JP2014503172A - 改変髄膜炎菌fHBPポリペプチド - Google Patents

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Abstract

髄膜炎菌fHBPのH因子結合活性をその殺菌感受性から切り離すことができる。NMR研究によりfHBP/fH相互作用に関与する様々なアミノ酸残基を同定し、これらの残基の1つ以上を、fHに結合するその能力を低減または消去するようにfHBPにおいて改変する。一実施形態において、本発明のポリペプチドは、(a)配列番号4、5もしくは6のいずれか1つとの少なくともk%の同一性を有する、および/または配列番号4、5もしくは6のフラグメントを含むが;(b)上の表に列挙したアミノ酸残基の1つ以上が欠失されているか、または異なるアミノ酸によって置換されているアミノ酸配列を含む。

Description

この出願は、2009年10月27日に出願された米国仮特許出願第61/279,977号(この完全な内容は、全ての目的のために参考として本明細書に援用される)の利益を主張する。
本発明は、免疫処置および特に、N.meningitidis(髄膜炎菌)などのNeisseria属の病原菌によって引き起こされる疾患に対する免疫処置の分野のものである。
Neisseria meningitidisは、莢膜のあるグラム陰性細菌であり、これは、人口の約10%の上気道(upper respiratory tract)にコロニーを形成する。多糖ワクチンおよび結合体ワクチンを血清群A、C、W135およびYに対して利用できるが、莢膜多糖はヒトにおける自己抗原であるポリシアル酸のポリマーであるので、このアプローチを血清群Bに適用することはできない。血清群Bに対するワクチンを開発するために、外膜小胞(OMV)に含まれる表面に露出したタンパク質が用いられてきた。これらのワクチンは、血清殺菌性抗体応答を惹起し、疾患から保護するが、株交差保護(cross−strain protection)を誘導することはできない[1(非特許文献1)]。そのため、一部の研究者は、ワクチンにおいて使用するための特異的髄膜炎菌抗原に着目している[2(非特許文献2)]。
1つのそのような抗原が髄膜炎菌H因子結合タンパク質(fHBP)であり、これは、タンパク質「741」[参考文献3(特許文献1)における配列番号2535および2536;本明細書における配列番号1]、「NMB1870」、「GNA1870」[参考文献2(非特許文献2)に続いて、参考文献4〜6]、「P2086」、「LP2086」または「ORF2086」[7〜9]としても公知である。このリポタンパク質は、すべての髄膜炎菌血清群にわたって発現され、多数の髄膜炎菌株において見つけられている。fHBP配列は、3つのファミリーに分類されており[4](本明細書ではファミリーI、ファミリーIIおよびファミリーIIIと呼ぶ)、所与のファミリーに対して惹起される血清は、同じファミリー内では殺菌性であるが、他の2つのファミリーのうちの1つを発現する株に対しては活性でない、すなわち、ファミリー内交差保護はあるが、ファミリー間交差保護はないことが見出されている。
国際公開第99/57280号
Jodarら、Lancet(2002)359(9316):1499〜1508 Pizzaら、Science(2000)287:1816〜1820
fHに結合するfHBPの能力をその免疫原性から切り離すことにより改善された抗原が得られ得る。例えば、fHBP表面の重要なエピトープは、fH結合後、インビボの免疫系から隠される可能性がある。逆に言えば、ワクチン成分への宿主タンパク質の高親和性結合は、一部の被験体では、意図されたものでないワクチン接種後の結果につながる可能性がある。従って、本発明の目的は、野生型fHBPと比較して、殺菌性抗fHBP抗体を惹起する能力を維持しながらfHへの結合低減を示す改変fHBPを提供することである。
参考文献10によりfHBP/fH相互作用に重要な様々な残基が既に同定されている。例えば、2つの野生型グルタミン酸残基の変異により、fHに対するそのタンパク質の親和性が2桁低減した。しかし、参考文献10には、fHBPの免疫原活性に対するこれら変化の影響は開示されていなかった。しかし、本明細書において示すように、二重Glu変異体を発現する細菌は、野生型fHBPによって惹起される殺菌性抗体に対して感受性である。従って、fHBPのfH結合活性をその殺菌感受性から切り離すことができる。
完全長fHBPは、株MC58の場合、以下のアミノ酸配列(配列番号1)を有する:
Figure 2014503172
この配列は、fHBPファミリーI内のものである。成熟リポタンパク質には、配列番号1の最初の19のアミノ酸が無く(配列番号4)、ΔG形態のfHBPには最初の26のアミノ酸が無い(配列番号7)。
完全長fHBPは、株2996の場合、以下のアミノ酸配列(配列番号2)を有する:
Figure 2014503172
この配列は、fHBPファミリーII内のものである。成熟リポタンパク質には、配列番号1の最初の19のアミノ酸が無く(配列番号5)、ΔG形態のfHBPには最初の26のアミノ酸が無い(配列番号8)。
完全長fHBPは、株M1239の場合、以下のアミノ酸配列(配列番号3)を有する:
Figure 2014503172
この配列は、fHBPファミリーIII内のものである。成熟リポタンパク質には、配列番号1の最初の19のアミノ酸が無く(配列番号6)、ΔG形態のfHBPには最初の31のアミノ酸が無い(配列番号9)。
NMR研究によりfHBP/fH相互作用に関与する様々なアミノ酸残基を同定している。従って、配列番号4、5および6のそれぞれに従って番号付けした以下の残基の1つ以上を、fH/fHBP相互作用を阻害するように改変し得る。
Figure 2014503172
の印を付けた行が好ましい残基である。なぜなら、これらの残基は、参考文献10におけるX線研究によって定義されたfH結合部位中に存在しなかったからである。理論により拘束されることを望まないが、(i)X線結晶と比較してNMR実験中に存在するより自然な条件のため、および/または(ii)NMR研究にfHドメイン5を含めたため、これらの特別な(extra)残基を同定することができた。
参考文献11には、fHと相互作用する残基が改変されているfHBPタンパク質が開示されている。改変が提案される具体的なアミノ酸残基としては、38、41、42、43、44、80、82、84、85、89、91、92、115、116、117、118、119、120、126、128、129、130、131、134、197、199、201、202、203、207、209、218、220、221、223、224、237、239、241、246および248(配列番号4に従って番号付けしたものであり、参考文献11自体の番号付けより65少ない)が挙げられる。参考文献11における2つの好ましい残基は、Glu−218およびGlu−239である。なぜなら、これらの残基のアラニンへの変異は、タンパク質に「H因子結合のほぼ完全な除去」をもたらすからである。参考文献11に列挙されている残基は、(配列番号4のみを参照すると)次のように、本明細書に記載される残基と重複する:43、116、119、221および241。本発明のいくつかの実施形態において、ポリペプチドは、配列番号35を含まない。
従って、本発明はポリペプチドであって、(a)配列番号4、5もしくは6のいずれか1つとの少なくともk%の同一性を有する、および/または配列番号4、5もしくは6のフラグメントを含むが;(b)上の表に列挙したアミノ酸残基の1つ以上が欠失されているか、または異なるアミノ酸によって置換されているアミノ酸配列を含む、ポリペプチドを提供する。(a)のフラグメントは、(b)の該当する表中の残基を含む。ポリペプチドは、宿主動物への投与後、配列番号4、5または6からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドを認識することができる抗体を惹起することができる。ポリペプチドは、同じ実験条件下で、(b)の改変(単数または複数)を伴わない同じポリペプチドよりヒトH因子に対して低い親和性を有する。
従って、本発明はポリペプチドであって、(a)配列番号4との少なくともk%の同一性を有する、および/または配列番号4のフラグメントを含むが;(b)上の表に列挙したアミノ酸残基の1つ以上が欠失されているか、または異なるアミノ酸によって置換されているアミノ酸配列を含む、ポリペプチドも提供する。ポリペプチドは、宿主動物への投与後、配列番号4からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドを認識することができる抗体を惹起することができる。ポリペプチドは、同じ実験条件下で、(b)の改変(単数または複数)を伴わない同じポリペプチドよりヒトfHに対して低い親和性を有する。ポリペプチドは、同じ実験条件下で、配列番号4からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドよりヒトfHに対して低い親和性を有する。
同様に、本発明はポリペプチドであって、(a)配列番号5との少なくともk%の同一性を有する、および/または配列番号5のフラグメントを含むが;(b)上の表に列挙したアミノ酸残基の1つ以上が欠失されているか、または異なるアミノ酸によって置換されているアミノ酸配列を含む、ポリペプチドを提供する。ポリペプチドは、宿主動物への投与後、配列番号5からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドを認識することができる抗体を惹起することができる。ポリペプチドは、同じ実験条件下で、(b)の改変(単数または複数)を伴わない同じポリペプチドよりヒトfHに対して低い親和性を有する。ポリペプチドは、同じ実験条件下で、配列番号5からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドよりヒトfHに対して低い親和性を有する。
同様に、本発明はポリペプチドであって、(a)配列番号6との少なくともk%の同一性を有する、および/または配列番号6のフラグメントを含むが;(b)上の表に列挙したアミノ酸残基の1つ以上が欠失されているか、または異なるアミノ酸によって置換されているアミノ酸配列を含む、ポリペプチドを提供する。ポリペプチドは、宿主動物への投与後、配列番号6からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドを認識することができる抗体を惹起することができる。ポリペプチドは、同じ実験条件下で、(b)の改変(単数または複数)を伴わない同じポリペプチドよりヒトfHに対して低い親和性を有する。ポリペプチドは、同じ実験条件下で、配列番号6からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドよりヒトfHに対して低い親和性を有する。
k値は、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99または99を超えるものから選択し得る。k値は、好ましくは、90以上である。
(a)のフラグメントは、(b)の該当する表中の残基を含むが、その残基は、該当する配列番号の残基と比較したとき、欠失または置換されている。フラグメントは、一般に、少なくとも7アミノ酸長、例えば、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、24、26、28、40、45、50、55、60連続アミノ酸またはそれを超えるものである。フラグメントは、概して配列番号からのエピトープを含む。
いくつかの好ましい実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号4、5または6に比べて短縮されている、例えば、(配列番号7、8および9の場合のように)N末端においてポリ−グリシン配列を含めてポリ−グリシン配列まで短縮されている。従って、ポリペプチドは、上の表に列挙したアミノ酸残基の1つ以上が改変されている配列番号7、8または9のいずれか1つとの少なくともk%の同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。
fH親和性の低減は、理想的には少なくとも2倍低く(lower)、例えば、≧5倍、≧10倍、≧50倍、≧100倍などであり、fH結合が完全に消去され得る。fH/fHBP相互作用の親和性は、参考文献10に開示されている方法および試薬を使用して、例えば、固定化fHおよび50nMの可溶性fHBP(または逆に)を使用して表面プラズモン共鳴により、適切に評価することができる。
本発明は、改変fHBPアミノ酸配列を設計するための方法であって、該方法は、(i)出発アミノ酸配列を提供する工程であって、ここで該出発アミノ酸配列からなるか、または該出発アミノ酸配列を含むタンパク質は、ヒトH因子に結合することができる工程;(ii)ペアワイズ・アラインメント・アルゴリズムを用いて、上の表に示した配列番号4、5または6における残基と整列させるアミノ酸残基を該出発アミノ酸配列内で同定する工程;(iii)工程(ii)において同定したアミノ酸を欠失させることにより、または該アミノ酸を異なるアミノ酸で置き換えることにより、改変fHBPアミノ酸配列を提供する工程を含む、方法も提供する。工程(ii)および工程(iii)は1回以上繰り返すことができる。出発アミノ酸配列からなるか、または出発アミノ酸配列を含むタンパク質は、上記方法を行った後、同じタンパク質より高い親和性でヒトH因子に結合することができる。出発アミノ酸配列は、野生型の配列であり得、例えば、参考文献4、5、7、8、9、195、196、197、198、199、200および201に開示されている野生型または改変または人工fHBPアミノ酸配列のいずれかであり得る。例えば、出発アミノ酸配列は、本明細書における配列番号1から9または20から22のいずれかであり得る。
本発明は、この方法によって設計された改変fHBPアミノ酸配列を含むポリペプチドも提供する。ポリペプチドは、免疫原性であり、ヒトH因子に結合することができる。
改変
本発明のポリペプチドは、表に列挙したアミノ酸残基の1つ以上、例えば2、3、4、5つまたは5つより多くの残基での改変を含む。
表に示した残基は、欠失されているか、または異なるアミノ酸によって置換されている。例えば、Asp−37は、他の19の天然に存在するアミノ酸のいずれかによって置換され得る。置換を行うとき、いくつかの実施形態では、置き換えアミノ酸が、単純なアミノ酸、例えばグリシンまたはアラニンであり得る。他の実施形態では、置き換えアミノ酸は、非保存的である。保存的置換は、次の4群にて行うことができる:(1)酸性、すなわち、アスパルテート、グルタメート;(2)塩基性、すなわち、リシン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性、すなわち、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;および(4)非荷電極性、すなわち、グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシン。いくつかの実施形態では、アラニンによる置換が好ましい。
1つより多くの改変を行うとき、それらの改変を以下のA〜D群より選択し得る:
A:残基112、116、119、122および/または127
B:残基43、45、56および/または83
C:残基211、219、221および/または241
D:残基139、141、142、143および/または198。
従って、例えば、残基112を改変すべき場合に改変に好ましい第二残基は、116、119、122または127であり、残基43を改変すべき場合に改変に好ましい第二残基は、45、56または83である、などである。
シデロホア結合
fHBPは、シデロカリンとの構造相同性を示す。シデロカリンは、エンテロバクチン(細菌シデロホア)に結合することができる。本明細書に示すように、fHBPもエンテロバクチンに結合することができる。従って、本発明は、Neisseria(例えば、髄膜炎菌)fHBPとシデロホアとの複合体を提供する。
シデロホアは、鉄をキレート化することができるシデロホア内のリガンドによって通常は分類される。シデロホアは、カテコーラート、ヒドロキサマートまたはカルボキシラートであり得る。いくつかの実施形態において、シデロホアは、クエン酸ではない。シデロホアをフェリクロム、デスフェリオキサミンB、デスフェリオキサミンE、フサリニンC、オルニバクチン、エンテロバクチン、バシリバクチン、ビブリオバクチン、アゾトバクチン、ピオベルジン、アエロバクチン、サルモケリンまたはエルシニアバクチンから選択することができる。シデロホアは、好ましくはサルモケリンまたはさらに好ましくはエンテロバクチンである。
