−プロピル安息香酸、3,4−ジメチル安息香酸、およびm−スルホ安息香酸である。
さらなる好ましい一実施形態では、カルボン酸B1)は、芳香脂肪族炭化水素残基Rを担持する。このような芳香脂肪族カルボン酸は、アルキレン残基またはアルケニレン残基を介して芳香族系に結合されている少なくとも一つのカルボキシル基を担持する。その際、アルキレン残基ないしアルケニレン残基は、好ましくは、1〜10個のC原子、特に2〜5個のC原子を有する。この残基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、好ましくは直鎖状である。好ましいアルケニレン残基は、一つまたは複数の、例えば、一つ、二つ、または三つの二重結合を有する。芳香族系とは、すでに前記で定義した芳香族系と理解され、その系に、少なくとも一つのカルボキシル基を担持するアルキル残基が結合している。芳香族系は、それはそれで置換基、例えばハロゲン原子、ハロゲン化アルキル残基、C〜C20−アルキル基、C〜C20−アルケニル基、例えばメトキシ基のようなC〜C−アルコキシ基、エステル基、アミド基、シアノ基、ニトリル基、および/またはニトロ基を担持してもよい。好ましい芳香脂肪族カルボン酸の例は、フェニル酢酸、(2−ブロモフェニル)酢酸、3−(エトキシフェニル)酢酸、4−(メトキシフェニル)酢酸、(ジメトキシフェニル)酢酸、2−フェニルプロピオン酸、3−フェニルプロピオン酸、桂皮酸、およびそれらの混合物である。
様々なカルボン酸の混合物も、本発明による方法での使用に適している。
ポリカルボン酸もまた、カルボン酸B1)として使用することができる。その際、少なくとも部分的には、様々なポリマー鎖のヒドロキシル基とのポリカルボン酸のエステル化が起こり、その結果、分子量の上昇が起こり得る。好ましくは、ポリカルボン酸が、モノカルボン酸との混合物中で使用される。その際、ポリカルボン酸の割合は、エステル化に使用されるカルボン酸の総量に対して、好ましくは0.1と70mol%との間、特に好ましくは0.5と50mol%との間、特に1と20mol%との間、例えば2と10mol%との間にある。好ましいポリカルボン酸は、二つ、三つ、四つ、または五つのカルボキシル基を有する。特に好ましいのはジカルボン酸である。適したポリカルボン酸は、脂肪族ポリカルボン酸、例えば、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ドデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸、ブタンテトラカルボン酸、ダイマー脂肪酸、およびトリマー脂肪酸、ならびに芳香族ポリカルボン酸、例えば、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、およびピロメリット酸である。
本発明によると適しているカルボン酸エステルB2)は、前記カルボン酸B1)の、一般式R−OHのアルコールとのエステルである。Rは、好ましくは、1個、2個、または3個のC原子を有するアルキル残基である。特に好ましいアルコールは、メタノールおよびエタノールである。
ヒドロキシル基担持ポリマーAおよびカルボン酸B1)ないしカルボン酸エステルB2)は、それぞれ、式(I)のヒドロキシル基担持構造および式(II)、(III)および/または(IV)のカルボキシル基のモル当量に関して、好ましくは、100:1〜1:1の比率、特に好ましくは10:1〜1.1:1の比率、特に8:1〜1.2:1の比率で使用される。カルボン酸B1)ないしカルボン酸エステルB2)の、ポリマーのヒドロキシル基に対する比率を介して、修飾度、それゆえ生成物の特性を調整することができる。カルボン酸B1)ないしカルボン酸エステルB2)が過剰に使用される、ないし完全には反応しない限り、そのうちの画分は未変換反応のままポリマー中にとどまり、この画分は、使用目的に応じて、生成物中に残ったままでもよいか、または分離することができる。それに応じて、ポリマーAの遊離ヒドロキシル基のエステル化は、完全に起こることも、さらには部分的にしか起こらないこともある。部分エステル化の場合、好ましくは1〜99%、特に好ましくは2〜90%、特に5〜70%、特に10〜50%、例えば20〜40%のヒドロキシル基がエステル化される。
特に好ましくは、本発明による方法は、ヒドロキシル基担持ポリマー(A)の部分エステル化に適している。その際、カルボン酸B1)ないしカルボン酸エステルB2)は、ヒドロキシル基の総数に対して、好ましくは準化学量論的に使用され、特に1:100〜1:2の比率、特に1:50〜1:5の比率、例えば1:20〜1:8の比率で使用される。好ましくは、その際、使用されたカルボン酸ないし使用された脂肪酸エステルの、少なくとも10mol%、特に20〜100mol%、特に25〜80mol%、例えば30〜70mol%が反応されるように、反応条件が調整される。この部分エステル化においては、非常に均質な生成物が形成され、それは、良好な溶解度および水性溶液の鋭い曇り点において明らかになる。
好ましくは、反応混合物は、5〜98重量%、特に好ましくは10〜95重量%、特に20〜90重量%、例えば50〜80重量%の水、または5〜98重量%、特に好ましくは10〜95重量%、特に20〜90重量%、例えば50〜80重量%の、水および水と混合可能な1種または複数の有機溶媒からなる混合物を含有する。いずれにせよ、反応体Aおよび/またはBには、マイクロ波を照射する前に水を添加するため、反応生成物は、エステル化の際に遊離する反応水の量を超える量の水を含有する。
様々なカルボン酸B1)およびカルボン酸エステルB2)の限られた水溶性は、しばしば、1種または複数の、水と混合可能な有機溶媒の、反応混合物への添加を必要とする。好ましい、水と混合可能な有機溶媒は、プロトン性極性液と同様に非プロトン性極性液である。好ましくはこれらの有機溶媒は、25℃において測定された、少なくとも10、特に少なくとも12、例えば少なくとも15という誘電率を有する。好ましい有機溶媒は、水に、少なくとも100g/lだけ、特に好ましくは少なくとも200g/lだけ、特に少なくとも500g/lだけ可溶性であって、特にそれらの有機溶媒は水と完全に混合可能である。溶媒として特に好ましいのは、ヘテロ脂肪族化合物であって、特にアルコール、ケトン、末端封鎖型ポリエーテル、例えば三級カルボン酸アミドのようなカルボン酸アミド、ニトリル、スルホキシド、ならびにスルホンである。好ましい非プロトン性溶媒は、例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトン、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、スルホラン、およびジメチルスルホキシド(DMSO)である。好ましいプロトン性有機溶媒は、1〜10個のC原子、特に2〜5個のC原子を有する低級アルコールである。適したアルコールの例は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、tert.−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソアミルアルコール、2−メチル−2−ブタノール、エチレングリコール、およびグリセロールである。特に好ましくは、低級アルコールとして、選択された反応条件下では不活性であって競合するエステル化の傾向も脱水のような副反応の傾向もない、二級アルコールおよび三級アルコールが使用される。特に好ましいのは、3〜5個のC原子を有する二級アルコールおよび三級アルコール、例えばイソプロパノール、sec−ブタノール、2−ペンタノール、および2−メチル−2−ブタノール、ならびにネオペンチルアルコールである。前記溶媒の混合物も、本発明によると適している。
一般的には、水と混合可能な有機溶媒としては、沸点の低い液体が好ましく、特に、常圧で150℃未満、特に120℃未満、例えば100℃未満の沸点を有するゆえ、わずかな労力で反応生成物から再び除去することができるような溶媒が好ましい。沸点の高い溶媒は、特に、その溶媒が、修飾ポリマーのさらなる使用に関して生成物中に残っていてもよい場合に有効であると実証された。水と混合可能な有機溶媒が使用される限り、溶媒混合物におけるその割合は、好ましくは1〜75重量%、特に好ましくは2〜60重量%、特に5〜50重量%、例えば10〜30重量%である。水は、溶媒混合物中で100重量%まで含有されている。
水溶性が限られたカルボン酸B1)ないしカルボン酸エステルB2)を使用する場合には、好ましい一実施形態において、反応混合物に1種または複数の乳化剤を添加することができる。その際、好ましくは、原料ならびに生成物に対して化学的に不活性である乳化剤を使用する。特に好ましい一実施形態では、この乳化剤は、別個の製造に由来する反応生成物である。
本発明による方法のために使用される、ヒドロキシル基担持ポリマー(A)、カルボン酸B1)またはカルボン酸エステルB2)、水、ならびに場合によっては水と混合可能な溶媒、および/またはさらなる助剤、例えば乳化剤および/または触媒を含有する反応混合物の製造は、様々なやり方で行われ得る。ポリマーA)、およびカルボン酸B1)ないしカルボン酸エステルB2)、および場合によってはさらなる助剤の混合は、連続的、非連続的、さらにはセミバッチプロセスにおいても実施することができる。特に、工業的規模でのプロセスに関しては、本発明による方法に、原料を液状で供給することが有効であると実証された。好ましくは、そのために、ヒドロキシル基担持ポリマーA)が、水溶液として、または水および水と混合可能な溶媒中の溶液として、本発明による方法に供給される。しかしながら、圧送可能である限り、膨潤形状で使用することも可能である。
カルボン酸B1)またはカルボン酸エステルB2)は、液状、または好ましくは150℃未満、特に100℃未満という低温において溶融可能である限り、そのようなものとして使用することができる。多くの場合には、場合によっては溶融状態のB1)ないしB2)に、水および/または水と混合可能な溶媒を混合し、例えば溶液、分散体、またはエマルジョンとして使用することが有効であると実証された。
ヒドロキシル基担持ポリマーA)の、カルボン酸B1)またはカルボン酸エステルB2)、場合によってはさらなる助剤との混合は、(セミ)バッチプロセスにおいて、成分を、例えば別個の撹拌容器中で順次投入することによって実施することができる。好ましい一実施形態では、カルボン酸ないしカルボン酸エステルを、水と混合可能な有機溶媒中に溶解してから、すでに溶解または膨潤させたポリマーに添加する。一方ではカルボン酸ないしカルボン酸エステルの均質な分配を確保し、他方では注入箇所での、ポリマーの局所的な沈殿を回避するために、好ましくは、かなり長い時間をかけて撹拌しながら少量ずつ添加を行う。
特に、連続的に実施される反応に関しては、原料は、好ましい一実施形態においては、所望の量比で、別個の受け器から、マイクロ波による照射が行われる容器(以下では反応容器とも呼ばれる)へと供給される。さらなる好ましい一実施形態では、原料は、反応容器への流入前に、および/または反応容器それ自身の中で、例えば静的ミキサ、および/またはアルキメディアン・スクリューのような適した混合要素を利用して、および/または多孔性発泡体を貫流させることによってさらに均質化される。
触媒ならびにさらなる助剤は、使用される限り、原料の一つに、または原料混合物にも、反応容器に入れる前に添加することができる。固体系、粉末系、および不均一系も、本発明による方法において反応可能であって、単に、反応物(Reaktionsgut)を運搬するための適した技術的装置が必要であるだけである。
反応は、本発明によると、マイクロ波放射の影響下に行われ、ただし、反応混合物は、マイクロ波放射によって、好ましくは110℃超の温度、特に好ましくは120〜230℃、特に130〜210℃、特に140〜200℃、例えば150〜195℃の温度に加熱される。これらの温度は、マイクロ波照射中に最大限達成される温度に関する。温度は、例えば、照射容器の表面で測定することが可能である。連続的に実施される反応では、温度は、好ましくは反応物において、照射区域を離れた後すぐに決定される。圧力は、反応容器中で、好ましくは、反応混合物が液状のままであって沸騰しないように高く調整される。好ましくは、1barを超える圧力で、好ましくは3〜300bar、特に好ましくは5〜200bar、特に10〜100bar、例えば15〜50barの圧力で作業する。
ポリマー(A)とカルボン酸B1)ないしカルボン酸エステルB2)との間の反応を促進するため、ないしより完全にするためには、多くの場合に、酸触媒の存在下に作業することが有効であると実証された。本発明により好ましい触媒は、酸性の、無機触媒、有機金属触媒、または有機触媒、およびこれらの触媒の複数からなる混合物である。好ましい触媒は、液状、および/または反応媒体中で可溶性である。
本発明の趣旨での酸性無機触媒としては、例えば、硫酸、リン酸、ホスホン酸、次亜リン酸、硫酸アルミニウム水和物、ミョウバン、酸性シリカゲル、および酸性水酸化アルミニウムを挙げる。さらに、例えば、一般式Al(OR15のアルミニウム化合物、および一般式Ti(OR15のチタン酸塩が、酸性無機触媒として使用可能であって、ただし、残基R15は、それぞれ同一または異なっていてもよく、互いに独立に、C〜C10−アルキル残基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec.−ブチル、tert.−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、sec.−ペンチル、neo−ペンチル、1,2−ジメチルプロピル、iso−アミル、n−ヘキシル、sec.−ヘキシル、n−へプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、またはn−デシル、C〜C12−シクロアルキル残基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロへプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、およびシクロドデシルから選択されており、好ましくはシクロペンチル、シクロへキシル、およびシクロへプチルである。好ましくは、Al(OR15ないしTi(OR15の残基R15は、それぞれ同一であって、イソプロピル、ブチル、および2−エチルヘキシルから選択されている。
好ましい酸性有機金属触媒は、例えば、ジアルキル酸化スズ(R15SnOから選択され、ただし、R15は、上記のように定義されている。酸性有機金属触媒の特に好ましい代表物質は、ジ−n−ブチル酸化スズであって、いわゆるオキソスズとして、またはFascat(登録商標)商標として市販で入手可能である。
好ましい酸性有機触媒は、例えばスルホン酸基またはホスホン酸基を有する酸性有機化合物である。特に好ましいスルホン酸は、少なくとも一つのスルホン酸基、および少なくとも一つの飽和、または不飽和、直鎖状、分岐状、および/または環状の、1〜40個のC原子、好ましくは3〜24個のC原子を含む炭化水素残基を含有する。特に好ましいのは、芳香族スルホン酸、特に、一つまたは複数のC〜C28−アルキル残基を有するアルキル芳香族モノスルホン酸、特にC〜C22−アルキル残基を含むようなものである。適した例は、メタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、2−メシチレンスルホン酸、4−エチルベンゼンスルホン酸、イソプロピルベンゼンスルホン酸、4−ブチルベンゼンスルホン酸、4−オクチルベンゼンスルホン酸;ドデシルベンゼンスルホン酸、ジドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸である。酸性イオン交換体も、酸性有機触媒として使用可能であって、例えば、スルホン酸基を担持する架橋ポリ(スチレン)樹脂である。
本発明による方法を実施するために特に好ましいのは、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、リン酸、ポリリン酸、およびポリスチレンスルホン酸である。特に好ましいのは、一般式Ti(OR15のチタン酸塩であって、特にチタンテトラブチレートおよびチタンテトライソプロピレートである。
酸性の無機、有機金属、または有機の触媒を使用したい場合には、本発明によると、0.01〜10重量%、好ましくは0.02〜2重量%の触媒を使用する。
さらなる好ましい一実施形態では、反応媒体中におき不溶性であるか完全には溶解しない固体酸触媒の存在下にマイクロ波照射が実施される。このような不均一系触媒は、反応混合物中に懸濁して、反応混合物と一緒にマイクロ波照射にさらすことができる。特に好ましい連続的な一実施形態では、場合によっては溶媒と混合した反応混合物を、反応容器中、特に照射区域中に固定された固定床触媒の上を通して導き、その際、マイクロ波照射にさらす。適した固体触媒は、例えば、ゼオライト、シリカゲル、モンモリロナイト、および(部分)架橋されたポリスチレンスルホン酸であって、場合によっては触媒活性のある金属塩で含浸されていてもよい。固相触媒として使用可能な、ポリスチレンスルホン酸ベースの適した酸性イオン交換体は、例えば、Rohm&Haas社から商標名Amberlyst(登録商標)で入手可能である。
ポリマーA)とカルボン酸エステルB2)との間の反応を促進するため、ないしより完全にするためには、多くの場合に、塩基性触媒、またはそれらの触媒の複数からなる混合物の存在下に作業することが有効であると実証された。塩基性触媒としては、本発明の枠内では、一般的に、アルコールとのカルボン酸エステルの、カルボン酸エステルへのエステル交換反応を促進するために適しているような塩基性化合物が使用される。適した触媒の例は、例えば、金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩、または金属アルコキシドのような、無機塩基および有機塩基である。好ましい一実施形態では、塩基性触媒は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩、またはアルコキシドの群から選択される。その際、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウムが特に好ましい。シアン化物イオンも触媒として適している。これらの物質は、固体状で、または例えば水性溶液もしくはアルコール性溶液のような溶液として、使用することができる。その際、使用される触媒の量は、選択された反応条件下での、触媒の活性および安定性に依存し、それぞれの反応に適合させる必要がある。使用されるべき触媒の量は、その際、広い範囲で変化し得る。特に好ましくは、反応促進性に作用する前記化合物の触媒量を使用し、好ましくは、使用されるカルボン酸エステルB2)の量に対して0.001〜10重量%の範囲、特に好ましくは0.01〜5重量%、例えば0.02〜2重量%の範囲で使用する。
