JP2015218288A - 硬化性組成物、硬化物および積層体 - Google Patents

硬化性組成物、硬化物および積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、高い透明性、表面硬度・耐擦傷性、機械強度に優れたシルセスキオキサン化合物を含む硬化性組成物、硬化物および積層体を提供する。【解決手段】 一般式(1)で表されるシラン化合物(A)並びに一般式(2)で表されるシラン化合物(B)を、加水分解・共縮合することにより得られるシルセスキオキサン化合物(C)、4官能以下の(メタ)アクリレートモノマーを少なくとも2種類以上含有するモノマー混合物(D)、およびラジカル重合開始剤(E)を含有し、シルセスキオキサン化合物(C)を40〜80質量部、4官能以下の(メタ)アクリレートモノマーを少なくとも2種類以上含むモノマー混合物20〜60質量部(B)ラジカル重合開始剤0.01〜10質量部である硬化性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性組成物、硬化物および積層体に関する。
近年、有機材料と無機材料をナノレベルで緻密に複合化させることにより、高い耐熱性、耐久性、表面硬度・耐擦傷性、機械強度、光学特性などを併せ持つ有機無機ナノハイブリッド技術開発が活発化している。中でも、かご構造やはしご構造など特異な構造を有し、有機材料との複合化が容易なシリコーン材料として、シルセスキオキサン化合物が注目され、様々な材料開発が行われている。シルセスキオキサン化合物の中でも、かご構造を有するものは、その硬直なポリシロキサン骨格と、サブナノレベルの分子サイズから、高い透明性、耐熱性、表面硬度・耐擦傷性、機械強度、有機材料との複合化による高機能化などが期待され、様々な有機置換基を有するものが開発されている。また、これらシルセスキオキサンと有機材料との複合化によるハードコート材料、透明耐熱材料などが開発され、有機材料のみのものと比較して性能が向上している。しかしながら、ガラスなどの無機材料と比較すると、性能は十分なものではなく課題が多い。
特開2008−37101号公報 特開2009−42351号公報 特開2012−224672号公報 特開2013−147451号公報
本発明の目的は、プラスチック材料などの表面保護コートとして利用可能な、シルセスキオキサン化合物を含有する硬化性組成物を提供することにある。また、該組成物の硬化物および積層体を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、硬化性、硬化物性が優れたシルセスキオキサン化合物を見出し、更にこれらを含有する硬化性組成物を見出すことにより、本発明に至った。
即ち、第1の発明は、
一般式(1)で表されるシラン化合物(A)、

:炭素数1〜4のアルキル基
:炭素数1〜4のアルキル基
並びに一般式(2)で表されるシラン化合物(B)

:炭素数1〜10の(メタ)アクリロイル基を含有する有機基
:炭素数1〜4のアルキル基
を、加水分解・共縮合することにより得られるシルセスキオキサン化合物(C)、
4官能以下の(メタ)アクリレートモノマーを少なくとも2種類以上含有するモノマー混合物(D)、および
ラジカル重合開始剤(E)
を含有し、
シルセスキオキサン化合物(C)を40〜80質量部、
4官能以下の(メタ)アクリレートモノマーを少なくとも2種類以上含むモノマー混合物20〜60質量部(B)
ラジカル重合開始剤0.01〜10質量部
である硬化性組成物である。
第2の発明は、前記硬化性組成物を硬化して得られる硬化物である。
第3の発明は、基材上に前記硬化物からなる層が形成された積層体である。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリ」は「アクリ」又は「メタクリ」を示す。
本発明により、良好なハンドリング性と高い硬化性を有する組成物、高い表面硬度、耐擦傷性に優れた硬化物、更にはこれら硬化物からなる層が基材上に形成された積層体を提供できる。
以下、本発明の硬化性組成物、硬化物、および積層体について詳述する。
硬化性組成物
本発明の硬化性組成物は、 一般式(1)で表されるシラン化合物(A)、

:炭素数1〜4のアルキル基
:炭素数1〜4のアルキル基
並びに一般式(2)で表されるシラン化合物(B)