シデロホアは、キレート化鉄(Fe3+)イオン、例えばFe3+の六配位八面体錯体、を通常は含む。しかし、鉄ではなく、いくつかの実施形態ではシデロホアがアルミニウム、ガリウム、クロム、銅、亜鉛、鉛、マンガン、カドミウム、バナジウム、インジウム、プルトニウムまたはウランのキレート化イオンを含み得る。
本発明は、ポリペプチドであって、(a)配列番号4、5もしくは6のいずれか1つとの少なくともk%の同一性を有する、および/または配列番号4、5もしくは6のフラグメントを含み、(b)宿主動物への投与後、配列番号4、5または6からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドを認識することができる抗体を惹起することができるが、(c)エンテロバクチンに結合しないアミノ酸配列を含む、ポリペプチドも提供する。kの値およびフラグメントの長さは、上記で定義される。
このポリペプチドは、配列番号4と比較して、アミノ酸102、136−138、148−154、166、205、230および254の1つ以上に変異を有し得る。従って、ペアワイズ・アラインメント・アルゴリズムを用いて配列番号4におけるこれらの残基の1つ以上と整列させるポリペプチド内のアミノ酸は、配列番号4におけるアミノ酸残基とは異なる。例えば、Lys−254は、非Lys残基によって(例えばアラニンによって)置き換えられ得る。従って、本発明は、例えば、配列番号29、30、31および32のいずれかを含むポリペプチドを提供する。
本発明は、改変fHBPアミノ酸配列を設計するための方法であって、該方法は、(i)出発アミノ酸配列を提供する工程であって、ここで該出発アミノ酸配列からなるか、または該出発アミノ酸配列を含むタンパク質は、ヒトH因子およびシデロホアに結合することができる工程;(ii)シデロホアと相互作用するアミノ酸残基を該出発アミノ酸配列内で同定する工程;(iii)工程(ii)において同定したアミノ酸を欠失させることにより、または該アミノ酸を異なるアミノ酸で置き換えることにより、改変fHBPアミノ酸配列を提供する工程を含む、方法も提供する。出発アミノ酸配列は、配列番号4、5または6のいずれか1つとの少なくともk%の同一性を有し得る。
ポリペプチド
本発明のポリペプチドは、様々な手段により、例えば化学合成により(少なくとも一部分)、プロテアーゼを使用してより長いポリペプチドを消化することにより、RNAからの翻訳により、細胞培養物からの(例えば、組換え発現からのまたはN.meningitidis培養物からの)精製などにより調製することができる。E.coli宿主における異種発現は、好ましい発現経路である。
fHBPは、天然にはN.meningitidisにおけるリポタンパク質である。E.coliにおいて発現されるとその天然リーダー配列で脂質付加されることも判っている。本発明のポリペプチドは、脂質付加され得るN末端システイン残基を有することがある、例えば、パルミトイル基を含み、通常はトリパルミトイル−S−グリセリル−システインを形成している。他の実施形態において、前記ポリペプチドは、脂質付加されない。
ポリペプチドは、好ましくは、実質的に純粋なもしくは実質的に単離された形態(すなわち、他のNeisseriaもしくは宿主細胞ポリペプチドが実質的に無い)または実質的に単離された形態で調製される。一般に、ポリペプチドは、天然に存在しない環境に提供される、例えば、それらは、それらの天然に存在する環境から分離される。一定の実施形態において、本ポリペプチドは、対照と比較して該ポリペプチドが豊富に存在する組成物で存在する。従って、精製されたポリペプチドを提供し、この場合の精製されたとは、そのポリペプチドが、他の発現ポリペプチドが実質的に無い組成物で存在することを意味し、実質的に無いとは、組成物の90%未満、通常は60%未満およびさらに通常は50%未満を他の発現ポリペプチドが構成することを意味する。
ポリペプチドは、様々な形態(例えば、天然、融合、グリコシル化、非グリコシル化、脂質付加、ジスルフィド架橋など)をとる場合がある。
配列番号4から9は、N末端メチオニンを含まない。本発明のポリペプチドを生物学的宿主における翻訳によって生産する場合には開始コドンを必要とし、これは、殆どの宿主においてN末端メチオニンを提供する。従って、本発明のポリペプチドは、少なくとも発生期には、その配列番号の配列の上流にメチオニン残基を含むであろう。
いくつかの実施形態において、前記ポリペプチドは、N末端に単一のメチオニン、そのすぐ後に前記配列番号の配列を有し;他の実施形態では、より長い上流配列を用いることがある。そのような上流配列は、短い(例えば、40以下のアミノ酸、すなわち、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1)こともある。例としては、タンパク質輸送を指示するリーダー配列、またはクローニングもしくは精製を助長する短いペプチド配列(例えば、ヒスチジンタグ、すなわち、His(この場合、n=3、4、5、6、7、8、9、10またはそれを超える))が挙げられる。他の適するN末端アミノ酸配列は、当業者に明らかであろう(例えば、配列番号1、2および3に存在する天然の上流配列)。
本発明のポリペプチドは、前記配列番号の配列の最後のアミノ酸の下流にアミノ酸を含むこともある。そのようなC末端伸長部は、短い(例えば、40以下のアミノ酸、すなわち、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1)ことがある。例としては、タンパク質輸送を指示する配列、クローニングを助長する短鎖ペプチド配列もしくは精製を助長する短鎖ペプチド配列(例えば、ヒスチジンタグ、すなわち、His(この場合、n=3、4、5、6、7、8、9、10またはそれを超える)、を含むもの)、またはポリペプチド安定性を強化する配列が挙げられる。他の適するC末端アミノ酸配列は、当業者に明らかであろう。
用語「ポリペプチド」は、任意の長さのアミノ酸ポリマーを指す。前記ポリマーは、線状であるまたは分岐していることがあり、修飾アミノ酸を含むことがあり、および非アミノ酸によって中断されていることもある。この用語は、天然に修飾されている、あるいは介入によって修飾されている(例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質付加、アセチル化、リン酸化、または任意の他の操作もしくは改変、例えば標識成分との結合体化)アミノ酸ポリマーも包含する。例えば、当該技術分野において公知の他の改変ばかりでなく、アミノ酸の1つ以上のアナログ(例えば、非天然アミノ酸などを含む)を含有するポリペプチドも、この定義の中に含まれる。ポリペプチドは、一本鎖として存在する場合もあり、または会合鎖として存在する場合もある。
本発明のポリペプチドを固体支持体に取り付けるまたは固定することができる。
本発明のポリペプチドは、検出可能標識、例えば放射性標識、蛍光標識、またはビオチン標識、を含み得る。これは、免疫学的検定法に特に有用である。
参考文献199に開示されているように、fHBPを、A、BおよびCと呼ばれる3つのドメインに分割することができる。配列番号1を例にとると、3つのドメインは、(A)1〜119、(B)120〜183および(C)184〜274である:
Figure 2014503172
成熟形態のドメイン「A」、そのN末端のCys−20からLys−119まで、を「A成熟」と呼ぶ。多数のfHBP配列が公知であり、標準的な方法を用いてこれらを容易に整列することができる。そのようなアラインメントにより、当業者は、(a)MC58配列内の座標との比較により、任意の所与のfHBP配列内のドメイン「A」(および「A成熟」)、「B」および「C」を、ならびに(b)例えば置換を同定するために、多数のfHBP配列内の単一残基を同定することができる。しかし、参照を容易にするために、それらのドメインを下に定義する:
− 所与のfHBP配列内のドメイン「A」は、ペアワイズ・アラインメント・アルゴリズムを用いて配列番号1に整列したとき、配列番号1のMet−1に整列されたアミノ酸で開始し、配列番号1のLys−119に整列されたアミノ酸で終わるその配列のフラグメントである。
− 所与のfHBP配列内のドメイン「A成熟」は、ペアワイズ・アラインメント・アルゴリズムを用いて配列番号1に整列したとき、配列番号1のCys−20に整列されたアミノ酸で開始し、配列番号1のLys−119に整列されたアミノ酸で終わるその配列のフラグメントである。
− 所与のfHBP配列内のドメイン「B」は、ペアワイズ・アラインメント・アルゴリズムを用いて配列番号1に整列したとき、配列番号1のGlu−120に整列されたアミノ酸で開始し、配列番号1のGly−183に整列されたアミノ酸で終わるその配列のフラグメントである。
− 所与のfHBP配列内のドメイン「C」は、ペアワイズ・アラインメント・アルゴリズムを用いて配列番号1に整列したとき、配列番号1のLys−184に整列されたアミノ酸で開始し、配列番号1のGln−274に整列されたアミノ酸で終わるその配列のフラグメントである。
前記ドメインを定義するために好ましいペアワイズ・アラインメント・アルゴリズムは、デフォルトパラメータを用いる(例えば、EBLOSUM62スコア行列を用いて、ギャップ開始ペナルティ=10.0、およびギャップ伸長ペナルティ=0.5での)、Needleman−Wunshグローバル・アラインメント・アルゴリズム[12]である。このアルゴリズムは、EMBOSSパッケージの中のneedleツールで適便に実行される[13]。
いくつかの実施形態において、本発明のポリペプチドは、そのドメインAを除去するように短縮される、すなわちドメインAがSEQ IDから省かれる。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、N末端の10個までのアミノ酸(すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10)および/またはC末端の10個までのアミノ酸(すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10)が欠失されることを除いて、上で説明したとおりのアミノ酸配列を含む。
核酸
本発明は、上で定義したとおりの本発明のポリペプチドをコードする核酸を提供する。
本発明の核酸は、多くの方法で、例えば、全部または一部分、化学合成(例えば、DNAのホスホルアミダイト合成)によって、ヌクレアーゼ(例えば、制限酵素)を使用する、より長い核酸の消化によって、(例えば、リガーゼまたはポリメラーゼを使用して)より短い核酸またはヌクレオチドを接合させることによって、ゲノムまたはcDNAライブラリーから、等々、調製することができる。
本発明の核酸は、様々な形態、例えば、一本鎖形態、二本鎖形態、ベクター形態、プライマー形態、プローブ形態、標識形態、未標識形態などをとる場合がある。
本発明の核酸は、好ましくは、単離されたまたは実質的に単離された形態である。
用語「核酸」は、DNAおよびRNA、ならびにまたそれらの類似体、例えば改変された主鎖を含有するもの、ならびにまたペプチド核酸(PNA)などを含む。
本発明による核酸を、例えば放射性または蛍光標識で、標識することができる。
本発明は、本発明のヌクレオチド配列を含む(プラスミドなどの)ベクター(例えば、クローニングベクターまたは発現ベクター、例えば核酸免疫処置に適するもの)、およびそのようなベクターで形質転換された宿主細胞も提供する。
殺菌性応答
本発明の好ましいポリペプチドは、髄膜炎菌に対して殺菌性である抗体応答を惹起することができる。殺菌性抗体応答は、マウスで適便に測定され、ワクチン効力の標準指標である(例えば、参考文献2の文末脚注14を参照のこと)。本発明のポリペプチドは、好ましくは、以下の3群の株のうちの少なくとも1つにおける少なくとも1つのN.meningitidis株に対して殺菌性である抗体応答を惹起することができる:
Figure 2014503172
例えば、ポリペプチドは、血清群B N.meningitidis株MC58、gb185およびNZ394/98に対して有効な殺菌性応答を惹起することができる。
免疫処置
本発明のポリペプチドは、免疫原性組成物の活性成分として使用することができ、そのため本発明は、本発明のポリペプチドを含む免疫原性組成物を提供する。
本発明は、哺乳動物において抗体応答を高めるための方法も提供し、この方法は、本発明の免疫原性組成物を該哺乳動物に投与することを含む。前記抗体応答は、好ましくは、保護性抗体応答および/または殺菌性抗体応答である。本発明は、そのような方法において使用するための本発明のポリペプチドも提供する。
本発明は、本発明の免疫原性組成物を哺乳動物に投与することを含む、Neisseria(例えば、髄膜炎菌)感染症から哺乳動物を保護するための方法も提供する。
本発明は、医薬として(例えば、免疫原性組成物として、もしくはワクチンとして)または診断用試薬として使用するための本発明のポリペプチドを提供する。本発明は、哺乳動物におけるNeisseria(例えば髄膜炎菌)感染症を予防するための医薬の製造における本発明の核酸、ポリペプチドまたは抗体の使用も提供する。
前記哺乳動物は、好ましくはヒトである。前記ヒトは、成人または好ましくは小児であり得る。前記ワクチンが予防用のものである場合、前記ヒトは、好ましくは小児(例えば、幼児(toddler)または乳児)であり、前記ワクチンが治療用のものである場合、前記ヒトは、好ましくは成人である。小児のために意図されたワクチンを、例えば安全性、投薬量、免疫原性などを評価するために、成人に投与することもできる。
前記使用および方法は、髄膜炎(特に、細菌性、例えば髄膜炎菌性、髄膜炎)および菌血症をはじめとする(しかしこれらに限定されない)疾患の予防/処置に特に有用である。
治療的処置の効力は、本発明の組成物の投与後にNeisseria感染をモニターすることによって試験することができる。予防的処置の効力は、前記組成物投与後にfHBPに対する免疫応答をモニターすることによって試験することができる。本発明の組成物の免疫原性は、それらを試験被験体(例えば、小児12〜16月齢、または動物モデル[14])に投与し、その後、血清殺菌性抗体(SBA)およびELISA力価(GMT)をはじめとする標準的なパラメータを測定することによって、決定することができる。これらの免疫応答を一般に組成物投与から約4週間後に測定し、その組成物の投与前に測定した値と比較することとなる。少なくとも4倍または8倍のSBA増加が好ましい。組成物の1回より多い用量を投与する場合、投与後測定を1回より多く行ってもよい。
本発明の好ましい組成物は、許容可能な割合のヒト被験体についての各抗原性成分に対する血清保護(seroprotection)の基準を超える抗体力価を患者に付与することができる。それより上だと宿主をその抗原に対して血清変換させると考えられる関連抗体力価を有する抗原は周知であり、そのような力価は、WHOなどの機関によって公表されている。好ましくは、被験体の統計的に有意なサンプルの80%より多く、さらに好ましくは90%より多く、さらにいっそう好ましくは93%より多く、および最も好ましくは96〜100%を血清変換させる。
本発明の組成物は、一般に、患者に直接投与されることとなる。直接送達は、非経口注射によって(例えば、皮下的に、腹腔内的に、静脈内的に、筋肉内的に、もしくは組織の間質腔に)、または直腸投与(rectal administration)、経口投与、膣投与(vaginal administration)、局所投与、経皮投与、鼻腔内投与、眼への投与(ocular administration)、耳への投与(aural administration)、肺投与(pulmonary administration)もしくは他の粘膜投与によって達成することができる。大腿または上腕への筋肉内投与が好ましい。注射は針(例えば皮下注射針)によるだろうが、無針注射を代替的に使用してもよい。典型的な筋肉内用量は、約0.5mLである。
本発明を用いて、全身性免疫および/または粘膜免疫を惹起することができる。
投薬処置は、単回用量スケジュールである場合もあり、または多回用量スケジュールである場合もある。多回用量は、初回免疫処置スケジュールおよび/または追加免疫処置スケジュールで用いることができる。初回用量スケジュールの後、追加抗原量スケジュールを行うことができる。初回抗原刺激用量(priming dose)間(例えば、4〜16週の間)および初回抗原刺激(priming)と追加抗原刺激(boosting)の間の適切なタイミングを慣例的に決定することができる。
