JP2012224672A - シルセスキオキサン化合物とその製造方法、硬化性組成物、硬化物、透明フィルムおよび積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一般式(1)で表されるシラン化合物(A)および一般式(2)で表されるシラン化合物(B)の加水分解共縮合により得られるシルセスキオキサン化合物。
R1:炭素数1〜4のアルキル基またはアシル基、R2:水素原子またはメチル基、R3:ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、またはヒドロキシブチル基、m:1または2、A:m=1の場合はNH基、m=2の場合は窒素原子
R4:炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、ラジカル重合性官能基を含有する有機基またはカチオン重合性官能基を含有する有機基、R5:炭素数1〜4のアルキル基またはアシル基
【選択図】なし
Description
R2:水素原子またはメチル基
R3:ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、またはヒドロキシブチル基
m:1または2
A:m=1の場合はNH基、m=2の場合は窒素原子
R4:炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、ラジカル重合性官能基を含有する有機基またはカチオン重合性官能基を含有する有機基
R5:炭素数1〜4のアルキル基またはアシル基
本発明のシルセスキオキサン化合物は、一般式(1)で示されるシラン化合物(A)および一般式(2)で示されるシラン化合物(2)の共縮合により得られる化合物である。一般式(2)におけるR4が、炭素数1〜10のラジカル重合性官能基を含有する有機基またはカチオン重合性官能基を含有する有機基であるシラン化合物(B)の場合、製造されるシルセスキオキサン化合物は重合性官能基を有する。このような重合性官能基を有するシルセスキオキサン化合物は、硬化性組成物の成分として有用である。重合性官能基有するシルセスキオキサン化合物は、硬化性組成物において、表面硬度・耐擦傷性、機械強度を付与することができる。尚、シルセスキオキサンとは、分子内に有機基1つを有する3官能アルコキシシランの縮合物の総称である。本発明のシルセスキオキサン化合物には、かご構造を有するものと有さないものがある。前述の共縮合により製造されるシルセスキオキサン化合物は、通常、かご構造を有するものと有さないものの混合物である。シルセスキオキサン化合物の代表的なかご構造として、構造式(3)〜(6)を下記に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
R3:ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、またはヒドロキシブチル基
m:1または2
A:m=1の場合はNH基、m=2の場合は窒素原子
シルセスキオキサン化合物の共縮合成分の1つであるシラン化合物(A)は、例えば、アミノ基を含有するシランカップリング剤(a1)(以下、化合物(a1))と単官能(メタ)アクリレート化合物(a2)(以下、化合物(a2))とのマイケル付加反応により製造することができる。ここで、化合物(a1)としては、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられ、特に、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランが好適である。
シルセスキオキサン化合物の共縮合成分の1つであるシラン化合物(B)は、分子内に1つの有機基を有する3官能アルコキシシラン化合物である。シラン化合物(B)としては、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらの中で、特に、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランが好適である。
本発明のシルセスキオキサン化合物は、シラン化合物(A)および(B)を加水分解共縮合させることにより製造することができる。前述のように、重合性官能基を有するシルセスキオキサン化合物は、一般式(2)におけるR4が、炭素数1〜10のラジカル重合性官能基を含有する有機基またはカチオン重合性官能基を含有する有機基であるシラン化合物(B)を用いて製造することができる。また、前述のように、製造されるシルセスキオキサン化合物は、通常、かご構造を有するものと有さないものの混合物である。この混合物はそのまま利用することもできるが、構造のことなるシルセスキオキサン化合物を分離して利用してもよい。構造の異なるシルセスキオキサン化合物を単離する方法としては、例えば、分子量差を利用したGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法、特定の溶媒に対する溶解度差を利用した再結晶法等が利用できる。
本発明の硬化性組成物は、前述のシルセスキオキサン化合物を含む。シルセスキオキサン化合物が重合性官能基を有していない場合は、重合性官能基を有する他の化合物を含む必要がある。シルセスキオキサン化合物が重合性官能基を有する場合には、重合性官能基を有する他の化合物は必ずしも必要ないが、シルセスキオキサン化合物のハンドリング性向上、硬化物の物性調節の目的で含むことができる。重合性官能基を有する他の化合物に含まれる重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基などのラジカル重合基もしくはイオン重合基、エポキシ基、オキセタニル基などのカチオン重合基、アルコキシシリル基、シラノール基などの重縮合基などが挙げられる。