JP2014240372A - シラン化合物、シルセスキオキサン化合物とその製造方法、硬化性組成物、硬化物、透明フィルムおよび積層体 - Google Patents

シラン化合物、シルセスキオキサン化合物とその製造方法、硬化性組成物、硬化物、透明フィルムおよび積層体 Download PDF

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竹内 浩史
Hiroshi Takeuchi
浩史 竹内
秀晴 森
Hideharu Mori
秀晴 森
拓己 金野
Takumi Kaneno
拓己 金野
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Abstract

【課題】本発明は、シラン化合物、該化合物を原料とし、高い透明性、表面硬度・耐擦傷性、機械強度に優れた材料を提供可能なシルセスキオキサン化合物とその製造方法、硬化性組成物、硬化物、透明フィルムおよび積層体を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表されるシラン化合物、およびシラン化合物の加水分解・縮合により得られるシルセスキオキサン化合物である。
Figure 2014240372

(1)
:炭素数1〜4のアルキル基またはアシル基
:水素原子またはメチル基
【選択図】なし

Description

本発明は、シラン化合物、シルセスキオキサン化合物とその製造方法、硬化性組成物、硬化物、透明フィルムおよび積層体に関する。
近年、有機材料と無機材料をナノレベルで緻密に複合化させることにより、高い耐熱性、耐久性、表面硬度・耐擦傷性、機械強度、光学特性などを併せ持つ有機無機ナノハイブリッド技術開発が活発化している。中でも、かご構造やはしご構造など特異な構造を有し、有機材料との複合化が容易なシリコーン材料として、シルセスキオキサン化合物が注目され、様々な材料開発が行われている。
シルセスキオキサン化合物の中でも、かご構造を有するものは、その硬直なポリシロキサン骨格と、サブナノレベルの分子サイズから、高い透明性、耐熱性、表面硬度・耐擦傷性、機械強度、有機材料との複合化による高機能化などが期待され、様々な有機置換基を有するものが市販されている。一般的に、アルキル基、フェニル基を有する化合物は、特定の有機溶剤に溶解させることは可能であるが、硬化性組成物の成分である(メタ)アクリレート化合物、シリカゾル、エポキシ樹脂などの樹脂類への溶解は困難であり、機能性付与成分としての使用が困難であった。
一方、特許文献1、非特許文献1には3−アミノプロピルトリエトキシシランとグリシドールとの付加物から誘導されたシルセスキオキサン化合物が開示されている。これらのシルセスキオキサンは、分子内に多くの水酸基を有しており、水溶性材料として有用であるほか様々な機能化が可能である。しかしながら、これらのシルセスキオキサンには重合性官能基がなく、機械強度の点で十分なものではなかった。
特表2008−500292号公報
Macromolecules, 2004, 37, 5228-5238
本発明の目的は、樹脂類との相溶性が良好であり、コーティング材料、電子材料、光学材料などへの表面硬度・耐擦傷性・機械強度付与成分として利用可能なシルセスキオキサン化合物を提供することにある。また、該化合物の製造方法、該化合物を含有する硬化性組成物、硬化物、透明フィルムおよび積層体を提供することにある。
即ち、第1の発明は、一般式(1)で表されるシラン化合物である。
Figure 2014240372
(1)
1:炭素数1〜4のアルキル基またはアシル基
2:水素原子またはメチル基
第2の発明は、一般式(2)で表されるアミノシラン化合物
Figure 2014240372
(2)
3:炭素数1〜4のアルキル基またはアシル基
のアミノ基と、一般式(3)で表されるグリシジル(メタ)アクリレート
Figure 2014240372
(3)
4:水素原子またはメチル基
のエポキシ基を付加反応させることにより、上述した一般式(1)で表されるシラン化合物を製造することを特徴とする、シラン化合物の製造方法である。
第3の発明は、上述した一般式(1)で表されるシラン化合物の加水分解・縮合により得られるシルセスキオキサン化合物である。
第4の発明は、一般式(1)で表されるシラン化合物を加水分解・縮合することを含むシルセスキオキサンの製造方法である。
第5の発明は、無機酸、第4級アンモニウム塩の少なくとも1種類の化合物を触媒として、一般式(1)で表されるシラン化合物を加水分解・縮合することを特徴とするシルセスキオキサンの製造方法である。
第6の発明は、一般式(1)で表されるシラン化合物の加水分解・縮合により得られるシルセスキオキサン化合物を含む硬化性組成物である。第7の発明は、前記硬化性組成物を硬化させることにより得られる硬化物である。
第8の発明は、前記の硬化物を含んでなる透明フィルムである。 第9の発明は、基材上に前記の硬化物からなる硬化物層が形成された積層体である。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリ」は「アクリ」又は「メタクリ」を示す。
本発明により、高い透明性を有し、表面硬度・耐擦傷性、機械強度に優れた材料を提供でき、透明フィルム、積層体を提供できる。更に、耐熱材料、炭素繊維複合材料、液晶用封止材、LED用封止材、有機EL用封止材などの光学デバイス材料を提供できる。
シラン化合物(A1)の1H−NMRスペクトルを表す。 シラン化合物(A1)の15N−NMRスペクトルを表す。 シルセスキオキサン化合物(SQ1)の1H−NMRスペクトルを表す。
シラン化合物
本発明のシラン化合物(以降、シラン化合物(A))は以下の一般式(1)で表される。
