JP2014237803A - インクジェット記録用インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録される画像の耐擦性に優れ、かつ、記録される画像の乾燥性と画質の向上を両立できるインクジェット記録用インク組成物およびインクジェット記録方法を提供することにある。
【解決手段】本発明に係るインクジェット記録用インク組成物は、色材と、環状エステルと、引火点が70℃以下であって一般式(I)で表される第1有機溶剤と、引火点が90℃以上の第2有機溶剤と、を含有し、環状エステルの含有量aが、6質量%以上30質量%以下であり、環状エステルの含有量a、第1有機溶剤の含有量b、第2有機溶剤の含有量cが式(1)および(2)の関係を満たす。
1−O−(R2−O)2−R3 ・・・(I)
(一般式(I)中、R1は炭素数1以上4以下のアルキル基、R2はエチレン基またはプロピレン基、R3は水素原子または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)
a<b ・・・(1)
c<(a+b)/2 ・・・(2)
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用インク組成物に関する。
記録ヘッドのノズル孔からインク組成物の微小な液滴を吐出させ記録媒体に付着させて、画像や文字を記録するインクジェット記録装置が知られている。また、係る記録に用いるインク組成物として、例えば、色材、界面活性剤、水、有機溶剤等の種々の成分を含むインクジェット用インク組成物が知られている。また、インクジェット用インク組成物においては実質的に水を含まない油性(非水系)のインク組成物の開発も行われている。
インクジェット記録においては、インクセット、インク組成物、記録装置、記録媒体などの複数の構成それぞれに対して多くの性能が要求され、その上、各構成間の高度なバランスが要求される。
例えば、特許文献1ないし特許文献3には、記録媒体に記録した後のインク組成物の乾燥性を改良する技術が提案されている。特許文献1には炭化水素系溶剤、エステル基とエーテル基とを持つ溶剤、その双方に溶解する溶剤を含むインク組成物が開示され、特許文献2には、アミド系溶剤(エーテルアミド類)が配合されたインク組成物が開示され、特許文献3には沸点の異なる3種のアルコールが配合されたインク組成物がそれぞれ開示されている。そして特許文献1ないし特許文献3には、これらの油性のインク組成物によれば、記録媒体に印刷した後の乾燥性を向上できる旨が記載されている。
特開2012−012432号公報 特開2012−046671号公報 特開2010−018730号公報
しかしながら、上記特許文献1のインク組成物では炭化水素系溶剤を用いており、また、特許文献3のインク組成物ではアルコール類を用いているので、例えば定着剤として配合される樹脂の溶解度が不十分となる場合がある。そうすると、乾燥性の向上を図ることはできたとしても、樹脂の析出等によってインク組成物の物性が損なわれること、記録物の耐擦性を確保しにくいこと、定着用の樹脂の選定に制限が生じること、などが懸念される。また、特許文献2に開示された技術では、水系のインク組成物に対してエーテルアミド類を添加する場合には、乾燥性の向上が期待できる可能性があるが、非水系インク組成物(油性のインク組成物)に対してエーテルアミド類を添加する場合では、エーテルアミド類自体が吸湿性を有するため、かえって乾燥性を低下させる懸念が生じる。
一方、乾燥性を向上できるような溶剤を使用した場合であっても、その乾燥性が高すぎると、記録媒体に付着したインク滴が十分に濡れ拡がる前に乾燥してしまうことがある。そうすると、記録媒体に付着したインク滴のドットサイズが小さくなり、複数のインク滴の集合体からなる画像の埋まりが悪化する結果、得られる画像に筋状ムラ等が発生して、画質の低下を招いてしまう。
本発明に係る幾つかの態様は、上述の課題の少なくとも一部を解決することで、記録される画像の耐擦性に優れ、かつ、記録される画像の乾燥性と画質の向上を両立できるインクジェット記録用インク組成物およびインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するために為されたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係るインクジェット記録用インク組成物の一態様は、
色材と、環状エステルと、引火点が70℃以下であって下記一般式(I)で表される第1有機溶剤と、引火点が90℃以上の第2有機溶剤と、を含有し、
前記環状エステルの含有量a(質量%)が、6質量%以上30質量%以下であり、
前記環状エステルの含有量a(質量%)と、前記第1有機溶剤の含有量b(質量%)と、前記第2有機溶剤の含有量c(質量%)とが、下記式(1)および(2)の関係を満たす。
1−O−(R2−O)2−R3 ・・・(I)
(上記一般式(I)において、R1は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、R2はエチレン基またはプロピレン基を表し、R3は水素原子または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)
a<b ・・・(1)
c<(a+b)/2 ・・・(2)
[適用例2]
適用例1において、
前記第2有機溶剤の含有量cが、7質量%以上30質量%以下であることができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2において、
前記第1有機溶剤の含有量bが、20質量%以上60質量%以下であることができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか1例において、
前記第2有機溶剤は、下記一般式(II)で表される化合物であることができる。
4−O−(R5−O)n−R6 ・・・(II)
(上記一般式(II)において、R4は炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、R5はエチレン基またはプロピレン基を表し、R6は水素原子または炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、nは2以上6以下の整数を表す。)
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか1例において、
水の含有量が3質量%以下であることができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか1例において、
下記式(3)の関係を満たすことができる。
a<c ・・・(3)
[適用例7]
本発明に係るインクジェット記録方法の一態様は、
適用例1ないし適用例6のいずれか1例に記載のインク組成物を記録ヘッドから吐出して、記録媒体に付着させる工程を含む。
[適用例8]
適用例7において、
前記記録媒体に付着させる工程において、前記記録媒体の加熱温度が40℃以上50℃以下であることができる。
[適用例9]
適用例7または適用例8において、
湿度50%RH以上の環境下で記録を行うことができる。
本実施形態で使用可能なインクジェットプリンターの構成を示す斜視図。