重合性官能基を有する化合物の具体例としては、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート及びフォスフォエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニルプロパン]、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート化合物、スチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−クロロスチレン、m−クロロスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メチル−p−メトキシスチレン、α−メチル−m−メトキシスチレン、α−メチル−p−クロロスチレン、α−メチル−m−クロロスチレンなどスチレン化合物;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メチルプロペニルエーテル、エチルプロペニルエーテル、ブチルプロペニルエーテル、メチルブテニルエーテル、エチルブテニルエーテル、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカルバゾール、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル、9−ヒドロキシノニルビニルエーテル、プロピレングリコールモノビニルエーテル、ネオペンチルグリコールモノビニルエーテル、グリセロールジビニルエーテル、グリセロールモノビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、トリメチロールプロパンモノビニルエーテル、ペンタエリスリトールモノビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、テトラエチレングリコールモノビニルエーテル、トリシクロデカンジオールモノビニルエーテル、トリシクロデカンジメタノールモノビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、グリセロールトリビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテルなどのビニル化合物、アリルエチルエーテル、アリルプロピルエーテル、アリルブチルエーテル、アリルグリシジルエーテル、アリルフェニルエーテル、ジアリルエーテル、ジエチレングリコールビスアリルエーテル、アリルアセテート、アリルブチラート、アリルヘキサノエート、アリルカプロエート、アリルクロルアセテート、アリルメタクリレート、ジアリルマレート、ジアリルスクシネート、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルトリメレテート、1,3,5−トリアリルベンゼンカルボン酸、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどのアリル化合物、フェニルグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−ドデシレンオキサイド、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−(3,4−エポキシシクロヘキシル)カルボシキレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、フェニルグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、多価アルコールのポリグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、2−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−オキセタンメタノール、3−メチル−3−メトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、レゾルシノールビス(3−メチル−3−オキセタニルエチル)エーテル、m−キシリレンビス(3−エチル−3−オキセタニルエチルエーテル)等のオキセタン化合物、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルシリケート(テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物)、エチルシリケート(テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物)、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシランなどのアルコキシシラン化合物、これらの化合物を加水分解・縮合して得られる、アルコキシシリル基および/またはシラノール基を有するシリコーン化合物などが挙げられる。これらの重合性官能基を有する化合物の中で、特に(メタ)アクリレート化合物が好適である。
本発明の硬化性組成物を重合により硬化させることで硬化物を得ることができる。硬化方法としては、熱ラジカル重合、光ラジカル重合、熱カチオン重合、光カチオン重合、熱重縮合、光重縮合などが好適である。これらの硬化方法において、活性エネルギー線を使用することがより好適である。即ち、本発明の硬化性組成物に、活性エネルギー線を照射することにより、硬化物を製造することができる。ここでいう活性エネルギー線とは、電子線、紫外線、可視光線、赤外線を示す。光源(線源)としては、電子銃、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、白熱電球、太陽光線、IRヒーターなどが挙げられる。また、加熱炉などの輻射熱を利用することもできる。
本発明の硬化性組成物を、押出成形法、キャスティング法など、フィルム製造に広く利用されている方法で所望の膜厚に成膜した後、活性エネルギー線を照射すると、透明フィルムを作製することができる。この透明フィルムは、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、タッチパネル、太陽電池、電子ペーパーなどのエレクトロニクスデバイスのプラスチック基板などに利用できる。
本発明は、基材上に本発明の硬化物からなる層が形成された積層体である。この積層体は、例えば、本発明の硬化性組成物を基材に塗布し、重合硬化させることで作製することができる。積層体に使用される基材としては、例えば、プラスチック、金属、缶、紙、木質材、無機質材、及びこれらの基材にプライマー層を形成したものが挙げられる。これらの中で、プラスチック基材が好適であり、中でも、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートなどの透明プラスチック基材が特に好適である。