本発明の免疫原性組成物は、該組成物を受ける患者に有害な抗体の生産をそれ自体が誘導しない任意の物質であり得る、および過度の毒性を伴わずに投与することができる、薬学的に許容され得る担体を一般に含むであろう。薬学的に許容され得る担体としては、水、食塩液、グリセロールおよびエタノールなどの液体を挙げることができる。補助物質、例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝物質およびこれらに類するもの、もそのようなビヒクル中に存在する場合がある。適する担体の詳細な論述は、参考文献15において入手できる。
Neisseria感染症は、身体の様々な領域を罹患させるため、本発明の組成物を様々な形態で調製することができる。例えば、前記組成物を注射剤として、液体の溶液または懸濁液いずれかとして、調製することができる。注射前の液体ビヒクルへの溶解(solution)または懸濁に適する固体形態も調製することができる。前記組成物を局所投与用に、例えば軟膏、クリームまたは粉末として、調製することができる。前記組成物を、経口投与用に、例えば錠剤もしくはカプセルとして、または(場合により着香された)シロップとして、調製する。前記組成物を、微粉末または噴霧剤を使用する肺投与用に、例えば吸入剤として、調製することができる。前記組成物を坐剤またはペッサリーとして調製することができる。前記組成物を鼻、耳または眼投与用に、例えば滴剤(drop)として、調製することができる。
前記組成物は、好ましくは無菌である。好ましくは、発熱物質不含である。好ましくは、例えばpH6とpH8の間、一般におおよそpH7に緩衝されている。組成物が水酸化アルミニウム塩を含む場合、ヒスチジン緩衝液を使用することが好ましい[16]。本発明の組成物は、ヒトに対して等張性であり得る。
免疫原性組成物は、免疫学的有効量の免疫原、ならびに必要に応じて他の指定成分のうちの任意の他のものを含む。「免疫学的有効量」とは、単回用量でのまたは一連の投与の一部としての個体に対するその量の投与が、処置または予防に有効であることを意味する。この量は、処置を受ける個体の健康および身体の状態、年齢、処置を受ける個体の分類群(例えば、非ヒト霊長類、霊長類など)、抗体を合成する個体の免疫系の能力、所望される保護の程度、ワクチンの処方、処置する医師の病状についての評価、および他の関連因子に依存して様々である。その量は比較的広い範囲になると予想され、慣例的な試行を通してそれを決定することができる。投薬処置は、単回用量スケジュールである場合もあり、または多回用量スケジュール(例えば、追加抗原量を含む)である場合もある。前記組成物を他の免疫調節剤と共に投与することができる。
本発明の組成物に使用することができるアジュバントとしては、以下のものが挙げられるが、それらに限定されない:
A.無機質含有組成物
本発明におけるアジュバントとしての使用に適する無機質含有組成物としては、無機塩類、例えばアルミニウム塩およびカルシウム塩が挙げられる。本発明は、無機塩類、例えば、水酸化物(例えば、オキシ水酸化物)、リン酸塩(例えば、ヒドロキシリン酸塩、オルトリン酸塩)、硫酸塩など[例えば、参考文献17の第8および9章参照]、または異なる無機質化合物の混合物を含み、前記化合物は、任意の適する形態(例えば、ゲル、結晶質、非晶質など)をとり、吸着が好ましい。前記無機質含有組成物を金属塩の粒子として調合することもできる[18]。
有用なリン酸アルミニウムアジュバントは、0.6mg Al3+/mLで含まれる、0.84と0.92の間のPO/Alモル比を有する非晶質ヒドロキシリン酸アルミニウムである。
B.油エマルジョン(oil emulsion)
本発明におけるアジュバントとしての使用に適する油エマルジョン組成物としては、水中スクアレン型エマルジョン、例えばMF59[参考文献17の第10章;参考文献19も参照のこと](マイクロフルイダイザーを使用してサブミクロン粒子に調合された、5%スクアレン、0.5% Tween 80、および0.5% Span 85)が挙げられる。完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA)を使用することもできる。
有用な水中油型エマルジョンは、少なくとも1つの油および少なくとも1つの界面活性剤を代表的に含み、該油(単数または複数)および界面活性剤(単数または複数)は、生分解性(代謝性)および生体適合性である。前記エマルジョン中の油滴は、一般に、直径が1μm未満であり、マイクロフルイダイザーでこれらの小さなサイズを達成して、適するエマルジョンを生じさせる。220nm未満のサイズを有する液滴は、濾過滅菌に付すことができるので、好ましい。
前記エマルジョンは、動物(例えば魚類)または植物の供給源からのものなどの油を含むことができる。植物油の供給源としては、堅果、種子および穀粒が挙げられる。ラッカセイ油、ダイズ油、ヤシ油およびオリーブ油が、最も一般的に利用できる堅果油の例である。例えばホホバ豆から得られる、ホホバ油を使用することができる。種子油としては、紅花油、綿実油、ヒマワリ種子油、ゴマ種子油およびこれらに類するものが挙げられる。穀粒の群の中で、トウモロコシ油が最も容易に入手できるが、他の穀物粒、例えばコムギ、オートムギ、ライムギ、イネ、テフ、ライコムギおよびこれらに類するものの油も使用することができる。グリセロールおよび1,2−プロパンジオールの6〜10炭素脂肪酸エステルは、種子油中に天然に存在しないが、堅果油および種子油から出発して適切な材料の加水分解、分離およびエステル化によって調製することができる。哺乳動物の乳からの脂肪および油は代謝性であり、従って、本発明の実施の際に使用することができる。動物源から純粋な油を得るために必要な分離、精製、鹸化および他の手段についての手順は、当該技術分野において周知である。殆どの魚類は、容易に回収できる代謝性の油を含有する。例えば、タラ肝油、サメ肝油、および鯨油、例えば鯨ろうが、ここで使用することができる魚油のいくつかの例である。多数の分岐鎖油が5炭素イソプレン単位で生化学的に合成されており、一般にテルペノイドと呼ばれる。サメ肝油は、スクアレン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチル−2,6,10,14,18,22−テトラコサヘキサン、として公知の、分岐した不飽和テルペノイドを含有し、これは、ここで特に好ましい。スクワラン、スクアレンの飽和類似体、も好ましい油である。スクアレンおよびスクワランを含む、魚油は、商業的供給源から容易に入手することができ、または当該技術分野において公知の方法によって得ることができる。他の好ましい油は、トコフェロール(下記参照)である。油の混合物を使用することができる。
界面活性剤をそれらの「HLB」(親水親油バランス)によって分類することができる。本発明の好ましい界面活性剤は、少なくとも10、好ましくは少なくとも15、およびさらに好ましくは少なくとも16のHLBを有する。本発明は、ポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(一般にTweenと呼ばれる)、特にポリソルベート20およびポリソルベート80;商品名DOWFAXTMで販売されている、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)および/またはブチレンオキシド(BO)のコポリマー、例えば、線状EO/POブロックコポリマー;反復エトキシ(オキシ−1,2−エタンジイル)基の数が様々であり得るオクトキシノール、オクトキシノール−9(Triton X−100、すなわちt−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)が特に興味深い;(オクチルフェノキシ)ポリエトキシエタノール(IGEPAL CA−630/NP−40);リン脂質、例えばホスファチジルコリン(レシチン);ノニルフェノールエトキシレート、例えばTergitolTMNPシリーズ;ラウリル、セチル、ステアリルおよびオレイルアルコールから誘導されたポリオキシエチレン脂肪エーテル(Brij界面活性剤として公知)、例えばトリエチレングリコールモノラウリルエーテル(Brij 30);ならびにソルビタンエステル(一般にSPANとして公知)、例えばソルビタントリオレエート(Span 85)およびソルビタンモノラウレートをはじめとする(しかしこれらに限定されない)界面活性剤と共に用いることができる。非イオン性界面活性剤が好ましい。前記エマルジョンに含めるために好ましい界面活性剤は、Tween 80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)、Span 85(ソルビタントリオレエート)、レシチンおよびTriton X−100である。
界面活性剤の混合物、例えばTween 80/Span 85混合物、を使用することができる。ポリオキシエチレンソルビタンエステル、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(Tween 80)、とオクトキシノール、例えばt−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(Triton X−100)、の組み合わせも適する。別の有用な組み合わせは、ラウレス9とポリオキシエチレンソルビタンエステルおよび/またはオクトキシノールを含む。
界面活性剤の好ましい量(重量%)は、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(例えば、Tween 80)0.01%から1%、特に約0.1%;オクチル−またはノニルフェノキシポリオキシエタノール(例えば、Triton X−100、またはTritonシリーズの他の洗剤)0.001%から0.1%、特に0.005%から0.02%;ポリオキシエチレンエーテル(例えば、ラウレス9)0.1%から20%、好ましくは0.1%から10%および特に0.1%から1%または約0.5%である。
好ましくは、油滴の実質的にすべて(例えば、個数で少なくとも90%)が、1μm未満、例えば、≦750nm、≦500nm、≦400nm、≦300nm、≦250nm、≦220nm、≦200nm、またはそれより小さい直径を有する。
スクアレン、Tween 80およびSpan85のうちの1つの特に有用なサブミクロンエマルジョン。前記エマルジョンの体積による組成は、約5%スクアレン、約0.5%ポリソルベート80および約0.5% Span 85である。重量によると、これらの比は、4.3%スクアレン、0.5%ポリソルベート80および0.48% Span 85になる。このアジュバントは、より詳細に参考文献17の第10章および参考文献22の第12章に記載されているように、「MF59」[19〜21]として公知である。このMF59エマルジョンは、有利には、クエン酸イオン、例えば10mM クエン酸ナトリウム緩衝液、を含む。
C.サポニン製剤[参考文献17の第22章]
サポニン製剤も本発明においてアジュバントとして使用することができる。サポニンは、広範な植物種の樹皮、葉、茎、根およびさらに花において見つけられるステロールグリコシドおよびトリテルペノイドグリコシドの不均一な群である。Quillaia saponaria Molina樹木の樹皮からのサポニンは、アジュバントとして広く研究されている。Smilax ornata(サルサパリラ(sarsaprilla))、Gypsophilla paniculata(ブライダルベール(brides veil))、およびSaponaria officianalis(ソープルート(soap root))からのサポニンを市場で得ることもできる。サポニンアジュバント製剤としては、精製製剤、例えばQS21、ならびに脂質製剤、例えばISCOM、が挙げられる。QS21は、StimulonTMとして市販されている。
サポニン組成物は、HPLCおよびRP−HPLCを用いて精製されている。これらの技術を用いて特定の精製画分が同定されており、それらとしては、QS7、QS17、QS18、QS21、QH−A、QH−BおよびQH−Cが挙げられる。好ましくは、サポニンはQS21である。QS21の生産方法は参考文献23に開示されている。サポニン製剤は、コレステロールなどのステロールも含み得る[24]。
サポニンとコレステロールの組み合わせを用いて、免疫刺激複合体(ISCOM)と呼ばれるユニークな粒子を形成することができる[参考文献17の第23章]。ISCOMは、リン脂質、例えばホスファチジルエタノールアミンまたはホスファチジルコリン、も代表的に含む。任意の公知のサポニンをISCOMに使用することができる。好ましくは、ISCOMは、QuilA、QHAおよびQHCのうちの1つ以上を含む。ISCOMは、参考文献24〜26にさらに記載されている。場合により、ISCOMには追加の洗剤がまったく無いことがある[27]。
サポニン系アジュバントの開発についての総説は、参考文献28および29において見つけることができる。
D.ビロソームおよびウイルス様粒子
ビロソームおよびウイルス様粒子(VLP)も本発明においてアジュバントとして使用することができる。これらの構造は、場合によりリン脂質と併せられたまたはリン脂質を用いて調合された、ウイルス由来の1つ以上のタンパク質を一般に含有する。これらは、一般的に、非病原性、非複製性であり、一般的に、天然ウイルスゲノムを全く含有しない。前記ウイルスタンパク質を組換え産生することができ、または完全なウイルスから単離することができる。ビロソームまたはVLPにおける使用に適するこれらのウイルスタンパク質としては、インフルエンザウイルス(例えば、HAまたはNAなど)、B型肝炎ウイルス(例えば、コアまたはカプシドタンパク質)、E型肝炎ウイルス、麻疹ウイルス、シンドビスウイルス、ロタウイルス、口蹄疫ウイルス、レトロウイルス、ノーウォークウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、HIV、RNA−ファージ、Qβ−ファージ(例えば、コートタンパク質)、GA−ファージ、fr−ファージ、AP205ファージ、およびTy(例えば、レトロトランスポゾンTyタンパク質p1)に由来するタンパク質が挙げられる。VLPは、参考文献30〜35においてさらに論じられている。ビロソームは、例えば、参考文献36においてさらに論じられている。
E.細菌誘導体または微生物誘導体
本発明における使用に適するアジュバントとしては、細菌誘導体または微生物誘導体、例えば、腸内細菌リポ多糖(LPS)の非毒性誘導体、リピドA誘導体、免疫刺激性オリゴヌクレオチドおよびADPリボシル化毒素およびその無毒化誘導体が挙げられる。
LPSの非毒性誘導体としては、モノホスホリルリピドA(MPL)および3−O−脱アシル化MPL(3dMPL)が挙げられる。3dMPLは、4、5または6本のアシル化鎖を有する3脱−O−アシル化モノホスホリルリピドAの混合物である。3脱−O−アシル化モノホスホリルリピドAの好ましい「小粒子」形態は参考文献37に開示されている。3dMPLのそのような「小粒子」は、0.22μm膜による滅菌濾過に充分な小ささである[37]。他の非毒性LPS誘導体としては、モノホスホリルリピドA模倣物、例えばアミノアルキルグルコサミニドリン酸塩誘導体、例えば、RC−529が挙げられる[38、39]。
リピドA誘導体としては、OM−174などのEscherichia coliからのリピドAの誘導体が挙げられる。OM−174は、例えば参考文献40および41に、記載されている。
本発明におけるアジュバントとしての使用に適する免疫刺激性オリゴヌクレオチドとしては、CpGモチーフを含有するヌクレオチド配列(リン酸結合(phosphate bond)によってグアノシンに連結された非メチル化シトシンを含有するジヌクレオチド配列)が挙げられる。パリンドローム配列またはポリ(dG)配列を含有する二本鎖RNAおよびオリゴヌクレオチドも免疫刺激性であることが証明されている。
前記CpGは、ヌクレオチド改変/アナログ、例えばホスホチオエート改変、を含む場合があり、二本鎖または一本鎖である場合がある。参考文献42、43および44には、可能なアナログ置換、例えば、2’−デオキシ−7−デアザグアノシンでのグアノシンの置き換えが開示されている。CpGオリゴヌクレオチドのアジュバント効果が、参考文献45〜50においてさらに論じられている。
前記CpG配列をTLR9に指向させることができる(例えばモチーフGTCGTTまたはTTCGTT)[51]。前記CpG配列は、Th1免疫応答の誘導に特異的であることがあり(例えば、CpG−A ODN)、またはB細胞応答の誘導にさらに特異的であり得る(例えば、CpG−B ODN)。CpG−A ODNおよびCpG−B ODNは、参考文献52〜54において論じられている。好ましくは、前記CpGはCpG−A ODNである。