以下に本発明のいくつかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
本発明において「画像」とは、ドット群から形成される記録パターンを示し、テキスト記録、ベタ記録も含める。
1.インク組成物
本実施形態に係るインクジェット記録用インク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう。)は、色材と、環状エステルと、第1有機溶剤と、第2有機溶剤と、を含有する。環状エステル、第1有機溶剤および第2有機溶剤は、インク組成物における溶剤成分である。
1.1.色材
本実施形態のインク組成物は、色材を含有する。係る色材としては、従来公知の染料、有機あるいは無機顔料を用いることができる。このうち顔料を用いることが耐光性の点から好ましい。本実施形態のインク組成物に使用可能な顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、並びにカーボンブラック等の無機顔料からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。
本実施形態のインク組成物は、ブラック、ホワイト、シアン、ブルー、グリーン、マゼンダ、レッド、イエロー、オレンジ、若しくはこれらの淡色若しくは濃色、若しくはこれらの混色、または光輝色のインクとすることができる。
本実施形態のインク組成物を、マゼンタまたはレッドのインクとする場合には、配合される色材、特に顔料として、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド222、およびC.I.ピグメントレッド224等を例示することができ、これらは単独または組み合わせて用いることができる。
本実施形態のインク組成物を、オレンジまたはイエローのインクとする場合には、配合される色材、特に顔料として、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155およびC.I.ピグメントイエロー180等を例示することができ、これらは単独または組み合わせて用いることができる。
本実施形態のインク組成物を、グリーンまたはシアンのインクとする場合には、配合される色材、特に顔料として、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7、およびC.I.ピグメントグリーン36等を例示することができ、これらは単独または組み合わせて用いることができる。また、本実施形態のインク組成物を、ブラックのインクとする場合には、配合される色材として、例えば、カーボンブラック等を挙げることができ、ホワイトのインクとする場合の色材としては、例えば、Pigment White 6、18、21等を例示することができる。さらに、本実施形態のインク組成物には、色材として、金属粒子、金属薄片、無機塩等の光輝性の顔料を用いてもよい。
本実施形態のインク組成物における色材の含有量については、特に制限はないが、インク組成物全量に対して、好ましくは0.01質量%以上25質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以上15質量%以下、特に好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
本実施形態に係るインク組成物には、色材として顔料を用いる場合、その分散安定性を向上させる観点から、通常のインク組成物において用いられる任意の分散剤を用いることができる。このような分散剤の具体例としては、ヒノアクトKF1−M、T−6000、T−7000、T−8000、T−8350P、T−8000E(いずれも武生ファインケミカル株式会社製)等のポリエステル系高分子化合物、Solsperse20000、24000、32000、32500、33500、34000、35200、37500(いずれもLUBRIZOL社製)、Disperbyk−161、162、163、164、166、180、190、191、192(いずれもビックケミー・ジャパン社製)、フローレンDOPA−17、22、33、G−700(いずれも共栄社化学株式会社製)、アジスパーPB821、PB711(いずれも味の素株式会社製)、LP4010、LP4050、LP4055、POLYMER400、401、402、403、450、451、453(いずれもEFKAケミカルズ社製)等が挙げられる。
本実施形態に係るインク組成物において、前記分散剤を使用する場合の含有量は、含有される顔料に応じて適宜選択することができるが、インク組成物中の顔料の含有量100質量部に対して、好ましくは5質量部以上200質量部以下、より好ましくは30質量部以上120質量部以下である。
1.2.溶剤
1.2.1.環状エステル
本実施形態に係るインク組成物は、溶剤として環状エステルを含有する。これにより、記録面(好ましくは塩化ビニル系樹脂を含む記録面)の一部を溶解して記録媒体の内部にインク組成物を浸透させることができる。このように記録媒体の内部にインク組成物が浸透することで、記録媒体上に記録した画像の耐擦性(摩擦堅牢性)を向上させることができる。このように、環状エステルは記録媒体への浸透性に優れるので、高湿度環境下であっても、耐擦性に優れた画像を得ることができる。
環状エステルとは、ヒドロキシル基とカルボキシル基とを有する1つの分子において、当該分子内で、該ヒドロキシル基と該カルボキシル基とが脱水縮合した構造を有する化合物である。環状エステルは、炭素原子を2個以上、酸素原子を1個含む複素環を有し、当該複素環を形成する酸素原子に隣接してカルボニル基が配置された構造を有し、ラクトンと総称される化合物である。
環状エステルのうち、単純な構造を有するものとしては、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、σ−バレロラクトン、およびε−カプロラクトンなどを例示することができる。なお、環状エステルの複素環の環員数には特に制限が無く、さらに、例えば、複素環の環員には任意の側鎖が結合していてもよい。環状エステルは、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
本実施形態のインク組成物によって形成される画像の耐擦性をより高める観点からは、上記例示した環状エステルのうち、3員環以上7員環以下の環状エステルが好ましく、5員環または6員環の環状エステルを用いることがより好ましく、いずれの場合でも側鎖を有さないことがより好ましい。このような環状エステルの具体例としては、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、およびγ−バレロラクトンが挙げられる。またこのような環状エステルは、特に、ポリ塩化ビニルとの親和性が高いので、ポリ塩化ビニルが含有される記録媒体に付着された場合に、耐擦性を高める効果を極めて顕著に得ることができる。