Figure 2014240372
(1)
1:炭素数1〜4のアルキル基またはアシル基
2:水素原子またはメチル基
式(1)においてR1及びR2は互いに同じでも異なっていてもよい。
1の炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基が挙げられ、メチル基、エチル基が特に好ましい。
1の炭素数1〜4のアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基等が挙げられる。
本発明のシラン化合物(A)は、分子内に1つの加水分解性シリル基と、2つの(メタ)アクリロイル基を有しており、一般式(2)で表されるアミノシラン化合物に、一般式(3)で表されるグリシジル(メタ)アクリレートを付加させることにより製造することができる。
Figure 2014240372
(2)
3:炭素数1〜4のアルキル基またはアシル基
3の定義は、R1と同じである。
Figure 2014240372
(3)
4:水素原子またはメチル基
上記一般式(2)と上記一般式(3)の付加反応のモル比は、アミノシラン1モルに対してグリシジル(メタ)アクリレート2〜5モルが好ましく、2〜3モルがより好ましい。グリシジル(メタ)アクリレート2モル以上ならば、原料のアミノシランの残存を抑えることができる。また、5モル以下ならば、グリシジル(メタ)アクリレートの付加反応中の重合を抑制することができ、過剰量の分離操作が簡便となる。
付加反応の温度は、20〜100℃が好ましく、50〜80℃がより好ましい。20℃以上ならば、付加反応を十分進行させることができる。また、100℃以下ならば、グリシジル(メタ)アクリレートの重合を抑制することができる。付加反応の時間は、4〜60時間が好ましく、6〜48時間がより好ましい。4時間以上ならば、付加反応を十分進行させることができる。60時間以内ならば、グリシジル(メタ)アクリレートの重合を抑制することができる。
本付加反応では、グリシジル(メタ)アクリレートの重合を抑制するため、重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤は、ラジカル重合の抑制能を持つ公知のものであれば特に限定はないが、例えばヒドロキノン、p−t−ブチルカテコール、モノ−t−ブチルヒドロキノン等のヒドロキノン類、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ジ−p−クレゾール等のフェノール類、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、p−トルキノン等のキノン類、フェノチアジン、ビス(α−メチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェノチアジンなどのフェノチアジン類、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−アセチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルなどのN−オキシル化合物などが挙げられる。
また、本付加反応は無溶媒で行ってもよいし、溶媒を用いることもできる。溶媒の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ベンジルアルコール、2−メトキシエチルアルコール、2−エトキシエチルアルコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、グリセリンエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセテート、2−エチルブチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトン、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−フェノキシエチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。これらの溶媒は単独で、又は2種以上を併用して使用することができる。
溶媒の量は、原料、溶媒の種類等により適宜変えることができるが、例えば、前記アミノシランとグリシジル(メタ)アクリレートとの合計100質量部に対して、10〜1000質量部程度の量で付加反応を行うことが好ましい。
シルセスキオキサン化合物
本発明のシルセスキオキサン化合物は、シラン化合物(A)の加水分解・縮合により得られる化合物である。尚、シルセスキオキサンとは、ケイ素原子が1つの有機基と3つの酸素と結合した、下記構造の基本構成単位を有する3官能アルコキシシランの縮合物の総称である。
Figure 2014240372
シルセスキオキサン化合物は、通常、かご構造、ラダー構造、ランダム構造などの混合物であることが多い。これら混合物はそのまま利用することもできるし、構造の異なるシルセスキオキサン化合物を分離して利用してもよい。構造の異なるシルセスキオキサン化合物を単離する方法としては、例えば、分子量差を利用したGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法、特定の溶媒に対する溶解度差を利用した再結晶法等が利用できる。
本発明のシルセスキオキサン化合物は、ポリシロキサン骨格を構成する各々のケイ素原子に、2つのメタクリロイル基と2つの水酸基を有する分岐構造の有機置換基が結合しているため、分子内に極めて高密度のメタクリロイル基と水酸基が存在していることが特徴となっている。このような特徴から、酸素による重合阻害を受けにくい、硬化物の硬度が高い、あるいは、水酸基との相互作用により樹脂との相溶性が高くなるなどの効果が期待される。