マイクロ波照射後には、多くの場合において、反応混合物を直接さらなる使用に供給することができる。溶媒フリーの生成物を得るためには、水、場合によっては存在する有機溶媒を、通例の分離法、例えば相分離、蒸留、凍結乾燥、または吸収によって粗生成物から分離することができる。その際、過剰に使用された原料、ならびに場合によっては反応されなかった原料の残量も分離することができる。特別な要求に関しては、粗生成物を、通例の浄化法、例えば、洗浄、再沈殿(Umfaellung)、ろ過ないしクロマトグラフィー法に基づいてさらに精製することができる。その際、過剰の、ないし反応されなかったカルボン酸を中和し、洗浄によって除去することもしばしば効果的であると判明した。
マイクロ波照射は、通例は、マイクロ波に関しておおむね透過性の材料からなる反応容器(以下では照射容器とも呼ぶ)を有する装置内で実施され、その反応容器内へと、マイクロ波発生器内で生成したマイクロ波放射を入射させる。例えば、マグネトロン、クライストロン、およびジャイロトロンのようなマイクロ波発生器は、当業者には公知である。
本発明による方法を実施するために使用される反応容器は、好ましくはおおむねマイクロ波透過性の高融点材料から製作されているか、または少なくとも、例えば、それらの材料からなる窓のような部品を含有する。特に好ましくは、非金属性反応容器が使用される。おおむねマイクロ波透過性とは、この場合、できるだけ少量のマイクロ波エネルギーを吸収して熱に変換する材料と理解される。ある物質がマイクロ波エネルギーを吸収し熱に変換する能力の尺度としては、しばしば誘電損失係数tanδ=ε’’/ε’が考慮に入れられる。誘電損失係数tanδは、誘電損失ε’’と誘電率ε’の比率として定義される。様々な材料のtanδ値の例は、例えばD. Bogdal, Microwave−assisted Organic Synthesis, Elsevier 2005に記載されている。本発明によると適した反応容器に関しては、2.45GHzおよび25℃で測定してtanδ値が0.01未満、特に0.005未満、特に0.001未満の材料が好ましい。好ましい、マイクロ波透過性かつ温度安定性の材料としては、第一に、例えば、水晶、酸化アルミニウム、ジルコニア、窒化ケイ素などのような無機ベース材料が考慮に値する。特に、例えばテフロンのようなフッ素ポリマーといった温度安定性プラスチック、ポリプロピレン、または例えばガラス繊維強化ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のようなポリアリールエーテルケトンといった工業用プラスチックも、容器材として適している。反応最中の温度条件に耐えるためには、特に、これらのプラスチックでコーティングされた、水晶または酸化アルミニウムのような無機物が容器材として有効であると実証された。
マイクロ波と呼ばれるのは、波長がおよそ1cm〜1mで周波数がおよそ300MHz〜30GHzの電磁放射線である。この周波数範囲は、原則的に、本発明による方法に適している。好ましくは、本発明による方法のために、工業用途、科学用途、および医学用途に許可されている周波数、例えば、915MHz、2.45GHz、5.8GHz、または24.12GHzの周波数のマイクロ波放射を使用する。反応混合物のマイクロ波照射は、モノモードないし準モノモードで作用するマイクロ波アプリケータ中でも、マルチモードで作用するようなマイクロ波アプリケータ中でも行われ得る。適した装置は、当業者に公知である。
本発明による方法を実施するために反応容器に入射させるべきマイクロ波電力は、特に、目標反応温度、反応容器の形状およびそれに伴う反応体積に、ならびに連続的に実施される反応においては、反応容器を通る反応物の貫流速度に依存する。このマイクロ波電力は、通例は、100W〜数100kW、特に200W〜100kW、例えば500W〜70kWである。マイクロ波電力は、反応容器の一か所または複数箇所で印加されてもよい。マイクロ波電力は、一つまたは複数のマイクロ波発生器により生み出すことができる。
マイクロ波照射の時間は、反応体積、反応容器の形状、反応温度における反応混合物の所望の滞留時間、ならびに所望の反応率のような、様々な要因に依存する。通例は、マイクロ波照射は、30分未満、好ましくは0.01秒〜15分、特に好ましくは0.1秒〜10分、特に一秒〜5分、例えば5秒〜2分の時間にわたって行われる。その際、マイクロ波放射の強度(出力)は、反応物ができるだけ短時間で目標反応温度に達するように調整される。本発明による方法の、さらなる好ましい一実施形態では、反応混合物を、温めた形状で反応容器に供給することが有効であると実証された。その結果、反応混合物の粘度が低下し、その均質性が改善する。反応温度を維持するためには、反応物を、低下させた出力および/またはパルス出力でさらに照射するか、または別の方法で温度を維持してもよい。好ましい一実施形態では、反応生成物を、マイクロ波照射終了後すぐに、できるだけ迅速に100℃未満、好ましくは80℃未満、特に50℃未満の温度に冷却する。
マイクロ波照射は、非連続的にバッチ法において、または、好ましくは連続的に、例えば反応容器として利用される、以下では反応管とも呼ばれる栓流反応器において実施されてもよい。マイクロ波照射は、さらに、例えば、連続的に運転されるスターラーリアクターまたはカスケードリアクターのような、セミバッチプロセスで実施されてもよい。好ましい一実施形態では、反応は、化学的に不活性の閉鎖型耐圧容器内で実施され、ただし、水、ならびに場合によっては原料が圧力上昇をもたらす。反応終了後には、この超過圧を、緩和を介して、水、ならびに場合によっては過剰な酸の揮発および分離に、および/または反応生成物の冷却に使用することができる。特に好ましい一実施形態では、形成されたエステルの加水分解を回避するために、マイクロ波照射終了後、ないし反応容器を離れた後、反応混合物からできるだけ迅速に、水および場合によっては存在する触媒活性種を取り除く。
好ましい一実施形態では、本発明による方法は、非連続式マイクロ波反応装置内において実施され、そのマイクロ波反応装置内では、一定量の反応混合物が、照射容器内に充填され、マイクロ波を照射され、続いて処理される。その際、マイクロ波照射は、好ましくは、耐圧撹拌容器内で行われる。反応容器内へのマイクロ波の入射は、この反応容器が、マイクロ波透過性材料から製作されているか、またはマイクロ波透過性窓を有する限り、容器壁を通して行われ得る。しかしながら、マイクロ波は、アンテナ、プローブ、ないし中空導波管系を介しても、反応容器内に入射することができる。より大きな反応体積を照射するためには、この場合好ましくは、マルチモードで運転されるマイクロ波アプリケータを使用する。本発明による方法の、非連続的な実施形態は、マイクロ波電力を変化させることによって、迅速な加熱速度同様にゆっくりとした加熱速度も、特に長時間、例えば数時間にわたる温度の維持も可能にする。好ましい一実施形態では、マイクロ波照射開始前に、水性反応混合物を、照射容器内に入れる。その際、好ましくは、反応混合物は、100℃未満、例えば10〜50℃の温度を有する。さらなる好ましい一実施形態では、反応体および水、またはその一部が、マイクロ波照射の最中にはじめて照射容器に供給される。さらなる好ましい一実施形態では、非連続式マイクロ波反応装置が、連続的に原料を供給すると同時に反応物を導き出しながら、セミバッチリアクターないしカスケードリアクターの形状で運転される。
特に好ましい一実施形態では、本発明による方法を、連続式マイクロ波反応装置において実施する。そのためには、反応混合物を、耐圧性の、反応体に対して不活性の、マイクロ波に対しておおむね透過性であって、マイクロ波アプリケータ内に挿入された、照射容器として利用される反応管を通して連続的に導く。この反応管は、好ましくは、一ミリメートル〜およそ50cm、特に2mm〜35mm、例えば5mm〜15cmの直径を有する。特に好ましくは、反応管の直径は、照射されるべき反応物へのマイクロ波の侵入深度よりも小さい。特に直径は、侵入深度の1〜70%、特に5〜60%、例えば10〜50%である。その際、侵入深度とは、入射されたマイクロ波エネルギーが1/eに減衰する区間と理解される。
反応管ないし栓流反応器とは、ここでは、照射区域(照射区域とは、反応物がマイクロ波放射にさらされている、栓流反応器の部分と理解される)の長さの、直径に対する比率が5超、好ましくは10〜100000、特に好ましくは20〜10000、例えば30〜1000である照射容器と理解される。反応管ないし栓流反応器は、例えば、まっすぐに、または曲がって、さらには管コイルとして形成されていてもよい。特定の一実施形態では、例えば、本方法の温度調節およびエネルギー効率を高めるために、反応管は、二重管の形状で形成されており、その内部空間および外部空間を通して、反応混合物を順々に向流で導くことができる。その際、反応管の長さとは、反応混合物がマイクロ波場中で全体として貫流する区間と理解することができる。反応管は、その長さにわたり、少なくとも一つ、しかしながら、好ましくは複数の、例えば二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、またはそれ以上のマイクロ波放射器によって囲まれている。マイクロ波入射は、好ましくは、管ジャケットを介して行われる。さらなる好ましい一実施形態では、マイクロ波入射は、少なくとも一つのアンテナを利用して管末端を通して行われる。
反応管は、通例は、入口において、供給ポンプならびに圧力計を備えており、出口には圧力保持弁および熱交換器を備えている。好ましくは、反応混合物を、100℃未満、例えば、10〜90℃の温度の液状で、反応管に供給する。さらなる好ましい一実施形態では、ポリマー溶液およびカルボン酸ないしカルボン酸エステルを、反応管に流入させる直前にはじめて、場合によっては、例えば静的ミキサ、および/またはアルキメディアン・スクリューのような適した混合要素を利用して、および/または多孔性発泡体を貫流させることによって混合する。さらなる好ましい一実施形態では、ポリマー溶液およびカルボン酸ないしカルボン酸エステルを、反応管内において、例えば静的ミキサ、および/またはアルキメディアン・スクリューのような適した混合要素を利用して、および/または多孔性発泡体を貫流させることによってさらに均質化する。
管横断面、照射区域の長さ、流速、マイクロ波放射器の形状、入射されるマイクロ波電力、ならびにその際に達成される温度を変化させることにより、最高反応温度ができるだけ迅速に達成されるように反応条件を調整する。好ましい一実施形態では、副反応または連続反応ができるだけ起こらないように、最高温度での滞留時間を短く選択する。
好ましくは、連続式マイクロ波反応装置は、モノモードまたは準モノモードで運転される。その際、反応物の、照射区域内での滞留時間は、一般的には、20分未満、好ましくは0.01秒〜10分、好ましくは0.1秒〜5分、例えば一秒〜3分である。反応をより完全にするためには、反応物が、場合によっては中間冷却後に、照射区域を数回にわたって貫流してもよい。
特に好ましい一実施形態では、反応物のマイクロ波照射は、その長軸がモノモードマイクロ波アプリケータ中のマイクロ波伝播方向にある反応管内で行われる。その際、照射区域の長さは、好ましくは少なくとも半波長、特に好ましくは、使用されるマイクロ波放射の波長の少なくとも一倍、および最高20倍、特に2〜15倍、例えば3〜10倍である。この形状により、管の長軸に平行して伝播するマイクロ波の、複数の、例えば二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、またはそれ以上の連続する極大からなるエネルギーが、反応物に伝送され、それにより、本方法のエネルギー効率が、明らかに改善される。
反応物のマイクロ波照射は、好ましくは、マイクロ波発生器と連結された、マイクロ波アプリケータとして機能する中空導波管内に存在する、おおむねマイクロ波透過性のまっすぐな反応管の中で行われる。好ましくは、反応管は、この中空導波管の中央対称軸と軸方向に一直線に並ぶ。この中空導波管は、好ましくは、空洞共振器として形成されている。好ましくは、空洞共振器の長さは、その中に定在波が形成されるような寸法である。さらに好ましくは、中空導波管内で吸収されなかったマイクロ波は、その末端部で反射される。マイクロ波アプリケータを反射型の共振器として形成することによって、発生器から供給される出力が同じ場合の電場強度の局所的な上昇、およびエネルギー利用の上昇が達成される。
空洞共振器は、好ましくは、E01nモードで運転され、ただし、nは、整数を意味し、共振器の中央対称軸に沿ったマイクロ波場の極大の数を示す。この運転では、電場は、空洞共振器の中央対称軸の方向に合っている。電場は、中央対称軸の領域で最大値を有し、ジャケット表面へ向かって値0へと低下する。この場配位は、中央対称軸の周りに回転対称に存在する。nが整数である長さの空洞共振器を使用することによって、定在波の形成が可能になる。反応管を通る反応物の所望の流動速度、共振器内で必要とされる温度および滞留時間に応じて、共振器の長さは、使用されるマイクロ波照射の波長に相関的に選択される。好ましくは、nは、1〜200の、特に好ましくは2〜100の、特に3〜50の、特に4〜20の整数、例えば、三、四、五、六、七、八、九、または十である。
空洞共振器のE01nモードは、英語ではTM01nモード(横方向磁気)とも呼ばれ、例えば、K. Lange, K.H. Loecherer、Taschenbuch der Hochfrequenztechnik”、第2巻、K21ページ以降を参照されたい。
マイクロ波アプリケータとして機能する中空導波管へのマイクロ波エネルギーの入射は、適した寸法の孔またはスリットを介して行うことができる。本発明の方法の特定の一実施形態では、反応物のマイクロ波照射は、マイクロ波の同軸遷移を伴う中空導波管内に存在する反応管内で行われる。この方法のために特に好ましいマイクロ波装置は、空洞共振器、空洞共振器へマイクロ波場を入射するための結合装置から、および共振器を通して反応管を貫通案内するための、向かい合う二つの端壁にあるそれぞれ一つの開口部とで構成されている。空洞共振器へのマイクロ波の入射は、好ましくは、空洞共振器へと突出する結合ピンを介して行われる。好ましくは、結合ピンは、結合アンテナとして機能する、好ましくは金属製の内部導体管として形成されている。特に好ましい一実施形態では、この結合ピンが、端壁の開口部の一つを通って空洞共振器へと突出する。特に好ましくは、反応管は、同軸遷移の内部導体管に接続し、特に、その空洞を通って、空洞共振器へと導かれる。好ましくは、反応管は、空洞共振器の中央対称軸と軸方向に一直線に並び、そのためには、空洞共振器が、好ましくは、向かい合う二つの端壁において、反応管を貫通案内するための、それぞれ一つの中央開口部を有する。
結合ピン、ないし結合アンテナとして機能する内部導体管への、マイクロ波の供給は、例えば、同軸結合ケーブルを利用して行うことができる。好ましい一実施形態では、マイクロ波場は、中空導波管を介して共振器へと供給され、ただし、空洞共振器から突き出る、結合ピンの末端部は、中空導波管の壁に存在する開口部を通り中空導波管へ導入されており、中空導波管からマイクロ波エネルギーを取り出し、共振器へと結合する。
特定の一実施形態では、反応物のマイクロ波照射は、マイクロ波の同軸遷移を伴うE01n円形中空導波管内に軸対称に存在する、マイクロ波透過性反応管内で行われる。その際、反応管は、結合アンテナとして機能する内部導体管の空洞を通して空洞共振器へと導かれる。さらなる好ましい一実施形態では、塩のマイクロ波照射は、マイクロ波の軸供給を伴うE01n空洞共振器を通って導かれるマイクロ波透過性反応管内で行われ、ただし、空洞共振器の長さは、n=2またはそれ以上のマイクロ波場極大が形成されるような寸法である。さらなる好ましい一実施形態では、反応混合物のマイクロ波照射は、マイクロ波の軸供給を伴うE01n空洞共振器を通って導かれるマイクロ波透過性反応管内で行われ、ただし、空洞共振器の長さは、n=2またはそれ以上のマイクロ波場極大を有する定在波が形成されるような寸法である。さらなる好ましい一実施形態では、反応物のマイクロ波照射は、マイクロ波の同軸遷移を伴う円形シリンダ形状E01n空洞共振器内に軸対称に存在するマイクロ波透過性反応管内で行われ、ただし、空洞共振器の長さは、n=2またはそれ以上のマイクロ波場極大が形成されるような寸法である。さらなる好ましい一実施形態では、反応混合物のマイクロ波照射は、マイクロ波の同軸遷移を伴う円形シリンダ形状E01n空洞共振器内に軸対称に存在するマイクロ波透過性反応管内で行われ、ただし、空洞共振器の長さは、n=2またはそれ以上のマイクロ波場極大を有する定在波が形成されるような寸法である。
本発明による方法に特に適したE01空洞共振器は、好ましくは、使用されるマイクロ波放射の少なくとも半波長に対応する直径を有する。好ましくは、空洞共振器の直径は、使用されるマイクロ波放射の半波長の1.0〜10倍、特に好ましくは1.1〜5倍、特に2.1〜2.6倍である。好ましくは、E01空洞共振器は、円形の横断面を有し、E01円形中空導波管とも呼ばれる。特に好ましくは、空洞共振器は、シリンダ形状、特に円形シリンダ形状を有する。