環状エステルの含有量aは、インク組成物の全質量に対して、6質量%以上30質量%以下である必要があるが、10質量%以上20質量%以下であることが好ましく、12質量%以上16質量%以下であることがより好ましい。環状エステルの含有量が上記範囲内にあることで、記録される画像の耐擦性を良好に確保できる。これに対して、環状エステルの含有量が6質量%未満であると、記録される画像の耐擦性が悪化する。また、環状エステルの含有量が30質量%を超えると、記録される画像の濡れ拡がり性が低下したり、光沢性が悪化したりして、画質の低下を招く傾向にある。
1.2.2.第1有機溶剤
本実施形態に係るインク組成物は、溶剤として、引火点が70℃以下であって下記一般式(I)で表される第1有機溶剤を含有する。第1有機溶剤は、引火点が70℃以下であるため、乾燥性に優れた溶剤であり、これにより記録される画像の乾燥性を向上できる。
1−O−(R2−O)2−R3 ・・・(I)
上記一般式(I)において、R1は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、R2はエチレン基またはプロピレン基を表し、R3は水素原子または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。炭素数1以上4以下のアルキル基としては、直鎖状または分岐状のアルキル基であることができ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、またはtert−ブチル基が挙げられる。
上記一般式(I)で表される化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。なお、上記一般式(I)に示すように、第1有機溶剤は、アルキレングリコールアルキルエーテルである。アルキレングリコールアルキルエーテルは、後述する定着樹脂にインク組成物を含有する場合において、定着樹脂を良好に溶解することができる。
引火点が70℃以下である一般式(I)で表される化合物の具体例としては、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(64℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(56℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(65℃)等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。なお、括弧内の数値は引火点を示す。
本実施形態における溶剤の引火点は、タグ密閉式引火点試験器による引火点が80℃以下では無い場合はクリーブランド開放式引火点試験器による引火点とし、タグ密閉式引火点試験器による引火点が80℃以下の場合は、当該引火点における溶剤の動粘度が10cSt未満の場合はタグ密閉式引火点試験器による引火点とし、当該引火点における溶剤の動粘度が10cSt以上の場合はセタ密閉式引火点試験器による引火点とする。
第1有機溶剤の引火点は、70℃以下である必要があるが、50℃以上70℃以下であることが好ましく、55℃以上70℃以下であることがより好ましく、60℃以上70℃以下であることがさらに好ましく、62℃以上68℃以下であることが特に好ましい。引火点が70℃以下であることで、インク組成物の乾燥性を向上させる効果が良好となる。また、引火点が50℃以上であることで、インク組成物の濡れ拡がり性の低下を抑制しつつ、乾燥性に優れたものとなる。
第1有機溶剤は、後述する式(1)および式(2)を満たすように添加されればよいが、記録される画像の乾燥性を一層向上させつつ、画像の濡れ拡がり性の低下を抑制するという観点から、その含有量bは、インク組成物の全質量に対して、20質量%以上85質量%以下であることが好ましく、下限は30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることがさらに好ましく、上限は80質量%以下であることがより好ましく、75質量%以下であることがさらに好ましく、70質量%以下であることがよりさらに好ましく、60質量%以下であることが特に好ましい。
1.2.3.第2有機溶剤
本実施形態に係るインク組成物は、溶剤として、引火点が90℃以上の第2有機溶剤を含有する。第2有機溶剤は、引火点が90℃以上であるので、第1有機溶剤と比べて乾燥性が低いものであるが、記録媒体に付着したインク組成物の濡れ拡がり性を向上させるという機能を有する。これにより、記録される画像のインク滴による埋まりが良好となり、筋状ムラ等の少ない画質の優れた画像が得られる。
第2有機溶剤としては、例えば、アルキレングリコールアルキルエーテル、高級脂肪酸エステル、二塩基酸ジエステル、アルキルアミド等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独で使用しても良いし、2種以上併用してもよい。また、これらの化合物の中でも、印刷ムラの発生を抑制できるという点から、アルキレングリコールアルキルエーテルを使用することが好ましい。
なお、本明細書中、印刷ムラ(凝集ムラ)とは、記録媒体にインク滴を付着させた際に発生する局所的な濃度斑のことを意味し、固形成分(樹脂成分、色材成分等)の膜厚が不均一になることで観察される現象である。また、本明細書中、筋状ムラとは、記録媒体上でのインク滴の埋まり不良に伴って、記録媒体の表面においてインク滴で被覆されないもしくは被覆が不均一な部分が筋状に残る現象を意味する。
アルキレングリコールアルキルエーテルとしては、下記一般式(II)で表される化合物を用いることが好ましい。下記一般式(II)で表される化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
4−O−(R5−O)n−R6 ・・・(II)
上記一般式(II)において、R4は炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、R5はエチレン基またはプロピレン基を表し、R6は水素原子または炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、nは2以上6以下の整数を表す。「炭素数1〜6のアルキル基」は、直鎖状または分岐状のアルキル基であることができ、例えば前記「炭素数1〜4のアルキル基」に加えて、直鎖状もしくは分岐状のペンチル基またはヘキシル基であることができる。
上記一般式(II)において、R4およびR6の両方が炭素数1以上6以下のアルキル基である場合、インク組成物中における顔料の分散安定性が向上する傾向があり好ましい。一方、R6が水素原子の場合、第2有機溶剤として使用されるアルキレングリコールアルキルエーテルの引火点がより高くなる傾向があり、第2有機溶剤の使用量としてより少ない含有量で、上記の画質の向上の効果が得られ、画質が一層高まる傾向にあり、インク組成物の組成の設計の自由度が高くなり好ましい。