本発明のシラン化合物(A)のみの加水分解・縮合で得られるシルセスキオキサン化合物はそのNMRスペクトル分析から、以下の分子式を有すると考えられる。
Figure 2014240372
本発明のシルセスキオキサン化合物は、シラン化合物(A)(一般式(1)で表されるシラン化合物)の加水分解・縮合で得られる他、その他のシラン化合物(B)との共縮合によっても得ることができる。シラン化合物(B)の具体例としては、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどの3官能アルコキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランあるいはこれらのn量体(2≦n≦20)などのアルキルシリケートが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
シラン化合物(A)の加水分解・縮合の触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸およびフッ化水素酸などの無機酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、アンモニウムフルオリド、テトラブチルアンモニウムフルオリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライドおよびベンジルトリエチルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩などが好適である。これらの中でも、無機酸及び第4級アンモニウム塩の少なくとも一種の化合物が好ましく、更に、フッ化水素酸、アンモニウムフルオリド、テトラブチルアンモニウムフルオリドは、かご構造を高率で生成する傾向があり、特に好ましい。
触媒量は、シラン化合物(A)100質量部に対し、0.01〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。0.01質量部以上では十分な触媒活性を得ることができる。また、20質量部以下ならば、残留触媒の硬化物性への影響を低く抑えることができる。
シラン化合物(A)の加水分解に使用する水量は、加水分解性アルコキシ基モル数の理論量合計の0.1〜10倍が好ましく、1〜3倍がより好ましい。
加水分解共縮合の反応温度は、0〜100℃が好ましく、20〜50℃がより好ましい。0℃以上ならば十分に反応が進行し、100℃以下ならば副反応の誘発やゲル化の可能性が少なくなる。
加水分解共縮合反応時には、有機溶媒を使用することが好ましい。有機溶媒としては、シラン化合物(A)を溶解できるものであれば特に限定はないが、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1−メトキシ−2−プロパノールなどが挙げられる。これらの有機溶剤は、単独でも、2種類以上を混合して使用してもよい。
硬化性組成物
本発明の硬化性組成物は、前述のシルセスキオキサン化合物を含む。その他の成分としては、重合性官能基を有する化合物を使用することが出来る。本発明の硬化性組成物における本発明のシルセスキオキサン化合物の含有量は、硬化性組成物の全質量に対し、1〜100質量%であることが好ましく、10〜90質量%であることが更に好ましい。
重合性官能基を有する化合物の具体例としては、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート及びフォスフォエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニルプロパン]、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート化合物、スチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−クロロスチレン、m−クロロスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メチル−p−メトキシスチレン、α−メチル−m−メトキシスチレン、α−メチル−p−クロロスチレン、α−メチル−m−クロロスチレンなどスチレン化合物;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メチルプロペニルエーテル、エチルプロペニルエーテル、ブチルプロペニルエーテル、メチルブテニルエーテル、エチルブテニルエーテル、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカルバゾール、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル、9−ヒドロキシノニルビニルエーテル、プロピレングリコールモノビニルエーテル、ネオペンチルグリコールモノビニルエーテル、グリセロールジビニルエーテル、グリセロールモノビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、トリメチロールプロパンモノビニルエーテル、ペンタエリスリトールモノビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、テトラエチレングリコールモノビニルエーテル、トリシクロデカンジオールモノビニルエーテル、トリシクロデカンジメタノールモノビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、グリセロールトリビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテルなどのビニル化合物、アリルエチルエーテル、アリルプロピルエーテル、アリルブチルエーテル、アリルグリシジルエーテル、アリルフェニルエーテル、ジアリルエーテル、ジエチレングリコールビスアリルエーテル、アリルアセテート、アリルブチラート、アリルヘキサノエート、アリルカプロエート、アリルクロルアセテート、アリルメタクリレート、ジアリルマレート、ジアリルスクシネート、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルトリメレテート、1,3,5−トリアリルベンゼンカルボン酸、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどのアリル化合物、フェニルグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−ドデシレンオキサイド、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−(3,4−エポキシシクロヘキシル)カルボシキレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、フェニルグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、多価アルコールのポリグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、2−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−オキセタンメタノール、3−メチル−3−メトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、レゾルシノールビス(3−メチル−3−オキセタニルエチル)エーテル、m−キシリレンビス(3−エチル−3−オキセタニルエチルエーテル)等のオキセタン化合物、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルシリケート(テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物)、エチルシリケート(テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物)、前述のシラン化合物(B)の具体例として挙げた3官能アルコキシシラン、アルキルシリケートなどの化合物群、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシランなどの2官能アルコキシシラン、これらの化合物を加水分解・縮合して得られる、アルコキシシリル基および/またはシラノール基を有するシリコーン化合物などが挙げられる。これらの重合性官能基を有する化合物の中で、特に(メタ)アクリレート化合物が好適である。
本発明の硬化性組成物は、重合・硬化反応を促進させる為に、重合開始剤を含むことができる。重合開始剤は、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤などの公知のものを使用することができる。具体的に例示すると、ラジカル重合開始剤としては、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2′−アゾビス(イソブチレート)、ジメチル−2,2′−アゾビス(2−メチルブチレート)及びジメチル−2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルペンタノエート)、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過炭酸ナトリウム等であり、また有機過酸化物としてはt−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化ターシャリジブチルなどの熱ラジカル重合開始剤、あるいは、3,3−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1,2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどの光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
また、カチオン重合開始剤としては、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、セレニウム塩、ピリジニウム塩、フェロセニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩が挙げられる。これらのうち、特にヨードニウム塩およびスルホニウム塩は、バリエーションが比較的豊富で、安価なものもあるため、好ましい光カチオン重合開始剤である。
ヨードニウム塩の具体例としては、(トリクミル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウム・ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウム・テトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウム・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム・テトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム・ヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム・テトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