本発明による方法を連続的に実施する場合、反応混合物は、照射区域を離れる際に、まだ化学平衡状態にないことがよくある。それゆえ、好ましい一実施形態では、照射区域を通過後に、反応混合物を、直接に、つまり中間冷却せずに、等温反応区間へと移行させ、その中で反応混合物を一定時間さらに反応温度に保つ。等温反応区間を離れてからはじめて、反応混合物を、場合によっては緩和して冷却する。照射区域から等温反応区間への直接移行とは、照射区域と等温反応区間との間に、熱を供給、特に搬出するための能動的措置がとられないことと理解される。好ましくは、照射区域を離れてから等温反応区間へ流入するまでの温度差は、±30℃未満、好ましくは±20℃未満、特に好ましくは±10℃未満、特に±5℃未満である。特定の一実施形態では、等温反応区間へと流入する際の反応物の温度は、照射区域を離れる際の温度に対応する。この変形実施形態は、部分的な過熱なしに、所望の反応温度へと反応物が迅速かつ適切に加熱されること、次いでこの反応温度で一定時間滞留することを可能にする。この実施形態では、反応物を、好ましくは、等温反応区間を離れた後すぐにできるだけ迅速に、120℃未満、好ましくは100℃未満、特に60℃未満の温度に冷却する。
等温反応区間としては、照射区域内で調整された温度での反応混合物の滞留を可能にする、化学的に不活性なすべての容器が考慮の対象になる。等温反応区間とは、等温反応区間内での反応混合物の温度が、入口温度に対して、±30℃、好ましくは±20℃、特に好ましくは±10℃、特に±5℃で一定に維持されると理解される。したがって、反応混合物は、等温反応区間を離れる際には、等温反応区間に流入する際の温度から、最大限±30℃、好ましくは±20℃、特に好ましくは±10℃、特に±5℃異なる温度を有する。
連続的に運転される撹拌容器および容器カスケードのほかに、特に、管が、等温反応区間として適している。この反応区間は、それらの材料が選択された温度条件および圧力条件下では機械的に安定かつ化学的に不活性であるという条件付きで、例えば金属、セラミックス、ガラス、水晶、またはプラスチックのような様々な材料からなってもよい。その際、特に実証されたのは、断熱容器であった。等温反応区間内での反応物の滞留時間は、例えば、等温反応区間の体積によって調整することができる。撹拌容器および容器カスケードを使用する場合は、容器の充填率を介して滞留時間を調整することが、同様に有効であると実証された。好ましい一実施形態では、等温反応区間は、能動的または受動的な混合要素を備える。
好ましい一実施形態では、等温反応区間として管が使用される。それは、マイクロ波透過性反応管の、照射区域に接続する延長部であっても、さらには、反応管と結合している、同一または異なる材料からなる別個の管であってもよい。管の長さ、および/またはその横断面を介して、所与の流速において、反応物の滞留時間を決定することができる。等温反応区間として機能する管は、もっとも単純な場合には断熱されているため、反応物が等温反応区間に流入する際に優勢な温度が、上記の範囲内で維持される。しかしながら例えば熱担持体ないし冷却媒体を利用して、等温反応区間内で、適切に反応物にエネルギーを供給すること、または反応物からエネルギーを搬出することもできる。この実施形態は、特に、装置ないし方法をスタートするために有効であると実証された。つまり、この等温反応区間は、例えば、管コイルとして、または管束として形成されていてもよく、それらは加熱浴または冷却浴中に存在するか、または二重管の形状で加熱媒体もしくは冷却媒体の作用を受ける。等温反応区間は、反応物がもう一度マイクロ波で処理されるさらなるマイクロ波アプリケータ内に存在することも可能である。その際、モノモード同様にマルチモードで作用するアプリケータも、使用可能である。
等温反応区間内での反応物の滞留時間は、好ましくは、優勢な条件によって定められる熱平衡状態が達成されるように査定されている。通例は、滞留時間は、1秒〜10時間、好ましくは10秒〜2時間、特に好ましくは20秒〜60分、例えば30秒〜30分である。さらに好ましくは、反応物の、等温反応区間内での滞留時間の、照射区域内での滞留時間に対する比率は、1:2〜100:1、特に好ましくは1:1〜50:1、特に1:1.5〜10:1である。
特に高い反応率を達成するためには、多くの場合に、得られた反応生成物を改めてマイクロ波照射にさらすことが有効であると実証され、ただし、場合によっては、使用される反応体の割合が、消費された、または不足の原料だけ補足されてもよい。
本発明による方法は、ヒドロキシル基担持ポリマー、特に、ポリビニルアルコールの、カルボン酸ないしカルボン酸エステルによるポリマーアナログ修飾を、連続的な方法同様に非連続的な方法でも、それゆえ工業的に興味をひく量で可能にする。その際、水ないし低級アルコールのほかには、処分されるべき、環境に負担をかける副産物は生成しない。本発明による方法のもう一つの利点は、ポリマーアナログ縮合反応を水性溶液中で行うことが可能であるという意外な観察にあるが、それというのも、水はヒドロキシル基担持ポリマーにとって最も適した溶媒である上に生態学的知見からも有利であるからである。ある種の極性有機溶媒の添加により、場合によっては本方法の経過中に起こる粘性上昇に対抗することが可能であって、あまり水溶性でないカルボン酸ないしそれらのエステルとの反応が容易になる。ヒドロキシル基担持ポリマーA)とカルボン酸B1)ないしカルボン酸エステルB2)との間の粘度差および溶解度差にもかかわらず、反応混合物は、ポリマーの全鎖長にわたって、カルボン酸残基の均質な分布をもたらすことから、本発明による方法は、特に、ヒドロキシル基担持ポリマーの部分エステル化に適している。その際、本発明による方法は、その鎖長に沿って統計的に修飾された生成物の、再現性のある製造を可能にする。本発明による方法のために工業的な量で提供される、多数のカルボン酸およびカルボン酸エステルは、幅広い修飾可能性を開く。本発明の方法によると、カルボン酸の適した選択により、例えば、ポリマーの膨潤挙動、水溶性、ないし有機溶媒への溶解度、異なる極性基材への粘着、機械強度、および熱安定性を意図的に修飾することができる。つまり、例えば、炭化水素残基担持脂肪族カルボン酸B1)ないしカルボン酸エステルB2)との反応によって、ポリマーの水溶性および吸湿性が低下すると同時に、特に内部可塑化のような機械特性が改善される。本発明の方法によって修飾されたポリマーは、多面的に使用可能であって、例えば、繊維用糊、接着材料、乳化剤、安全ガラスおよびプラスチック用のラミネート加工、紙コーティング、ラテックス用の増粘剤、肥料の結合剤として、例えば自己溶解性の包装用フィルムとしてのような水溶性フィルム同様に非水溶性フィルムとして、インクおよびコンクリートへの添加剤として、ならびに一時的な、水により除去可能な表面保護として適している。
非連続式マイクロ波照射は、Biotage社の「Initiator(登録商標)」型のシングルモードマイクロ波反応装置において、2.45GHzの周波数で行われた。温度測定は、IRセンサにより行った。反応容器としては、容積が20mlの、閉鎖型耐圧ガラスキュベット(Druckviole)を利用し、その中では磁気撹拌を用いて均質化した。
マイクロ波電力は、実験時間にわたって、それぞれ、反応物の所望の温度ができるだけ迅速に達成され、続いて実験内容に記載される時間にわたって一定に保たれるというように調整された。マイクロ波照射終了後には、ガラスキュベットを圧縮空気で冷却した。
反応混合物のマイクロ波連続照射は、シリンダ状空洞共振器(60x10cm)内に軸対称に存在した、酸化アルミニウム製の反応管(60x1cm)内で行われた。空洞共振器の前面のうちの一つにおいて、反応管は、結合アンテナとして機能する内部導体管の空洞を通って延在した。マグネトロンによって生み出された、周波数が2.45GHzのマイクロ波場は、結合アンテナを利用して、空洞共振器内に入射され(E01空洞アプリケータ;モノモード)、その中では定在波が形成された。等温反応区間を使用する場合には、加熱された反応混合物は、反応管を離れた直後に、断熱特殊鋼管(3.0mx1cm、別の記載がない限り)を通して運搬された。反応管を離れた後、ないし等温反応区間が使用される場合にはそれを離れた後、反応混合物は大気圧に緩和され、直ちに強力熱交換器を利用して記載の温度に冷却された。
マイクロ波電力は、実験時間にわたって、それぞれ、反応物の所望の温度が照射区域の末端で一定に保たれるというように調整された。したがって、実験内容で挙げるマイクロ波電力は、入射されるマイクロ波電力の時間的平均値を表す。反応混合物の温度測定は、照射区域を離れた後すぐに、Pt100温度センサを利用して行った。反応混合物によって直接吸収されなかったマイクロ波エネルギーは、結合アンテナに対向する、空洞共振器の前面において反射された。反応混合物により還流の際にも吸収されずマグネトロンの方向へと反射して戻されたマイクロ波エネルギーはプリズム系(循環装置)を利用して、水を含有する容器に導かれた。入射されたエネルギーとこの水負荷(Wasserlast)の加熱との間の差から、照射区域で入力されたマイクロ波エネルギーが算出された。
高圧ポンプおよび圧力逃し弁を利用して、反応管内の反応混合物に、すべての原料と生成物ないし縮合生成物を常に液状に維持するために十分であるような作業圧力をかけた。反応混合物を、装置を通して一定の流速で圧送し、反応管内での滞留時間を流動速度の変更により調整した。
反応生成物の分析は、H−NMR分光法を利用してCDCl中で500MHzにおいて行った。
ポリマーの溶解度決定は、以下のように製造された膜を用いて行った。Patentblau Vで染めた、6重量%のポリマー溶液(乾燥顔料に対して6重量%)100mlを、市販のフィルムキャスティングプレート(Filmgiessplatte)に注ぎ、この溶液を室温で2〜3日間空気乾燥させた。このポリマー膜から、およそ2x2cmの大きさの切片を切り取り、枠にはめ込んだ。この枠を、検査されるべき溶媒中に検査されるべき温度(例えば20℃の水)においてつるし、ゆっくりと撹拌しながら、膜が完全に溶解するまでの時間を測定した。膜が600秒(=10分)後にまだ完全には溶解しなかった場合、この膜は「不溶性」と見なされた。使用されたポリビニルアルコールの膜は、この条件下では不溶性であった。
例1:ヤシ脂肪酸によるポリ(ビニルアルコール)のエステル化
水8gおよびジメチルホルムアミド(DMF)6g中のポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)4−98、分子量27000g/mol;加水分解度98%)3g、p−トルエンスルホン酸30mg、およびヤシ脂肪酸2.3g(分子量230g/mol)からなる混合物15mlを、非連続式マイクロ波反応装置内で190℃の温度に加熱すると、圧力はおよそ18barになった。熱平衡が達成された後に(およそ1分後)、10分間、さらなるマイクロ波照射下に、この温度およびこの圧力において維持した。マイクロ波照射終了後に、反応混合物を室温に冷却し、触媒を炭酸水素塩溶液で中和した。
反応生成物は、粘度の低い、均質な無色溶液だった。溶媒を蒸発させ、残渣をメタノールで再沈殿させると、粘性の物質が結果として生じ、そのIRスペクトルは、ポリビニルアルコールのエステルに特徴的な、1735cm−1および1245cm−1におけるバンドを、使用されたポリビニルアルコールと比べて明らかに高い強度で示す。H−NMRスペクトルは、2.3ppmにおいて、エステルカルボキシル基に対してα位にあるメチレン基(−O−CO−C −)に特徴的なシグナルを示し、このシグナルは、単量体のヤシ脂肪酸と比べて明らかな、高分子構造には通例の、拡張を示す。このシグナルを積分し、3.5と4.3ppmとの間にある、ポリマー骨格のメチンプロトンのシグナルと比較することにより、ポリマーのヒドロキシル基の、およそ10mol%というエステル化度が決定され、それは使用されたヤシ脂肪酸の転化率65mol%に相当する。
このポリマーの水性溶液から注がれた膜は、原料と比べて明らかに高い可撓性を示した。
例2:コハク酸によるポリ(ビニルアルコール)のエステル化
水6gおよびイソプロパノール4g中のポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)4−88、分子量31000g/mol;加水分解度88%)4g、p−トルエンスルホン酸50mg、およびコハク酸0.4gからなる混合物10mlを、非連続式マイクロ波反応装置内で192℃の温度に加熱すると、圧力はおよそ20barになった。熱平衡が達成された後に(およそ1分後)、15分間、さらなるマイクロ波照射下に、この温度およびこの圧力において維持した。マイクロ波照射終了後に、反応混合物を室温に冷却し、触媒を炭酸水素塩溶液で中和した。
反応生成物は、粘性の、均質な無色乳白光性溶液だった。溶媒を蒸発させると、均質な、非粘着性膜が結果として生じ、そのIRスペクトルは、ポリビニルアルコールのエステルに特徴的な、1735cm−1および1245cm−1におけるバンドを、使用されたポリビニルアルコールと比べて明らかに高い強度で示す。乾燥させた反応生成物をDMFまたはDMSO中に溶解する試みは失敗に終わり、そのことは、ポリビニルアルコールの予期された架橋を示唆する。使用されたポリマーの、換算しておよそ二倍量への膨潤のみを、数時間後に観察することができた。
例3:プロピオン酸によるポリ(ビニルアルコール)の連続式エステル化
ガス流入管、スターラー、内部温度計、および圧力補償器を備えた、10lのビュッヒ撹拌オートクレーブ中に、水5kgに溶かしたポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)4−98、分子量27000g/mol;加水分解度98%)2kgからなる溶液を置き、p−トルエンスルホン酸30gを混合し、55℃に温めた。この温度において、1時間にわたり、撹拌しながら、イソプロパノール1.1kgに溶かしたプロピオン酸0.9kg(12.3mol)の溶液を添加した。
そのように得られた反応混合物を、35barの作業圧力下に、反応管を通して5.0l/時で連続的に圧送し、2.1kWのマイクロ波電力にさらすと、そのうちの92%が反応物によって吸収された。照射区域内での反応混合物の滞留時間は、およそ48秒であった。照射区域を離れる際には、反応混合物は、202℃の温度を有し、この温度で直接に等温反応区間へと移された。等温反応区間の末端では、反応混合物は、186℃の温度を有した。反応区間を離れた後すぐに、反応混合物を室温に冷却し、炭酸水素塩溶液でpH4に調整した。
反応生成物は、粘度の低い、均質な無色溶液であった。真空中で溶媒を蒸発させると、粘性の物質が結果として生じた。H−NMRスペクトルは、2.6ppmの化学シフトにおいて、新たに加わった、−CH−基のシグナルを、拡張された多重項として示す。このシグナルの積分を、1.5〜1.8ppmにおける、ポリマー骨格のメチレンプロトンの積分と比較することにより、プロピオン酸エステルへの、ポリマーヒドロキシル基の19mol%の転化率が決定された。このことは、使用されたプロピオン酸を基準として、理論の71mol%の転化率に相当する。
水性溶液から注がれた、修飾ポリマーの膜は、冷水中で、410秒以内に完全に溶解した。示差走査熱量測定のダイアグラムでは、事実上、ポリ(ビニルアルコール)に典型的な、およそ200℃の範囲での吸熱溶融シグナル(Schmelzsignal)は、認識できなかった。このことは、修飾ポリマーの結晶性の激しい低下を示唆する。
例4:ヤシ脂肪酸メチルエステルによるポリ(ビニルアルコール)のエステル化
水8gおよびジメチルホルムアミド(DMF)6g中のポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)4−98、分子量27000g/mol;加水分解度98%)2g、p−トルエンスルホン酸45mg、およびヤシ脂肪酸メチルエステル2.4g(0.01mol)からなる混合物10mlを、非連続式マイクロ波反応装置内で190℃の温度に加熱すると、圧力はおよそ18barになった。熱平衡が達成された後に(およそ1分後)、十五分間、さらなるマイクロ波照射下に、この温度およびこの圧力において維持した。マイクロ波照射終了後に、反応混合物を室温に冷却し、触媒を炭酸水素塩溶液で中和した。
反応生成物は、粘度の低い、均質な無色溶液だった。溶媒を蒸発させると、粘性の物質が結果として生じた。そのプロトン共鳴スペクトルは、例1ですでに記載のように、エステル基に隣接するメチレン基のシグナルを2.3ppmにおいて示す。このシグナルの積分、および3.5と4.3ppmとの間にある、ポリマー骨格のメチンプロトンのシグナルと比較することにより、ポリ(ビニルアルコール)のヒドロキシル基の、16mol%という修飾度がもたらされ、それは使用されたヤシ脂肪酸メチルエステルの転化率72mol%に相当する。
このポリマーの水性溶液から注がれた膜は、原料と比べてまたも明らかに高い可撓性を示した。
例5:安息香酸によるポリ(ビニルアルコール)の連続式エステル化
ガス流入管、スターラー、内部温度計、および圧力補償器を備えた、10lのビュッヒ撹拌オートクレーブ中に、水6kgに溶かしたポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)8−88、分子量67000g/mol;加水分解度88%)1.5kgからなる溶液を置き、p−トルエンスルホン酸30gを混合し、55℃に温めた。この温度において、1時間にわたり、撹拌しながら、イソプロパノール1.0kgに溶かした安息香酸530gの溶液を添加した。
そのように得られた反応混合物を、35barの作業圧力下に、反応管を通して4.8l/時で連続的に圧送し、2.3kWのマイクロ波電力にさらすと、そのうちの90%が反応物によって吸収された。照射区域内での反応混合物の滞留時間は、およそ50秒であった。照射区域を離れる際には、反応混合物は、198℃の温度を有し、この温度で直接に等温反応区間へと移された。等温反応区間の末端では、反応混合物は、180℃の温度を有した。反応区間を離れた後すぐに、反応混合物を室温に冷却し、炭酸水素塩溶液でpH4に調整した。
反応生成物は、粘度の低い、均質な無色溶液であった。溶媒を蒸発させ、残渣をエタノールから再沈殿させると、粘性の物質が結果として生じ、そのIRスペクトルは、ポリビニルアルコールのエステルには特徴的な、1735cm−1および1245cm−1におけるバンドを、使用されたポリビニルアルコールと比べて高い強度で示す。H−NMRスペクトルは、7.5および8.0ppmの化学シフトにおいて、ポリマーに結合した安息香酸エステルと一致する幅広いシグナルを示す。8.0ppmにおけるシグナルの積分を、1.5〜1.8ppmにおける、ポリマー骨格のメチレンプロトンの積分と比較することにより、ポリマーヒドロキシル基の、11mol%という転化率が決定された。このことは、使用された安息香酸を基準として、理論の75mol%の転化率に相当する。