:炭素数1〜10の(メタ)アクリロイル基を含有する有機基
:炭素数1〜4のアルキル基
を、加水分解・共縮合することにより得られるシルセスキオキサン化合物(C)、
4官能以下の(メタ)アクリレートモノマーを少なくとも2種類以上含有するモノマー混合物(D)、および
ラジカル重合開始剤(E)
を含有し、
シルセスキオキサン化合物(C)を40〜80質量部、
4官能以下の(メタ)アクリレートモノマーを少なくとも2種類以上含むモノマー混合物20〜60質量部(B)
ラジカル重合開始剤0.01〜10質量部
である硬化性組成物である。
なお、シルセスキオキサンとは、分子内に有機基1つを有する3官能アルコキシシランの縮合物の総称である。
本発明のシルセスキオキサン化合物はラジカル重合性官能基を有しており、硬化性組成物において、表面硬度、機械強度を付与する役割を果たす。
なお、本発明において、加水分解・共縮合とは、2種類以上のシラン化合物と所定量の水および触媒を混合し、アルコキシシリル基の加水分解と、これに続くシラノール基の縮合反応により、所望のシルセスキオキサン化合物を製造する一連の反応のことである。
シルセスキオキサン化合物の加水分解・共縮合成分である(A)シラン化合物および(B)シラン化合物について、更に詳述する。
<シラン化合物(A)>
シルセスキオキサン化合物の加水分解・共縮合成分の1つであるシラン化合物(A)は、下記一般式で表される。