本発明のシルセスキオキサン化合物は、合成樹脂類にブレンドすることにより、合成樹脂類の改質が期待される。
窒素置換した2口フラスコに、3−アミノプロピルトリエトキシシラン5.00g(22.6mmmol)とジブチルヒドロキシトルエン(BHT)0.025gを加え、氷冷下で撹拌しながら、2−ヒドロキシエチルアクリレート5.25g(45.2mmol)を滴下した。滴下終了後、40℃で6時間撹拌した。そこに、3−アミノプロピルトリエトキシシラン1.00g(4.52mmol)を加え、40℃で20分撹拌した。得られた生成物をヘキサンで洗浄後、溶媒を減圧留去し、シラン化合物(A1)を得た。
ナスフラスコに、合成例1で得られたシラン化合物(A1)0.50g(1.1mmol)とメチルトリエトキシシラン0.196g(1.1mmol)を加え、窒素置換した後に撹拌しながらメタノール3.6mlを加え溶解し、フッ化水素酸水溶液(3.2%)を0.123ml滴下した。滴下終了後、混合物を室温で2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。生成物を40℃、800Paで4時間乾燥し、透明固体のSQ1を得た。
合成例2において、メチルトリエトキシシランの代わりに、ビニルトリエトキシシラン0.21g(1.1mmol)を用いた以外は同様の手順で、シルセスキオキサン化合物(SQ2)を定量的に得た。
合成例2において、メチルトリエトキシシランの代わりに、2−メタクリロキシプロピル0.29g(1.1mmol)を用いた以外は同様の手順で、シルセスキオキサン化合物(SQ3)を定量的に得た。
合成例2において、シラン化合物として、メチルトリエトキシシランを用いず、合成例1で得られたシラン化合物(A1)1.00g(2.2mmol)だけを用いた以外は同様の手順により、透明固体のSQcを得た。
合成例2で得られた化合物(SQ1)25部、エポキシアクリレート(ナガセケムテックス株式会社製、商品名:デナコールDA314)67.5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(三菱レイヨン株式会社製、商品名:アクリエステルHO)7.5部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャルティケミカルス株式会社製、商品名:DAROCURE1173)5部を混合し、硬化性組成物C1を調製した。
<積層体の作製>
硬化性組成物C1を、基材である長さ10cm、幅5cm、厚み3mmのアクリル樹脂板(三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリライトEX)上に、バーコートで厚さ10μmになるように塗布した後、コンベアを備えた120W/cmの高圧水銀ランプ((株)オーク製作所製、紫外線照射装置、商品名:ハンディーUV−1200、QRU-2161型)を用いて、積算光量3000mJ/cm2の紫外線を照射し、基材上に硬化性組成物の硬化物層が形成された積層体L1を形成した。
<積層体の硬化物層の評価>
(1)外観
目視にて硬化物層の透明性並びにクラック及び白化の有無を観察し、以下の基準で外観を評価した。
「○」:透明で、クラック及び白化などの欠陥の無いもの。
「×」:不透明な部分があるもの又はクラック若しくは白化などの欠陥があるもの。
鉛筆引っかき試験(JIS−K−5600)に準じて硬化物層の鉛筆硬度を評価した。
ラビングテスター((株)井元製作所製、商品名:A1566改)を使用し、硬化物層の表面を#0000スチールウールで、1cm2当たり9.8×104Paの荷重を加えて10往復擦った。次いで、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、商品名:NDH2000)で、傷が発生した部分をヘイズメーターでヘイズ値を測定し、試験前のヘイズ値を差し引いた値(ΔHz(%))で以下のように評価した。
「A」:ΔHzが5%未満
「B」:ΔHzが5%以上〜10%未満
「C」:ΔHzが10%以上
実施例1において、硬化性組成物の組成比を表1のように変更した以外は、同様の手順で硬化性組成物C2〜C5を調製した。次いで、実施例1と同様にして積層体L2〜L5を作製して、積層体の硬化物層の評価を実施した。
DA314:エポキシアクリレート(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デナコール「アクリレートDA314」)
2−HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名:「アクリエステルHO」)
D1173:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャルティケミカルス(株)、商品名:「DAROCURE1173」)
Claims (7)
- 一般式(1)で表されるシラン化合物(A)および一般式(2)で表されるシラン化合物(B)の加水分解共縮合により得られるシルセスキオキサン化合物。
R2:水素原子またはメチル基
R3:ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、またはヒドロキシブチル基
m:1または2
A:m=1の場合はNH基、m=2の場合は窒素原子
R4:炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、ラジカル重合性官能基を含有する有機基またはカチオン重合性官能基を含有する有機基
R5:炭素数1〜4のアルキル基またはアシル基
- 前記一般式(1)で表されるシラン化合物(A)および前記一般式(2)で表されるシラン化合物(B)を加水分解共縮合する請求項1記載のシルセスキオキサン化合物の製造方法。
- 無機酸および第4級アンモニウム塩からなる群の少なくとも一種の化合物を触媒として加水分解共縮合を行うことを特徴とする、請求項2記載のシルセスキオキサン化合物の製造方法。
- 請求項1記載のシルセスキオキサン化合物を含む硬化性組成物。
- 請求項4記載の硬化性組成物を硬化させることで得られる硬化物。
- 請求項5記載の硬化物からなる透明フィルム。
- 基材上に請求項5記載の硬化物からなる層が形成された積層体。
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