例6:m−スルホ安息香酸、Na塩によるポリ(ビニルアルコール)の連続式エステル化
ガス流入管、スターラー、内部温度計、および圧力補償器を備えた、10lのビュッヒ撹拌オートクレーブ中に、水6kgに溶かしたポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)8−88、分子量67000g/mol;加水分解度88%)1.5kgからなる溶液を置き、硫酸30g(97%)を混合し、55℃に温めた。この温度において、1時間にわたり、撹拌しながら、イソプロパノール0.5kgおよび水0.5kgからなる混合物に溶かしたm−スルホ安息香酸、Na塩500gの溶液を添加した。
そのように得られた反応混合物を、35barの作業圧力下に、反応管を通して8l/時で連続的に圧送し、3.0kWのマイクロ波電力にさらすと、そのうちの95%が反応物によって吸収された。照射区域内での反応混合物の滞留時間は、およそ25秒であった。照射区域を離れる際には、反応混合物は、180℃の温度を有し、この温度で直接に等温反応区間へと移された。等温反応区間の末端では、反応混合物は、170℃の温度を有した。反応区間を離れた後すぐに、反応混合物を室温に冷却し、炭酸水素塩溶液でpH4に調整した。
反応生成物は、粘度の低い、均質な無色溶液であった。溶媒を蒸発させ、残渣をエタノールから再沈殿させると、粘性の物質が結果として生じ、そのIRスペクトルは、ポリビニルアルコールのエステルには特徴的な、1735cm−1および1245cm−1におけるバンドを、使用されたポリビニルアルコールと比べて高い強度で示す。
本発明は、マイクロ波場中においてポリマー水性溶液をポリマーアナログ(polymeranalog)エステル化することにより、ヒドロキシル基担持付加重合体を修飾する方法に関する。
例えばポリ(ビニルアルコール)のような、複数のヒドロキシル基を担持する高分子量合成ポリマーは、その融点を超えると、高粘性の物質に転移する、非イオン性、水溶性の熱可塑性プラスチックである。その際、ポリマーの水溶性は、中でも、ポリマー中のヒドロキシル基の濃度に依存し、ポリ(ビニルアルコール)の特殊な場合には、その製造に使用されたポリ(酢酸ビニル)の加水分解度の関数でもある。したがって、例えば、加水分解度の高いポリ(ビニルアルコール)は、高結晶性であって、熱水にしか溶解しない。ポリ(ビニルアルコール)は、層形成、膜形成、乳化挙動、および粘着のような、ポリ(ビニルアルコール)を複数の技術適用のために興味深くする、注目すべき物理化学特性を有する。さらに、ポリ(ビニルアルコール)は、非常に高い引張強度を有するが、例えば大気湿度が上昇する場合のような、含水量の上昇とともに、弾性の上昇に抗しきれず、このことは、例えば、膜のより激しい伸縮性という形で現れる。
化学修飾により、ヒドロキシル基担持ポリマーの特性に広い範囲で影響を及ぼすことができる。つまり、例えば、疎水性修飾により、化学物質および溶媒に対する、その抵抗力が、その温度安定性と同様に改善され得る。他方では、例えば、疎水性修飾後のポリ(ビニルアルコール)では、大気湿度が高い場合にも、水溶性が失われることもなく引張強度が維持されたままである。特に、長鎖アルキル残基を用いた修飾により、ポリマーは、実用技術上非常に興味をひく内部可塑化を受ける。例えば製紙工業および繊維工業における様々な適用に関しては、特に冷水にあまり溶けないポリビニルアルコールが有利であろうが、それというのも、そのポリビニルアルコールは、表面塗装の耐水性を改善するであろうからである。疎水化するための慣例の方法は、例えば、アルデヒドによる、特にブチルアルデヒドによるアセタール化である。
しかしながら、アルデヒドは、化学的には条件付きでのみ安定であるため、その取扱いは特別な注意を要求する。さらに、特に長鎖アルキル残基を含むアルデヒドの工業的規模での入手可能性は限られているので、修飾可能性の幅は非常に制限されている。その上、疎水性修飾されたポリ(ビニルアルコール)の製造は、多大な技術的労力、それゆえ高コストを伴う。つまり、4個を超えるC原子のアルデヒド鎖長の場合、アルデヒドが非水溶性となり、過剰のアルデヒドの洗浄および修飾ポリマーの浄化をきわめて困難にする。過剰のアルデヒド、特に過剰のアルデヒド混合物の処理も非常に労力がかかる。このように修飾されたポリマーは、実験室では入手可能であるが、工業的規模での製造には労力がかかりすぎ、高価すぎる。その上、アセタール化度が高い場合、特に遊離OH基の含有量がわずかなポリマーの場合、分子間アセタール化によるポリマーの架橋もしばしば起こり、この誘導体化法の使用可能性を制限する。
さらに、ポリマーおよび誘導体化剤の異なる溶解度は、均質な生成物を製造する際に、分取上の著しい困難を引き起こす。ポリマーアナログ反応の場合、反応されるべきポリマーは、均質な反応を保証するためには、可溶性の形状、または少なくとも膨潤した形状にもたらされる必要がある。ポリマーが、反応媒体中において不溶性である場合、表面反応のみが可能であって、ポリマーが反応媒体中で膨潤している場合は、反応速度は、ポリマーマトリックスの細孔中への官能基の接近可能性に依存する。その上、結晶領域での拡散過程は非常に遅いことから、部分結晶性ポリマー中では、反応は、事実上、非結晶領域でしか起こらない。
例えばポリビニルアルコールのようなヒドロキシル基担持ポリマーは、溶媒フリーの形状では、固体または高粘性の物質であって、均一系の化学反応のためには熱によるか、または溶媒を利用するかのいずれか一方により流動化される必要がある。たいていのヒドロキシル基担持ポリマーにとって好ましい溶媒は水である。しかしながら、縮合反応に関しては、水は、原料に有利になるように反応平衡をずらすため、溶媒として通例はあまり適さない。例えばポリ(ビニルアルコール)のようなポリマーは、通例は、例えばジメチルスルホキシド、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、およびリン酸トリスジメチルアミドのような非プロトン性極性溶媒にも溶解することができるが、反応が行われた後にこれらの高沸点溶媒を除去する際には、ポリマーが通例は熱損傷を受けるため、さらなる使用のためにそのポリマーをしばしば役に立たなくする。
特許文献1によると、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、またはそれらの誘導体のようなヒドロキシル基担持ポリマーは、アルキルケテンダイマーとの反応によっても疎水化ないし内部可塑化することができる。もっともこの場合も、技術的に使用可能な誘導体化剤の選択は限られている。その際、反応は、好ましくは有機溶媒中または溶媒フリーで100℃超の温度におき押出機内で行われる。
特許文献4には、誘電加熱(マイクロ波および高周波)により、植物もしくは動物油脂、飽和もしくは不飽和脂肪酸、飽和もしくは不飽和脂肪酸エステル、飽和もしくは不飽和炭化水素、またはこれらの誘導体、およびヒドロキシ基を含むかもしくは発生させる基、例えばグリセロール、ポリグリセロール、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール、糖およびステロールの混合物から、部分的もしくは完全にエステル化されたポリヒドロキシル化アルコールを製造する方法を教示している。熱処理は誘電加熱、好ましくは酸素を枯渇させた雰囲気における誘電加熱によって行われる。
特許文献5は、高いアセタール化度を有するポリビニルアセタール樹脂を製造する方法であって、ポリビニルアルコール樹脂およびカルボニル化合物を含む溶液または懸濁液を、加圧下で、固形触媒の存在下で反応させる製造方法を開示している。
特許文献6は、エーテルまたはエステル基を酸性または塩基性基と置き換えることにより、水性液体に可溶性または分散性であるポリビニル化合物を製造する方法を教示している。
特許文献7は、低分子量ポリビニルアルコールとメチルオレエートの間のエステル交換による、低分子量ポリビニルアルコールのオレイン酸、オレイン酸無水物または塩化オレイルでの直接エステル化による、ポリビニルオレエートを製造する方法を教示している。
特許文献8は、天然もしくは合成の高分子物質からの繊維材料の濡れ性を、多塩基酸およびポリビニルアルコールの部分エステルならびに四級アンモニウム塩を含む液体で処理することにより、増加させる方法であって、四級アンモニウム塩として、以下の式
Figure 2014506279
(式中、R、R’、R’’は8〜18個の炭素原子を有するアルキル基であり、
nは1〜18の整数であり、
X’はハロゲンであり、そして
X’’は無機アニオンである)
で表される化合物が使用される方法を教示している。
長鎖アルキル残基担持モノマーを、例えば酢酸ビニルと(共)重合することによる、対応する(コ)ポリマーの製造も同様に、限界があるが、それというのも、例えば長鎖カルボン酸のアルキルビニルエステルのような適したモノマーが、技術上限定的にしか入手できず、たいていの場合は非常に高価であるからである。その上、続いて起こるアシル基の、ヒドロキシル基への加水分解の際に、長鎖エステルも少なくとも部分的に加水分解される。したがって、このような、疎水性修飾されたヒドロキシル基担持ポリマーの工業的使用は、これまでのところわずかな適用に限られている。
望ましいであろうことは、ヒドロキシル基を担持するゆえ、非イオン性の水溶性ポリマーを、低価格ならびにその置換基を幅広く変化させて入手可能である上に架橋する傾向のない単官能性試薬で修飾することである。そのために適した方法は、例えば、モノカルボン酸とのエステル化であろう。従来技術によると、例えば酸無水物、酸塩化物、またはエステルのような反応性酸誘導体による、疎水性長鎖カルボン酸とのヒドロキシル基担持ポリマーのポリマーアナログエステル化が可能である。しかしながら、その際少なくとも等モル量のカルボン酸、塩、ないしアルコールが生成し、それらは分離および処分ないし処理される必要があり、高コストを引き起こす。例えば、ポリ(ビニルアルコール)のようなヒドロキシル基担持ポリマーは、本質的には水にしか溶けないため、その際、反応性酸誘導体と水との反応により望ましくないさらなる副産物が生成する。さらに、ヒドロキシル基担持ポリマーを遊離脂肪酸と直接的な方法でエステル化することは、ポリマーと酸の異なる粘度ゆえに、ならびに他方ではポリマーの有機溶媒中での不溶性ゆえに困難である。特許文献2によると、ポリ(ビニルアルコール)を、そのヒドロキシル基に対して少なくとも等モル量の、少なくとも14個のC原子を含むエチレン性不飽和カルボン酸を用いて、フェノール、クレゾール、またはキシレノールのような溶媒中でエステル化することに成功する。その際、エステル化は、150と250℃との間の温度を必要とし、2〜5時間かかる。その際に得られた生成物は、強度に褐色に着色されており、一方では高分子架橋部分を、他方では低分子分解生成物を含有している。得られた生成物は、処理後にも、難揮発性の、毒物学上懸念すべき溶媒の残量をなおも含有している。
化学合成の最近のアプローチは、マイクロ波場での反応である。その際、反応の明らかな促進がしばしば観察され、それはこの方法を経済的にも生態学的にも非常に興味深くさせる。したがって、従来技術では、炭水化物の様々なエステル化が開示されており、このエステル化は、ほぼ例外なく、遊離酸よりも高い反応性を有するカルボン酸エステルと実施されたが、それにもかかわらず、あまりにわずかなアシル化度しかもたらさない。特許文献3は、高温において炭水化物を酸と変換反応させると、同時にポリマーの分解が起こり、それは、使用された原料および選択された反応条件に依存して、特性が激しく揺らぐ生成物をもたらすことを教示する。
独国特許出願公開第102009001382号明細書 米国特許第2601561号 中国特許第1749279号 国際公開第03090669号 欧州特許第1775311号 英国特許第385978号 欧州特許第0383605号 米国特許第3050418号
したがって、その方法によると前記非イオン性ポリマーの特性を容易かつ低コストなやり方で技術的に興味をひく量で修飾することが可能である、ヒドロキシル基担持主鎖ポリマーのポリマーアナログ修飾法(polymeranalogen Modifizierung)を提供するという課題が存在する。その際、特に興味をひくのは、二級ヒドロキシル基担持直鎖状付加重合体の、特に、C−C結合のみから構成された骨格を有する二級ヒドロキシル基担持直鎖状付加重合体のエステル化である。その結果、特に、ポリマーの結晶性、極性溶媒および無極性溶媒中での溶解度、熱安定性、および/または可塑性が、影響を受け得るものである。その際、一つの反応混合物内でも様々な反応混合物間でも一定の生成物特性を達成するためには、修飾は、できるだけ均質に、つまりポリマー全体にわたって統計的分布で行われるべきである。さらに、その際、ポリマー骨格において、特にポリマー分解のような反応が起こらないべきであって、言うに値する量の、毒物学的および/または生態学的に懸念のある副産物が生成しないべきである。
意外なことに、ヒドロキシル基担持高分子量ポリマーを、水性溶液中、および/または水および水と混合可能な、遊離カルボン酸を有する有機溶媒からなる溶液中で、マイクロ波の影響下に100℃超の温度においてエステル化できることが見出された。このやり方で、ヒドロキシル基担持ポリマーを、例えば疎水性にも親水性にも修飾することができる。このように修飾されたポリマーの溶解度は、より大きな親水性ないし疎水性ポリマーブロックの存在を示唆しない。複数の様々なカルボン酸が低価格かつ技術的な量で入手可能であるため、前記ポリマーの特性を幅広い範囲で修飾することが可能である。その際、ポリマー鎖の分解は起こらない。
それに応じて、本発明の主題は、一般式(I)
Figure 2014506279
の反復構造単位を有するヒドロキシル基担持ポリマーA)
[式中、
Dは、ポリマー骨格とヒドロキシル基との間の直接結合、C〜C−アルキレン基、C〜C12−アリーレン基、式−O−R−のオキシアルキレン基、式−C(O)−O−R−のエステル基、または式−C(O)−N(R)R−のアミド基、
は、C〜C10−アルキレン残基、
は、水素、または場合によっては置換されたC〜C10−アルキル残基、および
nは、3〜5000の間の数を意味する]を、
式(II)のカルボン酸B1)または式(III)のカルボン酸エステルB2)
Figure 2014506279
[式中、
は、2〜50個のC原子を有する炭化水素残基を意味し、
は、C〜C−アルキル残基を意味する]と、
ヒドロキシル基担持ポリマーA)に式(II)のカルボン酸または式(III)のカルボン酸エステルの存在下および水の存在下にマイクロ波を照射し、反応混合物をマイクロ波照射により100℃超の温度に加熱することによって反応させる方法である。
好ましいヒドロキシル基担持ポリマーAは、そのポリマー骨格がC−C結合のみから構成されており、それに応じてヘテロ原子を含有しない主鎖ポリマーである。もっとも、好ましいヒドロキシル基担持ポリマーAは、鎖末端に、例えば重合の最中に開始剤および/または調整剤によりポリマー内へと達するヘテロ原子を有する基を含有することが可能である。好ましくは、ポリマーAは、全体として少なくとも5個、特に好ましくは少なくとも10個、特に少なくとも15個、特に少なくとも20個のヒドロキシル基担持モノマー単位を含有し、つまりnは、少なくとも5、10、15または20である。これらのモノマー単位は、コポリマーにおいて、別のモノマーから誘導された構造単位と組み合わされていても、それらによって中断されていてもよい。
Dは、好ましくは、ポリマー骨格とヒドロキシル基との間の直接結合を意味する。この場合、式(I)の構造単位は、ビニルアルコールから誘導されている。さらなる好ましい一実施形態では、Dは、直鎖状または分岐状のアルキレン残基である。このアルキレン残基は、好ましくは1個、2個、3個、または4個のC原子を有する。それは、例えば、アリルアルコールから、または3−ブテン−1−オール、3−ブテン−1−オール、1−ペンテン−3−オール、もしくは4−ペンテン−1−オールから誘導された構造単位である。さらなる好ましい一実施形態では、Dは、式中Rが好ましくは、2個、3個、または4個のC原子を有するアルキレン基を意味するオキシアルキレン基を意味する。このような構造単位(I)は、好ましくは、例えばヒドロキシエチルビニルエーテルまたはヒドロキシブチルビニルエーテルのようなヒドロキシアルキルビニルエーテルから誘導することができる。さらなる好ましい一実施形態では、Dは、エステル基を意味する。好ましくは、Rは、2個または3個のC原子を有するアルキレン基を意味する。このような構造単位(I)は、例えば、アクリル酸およびメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステルから、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、およびヒドロキシプロピルメタクリレートから誘導される。さらなる好ましい一実施形態では、Dは、R基を介してヒドロキシル基と結合しているアミド基を意味する。好ましくは、この場合、Rは、2つまたは3つのC原子を有するアルキル基を意味する。Rは、例えばヒドロキシル基のような置換基を担持してもよい。好ましくは、Rは、水素、メチル、エチル、またはヒドロキシエチルである。このような構造単位(I)は、例えばアクリル酸およびメタクリル酸のヒドロキシアルキルアミドから、例えば、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリルアミド、ヒドロキシプロピルアクリルアミド、ヒドロキシプロピルメタクリルアミドから誘導される。複数の、例えば2個、3個、4個またはそれ以上の様々な、式(I)の構造単位を含有するポリマーもまた、本発明に適している。本発明による方法は、特に、二級OH基担持ポリマーのエステル化に適している。
特に好ましい、式(I)の構造単位は、ビニルアルコールから誘導される。