引火点が90℃以上である一般式(II)で表される化合物としては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(105℃)、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル(112℃)、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル(101℃)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(141℃)、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル(94℃)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(122℃)、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル(108℃)、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル(117℃)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(139℃)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(156℃)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(111℃)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(123℃)、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル(138℃)、トリプロピレングリコールジメチルエーテル(104℃)、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル(166℃)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(141℃)等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独で使用しても良いし、2種以上併用してもよい。なお、括弧内の数値は引火点を示す。
引火点が90℃以上である高級脂肪酸エステルの具体例としては、ラウリン酸メチル(136℃)、ヘキサデカン酸イソプロピル(パルミチン酸イソプロピル、110℃)、ミリスチン酸イソプロピル(161.7℃)、オレイン酸メチル(113℃)、オレイン酸エチル(163℃)等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独で使用しても良いし、2種以上併用してもよい。なお、括弧内の数値は引火点を示す。
引火点が90℃以上である二塩基酸ジエステルとしては、炭素数2〜8の脂肪族炭化水素のジカルボン酸(炭素数はカルボキシル基の炭素を除く)を、炭素数1〜5のアルキル基でジエステル化したものが好ましい。引火点が90℃以上である二塩基酸ジエステルとしては、グルタル酸ジメチル(107℃)などが挙げられる。
引火点が90℃以上であるアルキルアミドとしては、炭素数6〜10の脂肪族炭化水素のモノカルボン酸(炭素数はカルボキシル基の炭素を除く)をアミド化したものにおいて、アミド窒素原子を置換している置換基がそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基であるものが好ましい。引火点が90℃以上であるアルキルアミドとしては、N,N−ジメチルデカンアミド(110℃以上)などがあげられる。
第2有機溶剤の引火点は、90℃以上である必要があるが、100℃以上175℃以下であることが好ましく、100℃以上170℃以下であることがより好ましく、130℃以上170℃以下であることがさらに好ましい。引火点が90℃以上であることで、インク組成物の濡れ拡がり性を向上させる効果が良好となる。また、引火点が175℃以下であることで、インク組成物の濡れ拡がり性と乾燥性のバランスが良好となる。
第2有機溶剤は、後述する式(1)および式(2)を満たすように添加されればよいが、記録される画像の濡れ拡がり性を一層向上させつつ、乾燥性の低下を抑制するという観点から、その含有量cは、インク組成物の全質量に対して、3質量%以上30質量%以下であることが好ましく、下限は5質量%以上であることがより好ましく、7質量%以上であることがさらに好ましく、10質量%以上であることがよりさらに好ましく、15質量%以上であることが特に好ましく、上限は25質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。
1.2.4.その他の溶剤
本実施形態に係るインク組成物は、環状エステル、第1溶剤および第2溶剤に分類されない各種の有機溶剤を含有することができ、例えば、これらの溶剤に分類されないエステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、アルキレングリコールアルキルエーテル(例えば、ジエチレングリコールジエチルエーテル)等を使用できる。
1.2.5.各溶剤の量関係
上述した環状エステル、第1有機溶剤および第2有機溶剤は、これらを単に含有するだけでは、各溶剤同士でその機能を打ち消し合ったりしてしまい、各溶剤が本来備える機能を十分に発揮できなくなる場合がある。
そこで、発明者は、鋭意検討の結果、環状エステルの含有量aが特定の範囲内にあって、かつ、環状エステルの含有量a(質量%)と、第1有機溶剤の含有量b(質量%)と、第2有機溶剤の含有量c(質量%)と、が特定の関係を満たすことで、各成分の相補作用や相乗作用によって、記録される画像の耐擦性に優れつつ、画質と乾燥性のバランスに優れた画像を記録できるインク組成物が得られることを見出した。
すなわち、本実施形態に係るインク組成物は、これに含まれる環状エステルの含有量aが6質量%以上30質量%以下であり、かつ、環状エステルの含有量a(質量%)と、第1有機溶剤の含有量b(質量%)と、第2有機溶剤の含有量c(質量%)とが、下記式(1)および(2)の関係を満たす。これにより、各溶剤の機能を十分に発揮できるので、耐擦性に優れつつ、画質と乾燥性のバランスに優れた画像が得られる。
a<b ・・・(1)
c<(a+b)/2 ・・・(2)
一方、上記式(1)を満たさない場合、すなわちa≧bの関係にあると、記録される画像の濡れ拡がり性や光沢性が低下して、画質が低下する傾向にある。
上記(2)を満たさない場合、つまりc≧(a+b)/2の関係にあると、記録される画像に印刷ムラが生じたり、乾燥性が低下したりして、画質と乾燥性のバランスを失う傾向にある。
さらに、環状エステルの含有量a(質量%)と、第2有機溶剤の含有量c(質量%)とが、下記式(3)の関係を満たす場合、ドットサイズや光沢性が一層優れる傾向にあり好ましい。
a<c ・・・(3)
1.3.その他の成分
本実施形態に係るインク組成物には、さらに上記以外の成分を添加してもよい。
<水>
本実施形態のインク組成物には、水を含有しないことが好ましいが、含有されることを妨げるものではない。水が含有される場合には、その含有量が、インク組成物の全質量に対して、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらにより好ましく、0.05質量%未満であることがさらに好ましく、0.01質量%未満であることが一層好ましく、0.005質量%未満であることがさらに一層好ましく、0.001質量%未満であることが最も好ましい。なお、本実施形態に係るインク組成物は、実質的に水を含有しないインク組成物としてもよい。「実質的に含有しない」とは、意図的に含有させないことを指す。すなわち、本実施形態に係るインク組成物は、有機溶剤を主要な溶媒として、水を主要な溶媒としない、いわゆる非水系インク組成物であることが好ましい。