:炭素数1〜4のアルキル基
:炭素数1〜4のアルキル基
具体的には、例えば、アミノ基を含有するシラン化合物(a1)(以下、化合物(a1))と単官能アクリレート化合物(a2)(以下、化合物(a2))とのマイケル付加反応により製造することができる。ここで、化合物(a1)としては、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられ、特に、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランが好適である。
また、化合物(a2)としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレートおよびジシクロペンタニルアクリレートなどが挙げられる。これらの中で、特に、メチルアクリレート、エチルアクリレートが好適である。化合物(a1)と化合物(a2)とのマイケル付加反応により、化合物(a1)1モルに化合物(a2)2モルが付加したシラン化合物(A)を製造することができる。化合物(a1)と化合物(a2)との反応モル比は、未反応物を少なくできることから、化合物(a1)1モルに対して化合物(a2)2〜4モルが好ましく、2〜2.5モルがより好ましい。化合物(a1)と化合物(a2)の付加反応は、無溶媒で行うことができる。付加反応の反応温度は、十分に反応が進行し、副反応を抑える点から、0〜100℃が好ましく、40〜80℃がより好ましい。
また、本マイケル付加反応は有機溶媒中で行うこともできる。有機溶媒としては、化合物(a1)や化合物(a2)を溶解できるものであれば特に限定はないが、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。これらの有機溶剤は、単独でも、2種類以上を混合して使用してもよい。
更に、本マイケル付加反応は、触媒を用いることができる。触媒としては、マイケル付加反応に使用されるアミン類、アルカリ金属アルコキシドなどの公知のものを用いることができる。
<シラン化合物(B)>
シルセスキオキサン化合物の加水分解・共縮合成分の1つであるシラン化合物(B)は、下記式(2)で表される、分子内に(メタ)アクリロイル基を有する3官能アルコキシシラン化合物である。
シラン化合物(B)としては、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、8−(メタ)アクリロキシオクチルトリエトキシシラン、8−(メタ)アクリロキシオクチルトリメトキシシランこれらの中で、特に、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが好適である。
<シルセスキオキサン化合物(C)>
シルセスキオキサン化合物(C)は、上記シラン化合物(A)と(B)wo加水分解・共縮合することにより得られる
加水分解・共縮合のモル比は、シラン化合物(A):シラン化合物(B)=99:1〜1:99の範囲であることが好ましく、更には90:10〜10:90であることが好ましい。ここで、シラン化合物(A)が90以内ならば、十分な表面硬度や耐熱性を得ることができる。また、シラン化合物(A)が10以上ならば、樹脂類に対する溶解性が良好である。
シラン化合物(A)、(B)の加水分解・共縮合の触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸およびフッ化水素酸などの無機酸、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、アンモニウムフルオリド、テトラブチルアンモニウムフルオリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライドおよびベンジルトリエチルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩などが好適である。
これらの中でも、フッ化水素酸、アンモニウムフルオリドは、かご構造を特異的に生成するため、特に好ましい。
触媒量は、シラン化合物(A)、(B)の合計100質量部に対し、0.01〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。0.01質量部以上では十分な触媒活性を得ることができる。また、20質量部以下ならば、残留触媒の硬化物性への影響を低く抑えることができる。
シラン化合物(A)、(B)の加水分解に使用する水量は、加水分解性アルコキシ基モル数の理論量合計の0.1〜10倍が好ましく、1〜3倍がより好ましい。
加水分解・共縮合の反応温度は、0〜100℃が好ましく、20〜50℃がより好ましい。0℃以上ならば十分に反応が進行する。100℃以下ならば副反応の誘発やゲル化の可能性が少ない。
加水分解・共縮合時には、有機溶媒を使用することが好ましい。有機溶媒としては、シラン化合物(A)および(B)を溶解できるものであれば特に限定はないが、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1−メトキシ−2−プロパノールなどが挙げられる。これらの有機溶剤は、単独でも、2種類以上を混合して使用してもよい。
<4官能以下の(メタ)アクリレートモノマーを少なくとも2種類以上含有するモノマー混合物(D)>
モノマー混合物(D)は、4官能以下の(メタ)アクリレートモノマーが少なくとも2種類以上で構成されている。4官能以下の(メタ)アクリレートモノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フォスフォエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニルプロパン]、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中で、特に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレートが好適である。2種類以上のモノマーの組み合わせについては特に限定はないが、2〜4官能のモノマーと単官能モノマーとの組み合わせが好適である。
<ラジカル重合開始剤(E)>