本発明による方法は、式(I)のヒドロキシル基担持単位に加えて、一つまたは複数の、ヒドロキシル基を担持しないさらなるモノマーから誘導されている構造要素を有する、ヒドロキシル基担持モノマーのコポリマーを修飾するためにも適している。好ましいさらなるモノマーは、オレフィン、アクリル酸およびメタクリル酸のエステルおよびアミド、ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルアミン、アリルアミン、ならびにそれらの誘導体である。好ましいコモノマーの例は、エテン、プロペン、スチレン、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ならびにアクリル酸およびメタクリル酸の、2〜24個のC原子を有するアルコールとのエステルである。好ましくは、コポリマーは、ヒドロキシル基担持モノマーから誘導される構造単位(I)を10mol%超、特に好ましくは15〜99.5mol%、特に20〜98mol%、特に50〜95mol%、例えば70〜90mol%含有する。
適したコポリマーA)の例は、例えばポリ酢酸ビニルの部分ケン化により入手可能であるような、特に酢酸ビニルとビニルアルコールのコポリマーのようなビニルエステルとビニルアルコールのコポリマーである。好ましいのは、ビニルアルコールのほかに0.5〜60mol%、特に好ましくは1〜50mol%、例えば1.5〜10mol%の酢酸ビニルを含有するコポリマーである。したがって、部分加水分解されたポリ(酢酸ビニル)を起点に、本発明の方法によると、酢酸ビニル、ビニルアルコール、および本発明により式(II)のカルボン酸および/または式(III)のカルボン酸エステルでエステル化されたビニルアルコール、からなるターポリマーも製造できる。さらに、コポリマーA中に存在するエステル基を、本発明による方法において、完全または部分的にエステル交換することができる。
さらなる適したコポリマーA)の例は、ビニルアルコールとエチレン、ビニルアルコールとスチレンからなるコポリマー、ならびにヒドロキシエチルメタクリレートとメチルメタクリレートからなるコポリマーである。
好ましいコポリマーA)は、水中、または水および水と混合可能な有機溶媒からなる溶媒混合物中で、40℃超の温度、例えば、50℃、60℃、70℃、80℃または90℃において、均質に可溶性であるか、または少なくとも膨潤可能である。さらに好ましくは、コポリマーA)は、少なくとも1重量%、特に5〜90重量%、例えば20〜80重量%の濃度で、40℃超の温度、例えば、50℃、60℃、70℃、80℃または90℃において、水中、または水および水と混合可能な有機溶媒からなる溶媒混合物中で均質に可溶性ないし膨潤可能である。
特に好ましい、ヒドロキシル基担持主鎖ポリマーAは、ポリ(ビニルアルコール)である。ポリ(ビニルアルコール)とは、本発明によると、ビニルアルコールのホモポリマーとも、ビニルアルコールの、別のモノマーとのコポリマーとも理解される。特に好ましいコポリマーは、0.5〜20mol%、好ましくは1〜15mol%のビニルエステルを含有するようなものである。このコポリマーは、通例は、ビニルアルコールのエステルを低級カルボン酸と重合ないし共重合し、続いてエステルを加水分解することによって製造される。ビニルアルコールの好ましいエステルは、酢酸ビニルである。ポリマーの加水分解は、完全に起こっても部分的に起こってもよい。
さらなる特に好ましいコポリマーは、エチレンとビニルアルコールからなるコポリマーである。特に好ましいのは、15〜70mol%、特に20〜60mol%、例えば25〜50mol%の、エチレンから誘導された構造単位を含有するようなものである。
アセチル化サンプルを用いてゲル浸透クロマトグラフィーおよび静的光散乱により決定された、好ましいポリマーAの重量平均分子量Mは、好ましくは、10000〜500000、特に12000〜300000、特に15000〜250000g/molである。修飾ポリマーの分子量は、そのエステル化度およびアシル残基の分子量に応じて高まっている。
カルボン酸B1)としては、一般的には、少なくとも一つのカルボキシル基を有する化合物が適している。したがって、本発明による方法は、例えば二つ、三つ、四つ、またはそれ以上のカルボキシル基を有するカルボン酸を反応させるためにも適している。好ましいカルボン酸は、一つのカルボキシル基を有する。カルボン酸は、天然起源であっても合成起源であってもよい。その際、特に好ましいのは、2〜30個のC原子、特に3〜24個、例えば4〜22個のC原子を有する炭化水素残基Rを担持するようなカルボン酸である。炭化水素残基は、好ましくは、脂肪族、脂環式、芳香族、または芳香脂肪族である。炭化水素残基は、それらの置換基が反応条件下には安定であって、例えば脱離反応のような副反応が起こらないという条件付きで、一つまたは複数の、例えば二つ、三つ、四つ、またはそれ以上のさらなる置換基、例を挙げると、例えば、メトキシ基のようなアルコキシ基、アミド基、シアノ基、ニトリル基、ニトロ基、スルホン酸基、および/または例えばフェニル基のようなC〜C20−アリール基を担持してもよい。炭化水素残基Rは、例えば、酸素、窒素、リン、および/またはイオウのようなヘテロ原子も含有することができるが、好ましくは、2つのC原子あたり一つのヘテロ原子を超えない。
第一の好ましい一実施形態では、カルボン酸B1)は、脂肪族炭化水素残基を担持する。特に好ましいのは、2〜36個、特に3〜24個、特に6〜22個、例えば10〜20個のC原子を有する脂肪族炭化水素残基である。この脂肪族炭化水素残基は、直鎖状、分岐状、または環状であってもよい。カルボキシル基は、一級、二級、または三級のC原子に結合されていることが可能である。炭化水素残基は、飽和であっても不飽和であってもよい。不飽和炭化水素残基は、一つまたは複数の、好ましくは一つ、二つ、または三つのC=C二重結合を含有する。好ましくは、起こり得る二重結合は、カルボキシル基に対して共役していない。したがって、本発明による方法は、特に、不飽和、特にポリ不飽和脂肪酸のエステルを製造するために有効であると実証されたが、不飽和脂肪酸の二重結合は、本発明による方法の反応条件下では攻撃されないからである。特に好ましい一実施形態では、脂肪族炭化水素残基は、非置換のアルキル残基またはアルケニル残基である。さらなる特に好ましい一実施形態では、脂肪族炭化水素残基は、前記置換基の一つまたは複数、例えば二つ、三つ、またはそれ以上を担持する。
好ましい脂環式炭化水素残基は、2〜24個、特に3〜20個のC原子を有する脂肪族炭化水素残基である。この脂肪族炭化水素残基は、場合によっては、一つまたは複数のヘテロ原子、例えば、窒素、酸素、またはイオウを含有していてもよい。特に好ましい脂環式炭化水素残基は、4個、5個、6個、7個、8個、またはそれ以上の環原子を含む少なくとも一つの環を有する。その際、カルボキシル基は環の一つに結合している。
適した脂肪族ないし脂環式カルボン酸B1)は、例えば、プロピオン酸、酪酸、iso−酪酸、ペンタン酸、iso−ペンタン酸、ピバル酸、ヘキサン酸、シクロヘキサン酸、へプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、イソノナン酸、ネオノナン酸、デカン酸、イソデカン酸、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ネオウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、12−メチルトリデカン酸、ペンタデカン酸、13−メチルテトラデカン酸、12−メチルテトラデカン酸、ヘキサデカン酸、14−メチルペンタデカン酸、へプタデカン酸、15−メチルヘキサデカン酸、14−メチルヘキサデカン酸、オクタデカン酸、イソオクタデカン酸、イコサン酸、ドコサン酸、およびテトラコサン酸、ならびにミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ヘキサデカジエン酸、デルタ−9−cis−へプタデセン酸、オレイン酸、ペトロセリン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、ガドレイン酸、ゴンド酸、イコサジエン酸、アラキドン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ドコサジエン酸、およびテトラコセン酸である。さらに適しているのは、天然脂肪および天然油、例えば綿実油、ヤシ油、落花生油、紅花油、コーン油、パーム核油、菜種油、ヒマシ油、オリーブオイル、カラシ油、ダイズ油、ヒマワリ油、ならびに獣脂油、骨油、および魚油から獲得された脂肪酸混合物である。本発明による方法用の脂肪酸ないし脂肪酸混合物として同じく適しているのは、トール油脂肪酸、ならびに、樹脂酸、ナフテン酸である。
さらなる好ましい一実施形態では、カルボン酸B1)は、芳香族炭化水素Rを担持する。芳香族カルボン酸とは、芳香族系(アリール残基)に結合した少なくとも一つのカルボキシル基を担持する化合物と理解される。芳香族系とは、(4n+2)π電子を有する環状、スルー共役系と理解され、式中nは、自然整数であって、好ましくは、1、2、3、4または5である。芳香族系は、単環式、または多環式、例えば二環式または三環式であってもよい。芳香族系は、好ましくは、炭素原子から形成されている。さらなる好ましい一実施形態では、この芳香族系は、炭素原子のほかに、一つまたは複数のヘテロ原子、例えば、窒素、酸素、および/またはイオウを含有する。そのような芳香族系の例は、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フラン、およびピリジンである。この芳香族系は、カルボキシル基のほかに、一つまたは複数の、例えば、一つ、二つ、三つ、またはそれ以上の同一または異なるさらなる置換基を担持してもよい。適したさらなる置換基は、例えば、アルキル残基、アルケニル残基、およびハロゲン化アルキル残基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、シアノ基、ニトリル基、ニトロ基、および/またはスルホン酸基である。これらの置換基は、芳香族系の任意の位置に結合していてよい。しかしながら、アリール残基は、最大限、そのアリール残基の原子価の数だけ置換基を担持する。
芳香族カルボン酸B1)の好ましい例は、例えばアルキルフェニルカルボン酸のようなアルキルアリールカルボン酸である。それは、カルボキシル基を担持するアリール残基が付加的に少なくとも一つのアルキル残基またはアルキレン残基を担持する芳香族カルボン酸である。
特に好ましいのは、1〜20個のC原子、特に1〜12個のC原子、例えば1〜4個のC原子を有する少なくとも一つのアルキル残基を担持するアルキル安息香酸である。
適した芳香族カルボン酸は、例えば、安息香酸、ナフタレンカルボン酸の様々な異性体、ピリジンカルボン酸、メトキシ安息香酸の様々な異性体、ならびにo−トリル酸、m−トリル酸、p−トリル酸、o−エチル安息香酸、m−エチル安息香酸、p−エチル安息香酸、o−プロピル安息香酸、m−プロピル安息香酸、p−プロピル安息香酸、3,4−ジメチル安息香酸、およびm−スルホ安息香酸である。
さらなる好ましい一実施形態では、カルボン酸B1)は、芳香脂肪族炭化水素残基Rを担持する。このような芳香脂肪族カルボン酸は、アルキレン残基またはアルケニレン残基を介して芳香族系に結合されている少なくとも一つのカルボキシル基を担持する。その際、アルキレン残基ないしアルケニレン残基は、好ましくは、1〜10個のC原子、特に2〜5個のC原子を有する。この残基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、好ましくは直鎖状である。好ましいアルケニレン残基は、一つまたは複数の、例えば、一つ、二つ、または三つの二重結合を有する。芳香族系とは、すでに前記で定義した芳香族系と理解され、その系に、少なくとも一つのカルボキシル基を担持するアルキル残基が結合している。芳香族系は、それはそれで置換基、例えばハロゲン原子、ハロゲン化アルキル残基、C〜C20−アルキル基、C〜C20−アルケニル基、例えばメトキシ基のようなC〜C−アルコキシ基、エステル基、アミド基、シアノ基、ニトリル基、および/またはニトロ基を担持してもよい。好ましい芳香脂肪族カルボン酸の例は、フェニル酢酸、(2−ブロモフェニル)酢酸、3−(エトキシフェニル)酢酸、4−(メトキシフェニル)酢酸、(ジメトキシフェニル)酢酸、2−フェニルプロピオン酸、3−フェニルプロピオン酸、桂皮酸、およびそれらの混合物である。
様々なカルボン酸の混合物も、本発明による方法での使用に適している。
ポリカルボン酸もまた、カルボン酸B1)として使用することができる。その際、少なくとも部分的には、様々なポリマー鎖のヒドロキシル基とのポリカルボン酸のエステル化が起こり、その結果、分子量の上昇が起こり得る。好ましくは、ポリカルボン酸が、モノカルボン酸との混合物中で使用される。その際、ポリカルボン酸の割合は、エステル化に使用されるカルボン酸の総量に対して、好ましくは0.1と70mol%との間、特に好ましくは0.5と50mol%との間、特に1と20mol%との間、例えば2と10mol%との間にある。好ましいポリカルボン酸は、二つ、三つ、四つ、または五つのカルボキシル基を有する。特に好ましいのはジカルボン酸である。適したポリカルボン酸は、脂肪族ポリカルボン酸、例えば、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ドデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸、ブタンテトラカルボン酸、ダイマー脂肪酸、およびトリマー脂肪酸、ならびに芳香族ポリカルボン酸、例えば、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、およびピロメリット酸である。
本発明によると適しているカルボン酸エステルB2)は、前記カルボン酸B1)の、一般式R−OHのアルコールとのエステルである。Rは、好ましくは、1個、2個、または3個のC原子を有するアルキル残基である。特に好ましいアルコールは、メタノールおよびエタノールである。
ヒドロキシル基担持ポリマーAおよびカルボン酸B1)ないしカルボン酸エステルB2)は、それぞれ、式(I)のヒドロキシル基担持構造および式(II)、(III)および/または(IV)のカルボキシル基のモル当量に関して、好ましくは、100:1〜1:1の比率、特に好ましくは10:1〜1.1:1の比率、特に8:1〜1.2:1の比率で使用される。カルボン酸B1)ないしカルボン酸エステルB2)の、ポリマーのヒドロキシル基に対する比率を介して、修飾度、それゆえ生成物の特性を調整することができる。カルボン酸B1)ないしカルボン酸エステルB2)が過剰に使用される、ないし完全には反応しない限り、そのうちの画分は未変換反応のままポリマー中にとどまり、この画分は、使用目的に応じて、生成物中に残ったままでもよいか、または分離することができる。それに応じて、ポリマーAの遊離ヒドロキシル基のエステル化は、完全に起こることも、さらには部分的にしか起こらないこともある。部分エステル化の場合、好ましくは1〜99%、特に好ましくは2〜90%、特に5〜70%、特に10〜50%、例えば20〜40%のヒドロキシル基がエステル化される。
特に好ましくは、本発明による方法は、ヒドロキシル基担持ポリマー(A)の部分エステル化に適している。その際、カルボン酸B1)ないしカルボン酸エステルB2)は、ヒドロキシル基の総数に対して、好ましくは準化学量論的に使用され、特に1:100〜1:2の比率、特に1:50〜1:5の比率、例えば1:20〜1:8の比率で使用される。好ましくは、その際、使用されたカルボン酸ないし使用された脂肪酸エステルの、少なくとも10mol%、特に20〜100mol%、特に25〜80mol%、例えば30〜70mol%が反応されるように、反応条件が調整される。この部分エステル化においては、非常に均質な生成物が形成され、それは、良好な溶解度および水性溶液の鋭い曇り点において明らかになる。
好ましくは、反応混合物は、5〜98重量%、特に好ましくは10〜95重量%、特に20〜90重量%、例えば50〜80重量%の水、または5〜98重量%、特に好ましくは10〜95重量%、特に20〜90重量%、例えば50〜80重量%の、水および水と混合可能な1種または複数の有機溶媒からなる混合物を含有する。いずれにせよ、反応体Aおよび/またはBには、マイクロ波を照射する前に水を添加するため、反応生成物は、エステル化の際に遊離する反応水の量を超える量の水を含有する。
様々なカルボン酸B1)およびカルボン酸エステルB2)の限られた水溶性は、しばしば、1種または複数の、水と混合可能な有機溶媒の、反応混合物への添加を必要とする。好ましい、水と混合可能な有機溶媒は、プロトン性極性液と同様に非プロトン性極性液である。好ましくはこれらの有機溶媒は、25℃において測定された、少なくとも10、特に少なくとも12、例えば少なくとも15という誘電率を有する。好ましい有機溶媒は、水に、少なくとも100g/lだけ、特に好ましくは少なくとも200g/lだけ、特に少なくとも500g/lだけ可溶性であって、特にそれらの有機溶媒は水と完全に混合可能である。溶媒として特に好ましいのは、ヘテロ脂肪族化合物であって、特にアルコール、ケトン、末端封鎖型ポリエーテル、例えば三級カルボン酸アミドのようなカルボン酸アミド、ニトリル、スルホキシド、ならびにスルホンである。好ましい非プロトン性溶媒は、例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトン、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、スルホラン、およびジメチルスルホキシド(DMSO)である。好ましいプロトン性有機溶媒は、1〜10個のC原子、特に2〜5個のC原子を有する低級アルコールである。適したアルコールの例は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、tert.−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソアミルアルコール、2−メチル−2−ブタノール、エチレングリコール、およびグリセロールである。特に好ましくは、低級アルコールとして、選択された反応条件下では不活性であって競合するエステル化の傾向も脱水のような副反応の傾向もない、二級アルコールおよび三級アルコールが使用される。特に好ましいのは、3〜5個のC原子を有する二級アルコールおよび三級アルコール、例えばイソプロパノール、sec−ブタノール、2−ペンタノール、および2−メチル−2−ブタノール、ならびにネオペンチルアルコールである。前記溶媒の混合物も、本発明によると適している。