<定着用樹脂>
本実施形態のインク組成物は、定着用樹脂を含有してもよい。インク組成物に含有させうる定着用樹脂としては、例えば、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、フェノキシ樹脂、エチルセルロース樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂、スチレン−(メタ)アクリル共重合樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン系樹脂、石油樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン、ポリオレフィン、エチレンアルキル(メタ)アクリレート樹脂、テルペン系樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、NBR・SBR・MBR等の各種合成ゴム、およびそれらの変性体等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。これらの定着用樹脂は、例えば、インク組成物の記録媒体上における定着性を付与するために配合することができる。
定着用樹脂の具体例としては、アクリペットMF(三菱レイヨン社製、アクリル樹脂)、スミペックスLG(住友化学社製、アクリル樹脂)、パラロイドBシリーズ(ローム・アンド・ハース社製、アクリル樹脂)、パラペットG−1000P(クラレ社製、アクリル樹脂)などが適用できる。定着用樹脂のうち、中でも、(メタ)アクリル系樹脂、塩ビ系樹脂が耐擦性の点で好ましい。(メタ)アクリル系樹脂は樹脂の合成時に使用したモノマー成分として少なくとも(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸の何れかを含むものであり、塩ビ系樹脂は樹脂の合成時に使用したモノマー成分として少なくとも塩化ビニルを含むものである。
本実施形態のインク組成物に定着用樹脂を配合する場合の配合量は、特に限定されないが、望ましい定着性を発揮させるために、例えば、0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上3質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以上2質量%以下とすることができる。
<界面活性剤>
本実施形態のインク組成物は、表面張力を低下させ記録媒体上での濡れ拡がり性を向上させる観点から、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、例えば、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、または非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン誘導体等が挙げられる。
シリコン系界面活性剤としては、ポリエステル変性シリコンやポリエーテル変性シリコンを用いることが好ましい。具体例としては、BYK−347、348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(いずれもビックケミー・ジャパン社製)が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素変性ポリマーを用いることが好ましく、具体例としては、BYK−340(ビックケミー・ジャパン社製)が挙げられる。
また、ポリオキシエチレン誘導体としては、アセチレングリコール系界面活性剤を用いることが好ましい。具体例としては、サーフィノール82、104、465、485、TG(いずれもエアープロダクツジャパン社製)、オルフィンSTG、E1010(いずれも日信化学株式会社製)、ニッサンノニオンA−10R、A−13R(いずれも日油株式会社製)、フローレンTG−740W、D−90(共栄社化学株式会社製)、ノイゲンCX−100(第一工業製薬株式会社製)等が挙げられる。
<その他>
本実施形態のインク組成物は、上記の成分の他にも、アミン類、各種の塩類、分散剤、分散助剤、重合性化合物、他の界面活性剤、pH調整剤、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)等のキレート化剤、防腐剤・防かび剤、及び防錆剤など、所定の性能を付与するための物質を含有することができる。
1.4.物性
本実施形態に係る水系インク組成物は、記録品質とインクジェット記録用のインク組成物としての信頼性とのバランスの観点から、20℃における表面張力が20mN/m以上50mN/mであることが好ましく、25mN/m以上40mN/m以下であることがより好ましい。なお、表面張力の測定は、自動表面張力計CBVP−Z(協和界面科学社製)を用いて、20℃の環境下で白金プレートをインクで濡らしたときの表面張力を確認することにより測定することができる。
また、同様の観点から、インク組成物の20℃における粘度は、2mPa・s以上15mPa・s以下であることが好ましく、2mPa・s以上10mPa・s以下であることがより好ましい。なお、粘度の測定は、粘弾性試験機MCR−300(Pysica社製)を用いて、20℃の環境下で、Shear Rateを10〜1000に上げていき、Shear Rate200時の粘度を読み取ることにより測定することができる。
1.5.インク組成物の製造方法
本実施形態に係るインク組成物は、公知の慣用方法によって製造することができる。たとえば最初に、色材、分散剤および溶剤(一部分)を混合した後、ボールミル、ビーズミル、超音波、またはジェットミル等で顔料分散液を調製し、所望のインク特性を有するように調整する。続いて、溶剤(残量)およびその他の添加剤(例えば、界面活性剤や樹脂)を撹拌下に加えて十分に攪拌することでインク組成物を得ることができる。
2.インクジェット記録方法
本発明の一実施形態に係るインクジェット記録方法は、上記のインク組成物の液滴を記録ヘッドから吐出して、記録媒体に付着させる工程(以下、「工程(a)」ともいう。)を含む。これにより、記録媒体上に画像の形成された記録物が得られる。
本実施形態に係るインクジェット記録方法によれば、上記のインク組成物を用いるので、耐擦性に優れ、かつ、画像の乾燥性と画質の向上を両立できる。
本実施形態に係るインクジェット記録方法においては、上述したように乾燥性に優れたインク組成物を用いるので、記録時における相対湿度が50%RH以上の環境下であっても良好な画像を記録することができる。このような記録方法は、例えば高温高湿な地域、気候ないし天候下において、かつ空調が不十分な環境下においても記録を行うことを可能とする。環境湿度の上限としては、100%RH以下であることが好ましく、90%RH以下であることがより好ましい。また、環境温度は25℃以上であることが好ましく、25〜40℃であることがより好ましい。ここで、環境温度や環境湿度は、例えばインクジェット記録装置の筐体の内部または筐体の外側に取り付けられた温湿度センサーによって測定することができる。但し、温湿度センサーの設置箇所は、環境温度や環境湿度を正確に測定する必要があるため、後述する記録媒体を加熱するための加熱機構など記録装置自身の発熱の影響を受けない箇所に設置する必要がある。