好ましくは、前記CpGオリゴヌクレオチドを、5’末端がレセプター認識に利用できるように、構築する。場合により、2つのCpGオリゴヌクレオチド配列をそれらの3’末端で付着させて、「イムノマー(immunomer)」を形成していてもよい。例えば、参考文献51および55〜57を参照のこと。
免疫刺激性オリゴヌクレオチドなどに基づく特に有用なアジュバントは、IC31TMとして公知である[58]。従って、本発明で使用するアジュバントは、(i)少なくとも1つの(および好ましくは多数の)CpIモチーフ(すなわち、イノシンに連結してジヌクレオチドを形成しているシトシン)を含むオリゴヌクレオチド(例えば、ヌクレオチド数15〜40の間)と、(ii)少なくとも1つの(および好ましくは多数の)Lys−Arg−Lysトリペプチド配列を含むポリカチオン性ポリマー、例えばオリゴペプチド(例えば、アミノ酸数5〜20の間)との混合物を含み得る。前記オリゴヌクレオチドは、26−mer配列5’−(IC)13−3’(配列番号33)を含むデオキシヌクレオチドであり得る。前記ポリカチオン性ポリマーは、11−merアミノ酸配列KLKLLLLLKLK(配列番号34)を含むペプチドであり得る。
細菌のADPリボシル化毒素およびそれらの無毒化誘導体を本発明においてアジュバントとして使用することができる。好ましくは、前記タンパク質は、E.coli(E.coli熱不安定性エンテロトキシン「LT」)、コレラ(「CT」)または百日咳(「PT」)に由来する。粘膜アジュバントとしての無毒化ADPリボシル化毒素の使用は、参考文献59に記載されており、非経口アジュバントとしての使用は参考文献60に記載されている。前記毒素またはトキソイドは、好ましくは、AサブユニットとBサブユニットの両方を含むホロ毒素の形態である。好ましくは、前記Aサブユニットは、無毒化変異を含み;好ましくは、前記Bサブユニットは変異されていない。好ましくは、前記アジュバントは無毒化LT変異体、例えばLT−K63、LT−R72およびLT−G192である。アジュバントとしてのADPリボシル化毒素およびそれらの無毒化誘導体、特にLT−K63およびLT−R72の使用は、参考文献61〜68において見つけることができる。有用なCT変異体は、CT−E29Hである[69]。アミノ酸置換に関する数値上の言及は、好ましくは、参考文献70に示されているADPリボシル化毒素のAサブユニットおよびBサブユニットのアラインメントに基づくものであり、この参考文献はその全体が参照により具体的に本明細書に援用されている。
F.ヒト免疫修飾因子(immunomodulator)
本発明におけるアジュバントとしての使用に適するヒト免疫修飾因子としては、サイトカイン、例えばインターロイキン(例えば、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−12[71]など)[72]、インターフェロン(例えば、インターフェロン−γ)、マクロファージコロニー刺激因子、および腫瘍壊死因子が挙げられる。好ましい免疫修飾因子は、IL−12である。
G.生体付着剤(bioadhesives)および粘膜付着剤(mucoadhesives)
生体付着剤および粘膜付着剤もまた、本発明においてアジュバントとして使用することができる。適する生体付着剤としては、エステル化ヒアルロン酸マイクロスフェア[73]または粘膜付着剤、例えば、ポリ(アクリル酸)の架橋誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、多糖およびカルボキシメチルセルロースが挙げられる。キトサンおよびその誘導体を本発明においてアジュバントとして使用することもできる[74]。
H.マイクロ粒子
マイクロ粒子も本発明においてアジュバントとして使用することができる。生分解性で非毒性である材料(例えば、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリカプロラクトンなど)とポリ(ラクチド−co−グリコリド)から形成されるマイクロ粒子(すなわち、直径が約100nmから約150μm、さらに好ましくは直径が約200nmから約30μm、および最も好ましくは直径が約500nmから約10μmの粒子)であって、負電荷を有する表面(例えば、SDSで)または正電荷を有する表面(例えば、CTABなどのカチオン性洗剤で)を有するように場合により処理されたものであるマイクロ粒子が好ましい。
I.リポソーム(参考文献17の第13及び14章)
アジュバントとしての使用に適するリポソーム製剤の例は、参考文献75〜77に記載されている。
J.ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシエチレンエステル製剤
本発明における使用に適するアジュバントは、ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシエチレンエステル[78]を含む。そのような製剤は、オクトキシノールと組み合わせたポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤[79]、ならびに少なくとも1つの追加の非イオン性界面活性剤、例えばオクトキシノール、と組み合わせたポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはエステル界面活性剤[80]をさらに含む。好ましいポリオキシエチレンエーテルは、以下の群から選択される:ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル(ラウレス9)、ポリオキシエチレン−9−ステオリル(steoryl)エーテル、ポリオキシエチレン(polyoxytheylene)−8−ステオリル(steoryl)エーテル、ポリオキシエチレン−4−ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−35−ラウリルエーテル、およびポリオキシエチレン−23−ラウリルエーテル。
K.ポリホスファゼン(PCPP)
PCPP製剤は、例えば、参考文献81および82に記載されている。
L.ムラミルペプチド
本発明におけるアジュバントとしての使用に適するムラミルペプチドの例としては、N−アセチル−ムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(nor−MDP)、およびN−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミンMTP−PE)が挙げられる。
M.イミダゾキノロン化合物
本発明におけるアジュバントとしての使用に適するイミダゾキノロン化合物の例としては、参考文献83および84にさらに記載されているImiquamodおよびそのホモログ(例えば、「Resiquimod 3M」)が挙げられる。
本発明は、上で特定したアジュバントのうちの1つ以上の態様の組み合わせも含み得る。例えば、以下のアジュバント組成物を本発明において使用することができる:(1)サポニンと水中油型エマルジョン[85];(2)サポニン(例えば、QS21)+非毒性LPS誘導体(例えば、3dMPL)[86];(3)サポニン(例えば、QS21)+非毒性LPS誘導体(例えば、3dMPL)+コレステロール;(4)サポニン(例えば、QS21)+3dMPL+IL−12(場合により+ステロール)[87];(5)3dMPLと、例えばQS21および/または水中油型エマルジョンとの組み合わせ[88];(6)サブミクロンエマルジョンにミクロ流動化された、またはより大きな粒径のエマルジョンを生じさせるようにボルテックスされた、10%スクワランと0.4% Tween 80TMと5%プルロニック−ブロックポリマーL121とthr−MDPとを含有する、SAF;(7)2%スクアレンと、0.2% Tween 80と、モノホスホリルリピド(monophosphorylipid)A(MPL)、トレハロースジミコレート(TDM)および細胞壁骨格(CWS)からなる群からの1つ以上の細菌細胞壁成分とを含有する、好ましくは、MPL+CWS(DetoxTM)を含有する、RibiTMアジュバント系(RAS)(Ribi Immunochem);ならびに(8)1つ以上の無機塩類(例えば、アルミニウム塩)+LPSの非毒性誘導体(例えば、3dMPL)。
免疫刺激剤として作用する他の物質は、参考文献17の第7章に開示されている。
水酸化アルミニウムおよび/またはリン酸アルミニウムアジュバントの使用が特に好ましく、一般に、抗原は、これらの塩に吸着される。他の好ましいアジュバントの組み合わせとしては、Th1およびTh2アジュバント、例えばCpGとミョウバンまたはレシキモドとミョウバン、の組み合わせが挙げられる。リン酸アルミニウムと3dMPLの組み合わせを用いてもよい。
さらなる抗原性成分
本発明の組成物は、改変fHBPポリペプチドを含む。これは、組成物が、抗原の複合体も不明確な(undefined)混合物も含むべきでない場合、例えば、組成物に外膜小胞を含まないことが好ましい場合、有用である。好ましくは、本発明のポリペプチドを異種宿主において組み換え発現させ、その後、精製する。
fHBPポリペプチドを含むばかりでなく、本発明の組成物は、1つ以上のさらなるNeiseria免疫原も含み得る。なぜなら、1細菌あたり1つより多くの免疫原をターゲットにするワクチンは、エスケープ突然変異体を選択する可能性を減少させるからである。従って、組成物は、髄膜炎菌に対して殺菌性である抗体応答を、哺乳動物に投与されたとき、惹起する第二のポリペプチドを含む場合がある。前記第二のポリペプチドは、髄膜炎菌fHBPであり得るが、一般的には、fHBPではなく、例えば、287配列、NadA配列、953配列、936配列などであり得る。
前記組成物に含めるための抗原としては、
(a)参考文献89に開示されている446の偶数SEQ ID(すなわち、2、4、6、...、890、892);
(b)参考文献90に開示されている45の偶数SEQ ID(すなわち、2、4、6、...、88、90);
(c)参考文献3に開示されている、1674の偶数SEQ ID2〜3020、偶数SEQ ID3040〜3114、およびすべてのSEQ ID3115〜3241;
(d)参考文献2からの2160のアミノ酸配列NMB0001からNMB2160;
(e)任意のサブタイプの、好ましくは組換え発現された、髄膜炎菌PorAタンパク質;または
(f)(a)から(e)の改変体、ホモログ、オルソログ、パラログ、変異体など
のうちの1つ以上を含むポリペプチドが挙げられる。
いずれのそのようなさらなるナイセリア(neisserial)免疫原も、本発明の改変fHBPに対して別のポリペプチドとして存在し得るか、または(of)改変fHBPとの融合ポリペプチドとして存在し得る。例えば、髄膜炎菌936ポリペプチドとfHBPポリペプチドとの融合体は公知である[100]。
本発明の組成物は、287抗原を含み得る。この287抗原は、髄膜炎菌血清群B株MC58について公表されているゲノム配列[91]の中に、遺伝子NMB2132(GenBankアクセッション番号GI:7227388;本明細書における配列番号10)として含まれていた。それ以来、多くの株からの287抗原の配列が公表されている。例えば、対立遺伝子形態の287は、参考文献92の図5および15において、ならびに参考文献3の実施例13および図21(そこでは配列番号3179から3184)で見ることができる。287抗原の様々な免疫原性フラグメントも報告されている。本発明での使用に好ましい287抗原は、(a)配列番号10との50%またはそれを超える同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれを超える)を有する、および/または(b)配列番号10の少なくとも「n」の連続アミノ酸(この場合の「n」は7またはそれを超える(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれを超える))のフラグメントを含む、アミノ酸配列を含む。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号10からのエピトープを含む。本発明の最も有用な287抗原は、被験体への投与後、アミノ酸配列である配列番号10からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合することができる抗体を惹起することができる。本発明での使用に有利な287抗原は、被験体への投与後に殺菌性抗髄膜炎菌抗体を惹起することができる。
本発明の組成物は、NadA抗原を含み得る。このNadA抗原は、髄膜炎菌血清群B株MC58について公表されているゲノム配列[91]の中に遺伝子NMB1994(GenBankアクセッション番号GI:7227256;本明細書における配列番号11)として含まれていた。それ以来、多くの株からのNadA抗原の配列が公表されており、ナイセリア付着因子としてのこのタンパク質の活性は十分に立証されている。NadAの様々な免疫原性フラグメントも報告されている。本発明での使用に好ましいNadA抗原は、(a)配列番号11との50%またはそれを超える同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれを超える)を有する、および/または(b)配列番号11の少なくとも「n」の連続アミノ酸(この場合の「n」は7またはそれを超える(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれを超える))のフラグメントを含む、アミノ酸配列を含む。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号11からのエピトープを含む。本発明の最も有用なNadA抗原は、被験体への投与後、アミノ酸配列である配列番号11からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合することができる抗体を惹起することができる。本発明での使用に有利なNadA抗原は、被験体への投与後に殺菌性抗髄膜炎菌抗体を惹起することができる。配列番号6が1つのそのようなフラグメントである。
本発明の組成物は、NspA抗原を含み得る。このNspA抗原は、髄膜炎菌血清群B株MC58について公表されているゲノム配列[91]の中に遺伝子NMB0663(GenBankアクセッション番号GI:7225888;本明細書における配列番号12)として含まれていた。この抗原は、参考文献93および94から従来公知であった。それ以来、多くの株からのNspA抗原の配列が公表されている。NspAの様々な免疫原性フラグメントも報告されている。本発明での使用に好ましいNspA抗原は、(a)配列番号12との50%またはそれを超える同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれを超える)を有する、および/または(b)配列番号12の少なくとも「n」の連続アミノ酸(この場合の「n」は7またはそれを超える(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれを超える))のフラグメントを含む、アミノ酸配列を含む。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号12からのエピトープを含む。本発明の最も有用なNspA抗原は、被験体への投与後、アミノ酸配列である配列番号12からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合することができる抗体を惹起することができる。本発明での使用に有利なNspA抗原は、被験体への投与後に殺菌性抗髄膜炎菌抗体を惹起することができる。