一般的には、水と混合可能な有機溶媒としては、沸点の低い液体が好ましく、特に、常圧で150℃未満、特に120℃未満、例えば100℃未満の沸点を有するゆえ、わずかな労力で反応生成物から再び除去することができるような溶媒が好ましい。沸点の高い溶媒は、特に、その溶媒が、修飾ポリマーのさらなる使用に関して生成物中に残っていてもよい場合に有効であると実証された。水と混合可能な有機溶媒が使用される限り、溶媒混合物におけるその割合は、好ましくは1〜75重量%、特に好ましくは2〜60重量%、特に5〜50重量%、例えば10〜30重量%である。水は、溶媒混合物中で100重量%まで含有されている。
水溶性が限られたカルボン酸B1)ないしカルボン酸エステルB2)を使用する場合には、好ましい一実施形態において、反応混合物に1種または複数の乳化剤を添加することができる。その際、好ましくは、原料ならびに生成物に対して化学的に不活性である乳化剤を使用する。特に好ましい一実施形態では、この乳化剤は、別個の製造に由来する反応生成物である。
本発明による方法のために使用される、ヒドロキシル基担持ポリマー(A)、カルボン酸B1)またはカルボン酸エステルB2)、水、ならびに場合によっては水と混合可能な溶媒、および/またはさらなる助剤、例えば乳化剤および/または触媒を含有する反応混合物の製造は、様々なやり方で行われ得る。ポリマーA)、およびカルボン酸B1)ないしカルボン酸エステルB2)、および場合によってはさらなる助剤の混合は、連続的、非連続的、さらにはセミバッチプロセスにおいても実施することができる。特に、工業的規模でのプロセスに関しては、本発明による方法に、原料を液状で供給することが有効であると実証された。好ましくは、そのために、ヒドロキシル基担持ポリマーA)が、水溶液として、または水および水と混合可能な溶媒中の溶液として、本発明による方法に供給される。しかしながら、圧送可能である限り、膨潤形状で使用することも可能である。
カルボン酸B1)またはカルボン酸エステルB2)は、液状、または好ましくは150℃未満、特に100℃未満という低温において溶融可能である限り、そのようなものとして使用することができる。多くの場合には、場合によっては溶融状態のB1)ないしB2)に、水および/または水と混合可能な溶媒を混合し、例えば溶液、分散体、またはエマルジョンとして使用することが有効であると実証された。
ヒドロキシル基担持ポリマーA)の、カルボン酸B1)またはカルボン酸エステルB2)、場合によってはさらなる助剤との混合は、(セミ)バッチプロセスにおいて、成分を、例えば別個の撹拌容器中で順次投入することによって実施することができる。好ましい一実施形態では、カルボン酸ないしカルボン酸エステルを、水と混合可能な有機溶媒中に溶解してから、すでに溶解または膨潤させたポリマーに添加する。一方ではカルボン酸ないしカルボン酸エステルの均質な分配を確保し、他方では注入箇所での、ポリマーの局所的な沈殿を回避するために、好ましくは、かなり長い時間をかけて撹拌しながら少量ずつ添加を行う。
特に、連続的に実施される反応に関しては、原料は、好ましい一実施形態においては、所望の量比で、別個の受け器から、マイクロ波による照射が行われる容器(以下では反応容器とも呼ばれる)へと供給される。さらなる好ましい一実施形態では、原料は、反応容器への流入前に、および/または反応容器それ自身の中で、例えば静的ミキサ、および/またはアルキメディアン・スクリューのような適した混合要素を利用して、および/または多孔性発泡体を貫流させることによってさらに均質化される。
触媒ならびにさらなる助剤は、使用される限り、原料の一つに、または原料混合物にも、反応容器に入れる前に添加することができる。固体系、粉末系、および不均一系も、本発明による方法において反応可能であって、単に、反応物(Reaktionsgut)を運搬するための適した技術的装置が必要であるだけである。
反応は、本発明によると、マイクロ波放射の影響下に行われ、ただし、反応混合物は、マイクロ波放射によって、好ましくは110℃超の温度、特に好ましくは120〜230℃、特に130〜210℃、特に140〜200℃、例えば150〜195℃の温度に加熱される。これらの温度は、マイクロ波照射中に最大限達成される温度に関する。温度は、例えば、照射容器の表面で測定することが可能である。連続的に実施される反応では、温度は、好ましくは反応物において、照射区域を離れた後すぐに決定される。圧力は、反応容器中で、好ましくは、反応混合物が液状のままであって沸騰しないように高く調整される。好ましくは、1barを超える圧力で、好ましくは3〜300bar、特に好ましくは5〜200bar、特に10〜100bar、例えば15〜50barの圧力で作業する。
ポリマー(A)とカルボン酸B1)ないしカルボン酸エステルB2)との間の反応を促進するため、ないしより完全にするためには、多くの場合に、酸触媒の存在下に作業することが有効であると実証された。本発明により好ましい触媒は、酸性の、無機触媒、有機金属触媒、または有機触媒、およびこれらの触媒の複数からなる混合物である。好ましい触媒は、液状、および/または反応媒体中で可溶性である。
本発明の趣旨での酸性無機触媒としては、例えば、硫酸、リン酸、ホスホン酸、次亜リン酸、硫酸アルミニウム水和物、ミョウバン、酸性シリカゲル、および酸性水酸化アルミニウムを挙げる。さらに、例えば、一般式Al(OR15のアルミニウム化合物、および一般式Ti(OR15のチタン酸塩が、酸性無機触媒として使用可能であって、ただし、残基R15は、それぞれ同一または異なっていてもよく、互いに独立に、C〜C10−アルキル残基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec.−ブチル、tert.−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、sec.−ペンチル、neo−ペンチル、1,2−ジメチルプロピル、iso−アミル、n−ヘキシル、sec.−ヘキシル、n−へプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、またはn−デシル、C〜C12−シクロアルキル残基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロへプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、およびシクロドデシルから選択されており、好ましくはシクロペンチル、シクロへキシル、およびシクロへプチルである。好ましくは、Al(OR15ないしTi(OR15の残基R15は、それぞれ同一であって、イソプロピル、ブチル、および2−エチルヘキシルから選択されている。
好ましい酸性有機金属触媒は、例えば、ジアルキル酸化スズ(R15SnOから選択され、ただし、R15は、上記のように定義されている。酸性有機金属触媒の特に好ましい代表物質は、ジ−n−ブチル酸化スズであって、いわゆるオキソスズとして、またはFascat(登録商標)商標として市販で入手可能である。
好ましい酸性有機触媒は、例えばスルホン酸基またはホスホン酸基を有する酸性有機化合物である。特に好ましいスルホン酸は、少なくとも一つのスルホン酸基、および少なくとも一つの飽和、または不飽和、直鎖状、分岐状、および/または環状の、1〜40個のC原子、好ましくは3〜24個のC原子を含む炭化水素残基を含有する。特に好ましいのは、芳香族スルホン酸、特に、一つまたは複数のC〜C28−アルキル残基を有するアルキル芳香族モノスルホン酸、特にC〜C22−アルキル残基を含むようなものである。適した例は、メタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、2−メシチレンスルホン酸、4−エチルベンゼンスルホン酸、イソプロピルベンゼンスルホン酸、4−ブチルベンゼンスルホン酸、4−オクチルベンゼンスルホン酸;ドデシルベンゼンスルホン酸、ジドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸である。酸性イオン交換体も、酸性有機触媒として使用可能であって、例えば、スルホン酸基を担持する架橋ポリ(スチレン)樹脂である。
本発明による方法を実施するために特に好ましいのは、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、リン酸、ポリリン酸、およびポリスチレンスルホン酸である。特に好ましいのは、一般式Ti(OR15のチタン酸塩であって、特にチタンテトラブチレートおよびチタンテトライソプロピレートである。
酸性の無機、有機金属、または有機の触媒を使用したい場合には、本発明によると、0.01〜10重量%、好ましくは0.02〜2重量%の触媒を使用する。
さらなる好ましい一実施形態では、反応媒体中におき不溶性であるか完全には溶解しない固体酸触媒の存在下にマイクロ波照射が実施される。このような不均一系触媒は、反応混合物中に懸濁して、反応混合物と一緒にマイクロ波照射にさらすことができる。特に好ましい連続的な一実施形態では、場合によっては溶媒と混合した反応混合物を、反応容器中、特に照射区域中に固定された固定床触媒の上を通して導き、その際、マイクロ波照射にさらす。適した固体触媒は、例えば、ゼオライト、シリカゲル、モンモリロナイト、および(部分)架橋されたポリスチレンスルホン酸であって、場合によっては触媒活性のある金属塩で含浸されていてもよい。固相触媒として使用可能な、ポリスチレンスルホン酸ベースの適した酸性イオン交換体は、例えば、Rohm&Haas社から商標名Amberlyst(登録商標)で入手可能である。
ポリマーA)とカルボン酸エステルB2)との間の反応を促進するため、ないしより完全にするためには、多くの場合に、塩基性触媒、またはそれらの触媒の複数からなる混合物の存在下に作業することが有効であると実証された。塩基性触媒としては、本発明の枠内では、一般的に、アルコールとのカルボン酸エステルの、カルボン酸エステルへのエステル交換反応を促進するために適しているような塩基性化合物が使用される。適した触媒の例は、例えば、金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩、または金属アルコキシドのような、無機塩基および有機塩基である。好ましい一実施形態では、塩基性触媒は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩、またはアルコキシドの群から選択される。その際、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウムが特に好ましい。シアン化物イオンも触媒として適している。これらの物質は、固体状で、または例えば水性溶液もしくはアルコール性溶液のような溶液として、使用することができる。その際、使用される触媒の量は、選択された反応条件下での、触媒の活性および安定性に依存し、それぞれの反応に適合させる必要がある。使用されるべき触媒の量は、その際、広い範囲で変化し得る。特に好ましくは、反応促進性に作用する前記化合物の触媒量を使用し、好ましくは、使用されるカルボン酸エステルB2)の量に対して0.001〜10重量%の範囲、特に好ましくは0.01〜5重量%、例えば0.02〜2重量%の範囲で使用する。
マイクロ波照射後には、多くの場合において、反応混合物を直接さらなる使用に供給することができる。溶媒フリーの生成物を得るためには、水、場合によっては存在する有機溶媒を、通例の分離法、例えば相分離、蒸留、凍結乾燥、または吸収によって粗生成物から分離することができる。その際、過剰に使用された原料、ならびに場合によっては反応されなかった原料の残量も分離することができる。特別な要求に関しては、粗生成物を、通例の浄化法、例えば、洗浄、再沈殿(Umfaellung)、ろ過ないしクロマトグラフィー法に基づいてさらに精製することができる。その際、過剰の、ないし反応されなかったカルボン酸を中和し、洗浄によって除去することもしばしば効果的であると判明した。
マイクロ波照射は、通例は、マイクロ波に関しておおむね透過性の材料からなる反応容器(以下では照射容器とも呼ぶ)を有する装置内で実施され、その反応容器内へと、マイクロ波発生器内で生成したマイクロ波放射を入射させる。例えば、マグネトロン、クライストロン、およびジャイロトロンのようなマイクロ波発生器は、当業者には公知である。
本発明による方法を実施するために使用される反応容器は、好ましくはおおむねマイクロ波透過性の高融点材料から製作されているか、または少なくとも、例えば、それらの材料からなる窓のような部品を含有する。特に好ましくは、非金属性反応容器が使用される。おおむねマイクロ波透過性とは、この場合、できるだけ少量のマイクロ波エネルギーを吸収して熱に変換する材料と理解される。ある物質がマイクロ波エネルギーを吸収し熱に変換する能力の尺度としては、しばしば誘電損失係数tanδ=ε’’/ε’が考慮に入れられる。誘電損失係数tanδは、誘電損失ε’’と誘電率ε’の比率として定義される。様々な材料のtanδ値の例は、例えばD. Bogdal, Microwave−assisted Organic Synthesis, Elsevier 2005に記載されている。本発明によると適した反応容器に関しては、2.45GHzおよび25℃で測定してtanδ値が0.01未満、特に0.005未満、特に0.001未満の材料が好ましい。好ましい、マイクロ波透過性かつ温度安定性の材料としては、第一に、例えば、水晶、酸化アルミニウム、ジルコニア、窒化ケイ素などのような無機ベース材料が考慮に値する。特に、例えばテフロンのようなフッ素ポリマーといった温度安定性プラスチック、ポリプロピレン、または例えばガラス繊維強化ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のようなポリアリールエーテルケトンといった工業用プラスチックも、容器材として適している。反応最中の温度条件に耐えるためには、特に、これらのプラスチックでコーティングされた、水晶または酸化アルミニウムのような無機物が容器材として有効であると実証された。
マイクロ波と呼ばれるのは、波長がおよそ1cm〜1mで周波数がおよそ300MHz〜30GHzの電磁放射線である。この周波数範囲は、原則的に、本発明による方法に適している。好ましくは、本発明による方法のために、工業用途、科学用途、および医学用途に許可されている周波数、例えば、915MHz、2.45GHz、5.8GHz、または24.12GHzの周波数のマイクロ波放射を使用する。反応混合物のマイクロ波照射は、モノモードないし準モノモードで作用するマイクロ波アプリケータ中でも、マルチモードで作用するようなマイクロ波アプリケータ中でも行われ得る。適した装置は、当業者に公知である。
本発明による方法を実施するために反応容器に入射させるべきマイクロ波電力は、特に、目標反応温度、反応容器の形状およびそれに伴う反応体積に、ならびに連続的に実施される反応においては、反応容器を通る反応物の貫流速度に依存する。このマイクロ波電力は、通例は、100W〜数100kW、特に200W〜100kW、例えば500W〜70kWである。マイクロ波電力は、反応容器の一か所または複数箇所で印加されてもよい。マイクロ波電力は、一つまたは複数のマイクロ波発生器により生み出すことができる。
マイクロ波照射の時間は、反応体積、反応容器の形状、反応温度における反応混合物の所望の滞留時間、ならびに所望の反応率のような、様々な要因に依存する。通例は、マイクロ波照射は、30分未満、好ましくは0.01秒〜15分、特に好ましくは0.1秒〜10分、特に一秒〜5分、例えば5秒〜2分の時間にわたって行われる。その際、マイクロ波放射の強度(出力)は、反応物ができるだけ短時間で目標反応温度に達するように調整される。本発明による方法の、さらなる好ましい一実施形態では、反応混合物を、温めた形状で反応容器に供給することが有効であると実証された。その結果、反応混合物の粘度が低下し、その均質性が改善する。反応温度を維持するためには、反応物を、低下させた出力および/またはパルス出力でさらに照射するか、または別の方法で温度を維持してもよい。好ましい一実施形態では、反応生成物を、マイクロ波照射終了後すぐに、できるだけ迅速に100℃未満、好ましくは80℃未満、特に50℃未満の温度に冷却する。
マイクロ波照射は、非連続的にバッチ法において、または、好ましくは連続的に、例えば反応容器として利用される、以下では反応管とも呼ばれる栓流反応器において実施されてもよい。マイクロ波照射は、さらに、例えば、連続的に運転されるスターラーリアクターまたはカスケードリアクターのような、セミバッチプロセスで実施されてもよい。好ましい一実施形態では、反応は、化学的に不活性の閉鎖型耐圧容器内で実施され、ただし、水、ならびに場合によっては原料が圧力上昇をもたらす。反応終了後には、この超過圧を、緩和を介して、水、ならびに場合によっては過剰な酸の揮発および分離に、および/または反応生成物の冷却に使用することができる。特に好ましい一実施形態では、形成されたエステルの加水分解を回避するために、マイクロ波照射終了後、ないし反応容器を離れた後、反応混合物からできるだけ迅速に、水および場合によっては存在する触媒活性種を取り除く。