本実施形態に係るインクジェット記録方法において、前記工程(a)は、40℃以上50℃以下に加熱された記録媒体に対して行われることが好ましい。このように加熱された記録媒体上に上述のインク組成物を付着させることでインクの乾燥性を向上させることができ、特に高湿度環境下においてはその効果が一層発揮される。
また、本実施形態に係るインクジェット記録方法は、前記工程(a)の後、記録媒体をさらに加熱する後加熱(アフターヒート)(以下、「工程(b)」ともいう。)を備えていてもよい。工程(b)をさらに備えることで、高湿度環境下におけるインクの乾燥性をより一層向上させることができる。
上述したような工程を備えることができるインクジェット記録装置としては、記録ヘッドの微細なノズルより上述したインク組成物を液滴として吐出し、該液滴を記録媒体に付着させていかなる装置も使用することができる。以下、本実施形態で使用可能なインクジェット記録装置として、記録媒体を加熱することができる機構を有するインクジェットプリンターを例に挙げて説明する。
図1は、本実施形態で使用可能なインクジェットプリンター(以下、単に「プリンター」という。)の構成を示す斜視図である。図1に示すプリンター1は、いわゆるシリアルプリンターと呼ばれているものである。シリアルプリンターとは、所定の方向に移動するキャリッジに記録ヘッドが搭載されており、キャリッジの移動に伴って記録ヘッドが移動することにより記録媒体上に液滴を吐出するプリンターのことをいう。
図1に示すように、プリンター1は、記録ヘッド2を搭載すると共にインクカートリッジ3を着脱可能に装着するキャリッジ4と、記録ヘッド2の下方に配設され記録媒体Pが搬送されるプラテン5と、記録媒体を加熱するための加熱機構6と、キャリッジ4を記録媒体Pの媒体幅方向に移動させるキャリッジ移動機構7と、記録媒体Pを媒体送り方向に搬送する媒体送り機構8と、を有するものである。また、プリンター1は、当該プリンター1全体の動作を制御する制御装置CONTを有している。なお、上記媒体幅方向とは、主走査方向(ヘッド走査方向)である。上記媒体送り方向とは、副走査方向(主走査方向に直交する方向)である。
インクカートリッジ3は、独立した4つのカートリッジからなる。4つのカートリッジのそれぞれに、上述したインク組成物が充填される。なお、図1の例では、カートリッジの数が4つであるが、これに限定されず、所望の数のカートリッジを搭載することができる。
インクカートリッジ3は、図1に示すようなキャリッジ4に装着するものに限らず、これに替えて例えば、プリンター1の筐体側に装着しインク供給チューブを介してヘッド2に供給するタイプのものであってもよい。
キャリッジ4は、主走査方向に架設された支持部材であるガイドロッド9に支持された状態で取り付けられたものである。また、キャリッジ4は、キャリッジ移動機構7によりガイドロッド9に沿って主走査方向に移動するものである。なお、図1の例では、キャリッジ4が主走査方向に移動するものを示したが、これに限定されず、主走査方向の移動に加えて、副走査方向に移動するものであってもよい。
加熱機構6は、記録媒体Pを加熱できる位置に設けられていれば、その設置位置は特に限定されるものではない。図1の例では、加熱機構6は、プラテン5上であって、ヘッド2と対向する位置に設置されている。このように、加熱機構6がヘッド2と対向する位置に設置されていると、記録媒体Pにおける液滴の付着位置を確実に加熱できるので、記録媒体Pに付着した液滴を効率的に乾燥できる。
加熱機構6には、例えば、記録媒体Pを熱源に接触させて加熱するプリントヒーター機構や、赤外線やマイクロウェーブ(2,450MHz程度に極大波長をもつ電磁波)などを照射する機構や、温風を吹き付けたりするドライヤー機構などを用いることができる。
加熱機構6による記録媒体Pの加熱は、ノズル孔(図示せず)から吐出された液滴が記録媒体Pに付着する前または付着する時に行われる。このようにすれば、記録媒体Pに付着した液滴を迅速に乾燥できる。なお、加熱の諸条件の制御(例えば、加熱実施のタイミング、加熱温度、加熱時間等)は、制御装置CONTによって行われる。
加熱機構6による記録媒体Pの加熱は、インクの乾燥性の向上、記録媒体の変形の防止、耐擦性の向上、間欠吐出安定性の向上の観点から、記録媒体Pが40℃以上50℃以下の温度範囲を保持するように行われることが好ましい。なお、本願発明において記録媒体を加熱する温度とは、加熱時における記録媒体の記録面の表面の温度を意味する。
プリンター1は、加熱機構6の他に、さらに、図示しない第2の加熱機構を有していてもよい。プリンター1が第2の加熱機構を備えることで、上述の工程(b)をプリンター1で行うことができる。第2の加熱機構は、加熱機構6よりも記録媒体Pの搬送方向の下流側に設置される。第2の加熱機構は、加熱機構6によって記録媒体Pを加熱した後、つまり、ノズル孔(図示せず)から吐出された液滴が記録媒体Pに付着した後に、当該記録媒体Pの加熱を行うものである。これにより、記録媒体Pに付着したインク組成物の液滴の乾燥性をより一層向上できる。第2の加熱機構には、加熱機構6で説明したいずれかの機構(例えば、ドライヤー機構等)を用いることができる。
第2の加熱機構による記録媒体Pの加熱は、上記加熱機構6と同様の理由により、記録媒体Pが40℃以上50℃以下の温度範囲を保持するように行われることが好ましい。記録媒体Pの温度が50℃を超える場合、記録媒体Pの種類によっては変形が生じたり、記録媒体Pの加熱冷却の際に記録画像の収縮等の不具合が起こる場合がある。また、加熱に使用されるヒーターの消費電力の増大や、加熱機構によってプリンターからの排熱が増大する等の問題があり、これらを踏まえて、記録媒体の温度の上限は50℃であることが好ましい。
リニアエンコーダ10は、キャリッジ4の主走査方向上における位置を信号で検出するものである。この検出された信号は、位置情報として制御装置CONTに送信されるようになっている。制御装置CONTは、このリニアエンコーダ10からの位置情報に基づいて記録ヘッド2の走査位置を認識し、記録ヘッド2による記録動作(吐出動作)などを制御するようになっている。また、制御装置CONTは、キャリッジ4の移動速度を可変制御可能な構成となっている。
記録媒体Pとしては、特に限定されないが、本実施形態に係るインクジェット記録方法によれば、低吸収性記録媒体を使用した場合であっても記録された画像や文字の耐擦性や乾燥性が良好となる。ここで「低吸収性記録媒体」とは、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である記録媒体のことをいい、少なくとも記録面がこの性質を備えていればよい。この定義によれば、本発明における「低吸収性記録媒体」には、水を全く吸収しない非吸収性記録媒体も含まれる。このブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として最も普及している方法であり、日本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細は「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に述べられている。