また、スルホニウム塩の具体例としては、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム・ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム・テトラフルオロボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウム四フッ化ホウ素、トリフェニルスルホニウム六フッ化アンチモン、トリフェニルスルホニウム六フッ化ヒ素、トリ(4−メトキシフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素、ジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、固形分濃度調整、塗布性向上、基材への密着性向上等を目的として、有機溶媒を含有できる。有機溶媒としては、例えば、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、セロソルブ類及び芳香族化合物類が挙げられる。
有機溶媒の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ベンジルアルコール、2−メトキシエチルアルコール、2−エトキシエチルアルコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、グリセリンエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセテート、2−エチルブチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトン、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−フェノキシエチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ベンゼン、トルエン、キシレンが挙げられる。これらの有機溶媒は単独で又は2種以上を併用して使用できる。
また、本発明の硬化性組成物は、その他、必要に応じて、無機微粒子、染料、顔料、顔料分散剤、流動調整剤、レベリング剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等を含有できる。
硬化物
本発明の硬化性組成物を重合により硬化させることで硬化物を得ることができる。硬化方法としては、熱ラジカル重合、光ラジカル重合、熱カチオン重合、光カチオン重合、熱重縮合、光重縮合などが好適である。これらの硬化方法において、活性エネルギー線を使用することがより好適である。即ち、本発明の硬化性組成物に、活性エネルギー線を照射することにより、硬化物を製造することができる。ここでいう活性エネルギー線とは、電子線、紫外線、可視光線、赤外線を示す。光源(線源)としては、電子銃、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、白熱電球、太陽光線、IRヒーターなどが挙げられる。また、加熱炉などの輻射熱を利用することもできる。
透明フィルム
本発明の硬化性組成物を、押出成形法、キャスティング法など、フィルム製造に広く利用されている方法で所望の膜厚に成膜した後、活性エネルギー線を照射すると、透明フィルムを作製することができる。この透明フィルムは、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、タッチパネル、太陽電池、電子ペーパーなどのエレクトロニクスデバイスのプラスチック基板などに利用できる。
積層体
基材上に本発明の硬化物からなる硬化物層を形成して積層体を得ることができる。この積層体は、例えば、本発明の硬化性組成物を基材に塗布し、重合硬化させることで作製することができる。積層体に使用される基材としては、例えば、プラスチック、金属、缶、紙、木質材、無機質材、及びこれらの基材にプライマー層を形成したものが挙げられる。これらの中で、プラスチック基材が好適であり、中でも、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートなどの透明プラスチック基材が特に好適である。
基材への本発明の組成物の塗布方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ロールコート法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、スピンコート法、フローコート法及び静電塗装法などの公知の方法を用いることができる。硬化方法は、前記の活性エネルギー線の照射が好適である。
本発明の積層体は、携帯電話、ノートパソコン等のディスプレイ前面板、ヘッドランプカバー等の自動車部品、車両用プラスチック窓材等の各種用途に好適である。
合成樹脂類とシルセスキオキサン化合物のブレンド
本発明のシルセスキオキサン化合物は、合成樹脂類にブレンドすることにより、合成樹脂類の改質が期待される。
合成樹脂類の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。
以下、本発明を実施例により説明する。但し、本発明は、これらに限定されるものではない。
[実施例1]シラン化合物(A1)の合成
撹拌子、温度制御装置を備えた2口フラスコに、3−アミノプロピルトリエトキシシラン 5.0g(4.5 mmol)を加え、攪拌しながらグリシジルメタクリレート6.4 g(9.0 mmol)を滴下した。滴下終了後、80oCで48h反応させた。反応終了後、未反応のモノマーをヘキサンで洗浄した。その後、溶媒を減圧留去し、収率56%で、シラン化合物(A1)の薄黄色粘性液体を得た。シラン化合物(A1)の1H−NMRスペクトルと15N−NMRスペクトルを図1及び図2に示した。