本発明の組成物は、髄膜炎菌HmbR抗原を含み得る。完全長HmbR配列は、髄膜炎菌血清群B株MC58について公表されているゲノム配列[91]の中に遺伝子NMB1668(本明細書における配列番号13)として含まれていた。本発明は、完全長HmbR配列を含むポリペプチドを使用できるが、多くの場合、部分的HmbR配列を含むポリペプチドを使用する。従って、いくつかの実施形態において、本発明に従って使用されるHmbR配列は、配列番号13との少なくともi%の配列同一性(この場合のiの値は、50、60、70、80、90、95、99であるか、またはそれを超える)を有するアミノ酸配列を含み得る。他の実施形態において、本発明に従って使用されるHmbR配列は、配列番号13からの少なくともjの連続アミノ酸(この場合のjの値は、7、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250であるか、またはそれを超える)のフラグメントを含み得る。他の実施形態において、本発明に従って使用されるHmbR配列は、(i)配列番号13との少なくともi%の配列同一性を有する、および/または(ii)配列番号13からの少なくともjの連続アミノ酸のフラグメントを含む、アミノ酸配列を含み得る。jアミノ酸の好ましいフラグメントは、配列番号13からのエピトープを含む。そのようなエピトープは、HmbRの表面に位置するアミノ酸を通常は含む。有用なエピトープとしては、ヘモグロビンへのHmbRの結合に関与するアミノ酸を有するものが挙げられる。なぜなら、これらのエピトープに結合する抗体は、宿主ヘモグロビンに結合する細菌の能力を阻止することができるからである。HmbRのトポロジー、およびその重要な機能性残基が、参考文献95の中で研究された。本発明の最も有用なHmbR抗原は、被験体への投与後、アミノ酸配列である配列番号13からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合することができる抗体を惹起することができる。本発明での使用に有利なHmbR抗原は、被験体への投与後に殺菌性抗髄膜炎菌抗体を惹起することができる。
本発明の組成物は、NhhA抗原を含み得る。このNhhA抗原は、髄膜炎菌血清群B株MC58について公表されているゲノム配列[91]の中に遺伝子NMB0992(GenBankアクセッション番号GI:7226232;本明細書における配列番号14)として含まれていた。例えば参考文献92および96以来、多くの株からのNhhA抗原の配列が公表されており、NhhAの様々な免疫原性フラグメントも報告されている。それはHsfとしても公知である。本発明での使用に好ましいNhhA抗原は、(a)配列番号14との50%またはそれを超える同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれを超える)を有する、および/または(b)配列番号14の少なくとも「n」の連続アミノ酸(この場合の「n」は7またはそれを超える(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれを超える))のフラグメントを含む、アミノ酸配列を含む。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号14からのエピトープを含む。本発明の最も有用なNhhA抗原は、被験体への投与後、アミノ酸配列である配列番号14からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合することができる抗体を惹起することができる。本発明での使用に有利なNhhA抗原は、被験体への投与後に殺菌性抗髄膜炎菌抗体を惹起することができる。
本発明の組成物は、App抗原を含み得る。このApp抗原は、髄膜炎菌血清群B株MC58について公表されているゲノム配列[91]の中に遺伝子NMB1985(GenBankアクセッション番号GI:7227246;本明細書における配列番号15)として含まれていた。それ以来、多くの株からのApp抗原の配列が公表されている。Appの様々な免疫原性フラグメントも報告されている。本発明での使用に好ましいApp抗原は、(a)配列番号15との50%またはそれを超える同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれを超える)を有する、および/または(b)配列番号15の少なくとも「n」の連続アミノ酸(この場合の「n」は7またはそれを超える(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれを超える))のフラグメントを含む、アミノ酸配列を含む。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号15からのエピトープを含む。本発明の最も有用なApp抗原は、被験体への投与後、アミノ酸配列である配列番号15からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合することができる抗体を惹起することができる。本発明での使用に有利なApp抗原は、被験体への投与後に殺菌性抗髄膜炎菌抗体を惹起することができる。
本発明の組成物は、Omp85抗原を含み得る。このOmp85抗原は、髄膜炎菌血清群B株MC58について公表されているゲノム配列[91]の中に遺伝子NMB0182(GenBankアクセッション番号GI:7225401;本明細書における配列番号16)として含まれていた。それ以来、多くの株からのOmp85抗原の配列が公表されている。Omp85に関するさらなる情報は、参考文献97および98において見つけることができる。Omp85の様々な免疫原性フラグメントも報告されている。本発明での使用に好ましいOmp85抗原は、(a)配列番号16との50%またはそれを超える同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれを超える)を有する、および/または(b)配列番号16の少なくとも「n」の連続アミノ酸(この場合の「n」は7またはそれを超える(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれを超える))のフラグメントを含む、アミノ酸配列を含む。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号16からのエピトープを含む。本発明の最も有用なOmp85抗原は、被験体への投与後、アミノ酸配列である配列番号16からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合することができる抗体を惹起することができる。本発明での使用に有利なOmp85抗原は、被験体への投与後に殺菌性抗髄膜炎菌抗体を惹起することができる。
本発明の組成物は、936抗原を含み得る。この936抗原は、髄膜炎菌血清群B株MC58について公表されているゲノム配列[91]の中に遺伝子NMB2091(本明細書における配列番号17)として含まれていた。本発明での使用に好ましい936抗原は、(a)配列番号17との50%またはそれを超える同一性(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれを超える)を有する、および/または(b)配列番号17の少なくとも「n」の連続アミノ酸(この場合の「n」は7またはそれを超える(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれを超える))のフラグメントを含む、アミノ酸配列を含む。(b)の好ましいフラグメントは、配列番号17からのエピトープを含む。本発明の最も有用な936抗原は、被験体への投与後、アミノ酸配列である配列番号17からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合することができる抗体を惹起することができる。936抗原は、fHBPの良好な融合パートナーである(例えば、参考文献99および100参照)。
ある組成物は、配列番号18を含むポリペプチド;配列番号19を含むポリペプチド;配列番号17を含む融合ポリペプチドおよび本発明のfHBPを含み得る(参考文献99および100参照)。
ある組成物は、配列番号18を含むポリペプチド;配列番号19のアミノ酸24−350を含むポリペプチド;配列番号17を含む融合ポリペプチドおよび本発明のfHBPを含み得る(参考文献99および100参照)。
Neisseriaポリペプチド抗原に加えて、前記組成物は、他の疾患または感染症に対する免疫処置のための抗原を含むことができる。例えば、前記組成物は、以下のさらなる抗原のうちの1つ以上を含むことができる:
− N.meningitidis血清群A、C、W135および/またはYからの糖抗原、例えば、血清群Cからの参考文献101に開示されている糖[参考文献102も参照のこと]または参考文献103に開示されている糖。
− Streptococcus pneumoniaeからの糖抗原[例えば、104、105、106]。
− A型肝炎ウイルスからの抗原、例えば不活化ウイルス[例えば、107、108]。− B型肝炎ウイルスからの抗原、例えば表面抗原および/またはコア抗原[例えば、108、109]。
− ジフテリア抗原、例えばジフテリアトキソイド[例えば、参考文献110の第3章]例えば、CRM197変異体[例えば、111]。
− 破傷風抗原、例えば破傷風トキソイド[例えば、参考文献110の第4章]。
− Bordetella pertussisからの抗原、例えば、B.pertussisからの百日咳ホロ毒素(PT)および線維状赤血球凝集素(filamentous haemagglutinin)(FHA)、場合によりペルタクチンおよび/または凝集原2および3との組み合わせでも[例えば、参考文献112および113]。
− Haemophilus influenzae Bからの糖抗原[例えば、102]。
− ポリオ抗原(単数または複数)[例えば、114、115]例えばIPV。
− 麻疹、耳下腺炎および/または風疹抗原[例えば、参考文献110の第9、10および11章]。
− インフルエンザ抗原(単数または複数)[例えば、参考文献110の第19章]、例えば赤血球凝集素および/またはノイラミニダーゼ表面タンパク質。
− Moraxella catarrhalisからの抗原[例えば、116]。
− Streptococcus agalactiae(B群連鎖球菌)からのタンパク質抗原[例えば、117、118]。
− Streptococcus agalactiae(B群連鎖球菌)からの糖抗原。
− Streptococcus pyogenes(A群連鎖球菌)からの抗原[例えば、118、119、120]。
− Staphylococcus aureusからの抗原[例えば、121]。
前記組成物は、これらのさらなる抗原のうちの1つ以上を含み得る。
毒性タンパク質抗原を、必要な場合には、無毒化することができる(例えば、化学的および/または遺伝学的手段による百日咳毒素の無毒化[113])。
ジフテリア抗原を前記組成物に含める場合、破傷風抗原および百日咳抗原も含めることが好ましい。同様に、破傷風抗原を含める場合、ジフテリア抗原および百日咳抗原も含めることが好ましい。同様に、百日咳抗原を含める場合、ジフテリア抗原および破傷風抗原も含めることが好ましい。従って、DTPの組み合わせが好ましい。
糖抗原は、好ましくは、結合体の形態である。前記結合体のための担体タンパク質は、より詳細に下で論じる。
前記組成物中の抗原は、典型的には、それぞれ少なくとも1μg/mLの濃度で存在するであろう。一般に、いずれの所与の抗原の濃度も、その抗原に対して免疫応答を惹起するために十分なものであろう。
本発明の免疫原性組成物は、治療的に(すなわち、既存の感染症を処置するために)使用することもでき、予防的に(すなわち、将来の感染症を防ぐために)使用することもできる。
本発明の免疫原性組成物におけるタンパク質抗原の使用の代替として、該抗原をコードする核酸(好ましくはDNA、例えばプラスミド形態のもの)を使用することができる。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、fHBP配列に加えて、髄膜炎菌血清群A、C、W135およびYのうちの1、2、3または4つからの結合体化した莢膜糖抗原を含む。他の実施形態において、本発明の組成物は、fHBP配列に加えて、少なくとも1つの結合体化した肺炎球菌莢膜糖抗原を含む。
髄膜炎菌血清群Y、W135、CおよびA
現行の血清群Cワクチン(MenjugateTM[122、101]、MeningitecTMおよびNeisVac−CTM)は、結合体化した糖を含む。MenjugateTMおよびMeningitecTMは、CRM197担体に結合体化したオリゴ糖抗原を有し、これに対してNeisVac−CTMは、破傷風トキソイド担体に結合体化した(脱−O−アセチル化した)完全な多糖を用いる。MenactraTMワクチンは、血清群Y、W135、CおよびAそれぞれからの結合体化した莢膜糖抗原を含有する。
本発明の組成物は、髄膜炎菌血清群Y、W135、CおよびAのうちの1つ以上からの莢膜糖抗原を含むことがあり、この場合、該抗原は、担体タンパク質(単数もしくは複数)に結合体化している、および/またはオリゴ糖である。例えば、前記組成物は、血清群C;血清群AおよびC;血清群A、CおよびW135;血清群A、CおよびY、血清群C、W135およびYからの;または血清群A、C、W135およびYの4つすべてからの莢膜糖抗原を含み得る。
1用量あたりの各髄膜炎菌糖抗原の典型的な量は、(糖として表して)1μgと20μgの間、例えば約1μg、約2.5μg、約4μg、約5μgまたは約10μgである。
混合物が、血清群Aと血清群Cの両方からの莢膜糖を含む場合、MenA糖:MenC糖の比(w/w)は、1より大きいことがある(例えば、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1またはそれより大きい)。
混合物が、血清群Yと血清群CおよびW135の一方または両方とからの莢膜糖を含む場合、MenY糖:MenW135糖の比(w/w)は、1より大きいことがあり(例えば、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1またはそれより大きい)、および/またはMenY糖:MenC糖の比(w/w)は、1未満であり得る(例えば、1:2、1:3、1;4、1;5、またはそれより低い)。血清群A:C:W135:Yからの糖の好ましい比(w/w)は、1:1:1:1;1:1:1:2;2:1:1:1;4:2:1:1;8:4:2:1;4:2:1:2;8:4:1:2;4:2:2:1;2:2:1:1;4:4:2:1;2:2:1:2;4:4:1:2;および2:2:2:1である。血清群C:W135:Yからの糖の好ましい比(w/w)は、1:1:1;1:1:2;1:1:1;2:1:1;4:2:1;2:1:2;4:1:2;2:2:1および2:1:1である。実質的に等しい質量の各糖を使用することが好ましい。
莢膜糖をオリゴ糖の形態で使用することができる。これらは、(例えば加水分解による)精製莢膜多糖のフラグメント化(通常は、この後に所望のサイズのフラグメントの精製が続くだろう)によって適便に形成される。
多糖のフラグメント化は、好ましくは、オリゴ糖における30未満(例えば、血清群Aについては10と20の間、好ましくはおおよそ10;血清群W135およびYについては15と25の間、好ましくはおおよそ15〜20;血清群Cについては12と22の間;など)の最終平均重合度(DP)を生じさせるように行う。DPは、イオン交換クロマトグラフィーによりまたは比色アッセイにより適便に測定することができる[123]。
加水分解を行う場合、一般に、加水分解産物を寸法で分類して、短い長さのオリゴ糖を除去することとなる[102]。これは、様々な方法、例えば、限外濾過、その後のイオン交換クロマトグラフィー、で達成することができる。血清群Aについては好ましくは約6以下の重合度を有するオリゴ糖を除去し、ならびに血清群W135およびYについては好ましくはおおよそ4未満のものを除去する。
MenjugateTMにおいて使用されているような、好ましいMenC糖抗原は、参考文献122に開示されている。
糖抗原を化学修飾することができる。これは、血清群Aについての加水分解の低減に特に有用である[124;下記参照]。髄膜炎菌糖の脱−O−アセチル化を行うことができる。オリゴ糖については、修飾を解重合の前に行ってもよいし、または後に行ってもよい。
本発明の組成物がMenA糖抗原を含む場合、該抗原は、好ましくは、天然糖上のヒドロキシル基の1つ以上がブロッキング基によって置き換えられている改変糖である[124]。この改変は、加水分解に対する耐性を改善する。
共有結合性結合体化(covalent conjugation)
本発明の組成物中の莢膜糖は、通常、担体タンパク質(単数または複数)に結合体化している。一般に、結合体化は、糖をT非依存性抗原からT依存性抗原へ変換させ、したがって免疫学的記憶に初回抗原刺激を充てるので、糖の免疫原性を強化する。結合体化は、小児用ワクチンに特に有用であり、周知の技術である。