本発明の硬化性組成物は、重合・硬化反応を促進させる為に、重合開始剤を含むことができる。具体的に例示すると、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2′−アゾビス(イソブチレート)、ジメチル−2,2′−アゾビス(2−メチルブチレート)及びジメチル−2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルペンタノエート)、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過炭酸ナトリウム等であり、また有機過酸化物としてはt−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化ターシャリジブチルなどの熱ラジカル重合開始剤、あるいは、3,3−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1,2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどの光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
本発明の硬化性組成物の好適な組成比は、シルセスキオキサン化合物(C)は40〜80質量部、4官能以下の(メタ)アクリレートモノマーを少なくとも2種類以上含むモノマー混合物(D)は20〜60質量部、ラジカル重合開始剤(E)は0.01〜10質量部である。シルセスキオキサン化合物(C)が40質量部以上ならば、硬化膜に高い表面硬度、耐擦傷性を付与することができ、80質量部以下ならば、硬化膜の脆性を抑えることができる。また、モノマー混合物(D)が20質量部以上ならば、硬化膜に適度な柔軟性を付与することができ、60質量部以下ならば、硬化膜の表面硬度、耐擦傷性の低下を抑えることができる。更に、ラジカル重合開始剤(E)0.01質量部以上ならば、十分な硬化性を得ることができ、10質量部以下ならば、残留する分解物の影響を抑えることができる。
本発明の硬化性組成物は、固形分濃度調整、塗布性向上、基材への密着性向上等を目的として、有機溶媒を含有できる。有機溶媒としては、例えば、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、セロソルブ類及び芳香族化合物類が挙げられる。
有機溶媒の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ベンジルアルコール、2−メトキシエチルアルコール、2−エトキシエチルアルコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、グリセリンエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセテート、2−エチルブチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトン、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−フェノキシエチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ベンゼン、トルエン、キシレンが挙げられる。これらの有機溶媒は単独で又は2種以上を併用して使用できる。
また、本発明の硬化性組成物は、その他、必要に応じて、無機微粒子、染料、顔料、顔料分散剤、流動調整剤、レベリング剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等を含有できる。
<硬化物>
本発明の硬化性組成物を重合により硬化させることで硬化物を得ることができる。硬化方法としては、熱ラジカル重合、光ラジカル重合などが好適である。これらの硬化方法において、活性エネルギー線を使用することがより好適である。即ち、本発明の硬化性組成物に、活性エネルギー線を照射することにより、硬化物得ることができる。ここでいう活性エネルギー線とは、電子線、紫外線、可視光線、赤外線を示す。光源(線源)としては、電子銃、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、白熱電球、太陽光線、IRヒーターなどが挙げられる。また、加熱炉などの輻射熱を利用することもできる。
<積層体>
本発明は、基材上に本発明の硬化物からなる層が形成された積層体である。この積層体は、例えば、本発明の硬化性組成物を基材に塗布し、重合硬化させることで作製することができる。積層体に使用される基材としては、例えば、プラスチック、金属、缶、紙、木質材、無機質材、及びこれらの基材にプライマー層を形成したものが挙げられる。これらの中で、プラスチック基材が好適であり、中でも、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートなどの透明プラスチック基材が特に好適である。
基材への本発明の組成物の塗布方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ロールコート法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、スピンコート法、フローコート法及び静電塗装法などの公知の方法を用いることができる。硬化方法は、前記の活性エネルギー線の照射が好適である。
本発明の積層体は、携帯電話、ノートパソコン等のディスプレイ前面板、ヘッドランプカバー等の自動車部品、車両用プラスチック窓材等の各種用途に好適である。
<合成樹脂類とシルセスキオキサン化合物のブレンド>
本発明のシルセスキオキサン化合物は、合成樹脂類にブレンドすることにより、合成樹脂類の改質が期待される。
合成樹脂類の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。
以下、本発明を実施例により説明する。但し、本発明は、これらに限定されるものではない。
[合成例1]シラン化合物(A1)の合成
撹拌子、温度制御装置、コンデンサーを備えた300ml2口フラスコに、3−アミノプロピルトリメトキシシラン17.9g(100mmol)、メタノール90gを仕込み、撹拌しながら、アクリル酸メチル34.4g(400mmol)を滴下した。滴下終了後、70℃で反応させ、ガスクロマトグラフで反応の進行をモニターした。4時間後に3−アミノプロピルトリメトキシシランのシグナルが消失したのを確認し、溶媒と過剰のアクリル酸メチルをエバポレーターで減圧留去して、目的物であるシラン化合物(A1)を定量的に得た。