[実施例2]
撹拌子、温度制御装置を備えたナスフラスコに、実施例1で合成したシラン化合物(A1)5.55 g(11 mmol)を加え、攪拌しながらメタノール18 mlを加え溶解し、3.2%フッ化水素水溶液を0.6 ml滴下した。室温で2時間攪拌した後、エバポレーターでメタノールを留去し、40℃、800Paで2時間乾燥することでシルセスキオキサン(SQ1)の薄黄色の粘性体を収率98%で得た。
得られたシルセスキオキサン(SQ1)の1H−NMRスペクトルを図3に示した。
[実施例3]
実施例2で合成したシルセスキオキサン(SQ1)2g、メチルエチルケトン2g、光ラジカル重合開始剤としてIRGACURE500(1−ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトンとベンゾフェノンの共融混合物、BASF製)0.15 gを混合し、硬化性組成物C1を調製した。
積層体の作製および評価
<積層体の作製>
硬化性組成物C1を、基材である長さ10cm、幅5cm、厚み3mmのアクリル樹脂板(三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリライトEX)上に、バーコーターで厚さ6μmになるように塗布した後、コンベアを備えた120W/cmの高圧水銀ランプ((株)オーク製作所製、紫外線照射装置、商品名:ハンディーUV−1200、QRU-2161型)を用いて、積算光量3000mJ/cm2の紫外線を照射し、基材上に光硬化膜が形成された積層体L1を作製した。
尚、紫外線照射量は紫外線光量計((株)オーク製作所製、商品名:UV−351型、ピーク感度波長365nm)で測定した。
得られた積層体L1の光硬化膜について、次の評価を行った。
<積層体の光硬化膜の評価>
(1)外観
目視にて硬化物層の透明性並びにクラック及び白化の有無を観察し、以下の基準で外観を評価した。
「○」:透明で、クラック及び白化などの欠陥の無いもの。
「×」:不透明な部分があるもの又はクラック若しくは白化などの欠陥があるもの。
(2)鉛筆硬度
鉛筆引っかき試験(JIS−K−5600)に準じて硬化物層の鉛筆硬度を評価した。
(3)耐擦傷性
ラビングテスター((株)井元製作所製、商品名:A1566改)を使用し、硬化物層の表面を#0000スチールウールで、1cm2当たり9.8×104Paの荷重を加えて10往復ラビングテストを行い、硬化物層の傷の状態を目視で判定した。
L1の光硬化膜は、外観:○、鉛筆硬度:4H、耐擦傷性:傷なし、であった。
[比較例1]
実施例3において、シルセスキオキサンの代わりに、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製、商品名KAYARAD DPCA−20)を用いた以外は同様の方法で、硬化性組成物C2を調製した。更に、実施例3と同様の方法で、積層体L2を作製した。
L2の光硬化膜は、外観:○、鉛筆硬度:6H、耐擦傷性:傷あり、であった。
<酸素による重合阻害の受けにくさの評価>
硬化性組成物C1を、バーコーターで硬化膜厚が25、6、15、0.7μmとなるように基材(アクリル樹脂板)に塗布した。実施例3と同様の紫外線照射装置において、紫外線光量が1パス当たり500mJ/cm2とるようにコンベア速度を調整し、C1を塗布した基材を、C1がタックフリー(指で触ってもベタつきがない)となるまで繰り返し紫外線照射を行った。全く同様の操作を、硬化性組成物C2についても行った。
Figure 2014240372
表1の結果より、シルセスキオキサン(C1)は、硬化膜厚が薄くなっても、硬化に要する紫外線光量は変わらない。よって、空気中の酸素の重合阻害を受けにくいことがわかる。一方、多官能アクリレート(C2)は、硬化膜厚が薄くなるほど、硬化に要する紫外線光量が増大する。即ち、重合阻害を受ける傾向が見られる。

Claims (9)

  1. 一般式(1)で表されるシラン化合物。
    Figure 2014240372
    (1)
    1:炭素数1〜4のアルキル基またはアシル基
    2:水素原子またはメチル基
  2. 一般式(2)で表されるアミノシラン化合物
    Figure 2014240372
    (2)
    (R3:炭素数1〜4のアルキル基またはアシル基)
    のアミノ基と、一般式(3)で表されるグリシジル(メタ)アクリレート
    Figure 2014240372
    (3)
    (R4:水素原子またはメチル基)
    のエポキシ基を付加反応させる、請求項1記載のシラン化合物の製造方法。
  3. 請求項1に記載のシラン化合物の加水分解・縮合により得られるシルセスキオキサン化合物。
  4. 請求項1に記載のシラン化合物を加水分解・縮合することを含む、シルセスキオキサン化合物の製造方法。
  5. 無機酸、及び第4級アンモニウム塩から選択される少なくとも1種類の化合物を触媒として、請求項1に記載のシラン化合物を加水分解・縮合することを特徴とするシルセスキオキサンの製造方法。
  6. 請求項3に記載のシルセスキオキサン化合物を含む硬化性組成物。
  7. 請求項6に記載の硬化性組成物を硬化させることにより得られる硬化物。
  8. 請求項7に記載の硬化物を含んでなる透明フィルム。
  9. 基材上に請求項7に記載の硬化物からなる硬化物層が形成された積層体。
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