典型的な担体タンパク質は、細菌毒素、例えばジフテリアもしくは破傷風毒素、またはそれらのトキソイドもしくは変異体である。CRM197ジフテリア毒素変異体[125]は有用であり、PREVNARTM製品における担体である。他の適する担体タンパク質としては、N.meningitidis外膜タンパク質複合体[126]、合成ペプチド[127、128]、熱ショックタンパク質[129、130]、百日咳タンパク質[131、132]、サイトカイン[133]、リンホカイン[133]、ホルモン[133]、成長因子[133]、様々な病原体由来抗原からの多数のヒトCD4T細胞エピロープを含む人工タンパク質[134]、例えばN19[135]、H.influenzaeからのプロテインD[136〜138]、ニューモリシン[139]またはその非毒性誘導体[140]、肺炎球菌表面タンパク質PspA[141]、鉄取込みタンパク質[142]、C.difficileからの毒素Aまたは毒素B[143]、組換えP.aeruginosaエキソプロテインA(rEPA)[144]、などが挙げられる。
任意の適する結合体化反応を、必要に応じて任意の適するリンカーと共に、用いることができる。
前記糖は、典型的には、結合体化前に活性化または官能化される。活性化は、例えば、シアニル化試薬、例えばCDAP(例えば、1−シアノ−4−ジメチルアミノピリミジニウムテトラフルオロボラート[145、146など])を含み得る。他の適する技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性化エステル、ノルボラン(norborane)、p−ニトロ安息香酸、N−ヒドロキシスクシンイミド、S−NHS、EDC、TSTUなどを使用する。
リンカー基による連結は、任意の公知の手順、例えば参考文献147および148に記載されている手順、を用いて行うことができる。他のタイプの連結は、多糖の還元アミノ化、得られたアミノ基とアジピン酸リンカー基の一方の端とのカップリング、そしてその後、そのアジピン酸リンカー基のもう一方の端へのタンパク質のカップリングを含む[149、150]。他のリンカーとしては、B−プロピオンアミド[151]、ニトロフェニル−エチルアミン[152]、ハロアシルハリド[153]、グリコシド連結[154]、6−アミノカプロン酸[155]、ADH[156]、CからC12部分[157]などが挙げられる。リンカーの使用の代替として、直接連結を用いることができる。タンパク質への直接連結は、例えば参考文献158および159に記載されているような、多糖の酸化、その後のタンパク質での還元アミノ化を含み得る。
糖へのアミノ基の(例えば、末端=O基を−NHで置き換えることによる)導入、続いてアジビン酸ジエステル(例えば、アジピン酸N−ヒドロキシスクシンイミドジエステル)での誘導体化、そして担体タンパク質との反応を含むプロセスが好ましい。もう1つの好ましい反応は、例えばMenAまたはMenCについて、プロテインD担体でのCDAPの活性化を用いる。
外膜小胞
本発明の組成物は、OMVの典型的な特徴である、抗原の複合体も不明確な混合物も含むべきでないことが好適である。しかし、fHBPはOMVの効力を強化することが判っている[6]ので、特に、OMV調製に使用される株において本発明のポリペプチドを過剰発現させることにより、本発明をOMVと併用することができる。
このアプローチは、一般に、N.meningitidis血清群B微小小胞[160]、「天然OMV」[161]、ブレブまたは外膜小胞[例えば、参考文献162から167、など]の調製を改善するために用いることができる。これらは、例えば免疫原性を増す(例えば免疫原を過剰発現する)ように、毒性を低減するように、莢膜多糖合成を阻害するように、PorA発現をダウンレギュレートするように、等々、遺伝子操作された細菌から調製することができる[168〜171]。それらは、高ブレブ形成性の株(hyperblebbing strain)から調製することができる[172〜175]。非病原性Neisseriaからの小胞を含み得る[176]。OMVは、洗剤を使用せずに調製することができる[177、178]。それらは、それらの表面で非Neisseriaタンパク質を発現することができる[179]。それらのLPSを枯渇させることができる。それらを組換え抗原と混合することができる[162、180]。異なるクラスI外膜タンパク質サブタイプ(例えば、3つのサブタイプをそれぞれが提示する2つの異なる遺伝子操作小胞集団を使用して6つの異なるサブタイプ[181、182]、または3つのサブタイプをそれぞれが提示する3つの異なる遺伝子操作小胞集団を使用して9つの異なるサブタイプ、など)を有する細菌からの小胞を使用することができる。有用なサブタイプとしては、P1.7,16;P1.5−1,2−2;P1.19,15−1;P1.5−2,10;P1.12−1,13;P1.7−2,4;P1.22,14;P1.7−1,1;P1.18−1,3,6が挙げられる。
さらなる詳細は、下で与える。
タンパク質発現
細菌発現技術は、当該技術分野において公知である。細菌プロモーターは、細菌RNAポリメラーゼに結合することおよびコーディング配列(例えば、構造遺伝子)のmRNAへの下流(3’)転写を開始することができる、任意のDNA配列である。プロモーターは、コーディング配列の5’末端の近位に通常は存在する転写開始領域を有するだろう。この転写開始領域は、通常、RNAポリメラーゼ結合部位および転写開始部位を含む。細菌プロモーターは、オペレーターと呼ばれる第2のドメインも有することがあり、このドメインは、RNA合成が開始する隣接RNAポリメラーゼ結合部位と重複していることがある。遺伝子リプレッサータンパク質はオペレーターに結合し、それによって特定の遺伝子の転写を阻害することができるので、オペレーターは、ネガティブ調節(誘導性)転写を可能にする。構成的発現は、オペレーターなどのネガティブ調節エレメントの不在下で起こり得る。加えて、遺伝子アクチベータータンパク質結合配列によってポジティブ調節を達成することができ、該配列は、存在する場合には通常、RNAポリメラーゼ結合配列の近位(5’)に存在する。遺伝子アクチベータータンパク質の例は、Escherichia coli(E.coli)におけるlacオペロンの転写開始を助けるカタボライト活性化タンパク質(CAP)である[Raibaudら(1984)Annu.Rev.Genet.18:173]。従って、調節発現はポジティブであることまたはネガティブであることがあり、それにより、転写を増進することまたは低減することがある。
代謝経路酵素をコードする配列は、特に有用なプロモーター配列を提供する。例として、糖代謝酵素、例えばガラクトース、ラクトース(lac)[Changら(1977)Nature 198:1056]、およびマルトース、に由来するプロモーター配列が挙げられる。さらなる例としては、トリプトファン(trp)などの生合成酵素に由来するプロモーター配列が挙げられる[Goeddelら(1980)Nuc.Acids Res.8:4057;Yelvertonら(1981)Nucl.Acids Res.9:731;米国特許第4,738,921号;EP−A−0036776およびEP−A−0121775]。β−ラクタマーゼ(bla)プロモーター系[Weissmann(1981)「The cloning of interferon and other mistakes.」In Interferon 3(I.Gresser編)]、バクテリオファージラムダPL[Shimatakeら(1981)Nature 292:128]およびT5[米国特許第4,689,406号]プロモーター系も、有用なプロモーター配列を提供する。興味深いもう1つのプロモーターは、誘導性アラビノースプロモーター(pBAD)である。
加えて、天然に存在しない合成プロモーターも細菌プロモーターとして機能する。例えば、ある細菌プロモーターまたはバクテリオファージプロモーターの転写活性化配列を、別の細菌プロモーターまたはバクテリオファージプロモーターのオペロン配列と接合して、合成ハイブリッドプロモーターを作ることができる[米国特許第4,551,433号]。例えば、tacプロモーターは、lacリプレセッサーによって調節される、trpプロモーター配列とlacオペロン配列の両方から構成されるハイブリッドtrp−lacプロモーターである[Amannら(1983)Gene 25:167;de Boerら(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.80:21]。さらに、細菌プロモーターとしては、細菌RNAポリメラーゼに結合して転写を開始する能力を有する、非細菌起源の天然に存在するプロモーターを挙げることができる。非細菌起源の天然に存在するプロモーターを、適合性RNAポリメラーゼとカップリングさせて、原核生物においていくつかの遺伝子の高レベルの発現を生じさせることもできる。バクテリオファージT7 RNAポリメラーゼ/プロモーター系は、カップリングされたプロモーター系の一例である[Studierら(1986)J.Mol.Biol.189:113;Taborら(1985)Proc Natl.Acad.Sci 82:1074]。加えて、ハイブリッドプロモーターは、バクテリオファージプロモーターおよびE.coliオペレーター領域から構成される場合もある(EP−A−0 267 851)。
機能性プロモーター配列に加えて、有効なリボソーム結合部位は、原核生物における外来遺伝子の発現にも有用である。E.coliの場合、このリボソーム結合部位は、Shine−Dalgarno(SD)配列と呼ばれ、開始コドン(ATG)と該開始コドンの3ヌクレオチド〜11ヌクレオチド上流に位置する3ヌクレオチド〜9ヌクレオチドの長さの配列とを含む。SD配列は、該SD配列とE.coli 16S rRNAの3’との間の塩基対合によってリボソームへのmRNAの結合を促進すると考えられる[Steitzら(1979)「Genetic signals and nucleotide sequences in messenger RNA.」In Biological Regulation and Development:Gene Expression(R.F.Goldberger編)]。弱いリボソーム結合部位を有する真核生物遺伝子および原核生物遺伝子を発現させるために[Sambrookら(1989)「Expression of cloned genes in Escherichia coli.」In Molecular Cloning:A Laboratory Manual]。
プロモーター配列をDNA分子と直接連結することができ、この場合、N末端の第1のアミノ酸は、常に、ATG開始コドンによってコードされるメチオニンである。所望される場合には、N末端のメチオニンを、ブロモシアンとのin vitroインキュベーションによってまたは細菌メチオニンN末端ペプチダーゼとのin vivoもしくはin vitroインキュベーションによって、タンパク質から切断することができる(EP−A−0219237)。
通常、細菌によって認識される転写終結配列は、翻訳終止コドンに対して3’に位置する、従って、プロモーターと共にコーディング配列に隣接する、調節領域である。これらの配列は、DNAによってコードされるポリペプチドに翻訳することができるmRNAの転写を指示する。転写終結配列は、転写の終結を支援するステムループ構造を形成することができる約50ヌクレオチドのDNA配列を含むことが多い。例としては、強力プロモーターを有する遺伝子(例えば、E.coliにおけるtrp遺伝子、および他の生合成遺伝子)に由来する転写終結配列が挙げられる。
通常、プロモーターとシグナル配列(所望される場合)と関心のあるコーディング配列と転写終結配列とを含む、上で説明した成分を、一緒に発現構築物の中に入れる。発現構築物は、多くの場合、レプリコン、例えば、細菌などの宿主中で安定して維持することができる染色体外エレメント(例えば、プラスミド)、中に維持される。レプリコンは複製システムを有するので、発現のためにまたはクローニングおよび増幅のために原核生物宿主中にレプリコンを維持することができる。加えて、レプリコンは、高コピー数プラスミドである場合もあり、低コピー数プラスミドである場合もある。高コピー数プラスミドは、一般に、約5から約200、通常、約10から約150の範囲のコピー数を有するであろう。高コピー数プラスミドを含有する宿主は、好ましくは、少なくとも約10、およびさらに好ましくは少なくとも約20のプラスミドを含有するであろう。高コピー数ベクターまたは低コピー数ベクターのいずれかを、該宿主に対する該ベクターおよび外来タンパク質の効果に依存して選択することができる。
あるいは、発現構築物を、組み込みベクターを使用して細菌ゲノムに組み込むことができる。組み込みベクターは、通常、該ベクターを組み込むことが可能である細菌染色体に相同な配列を少なくとも1つは含有する。組み込みは、ベクター中の相同DNAと細菌染色体との組換えの結果として生ずるようである。例えば、様々なBacillus株からのDNAを用いて構築された組み込みベクターは、Bacillus染色体に組み込まれる(EP−A−0127328)。組み込みベクターはまた、バクテリオファージ配列またはトランスポゾン配列から構成されることもある。
通常、染色体外発現構築物および組み込み発現構築物は、形質転換された細菌株の選択が可能である選択マーカーを含有することができる。選択マーカーを細菌宿主において発現させることができ、ならびに選択マーカーは、細菌をアンピシリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、カナマイシン(ネオマイシン)およびテトラサイクリンなどの薬物に対して耐性にさせる遺伝子を含むことができる[Daviesら(1978)Annu.Rev.Microbiol 32:469]。選択マーカーは、生合成遺伝子、例えばヒスチジン生合成経路におけるもの、トリプトファン生合成経路におけるものおよびロイシン生合成経路におけるもの、も含むことができる。
あるいは、上で説明した成分のいくつかを、一緒に形質転換ベクターに入れることができる。形質転換ベクターは、上で説明したように、レプリコン中に維持されるまたは組み込みベクターに発展される選択マーカーから、通常、構成される。
発現ベクターおよび形質転換ベクター、染色体外レプリコンまたは組み込みベクターのいずれか、は、多数の細菌への形質転換のために開発された。例えば、とりわけ、以下の細菌のための発現ベクターが開発された:Bacillus subtilis[Palvaら(1982)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:5582;EP−A−0036259およびEP−A−0063953;WO 84/04541]、Escherichia coli[Shimatakeら(1981)Nature 292:128;Amannら(1985)Gene 40:183;Studierら(1986)J.MoI Biol.189:113;EP−A−0 036 776、EP−A−0 136 829およびEP−A−0 136 907]、Streptococcus cremoris[Powellら(1988)Appl.Environ.Microbiol.54:655]、Streptococcus lividans[Powellら(1988)Appl.Environ.Microbiol.54:655]、Streptomyces lividans[米国特許第4,745,056号]。
細菌宿主への外因性DNAの導入方法は当該分野において周知であり、通常、CaClまたは他の薬剤、例えば二価陽イオンおよびDMSO、で処理した細菌の形質転換を含む。DNAをエレクトロポレーションによって細菌細胞に導入することもできる。形質転換手順は、通常、形質転換すべき細菌種によって変わる。例えば、[Massonら(1989)FEMS Microbiol.Lett.60:273;Palvaら(1982)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:5582;EP−A−0036259およびEP−A−0063953;WO84/04541、Bacillus]、[Millerら(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.85:856;Wangら(1990)J.Bacteriol.172:949,Campylobacter]、[Cohenら(1973)Proc.Natl.Acad.Sci.69:2110;Dowerら(1988)Nucleic Acids Res.16:6127;Kushner(1978)「An improved method for transformation of Escherichia coli with ColE1−derived plasmids.In Genetic Engineering:Proceedings of the International Symposium on Genetic Engineering(H.W.BoyerおよびS.Nicosia編);Mandelら(1970)J.Mol.Biol.53:159;Taketo(1988)Biochim.Biophys.Acta 949:318;Escherichia]、[Chassyら(1987)FEMS Microbiol.Lett.44:173 Lactobacillus];[Fiedlerら(1988)Anal.Biochem 170:38、Pseudomonas];[Augustinら(1990)FEMS Microbiol.Lett.66:203,Staphylococcus]、[Baranyら(1980)J.Bacteriol.144:698;Harlander(1987)「Transformation of Streptococcus lactis by electroporation,in:Streptococcal Genetics(J.FerrettiおよびR.Curtiss III編);Perryら(1981)Infect.Immun.32:1295;Powellら(1988)Appl.Environ.Microbiol.54:655;Somkutiら(1987)Proc.4th Evr.Cong.Biotechnology 1:412,Streptococcus]参照。