低吸収性記録媒体としては、具体的には、低吸収性の材料を含むシート、フィルム、繊維製品等が挙げられる。また、低吸収性記録媒体は、基材(例えば、紙、繊維、皮革、プラスチック、ガラス、セラミックス、金属等)の表面に、低吸収性の材料を含む層(以下、「低吸収性層」ともいう)を備えたものであってもよい。低吸収性の材料としては、特に限定されないが、オレフィン系樹脂、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、低吸収性記録媒体としては、塩化ビニル系樹脂を含む記録面を有するものを好ましく用いることができる。上述のインク組成物には環状エステルが含まれており、この環状エステルが塩化ビニル系樹脂を含む記録面を溶解することで記録媒体の内部にインク組成物を浸透させることができる。これにより、高湿度環境下であっても塩化ビニル系樹脂を含む記録面に記録した画像や文字の耐擦性を向上させることができる。塩化ビニル系樹脂の具体例としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ビニルエーテル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸共重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−ウレタン共重合体等が挙げられる。なお、低吸収性記録媒体の厚み、形状、色、軟化温度、硬さ等の諸特性については特に制限されない。
3.実施例
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに説明するが、本発明は以下の例によってなんら限定されるものではない。
3.1.インク組成物の調製
各実施例および各比較例のインク組成物を、表1に示す配合で調製した。
表1に記載された成分において、顔料は、ピグメントブルー15:3(銅フタロシアニン顔料:クラリアント社製)を用いた。
表1に記載の化合物のうち、環状エステルとしては、γ−ブチロラクトン(関東化学株式会社製)を用いた。
表1に記載の化合物のうち、第1有機溶剤としては、DEGMEE(ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、商品名「ハイソルブEDM」、東邦化学工業株式会社製)、DEGdME(ジエチレングリコールジメチルエーテル、商品名「ジエチレングリコールジメチルエーテル」、東京化成工業株式会社製)を用いた。
表1に記載の化合物のうち、第2有機溶剤としては、DEGBME(ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、商品名「ハイソルブBDM」、東邦化学工業株式会社製)、TetraEGmBE(テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、商品名「ブチセノール40」、KHネオケム株式会社製)を用いた。
表1に記載の化合物のうち、その他の溶剤としては、DEGDEE(ジエチレングリコールジエチルエーテル、商品名「ジエチレングリコールジエチルエーテル」、東京化成工業株式会社製、引火点71℃)を用いた。
表1中、ソルスパース37500(商品名、LUBRIZOL社製)は、分散剤である。パラペットG−1000P(株式会社クラレ製)は、アクリル樹脂(定着樹脂)である。表1中、BYK340(ビックケミー・ジャパン株式会社製)は、フッ素系界面活性剤(滑剤)である。
表1に記載した配合で、各溶剤を各例のインク組成物毎に攪拌して混合溶剤を得た。次に、混合溶剤の一部を取り分け、ソルスパース37500を混合し、その後ピグメントブルー15:3を加えて、ホモジナイザーを用いて予備分散した後に、ビーズミルにて分散をし、顔料の平均粒径130nmの分散体を得た。別途、混合溶剤の一部を取り分け、パラペットG−1000Pを加えて撹拌し、完全に溶解させて樹脂溶液を得た。そして上記分散体に、残っていた混合溶剤と、BYK340と、上記樹脂溶液とを混ぜいれ各実施例および各比較例のインク組成物とした。
3.2.評価試験
評価試験は、空調設備と加湿器を利用して、環境試験室の温度および湿度がそれぞれ、30℃,55%RHとなるように調整し、当該環境試験室内に設置したセイコーエプソン株式会社製プリンター「SC−S30650」を用いて行った。なお、温度および湿度は、ヒーター等のインクジェットプリンター自身の発熱の影響を受けない筐体の上に設置した温湿度センサーによって測定した。
また、各評価試験では、プラテン及びプラテンより下流の記録媒体排出部にて、記録中及び記録後1分間、記録媒体を45℃で加熱した。
3.2.1.印刷ムラ
上記プリンターを用いて、実施例および比較例の各インク組成物を塩ビバナーシート(3M社製、型番IJ51(ポリ塩化ビニル))上に100%濃度で記録解像度720×720dpiのベタ印刷をした後、60分間、25℃65%RH(相対湿度)にて乾燥させた。その後、目視および光学顕微鏡を用いて印刷面を観察し、印刷ムラの少ないものを6点として、1点まで6水準で評価し、その結果を表1に記載した。
3.2.2.光沢
上記プリンターを用いて、実施例および比較例の各インク組成物を光沢ポリ塩化ビニルシート(ローランドDG社、型番SV−G−1270G)上に記録解像度720×720dpiの100%濃度でベタ印刷をした後、25℃65%RH(相対湿度)にて1日間、乾燥させて各例の記録物を作成した。各例のベタ印刷部の20°光沢をMULTI GLOSS 268(コニカミノルタ株式会社製)にて測定し、光沢度が26未満を1点、26以上、28未満を2点とし、光沢度を2毎に刻んで光沢を点数で評価し、その結果を表1に記載した。光沢が優れる場合、特にフィルムなどの光沢性を有する記録媒体において、記録物に記録媒体自身と同様の光沢感を得ることができる利点がある。
3.2.3.ドットサイズ
上記プリンターを用いて実施例および比較例の各インク組成物を、塩ビバナーシート(3M社製、型番IJ51(ポリ塩化ビニル))上に記録解像度720×720dpiの30%濃度で1辺3cmの正方形を印刷した後、25℃65%RH(相対湿度)にて60分間乾燥させた。その後、光学顕微鏡を用いて印刷部分のドットサイズを観察してドットの直径を10μm毎に分類した。なお、にじみが大きい場合には、ドット形状が円状になっておらず、測定できなかった。また、にじみが小さくなることで真円に近くなっていたが、ドットサイズ(直径)は小さくなっていた。ドットサイズが20μm以下のものを1点として、20μmを超え30μm以下のものを2点、というように10μm毎にランク分けして、各例の点数を算出し、その結果を表1に記載した。ドットサイズが良好であるということは、インクの記録媒体上での濡れ拡がり性が良いということであり、記録媒体をインクで覆うことができることにより記録物の発色性が良くなるなどの利点がある。
3.2.4.耐擦性