好ましい一実施形態では、本発明による方法は、非連続式マイクロ波反応装置内において実施され、そのマイクロ波反応装置内では、一定量の反応混合物が、照射容器内に充填され、マイクロ波を照射され、続いて処理される。その際、マイクロ波照射は、好ましくは、耐圧撹拌容器内で行われる。反応容器内へのマイクロ波の入射は、この反応容器が、マイクロ波透過性材料から製作されているか、またはマイクロ波透過性窓を有する限り、容器壁を通して行われ得る。しかしながら、マイクロ波は、アンテナ、プローブ、ないし中空導波管系を介しても、反応容器内に入射することができる。より大きな反応体積を照射するためには、この場合好ましくは、マルチモードで運転されるマイクロ波アプリケータを使用する。本発明による方法の、非連続的な実施形態は、マイクロ波電力を変化させることによって、迅速な加熱速度同様にゆっくりとした加熱速度も、特に長時間、例えば数時間にわたる温度の維持も可能にする。好ましい一実施形態では、マイクロ波照射開始前に、水性反応混合物を、照射容器内に入れる。その際、好ましくは、反応混合物は、100℃未満、例えば10〜50℃の温度を有する。さらなる好ましい一実施形態では、反応体および水、またはその一部が、マイクロ波照射の最中にはじめて照射容器に供給される。さらなる好ましい一実施形態では、非連続式マイクロ波反応装置が、連続的に原料を供給すると同時に反応物を導き出しながら、セミバッチリアクターないしカスケードリアクターの形状で運転される。
特に好ましい一実施形態では、本発明による方法を、連続式マイクロ波反応装置において実施する。そのためには、反応混合物を、耐圧性の、反応体に対して不活性の、マイクロ波に対しておおむね透過性であって、マイクロ波アプリケータ内に挿入された、照射容器として利用される反応管を通して連続的に導く。この反応管は、好ましくは、一ミリメートル〜およそ50cm、特に2mm〜35mm、例えば5mm〜15cmの直径を有する。特に好ましくは、反応管の直径は、照射されるべき反応物へのマイクロ波の侵入深度よりも小さい。特に直径は、侵入深度の1〜70%、特に5〜60%、例えば10〜50%である。その際、侵入深度とは、入射されたマイクロ波エネルギーが1/eに減衰する区間と理解される。
反応管ないし栓流反応器とは、ここでは、照射区域(照射区域とは、反応物がマイクロ波放射にさらされている、栓流反応器の部分と理解される)の長さの、直径に対する比率が5超、好ましくは10〜100000、特に好ましくは20〜10000、例えば30〜1000である照射容器と理解される。反応管ないし栓流反応器は、例えば、まっすぐに、または曲がって、さらには管コイルとして形成されていてもよい。特定の一実施形態では、例えば、本方法の温度調節およびエネルギー効率を高めるために、反応管は、二重管の形状で形成されており、その内部空間および外部空間を通して、反応混合物を順々に向流で導くことができる。その際、反応管の長さとは、反応混合物がマイクロ波場中で全体として貫流する区間と理解することができる。反応管は、その長さにわたり、少なくとも一つ、しかしながら、好ましくは複数の、例えば二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、またはそれ以上のマイクロ波放射器によって囲まれている。マイクロ波入射は、好ましくは、管ジャケットを介して行われる。さらなる好ましい一実施形態では、マイクロ波入射は、少なくとも一つのアンテナを利用して管末端を通して行われる。
反応管は、通例は、入口において、供給ポンプならびに圧力計を備えており、出口には圧力保持弁および熱交換器を備えている。好ましくは、反応混合物を、100℃未満、例えば、10〜90℃の温度の液状で、反応管に供給する。さらなる好ましい一実施形態では、ポリマー溶液およびカルボン酸ないしカルボン酸エステルを、反応管に流入させる直前にはじめて、場合によっては、例えば静的ミキサ、および/またはアルキメディアン・スクリューのような適した混合要素を利用して、および/または多孔性発泡体を貫流させることによって混合する。さらなる好ましい一実施形態では、ポリマー溶液およびカルボン酸ないしカルボン酸エステルを、反応管内において、例えば静的ミキサ、および/またはアルキメディアン・スクリューのような適した混合要素を利用して、および/または多孔性発泡体を貫流させることによってさらに均質化する。
管横断面、照射区域の長さ、流速、マイクロ波放射器の形状、入射されるマイクロ波電力、ならびにその際に達成される温度を変化させることにより、最高反応温度ができるだけ迅速に達成されるように反応条件を調整する。好ましい一実施形態では、副反応または連続反応ができるだけ起こらないように、最高温度での滞留時間を短く選択する。
好ましくは、連続式マイクロ波反応装置は、モノモードまたは準モノモードで運転される。その際、反応物の、照射区域内での滞留時間は、一般的には、20分未満、好ましくは0.01秒〜10分、好ましくは0.1秒〜5分、例えば一秒〜3分である。反応をより完全にするためには、反応物が、場合によっては中間冷却後に、照射区域を数回にわたって貫流してもよい。
特に好ましい一実施形態では、反応物のマイクロ波照射は、その長軸がモノモードマイクロ波アプリケータ中のマイクロ波伝播方向にある反応管内で行われる。その際、照射区域の長さは、好ましくは少なくとも半波長、特に好ましくは、使用されるマイクロ波放射の波長の少なくとも一倍、および最高20倍、特に2〜15倍、例えば3〜10倍である。この形状により、管の長軸に平行して伝播するマイクロ波の、複数の、例えば二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、またはそれ以上の連続する極大からなるエネルギーが、反応物に伝送され、それにより、本方法のエネルギー効率が、明らかに改善される。
反応物のマイクロ波照射は、好ましくは、マイクロ波発生器と連結された、マイクロ波アプリケータとして機能する中空導波管内に存在する、おおむねマイクロ波透過性のまっすぐな反応管の中で行われる。好ましくは、反応管は、この中空導波管の中央対称軸と軸方向に一直線に並ぶ。この中空導波管は、好ましくは、空洞共振器として形成されている。好ましくは、空洞共振器の長さは、その中に定在波が形成されるような寸法である。さらに好ましくは、中空導波管内で吸収されなかったマイクロ波は、その末端部で反射される。マイクロ波アプリケータを反射型の共振器として形成することによって、発生器から供給される出力が同じ場合の電場強度の局所的な上昇、およびエネルギー利用の上昇が達成される。
空洞共振器は、好ましくは、E01nモードで運転され、ただし、nは、整数を意味し、共振器の中央対称軸に沿ったマイクロ波場の極大の数を示す。この運転では、電場は、空洞共振器の中央対称軸の方向に合っている。電場は、中央対称軸の領域で最大値を有し、ジャケット表面へ向かって値0へと低下する。この場配位は、中央対称軸の周りに回転対称に存在する。nが整数である長さの空洞共振器を使用することによって、定在波の形成が可能になる。反応管を通る反応物の所望の流動速度、共振器内で必要とされる温度および滞留時間に応じて、共振器の長さは、使用されるマイクロ波照射の波長に相関的に選択される。好ましくは、nは、1〜200の、特に好ましくは2〜100の、特に3〜50の、特に4〜20の整数、例えば、三、四、五、六、七、八、九、または十である。
空洞共振器のE01nモードは、英語ではTM01nモード(横方向磁気)とも呼ばれ、例えば、K. Lange, K.H. Loecherer、Taschenbuch der Hochfrequenztechnik”、第2巻、K21ページ以降を参照されたい。
マイクロ波アプリケータとして機能する中空導波管へのマイクロ波エネルギーの入射は、適した寸法の孔またはスリットを介して行うことができる。本発明の方法の特定の一実施形態では、反応物のマイクロ波照射は、マイクロ波の同軸遷移を伴う中空導波管内に存在する反応管内で行われる。この方法のために特に好ましいマイクロ波装置は、空洞共振器、空洞共振器へマイクロ波場を入射するための結合装置から、および共振器を通して反応管を貫通案内するための、向かい合う二つの端壁にあるそれぞれ一つの開口部とで構成されている。空洞共振器へのマイクロ波の入射は、好ましくは、空洞共振器へと突出する結合ピンを介して行われる。好ましくは、結合ピンは、結合アンテナとして機能する、好ましくは金属製の内部導体管として形成されている。特に好ましい一実施形態では、この結合ピンが、端壁の開口部の一つを通って空洞共振器へと突出する。特に好ましくは、反応管は、同軸遷移の内部導体管に接続し、特に、その空洞を通って、空洞共振器へと導かれる。好ましくは、反応管は、空洞共振器の中央対称軸と軸方向に一直線に並び、そのためには、空洞共振器が、好ましくは、向かい合う二つの端壁において、反応管を貫通案内するための、それぞれ一つの中央開口部を有する。
結合ピン、ないし結合アンテナとして機能する内部導体管への、マイクロ波の供給は、例えば、同軸結合ケーブルを利用して行うことができる。好ましい一実施形態では、マイクロ波場は、中空導波管を介して共振器へと供給され、ただし、空洞共振器から突き出る、結合ピンの末端部は、中空導波管の壁に存在する開口部を通り中空導波管へ導入されており、中空導波管からマイクロ波エネルギーを取り出し、共振器へと結合する。
特定の一実施形態では、反応物のマイクロ波照射は、マイクロ波の同軸遷移を伴うE01n円形中空導波管内に軸対称に存在する、マイクロ波透過性反応管内で行われる。その際、反応管は、結合アンテナとして機能する内部導体管の空洞を通して空洞共振器へと導かれる。さらなる好ましい一実施形態では、塩のマイクロ波照射は、マイクロ波の軸供給を伴うE01n空洞共振器を通って導かれるマイクロ波透過性反応管内で行われ、ただし、空洞共振器の長さは、n=2またはそれ以上のマイクロ波場極大が形成されるような寸法である。さらなる好ましい一実施形態では、反応混合物のマイクロ波照射は、マイクロ波の軸供給を伴うE01n空洞共振器を通って導かれるマイクロ波透過性反応管内で行われ、ただし、空洞共振器の長さは、n=2またはそれ以上のマイクロ波場極大を有する定在波が形成されるような寸法である。さらなる好ましい一実施形態では、反応物のマイクロ波照射は、マイクロ波の同軸遷移を伴う円形シリンダ形状E01n空洞共振器内に軸対称に存在するマイクロ波透過性反応管内で行われ、ただし、空洞共振器の長さは、n=2またはそれ以上のマイクロ波場極大が形成されるような寸法である。さらなる好ましい一実施形態では、反応混合物のマイクロ波照射は、マイクロ波の同軸遷移を伴う円形シリンダ形状E01n空洞共振器内に軸対称に存在するマイクロ波透過性反応管内で行われ、ただし、空洞共振器の長さは、n=2またはそれ以上のマイクロ波場極大を有する定在波が形成されるような寸法である。
本発明による方法に特に適したE01空洞共振器は、好ましくは、使用されるマイクロ波放射の少なくとも半波長に対応する直径を有する。好ましくは、空洞共振器の直径は、使用されるマイクロ波放射の半波長の1.0〜10倍、特に好ましくは1.1〜5倍、特に2.1〜2.6倍である。好ましくは、E01空洞共振器は、円形の横断面を有し、E01円形中空導波管とも呼ばれる。特に好ましくは、空洞共振器は、シリンダ形状、特に円形シリンダ形状を有する。
本発明による方法を連続的に実施する場合、反応混合物は、照射区域を離れる際に、まだ化学平衡状態にないことがよくある。それゆえ、好ましい一実施形態では、照射区域を通過後に、反応混合物を、直接に、つまり中間冷却せずに、等温反応区間へと移行させ、その中で反応混合物を一定時間さらに反応温度に保つ。等温反応区間を離れてからはじめて、反応混合物を、場合によっては緩和して冷却する。照射区域から等温反応区間への直接移行とは、照射区域と等温反応区間との間に、熱を供給、特に搬出するための能動的措置がとられないことと理解される。好ましくは、照射区域を離れてから等温反応区間へ流入するまでの温度差は、±30℃未満、好ましくは±20℃未満、特に好ましくは±10℃未満、特に±5℃未満である。特定の一実施形態では、等温反応区間へと流入する際の反応物の温度は、照射区域を離れる際の温度に対応する。この変形実施形態は、部分的な過熱なしに、所望の反応温度へと反応物が迅速かつ適切に加熱されること、次いでこの反応温度で一定時間滞留することを可能にする。この実施形態では、反応物を、好ましくは、等温反応区間を離れた後すぐにできるだけ迅速に、120℃未満、好ましくは100℃未満、特に60℃未満の温度に冷却する。
等温反応区間としては、照射区域内で調整された温度での反応混合物の滞留を可能にする、化学的に不活性なすべての容器が考慮の対象になる。等温反応区間とは、等温反応区間内での反応混合物の温度が、入口温度に対して、±30℃、好ましくは±20℃、特に好ましくは±10℃、特に±5℃で一定に維持されると理解される。したがって、反応混合物は、等温反応区間を離れる際には、等温反応区間に流入する際の温度から、最大限±30℃、好ましくは±20℃、特に好ましくは±10℃、特に±5℃異なる温度を有する。
連続的に運転される撹拌容器および容器カスケードのほかに、特に、管が、等温反応区間として適している。この反応区間は、それらの材料が選択された温度条件および圧力条件下では機械的に安定かつ化学的に不活性であるという条件付きで、例えば金属、セラミックス、ガラス、水晶、またはプラスチックのような様々な材料からなってもよい。その際、特に実証されたのは、断熱容器であった。等温反応区間内での反応物の滞留時間は、例えば、等温反応区間の体積によって調整することができる。撹拌容器および容器カスケードを使用する場合は、容器の充填率を介して滞留時間を調整することが、同様に有効であると実証された。好ましい一実施形態では、等温反応区間は、能動的または受動的な混合要素を備える。
好ましい一実施形態では、等温反応区間として管が使用される。それは、マイクロ波透過性反応管の、照射区域に接続する延長部であっても、さらには、反応管と結合している、同一または異なる材料からなる別個の管であってもよい。管の長さ、および/またはその横断面を介して、所与の流速において、反応物の滞留時間を決定することができる。等温反応区間として機能する管は、もっとも単純な場合には断熱されているため、反応物が等温反応区間に流入する際に優勢な温度が、上記の範囲内で維持される。しかしながら例えば熱担持体ないし冷却媒体を利用して、等温反応区間内で、適切に反応物にエネルギーを供給すること、または反応物からエネルギーを搬出することもできる。この実施形態は、特に、装置ないし方法をスタートするために有効であると実証された。つまり、この等温反応区間は、例えば、管コイルとして、または管束として形成されていてもよく、それらは加熱浴または冷却浴中に存在するか、または二重管の形状で加熱媒体もしくは冷却媒体の作用を受ける。等温反応区間は、反応物がもう一度マイクロ波で処理されるさらなるマイクロ波アプリケータ内に存在することも可能である。その際、モノモード同様にマルチモードで作用するアプリケータも、使用可能である。
等温反応区間内での反応物の滞留時間は、好ましくは、優勢な条件によって定められる熱平衡状態が達成されるように査定されている。通例は、滞留時間は、1秒〜10時間、好ましくは10秒〜2時間、特に好ましくは20秒〜60分、例えば30秒〜30分である。さらに好ましくは、反応物の、等温反応区間内での滞留時間の、照射区域内での滞留時間に対する比率は、1:2〜100:1、特に好ましくは1:1〜50:1、特に1:1.5〜10:1である。
特に高い反応率を達成するためには、多くの場合に、得られた反応生成物を改めてマイクロ波照射にさらすことが有効であると実証され、ただし、場合によっては、使用される反応体の割合が、消費された、または不足の原料だけ補足されてもよい。
本発明による方法は、ヒドロキシル基担持ポリマー、特に、ポリビニルアルコールの、カルボン酸ないしカルボン酸エステルによるポリマーアナログ修飾を、連続的な方法同様に非連続的な方法でも、それゆえ工業的に興味をひく量で可能にする。その際、水ないし低級アルコールのほかには、処分されるべき、環境に負担をかける副産物は生成しない。本発明による方法のもう一つの利点は、ポリマーアナログ縮合反応を水性溶液中で行うことが可能であるという意外な観察にあるが、それというのも、水はヒドロキシル基担持ポリマーにとって最も適した溶媒である上に生態学的知見からも有利であるからである。ある種の極性有機溶媒の添加により、場合によっては本方法の経過中に起こる粘性上昇に対抗することが可能であって、あまり水溶性でないカルボン酸ないしそれらのエステルとの反応が容易になる。ヒドロキシル基担持ポリマーA)とカルボン酸B1)ないしカルボン酸エステルB2)との間の粘度差および溶解度差にもかかわらず、反応混合物は、ポリマーの全鎖長にわたって、カルボン酸残基の均質な分布をもたらすことから、本発明による方法は、特に、ヒドロキシル基担持ポリマーの部分エステル化に適している。その際、本発明による方法は、その鎖長に沿って統計的に修飾された生成物の、再現性のある製造を可能にする。本発明による方法のために工業的な量で提供される、多数のカルボン酸およびカルボン酸エステルは、幅広い修飾可能性を開く。本発明の方法によると、カルボン酸の適した選択により、例えば、ポリマーの膨潤挙動、水溶性、ないし有機溶媒への溶解度、異なる極性基材への粘着、機械強度、および熱安定性を意図的に修飾することができる。つまり、例えば、炭化水素残基担持脂肪族カルボン酸B1)ないしカルボン酸エステルB2)との反応によって、ポリマーの水溶性および吸湿性が低下すると同時に、特に内部可塑化のような機械特性が改善される。本発明の方法によって修飾されたポリマーは、多面的に使用可能であって、例えば、繊維用糊、接着材料、乳化剤、安全ガラスおよびプラスチック用のラミネート加工、紙コーティング、ラテックス用の増粘剤、肥料の結合剤として、例えば自己溶解性の包装用フィルムとしてのような水溶性フィルム同様に非水溶性フィルムとして、インクおよびコンクリートへの添加剤として、ならびに一時的な、水により除去可能な表面保護として適している。
非連続式マイクロ波照射は、Biotage社の「Initiator(登録商標)」型のシングルモードマイクロ波反応装置において、2.45GHzの周波数で行われた。温度測定は、IRセンサにより行った。反応容器としては、容積が20mlの、閉鎖型耐圧ガラスキュベット(Druckviole)を利用し、その中では磁気撹拌を用いて均質化した。
マイクロ波電力は、実験時間にわたって、それぞれ、反応物の所望の温度ができるだけ迅速に達成され、続いて実験内容に記載される時間にわたって一定に保たれるというように調整された。マイクロ波照射終了後には、ガラスキュベットを圧縮空気で冷却した。