宿主細胞
本発明は、本発明のポリペプチドを発現する細菌を提供する。前記細菌は、髄膜炎菌であり得る。前記細菌は、前記ポリペプチドを構成的に発現することがあるが、いくつかの実施形態において、発現は、誘導性プロモーターの制御下にあることがある。前記細菌は、前記ポリペプチドを過剰発現することがある(参考文献183参照)。前記ポリペプチドの発現は、相変異性(phase variable)でないことがある。
本発明は、本発明の細菌から調製される外膜小胞も提供する。本発明の細菌から小胞を生産するためのプロセスも提供する。これらの株から調製される小胞は、該小胞内に免疫学的に利用可能な(immunoaccessible)形態で存在するはずである本発明のポリペプチドを好ましくは含む、すなわち、本発明の精製ポリペプチドに結合することができる抗体も、該小胞内に存在するポリペプチドには結合できるはずである。
これらの外膜小胞は、該外膜のタンパク質成分を含む小胞をそこから形成する髄膜炎菌外膜の破壊または髄膜炎菌外膜からのブレブ形成によって得られる、任意のプロテオリポソーム小胞(proteoliposomic vesicle)を含む。従って、この用語は、OMV(時として「ブレブ」と呼ぶ)、微小小胞(MV[160])および「天然OMV」(「NOMV」[161])を含む。
MVおよびNOMVは、細菌成長中に自発的に形成して培地に放出される、天然に存在する膜小胞である。MVは、ブロス培地でNeisseriaを培養すること、(例えば、濾過により、または細胞のみをペレット化し、より小さい小胞はペレット化しない低速遠心分離により)そのブロス培地中の全細胞をより小さなMVから分離すること、その後、(例えば、濾過により、MVの示差沈降または凝集により、MVをペレット化する高速遠心分離により)その細胞枯渇培地からMVを回収することによって得ることができる。MVの生産に使用するための株は、一般に、培養中に生産されるMVの量に基づいて選択することができる。例えば、参考文献174および175には高いMV生産を有するNeisseriaが記載されている。
OMVは、細菌から人工的に調製され、洗剤処理を用いて(例えば、デオキシコラートで)または非洗剤手段によって(例えば、参考文献178参照)OMVを調製することができる。OMVを形成するための技術としては、胆汁酸塩洗剤(例えば、リトコール酸、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、デオキシコール酸、コール酸、ウルソコール酸などの塩、デオキシコール酸ナトリウム[184および185]がNeisseriaの処理に好ましい)での、該洗剤を沈殿させない十分な高さのpH[186]での、細菌の処理が挙げられる。他の技術は、超音波処理、均質化、微小流動化(microfluidisation)、キャビテーション、浸透圧性ショック、粉砕、フレンチプレス、ブレンディングなどのような技術を用いて、実質的に洗剤不在下で行うことができる[178]。洗剤をまったく使用しないまたは少ない洗剤を使用する方法は、NspAなどの有用な抗原を保持することができる[178]。例えば、ある方法は、約0.5%以下、例えば約0.2%、約0.1%、<0.05%または0%、デオキシコール酸塩を有するOMV抽出緩衝液を使用することがある。
OMV調製の有用なプロセスは、参考文献187に記載されており、高速遠心分離ではなくその代わりに粗製のOMVの限外濾過を含む。このプロセスには、限外濾過後の超遠心分離の段階が含まれる。
本発明で使用するための小胞は、任意の髄膜炎菌株から調製することができる。前記小胞は、通常は血清群B株からのものであるが、A、C、W135またはYなどのB以外の血清群からそれらを調製することが可能である(例えば、参考文献186には血清群Aについてのプロセスが開示されている)。前記株は、任意の血清型(例えば、1、2a、2b、4、14、15、16など)、任意の血清亜型、および任意の免疫型(例えば、L1;L2;L3;L3,3,7;L10;など)のものであり得る。前記髄膜炎菌は、超侵襲性および超強毒性系統、例えば、次の7つの超強毒性系統:亜群I;亜群III;亜群IV−1;ET−5複合体;ET−37複合体;A4クラスター;系統3を含めて、任意の適する系統からのものであり得る。
本発明の細菌は、本発明のポリペプチドをコードすることに加えて、1つ以上のさらなる改変を有することがある。例えば、それらは、改変fur遺伝子[188]を有することがある。nspA発現が、付随するporAとcpsのノックアウトでアップレギュレートされ得る。さらに、OMV生産のためのN.meningitidisのノックアウト変異体が、例えば、参考文献193に開示されている。参考文献189には、6つの異なるPorAサブタイプを発現するように改変された株からの小胞の構築が開示されている。LPS生合成に関与する酵素のノックアウトによって達成される低い内毒素レベルを有する変異体Neisseriaも使用することができる[190、191]。これらまたは他の変異体は、すべて、本発明で使用することができる。
従って、本発明で使用する株は、いくつかの実施形態では、1つより多くのPorAサブタイプを発現することができる。6価および9価のPorA株が以前に構築されている。株は、PorAサブタイプ:P1.7,16;P1.5−1,2−2;P1.19,15−1;P1.5−2,10;P1.12−1,13;P1.7−2,4;P1.22,14;P1.7−1,1および/またはP1.18−1,3,6のうちの2、3、4、5、6、7、8または9つを発現することができる。他の実施形態において、株はPorA発現についてダウンレギュレートされていることがあり、例えば、この場合、PorAの量は、野生型レベルに比べて(例えば株H44/76に比べて)、少なくとも20%(例えば、≧30%、≧40%、≧50%、≧60%、≧70%、≧80%、≧90%、≧95%、など)低減されており、またはノックアウトされていることさえある。
いくつかの実施形態において、株は、一定のタンパク質を(対応する野生型株に比べて)過剰発現することができる。例えば、株は、NspA、プロテイン287[162]、fHBP[183]、TbpAおよび/またはTbpB[180]、Cu,Zn−スーパーオキシドディスムスターゼ、HmbRなどを過剰発現することができる。
本発明のポリペプチドをコードする遺伝子を細菌染色体に組み込むことができ、または本発明のポリペプチドをコードする遺伝子は、エピソーム形態で、例えばプラスミド内に、存在することができる。
有利には、小胞生産のために、前記ポリペプチドの発現が相変異を確実に受けないように髄膜炎菌を遺伝子操作することができる。髄膜炎菌における遺伝子発現の相変異性を低減するまたはそれを無くす方法は、参考文献192に開示されている。例えば、遺伝子を構成的プロモーターもしくは誘導性プロモーターの制御下に置くことができ、またはその相変異性の原因となるDNAモチーフを除去または置き換えることによる。
いくつかの実施形態において、株は、参考文献166、168、172および193に開示されているノックアウト変異および/または過剰発現変異のうちの1つ以上を含み得る。ダウンレギュレーションおよび/またはノックアウトのために好ましい遺伝子としては、以下が挙げられる:
Figure 2014503172
変異体株を使用する場合、いくつかの実施形態において、それは、以下の特徴のうちの1つ以上、またはすべて、を有することがある:(i)髄膜炎菌LOSを短縮するためのダウンレギュレートされたまたはノックアウトされたLgtBおよび/またはGalE;(ii)アップレギュレートされたTbpA;(iii)アップレギュレートされたNhhA;(iv)アップレギュレートされたOmp85;(v)アップレギュレートされたLbpA;(vi)アップレギュレートされたNspA;(vii)ノックアウトされたPorA;(viii)ダウンレギュレートされたまたはノックアウトされたFrpB;(ix)ダウンレギュレートされたまたはノックアウトされたOpa;(x)ダウンレギュレートされたまたはノックアウトされたOpc;(xii)欠失されたcps遺伝子複合体。短縮されたLOSは、シアリル−ラクト−N−ネオテトラオースエピトープを含まないものであり得る、例えば、ガラクトース欠損LOSであり得る。LOSは、α鎖を有さないことがある。
小胞の調製に使用する髄膜炎菌株に依存して、それらは、その株の天然fHBP抗原を含むことがあり、または含まないことがある[194]。
LOSが小胞内に存在する場合、小胞をそのLOSおよびタンパク質成分に連結するように処理することが可能である(「ブレブ内(intra−bleb)」結合体化[193])。
一般
用語「〜を含む(comprising)」は、「〜を含む(including)」および「〜からなる(consisting)」を包含する。例えば、Xを「含む(comprising)」組成物は、排他的にXからなる(consist)ことがあり、または何かの追加、例えば、X+Y、を含む(include)ことがある。
数値xに関する用語「約」は、任意選択的なものであり、例えば、x±10%を意味する。
語「実質的に」は、「完全に」を除外しない。例えば、Yが「実質的に無い」組成物には、Yが完全に無いことがある。必要に応じて、語「実質的に」を本発明の定義から割愛してもよい。
「配列同一性」は、パラメーター・ギャップ開始ペナルティ=12およびギャップ伸長ペナルティ=1でアフィンギャップ検索を用いて、MPSRCHプログラム(Oxford Molecular)で実行して、Smith−Waterman相同性検索アルゴリズムにより、好ましくは、決定する。
血清群の後、髄膜炎菌類分類は、血清型、血清亜型そしてその後、免疫型を含み、標準的な命名法により、血清群、血清型、血清亜型、および免疫型をそれぞれコロンで区切って列挙する、例えば、B:4:P1.15:L3,7,9。血清群Bの中には、しばしば疾患を引き起こす(超侵襲性)系統もあり、他の系統より重篤な形態の疾患を引き起こす(超強毒性)系統もあり、疾患をごく稀にしか引き起こさない系統もある。7つの超強毒性系統、すなわち、亜群I、IIIおよびIV−1、ET−5複合体、ET−37複合体、A4クラスターおよび系統3、が認知されている。これらは、多座位酵素電気泳動(MLEE)によって定義されているが、髄膜炎菌を分類するために多座位配列タイピング(MLST)も用いられている。4つの主要な超強毒性クラスターは、ST32複合体、ST44複合体、ST8複合体、およびST11複合体である。
一般に、本発明は、特に参考文献4、5、7、8、9、195、196、197、198、199、200および201に開示されている様々なfHBP配列を包含しない。
fHBP変異
参考文献10には、配列番号1の位置237および258のグルタミン酸残基をアラニンに変異させた「E283A、E304A」と呼ばれる変異体fHBPが開示されている。表面プラズモン共鳴により二重変異体タンパク質の親和性が未変異タンパク質に比べて2桁より大きく低減されることが示され、試薬を50nMで使用したとき検出可能な相互作用はなかった。その著者らは、変異体タンパク質のいかなる免疫原性に関しても報告しなかった。
FACSを用いて、ヒトfHの生きている髄膜炎菌への結合を研究した。このアッセイにより、すべての試験株においてfHが細菌に結合することを確認した。用量関連結合が明らかであった。ポリクローナル抗fHBPとのインキュベーション(1:100比)は、この結合を阻害できた。
天然fHBP遺伝子を二重グルタメート変異体で置き換えた変異体株を作った。これらの変異株が評価できるほどfHに結合しなかったという参考文献10の知見をFACSにより確認した。fHの結合は、変異株およびΔfHBPノックアウト株では同様であった。対照的に、抗fHBP血清は、野生型株および変異株に結合したが、ΔfhBP株には結合しなかった。
参考文献100に開示されているワクチンで免疫したヒト患者から得た血清をSBAアッセイによって組換え株に対する殺菌効力について試験した。(i)野生型fHBPまたは(ii)変異体fHBPを有する組換え株の間でSBA感受性に有意な差は無かった。これらのデータは、fH結合が殺菌活性に影響を及ぼさないことを示唆している。
従って、fHに結合するfHBPの能力をその免疫原性から切り離すことができる。この知見は、fHBPを抗原として改善できることを意味する。そのタンパク質を、その免疫原特性を保持しながらfHとのその相互作用を最小にするように作製することができる。低減されたfH結合は、例えば、そのタンパク質のエピトープが体内でfHによって覆い隠されないこと、例えばそのタンパク質をfHによる干渉なく免疫系への提示に最適化することができること、を意味する。
NMR研究
参考文献10では、X線結晶学を用いて、fHBPとfHの補体制御タンパク質(CCP)ドメイン6および7との相互作用を研究した。対照的に、NMRを用いて、fHBPとCCPドメイン5から7との溶液相互作用(solution interaction)を研究した。HSQCを用いて、ヒトfHのCCPドメイン5から7を伴うか、または伴わない15N標識fHBP(分子比1:1)を分析した。これらの実験によりfHと相互作用する残基、またはその相互作用に起因する残基の配座変化(conformation change)を同定した。
残基37、38、41、42、43、45、56、80、82、83、84、86、89、91、95、112、115、116、119、121、122、124、126、127、128、129、130、139、141、143、160、163、188、198、199、207、210、211、213、219、220、221、223、237、241、242および248(配列番号4に従って番号付けした)は、fH/fHBP相互作用による摂動を受けた(perturbed)表面露出残基である。残基31、32、36、39、40、44、57、64、74、76、78、80、93、96、97、98、99、101、103、107、109、110、111、129、132、135、152、165、177、179、196、198、206、212、224、225、226、236、238、248、249、250および251も摂動を受けたが、埋没している。
これらの残基は、fHBPのN末端ドメインとC末端ドメインの両方を含む広大な領域を規定する。注目に値することとして、fHBPのNドメインとCドメインを接続するリンカー内に位置する表面露出残基(Thr139、Phe141、Asp142およびLys143)およびfHBPのドメイン−ドメイン界面に位置するいくつかの埋没残基(Gln97、Tyr99、Gln101、His103、Phe129、Gly132、Ala135、Ile226、Gly236、Ser237、His248、Ile249、Gly250およびLeu251)は摂動を受けた。これは、fHbpの分子内転位が複合体形成中に発生することを示唆している。
溶液中で摂動を受けた表面露出残基の総数は、参考文献10で見られるものより大きい接触面積を規定するが、そこで見られる残基すべてをなお含有する。2つの重要な例外は、Glu218およびGlu239によって代表され、これらは、NMR実験ではわずかにしか影響を受けないように想定される。
配座変化が分子内で発生すると仮定すると、矛盾を説明することができる。遊離fHBPの構造と比較した場合にfHBPのNおよびCドメインの逆配向が変化したfHBP−fH複合体についての相互作用のモデルによって、より多い摂動残基数を正当化することができる。他の相違は、fHbpとfHドメイン7とのさらなる接触に起因し得る。
変異fHBP配列