上記プリンターを用いて、実施例および比較例の各インク組成物を、光沢ポリ塩化ビニルシート(ローランドDG社、型番SV−G−1270G)上に記録解像度720×720dpiの100%濃度で印刷した後、25℃65%RH(相対湿度)にて1日間、乾燥させて各例の記録物を作成した。次に、JIS L 0849に基づいて、I型試験機にて乾式試験を行った。その後、試験綿布のODをスペクトロリーノ(グレタグマクベス社製)にて測定し、0.4以上を1点、0.4より小さく0.35以上のものを2点と、0.05毎に色移りに関して点数を付け、その結果を表1に記載した。
3.2.5.表面乾燥性
セイコーエプソン株式会社製プリンター「SC−S30650」を用いて、実施例および比較例の各インク組成物を、光沢ポリ塩化ビニルシート(ローランドDG社、型番SV−G−1270G)上に記録解像度720×720dpiの100%濃度で印刷し、25℃65%RH(相対湿度)にて5分間乾燥させた。次に、巻き取り装置を用いて巻き取った後の印刷面のスリ痕を観察した。観察はレーザー顕微鏡(キーエンス株式会社製、形式VK−8700 Generation2)にて表面粗さを測定することで、スリ痕のある面積の割合を算出した。スリ痕面積が印刷領域の10%以下のものを5点として、20%以下10%より多いものを4点、というように10%毎にランク分けした。6点はスリ痕面積がないものとした。その結果を表1に記載した。
3.3.評価結果
以上の評価試験の結果を表1に示す。
Figure 2014237803
実施例に係るインク組成物は、いずれも、耐擦性の評価が良好であり、かつ、乾燥性および画質(ドットサイズ等)の評価が良好であることがわかった。このように、実施例に係るインク組成物は、耐擦性に優れつつ、画像の乾燥性と画質の向上を両立できるものであることが示された。
一方、比較例1に係るインク組成物は、GBLの含有量が少ないため、少なくとも耐擦性の評価が悪いことが示された。また、比較例2に係るインク組成物は、第1有機溶剤を含有していないため、少なくとも乾燥性の評価が悪いことが示された。比較例3に係るインク組成物は、第2有機溶剤を含有していないため、少なくともドットサイズの評価が悪いことが示された。比較例4に係るインク組成物は、上述した式(1)および(2)の関係を満たさないため、少なくともドットサイズの評価が悪いことが示された。比較例5に係るインク組成物は、上述した式(2)の関係を満たさないため、少なくとも乾燥性の評価が悪いことが示された。比較例6に係るインク組成物は、GBLの含有量が多すぎるため、少なくともドットサイズの評価が悪いことが示された。また、比較例7に係るインク組成物は、第1有機溶剤および第2有機溶剤を含有しないため、少なくともドットサイズおよび乾燥性の評価が悪いことが示された。
実施例のうち、第2有機溶剤としてアルキレングリコールアルキルエーテルを使用すれば、印刷ムラの発生を抑制できる傾向にあることが示された。
なお、記録媒体の記録中(工程(a))および記録後(工程(b))の加熱温度を55℃としたこと以外は、実施例2、比較例2、5および7と同様にして評価した。その結果、実施例2に対応する例では、実施例2の評価結果と変わらなかった。一方、比較例2、5および7に対応する例では、印刷ムラの評価結果が3〜4と若干向上していた。しかしながら、各例とも記録媒体が熱で変形した。このことから、特に、記録媒体の加熱温度が50℃以下である場合に本発明が有用であることがわかる。
さらに、記録時の環境湿度を25℃45%RHとしたこと以外は、実施例2、比較例2と同様にして評価した。その結果、実施例2に対応する例では、実施例2の評価結果と変わらなかった。一方、比較例2に対応する例では、印刷ムラの評価結果が3〜4と若干向上していた。しかしながら、各例とも記録中にインクの液滴の吐出の方向が正しい方向からずれる傾向が見られた。このことから、特に、記録時の環境湿度が50%RH以上である場合に本発明が有用であることがわかる。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…プリンター、2…記録ヘッド、3…インクカートリッジ、4…キャリッジ、5…プラテン、6…加熱機構、7…キャリッジ移動機構、8…媒体送り機構、9…ガイドロット、10…リニアエンコーダ、P…記録媒体。

Claims (9)

  1. 色材と、環状エステルと、引火点が70℃以下であって下記一般式(I)で表される第1有機溶剤と、引火点が90℃以上の第2有機溶剤と、を含有し、
    前記環状エステルの含有量a(質量%)が、6質量%以上30質量%以下であり、
    前記環状エステルの含有量a(質量%)と、前記第1有機溶剤の含有量b(質量%)と、前記第2有機溶剤の含有量c(質量%)とが、下記式(1)および(2)の関係を満たす、インクジェット記録用インク組成物。
    1−O−(R2−O)2−R3 ・・・(I)
    (上記一般式(I)において、R1は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、R2はエチレン基またはプロピレン基を表し、R3は水素原子または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)
    a<b ・・・(1)
    c<(a+b)/2 ・・・(2)
  2. 請求項1において、
    前記第2有機溶剤の含有量cが、3質量%以上30質量%以下である、インクジェット記録用インク組成物。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記第1有機溶剤の含有量bが、20質量%以上85質量%以下である、インクジェット記録用インク組成物。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
    前記第2有機溶剤は、下記一般式(II)で表される化合物である、インクジェット記録用インク組成物。
    4−O−(R5−O)n−R6 ・・・(II)
    (上記一般式(II)において、R4は炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、R5はエチレン基またはプロピレン基を表し、R6は水素原子または炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、nは2以上6以下の整数を表す。)
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
    水の含有量が3質量%以下である、インクジェット記録用インク組成物。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
    下記式(3)の関係を満たす、インクジェット記録用インク組成物。
    a<c ・・・(3)
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のインク組成物を記録ヘッドから吐出して、記録媒体に付着させる工程を含む、インクジェット記録方法。
  8. 請求項7において、
    前記記録媒体に付着させる工程において、前記記録媒体の加熱温度が40℃以上50℃以下である、インクジェット記録方法。
  9. 請求項7または請求項8において、
    湿度50%RH以上の環境下で記録を行う、インクジェット記録方法。
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