[合成例2]シルセスキオキサン化合物(SQ1)の合成
200mlナスフラスコに、合成例1で得られたシラン化合物(A1)3.5g(10mmol)と3−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン(上記一般式(2)で表されるシラン化合物(B)に該当)17.4g(70mmol)を加え、撹拌しながらメタノール14.4mlを加え溶解し、3.2%フッ化アンモニウム水溶液を3.7ml滴下した。滴下終了後、混合物を室温で2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。生成物を40℃、800Paで4時間乾燥し、透明粘性液体のSQ1を定量的に得た。
[実施例1]
合成例2で得られた化合物(SQ1)60部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業製、商品名:NKエステルA−TMPT)30部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(三菱レイヨン製、アクリエステルHO)10部、メチルエチルケトン20部、イルガキュア500(BASF製、)5部を混合し、硬化性組成物C1を調製した。
積層体の作製および評価
<積層体の作製>
硬化性組成物C1を、基材である長さ10cm、幅5cm、厚み3mmのアクリル樹脂板(三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリライトL)上に、バーコーターで厚さ10μmになるように塗布した後、コンベアを備えた120W/cmの高圧水銀ランプ((株)オーク製作所製、紫外線照射装置、商品名:ハンディーUV−1200、QRU-2161型)を用いて、積算光量3000mJ/cmの紫外線を照射し、基材上に硬化性組成物の硬化物層が形成された積層体L1を形成した。
なお、紫外線照射量は紫外線光量計((株)オーク製作所製、商品名:UV−351型、ピーク感度波長360nm)で測定した。
得られた積層体L1の硬化物層について、次の評価を行った。
<積層体の硬化物層の評価>
(1)外観
目視にて硬化物層の透明性並びにクラック及び白化の有無を観察し、以下の基準で外観を評価した。
「○」:透明で、クラック及び白化などの欠陥の無いもの。
「×」:不透明な部分があるもの又はクラック若しくは白化などの欠陥があるもの。
(2)鉛筆硬度
鉛筆引っかき試験(JIS−K−5600)に準じて硬化物層の鉛筆硬度を評価した。
(3)耐擦傷性
ラビングテスター((株)井元製作所製、商品名:A1566改)を使用し、硬化物層の表面を#0000スチールウールで、1cm当たり9.8×10Paの荷重を加えて10往復擦った。次いで、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、商品名:NDH2000)で、傷が発生した部分をヘイズメーターでヘイズ値を測定し、試験前のヘイズ値を差し引いた値(ΔHz(%))で以下のように評価した。
A:ΔHzが5%未満
B:ΔHzが5%以上〜10%未満
C:ΔHzが10%以上
[比較例1〜3]
実施例1において、硬化性組成物の組成比を表1のように変更した以外は、同様の手順で硬化性組成物C3〜C4を調製した。次いで、実施例1と同様にして積層体L3〜L4を作製して、積層体の硬化物層の評価を実施した。
組成物C2〜C4の組成を表1に、積層体L1〜L4の評価結果を表2に示す。
表中の略号は以下の化合物を示す。
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名:NKエステルA−TMPT)
HEMA:2−ヒドロキシメチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリエステルHO)
MEK:メチルエチルケトン(和光純薬工業(株)製)
IRG500:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトンおよびベンゾフェノン
の共融混合物(BASF SE製、商品名:IRGACURE500)
本発明のシルセスキオキサン化合物を60部含む硬化性組成物を硬化させて得られた積層体(実施例1)は、耐擦傷性に優れるとともに、外観、鉛筆硬度も良好であった。
一方、本発明のシルセスキオキサン化合物を90部含む硬化性組成物を硬化させて得られた積層体L2、同化合物を20部含む硬化性組成物を硬化させて得られた積層体L3(比較例1、2)は、外観、鉛筆硬度は良好であったが、耐擦傷性に劣ることが確認された。
また、シルセスキオキサン化合物を含まない硬化性組成物は硬化性が低く、積層体を得ることができなかった。
本発明のシルセスキオキサン化合物は樹脂類との相溶性が良好であり、当該化合物を含有する硬化性組成物、硬化物、透明フィルムおよび積層体は、コーティング材料、電子材料、光学材料などへの表面硬度・耐擦傷性、機械強度付与成分として有用である。

Claims (3)

  1. 一般式(1)で表されるシラン化合物(A)、
    (1)
    :炭素数1〜4のアルキル基
    :炭素数1〜4のアルキル基
    並びに一般式(2)で表されるシラン化合物(B)

    :炭素数1〜10の(メタ)アクリロイル基を含有する有機基
    :炭素数1〜4のアルキル基
    を、加水分解・共縮合することにより得られるシルセスキオキサン化合物(C)、
    4官能以下の(メタ)アクリレートモノマーを少なくとも2種類以上含有するモノマー混合物(D)、および
    ラジカル重合開始剤(E)
    を含有し、
    シルセスキオキサン化合物(C)を40〜80質量部、
    4官能以下の(メタ)アクリレートモノマーを少なくとも2種類以上含むモノマー混合物20〜60質量部(B)
    ラジカル重合開始剤0.01〜10質量部
    である硬化性組成物。
  2. 請求項1記載の硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物。
  3. 基材上に、請求項2記載の硬化物からなる層が形成された積層体。
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