NMR構造により、fHとのタンパク質の相互作用を低減するようにfHBP内で変異させることができる残基が得られる。残基を個々にまたは組み合わせで変異させることができ、結果として生じたタンパク質を、常用のアッセイを用いて、(i)fH相互作用についておよび(ii)殺菌抗体を惹起する能力について試験することができる。例えば、MC58抗原中の以下の残基をアラニンに変異させて試験する:43、45、56、83、112、116、119、122、127、139、141、142、143、198、211、219、221、241。従って、例えば、これらの方法により、配列番号23から27を含むタンパク質が得られる。
これらの残基を4つのクラスタ、AからD、にまとめる:
A:残基112、116、119、122、127
B:残基43、45、56、83
C:残基211、219、221、241
D:残基139、141、142、143、198。
それぞれのクラスタは、NMR実験によって同定された残基から主としてなり、それぞれがタンパク質表面の別個の領域を規定する。
予備実験により、クラスタA残基における変異がfH/fHBP結合に影響を及ぼすことが明らかになった。
同定された残基は、野生型配列における改変だけに適するのではない。例えば、参考文献201は、ファミリー間抗fHBP殺菌抗体を惹起する能力を増大させるように改変された形態のfHBP(例えば、本明細書における配列番号20から22)を開示している。これらのタンパク質は、NMR同定残基において、有用な免疫原特性を保持しながらそれらのfH結合活性を増大させるようにさらに改変することができる。例えば、配列番号20は、配列番号4からのAsp−37(配列番号20自体の番号付けによるAsp−30)を含む。この残基を(例えば、配列番号28を生じさせるために、グリシンに)変異させることができ、(i)参考文献10の方法を用いて、fHとのその相互作用の親和性を試験することができ、(ii)参考文献4の方法を用いて、殺菌抗体を惹起するその能力を試験することができる。
シデロホア結合
fHBPは、リポカリンとの強い構造相同性を有するβバレルドメインを含む。髄膜炎菌fHBPを4つの異なる鉄負荷シデロホア(エンテロバクチン、サルモケリン、エルシニアバクチン、アエロバクチン)と混合し、トリプシンで消化した。消化パターンは、微量の未消化タンパク質が残存したエンテロバクチンとサルモケリンとの混合物を除き、すべてのサンプルについて対照と同様であった。サイズ排除クロマトグラフィーは、fHBPとエンテロバクチンの共溶出を示したが、陰性対照ではこの共溶出は見られなかった。未変性PAGEもfHBPとエンテロバクチンとの相互作用を示した。
βバレルを含有するfHBPのBCフラグメントもエンテロバクチンと相互作用することができた。
エンテロバクチンまたはサルモケリンとの24時間のインキュベーション後、高MWバンドをSDS−PAGEによって可視化した。これは、シデロホアがfHBP二量体化(または三量体化)を媒介していることを示した。
NMR研究により、エンテロバクチンの存在下でシグナルが摂動を受ける残基が明らかになった。配列番号4に従って番号付けすると、残基は102、136−138、148−154、166、205、230および254であった。これらの残基は、すべて、十分に規定された領域に位置する。これは、特異的相互作用を示す。エンテロバクチンをそのβバレル内に結合するシデロカリンとは異なり、fHBPは、バレルの外面で相互作用する。特に、ArgおよびLys残基が関与する(Arg−149、Arg−153、Lys−230、Lys−254)。
エンテロバクチンと相互作用する残基は、fHと相互作用する残基と異なる。従って、fHBPは、fHおよびシデロホアに同時に結合し得る。
固定化fHBPを使用するBiacoreアッセイによっても、鉄負荷エンテロバクチンとの相互作用が確認された。エンテロバクチンは、マイクロモル濃度の親和性を有して用量依存的様式でfHBPに結合する。サルモケリン(別のカテコラート)への結合も見られたが、エルシニアバクチンまたはエアロバクチンへの結合は見られなかった。
fHBPを、エンテロバクチンとプレインキュベーションして、およびプレインキュベーションせずに、血清殺菌アッセイで試験した。エンテロバクチンの存在は、殺菌力価に影響を与えなかった。
シデロホア相互作用を消去するために、アミノ酸残基102、136−138、148−154、230および/または254を変異させ得る。この番号付けは、配列番号4によるものであり、配列番号5および6における対応するアミノ酸残基は、アラインメントによって容易に同定することができる。配列番号4を出発点として用いて、例えば残基Arg−149、Try−152、Arg−153および/またはLys−254をアラニンで置換して配列番号29−32を生じさせることができる。
本発明を単なる例として上で説明しており、本発明の範囲および精神を維持しながら変更を加えることができることは理解される。
Figure 2014503172
Figure 2014503172
Figure 2014503172
Figure 2014503172
Figure 2014503172
Figure 2014503172
従って、本発明はポリペプチドであって、(a)配列番号4、5もしくは6のいずれか1つとの少なくともk%の同一性を有する、および/または配列番号4、5もしくは6のフラグメントを含むが;(b)上の表に列挙したアミノ酸残基の1つ以上が欠失されているか、または異なるアミノ酸によって置換されているアミノ酸配列を含む、ポリペプチドを提供する。(a)のフラグメントは、(b)の該当する表中の残基を含む。ポリペプチドは、宿主動物への投与後、配列番号4、5または6からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドを認識することができる抗体を惹起することができる。ポリペプチドは、同じ実験条件下で、(b)の改変(単数または複数)を伴わないこと以外は同じポリペプチドよりヒトH因子に対して低い親和性を有する。
従って、本発明はポリペプチドであって、(a)配列番号4との少なくともk%の同一性を有する、および/または配列番号4のフラグメントを含むが;(b)上の表に列挙したアミノ酸残基の1つ以上が欠失されているか、または異なるアミノ酸によって置換されているアミノ酸配列を含む、ポリペプチドも提供する。ポリペプチドは、宿主動物への投与後、配列番号4からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドを認識することができる抗体を惹起することができる。ポリペプチドは、同じ実験条件下で、(b)の改変(単数または複数)を伴わないこと以外は同じポリペプチドよりヒトfHに対して低い親和性を有する。ポリペプチドは、同じ実験条件下で、配列番号4からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドよりヒトfHに対して低い親和性を有する。
同様に、本発明はポリペプチドであって、(a)配列番号5との少なくともk%の同一性を有する、および/または配列番号5のフラグメントを含むが;(b)上の表に列挙したアミノ酸残基の1つ以上が欠失されているか、または異なるアミノ酸によって置換されているアミノ酸配列を含む、ポリペプチドを提供する。ポリペプチドは、宿主動物への投与後、配列番号5からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドを認識することができる抗体を惹起することができる。ポリペプチドは、同じ実験条件下で、(b)の改変(単数または複数)を伴わないこと以外は同じポリペプチドよりもヒトfHに対して低い親和性を有する。ポリペプチドは、同じ実験条件下で、配列番号5からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドよりヒトfHに対して低い親和性を有する。
同様に、本発明はポリペプチドであって、(a)配列番号6との少なくともk%の同一性を有する、および/または配列番号6のフラグメントを含むが;(b)上の表に列挙したアミノ酸残基の1つ以上が欠失されているか、または異なるアミノ酸によって置換されているアミノ酸配列を含む、ポリペプチドを提供する。ポリペプチドは、宿主動物への投与後、配列番号6からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドを認識することができる抗体を惹起することができる。ポリペプチドは、同じ実験条件下で、(b)の改変(単数または複数)を伴わないこと以外は同じポリペプチドよりヒトfHに対して低い親和性を有する。ポリペプチドは、同じ実験条件下で、配列番号6からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドよりヒトfHに対して低い親和性を有する。
一般に、本発明は、特に参考文献4、5、7、8、9、195、196、197、198、199、200および201に開示されている様々なfHBP配列を包含しない。
特定の実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
ポリペプチドであって、(a)配列番号4、5もしくは6のいずれか1つとの少なくとも90%の同一性を有する、および/または配列番号4、5もしくは6のフラグメントを含むが;(b)配列番号4、5もしくは6からの下記アミノ酸残基の1つ以上が非存在か、または異なるアミノ酸によって置換されているアミノ酸配列を含み:
Figure 2014503172

(i)宿主動物への投与後、配列番号4、5または6からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドを認識することができる抗体を惹起することができ、および(ii)(b)の改変(単数または複数)を伴わないこと以外は同じポリペプチドよりもヒトH因子に対して低い親和性を有する、ポリペプチド。
(項目2)
配列番号4との少なくとも90%の同一性を有する、および/または配列番号4のフラグメントを含み、宿主動物への投与後、配列番号4からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドを認知することができる抗体を惹起することができるアミノ酸配列を含む、項目1に記載のポリペプチド。
(項目3)
改変fHBPアミノ酸配列を設計するための方法であって、該方法は、(i)出発アミノ酸配列を提供する工程であって、ここで該出発アミノ酸配列からなるか、または該出発アミノ酸配列を含むタンパク質は、ヒトH因子に結合することができる工程;(ii)ペアワイズ・アラインメント・アルゴリズムを用いて、項目1に記載の表に列挙したとおりの配列番号4、5または6における残基と整列させるアミノ酸残基を該出発アミノ酸配列
内で同定する工程;(iii)工程(ii)において同定したアミノ酸を欠失させることにより、または該アミノ酸を異なるアミノ酸で置き換えることにより、該改変fHBPアミノ酸配列を提供する工程を含む、方法。
(項目4)
(i)項目3に記載の方法によって設計された改変fHBPアミノ酸配列、または(ii)配列番号23から32より選択されたアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
(項目5)
項目1、項目2または項目4に記載のポリペプチドをコードする、核酸。
(項目6)
項目1、項目2または項目4のいずれかに記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、プラスミド。
(項目7)
項目6に記載のプラスミドで形質転換された、宿主細胞。
(項目8)
髄膜炎菌細菌である、項目7に記載の宿主細胞。
(項目9)
項目1、項目2または項目4に記載のポリペプチドを含む、項目8に記載の宿主細胞から調製された膜小胞。
(項目10)
項目1、項目2もしくは項目4に記載のポリペプチドまたは項目9に記載の小胞を含む、免疫原性組成物。
(項目11)
アジュバントを含む、項目10に記載の組成物。
(項目12)
前記アジュバントがアルミニウム塩を含む、項目11に記載の組成物。
(項目13)
項目10〜12のいずれかに記載の組成物であって、該組成物は、哺乳動物に投与したとき髄膜炎菌に対して殺菌性である抗体応答を惹起する第二のポリペプチドをさらに含むが、但し該第二のポリペプチドが髄膜炎菌fHBPでないことを条件とする、組成物。
(項目14)
N.meningitidis血清群A、C、W135および/またはYからの結合体化した莢膜糖をさらに含む、項目10〜13のいずれかに記載の組成物。
(項目15)
結合体化した肺炎球菌莢膜糖をさらに含む、項目10〜14のいずれかに記載の組成物。
(項目16)
項目10〜15のいずれかに記載の免疫原性組成物を投与することを含む、哺乳動物における抗体応答を高めるための方法。

Claims (16)

  1. ポリペプチドであって、(a)配列番号4、5もしくは6のいずれか1つとの少なくとも90%の同一性を有する、および/または配列番号4、5もしくは6のフラグメントを含むが;(b)配列番号4、5もしくは6からの下記アミノ酸残基の1つ以上が非存在か、または異なるアミノ酸によって置換されているアミノ酸配列を含み:
    Figure 2014503172
    (i)宿主動物への投与後、配列番号4、5または6からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドを認識することができる抗体を惹起することができ、および(ii)(b)の改変(単数または複数)を伴わない同じポリペプチドよりヒトH因子に対して低い親和性を有する、ポリペプチド。
  2. 配列番号4との少なくとも90%の同一性を有する、および/または配列番号4のフラグメントを含み、宿主動物への投与後、配列番号4からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドを認知することができる抗体を惹起することができるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 改変fHBPアミノ酸配列を設計するための方法であって、該方法は、(i)出発アミノ酸配列を提供する工程であって、ここで該出発アミノ酸配列からなるか、または該出発アミノ酸配列を含むタンパク質は、ヒトH因子に結合することができる工程;(ii)ペアワイズ・アラインメント・アルゴリズムを用いて、請求項1に記載の表に列挙したとおりの配列番号4、5または6における残基と整列させるアミノ酸残基を該出発アミノ酸配列内で同定する工程;(iii)工程(ii)において同定したアミノ酸を欠失させることにより、または該アミノ酸を異なるアミノ酸で置き換えることにより、該改変fHBPアミノ酸配列を提供する工程を含む、方法。
  4. (i)請求項3に記載の方法によって設計された改変fHBPアミノ酸配列、または(ii)配列番号23から32より選択されたアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
  5. 請求項1、請求項2または請求項4に記載のポリペプチドをコードする、核酸。
  6. 請求項1、請求項2または請求項4のいずれかに記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、プラスミド。
  7. 請求項6に記載のプラスミドで形質転換された、宿主細胞。
  8. 髄膜炎菌細菌である、請求項7に記載の宿主細胞。
  9. 請求項1、請求項2または請求項4に記載のポリペプチドを含む、請求項8に記載の宿主細胞から調製された膜小胞。
  10. 請求項1、請求項2もしくは請求項4に記載のポリペプチドまたは請求項9に記載の小胞を含む、免疫原性組成物。
  11. アジュバントを含む、請求項10に記載の組成物。
  12. 前記アジュバントがアルミニウム塩を含む、請求項11に記載の組成物。
  13. 請求項10〜12のいずれかに記載の組成物であって、該組成物は、哺乳動物に投与したとき髄膜炎菌に対して殺菌性である抗体応答を惹起する第二のポリペプチドをさらに含むが、但し該第二のポリペプチドが髄膜炎菌fHBPでないことを条件とする、組成物。
  14. N.meningitidis血清群A、C、W135および/またはYからの結合体化した莢膜糖をさらに含む、請求項10〜13のいずれかに記載の組成物。
  15. 結合体化した肺炎球菌莢膜糖をさらに含む、請求項10〜14のいずれかに記載の組成物。
  16. 請求項10〜15のいずれかに記載の免疫原性組成物を投与することを含む、哺乳動物における抗体応答を高めるための方法。
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