反応混合物のマイクロ波連続照射は、シリンダ状空洞共振器(60x10cm)内に軸対称に存在した、酸化アルミニウム製の反応管(60x1cm)内で行われた。空洞共振器の前面のうちの一つにおいて、反応管は、結合アンテナとして機能する内部導体管の空洞を通って延在した。マグネトロンによって生み出された、周波数が2.45GHzのマイクロ波場は、結合アンテナを利用して、空洞共振器内に入射され(E01空洞アプリケータ;モノモード)、その中では定在波が形成された。等温反応区間を使用する場合には、加熱された反応混合物は、反応管を離れた直後に、断熱特殊鋼管(3.0mx1cm、別の記載がない限り)を通して運搬された。反応管を離れた後、ないし等温反応区間が使用される場合にはそれを離れた後、反応混合物は大気圧に緩和され、直ちに強力熱交換器を利用して記載の温度に冷却された。
マイクロ波電力は、実験時間にわたって、それぞれ、反応物の所望の温度が照射区域の末端で一定に保たれるというように調整された。したがって、実験内容で挙げるマイクロ波電力は、入射されるマイクロ波電力の時間的平均値を表す。反応混合物の温度測定は、照射区域を離れた後すぐに、Pt100温度センサを利用して行った。反応混合物によって直接吸収されなかったマイクロ波エネルギーは、結合アンテナに対向する、空洞共振器の前面において反射された。反応混合物により還流の際にも吸収されずマグネトロンの方向へと反射して戻されたマイクロ波エネルギーはプリズム系(循環装置)を利用して、水を含有する容器に導かれた。入射されたエネルギーとこの水負荷(Wasserlast)の加熱との間の差から、照射区域で入力されたマイクロ波エネルギーが算出された。
高圧ポンプおよび圧力逃し弁を利用して、反応管内の反応混合物に、すべての原料と生成物ないし縮合生成物を常に液状に維持するために十分であるような作業圧力をかけた。反応混合物を、装置を通して一定の流速で圧送し、反応管内での滞留時間を流動速度の変更により調整した。
反応生成物の分析は、H−NMR分光法を利用してCDCl中で500MHzにおいて行った。
ポリマーの溶解度決定は、以下のように製造された膜を用いて行った。Patentblau Vで染めた、6重量%のポリマー溶液(乾燥顔料に対して6重量%)100mlを、市販のフィルムキャスティングプレート(Filmgiessplatte)に注ぎ、この溶液を室温で2〜3日間空気乾燥させた。このポリマー膜から、およそ2x2cmの大きさの切片を切り取り、枠にはめ込んだ。この枠を、検査されるべき溶媒中に検査されるべき温度(例えば20℃の水)においてつるし、ゆっくりと撹拌しながら、膜が完全に溶解するまでの時間を測定した。膜が600秒(=10分)後にまだ完全には溶解しなかった場合、この膜は「不溶性」と見なされた。使用されたポリビニルアルコールの膜は、この条件下では不溶性であった。
例1:ヤシ脂肪酸によるポリ(ビニルアルコール)のエステル化
水8gおよびジメチルホルムアミド(DMF)6g中のポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)4−98、分子量27000g/mol;加水分解度98%)3g、p−トルエンスルホン酸30mg、およびヤシ脂肪酸2.3g(分子量230g/mol)からなる混合物15mlを、非連続式マイクロ波反応装置内で190℃の温度に加熱すると、圧力はおよそ18barになった。熱平衡が達成された後に(およそ1分後)、10分間、さらなるマイクロ波照射下に、この温度およびこの圧力において維持した。マイクロ波照射終了後に、反応混合物を室温に冷却し、触媒を炭酸水素塩溶液で中和した。
反応生成物は、粘度の低い、均質な無色溶液だった。溶媒を蒸発させ、残渣をメタノールで再沈殿させると、粘性の物質が結果として生じ、そのIRスペクトルは、ポリビニルアルコールのエステルに特徴的な、1735cm−1および1245cm−1におけるバンドを、使用されたポリビニルアルコールと比べて明らかに高い強度で示す。H−NMRスペクトルは、2.3ppmにおいて、エステルカルボキシル基に対してα位にあるメチレン基(−O−CO−C −)に特徴的なシグナルを示し、このシグナルは、単量体のヤシ脂肪酸と比べて明らかな、高分子構造には通例の、拡張を示す。このシグナルを積分し、3.5と4.3ppmとの間にある、ポリマー骨格のメチンプロトンのシグナルと比較することにより、ポリマーのヒドロキシル基の、およそ10mol%というエステル化度が決定され、それは使用されたヤシ脂肪酸の転化率65mol%に相当する。
このポリマーの水性溶液から注がれた膜は、原料と比べて明らかに高い可撓性を示した。
例2:コハク酸によるポリ(ビニルアルコール)のエステル化
水6gおよびイソプロパノール4g中のポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)4−88、分子量31000g/mol;加水分解度88%)4g、p−トルエンスルホン酸50mg、およびコハク酸0.4gからなる混合物10mlを、非連続式マイクロ波反応装置内で192℃の温度に加熱すると、圧力はおよそ20barになった。熱平衡が達成された後に(およそ1分後)、15分間、さらなるマイクロ波照射下に、この温度およびこの圧力において維持した。マイクロ波照射終了後に、反応混合物を室温に冷却し、触媒を炭酸水素塩溶液で中和した。
反応生成物は、粘性の、均質な無色乳白光性溶液だった。溶媒を蒸発させると、均質な、非粘着性膜が結果として生じ、そのIRスペクトルは、ポリビニルアルコールのエステルに特徴的な、1735cm−1および1245cm−1におけるバンドを、使用されたポリビニルアルコールと比べて明らかに高い強度で示す。乾燥させた反応生成物をDMFまたはDMSO中に溶解する試みは失敗に終わり、そのことは、ポリビニルアルコールの予期された架橋を示唆する。使用されたポリマーの、換算しておよそ二倍量への膨潤のみを、数時間後に観察することができた。
例3:プロピオン酸によるポリ(ビニルアルコール)の連続式エステル化
ガス流入管、スターラー、内部温度計、および圧力補償器を備えた、10lのビュッヒ撹拌オートクレーブ中に、水5kgに溶かしたポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)4−98、分子量27000g/mol;加水分解度98%)2kgからなる溶液を置き、p−トルエンスルホン酸30gを混合し、55℃に温めた。この温度において、1時間にわたり、撹拌しながら、イソプロパノール1.1kgに溶かしたプロピオン酸0.9kg(12.3mol)の溶液を添加した。
そのように得られた反応混合物を、35barの作業圧力下に、反応管を通して5.0l/時で連続的に圧送し、2.1kWのマイクロ波電力にさらすと、そのうちの92%が反応物によって吸収された。照射区域内での反応混合物の滞留時間は、およそ48秒であった。照射区域を離れる際には、反応混合物は、202℃の温度を有し、この温度で直接に等温反応区間へと移された。等温反応区間の末端では、反応混合物は、186℃の温度を有した。反応区間を離れた後すぐに、反応混合物を室温に冷却し、炭酸水素塩溶液でpH4に調整した。
反応生成物は、粘度の低い、均質な無色溶液であった。真空中で溶媒を蒸発させると、粘性の物質が結果として生じた。H−NMRスペクトルは、2.6ppmの化学シフトにおいて、新たに加わった、−CH−基のシグナルを、拡張された多重項として示す。このシグナルの積分を、1.5〜1.8ppmにおける、ポリマー骨格のメチレンプロトンの積分と比較することにより、プロピオン酸エステルへの、ポリマーヒドロキシル基の19mol%の転化率が決定された。このことは、使用されたプロピオン酸を基準として、理論の71mol%の転化率に相当する。
水性溶液から注がれた、修飾ポリマーの膜は、冷水中で、410秒以内に完全に溶解した。示差走査熱量測定のダイアグラムでは、事実上、ポリ(ビニルアルコール)に典型的な、およそ200℃の範囲での吸熱溶融シグナル(Schmelzsignal)は、認識できなかった。このことは、修飾ポリマーの結晶性の激しい低下を示唆する。
例4:ヤシ脂肪酸メチルエステルによるポリ(ビニルアルコール)のエステル化
水8gおよびジメチルホルムアミド(DMF)6g中のポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)4−98、分子量27000g/mol;加水分解度98%)2g、p−トルエンスルホン酸45mg、およびヤシ脂肪酸メチルエステル2.4g(0.01mol)からなる混合物10mlを、非連続式マイクロ波反応装置内で190℃の温度に加熱すると、圧力はおよそ18barになった。熱平衡が達成された後に(およそ1分後)、十五分間、さらなるマイクロ波照射下に、この温度およびこの圧力において維持した。マイクロ波照射終了後に、反応混合物を室温に冷却し、触媒を炭酸水素塩溶液で中和した。
反応生成物は、粘度の低い、均質な無色溶液だった。溶媒を蒸発させると、粘性の物質が結果として生じた。そのプロトン共鳴スペクトルは、例1ですでに記載のように、エステル基に隣接するメチレン基のシグナルを2.3ppmにおいて示す。このシグナルの積分、および3.5と4.3ppmとの間にある、ポリマー骨格のメチンプロトンのシグナルと比較することにより、ポリ(ビニルアルコール)のヒドロキシル基の、16mol%という修飾度がもたらされ、それは使用されたヤシ脂肪酸メチルエステルの転化率72mol%に相当する。
このポリマーの水性溶液から注がれた膜は、原料と比べてまたも明らかに高い可撓性を示した。
例5:安息香酸によるポリ(ビニルアルコール)の連続式エステル化
ガス流入管、スターラー、内部温度計、および圧力補償器を備えた、10lのビュッヒ撹拌オートクレーブ中に、水6kgに溶かしたポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)8−88、分子量67000g/mol;加水分解度88%)1.5kgからなる溶液を置き、p−トルエンスルホン酸30gを混合し、55℃に温めた。この温度において、1時間にわたり、撹拌しながら、イソプロパノール1.0kgに溶かした安息香酸530gの溶液を添加した。
そのように得られた反応混合物を、35barの作業圧力下に、反応管を通して4.8l/時で連続的に圧送し、2.3kWのマイクロ波電力にさらすと、そのうちの90%が反応物によって吸収された。照射区域内での反応混合物の滞留時間は、およそ50秒であった。照射区域を離れる際には、反応混合物は、198℃の温度を有し、この温度で直接に等温反応区間へと移された。等温反応区間の末端では、反応混合物は、180℃の温度を有した。反応区間を離れた後すぐに、反応混合物を室温に冷却し、炭酸水素塩溶液でpH4に調整した。
反応生成物は、粘度の低い、均質な無色溶液であった。溶媒を蒸発させ、残渣をエタノールから再沈殿させると、粘性の物質が結果として生じ、そのIRスペクトルは、ポリビニルアルコールのエステルには特徴的な、1735cm−1および1245cm−1におけるバンドを、使用されたポリビニルアルコールと比べて高い強度で示す。H−NMRスペクトルは、7.5および8.0ppmの化学シフトにおいて、ポリマーに結合した安息香酸エステルと一致する幅広いシグナルを示す。8.0ppmにおけるシグナルの積分を、1.5〜1.8ppmにおける、ポリマー骨格のメチレンプロトンの積分と比較することにより、ポリマーヒドロキシル基の、11mol%という転化率が決定された。このことは、使用された安息香酸を基準として、理論の75mol%の転化率に相当する。
例6:m−スルホ安息香酸、Na塩によるポリ(ビニルアルコール)の連続式エステル化
ガス流入管、スターラー、内部温度計、および圧力補償器を備えた、10lのビュッヒ撹拌オートクレーブ中に、水6kgに溶かしたポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)8−88、分子量67000g/mol;加水分解度88%)1.5kgからなる溶液を置き、硫酸30g(97%)を混合し、55℃に温めた。この温度において、1時間にわたり、撹拌しながら、イソプロパノール0.5kgおよび水0.5kgからなる混合物に溶かしたm−スルホ安息香酸、Na塩500gの溶液を添加した。
そのように得られた反応混合物を、35barの作業圧力下に、反応管を通して8l/時で連続的に圧送し、3.0kWのマイクロ波電力にさらすと、そのうちの95%が反応物によって吸収された。照射区域内での反応混合物の滞留時間は、およそ25秒であった。照射区域を離れる際には、反応混合物は、180℃の温度を有し、この温度で直接に等温反応区間へと移された。等温反応区間の末端では、反応混合物は、170℃の温度を有した。反応区間を離れた後すぐに、反応混合物を室温に冷却し、炭酸水素塩溶液でpH4に調整した。
反応生成物は、粘度の低い、均質な無色溶液であった。溶媒を蒸発させ、残渣をエタノールから再沈殿させると、粘性の物質が結果として生じ、そのIRスペクトルは、ポリビニルアルコールのエステルには特徴的な、1735cm−1および1245cm−1におけるバンドを、使用されたポリビニルアルコールと比べて高い強度で示す。

Claims (15)

  1. 一般式(I)
    Figure 2014506279
    の反復構造単位を有するヒドロキシル基担持ポリマーA)
    [式中、
    Dは、ポリマー骨格とヒドロキシル基との間の直接結合、C〜C−アルキレン基、C〜C12−アリーレン基、式−O−R−のオキシアルキレン基、式−C(O)−O−R−のエステル基、または式−C(O)−N(R)R−のアミド基、
    は、C〜C10−アルキレン残基、
    は、水素、または場合によっては置換されたC〜C10−アルキル残基、および
    nは、3〜5000の数を意味する]を、
    式(II)のカルボン酸B1)または式(III)のカルボン酸エステルB2)
    Figure 2014506279
    [式中、
    は、2〜50個のC原子を有する炭化水素残基を意味し、そして
    は、C〜C−アルキル残基を意味する]と、
    ヒドロキシル基担持ポリマーA)に式(II)のカルボン酸または式(III)のカルボン酸エステルの存在下および水の存在下にマイクロ波を照射し、反応混合物をマイクロ波照射により100℃を超える温度に加熱することによって、反応させる方法。
  2. ポリマーが、式(I)の構造単位に加えて、付加的に、さらなるエチレン性不飽和モノマーから誘導された構造単位を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 式(I)の構造単位が、ビニルアルコールから誘導される、請求項1および/または2に記載の方法。
  4. ポリマーが、式(I)の構造単位に加えて、酢酸ビニルから誘導された構造単位も含む、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  5. がアルキル残基である、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
  6. カルボン酸B1)またはカルボン酸エステルB2)が、少なくとも1種のカルボン酸と少なくとも1種のジカルボン酸からなる混合物であるか、または少なくとも1種のカルボン酸エステルと少なくとも1種のジカルボン酸エステルからなる混合物である、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
  7. 反応に使用される反応混合物が5〜98重量%の水を含有する、請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
  8. 反応に使用される反応混合物が5〜98重量%の、水および水と混合可能な1種または複数の有機溶媒からなる混合物を含有する、請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
  9. 溶媒混合物における水と混合可能な有機溶媒の割合が、1〜75重量である請求項8に記載の方法。
  10. 反応混合物が、マイクロ波照射により100℃を超える温度に加熱される、請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。
  11. ポリマーA)のエステル基担持コモノマー単位を、カルボン酸B1)またはカルボン酸エステルB2)とエステル変換させる、請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。
  12. マイクロ波照射が、マイクロ波透過性の高融点材料からなる栓流反応器中で行われる、請求項1〜11のいずれか一つに記載の方法。
  13. 反応管の長軸が、モノモードマイクロ波アプリケータ中のマイクロ波伝播方向にある、請求項1〜12のいずれか一つに記載の方法。
  14. マイクロ波アプリケータが、空洞共振器として形成されている、請求項1〜13のいずれか一つに記載の方法。
  15. 一般式(I)
    Figure 2014506279
    の反復構造単位を有するヒドロキシル基担持ポリマーA)
    [式中、
    Dは、ポリマー骨格とヒドロキシル基との間の直接結合、C〜C−アルキレン基、C〜C12−アリーレン基、式−O−R−のオキシアルキレン基、式−C(O)−O−R−のエステル基、または式−C(O)−N(R)R−のアミド基、
    は、C〜C10−アルキレン残基、
    は、水素、または場合によっては置換されたC〜C10−アルキル残基、および
    nは、3〜5000の数を意味する]と、
    式(II)のカルボン酸B1)または式(III)のカルボン酸エステルB2)
    Figure 2014506279
    [式中、
    は、2〜50個のC原子を有する炭化水素残基を意味し、そして
    は、C〜C−アルキル残基を意味する]
    との反応であって、ヒドロキシル基担持ポリマーA)に式(II)のカルボン酸または式(III)のカルボン酸エステルの存在下および水の存在下にマイクロ波を照射し、反応混合物をマイクロ波照射により100℃を超える温度に加熱する反応によって製造された、ヒドロキシル基担持ポリマーのエステル。
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